説明

レンズ駆動装置

【課題】レンズ駆動装置の被写体側の端面部と可動体との間からレンズ駆動装置の内部へ入り込んだ塵埃が撮像素子やIRカットフィルタに付着するのを防止することが可能なレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】レンズの光軸方向から見たときの形状が略四角形状となるレンズ駆動装置1は、光軸方向へ移動可能な可動体と、可動体を光軸方向へ移動可能に保持する固定体と、可動体を光軸方向へ駆動する駆動機構とを備えている。固定体は、可動体および駆動機構の外周側を覆うカバー部材10を備えている。また、可動体は、光軸方向に略直交する方向へ、かつ、レンズ駆動装置1の四隅のうちの少なくとも1箇所に向かって広がる少なくとも1個の拡張部8fを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等で使用される比較的小型のカメラに搭載されるレンズ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話等に搭載されるカメラの撮影用レンズを駆動するレンズ駆動装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のレンズ駆動装置は、レンズを保持する移動体と、レンズの光軸方向へ移動体を移動可能に保持する支持体と、移動体を光軸方向へ駆動する駆動機構とを備えている。支持体は、移動体および駆動機構の外周側に配置されレンズ駆動装置の側面を構成する略有底四角筒状のケースと、レンズ駆動装置の反被写体側の端面を構成するベースとを備えている。
【0003】
略有底四角筒状に形成されるケースの底部は、レンズ駆動装置の被写体側の端面を構成している。ケースの底部には、光軸方向に貫通する開口部が形成されている。ベースの中心には、光軸方向に貫通する貫通孔が形成されている。特許文献1に記載のレンズ駆動装置が搭載されるカメラでは、この貫通孔の中、あるいは、この貫通孔よりも反被写体側に、可視光を透過して近赤外光をカットするIRカットフィルタや撮像素子が配置されている。ベースの被写体側の面には、光軸方向における移動体の基準位置を決めるためのストッパ部が被写体側へ突出するように形成されており、移動体に形成される突起がストッパ部の被写体側の面に当接することで、光軸方向における移動体の基準位置が決まる。また、ベースの被写体側の面の、貫通孔とストッパ部との間には、反被写体側に向かって窪む塵埃貯留用凹部が形成されている。
【0004】
このレンズ駆動装置では、移動体の突起とベースのストッパ部とが接触する際に生じうる塵埃は、塵埃貯留用凹部に溜まるようになっている。そのため、このレンズ駆動装置では、移動体の突起とベースのストッパ部とが接触する際に生じうる塵埃が貫通孔を通過して、撮像素子やIRカットフィルタに付着するのを防止することが可能であり、レンズ駆動装置が搭載されるカメラで撮影された画像に塵埃に起因する黒点等が発生するのを防止することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−190923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のレンズ駆動装置では、光軸方向における移動体の移動量を確保するため、レンズ駆動装置の被写体側の端面を構成するケースの底部と移動体の被写体側の端面との間に隙間が形成されている。したがって、このレンズ駆動装置では、この隙間からレンズ駆動装置の内部に塵埃が入り込むおそれがある。上述のように、特許文献1に記載のレンズ駆動装置では、移動体の突起とベースのストッパ部とが接触する際に生じうる塵埃が貫通孔を通過して撮像素子やIRカットフィルタに付着するのを防止するための配慮はなされている。しかしながら、このレンズ駆動装置では、ケースの底部と移動体の被写体側の端面との隙間からレンズ駆動装置の内部に入り込んだ塵埃が撮像素子やIRカットフィルタに付着するのを防止するための十分な配慮はなされていない。
【0007】
そこで、本発明の課題は、レンズの光軸方向から見たときの形状が略四角形状となるレンズ駆動装置であって、レンズ駆動装置の被写体側の端面部と可動体との間からレンズ駆動装置の内部へ入り込んだ塵埃が撮像素子やIRカットフィルタに付着するのを防止することが可能なレンズ駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明のレンズ駆動装置は、レンズの光軸方向から見たときの形状が略四角形状となるレンズ駆動装置であって、レンズを保持し光軸方向へ移動可能な可動体と、可動体を光軸方向へ移動可能に保持する固定体と、可動体を光軸方向へ駆動する駆動機構とを備え、固定体は、可動体および駆動機構の外周側を覆うカバー部材を備え、可動体は、光軸方向に略直交する方向へ、かつ、レンズ駆動装置の四隅のうちの少なくとも1箇所に向かって広がる少なくとも1個の拡張部を備えることを特徴とする。
【0009】
レンズの光軸方向から見たときのレンズ駆動装置の形状が略四角形状となっている場合には、レンズ駆動装置の内部の四隅に空間が形成されやすいため、レンズ駆動装置の被写体側の端面部と可動体との間からレンズ駆動装置の内部へ入り込んだ塵埃は、レンズ駆動装置の四隅において、カバー部材の内側を通過して、撮像素子やIRカットフィルタが配置されるレンズ駆動装置の反被写体側へ移動しやすい。しかしながら、本発明では、可動体が、光軸方向に略直交する方向へ、かつ、レンズ駆動装置の四隅のうちの少なくとも1箇所に向かって広がる少なくとも1個の拡張部を備えているため、レンズ駆動装置の四隅の少なくとも1箇所において、可動体とカバー部材との隙間を小さくすることが可能になる。したがって、本発明では、レンズ駆動装置の被写体側の端面部と可動体との間からレンズ駆動装置の内部へ入り込んだ塵埃が、レンズ駆動装置の反被写体側へ移動するのを拡張部によって抑制することが可能になり、その結果、レンズ駆動装置の被写体側の端面部と可動体との間からレンズ駆動装置の内部へ入り込んだ塵埃が撮像素子やIRカットフィルタに付着するのを防止することが可能になる。
【0010】
本発明において、拡張部は、可動体の被写体側に形成されていることが好ましい。このように構成すると、レンズ駆動装置の被写体側の端面部と可動体との間からレンズ駆動装置の内部へ入り込んだ塵埃がレンズ駆動装置の反被写体側へ移動するのを可動体の被写体側で抑制することが可能になる。また、このように構成すると、レンズ駆動装置の反被写体側において、レンズ駆動装置の組立作業がやりやすくなる。
【0011】
本発明において、駆動機構は、可動体の外周面に巻回される駆動用コイルを備え、拡張部は、たとえば、平板状に形成されている。この場合には、拡張部がブロック状に形成されている場合と比較して、駆動用コイルの巻回時に拡張部が邪魔になりにくくなる。したがって、駆動用コイルの巻回作業が容易になる。
【0012】
本発明において、駆動機構は、可動体の外周面に巻回される駆動用コイルと、略四角筒状に形成されるカバー部材の4つの側面に沿って配置される平板状の駆動用磁石とを備え、駆動用磁石は、駆動用コイルに対向する対向部と、対向部からレンズ駆動装置の四隅のうちの隣り合う2箇所に向かって伸びる非対向部とを備えることが好ましい。このように構成すると、レンズ駆動装置の内部の四隅に形成されやすい空間を駆動用磁石の非対向部を利用して狭くすることが可能になる。したがって、レンズ駆動装置の被写体側の端面部と可動体との間からレンズ駆動装置の内部へ入り込んだ塵埃が、レンズ駆動装置の反被写体側へ移動するのを効果的に抑制することが可能になる。
【0013】
本発明において、拡張部には、光軸方向を軸方向として可動体が回動したときの拡張部と駆動用磁石との干渉を防止するための切欠き部が形成されていることが好ましい。このように構成すると、可動体に拡張部が形成され、かつ、駆動用磁石に非対向部が形成されている場合であっても、可動体と駆動用磁石との干渉を防止することが可能になる。
【0014】
本発明において、レンズ駆動装置は、可動体の被写体側で可動体と固定体とを繋ぐ板バネを備え、固定体は、板バネの一部が固定される略四角形の枠状のバネ固定部材を備え、バネ固定部材は、レンズ駆動装置の四隅に配置され反被写体側に向かって伸びる突起部を備え、突起部は、レンズ駆動装置の周方向で隣り合う駆動用磁石の端面の間に形成される隙間に配置されていることが好ましい。このように構成すると、レンズ駆動装置の周方向で隣り合う駆動用磁石の端面の間に形成される隙間を突起部で埋めることが可能になる。したがって、レンズ駆動装置の被写体側の端面部と可動体との間からレンズ駆動装置の内部へ入り込んだ塵埃が、レンズ駆動装置の反被写体側へ移動するのを効果的に抑制することが可能になる。
【0015】
本発明において、レンズ駆動装置の周方向で隣り合う駆動用磁石の端面の間に形成される隙間の少なくとも一部には、接着剤が充填されていることが好ましい。このように構成すると、レンズ駆動装置の周方向で隣り合う駆動用磁石の端面の間に形成される隙間を接着剤で埋めることが可能になる。したがって、レンズ駆動装置の被写体側の端面部と可動体との間からレンズ駆動装置の内部へ入り込んだ塵埃が、レンズ駆動装置の反被写体側へ移動するのを効果的に抑制することが可能になる。また、このように構成すると、カバー部材への駆動用磁石の固定強度を高めることが可能になる。
【0016】
本発明において、駆動機構は、可動体の外周面に巻回される駆動用コイルを備え、可動体は、レンズ駆動装置の四隅のうちの3箇所のそれぞれに向かって広がる3個の拡張部を備えるとともに、反被写体側から引き回される駆動用コイルの一部を引っ掛けるフック部を可動体の被写体側に備え、フック部は、光軸方向に略直交する方向へ、かつ、拡張部が形成されていないレンズ駆動装置の四隅のうちの残りの1箇所へ向かって突出していることが好ましい。このように構成すると、反被写体側から引き回される駆動用コイルの一部をフック部に引っ掛けた状態で可動体の外周面に駆動用コイルを巻回することができるため、可動体の被写体側から反被写体側に向かって整然と駆動用コイルを巻回することが可能になる。したがって、駆動用コイルの巻回作業が容易になる。また、このように構成すると、フック部が、光軸方向に略直交する方向へ、かつ、拡張部が形成されていないレンズ駆動装置の四隅のうちの残りの1箇所へ向かって突出しているため、拡張部が形成されていないレンズ駆動装置の四隅のうちの1箇所でも、可動体とカバー部材との隙間を小さくして、塵埃が、レンズ駆動装置の反被写体側へ移動するのを抑制することが可能になる。
【0017】
本発明において、駆動機構は、光軸方向に所定の間隔をあけた状態で可動体に巻回される2個の駆動用コイルを備え、可動体の、2個の駆動用コイルの間には、光軸方向に略直交する方向へ、かつ、拡張部が形成されていないレンズ駆動装置の四隅のうちの残りの1箇所へ向かって突出する第1の突出部が形成されていることが好ましい。また、本発明において、可動体の反被写体側には、光軸方向に略直交する方向へ、かつ、拡張部が形成されていないレンズ駆動装置の四隅のうちの残りの1箇所へ向かって突出する第2の突出部が形成されていることが好ましい。このように構成すると、反被写体側から被写体側へ駆動用コイルを引き回すために、拡張部よりもフック部が小さく形成されていても、拡張部が形成されていないレンズ駆動装置の四隅の1箇所において、レンズ駆動装置の反被写体側へ塵埃が移動するのを、第1の突出部や第2の突出部によって効果的に抑制することが可能になる。
【0018】
本発明において、固定体は、レンズ駆動装置の反被写体側の端面を構成するベース部材を備え、ベース部材の略中心には、光軸方向へ貫通する貫通孔が形成され、拡張部が形成されていないレンズ駆動装置の四隅のうちの残りの1箇所の、ベース部材の被写体側の面には、被写体側に向かって立ち上る第1の壁部が形成されていることが好ましい。このように構成すると、反被写体側から被写体側へ駆動用コイルを引き回すために、拡張部よりも小さく形成されたフック部が配置されるレンズ駆動装置の四隅のうちの1箇所において、仮に、ベース部材まで塵埃が移動したとしても、この塵埃が貫通孔を通過して撮像素子やIRカットフィルタに付着するのを、第1の壁部によって阻止することが可能になる。
【0019】
本発明において、ベース部材の被写体側の面には、貫通孔を囲むように、かつ、被写体側に向かって立ち上る第2の壁部が形成されていることが好ましい。このように構成すると、仮に、レンズ駆動装置の四隅において、ベース部材まで塵埃が移動したとしても、この塵埃が貫通孔を通過して撮像素子やIRカットフィルタに付着するのを、第2の壁部によって阻止することが可能になる。
【0020】
本発明において、たとえば、第1の壁部は、第2の壁部よりも高くなっている。この場合には、貫通孔を囲むように形成される第2の壁部と、光軸方向へ移動する可動体との干渉を防止しやすくなる。
【0021】
本発明において、たとえば、ベース部材の被写体側の面には、光軸方向における可動体の基準位置を決めるための基準凹部が反被写体側に向かって窪むように形成され、基準凹部の底面は、可動体が当接して光軸方向における可動体の基準位置を決める基準面となっており、第2の壁部は、基準凹部の側面を構成している。
【0022】
本発明において、固定体は、レンズ駆動装置の反被写体側の端面を構成するベース部材を備え、ベース部材には、光軸方向において、略四角筒状に形成されるカバー部材の反被写体側の端面と重なるカバー部材固定面が形成され、カバー部材固定面には、カバー部材の反被写体側の端面に当接する当接面を有する凸部が被写体側へ突出するように形成されていることが好ましい。このように構成すると、カバー部材固定面の全体がカバー部材の反被写体側の端面に当接する場合と比較して、当接面の平面度や寸法精度を確保しやすくなる。したがって、ベース部材に対するカバー部材の傾きを抑制することが可能になる。また、ベース部材とカバー部材とが固定された状態のレンズ駆動装置の寸法精度を確保しやすくなる。また、このように構成すると、カバー部材固定面と、カバー部材の反被写体側の端面との間に形成される隙間を、カバー部材とベース部材とを固定するための接着剤が溜まる接着剤溜まりとすることができる。したがって、カバー部材とベース部材との接合部から接着剤がはみ出すのを防止することが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明では、レンズの光軸方向から見たときの形状が略四角形状となるレンズ駆動装置において、レンズ駆動装置の被写体側の端面部と可動体との間からレンズ駆動装置の内部へ入り込んだ塵埃が撮像素子やIRカットフィルタに付着するのを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態にかかるレンズ駆動装置の斜視図である。
【図2】図1のE−E断面の断面図である。
【図3】図1に示すレンズ駆動装置の分解斜視図である。
【図4】図1に示すレンズ駆動装置の駆動用コイルおよび駆動用磁石を抜き出して示す平面図である。
【図5】図3に示すスリーブを被写体側から示す斜視図である。
【図6】図3に示すスリーブを反被写体側から示す斜視図である。
【図7】図1に示すレンズ駆動装置からカバー部材、スペーサおよび板バネを取り外した状態の平面図である。
【図8】図3に示すベース部材を被写体側から示す斜視図である。
【図9】図3に示すベース部材の、光軸を中心に略180°回転させた状態を示す斜視図である。
【図10】図1に示すレンズ駆動装置からカバー部材を取り外した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
(レンズ駆動装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるレンズ駆動装置1の斜視図である。図2は、図1のE−E断面の断面図である。図3は、図1に示すレンズ駆動装置1の分解斜視図である。図4は、図1に示すレンズ駆動装置1の駆動用コイル15および駆動用磁石17を抜き出して示す平面図である。なお、以下の説明では、図1等に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とする。また、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向とする。また、X1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「前」側、Y2方向側を「後(後ろ)」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。
【0027】
本形態のレンズ駆動装置1は、携帯電話、ドライブレコーダあるいは監視カメラシステム等で使用される比較的小型のカメラに搭載されるものであり、図1に示すように、全体として略四角柱状に形成されている。具体的には、レンズ駆動装置1は、撮影用のレンズの光軸Lの方向(光軸方向)から見たときの形状が略四角形状となるように形成されている。本形態では、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となるように形成されている。また、レンズ駆動装置1の4つの側面は、左右方向または前後方向と略平行になっている。
【0028】
本形態では、Z方向(上下方向)が光軸方向とほぼ一致している。また、本形態のレンズ駆動装置1が搭載されるカメラでは、下側に図示を省略する撮像素子が配置されており、上側に配置される被写体が撮影される。すなわち、本形態では、上側(Z1方向側)は被写体側(物体側)であり、下側(Z2方向側)は反被写体側(撮像素子側、像側)である。
【0029】
レンズ駆動装置1は、図1、図2に示すように、撮影用のレンズを保持し光軸方向へ移動可能な可動体2と、可動体2を光軸方向へ移動可能に保持する固定体3と、可動体2を光軸方向へ駆動するための駆動機構4とを備えている。また、レンズ駆動装置1は、図2、図3に示すように、可動体2と固定体3とを繋ぐ板バネ5、6を備えている。すなわち、可動体2は、板バネ5、6を介して固定体3に移動可能に保持されている。本形態では、1個の板バネ5が可動体2の上端側に配置され、2個の板バネ6が可動体2の下端側に配置されている。
【0030】
可動体2は、複数のレンズが固定されたレンズホルダ7を保持するスリーブ8を備えている。固定体3は、レンズ駆動装置1の側面の上端側部分を構成するカバー部材10と、レンズ駆動装置1の側面の下端側部分およびレンズ駆動装置1の下端面を構成するベース部材11と、板バネ5の一部が固定されるスペーサ12とを備えている。ベース部材11には、駆動機構4を構成する後述の駆動用コイル15に電流を供給するための一対の給電端子13が固定されている。
【0031】
レンズホルダ7は、略円筒状に形成されている。このレンズホルダ7の内周側には、上下方向から見たときの形状が略円形状となる複数のレンズが固定されている。レンズホルダ7の外周面には、オネジが形成されている。なお、図2、図3では、レンズホルダ7の図示を省略している。
【0032】
スリーブ8は、樹脂材料で形成されている。また、スリーブ8は、略筒状に形成されている。具体的には、スリーブ8は、上下方向から見たときの内周面の形状が略円形状となるとともに、上下方向から見たときの外周面の上端側の形状が略円形状となり、かつ、上下方向から見たときの外周面の下端側の形状が略四角形状となる略筒状に形成されている。スリーブ8の下端には、ベース部材11に形成される後述の基準面11bに当接する当接面8aが光軸方向と略直交するように形成されている。具体的には、前後方向および左右方向におけるスリーブ8の下端の略中心位置に、かつ、略90°ピッチで、4個の当接面8aが形成されている。スリーブ8のより具体的な構成については後述する。
【0033】
カバー部材10は、磁性材料で形成されている。また、カバー部材10は、底部10aと筒部10bとを有する底付きの略四角筒状に形成されている。底部10aは、上側に配置されており、レンズ駆動装置1の上端面を構成している。底部10aの中心には、底部10aを貫通する開口部10cが形成されている。カバー部材10は、可動体2および駆動機構4の外周側を覆っている。
【0034】
ベース部材11は、樹脂材料で形成されている。また、ベース部材11は、光軸方向から見たときの形状が略正方形となるブロック状に形成されている。このベース部材11は、カバー部材10の下端側に取り付けられている。ベース部材11の中心には、貫通孔11aが形成されている。また、ベース部材11の上面には、光軸方向における可動体2の基準位置を決めるための基準面11bが光軸方向と略直交するように形成されている。具体的には、前後方向および左右方向におけるベース部材11の上面の略中心位置に、かつ、略90°ピッチで、4個の基準面11bが形成されている。基準面11bには、スリーブ8の当接面8aが当接可能となっている。ベース部材11のより具体的な構成については後述する。
【0035】
スペーサ12は、たとえば、樹脂材料で形成されるとともに、略正方形の扁平なブロック状に形成されている。また、スペーサ12は、略正方形の枠状に形成されており、その中心には、貫通孔が形成されている。このスペーサ12は、カバー部材10の底部10aの下面に固定されている。スペーサ12の詳細な構成については後述する。
【0036】
板バネ5は、スリーブ8の上端側に固定される円環状の可動体固定部と、スペーサ12に固定される4個の固定体固定部と、可動体固定部と固定体固定部とを繋ぐ4本の腕部とを備えている。この板バネ5は、その厚さ方向と上下方向とが略一致するように、スリーブ8およびスペーサ12に固定されている。本形態では、駆動機構4を構成する後述の駆動用コイル15に電流が供給されていないときに、スリーブ8の当接面8aとベース部材11の基準面11bとが当接して可動体2が所定の基準位置に配置されるように、板バネ5は、撓んだ状態でスリーブ8およびスペーサ12に固定されている。
【0037】
板バネ6は、スリーブ8の下端側に固定される可動体固定部と、ベース部材11に固定される2個の固定体固定部と、可動体固定部と固定体固定部とを繋ぐ2本の腕部とを備えている。板バネ6は、その厚さ方向と上下方向とが略一致するように、スリーブ8およびベース部材11に固定されている。また、板バネ6は、スリーブ8の当接面8aとベース部材11の基準面11bとが当接しているときに板バネ6による付勢力が可動体2に生じないように、スリーブ8およびベース部材11に固定されている。
【0038】
給電端子13は、平板状の金属材料が折り曲げられることで形成されている。この給電端子13は、ベース部材11に固定されている。また、給電端子13には、板バネ6の一部が半田付け等されて固定されている。
【0039】
駆動機構4は、スリーブ8の外周面に巻回される2個の駆動用コイル15と、レンズ駆動装置1の4つの側面のそれぞれに沿って配置される4個の駆動用磁石17とを備えている。
【0040】
2個の駆動用コイル15は、上下方向に所定の間隔をあけた状態で、スリーブ8の外周面に巻回されている。また、2個の駆動用コイル15は、1本の導線がスリーブ8の外周面に順次巻回されることで形成されている。本形態では、まず、上側の駆動用コイル15が形成され、その後、下側の駆動用コイル15が形成されている。また、上側の駆動用コイル15の巻回方向と、下側の駆動用コイル15の巻回方向とは異なっている。2個の駆動用コイル15を構成する導線の両端側のそれぞれは、2枚の板バネ6のそれぞれに半田付け等されて固定されている。
【0041】
スリーブ8の外周面の、駆動用コイル15が巻回される部分(すなわち、後述の被巻回部8e)は、上下方向から見たときの形状が略八角形状となるように形成されており、駆動用コイル15は、略八角筒状に巻回されている。図4に示すように、駆動用コイル15の、前後方向または左右方向に略平行な部分(すなわち、カバー部材10の筒部10bの4つの側面に沿って配置される部分)は、駆動用磁石17に対向している。すなわち、駆動用コイル15の、前後方向または左右方向に平行な部分は、駆動用磁石17に対向する対向部15aとなっている。一方、レンズ駆動装置1の四隅に配置される駆動用コイル15の、前後方向および左右方向に対して傾斜する部分は、駆動用磁石17に対向していない非対向部となっている。
【0042】
駆動用磁石17は、略矩形の平板状に形成されている。この駆動用磁石17は、カバー部材10の筒部10bの前後左右の内側面に固定されている。すなわち、駆動用磁石17は、筒部10bの4つの側面に沿って配置されている。駆動用磁石17は、上側に配置される駆動用コイル15に対向する面の磁極と、下側に配置される駆動用コイル15に対向する面の磁極とが異なる磁極となるように着磁されている。また、4つの駆動用磁石17の、上側に配置される駆動用コイル15に対向する面の磁極が同じ磁極となるように、駆動用磁石17が着磁されている。
【0043】
図4に示すように、前後方向と略平行に配置される駆動用磁石17の前後方向の幅は、前後方向と略平行な駆動用コイル15の対向部15aの前後方向の幅よりも長くなっており、左右方向と略平行に配置される駆動用磁石17の左右方向の幅は、左右方向と略平行な対向部15aの左右方向の幅よりも長くなっている。また、前後方向と略平行に配置される駆動用磁石17の前後方向の中心側部分は、前後方向と略平行な対向部15aと対向しているが、この駆動用磁石17の前後方向の両端側部分は、対向部15aと対向していない。同様に、左右方向と略平行に配置される駆動用磁石17の左右方向の中心側部分は、左右方向と略平行な対向部15aと対向しているが、この駆動用磁石17の左右方向の両端側部分は、対向部15aと対向していない。
【0044】
すなわち、駆動用磁石17は、駆動用コイル15の対向部15aに対向する対向部17aと、対向部15aに対向しない非対向部17bとによって構成されている。非対向部17bは、対向部17aからレンズ駆動装置1の四隅に向かって伸びている。具体的には、前後方向と略平行な駆動用磁石17の前後の両端面と、左右方向に略平行な駆動用磁石17の左右の両端面とが接触しないように、非対向部17bは、対向部17aからレンズ駆動装置1の四隅に向かって伸びており、レンズ駆動装置1の周方向で隣り合う駆動用磁石17の端面の間には、隙間S1が形成されている。すなわち、レンズ駆動装置1の四隅において、レンズ駆動装置1の周方向で隣り合う駆動用磁石17の端面の間には、隙間S1が形成されている。なお、本形態のカバー部材10は、磁気回路を形成するためのヨークの機能を果たしている。
【0045】
以上のように構成されたレンズ駆動装置1では、駆動用コイル15に電流が供給されると可動体2が光軸方向へ移動する。可動体2の上端側(具体的には、スリーブ8の上端側)と、固定体3の上端部(具体的には、カバー部材10の底部10a)との間には、可動体2の上下方向への移動が可能となるように、隙間S2(図1、図2参照)が形成されている。
【0046】
(スリーブの構成)
図5は、図3に示すスリーブ8を被写体側から示す斜視図である。図6は、図3に示すスリーブ8を反被写体側から示す斜視図である。図7は、図1に示すレンズ駆動装置1からカバー部材10、スペーサ12および板バネ5を取り外した状態の平面図である。
【0047】
スリーブ8は、上述のように、上下方向から見たときの内周面の形状が略円形状となるとともに、上下方向から見たときの外周面の上端側の形状が略円形状となり、かつ、上下方向から見たときの外周面の下端側の形状が略四角形状となる略筒状に形成されている。スリーブ8の内周面には、レンズホルダ7の外周面に形成されるオネジに螺合するメネジ8bが形成されている。
【0048】
スリーブ8の上端側には、上側へ突出する複数の凸部8cが形成されている。本形態では、略90°の等角度ピッチで、4個の凸部8cが形成されている。また、4個の凸部8cは、レンズ駆動装置1の四隅に対応する位置に形成されている。凸部8cの上端面は、上下方向に略直交するように形成されている。この凸部8cの上端面は、カバー部材10の底部10aの下面に当接して固定体3に対する可動体2の上側への移動量を規制する規制面となっている。また、スリーブ8の上端側には、板バネ5の可動体固定部が固定されるバネ固定面8dが形成されている。バネ固定面8dは、凸部8cの下側であって、かつ、凸部8cよりも外周側に形成されている。
【0049】
スリーブ8の外周側には、駆動用コイル15が巻回される被巻回部8eが形成されている。被巻回部8eは、スリーブ8の径方向の内側へ窪むように形成されている。また、2個の被巻回部8eが上下方向に所定の間隔をあけた状態で形成されている。被巻回部8eは、上下方向から見たときの形状が略八角形状となるように形成されている。
【0050】
上側に配置される被巻回部8eの上側には、上下方向に略直交する方向へ広がる鍔状の拡張部8fが形成されている。本形態では、レンズ駆動装置1の四隅のうちの3箇所のそれぞれに向かって広がる3個の拡張部8fがスリーブ8に形成されている。具体的には、図7に示すように、レンズ駆動装置1の右前の隅、左前の隅および右後ろの隅のそれぞれに向かって広がる3個の拡張部8fがスリーブ8に形成されている。
【0051】
拡張部8fは、上下方向において、上側に配置される被巻回部8eとバネ固定面8dとの間に形成されており、スリーブ8の上側部分に形成されている。また、拡張部8fは、左右方向(X方向)と前後方向(Y方向)とから形成されるXY平面に略平行な平板状に形成されている。また、拡張部8fは、上下方向から見たときの形状が略直角二等辺三角形状となる平板状に形成されており、略直角な頂点部分がレンズ駆動装置1の右前の隅、左前の隅および右後ろの隅に配置されている。拡張部8fの一部は、上下方向から見たときに、ベース部材11の上面側の右前の隅、左前の隅および右後ろの隅に形成される後述のバネ固定部11cに重なっている。また、拡張部8fの、上下方向に直交する方向の端面は、駆動用磁石17と対向している。
【0052】
拡張部8fには、上下方向を軸方向としてスリーブ8が回動したときの拡張部8fと駆動用磁石17(具体的には、非対向部17b)との干渉を防止するための切欠き部8gが形成されている。切欠き部8gは、略直角二等辺三角形状に形成される拡張部8fの略直角な頂点を含む前後方向の所定の範囲が左右方向の内側に向かって一定量切り欠かれるとともに、拡張部8fの略直角な頂点を含む左右方向の所定の範囲が前後方向の内側に向かって一定量切り欠かれることで形成されており、上下方向から見たときに略L形状に形成されている。本形態では、拡張部8fの上下方向に直交する方向の端面の、駆動用磁石17の非対向部17bに対向する範囲に切欠き部8gが形成されている。
【0053】
上述のように、2個の駆動用コイル15を構成する導線の両端側のそれぞれは、スリーブ8の下端側に配置される2枚の板バネ6のそれぞれに固定されている。また、上側に配置される被巻回部8eと下側に配置される被巻回部8eとにこの順番で導線が巻回されることで2個の駆動用コイル15が形成されている。スリーブ8には、導線の一端部が固定されるスリーブ8の下端側から上側の被巻回部8eに向かって引き回される導線(すなわち、駆動用コイル15の一部)を引っ掛けるフック部8hが上下方向に略直交する方向へ突出するように形成されている(図6参照)。
【0054】
フック部8hは、レンズ駆動装置1の四隅のうちの拡張部8fが形成されていない残りの1箇所に向かって突出するように形成されている。すなわち、フック部8hは、図7に示すように、レンズ駆動装置1の左後ろの隅に向かって突出するように形成されている。また、フック部8hは、上下方向において、拡張部8fと略同じ位置に形成されており、スリーブ8の上側部分に形成されている。また、拡張部8fと同様に、フック部8hは、XY平面に略平行な平板状に形成されている。また、フック部8hは、上下方向から見たときの形状が略T形状となる平板状に形成されている。上下方向から見たときのフック部8hの面積は、上下方向から見たときの拡張部8fの面積よりも狭くなっている。スリーブ8の下端側から引き回された導線は、フック部8hに、たとえば、1周巻かれた後、上側の被巻回部8eに巻回される。
【0055】
図6に示すように、上側の被巻回部8eと下側の被巻回部8eとの間(すなわち、2個の駆動用コイル15の間)であって、かつ、フック部8hの下側には、レンズ駆動装置1の左後ろの隅に向かって突出する第1の突出部としての突出部8jが形成されている。また、下側の被巻回部8eの下側であって、かつ、突出部8jの下側にも、レンズ駆動装置1の左後ろの隅に向かって突出する第2の突出部としての突出部8kが形成されている。
【0056】
突出部8j、8kは、XY平面に略平行な平板状に形成されている。上下方向から見たときの突出部8j、8kの面積は、上下方向から見たときのフック部8hの面積よりも広くなっている。また、突出部8j、8kは、上下方向から見たときに、ベース部材11の上面側の左後ろ側の隅に形成される後述のバネ固定部11cとわずかに重なっている。なお、フック部8hおよび突出部8j、8kの隣には、図6に示すように、上下方向へ導線を通過させるための切欠き部8mが形成されている。この切欠き部8mは、スリーブ8の径方向の内側へ被巻回部8eと同程度、窪んでいる。
【0057】
(ベース部材の構成)
図8は、図3に示すベース部材11を被写体側から示す斜視図である。図9は、図3に示すベース部材11の、光軸Lを中心に略180°回転させた状態を示す斜視図である。
【0058】
ベース部材11は、上述のように、光軸方向から見たときの形状が略正方形となるブロック状に形成されており、その中心には、貫通孔11aが形成されている。貫通孔11aは、上下方向から見たときの形状が略正方形状となるように形成されている。貫通孔11aの中、あるいは、貫通孔11aの下側には、レンズ駆動装置1が搭載されるカメラの一部を構成するIRカットフィルタ(図示省略)が配置されている。また、IRカットフィルタの下側には撮像素子(図示省略)が配置されている。
【0059】
ベース部材11の上面側の四隅には、板バネ6の固定体固定部を固定するためのバネ固定部11cが形成されている。バネ固定部11cは、ベース部材11の上面から上側へ突出するように形成されており、バネ固定部11cの上面は、板バネ6の固定体固定部が固定されるバネ固定面となっている。
【0060】
また、ベース部材11の上面側には、ベース部材11の上面の外周端に沿うように外周壁部11dが形成されている。外周壁部11dは、ベース部材11の上面の外周端から上側へ立ち上がる略平板状に形成されている。外周壁部11dよりも外周側には、上下方向において、カバー部材10の筒部10bの下端面10dと重なるカバー部材固定面11eが形成されている。カバー部材固定面11eは、ベース部材11のほぼ全周に亘って形成されている。
【0061】
ベース部材11の前後に配置されるカバー部材固定面11eの左右方向における略中心位置、および、ベース部材11の左右に配置されるカバー部材固定面11eの前後方向における略中心位置には、上側へ突出する1個の凸部11fが形成されている。すなわち、カバー部材固定面11eには、合計4個の凸部11fが形成されている。凸部11fの上面は、上下方向に略直交する平面状に形成されており、筒部10bの下端面10dに当接する当接面11gとなっている。そのため、カバー部材固定面11eと筒部10bの下端面10dとの間には、図1に示すように隙間が形成されている。
【0062】
本形態では、外周壁部11dの外側面に接着剤を塗布した状態のベース部材11を筒部10bの内周側に挿入することで、筒部10bの下端側にベース部材11が固定される。筒部10bの下端面10dとカバー部材固定面11eとの間に形成される隙間は、筒部10bの下端側にベース部材11を固定する際に、外周壁部11dの外側面に塗布された接着剤の一部が溜まる接着剤溜まりとなっている。
【0063】
ベース部材11の上面には、貫通孔11aを囲むように、第2の壁部としての壁部11hが形成されている。壁部11hは、ベース部材11の上面から上側へわずかに立ち上がるように形成されている。本形態では、2個の壁部11hが形成されている。一方の壁部11hは、貫通孔11aの右前の隅の縁から左前の隅の縁を経由して左後ろの隅の縁の近傍まで形成されている。他方の壁部11hは、貫通孔11aの右前の隅の縁の近傍から右後ろの隅の縁を経由して左後ろの隅の縁まで形成されている。すなわち、壁部11hは、上下方向から見たときに略L形状となるように形成されている。ベース部材11の周方向において、2個の壁部11hの間には隙間があり、貫通孔11aの全周に亘っては、壁部11hは形成されていない。なお、2個の壁部11hの間の隙間には、スリーブ8に固定されるとともに駆動用コイル15の導線の端部側が巻き付けられるピン(図示省略)との干渉を防止するための逃げ部となっている。
【0064】
また、ベース部材11の上面には、ベース部材11の上面から下側へわずかに窪む3個の凹部11jが形成されている。凹部11jは、貫通孔11aの左右方向の外側に配置される壁部11hの左右方向の外側の2箇所と、貫通孔11aの後ろ側に配置される壁部11hの後ろ側の1箇所との3箇所に形成されている。凹部11jの底面は、上述の基準面11bとなっている。貫通孔11aの左右方向の外側に配置される壁部11hは、その左右方向の外側に形成される凹部11jの左右方向の内側の側面を構成している。本形態では、貫通孔11aの左右方向の外側に配置される壁部11hの左右方向の外側に形成される凹部11jは、上下方向における可動体2の基準位置を決めるための基準凹部となっている。
【0065】
ベース部材11の上面の左後ろの隅には、上側へ立ち上がる第1の壁部としての壁部11kが形成されている。すなわち、レンズ駆動装置1の四隅のうちの拡張部8fが形成されていない1箇所の、ベース部材11の上面には、壁部11kが形成されている。壁部11kは、ベース部材11の上面の左後ろの隅に形成されるバネ固定部11cよりも内周側に、かつ、壁部11hよりも外周側に形成されている。具体的には、壁部11kは、2個の壁部11hの間の隙間を外周側から覆うように形成されている。また、壁部11kは、前後方向に略平行な部分と、左右方向に略平行な部分と、前後左右方向に対して傾斜するとともにこれら2つの部分を繋ぐ部分とから構成されている。壁部11kは、壁部11hよりも高くなっている。
【0066】
ベース部材11の上面の右前の隅の近傍には、上側へ立ち上がる壁部11mが形成されている。壁部11mは、ベース部材11の上面の右前の隅に形成されるバネ固定部11cの後ろ側に形成されている。また、壁部11mは、壁部11hよりも外周側に形成されている。具体的には、壁部11mは、2個の壁部11hの間の隙間を外周側から覆うように形成されている。また、壁部11mは、前後方向に略平行な部分のみによって構成されている。壁部11mの高さは、壁部11kの高さと略等しくなっている。
【0067】
(スペーサの構成)
図10は、図1に示すレンズ駆動装置1からカバー部材10を取り外した状態の斜視図である。
【0068】
スペーサ12は、上述のように、略正方形の扁平なブロック状に形成されるとともに、略正方形の枠状に形成されている。スペーサ12の四隅のそれぞれには、下側へ突出する突起部12aが形成されている。突起部12aは、カバー部材10の筒部10bの内周側の四隅のそれぞれに配置されている。具体的には、突起部12aは、図10に示すように、レンズ駆動装置1の周方向で隣り合う駆動用磁石17の端面の間に形成される隙間S1の上側部分に配置されている。本形態のスペーサ12は、板バネ5の一部が固定されるバネ固定部材である。
【0069】
突起部12aの下側に形成される隙間S1の下側部分は、筒部10bの四隅部分に外周側から覆われている。この隙間S1の下側部分の一部または全部には、図示を省略する接着剤が充填されている。
【0070】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、スリーブ8に、レンズ駆動装置1の右前の隅、左前の隅および右後ろの隅のそれぞれに向かって広がる3個の拡張部8fが形成されている。そのため、レンズ駆動装置1の右前の隅、左前の隅および右後ろの隅において、スリーブ8とカバー部材10の筒部10bの内周面との隙間を小さくすることが可能になる。したがって、本形態のように、上下方向から見たときの形状が略正方形状となるようにレンズ駆動装置1が形成されているために、レンズ駆動装置1の内部の四隅に空間が形成されやすくなっていても、スリーブ8の上端側とカバー部材10の底部10aとの間の隙間S2からレンズ駆動装置1の内部へ入り込んだ塵埃が、レンズ駆動装置1の四隅において、筒部10bの内側を通過して下側へ移動するのを拡張部8fによって抑制することが可能になる。その結果、本形態では、隙間S2からレンズ駆動装置1の内部へ入り込んだ塵埃が、ベース部材11の貫通孔11aの中、あるいは、貫通孔11aの下側に配置されるIRカットフィルタに付着するのを防止することが可能になる。
【0071】
特に、本形態では、拡張部8fがスリーブ8の上側部分に形成されているため、隙間S2からレンズ駆動装置1の内部へ入り込んだ塵埃が、筒部10bの内側を通過して下側へ移動するのをレンズ駆動装置1の上側で抑制することが可能になる。また、拡張部8fはスリーブ8の上側部分に形成されているため、スリーブ8に固定された状態の板バネ6の固定体固定部をベース部材11のバネ固定部11cに固定する際の固定作業の支障とはなりにくい。したがって、本形態では、バネ固定部11cへの板バネ6の固定作業が容易になる。
【0072】
本形態では、スリーブ8にフック部8hが形成されている。そのため、下側から引き回された駆動用コイル15の導線をフック部8hに引っ掛けた状態で上側の被巻回部8eに導線を巻回することができる。したがって、本形態では、上側に配置される被巻回部8eから下側に配置される被巻回部8eへ1本の導線を整然と巻回することが可能になる。
【0073】
また、本形態では、フック部8hは、レンズ駆動装置1の左後ろの隅に向かって突出するように形成されているため、拡張部8fが形成されていないレンズ駆動装置1の左後ろの隅でも、スリーブ8とカバー部材10の筒部10bの内周面との隙間を小さくすることが可能になる。したがって、本形態では、レンズ駆動装置1の左後ろの隅においても、隙間S2からレンズ駆動装置1の内部へ入り込んだ塵埃が下側へ移動するのを抑制することが可能になる。特に本形態では、フック部8hの下側に突出部8j、8kが形成されているため、上下方向から見たときのフック部8hの面積が拡張部8fの面積よりも狭くなっていても、レンズ駆動装置1の左後ろの隅において、隙間S2からレンズ駆動装置1の内部へ入り込んだ塵埃が下側へ移動するのを突出部8j、8kによって効果的に抑制することが可能になる。
【0074】
本形態では、駆動用磁石17は、駆動用コイル15の対向部15aに対向する対向部17aに加え、対向部17aからレンズ駆動装置1の四隅に向かって伸びる非対向部17bを備えている。そのため、レンズ駆動装置1の内部の四隅に形成されやすい空間を非対向部17bによって狭くすることができる。したがって、本形態では、隙間S2からレンズ駆動装置1の内部へ入り込んだ塵埃が下側へ移動するのを効果的に抑制することが可能になる。
【0075】
また、本形態では、スペーサ12の四隅のそれぞれに形成される突起部12aが、レンズ駆動装置1の周方向で隣り合う駆動用磁石17の端面の間に形成される隙間S1の上側部分に配置されているため、隙間S1の上側部分を突起部12aで埋めることができる。したがって、本形態では、隙間S2からレンズ駆動装置1の内部へ入り込んだ塵埃が下側へ移動するのを効果的に抑制することが可能になる。特に本形態では、隙間S1の下側部分の一部または全部に接着剤が充填されているため、隙間S2からレンズ駆動装置1の内部へ入り込んだ塵埃が下側へ移動するのを効果的に抑制することが可能になる。また、本形態では、隙間S1の下側部分の一部または全部に接着剤が充填されているため、固定体3に対する駆動用磁石17の固定強度を高めることが可能になる。したがって、本形態では、レンズ駆動装置1の耐衝撃性を高めることが可能になる。
【0076】
本形態では、ベース部材11の上面の左後ろの隅に、上側へ立ち上がる壁部11kが形成されている。そのため、フック部8hが形成されるレンズ駆動装置1の左後ろの隅において、隙間S2からレンズ駆動装置1の内部へ入り込んだ塵埃が仮にベース部材11まで移動したとしても、この塵埃がベース部材11の貫通孔11aの中、あるいは、貫通孔11aの下側に配置されるIRカットフィルタに付着するのを、壁部11kによって防止することが可能になる。
【0077】
また、本形態では、ベース部材11に貫通孔11aを囲むように壁部11hが形成されているため、仮に、隙間S2からレンズ駆動装置1の内部へ入り込んだ塵埃がレンズ駆動装置1の四隅においてベース部材11まで移動したとしても、この塵埃がベース部材11の貫通孔11aの中、あるいは、貫通孔11aの下側に配置されるIRカットフィルタに付着するのを、壁部11hによって防止することが可能になる。なお、本形態では、壁部11kが壁部11hよりも高くなっているため、フック部8hが形成されるレンズ駆動装置1の左後ろの隅において、塵埃がIRカットフィルタに付着するのを効果的に防止することが可能である。
【0078】
本形態では、拡張部8fは、平板状に形成されている。そのため、拡張部8fがブロック状に形成されている場合と比較して、駆動用コイル15の巻回時に拡張部8fが邪魔になりにくくなる。したがって、本形態では、駆動用コイル15の巻回作業が容易になる。
【0079】
本形態では、拡張部8fに切欠き部8gが形成されている。そのため、本形態では、スリーブ8に拡張部8fが形成され、かつ、駆動用磁石17に非対向部17bが形成されていても、スリーブ8と駆動用磁石17との干渉を防止することが可能になる。なお、仮に、可動体2が光軸Lを中心して過度に回動したときには、拡張部8fと駆動用磁石17とが接触して、板バネ5、6の塑性変形を防止することが可能である。
【0080】
本形態では、カバー部材10の筒部10bの下端面10dと重なるベース部材11のカバー部材固定面11eに凸部11fが形成されており、凸部11fの上面は、筒部10bの下端面10dに当接する当接面11gとなっている。そのため、カバー部材固定面11eの全体が筒部10bの下端面10dに当接する場合と比較して、当接面11gの平面度や寸法精度を確保しやすくなる。したがって、本形態では、ベース部材11に対するカバー部材10の傾きを抑制することが可能になる。また、ベース部材11とカバー部材10とが固定された状態のレンズ駆動装置1の上下方向の寸法精度を確保しやすくなる。
【0081】
ベース部材11に対するカバー部材10の傾きを抑制することが可能になるため、スリーブ8の上端側とカバー部材10の底部10aとの間の隙間S2の、レンズ駆動装置1の周方向におけるばらつきを抑制することが可能になり、また、ベース部材11とカバー部材10とが固定された状態のレンズ駆動装置1の上下方向の寸法精度を確保しやすくなるため、隙間S2の上下周方向におけるばらつきを抑制することが可能になる。その結果、本形態では、ばらつきが大きくなったときの隙間S2に応じた大きな塵埃が隙間S2からレンズ駆動装置1の内部へ入り込むのを抑制することが可能になり、また、可動体2の可動範囲を適切に確保することが可能になる。さらに、スリーブ8の当接面8aとベース部材11の基準面11bとが当接して可動体2が所定の基準位置に配置されているときの板バネ5の撓み量のばらつきを抑制することが可能になる。したがって、可動体2の移動開始時に駆動用コイル15に供給される電流(始動電流)のばらつきを抑制することが可能になる。
【0082】
また、本形態では、カバー部材固定面11eと筒部10bの下端面10dとの間に形成される隙間が、筒部10bの下端側にベース部材11を固定する際に、外周壁部11dの外側面に塗布された接着剤の一部が溜まる接着剤溜まりとなっているため、カバー部材10とベース部材11との接合部から接着剤がはみ出すのを防止することが可能になる。
【0083】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0084】
上述した形態では、スリーブ8に、レンズ駆動装置1の四隅のうちの3箇所のそれぞれに向かって広がる3個の拡張部8fが形成されている。この他にもたとえば、スリーブ8に、レンズ駆動装置1の四隅のうちの2箇所のそれぞれに向かって広がる2個の拡張部8fが形成されても良いし、レンズ駆動装置1の四隅のうちの1箇所に向かって広がる1個の拡張部8fが形成されても良い。また、フック部8hが形成されていないのであれば、スリーブ8に、レンズ駆動装置1の四隅のそれぞれに向かって広がる4個の拡張部8fが形成されても良い。
【0085】
上述した形態では、拡張部8fは、上側に配置される被巻回部8eの上側に形成されている。この他にもたとえば、拡張部8fは、上側に配置される被巻回部8eと下側に配置される被巻回部8eとの間に形成されても良いし、下側に配置される被巻回部8eの下側に形成されても良い。また、上側に配置される被巻回部8eの上側、上側に配置される被巻回部8eと下側に配置される被巻回部8eとの間、および、下側に配置される被巻回部8eの下側の3箇所に、または、これら3箇所のうちの2箇所に拡張部8fが形成されても良い。また、上述した形態では、フック部8hの下側に、突出部8j、8kが形成されているが、フック部8hの下側に、突出部8jおよび/または突出部8kが形成されていなくても良い。
【0086】
上述した形態では、駆動用磁石17は、駆動用コイル15の対向部15aに対向する対向部17aと、対向部15aに対向しない非対向部17bとによって構成されている。この他にもたとえば、駆動用磁石17は、対向部15aに対向する対向部17aのみによって構成されても良い。この場合には、レンズ駆動装置1の内部の四隅に形成されやすい空間を埋めるための部材(たとえば、カバー部材10の四隅に沿う略L形状の部材)を別途、設けても良い。
【0087】
上述した形態では、ベース部材11の上面の左後ろの隅に1個の壁部11kが形成されている。この他にもたとえば、ベース部材11の上面の左後ろの隅にレンズ駆動装置1の径方向で、二重、三重に重なる複数の壁部が形成されても良い。また、上述した形態では、ベース部材11の上面の左後ろの隅に壁部11kが形成され、ベース部材11の上面の右前の隅の近傍に壁部11mが形成されているが、壁部11k、11mに加えて、または、壁部11k、11mに代えて、ベース部材11の上面の左前の隅、および/または、ベース部材11の上面の右後ろの隅に、壁部11k、11mに相当する壁部が形成されても良い。また、ベース部材11の上面に、壁部11k、11mが形成されていなくても良い。
【0088】
上述した形態では、貫通孔11aを囲むように、上下方向から見たときの形状が略L形状となる2個の壁部11hが形成されている。この他にもたとえば、2個の壁部11hに代えて、上下方向から見たときの形状が略四角形の枠状となる1個の壁部が、貫通孔11aを囲むように形成されても良いし、上下方向から見たときの形状が略直線状となる4個の壁部が、貫通孔11aを囲むように形成されても良い。また、貫通孔11aを囲むように複数の壁部が形成されるとともに、レンズ駆動装置1の径方向において、その一部同士が重なっていても良い。
【0089】
上述した形態では、ベース部材11のカバー部材固定面11eに、合計4個の凸部11fが形成されている。この他にもたとえば、カバー部材固定面11eに、合計3個の凸部11fが形成されても良いし、合計5個以上の凸部11fが形成されても良い。また、カバー部材固定面11eに凸部11fが形成されなくても良い。また、上述した形態では、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となるように形成されているが、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略長方形状となるように形成されても良い。
【0090】
上述した形態では、拡張部8fは、XY平面に略平行な平板状に形成されている。この他にもたとえば、拡張部8fは、スリーブ8の径方向の外側に向かうにしたがって、上方向または下方向へ傾斜する平板状に形成されても良い。また、拡張部8fに、塵埃を保持するための凹部が下側へ窪むように形成されても良い。
【符号の説明】
【0091】
1 レンズ駆動装置
2 可動体
3 固定体
4 駆動機構
5 板バネ
8f 拡張部
8g 切欠き部
8h フック部
8j 突出部(第1の突出部)
8k 突出部(第2の突出部)
10 カバー部材
10d 筒部の下端面(カバー部材の反被写体側の端面)
11 ベース部材
11a 貫通孔
11b 基準面
11e カバー部材固定面
11f 凸部
11g 当接面
11h 壁部(第2の壁部)
11j 凹部(基準凹部)
11k 壁部(第1の壁部)
12 スペーサ(バネ固定部材)
12a 突起部
15 駆動用コイル
17 駆動用磁石
17a 対向部
17b 非対向部
L 光軸
S1 隙間
Z 光軸方向
Z1 被写体側
Z2 反被写体側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズの光軸方向から見たときの形状が略四角形状となるレンズ駆動装置であって、
前記レンズを保持し前記光軸方向へ移動可能な可動体と、前記可動体を前記光軸方向へ移動可能に保持する固定体と、前記可動体を前記光軸方向へ駆動する駆動機構とを備え、
前記固定体は、前記可動体および前記駆動機構の外周側を覆うカバー部材を備え、
前記可動体は、前記光軸方向に略直交する方向へ、かつ、前記レンズ駆動装置の四隅のうちの少なくとも1箇所に向かって広がる少なくとも1個の拡張部を備えることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記拡張部は、前記可動体の被写体側に形成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記可動体の外周面に巻回される駆動用コイルを備え、
前記拡張部は、平板状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記可動体の外周面に巻回される駆動用コイルと、略四角筒状に形成される前記カバー部材の4つの側面に沿って配置される平板状の駆動用磁石とを備え、
前記駆動用磁石は、前記駆動用コイルに対向する対向部と、前記対向部から前記レンズ駆動装置の四隅のうちの隣り合う2箇所に向かって伸びる非対向部とを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記拡張部には、前記光軸方向を軸方向として前記可動体が回動したときの前記拡張部と前記駆動用磁石との干渉を防止するための切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項4記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記可動体の被写体側で前記可動体と前記固定体とを繋ぐ板バネを備え、
前記固定体は、前記板バネの一部が固定される略四角形の枠状のバネ固定部材を備え、
前記バネ固定部材は、前記レンズ駆動装置の四隅に配置され反被写体側に向かって伸びる突起部を備え、
前記突起部は、前記レンズ駆動装置の周方向で隣り合う前記駆動用磁石の端面の間に形成される隙間に配置されていることを特徴とする請求項4または5記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記レンズ駆動装置の周方向で隣り合う前記駆動用磁石の端面の間に形成される隙間の少なくとも一部には、接着剤が充填されていることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記駆動機構は、前記可動体の外周面に巻回される駆動用コイルを備え、
前記可動体は、前記レンズ駆動装置の四隅のうちの3箇所のそれぞれに向かって広がる3個の前記拡張部を備えるとともに、反被写体側から引き回される前記駆動用コイルの一部を引っ掛けるフック部を前記可動体の被写体側に備え、
前記フック部は、前記光軸方向に略直交する方向へ、かつ、前記拡張部が形成されていない前記レンズ駆動装置の四隅のうちの残りの1箇所へ向かって突出していることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
【請求項9】
前記駆動機構は、前記光軸方向に所定の間隔をあけた状態で前記可動体に巻回される2個の前記駆動用コイルを備え、
前記可動体の、2個の前記駆動用コイルの間には、前記光軸方向に略直交する方向へ、かつ、前記拡張部が形成されていない前記レンズ駆動装置の四隅のうちの残りの1箇所へ向かって突出する第1の突出部が形成されていることを特徴とする請求項8記載のレンズ駆動装置。
【請求項10】
前記可動体の反被写体側には、前記光軸方向に略直交する方向へ、かつ、前記拡張部が形成されていない前記レンズ駆動装置の四隅のうちの残りの1箇所へ向かって突出する第2の突出部が形成されていることを特徴とする請求項8または9記載のレンズ駆動装置。
【請求項11】
前記固定体は、前記レンズ駆動装置の反被写体側の端面を構成するベース部材を備え、
前記ベース部材の略中心には、前記光軸方向へ貫通する貫通孔が形成され、
前記拡張部が形成されていない前記レンズ駆動装置の四隅のうちの残りの1箇所の、前記ベース部材の被写体側の面には、被写体側に向かって立ち上る第1の壁部が形成されていることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
【請求項12】
前記ベース部材の被写体側の面には、前記貫通孔を囲むように、かつ、被写体側に向かって立ち上る第2の壁部が形成されていることを特徴とする請求項11記載のレンズ駆動装置。
【請求項13】
前記第1の壁部は、前記第2の壁部よりも高くなっていることを特徴とする請求項12記載のレンズ駆動装置。
【請求項14】
前記ベース部材の被写体側の面には、前記光軸方向における前記可動体の基準位置を決めるための基準凹部が反被写体側に向かって窪むように形成され、
前記基準凹部の底面は、前記可動体が当接して前記光軸方向における前記可動体の基準位置を決める基準面となっており、
前記第2の壁部は、前記基準凹部の側面を構成していることを特徴とする請求項12または13記載のレンズ駆動装置。
【請求項15】
前記固定体は、前記レンズ駆動装置の反被写体側の端面を構成するベース部材を備え、
前記ベース部材には、前記光軸方向において、略四角筒状に形成される前記カバー部材の反被写体側の端面と重なるカバー部材固定面が形成され、
前記カバー部材固定面には、前記カバー部材の反被写体側の端面に当接する当接面を有する凸部が被写体側へ突出するように形成されていることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のレンズ駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−105138(P2013−105138A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250577(P2011−250577)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】