説明

レーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器

【課題】レーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器を提供する。
【解決手段】一方側には把手部22が形成され、他方側の片面には多数の指圧突起8が設けられたマッサージ部24が形成されてなるケース体2と、多数の光ダイオード素子42が前記ケース体2内に指圧突起8に向けて等間隔に配設されてなる複数列の光ダイオード照射部4と、前記ケース体2のマッサージ部24の内側に設けられ、低出力レーザーを放射するレーザー照射部6と、前記ケース体2の内側に設けられ、ケース体2に振動を与える振動装置3と、前記光ダイオード照射部4とレーザー照射部6及び振動装置3の作動を制御するマイコンからなる制御部と、前記光ダイオード照射部4とレーザー照射部6及び振動装置に給電する電源9と、を含み、低出力レーザー(LLLT)と光ダイオードによる光パルスを頭皮に照射することで毛根細胞を活性化して発毛を促進し、また、光ダイオード素子による光パルスの照射と振動マッサージによって頭皮を刺激することでレーザー及び薬物の浸透を倍加することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱毛の治療または予防のための脱毛治療器に係り、より詳しくは、レーザーの照射と光ダイオードの光パルスによって毛根細胞を活性化することにより発毛を促進し、脱毛を予防することができるレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、低出力レーザー治療(LLLT:Low Level Laser Treatment)は、国際的に公認された治療法であって、弱いレーザー光を肌に照射すれば、該レーザー光がDNAを刺激し、タンパク質合成を増やし、細胞分裂を活発にすることによって血液循環の改善効果と損傷した組織の再生と肌潰瘍治療などの効果を奏すると知られている。
【0003】
すなわち、弱いレーザー光を人体に照射すれば、血管が拡張して血液循環が改善することで損傷された細胞組織を正常に戻し、また経穴に照射すれば、針や灸のような刺激効果を奏し、肌や筋肉の痛症を和らげて患部の完治を促進するようになる。
【0004】
1895年から始まった低出力レーザー治療は、1989年にロシアの科学アカデミー技術センターの教授であるチナ・カル博士の論文“Photobiological Reaction”において低出力レーザー光が細胞機能を刺激し、活性化するという事実が明らかになるに伴い、世界的に脚光を浴び始め、それ以降、アメリカ、ヨーロッパ、日本、ロシア等の各地で低出力レーザーの研究が盛んに行われてきており、多くの医療分野で非常に効果的な治療方法として用いられており、多くの研究結果と臨床実験を通じて低出力レーザーが抗炎症、抗浮腫、血栓溶解、生物学的刺激、組織再生などに優れた治療効果を奏し、特に、免疫機能の回復に非常に卓越した効果を奏することが明らかになった。
【0005】
特に、低出力レーザーを頭皮に照射すれば、頭皮の血液循環を増加させ、毛根細胞を活性化することにより発毛が促進し、発毛治療にも効果があると知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記した低出力レーザー(LLLT)を頭皮に照射することにより毛根細胞を活性化して発毛を促進させることができ、また、光ダイオード素子(LED)による遠赤外線光パルスの照射と振動マッサージによって頭皮を刺激し、レーザー及び薬物の浸透を倍加することができるようにしたレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、一方側には把手部が形成され、他方側の片面には多数の指圧突起が設けられたマッサージ部が形成されてなるケース体と、多数の光ダイオード素子が上記ケース体内に指圧突起に向けて等間隔に配設されてなる複数列の光ダイオード照射部と、上記ケース体のマッサージ部の内側に設けられ、低出力レーザーを放射するレーザー照射部と、上記ケース体の内側に設けられ、ケース体に振動を与える振動装置と、上記光ダイオード照射部とレーザー照射部及び振動装置の作動を制御するマイコンからなる制御部と、上記光ダイオード照射部とレーザー照射部及び振動装置に給電する電源と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上、本発明のレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器によれば、低出力レーザーと光ダイオードの遠赤外線を頭皮に照射させることにより毛根細胞を活性化して発毛を促進させることができ、また、光ダイオード素子による光パルスの照射と振動マッサージによって頭皮を刺激し、レーザー及び薬物の浸透を倍加することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明によるレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器を示す斜視図であり、図2は、本発明によるレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器を示す側断面図であり、図3は、本発明によるレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器を示す正断面図である。
【0011】
図1に示すように、上記ケース体2は、一方側には把手部22が形成され、他方側の片面には多数の指圧突起8が設けられたマッサージ部24が形成されてなり、上記把手部22とマッサージ部24とは、約15゜の曲げ角度(θ)をなし、これにより、使用時にマッサージ部24と頭皮との接触面積が増大するようにした。
【0012】
上記指圧突起8は、頭皮に指圧効果を与えることができ、髪の毛をくしけずることができるようにするために上記マッサージ部24に多数突設しており、頭皮に不快な刺激を与えないように軟質の合成樹脂材からなり、先端部82を半球状に形成することが好ましい。
【0013】
また、屈曲をもつ頭皮との接触効率を増大するために、縁部に向うにつれて指圧突起8の長さを長くした。
【0014】
上記光ダイオード照射部4は、遠赤外線を発光するためのものであって、長方形の基板上に多数の光ダイオード素子42を等間隔に配列した後、集光効果をもつ集光部44を被せてなり、上記マッサージ部24の指圧突起8の周辺内側に配設される。
【0015】
ここで、上記集光部44は、内面にCrメッキされた反射膜440が形成されてなり、光ダイオード素子42から放射される光が外部へ散乱できないようにし、均一且つ直線状に照射できるようにするためのものである。
【0016】
すなわち、一般の光ダイオード素子42では、発光の際に照射距離が近い場合、点状に照射され、この結果、照射効率が低下する。これを防ぐために、本発明の実施の形態では、上記集光部44が光ダイオード素子42を外囲することで光を集光し、隣接している光ダイオード素子42から放射される光が干渉するようになって点状が相殺し、結局のところ、集光部44によって直線状の照射光が形成されるようにした。
【0017】
また、本発明の実施の形態では、上記光ダイオード素子として、波長が630〜660nmで輝度が2000〜4000mcdのものを使う。
【0018】
上記レーザー照射部6は、筒体66の内側に設けられたレーザー光源62と、該レーザー光源62から放射されたレーザービームを分散させるレンズ部64とからなり、上記ケース体2のマッサージ部24の内側中央に設けられ、頭皮に低出力レーザーを照射することができる。
【0019】
すなわち、上記レーザー光源62からの直線状のレーザービームを上記レンズ部64を通らせて分散させることにより、該レーザービームを一層広範囲にわたって照射することができ、照射効率が増大する。
【0020】
ここで、上記低出力レーザーとしては、ヘリウムネオンレーザー(He-Ne Laser)とガリウムヒ素(Ga-As)半導体レーザーが挙げられる。
【0021】
上記ヘリウムネオンレーザーは、630nm〜660nmの波長をもち、ヘリウム90%、ネオン10%の混合気体を媒質として使い、目立ち易い赤色光を発し、レーザー装置の構造に応じて緑色などの他の色の光を発するようにしてもよい。
【0022】
また、上記ガリウムヒ素半導体レーザーは、波長帯が790nm〜904nmの目立ち難い近赤外線波長帯に存在し、発光効率に優れ、また低い電圧でも発光するため電池を使用することも可能であり、出力を1mWから400mWの範囲内で変えることができるため、低出力を必要とする低出力レーザー治療に有用である。
このような低出力レーザーは、肌深く浸透可能であり、細胞の破壊を起こすこともなく、且つ生体構成物質の活性化及び免疫係を刺激して新陳代謝を促進し、光電気反応と光磁気反応、光力学反応、光免疫反応、光酵素反応等が同時に起き、各種の潰瘍の治療及び各種の痛症の解消、むくみ治療、血液循環の改善、各種の皮膚炎等の様々な治療に用いることができ、また低電圧でも作動可能であるため、携帯用として製作可能であるという長所がある。
【0023】
以下、説明していない図面符号100、101は、上記光ダイオード照射部の透過窓とレーザー照射部の透過窓を示す。
【0024】
上記振動装置3としては、自体が振動する通常の振動モーターを使っており、所定の周波数の振動によって上記指圧突起8が振動して頭皮に刺激を加えることにより細胞の興奮状態を引き起こし、レーザー及びダイオード光の吸収と薬物の吸収効果を促進することができる。
【0025】
上記制御部は、上記光ダイオード照射部4とレーザー照射部6及び振動装置3の作動を所定のモードにて制御するマイコンからなり、パルスを周期的に変えて肌に刺激を与えることにより細胞の活性化を増進することができる。
【0026】
すなわち、本発明の実施の形態では、作動スイッチ5をオンすれば、上記振動装置3の作動と同時に上記光ダイオード照射部4が30秒間点滅する第1のステップと、光ダイオード照射部4が30秒間継続して照射される第2のステップとからなる1サイクルが連続して繰り返され、このような作動モードは、必要に応じて様々に変えて施してもよいことは言うまでもない。
【0027】
上記ケース体2の内側には、上記光ダイオード照射部4とレーザー照射部6及び振動装置3への電源9としての充電池が設けられ、ケース体2の外側の一端には、上記充電池に接続される充電端子7が備えられる。
【0028】
そして、上記ケース体2を差し込んで充電できる充電用アダプダ200を備えることにより、一度充電すれば別途の電力供給なしでも所定の時間使うことができ、場所を問わずに何処でも使うことができるため、使用上の便利性の向上を図っている。
【0029】
以下、このように構成された本発明の脱毛治療器の作用及び効果について説明する。
【0030】
上記ケース体2のマッサージ部24を頭皮に接触させた後、作動スイッチ5をオンすれば、上記振動装置3の駆動に従い指圧突起8が振動することにより頭皮にマッサージ機能を与える。
【0031】
これと同時に上記光ダイオード照射部4とレーザー照射部6が発光し、上記光ダイオード照射部4は、予め設定された作動モードによって30秒間点滅動作を行った後、引き続き、30秒間連続して光を照射するサイクルを継続して繰り返す。
【0032】
従って、上記振動マッサージ機能と、光ダイオード照射部4の光パルスによって頭皮細胞を充分に励起させることによるレーザービームのより効率よい吸収を果たすことができ、更には、使われる脱毛治療薬物の吸収度をも向上することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明によるレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器を示す斜視図。
【図2】本発明によるレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器を示す側断面図。
【図3】本発明によるレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器を示す正断面図。
【符号の説明】
【0034】
2 ケース体
3 振動装置
4 照射部
6 レーザー照射部
8 指圧突起
9 電源
22 把手部
24 マッサージ部
42 光ダイオード素子
44 集光部
440 反射膜



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側には把手部22が形成され、他方側の片面には多数の指圧突起8が設けられたマッサージ部24が形成されてなるケース体2と、
多数の光ダイオード素子42が前記ケース体2内に指圧突起8に向けて等間隔に配設されてなる複数列の光ダイオード照射部4と、
前記ケース体2のマッサージ部24の一方側に設けられ、低出力レーザーを放射するレーザー照射部6と、
前記ケース体2の内側に設けられ、ケース体2に振動を与える振動装置3と、
前記光ダイオード照射部4とレーザー照射部6及び振動装置3の作動を制御するマイコンからなる制御部と、
前記光ダイオード照射部4とレーザー照射部6及び振動装置に給電する電源9と、
を備えることを特徴とするレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器。
【請求項2】
前記ケース体2における把手部22とマッサージ部24とがなす曲げ角度を約15゜にし、使用時にマッサージ部24と頭皮との接触面積が増大するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器。
【請求項3】
前記指圧突起8は、頭皮に不快な刺激を与えないように軟質の合成樹脂材からなり、先端部82を半球状に形成したことを特徴とする請求項1に記載のレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器。
【請求項4】
前記指圧突起8は、頭皮との接触効率を増大するために縁部に向うにつれてその長さを長く形成したことを特徴とする請求項1または3に記載のレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器。
【請求項5】
前記光ダイオード照射部4は、内面にCr反射膜440が形成されてなる集光部44を有し、該集光部が波長が630nm〜660nmで輝度が2000mcd〜4000mcdの光ダイオード素子42を外囲して、光が外部へ散乱しないようにしながら、直線状の照射光にすることを特徴とする請求項1に記載のレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器。
【請求項6】
前記レーザー照射部6は、筒体66の内側に設けられたレーザー光源62と、該レーザー光源62から放射されたレーザーを分散するレンズ部64とからなり、前記レーザー光源62から照射された低出力レーザーがレンズ部64によって広範囲に分散できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器。
【請求項7】
前記振動装置3は、自体が振動する振動モーターが使われたことを特徴とする請求項1に記載のレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器。
【請求項8】
前記電源は充電池が使われ、ケース体2の一方側に充電端子7が設けられ、ケース体2を接続して充電できる充電用アダプダ200を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器。
【請求項9】
前記低出力レーザーは、波長帯が630nm〜660nmであるヘリウムネオン(He−Ne)レーザーであることを特徴とする請求項1または6に記載のレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器。
【請求項10】
前記低出力レーザーは、波長帯が790nm〜904nmであるガリウム砒素(Ga-As)レーザーであることを特徴とする請求項1または6に記載のレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器。
【請求項11】
光ダイオード照射部と、レーザー照射部、及び振動装置を備える脱毛治療器であって、
振動装置3の作動と同時に、光ダイオード照射部4が30秒間点滅する第1のステップと、光ダイオード照射部4が30秒間継続して発光する第2のステップとからなるサイクルが連続して繰り返されるようにしたことを特徴とするレーザーと光ダイオードを用いた脱毛治療器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−520239(P2007−520239A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507782(P2005−507782)
【出願日】平成15年10月17日(2003.10.17)
【国際出願番号】PCT/KR2003/002176
【国際公開番号】WO2005/016454
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(506018466)プロス インターナショナル カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】