説明

レーザプローブ

【課題】 比較的簡単な構成でもって、プローブファイバの全周に渡って液体と気体の混合物を均一に噴射することができるレーザプローブを提供すること。
【解決手段】 ハンドピース本体に装着されるプローブホルダ58と、プローブホルダ58に装着されたプローブファイバ60と、プローブファイバ60の一部を覆う第1の管部材70と、第1の管部材70を覆う第2の管部材72とを備えたレーザプローブ。プローブファイバ60と第1の管部材70との間には、液体を送給するための第1の流路74が形成され、第1の管部材70と第2の管部材72との間には、気体を送給するための第2の流路76が形成され、これら液体と気体は混合されて噴霧状態でレーザ光の照射部位に向けて噴射される。また、第1の管部材70には、プローブファイバ60に対して第1および第2の管部材70,72を同心状に保持するための同心保持部70aが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、患部等の照射すべき部位に向けてレーザ光を照射するためのレーザプローブに関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ治療装置におけるレーザプローブとして、たとえば、特開平7−51286号公報に開示されたものが知られている。この公知のレーザプローブは、レーザハンドピースに装着されるプローブホルダと、このプローブホルダに装着されたプローブファイバとを備えており、ハンドピースに内蔵された導光ファイバを通して導かれたレーザ光がプローブファイバを介して照射部位(患部)に向けて照射される。プローブホルダには、プローブファイバの一部を覆うように第1の管部材が装着されるとともに、この第1の管部材を覆うように第2の管部材が装着され、第1の管部材とプローブファイバとの間に第1の流路が形成され、また第1の管部材と第2の管部材との間に第2の流路が形成される。第1の流路は、ハンドピースの内部を通して延びる水供給流路に連通され、水供給源から水供給流路を通して供給された水が第1の流路を通して流れる。また、第2の流路は、ハンドピースの内部を通して延びる空気供給流路に連通され、空気供給源から空気供給流路を通して供給された空気が第2の流路を通して流れる。第1の流路からの水と第2の流路からの空気は、それらの噴射口から噴射される際に混合され、水と空気の混合された混合物が噴霧状態でもってレーザ光の照射部位に向けて噴射され、これによってレーザ治療時に適量の水を照射部位に施すことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のレーザプローブにおいては、次のとおりの解決すべき問題が存在する。第1および第2の管部材は、通常、ステンレス鋼から形成されており、それらの一端部はプローブに対して同心状となるようにプローブホルダに装着され、それらの他端部は上記一端部から延びている。プローブとして直線状に延びた状態で用いる場合には、第1および第2の管部材はそれらの一端部がプローブに対して同心状に配置されるので、これらの長さが比較的短い場合、これらは直線状に延びて実質上全長に渡って同心状に保持される。したがって、第1の管部材とプローブとの間に形成された第1の流路と、第1の管部材と第2の管部材との間に形成された第2の流路は、プローブに対して同心状に配置され、これによって上記第1および第2の流路はプローブの外周に環状に設けられ、第1の流路からの水および第2の流路からの空気は、それらの噴射口からプローブの全周に渡って実質上均一に噴射される。
【0004】これに対して、プローブとして比較的大きく円弧状に湾曲した状態で用いる場合には、第1および第2の管部材は、直線状のものと同様に、それらの一端部がプローブに対して同心状に配置されるが、それらの他端部において第1および第2の管部材をプローブに対して同心状に保持することが困難となる。詳述すると、円弧状のプローブは、予め円弧状に湾曲した第1の管部材に直線状のプローブを強制的に挿入することによって形成される。それ故に、プローブには、元の状態に復帰しようとする復元力が発生し、この復元力によってその外周面の一部が第1の管部材の内周面に弾性的に圧接される。このようにプローブが第1の管部材に圧接されると、両者間に規定される第1の流路は、環状に形成されるのではなく、上記圧接する部位の反対側に位置する部位に比較的大きい三日月状の第1の流路が形成されるが、この圧接部位には第1の流路は実質上存在しなくなる。したがって、第1の流路を通して送給される水は、上記圧接する部位の反対側の部位からは噴出されるが、上記圧接する部位からはほとんど噴出されず、プローブの全周に渡って、水と空気の混合物を噴霧状態でもって実質上均一に噴射することが困難となる。このようにレーザ照射部位に向けての噴霧状態の均一な噴射ができなくなると、レーザ光照射部位を部分的に冷却することができなくなり、たとえば歯科治療においては組織に熱障害が生じるようになる。
【0005】また、プローブとして直線状に延びた状態で用いる場合であっても、第1および第2の管部材の長さが比較的長いものを用いるときには、それらの長さが長くなるに従ってそれらの先端部、換言すると噴射口の部位を同心状に保持するのが困難となる。
【0006】さらに、第1および第2の管部材に外部から物理的な力が加わり易い状況で用いる場合には、第1および第2の管部材として比較的短いものを用いたとしても、患部等との接触によって物理的外力が作用したときにはそれらの先端部を同心状に保持するのが困難となる。
【0007】これらのときにも、上述したと同様に、プローブの全周に渡って、水と空気との混合物を噴霧状に実質上均一に噴射することが困難となる。
【0008】本発明の目的は、比較的簡単な構成でもって、プローブの全周に渡って液体と気体の混合物を実質上均一に噴射することができるレーザプローブを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハンドピース本体に装着されるプローブホルダと、該プローブホルダに装着されたプローブと、該プローブの一部を覆うように前記プローブホルダに装着され、前記プローブとの間に第1の流路を形成する第1の管部材と、前記第1の管部材を覆うように前記プローブホルダに装着され、前記第1の管部材との間に第2の流路を形成する第2の管部材とを備え、前記第1および第2の流路の一方を通して液体が送給され、それらの他方を通して気体が送給されるレーザプローブにおいて、前記プローブに対して前記第1および第2の管部材の噴射口を同心状に保持するための同心保持手段が設けられ、前記第1の流路を通して送給された液体は前記第1の管部材の噴射口から噴射され、前記第2の流路を通して送給された気体は前記第2の管部材の噴射口から噴射され、これら噴射口から噴射された液体および気体は、混合されて前記プローブの全周に渡って実質上均一に噴射されることを特徴とするレーザプローブである。
【0010】本発明に従えば、同心保持手段が設けられているので、第1および第2の管部材の噴射口はプローブに対して同心状に配設される。それ故に、プローブの全周に渡って各噴射口が配置され、それらの噴射口から噴射される液体および気体は、プローブの全周に渡って実質上均一に噴射され、レーザ光照射部位(治療すべき患部)に向けて実質上均一に噴霧状に噴射される。
【0011】また本発明は、前記プローブならびに前記第1および第2の管部材の少なくとも一部は湾曲して延びており、前記プローブの先端部は前記第1および第2の管部材の噴射口よりも前方に突出しており、前記第1および第2の管部材の噴射口から噴射された液体および気体は、混合されて噴霧状になり、前記プローブの前記先端部に向けてその全周に渡って実質上均一に噴射されることを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、プローブの先端部は第1および第2の管部材の噴射口よりも前方に突出しているので、これらの噴射口から噴射された液体および気体は、混合されて噴霧状となってプローブの先端部に向けて噴射され、したがって液体と気体の混合物はプローブの先端部を冷却しながらレーザ光噴射部位に向けて噴射される。
【0013】また本発明は、前記同心保持部材は、前記プローブと前記第1の管部材との間に介在された第1の保持部材と、前記第1の管部材と前記第2の管部材との間に介在されら第2の保持部材とから構成され、前記第1の保持部材は前記プローブに対して前記第1の管部材を同心状に保持し、前記第2の保持部材は前記第1の管部材に対して前記第2の管部材を同心状に保持することを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、プローブと第1の管部材との間に第1の保持部材が介在され、第1の管部材と第2の管部材との間に第2の保持部材が介在されているので、第1および第2の保持部材によって第1および第2の管部材をプローブに対して同心状に確実に保持することができる。
【0015】また本発明は、前記第1および第2の保持部材は正多角形状に形成されており、前記第1の保持部材の内接径は前記プローブの外径と実質上等しく、またはそれより幾分大きく設定され、その外接径は前記第1の管部材の内径と実質上等しく、またはそれより幾分小さく設定されており、さらに前記第2の保持部材の内接径は前記第1の管部材の外径と実質上等しく、またはそれよりも幾分大きく設定され、その外接径は前記前記第2の管部材の内径と実質上等しく、またはそれよりも幾分小さく設定されていることを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、第1および第2の保持部材が正多角形状に形成されているので、比較的簡単な構成形状でもって第1および第2の管部材をプローブに対して同心状に確実に保持することができる。
【0017】また本発明は、前記同心保持手段は、前記第1の管部材に一体的に設けられた同心保持部から構成され、前記同心保持部は、前記プローブに対して前記第1の管部材を同心状に保持するとともに、前記第1の管部材に対して前記第2の管部材を同心状に保持することを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、第1の管部材に一体的に同心保持部が設けられているので、簡単な構成で確実に第1および第2の管部材をプローブに対して同心状に保持することができる。
【0019】また本発明は、前記第1の管部材の前記同心保持部は正多角形状に形成され、前記同心保持部の内接径は前記プローブの外径と実質上等しく、またはこれよりも幾分大きく設定され、その内接径は前記第2の管部材の内径と実質上等しく、またはこれよりも幾分小さく設定されていることを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、第1の管部材の同心保持部が正多角形状に形成されているので、簡単な構成、形状でもって第1および第2の管部材をプローブに対して同心状に保持することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してさらに詳述する。図1は本発明に従うレーザプローブを備えたレーザハンドピースの一部を示す簡略断面図であり、この図1を参照して、まず、本発明に従うレーザプローブの原理的構成について説明する。
【0022】図1において、図示のレーザハンドピース4は、ハンドピース本体6と、このハンドピース本体6の先端部に装着されるレーザプローブ8とを備えている。ハンドピース本体6には、光伝送体18が装着されているとともに、気体供給流路20bおよび液体供給流路22bが設けられている。光伝送体18、気体供給流路20bおよび液体供給流路22bは、ハンドピース本体6の軸線方向、図1において右方に延びている。光伝送体18は、Er:YAG(エルビウム・ヤグ)レーザ光発生源(図示せず)に接続されており、レーザ光発生源からのEr:YAGレーザ光は光伝送体18を通してハンドピース本体6内に導かれる。気体供給流路20bは気体供給源(図示せず)に接続されており、気体供給源からの気体は気体供給流路20bを通して送給される。また、液体供給流路22bは液体供給源(図示せず)に接続されており、液体供給源からの流体は液体供給流路22bに送給される。
【0023】レーザプローブ8は、プローブホルダ58と、このプローブホルダ58に保持されたプローブとしてのプローブファイバ60とを有している。プローブホルダ58はその軸線方向に延びるスリーブ部61を有し、このスリーブ部61の先端部にプローブファイバ60の入射端部60aが保持されている。プローブファイバ60を覆うように第1の管部材70が配設され、またこの第1の管部材70を覆うように第2の管部材72が配設されている。この原理的形態では、プローブファイバ60が直線状に延びており、また第1および第2の管部材70,72もプローブファイバ60に同心状に直線状に延びている。そして、プローブファイバ60と第1の管部材70との間に、環状の第1の流路74が形成され、第1の管部材70と第2の管部材72との間に環状の第2の流路76が形成されている。
【0024】プローブホルダ58のスリーブ部61には、軸線方向に間隔を置いて一対の送給孔78,82が形成されている。また、第2の管部材72の基端部は第1の管部材70の基端部から図1において左方に突出してプローブホルダ58に装着されている。一方の送給孔78は、第1の管部材70の基端部よりも図1において左方に位置し、液体供給流路22bと第1の流路74とを連通する。また、他方の送給孔82は、第2の管部材72の基端部よりも図1において左方であって第1の管部材70の基端部の半径方向外方に位置し、気体供給流路20bと第2の流路76とを連通する。
【0025】第1および第2の管部材70,72の先端部は、プローブファイバ60の先端面、すなわち出射端面64から幾分後退した位置に位置し、この後退した距離は2〜10mm程度に設定される。これら第1および第2の管部材70,72の先端部は、同心保持手段(後に詳述する)によってプローブファイバ60に対して同心状に保持される。したがって、第1の流路74の噴射口および第2の流路76の噴射口はプローブファイバ60に対して同心状に形成される。
【0026】プローブファイバ60の入射端面62は、光伝送体18の出射端面19に対向して位置し、この入射端面62と出射端面19との間にレンズ46が配設されている。
【0027】このように構成されているので、光伝送体18を通って伝送されたレーザ光は、その出射端面19から出射され、レンズ46によって集光された後にプローブファイバ60の入射端面62に入射される。その後、このレーザ光はプローブファイバ60を通ってその出射端面64から患部に向けて出射される。
【0028】一方、液体供給流路22bを通して送給された液体は、送給孔78を通って第1の流路74に送給され、この第1の流路74を通ってその先端の噴射口からプローブファイバ60の先端部、換言すると治療すべき患部に向けて噴射される。また、気体供給流路20bを通して送給された気体は、送給孔82を通って第2の流路76に送給され、この第2の流路76を通ってその先端の噴射口からプローブファイバ60の先端部に向けて噴射される。したがって、第1の流路74から噴射された液体と第2の流路76から噴射された気体とは混合されて噴霧状となり、プローブファイバ60の先端部に向けて噴射され、これによってプローブファイバ60の先端部を冷却しながらレーザ光照射部位に向けて噴霧状に噴射することができる。このようにレーザ光照射部位に向けて液体と気体の混合物を噴霧状に噴射させることによって上記照射部位の表面に薄い液体の層が形成され、これによってEr:YAGレーザの蒸散効率が高められる。また、第1および第2の流路74,76の噴射口は、同心保持手段(後述する)によってプローブファイバ60に対して同心状に配設されるので、第1および第2の流路74,76を流れる液体および気体は、プローブファイバ60に対して同心状に噴射され、換言するとプローブファイバ60の周方向に実質上均一に噴射され、したがってレーザ光照射部位に向けて実質上均一な噴霧状に噴射される。
【0029】図2は図1のレーザハンドピースを具現化したものを備えたレーザ医療装置の一実施形態を示す全体斜視図であり、図3は図2のレーザ医療装置におけるハンドピースを断面で示す断面図である。なお、理解を容易にするために、以下の説明において図1と実質上同一の部材には同一の参照番号を付して説明する。
【0030】図2および図3を参照して、図示のレーザ医療装置は、レーザ医療装置本体2およびレーザハンドピース4を備え、レーザハンドピース4は、術者が把持するハンドピース本体6とこのハンドピース本体6の先端部に着脱自在に装着されるレーザプローブ8とを有している。
【0031】レーザ医療装置本体2は、Er:YAGレーザ光を発生するEr:YAGレーザ光発生源10と、空気や不活性ガス等の気体を供給するための気体供給源12と、水、特に好適には滅菌精製水または生理食塩水等の液体を供給するための液体供給源14とを内蔵している。レーザ光発生源10からのレーザ光、気体供給源12からの気体および液体供給源14からの液体は、媒体供給ケーブル16を介してハンドピース4に供給される。媒体供給ケーブル16は、たとえば光ファイバから構成される光伝送体18、気体送給流路を形成する気体送給管20および液体送給流路を形成する液体送給管22を内蔵している。光伝送体18の一端部はレーザ発生源10に接続され、その他端部18aはハンドピース本体6内に延びている。気体送給管20の一端部は気体供給源12に接続され、その他端部20aはハンドピース本体6内に延びている。また、液体送給管22の一端部は液体供給源14に接続され、その他端部22aはハンドピース本体6内に延びている。
【0032】図3と共に図4を参照して、ハンドピース本体6は、中空円筒状のハンドピースハウジング24を有し、光伝送体18、気体供給流路20bを形成する気体送給管20および液体供給流路22bを形成する液体送給管22のそれぞれの他端部18a,20a,22aは、このハンドピースハウジング24内を先端側(図3および図4において右方)に向けて軸線方向に延びている。ハンドピースハウジング24の先端部には円筒状の中間部材26が装着され、この中間部材26にレーザプローブ8が装着される。ハウジング24の先端部内周面には雌ねじが形成され、一方中間部材26の後端部外周面には雄ねじが形成され、これら雌ねじおよび雄ねじを螺着することによって、ハウジング24に中間部材26が装着される。
【0033】中間部材26の先端部は、他の部分よりも幾分外径が小さくなっており、この先端部に、レーザプローブ8を着脱自在に装着するための装着機構28が設けられている。装着機構28は、中間部材26の先端部に装着されるカバーナット30を備えている。中間部材26の先端部には雄ねじが設けられ、一方カバーナット30の後端部には雌ねじが形成され、これら雄ねじと雌ねじを螺合することによって、カバーナット30が中間部材26に装着される。装着機構28は、さらに、レーザプローブ8の一部に形成された環状凹部32(図5も参照)に係合可能な複数個の球状体34を含み、これら球状体34は、中間部材26の先端部に形成された環状収容溝36に収容されている。また、カバーナット30の先端部には、複数個の球状体34を半径方向内方に押圧するための押圧部39と、球状体34の上述した押圧を解除するための内径を拡大した傾斜部40とが設けられている。このように構成されているので、カバーナット30を締付けると、その押圧部39が複数個の球状体34を半径方向内方に押圧し、これによって複数個の球状体34がプローブホルダ58の外周に設けられた環状凹部32に係合し、このようにしてレーザプローブ8がハンドピース本体6の中間部材26に着脱自在に装着される。一方、カバーナット30を緩めると、その傾斜部40に複数個の球状体34が半径方向外方に移動し、これによって押圧部39による複数個の球状体34の押圧が解除され、このような状態にてレーザプローブ8を先端側に引くことによってハンドピース本体6から離脱させることができる。なお、カバーナット30を緩めたときに、このカバーナット30の中間部材26からの抜落ちを防止するために、中間部材26の先端部に抜止めリング92が係止されている。
【0034】中間部材26は、次のとおりに構成されている。中間部材26の後端部にはフェルール42が装着されており、このフェルール42に光伝送体18の他端部18aが支持されている。中間部材26には、フェルール42の出射側端部に接してレンズホルダ44が装着されている。このレンズホルダ44は、中間部材26の雌ねじとレンズホルダ44の雄ねじを螺着することによって、中間部材26に取付けられている。このレンズホルダ44にはレンズ46が配設され、レンズホルダ44の雌ねじに固定スリーブ48の雄ねじを螺着することによって、レンズ46がレンズホルダ44に装着されている。レンズ46は、光伝送体18の他端部18aの出射端面19に対向して配置され、光伝送体18からのレーザ光を集光してレーザプローブ8の入射端面62に導く。
【0035】中間部材26には、気体流路50および液体流路52が形成されている。気体流路50および液体流路52は、ハンドピース本体6の軸線方向(図2および図3におて左右方向)に延びている。気体流路50の一端部には接続パイプ54が固定され、この接続パイプ54に気体送給管20の他端部20aが接続されている。また液体流路52の一端部には接続パイプ56が固定され、この接続パイプ56に液体送給管22の他端部22aが接続されている。このように構成されているので、気体供給源12からの気体は、気体供給流路20bを通して気体流路50に送給される。また、液体送給源14からの液体は、液体供給流路22bを通して液体流路52に送給される。
【0036】主として図4と共に図6を参照してレーザプローブ8について説明すると、図示のレーザプローブ8は、中間部材26の先端部に上記カバーナット30によって装着されるプローブホルダ58と、このプローブホルダ58に装着されたプローブとしてのプローブファイバ60とを有している。プローブホルダ58は細長く形成され、その一端部(基端部)が中間部材26の先端部に挿入される。プローブファイバ60は、プローブホルダ58の中央部にこれを貫通して装着され、その一端の入射端面62はプローブホルダ58の一端面に露出してレンズ46に対向して位置し、プローブファイバ60の他端部、すなわち先端部はプローブホルダ58の端面からさらに外方に延びている。プローブファイバ60の他端には出射端面64が設けられており、入射端面62から入射したレーザ光は、このプローブファイバ60を通してその出射端面64から患部に向けて出射される。プローブファイバ60は、中心に存在するコア65とこのコア65を覆うクラッド66とを有し、クラッド66が保護用ジャケット68によって覆われている(図8、図9参照)。この実施形態では、図6に示すとおり、プローブファイバ60の両端部において保護用ジャケット68が剥離され、その下側のクラッド66が外部に露出している。
【0037】このレーザプローブ8のプローブホルダ58には、中空状の第1の管部材70および第2の管部材72が装着されている。第1の管部材70は、プローブファイバ60を覆うように設けられ、その一端部(基端部)はプローブファイバ60の一端部近傍まで延び、その他端部(先端部)はプローブファイバ60の他端部近傍まで延びている。また、第2の管部材72は、第1の管部材70を覆うように設けられ、その一端部(基端部)は第1の管部材70の一端部近傍まで延び、その他端部(先端部)は第1の管部材70の他端まで延びている。第1および第2の管部材70,72は、たとえば、ステンレス鋼から形成される。後述するように、第1および第2の管部材70,72は、同心保持手段102によってプローブファイバ60に対して同心状に配置される。このように配置されることによって、第1の管部材70とプローブファイバ60との間に環状の第1の流路74が形成され、第1の管部材70と第2の管部材72との間に環状の第2の流路76が形成される。プローブファイバ60の他端部は、図6に示すように、第1および第2の管部材70,72から突出しており、この突出端部の中間部から他端(先端)まで保護用ジャケット68が剥離されている。なお、プローブファイバ60の先端部の突出量は、2〜10mm程度に設定される。
【0038】図6を参照して第1の流路70の一端部はプローブホルダ58の一端部近傍まで延び、プローブホルダ58には、この第1の流路74の一端部に連通する送給孔78が形成されている。中間部材26とプローブホルダ58との間には環状空間80が形成され、上記送給孔78が環状空間80に連通され、この環状空間80が上記液体流路52に連通されている。このように構成されているので、液体供給流路22bを通して送給される液体は、液体流路52、環状空間80および送給孔78を通して第1の流路74に送給され、この流路74を通してその他端(先端)に存在する噴射口79から噴射される。また、第2の流路76の一端部はプローブホルダ58の軸線方向中央部近傍まで延び、プローブホルダ58には、この第2の流路76の一端部に連通する送給孔82が形成されている。中間部材26とプローブホルダ58との間には、さらに、環状空間84が形成され、上記送給孔82が環状空間84に連通され、この環状空間84が上記気体流路50に連通されている。このように構成されているので、気体供給流路20bを通して送給される気体は、気体流路50、環状空間84および送給孔82を通して第2の流路76に送給され、この流路76を通してその他端(先端)に存在する噴射口81から噴射される。第1の流路74を通しての気体の供給および第2の流路76を通しての液体の供給は、レーザ医療装置を用いた治療内容に応じて適宜選択することができ、気体単独、液体単独および気体液体混合(この場合には、霧状態の液体となる)の供給をレーザ光の照射域に向けて行うことができる。
【0039】この実施形態では、中間部材26に対するプローブホルダ58の相対的回転防止は、次のように行われている。図4および図5を参照して、中間部材26の所定部位には、その他端(先端)から軸線方向に一端に向けて延びる切欠き88が形成されている。また、プローブホルダ58には、上記切欠き88に対応してピン90が固定されている。レーザプローブ8を装着する際には、ピン90が中間部材26の切欠き88内に位置付けられ、このように位置付けた状態にてプローブホルダ58が中間部材26に挿入される。このようにピン90を設けることによって中間部材26に対するレーザプローブ8の相対的回転が確実に阻止され、たとえば治療中にプローブファイバ60に患部等への接触により外力が加わったとしても、このプローブファイバ60の角度位置が変わることがなく、このような相対的回転の防止をしながらも着脱自在な構成とすることができる。なお、気体および液体の漏れを防止するために、中間部材26とプローブホルダ58との間に、送給孔78,82にそれぞれ対応して、Oリング94,96,98が設けられている。リング92は、カバーナット30の抜けどめである。
【0040】このレーザ医療装置を歯科、口腔外科、耳鼻咽喉科などの分野に使用する場合には、レーザ光として、その波長が0.5〜5.5μmのものを用いるのが望ましく、このようなレーザとして、Er:YAG(エルビウム−イットリウム−アルミニウム−ガーネット)、Er:YSGG(エルビウム−イットリウム−スカンジウム−ガリウム−ガーネット)、Ho:YAG(ホロミウム−イットリウム−アルミニウム−ガーネット)、Th:YAG(ソリウム−イットリウム−アルミニウム−ガーネット)、Co:VF(コバルト−パナジウム−フルオライド)、Er:GLASS(エルビウム−ガラス)、Nd:GLASS(ネオジウム−ガラス)、Nd:YAG(ネオジウム−イットリウム−アルミニウム−ガーネット)、Ti:Sa(チタニウム−サファイア)などの固体レーザ、またCO(一酸化炭酸)などの気体レーザを用いることができる。
【0041】このような第1および第2の管部材70,72の先端は同じ位置に位置付けられている。それ故に、第1の流路74からの液体と第2の流路76からの気体は、それらの噴射口79,81から噴射された後混合されて噴霧状になり、噴霧状態の液体と気体の混合物がプローブファイバ60の先端部、換言するとレーザ光の照射部位に向けて噴射される。なお、レーザ照射部位に向けて上記混合物を噴射するには、第1および第2の管部材70,72の先端をプローブファイバ60の先端よりも、たとえば2〜10mm程度後退させるのがよい。また、良好な噴霧状態を確保するためには、第2の管部材72の先端を第1の管部材70の先端よりも幾分、たとえば1〜2mm程度後退させるのが望ましい。
【0042】本実施形態のようにプローブファイバ60が円弧状に大きく湾曲している場合には、プローブファイバ60の先端部において、プローブファイバ60並びに第1および第2の管部材70,72を同心状に保持することが困難となるが、本実施形態では、次のように構成してこれらを同心状に保持している。図7とともに図8R>8および図9を参照して説明すると、第1の管部材70には、その先端近傍に同心保持部104が一体的に設けられている。この同心保持部104は、第1および第2の管部材70,72を同心状に保持するための同心保持手段102として機能する。図示の同心保持部104は、第1の管部材70の先端部を断面形状が正四角状となるように塑性変形することによって形成されている。このような同心保持部104は、先端部が正四角錐状の加工工具(図示せず)を第1の管部材70の先端開口から挿入してカシメ等の塑性加工を施すことによって形成することができ、このような加工によって同心保持手段102として特別な部材を必要とせず、比較的容易にかつ安価に提供することができる。
【0043】この同心保持部104(具体的には、最も拡張された第1の管部材70の先端)は、図9に示すとおり、その内接径(内接する円の直径)がプローブファイバ60の外径と実質上等しくまたはそれより幾分大きく設定される。したがって、同心保持部104の4角部の間の部位がプローブファイバ60の外周面と接触することによって、第1の管部材70、とくにその先端およびその近傍はプローブファイバ60に対して多角形状にカシメ等により加工されて同心状に保持される。この同心保持部104は、このような加工によって、その内接径がプローブファイバ60の外径と実質上等しく、またはそれより幾分大きくなるように形成される。これにより、同心保持部104の4角部においてプローブファイバ60との間に第1の流路74がほとんど片寄ることなく確保される。また、同心保持部104は、その外接径(外接する円の直径)が第2の管部材72の内径と実質上等しくまたは幾分小さく設定される。したがって、同心保持部104の4角部が第2の管部材72の内周面に接触することによって、第2の管部材72、特にその先端およびその近傍は第1の管部材70およびプローブファイバ60に対して同心状に保持され、また同心保持部104の4角部の間の部位において第2の管部材72との間に第2の流路76がほとんど片寄ることなく確保される。
【0044】このように同心保持部104を設けることによって、プローブファイバ60に対して第1および第2の管部材70,72、特にそれらの先端部が同心状に保持される。このような場合には、図9から容易に理解される如く、第1および第2の流路74,76の噴射口79,81はプローブファイバ60に対して同心円の端面を形成する噴射口とはならないが、第1および第2の流路74,76の噴射口79,81が周方向に交互に位置するようになり、これら噴射口79,81を同心円の端面を形成するように配置したと同様の液体と気体の噴霧状となる。それ故に、第1の流路74からの液体および第2の流路76からの気体は、プローブファイバ60の全周に渡って実質上均一に噴射され、液体(たとえば水)と、気体(たとえば空気)の混合物の噴霧状態もプローブファイバ60の全周に渡って実質上均一となり、均一な噴霧状態の混合物をレーザ光の照射部位に向けて均一に噴射することができる。なお、このようなカシメ部位を断面が円形状の第1の管部材70の噴射口から少しプローブホルダ58側にのみ形成し、噴射口付近はプローブファイバ60に同心円状となるようにすることもでき、このようにしたときには完全な同心円状の噴射口とすることができる。
【0045】なお、このような同心保持部104は、図1010に示すように、第1の管部材70の実質上全長に渡って断続的に複数箇所に設けることもできる。このようにした場合には、図9から理解されるとおり、第1および第2の管部材70,72をそれらの全長に渡って実質上同心状に保持することができる。
【0046】図11および図12は、レーザプローブの他の実施形態を示している。この実施形態では、同心保持手段が第1および第2の管部材と別個の第1および第2の保持部材から構成されている。
【0047】図11および図12を参照して、図示の同心保持手段112は短い管状である第1および第2の保持部材114,116から構成されている。この実施形態では、第1および第2の保持部材114,116の断面形状が正四角形状に形成されている。このような第1および第2の保持部材114,116は、たとえば正四角形状の加工工具を用いて塑性加工を施すことによって形成することができる。第1の保持部材114は、半径方向の大きさが第2の保持部材116よりも幾分小さく形成されている。
【0048】第1の保持部材114は、図12に示すように、第1の管部材70の先端部にてこの第1の管部材70とプローブファイバ60との間に介在されている。この第1の保持部材114の内接径はプローブファイバ60の外径と実質上等しく、またはこれよりも幾分大きく設定され、その外接円は第1の管部材70の内径と実質上等しく、またはこれよりも幾分小さく設定される。このような第1の保持部材114を介在させることによって、第1の管部材114の先端部はプローブファイバ60に対して同心状に配設され、第1の流路74の噴射口79はプローブファイバ60の全周に渡って配置されるようになる。また、第2の保持部材116は、第1および第2の管部材70,72の先端部にてこれら両者間に介在されている。第2の保持部材116の内接径は第1の管部材70の外径と実質上等しく、またはこれよりも幾分大きく設定され、その外接径は第2の管部材72の内径と実質上等しく、またはこれよりも幾分小さく設定される。このような第2の保持部材116を介在させることによって、第2の管部材72の先端部は第1の管部材114に対して同心状に配設され、第2の流路76の噴射口81は第1の管部材72の全周に渡って配置されるようになる。
【0049】このように同心保持手段112を第1および第2の保持部材114,116から構成した場合にも、プローブファイバ60に対して第1および第2の管部材70,72、特にそれらの先端部を同心状に設けることができる。したがって、上述したと同様に、第1の流路74からの流体と第2の流路76からの気体とを混合して噴射状にし、プローブファイバ60の全周に渡って実質上均一に噴射することができる。
【0050】なお、この実施形態では、第1および第2の保持部材114,116を第1および第2の管部材70,72の先端部に設けているが、これらの実質上全長に渡って設けることもできる。
【0051】上述した実施形態では、同心保持手段102としての第1の管部材70の同心保持部104、また同心保持手段112としての第1および第2の保持部材114,116の断面形状を正四角形状に形成しているが、正四角形状以外の正三角形状、正五角形状等の正多角形状に形成することができる。
【0052】第1の管部材70の同心保持部104は、正多角形に代えて、たとえば図13に示す波状の形状にすることもできる。図13において、この形態においては、第1の管部材70の同心保持部122は、その全周に渡って半径方向に波状に凹凸する形状となっている。そして、この同心保持部122の内接径(その凹部の底部に内接する円の直径)は、プローブファイバ60の外径と実質上等しくまたはこれよりも幾分大きく設定され、同心保持部122の外接円(その凸部の頂部に外接する円の直径)は、第2の管部材72の内径と実質上等しくまたはこれよりも幾分小さく設定される。
【0053】このように構成した場合にも、第1および第2の管部材70,72をプローブファイバ60に対して同心状に保持することができ、したがって上述した実施形態と同様の作用効果が達成される。
【0054】図13に示す波状の凹凸形状は、図11および図12に示す同心保持手段112の第1および第2の保持部材114,116にも応用することができ、第1および第2の保持部材114,116をこのように形成した場合にも、上述したと同様の効果が達成される。
【0055】以上、本発明に従うレーザプローブの種々の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形、修正が可能である。
【0056】たとえば、図示の実施形態では、プローブファイバ60と第1の管部材70との間の第1の流路74に液体が流れ、第1の管部材74と第2の管部材76との間の第2の流路76に気体が流れる構成であるが、これとは反対に、第1の流路74に気体を、また第2の流路76に液体を流すように構成することもできる。
【0057】また、図示の実施形態では、プローブとして、コアとクラッドからなるプローブファイバ60を用いて説明したが、プローブとしてサファイアや石英ガラス等の単一材料からなるプローブを用いることもできる。
【0058】
【発明の効果】本発明の請求項1のレーザプローブによれば、同心保持手段が設けられているので、第1および第2の管部材の噴射口はプローブに対して同心状に配設される。それ故に、プローブの全周に渡って各噴射口が配置され、それらの噴射口から噴射される液体および気体は、プローブの全周に渡って実質上均一に噴射され、レーザ光照射部位(治療すべき患部)に向けて実質上均一に噴霧状に噴射される。
【0059】また本発明の請求項2のレーザプローブによれば、プローブの先端部は第1および第2の管部材の噴射口よりも前方に突出しているので、これらの噴射口から噴射された液体および気体は、混合されて噴霧状となってプローブの先端部に向けて噴射され、したがって液体と気体の混合物はプローブの先端部を冷却しながらレーザ光噴射部位に向けて噴射される。
【0060】また本発明の請求項3のレーザプローブによれば、プローブと第1の管部材との間に第1の保持部材が介在され、第1の管部材と第2の管部材との間に第2の保持部材が介在されているので、第1および第2の保持部材によって第1および第2の管部材をプローブに対して同心状に確実に保持することができる。
【0061】また本発明の請求項4のレーザプローブによれば、第1および第2の保持部材が正多角形状に形成されているので、比較的簡単な構成形状でもって第1および第2の管部材をプローブに対して同心状に確実に保持することができる。
【0062】また本発明の請求項5のレーザプローブによれば、第1の管部材に一体的に同心保持部が設けられているので、簡単な構成で確実に第1および第2の管部材をプローブに対して同心状に保持することができる。
【0063】また本発明の請求項6のレーザプローブによれば、第1の管部材の同心保持部が正多角形状に形成されているので、簡単な構成、形状でもって第1および第2の管部材をプローブに対して同心状に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うレーザプローブを備えたレーザハンドピースの一部を示す簡略断面図である。
【図2】図1のレーザハンドピースを具現化したものを備えたレーザ医療装置の一例を示す斜視図である。
【図3】図2のレーザ医療装置のハンドピースを示す断面図である。
【図4】図3のハンドピースの先端部を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図5】図4における矢印Aから見た、ハンドピースの先端部を示す平面図である。
【図6】図3のハンドピースのレーザプローブを拡大し、かつ中心線より下側を断面で示す半断面図である。
【図7】図6のレーザプローブにおける第1の管部材を示す斜視図である。
【図8】図6におけるVII−VII線による断面図である。
【図9】図6におけるIX−IX線による断面図である。
【図10】レーザプローブの他の形態の一部を示す斜視図である。
【図11】レーザプローブのさらに他の形態の一部を示す斜視図である。
【図12】図11におけるXII−XII線による断面図である。
【図13】レーザプローブのさらに他の変形形態を示す、図9に対応する断面図である。
【符号の説明】
2 レーザ医療装置本体
4 ハンドピース
8 レーザプローブ
58 プローブホルダ
60 プローブファイバ
70 第1の管部材
72 第2の管部材
74 第1の流路
76 第2の流路
79,81 噴射口
102,112 同心保持手段
104,122 同心保持部
114 第1の同心保持部材
116 第2の同心保持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハンドピース本体に装着されるプローブホルダと、該プローブホルダに装着されたプローブと、該プローブの一部を覆うように前記プローブホルダに装着され、前記プローブとの間に第1の流路を形成する第1の管部材と、前記第1の管部材を覆うように前記プローブホルダに装着され、前記第1の管部材との間に第2の流路を形成する第2の管部材とを備え、前記第1および第2の流路の一方を通して液体が送給され、それらの他方を通して気体が送給されるレーザプローブにおいて、前記プローブに対して前記第1および第2の管部材の噴射口を同心状に保持するための同心保持手段が設けられ、前記第1の流路を通して送給された液体は前記第1の管部材の噴射口から噴射され、前記第2の流路を通して送給された気体は前記第2の管部材の噴射口から噴射され、これら噴射口から噴射された液体および気体は、混合されて前記プローブの全周に渡って実質上均一に噴射されることを特徴とするレーザプローブ。
【請求項2】 前記プローブならびに前記第1および第2の管部材の少なくとも一部は湾曲して延びており、前記プローブの先端部は前記第1および第2の管部材の噴射口よりも前方に突出しており、前記第1および第2の管部材の噴射口から噴射された液体および気体は、混合されて噴霧状になり、前記プローブの前記先端部に向けてその全周に渡って実質上均一に噴射されることを特徴とする請求項1記載のレーザプローブ。
【請求項3】 前記同心保持部材は、前記プローブと前記第1の管部材との間に介在された第1の保持部材と、前記第1の管部材と前記第2の管部材との間に介在されら第2の保持部材とから構成され、前記第1の保持部材は前記プローブに対して前記第1の管部材を同心状に保持し、前記第2の保持部材は前記第1の管部材に対して前記第2の管部材を同心状に保持することを特徴とする請求項1または2記載のレーザプローブ。
【請求項4】 前記第1および第2の保持部材は正多角形状に形成されており、前記第1の保持部材の内接径は前記プローブの外径と実質上等しく、またはそれより幾分大きく設定され、その外接径は前記第1の管部材の内径と実質上等しく、またはそれより幾分小さく設定されており、さらに前記第2の保持部材の内接径は前記第1の管部材の外径と実質上等しく、またはそれよりも幾分大きく設定され、その外接径は前記前記第2の管部材の内径と実質上等しく、またはそれよりも幾分小さく設定されていることを特徴とする請求項3記載のレーザプローブ。
【請求項5】 前記同心保持手段は、前記第1の管部材に一体的に設けられた同心保持部から構成され、前記同心保持部は、前記プローブに対して前記第1の管部材を同心状に保持するとともに、前記第1の管部材に対して前記第2の管部材を同心状に保持することを特徴とする請求項1または2記載のレーザプローブ。
【請求項6】 前記第1の管部材の前記同心保持部は正多角形状に形成され、前記同心保持部の内接径は前記プローブの外径と実質上等しく、またはこれよりも幾分大きく設定され、その外接径は前記第2の管部材の内径と実質上等しく、またはこれよりも幾分小さく設定されていることを特徴とする請求項5記載のレーザプローブ。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図12】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図13】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開平11−42237
【公開日】平成11年(1999)2月16日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−200222
【出願日】平成9年(1997)7月25日
【出願人】(000138185)株式会社モリタ製作所 (173)