説明

レーザろう付け装置

【課題】ワイヤ供給手段とコンタクトチップとを結ぶワイヤ送給経路内でのワイヤの蛇行を抑え、もってレーザ照射ポイントに対してワイヤを安定して送給する。
【解決手段】ワークに対するレーザ光の照射ポイントに、ワイヤ供給機からガイドチューブを介して送給されたワイヤ12をコンタクトチップを通して連続に繰出し、該ワイヤ12の繰出し端部をレーザ光により溶融するレーザろう付け装置において、前記コンタクトチップの前段に、ワイヤ12を半径方向に拘束して、前記ガイドチューブ内でのワイヤ12の蛇行を抑える蛇行抑制手段としてのチャックユニット20を設ける。チャックユニット20は、常時ばね29により付勢されてワイヤ12に対する締付力を発生するテーパコレット27を備えた構成とし、ワイヤ12の送給時は、ワイヤ12の動きに応じてテーパコレット27を締付位置からわずか後退させて、ワイヤ12の自由な移動を許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの継ぎ目部分をレーザ光を熱源としてろう付けするためのレーザろう付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザろう付けは、入熱量が少なく、ワークの熱歪による変形を抑えることができることから、近年、自動車ボデーのアウタパネル同士の接合などに多用されている(たとえば、特許文献1参照)。ところで、レーザろう付けは、図7(A)に示されるように、ワークWに対するレーザ光Laの照射ポイントPにコンタクトチップ2を通してワイヤ(ろう材)3を連続に繰出すことにより行われる。そして従来、コンタクトチップ2に対するワイヤ3の送給は、図8に示されるように、ワイヤ供給機(ワイヤ供給手段)4からガイドチューブ5を経て行われており、ろう付けに際しては、図7(A)に示されるようにコンタクトチップ2から所望の長さ(繰出し長)Sだけワイヤ3が繰出されるように、ワイヤ供給機4からのワイヤ送り速度が調整される。
【0003】
【特許文献1】特開2002−79371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ワイヤ供給機4からコンタクトチップ2へワイヤ3を案内するガイドチューブ5は、ワイヤ4の移動の抵抗とならないように、その口径がワイヤ径よりもかなり大きく設定されている。このため、図8に示されるように、ガイドチューブ5内でワイヤ3が遊動(蛇行)する現象が往々にして起こり、このような蛇行が起こると、前出図7(B)に示すように、コンタクトチップ2からのワイヤ4の繰出し長S´が規定の繰出し長Sより短くなってしまう。一方、コンタクトチップ2は、常にワイヤ4の先端(繰出し端)をワークWに押付けるように、ワークW側へばね付勢されており、前記したようにワイヤ4の繰出し長S´が短縮する場合には、ワイヤ4の繰出し端がレーザ光Laの照射ポイントPから距離Lだけ横ずれ(オフセット)してしまい、ろう付けビードに穴あきなどのろう付け欠陥が発生する、という問題があった。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、ワイヤ供給手段とコンタクトチップとを結ぶワイヤ送給経路内でのワイヤの蛇行を抑え、もってレーザ照射ポイントに対してワイヤを安定して送給できるレーザろう付け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、本発明の態様をいくつか例示し、それらについて項分けして説明する。
【0007】
(1)ワークに対するレーザ光の照射ポイントに、ワイヤ供給手段から送給されたワイヤをコンタクトチップを通して連続に繰出して、該ワイヤの繰出し端部をレーザ光により溶融するレーザろう付け装置において、前記ワイヤ供給手段と前記コンタクトチップとを結ぶワイヤ送給経路に、ワイヤの蛇行を抑制する蛇行抑制手段を配設したことを特徴とするレーザろう付け装置。
【0008】
本(1)項記載のレーザろう付け装置においては、蛇行抑制手段によってワイヤ送給経路内でのワイヤの蛇行が抑えられるので、コンタクトチップから繰出されるワイヤの繰出し長の変動が少なくなり、結果としてレーザ照射ポイントに対してワイヤを安定して送給できるようになる。
【0009】
(2)前記蛇行抑制手段が、常時はばねにより付勢されてワイヤに対する締付力を発生するテーパコレットを備えたチャックユニットからなり、前記テーパコレットは、ワイヤの送給に応じて締付位置から後退することを特徴とする(1)項に記載のレーザろう付け装置。
【0010】
本(2)項記載のレーザろう付け装置においては、ばね付勢されたテーパコレットの締付力を利用して、ワイヤ送給経路内でのワイヤの蛇行を抑えることができる。また、前記テーパコレットはワイヤの送給に応じて締付位置から後退するので、ワイヤ送給の障害になることはない。
【0011】
(3)前記蛇行抑制手段が、常時はばねにより付勢されてワイヤに対するクランプ力を発生する複数の揺動アームを備えたクランプユニットからなり、前記揺動アームは、ワイヤの送給に応じてクランプ位置から後退することを特徴とする(1)項に記載のレーザろう付け装置。
【0012】
本(3)項記載のレーザろう付け装置においては、ばね付勢された揺動アームのクランプ力を利用して、ワイヤ送給経路内でのワイヤの蛇行を抑えることができる。また、前記揺動アームはワイヤの送給に応じてクランプ位置から後退するので、ワイヤ送給の障害になることはない。
【0013】
(4)前記蛇行抑制手段が、前記ワイヤ送給経路に配設され、ワイヤを径方向に弾発的に押える押圧装置からなり、該押圧装置は、ワイヤを受ける位置固定の受け部材と、該受け部材に対して接離可能な押付けローラと、該押付けローラを前記受け部材側へ付勢する付勢手段とからなることを特徴とする(1)項に記載のレーザろう付け装置。
【0014】
本(4)項記載のレーザろう付け装置においては、付勢手段による押付けローラの押付力を利用して、ワイヤ送給経路内でのワイヤの蛇行を抑えることができる。また、前記押付けローラはワイヤの送給に応じて転動するので、ワイヤ送給の障害になることはない。
【0015】
(5)前記蛇行抑制手段が、前記ワイヤ送給経路に配設されたガイドチューブからなり、該ガイドチューブは、断面多角形をなして、その内面の少なくとも二面をワイヤに線接触させることを特徴とする(1)項に記載のレーザろう付け装置。
【0016】
本(5)項記載のレーザろう付け装置においては、ガイドチューブの内面がワイヤに線接触するので、ワイヤに対するガイドチューブの摩擦抵抗が低減し、ガイドチューブ内でのワイヤの遊びを小さくすることが可能になって、その分、ワイヤの蛇行が抑えられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る溶接割れ検出方法によれば、蛇行抑制手段によってワイヤ送給経路内でのワイヤの蛇行が抑えられるので、コンタクトチップから繰出されるワイヤの繰出し長の変動が少なくなり、レーザ照射ポイントに対してワイヤを安定して送給できて、穴あきなどのろう付け欠陥の発生防止に大きく寄与するものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施形態を示したものである。同図において、10は、ワークWの継ぎ目部分に向けてレーザ光Laを照射するレーザトーチ、11は、ワークWに対するレーザ光Laの照射ポイントPにろう付け材としてのワイヤ12を繰出すコンタクトチップ、13は、リール14から巻き戻されたワイヤ12をガイドチューブ15を通して前記コンタクトチップ11へ送給するワイヤ供給機(ワイヤ供給手段)である。
【0020】
上記レーザトーチ10には、レーザ発振器16から光ファンバー17を介して送られたレーザ光Laを集光し、ワークWへ向けて出射する光学系18が内蔵されている。レーザトーチ10は、ここではロボットのアーム19に取付けられ、ワークWに対して真上からレーザ光Laを照射できるように姿勢制御される。
【0021】
上記コンタクトチップ11の、ワイヤ12の導入側となる後端には、後に詳述するチャックユニット(蛇行抑制手段)20を内蔵する支持ブロック21が固結されている。この支持ブロック21には、レーザトーチ10に横付けしたハウジング22内のワイヤ押付機構23から延ばした支持アーム24が連結されている。コンタクトチップ11は、その軸がレーザ光の光軸と所定の角度をなすように傾斜して支持アーム24に支持され、これによりコンタクトチップ11から繰出されたワイヤ12は斜め横方向からレーザ光Laの照射ポイントPへ向かう。
【0022】
ワイヤ押付機構23は、支持アーム24の上端部とハウジング22の側壁との間に配設され、支持アーム24を昇降可能に案内するリニアモーションガイド23aと、支持アーム24の上端とハウジング22の上壁との間に介装され、支持アーム24を常時下方へ付勢するばね23bとからなっている。すなわち、コンタクトチップ11は、支持アーム24を介してワイヤ押付機構23から下降力を受け、これによってコンタクトチップ11から繰出されたワイヤ12の繰出し端は、ワークWに所定の圧力で押付けられるようになる。
【0023】
ワイヤ供給機13には、ワイヤ12を挟んで転動する複数対(ここでは、二対)の送りローラ13a,13aが、ワイヤ送り方向に直列に配列して内装されている。ワイヤ送り方向の前側(下側)に位置する一方の送りローラ13aを構成する片側のローラは、図示を略するモータにより駆動される駆動ローラとなっており、リール14から巻き戻されたワイヤ12は、二対の送りローラ13aの間を通る間に直線状に矯正されると共に、所定の速度でガイドチューブ15内に送り込まれる。
【0024】
ガイドチューブ15は、その一端が前記コンタクトチップ11と一体の支持ブロック21に連結されており、その他端は途中で湾曲してワイヤ供給機13側へ延ばされている。ワイヤ供給機13からガイドチューブ15内に送り込まれたワイヤ12は、ガイドチューブ15の湾曲形状に倣って曲走し、通常は湾曲部の外側内面に接する最長経路を通ってコンタクトチップ11へ向かう。ワイヤ供給機13は、前記したロボットのアーム19に取付けられており、レーザトーチ10と、コンタクトチップ11とワイヤ供給機13とは、ロボットアーム19の動作により一体的にワークWの継ぎ目部分に沿って移動(相対移動)する。
【0025】
ここで、上記チャックユニット20は、図2によく示されるように、ケーシング26内に、ワイヤ12を挿通させる二分割のテーパコレット27と、このテーパコレット27が嵌合されるテーパ穴28aを有するホルダ28と、テーパコレット27を常時ホルダ28のテーパ穴28aに押込む方向へ付勢するばね29とを配設してなっている。このチャックユニット20においては、ワイヤ供給機13によるワイヤ送給停止時には、図2(A)に示されるように、ばね29によってテーパコレット27がホルダ28のテーパ穴28aに押込まれることで、該テーパコレット27に締付力が発生し、ワイヤ12が径方向並びに軸方向に拘束される。一方、ワイヤ供給機13によるワイヤ送給時には、図2(B)に示されるように、ワイヤ12に引きずられてテーパコレット27がばね29の付勢力に抗してホルダ28のテーパ穴28a(締付位置)からわずか後退する。
【0026】
レーザろう付けに際しては、ロボットアーム19の動作によりワークWの継ぎ目部分の始端部にレーザ光Laの照射ポイントPを合せるようにレーザトーチ18を位置決めすると共に、該照射ポイントPにワイヤ12の繰出し端部が到達するようにコンタクトチップ11からのワイヤ12の繰出し長を調整する。このとき、ワイヤ押付機構23のばね23bの付勢力でワイヤ12の繰出し端部がワークWに押付けられた状態となる。そして、この状態からレーザ発振器16およびワイヤ供給装置13を起動させて、ロボットアーム19の動作により前記照射ポイントPをワークWの継ぎ目部分に沿って所定の速度で走査させる。これにより該継ぎ目部分には、ワイヤ12の溶融物が連続に盛られると共に、該照射ポイントPの走査跡にビードが連続に形成され、ワークWの継ぎ目部分がレーザろう付けされる。
【0027】
ところで、上記したろう付けの開始前、すなわち照射ポイントPの走査前には、図2(A)に示されるように、チャックユニット23を構成するばね29によってテーパコレット27がホルダ28のテーパ穴28aに押込まれているので、ワイヤ12がテーパコレット27の締付力により拘束され、ガイドチューブ15内でのワイヤ12の遊びが抑制されている。また、ろう付けの開始後、すなわち照射ポイントPの走査後には、図2(B)に示されるように、ワイヤ供給機13によるワイヤ12の送給に応じてテーパコレット27が締付位置からわずか後退し、これによってワイヤ12の自由な移動(軸方向移動)が許容される。
【0028】
一方、上記したワイヤ送給時においても、チャックユニット23を構成するテーパコレット27がワイヤ12に部分接触しているので、ワイヤ12は依然として径方向に拘束されている。これによってガイドチューブ15内におけるワイヤ12の蛇行(遊動)が抑制され、この結果、コンタクトチップ11からのワイヤ12の繰出し長S(図7参照)の変動が抑えられる。すなわち、ワイヤ12の繰出し端がレーザ光Laの照射ポイントPから横方向へ大きくオフセットしてしまう{図7(B)参照}ことはなく、結果としてろう付けビードに穴あきなどのろう付け欠陥が発生することはなくなる。
【0029】
図3は、本発明の第2の実施形態を示したものである。本第2の実施形態の特徴とするところは、前記ワイヤ12の蛇行を抑える蛇行抑制手段として、上記第1の実施形態におけるチャックユニット20に代えて、クランプユニット30を用いた点にある。このクランプユニット30は、ワイヤ12の挿通孔31aを上下に有するケーシング31内に、ピン32を支点に揺動する一対の揺動アーム33と、各揺動アーム24を常時閉じる方向へ付勢するばね34とを配設してなっている。なお、本レーザろう付け装置の全体構造は、図1に示したものと同じであるので、ここでは、その説明を省略し、かつ説明を要する部分には同一符合を用いることとする。
【0030】
本第2の実施形態において、各揺動アーム33の先端部外周には、ワイヤ12に嵌合可能な溝が設けられており、レーザろう付けに際しては、ワイヤ供給機13からガイドチューブ15を通して送給されたワイヤ12が一対の揺動アーム33の溝間を通過してコンタクトチップ11へ供給される。そして、ワイヤ12の送給停止時には、図3(A)に示されるように、ばね34によって一対の揺動アーム33が相互に閉じる方向(クランプ方向)に付勢されることで、該一対の揺動アーム33にクランプ力が発生し、このクランプ力によってワイヤ12が径方向および軸方向に拘束される。
【0031】
一方、ワイヤ12の送給時には、図3(B)に示されるように、ワイヤ12に引きずられて一対の揺動アーム33が、ばね29のばね力に抗してクランプ位置から後退し、これによってワイヤ12の自由な軸方向移動が許容される。すなわち、上記第1の実施形態におけるチャックユニット20(図2)と同様、ワイヤ送給停止時はもちろん、ワイヤ送給時(レーザ照射ポイントPの走査時)にも、ガイドチューブ15内でのワイヤ12の蛇行(遊動)が抑制される。したがって、ワイヤ4の繰出し端がレーザ光Laの照射ポイントPから横方向へ大きくオフセットしてしまうことはなく、結果としてろう付けビードに穴あきなどのろう付け欠陥が発生することはなくなる。
【0032】
図4は、本発明の第3の実施形態を示したものである。本第3の実施形態の特徴とするところは、蛇行抑制手段として、上記第1の実施形態におけるチャックユニット20または第2の実施形態におけるクランプユニット30に代えて、押圧装置40を用いると共に、前記したコンタクトチップ11(支持ブロック21)とワイヤ供給機13との間に配置されたガイドチューブ15を省略して、ガイドローラ45を配置した点にある。押圧装置40は、図5によく示されるように、ワイヤ12の挿通孔41aを上下に有するケーシング41内に、位置固定の受けローラ(受け部材)42と、該受けローラ42に対して接離可能な押付けローラ43と、この押付けローラ43を前記受けローラ42側へ付勢するばね(付勢手段)44とを配設してなっている。また、ガイドローラ45はワイヤ供給機13からコンタクトチップ11へ送給されるワイヤ12の湾曲部分の内側に配置されている。
【0033】
本第3の実施形態においては、ワイヤ供給機13から送給されたワイヤ12は、ガイドローラ45で偏向されて押圧装置40の2つローラ42と43との間を通過してコンタクトチップ11へ供給される。このとき、受けローラ42に対して押付けローラ43がばね44によって付勢されているので、両ローラ42と43との間にワイヤ12が挟持され、これによってワイヤ供給機13とコンタクトチップ11との間のワイヤ送給経路内でのワイヤ12の蛇行(遊動)が抑制される。したがって、ワイヤ14の繰出し端がレーザ光Laの照射ポイントPから横方向へ大きくオフセットしてしまうことはなく、結果としてろう付けビードに穴あきなどのろう付け欠陥が発生することはなくなる。本第3の実施形態においては特に、前記したガイドチューブ15(図1)を省略して、ガイドローラ45によってワイヤ12を偏向させるようにしているので、初期セット時のワイヤ12の取り回しが簡単となる。
【0034】
なお、上記受け部材としての受けローラ42は、V字形ブロック(図示略)に代えてもよく、この場合は、V字形ブロックの2面でワイヤ12を受けるので、ワイヤ12の蛇行がより確実に抑制される。また、この場合は、V字形ブロックの2面がワイヤ12に線接触するので、ワイヤ12に対する受け部材の摩擦抵抗はわずかとなる。
【0035】
図6は、本発明の第4の実施形態を示したものである。本第4の実施形態の特徴とするところは、ワイヤ12の蛇行を抑える蛇行抑制手段として、上記第1、第2実施形態における断面円形のガイドチューブ15に代えて、断面多角形のガイドチューブ15A,15Bを用いた点にある。図6(A)は断面三角形のガイドチューブ15Aを、同図(B)は断面四角形のガイドチューブ15Bをそれぞれ示している。このような断面多角形のガイドチューブ15A,15Bを用いることで、ガイドチューブ15A,15Bの内面がワイヤ12に線接触し、ワイヤ12に対するガイドチューブ15A,15Bの摩擦抵抗が低減する。換言すれば、ガイドチューブ15A,15B内でのワイヤ12の遊び(隙間)を小さくしても、摩擦抵抗が増大することはなく、遊びを小さくする分、ワイヤ12の蛇行が抑えられて、ろう付けビードに穴あきなどのろう付け欠陥が発生し難くなる。この場合、上記第1、2および3の実施形態におけるような特別の蛇行抑制手段20、30、35が不要になるので、装置構造は簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施形態であるレーザろう付け装置の全体的構造を示す模式図である。
【図2】本第1の実施形態で用いる蛇行抑制手段としてのチャックユニットの構造を示したもので、(A)はワイヤ送給停止時の状態を、(B)はワイヤ送給時の状態をそれぞれ示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態で用いる蛇行抑制手段としてのクランプユニットの構造を示したもので、(A)はワイヤ送給停止時の状態を、(B)はワイヤ送給時の状態をそれぞれ示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態であるレーザろう付け装置の要部構造を示す模式図である。
【図5】本第3の実施形態で用いる蛇行抑制手段としての押圧装置の構造を示す断面図である。
【図6】本第4の実施形態で用いる蛇行抑制手段としてのガイドチューブを示したもので、(A)は断面三角形のガイドチューブを、(B)は断面四角形のガイドチューブをそれぞれ示す断面図である。
【図7】従来のレーザろう付け装置によるレーザろう付けの実施状況を示したもので、(A)は正常時の状態を、(B)は不具合発生時の状態をそれぞれ示す模式図である。
【図8】従来のレーザろう付装置の要部構造とレーザろう付けの実施状況を示す模式図である。
【符号の説明】
【0037】
10 レーザトーチ
11 コンタクトチップ
12 ワイヤ(ろう材)
13 ワイヤ供給機(ワイヤ供給手段)
15 ガイドチューブ
21 チャックユニット(蛇行抑制手段)
23 ワイヤ押圧装置
27 テーパコレット
29 テーパコレットの付勢用ばね
30 クランプユニット(蛇行抑制手段)
33 揺動アーム
34 揺動アームの付勢用ばね
40 押圧装置
42 受けローラ(受け部材)
43 押付けローラ
44 押付けローラ用付勢ばね
15A,15B 断面多角形のガイドチューブ
La レーザ光
P レーザ光の照射ポイント
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに対するレーザ光の照射ポイントに、ワイヤ供給手段から送給されたワイヤをコンタクトチップを通して連続に繰出して、該ワイヤの繰出し端部をレーザ光により溶融するレーザろう付け装置において、前記ワイヤ供給手段と前記コンタクトチップとを結ぶワイヤ送給経路に、ワイヤの蛇行を抑制する蛇行抑制手段を配設したことを特徴とするレーザろう付け装置。
【請求項2】
前記蛇行抑制手段が、常時はばねにより付勢されてワイヤに対する締付力を発生するテーパコレットを備えたチャックユニットからなり、前記テーパコレットは、ワイヤの送給に応じて締付位置から後退することを特徴とする請求項1に記載のレーザろう付け装置。
【請求項3】
前記蛇行抑制手段が、常時はばねにより付勢されてワイヤに対するクランプ力を発生する複数の揺動アームを備えたクランプユニットからなり、前記揺動アームは、ワイヤの送給に応じてクランプ位置から後退することを特徴とする請求項1に記載のレーザろう付け装置。
【請求項4】
前記蛇行抑制手段が、前記ワイヤ送給経路に配設され、ワイヤを弾発的に径方向に押える押圧装置からなり、該押圧装置は、ワイヤを受ける位置固定の受け部材と、該受け部材に対して接離可能な押付けローラと、該押付けローラを前記受け部材側へ付勢する付勢手段とからなることを特徴とする請求項1に記載のレーザろう付け装置。
【請求項5】
前記蛇行抑制手段が、前記ワイヤ送給経路に配設されたガイドチューブからなり、該ガイドチューブは、断面多角形をなして、その内面の少なくとも二面をワイヤに線接触させることを特徴とする請求項1に記載のレーザろう付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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