説明

レーザーマーキングホログラム及びホログラムレーザーマーキング方法

【課題】ホログラム記録層以外の層にレーザー光を照射することによりその層を物理的あるいは化学的に改質して、文字、数字、絵柄、バイオメトリックス情報等の個別情報を記録してホログラムのセキュリティ性を高め、複製防止をする。
【解決手段】積層構造からなるホログラム中のホログラム記録層1以外の層3にレーザー光17を選択的に照射することにより照射部が改質され、照射部と非照射部においてコントラストを持つ文字、数字、絵柄、バイオメトリックス情報等が記録されているレーザーマーキングホログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザーマーキングホログラム及びホログラムレーザーマーキング方法に関し、特に、体積型ホログラムやレリーフホログラムのホログラム記録層以外の層にレーザー光を照射することにより改質して文字、数字、絵柄、バイオメトリックス(指紋、顔、血管等)情報等の個別情報を追記記録したセキュリティ性の高いホログラムとそのようなホログラムを得る方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カード等に直接個人情報を打ち込むレーザーエングレービング法が注目されている。レーザーエングレービング技術は、券面情報の改ざん、変造の防止に関して、安全性・耐久性を向上させる確実な社会システムモデル構築に資する有効な技術である。個人情報や顔写真をカード素材そのものの特性変化による刻み込みでカード内部まで刻印するため、偽造・改ざんを困難にし、さまざまなICカードシステムとの連携により、高度なセキュリティが実現可能になる。
【0003】
また、一方、本出願人は、見た目で真偽が分かる体積型ホログラムをカードに転写することにより、高度なセキュリティ性が実現できる体積型ホログラム転写箔を開発し、上市した。このホログラムは、ホログラム原版、記録用レーザー、ホログラム感光材料等を用いて、同じ絵柄のものを高速に大量生産している。
【0004】
ところで、背後に反射層を有するレリーフホログラムにおいて、レーザー光を選択的に照射して反射層を破壊することによりマーキングを施すことは、特許文献1、特許文献2等において知られている。
【0005】
また、レリーフホログラムを覆う遮蔽層にレーザー光を選択的に照射してホログラム層を露出させるものは特許文献3において知られている。
【0006】
さらに、吸収剤として真珠光沢顔料及び/又は非光沢金属酸化物を被覆した雲母顔料と無機の血小板状基体との混合物を含んでなるレーザーエングレービングできる材料については、特許文献4等のものが知られている。
【特許文献1】特開平11−305667号公報
【特許文献2】特開2002−29185号公報
【特許文献3】特開2004−148636号公報
【特許文献4】特表2001−505233号公報
【特許文献5】特開昭61−72748号公報
【特許文献6】特開2001−96913号公報
【特許文献7】特表2006−508842号公報
【特許文献8】特表2006−509099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
通常、レーザー光等の光加工技術により、カード表面層を改質させ、個人情報を白黒のコントラストで書き込んでいる。一見、印刷、インクジェット等による記録との判別が難しく、この技術のみでは、見た目で分かるセキュリティ性を持たせることはできない。
【0008】
一方、体積型ホログラムは、上記大量生産方式により製造されるが、レリーフホログラムのように反射層を持たないため、個別情報を記録することは困難であった。また、仮に大量生産工程にレーザー光又は紫外光、白色光等の投影、描画等により何らかの個人情報を記録する方法を実現したとしても、大量生産品の歩留まりも考慮して、全品良品とすることは不可能である。
【0009】
また、大量生産品が同一絵柄であるため、何らかの方法でホログラムを媒体から外した場合、他の媒体への転用が可能となり、偽造品との区別が付かなくなる。
【0010】
本発明は従来技術のこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、体積型ホログラムやレリーフホログラムのホログラム記録層以外の層にレーザー光を照射することによりその層を物理的あるいは化学的に改質して、文字、数字、絵柄、バイオメトリックス情報等の個別情報を記録してホログラムのセキュリティ性を高め、複製防止をすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、カード等の媒体に転写又はラミネートされる体積型ホログラムやレリーフホログラムのホログラム干渉縞が記録されたホログラム記録層以外の層にレーザー光で直接マーキングすることにより、体積型ホログラム等に個別情報を付与するものであり、そのホログラムは再利用、複製等が不可能となり、高いセキュリティ性が得られるものである。
【0012】
すなわち、本発明のレーザーマーキングホログラムは、積層構造からなるホログラム中のホログラム記録層以外の層にレーザー光を選択的に照射することにより照射部が改質され、照射部と非照射部においてコントラストを持つ文字、数字、絵柄、バイオメトリックス情報等が記録されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の別のレーザーマーキングホログラムは、少なくとも、保護層、ホログラム記録層、ヒートシール層又は粘着層が積層され、前記ホログラム記録層に干渉縞が記録されているホログラムフィルム媒体において、前記ホログラム記録層以外の層を改質させるレーザー光を前記ホログラム記録層以外の層に照射することにより、前記ホログラム記録層以外の層の照射部と非照射部においてコントラストを持つ文字、数字、絵柄、バイオメトリックス情報等が記録されていることを特徴とするものである。
【0014】
この場合に、前記ホログラム記録層以外の層が前記ホログラム記録層に隣接する前記ヒートシール層又は前記粘着層又は前記保護層であることが特に好ましい。
【0015】
また、前記レーザー光を照射するレーザーが、10ピコ秒から10フェムト秒の範囲にある超短パルスを発振するレーザーであることが望ましい。
【0016】
また、前記レーザー光を照射するレーザーが、紫外線領域のレーザーとしてもよい。
【0017】
また、前記レーザー光が前記ホログラム記録層以外の層に集光することによって照射部が改質されることが望ましい。
【0018】
また、前記ホログラム記録層以外の層が、レーザー光照射により改質あるいは改質を促進する無機材料及び/又は有機材料を含有するプラスチック材料からなることが望ましい。
【0019】
本発明は、以上のレーザーマーキングホログラムを備えたカードにおいて、個別の情報がレーザー光を照射して前記ホログラム記録層以外の層に記録されていることを特徴とするレーザーマーキングホログラム付きカードを含むものである。
【0020】
また、本発明は、少なくとも、保護層、ホログラム記録層、ヒートシール層又は粘着層が積層され、前記ホログラム記録層に干渉縞が記録されているホログラムにレーザー光を照射して前記ホログラム記録層以外の層を改質することにより情報が記録されいることを特徴とするホログラム転写箔を含むものである。
【0021】
このホログラム転写箔が転写されているレーザーマーキングホログラム転写体も本発明に含まれる。
【0022】
その場合に、媒体がカード形態であり、前記ホログラム記録層に特定の光を回折、透過させる機能を有するホログラムとして干渉縞が記録されており、個別の情報がレーザー光を照射して前記ホログラム記録層以外の層に記録されているものとすることができる。
【0023】
また、本発明は、以上のレーザーマーキングホログラムを備えたレーザーマーキングホログラム転写体において、個別の情報がレーザー光を照射して前記ホログラム記録層以外の層に記録されていることを特徴とするレーザーマーキングホログラム転写体を含むものである。
【0024】
また、本発明のホログラムレーザーマーキング方法は、コントラストを持つ文字、数字、絵柄、バイオメトリックス情報等が記録されたホログラムを得るレーザーマーキング方法において、積層構造からなりその中のホログラム記録層に干渉縞が記録されているホログラムのホログラム記録層以外の層の選択領域にレーザー光を照射することにより、前記ホログラム記録層以外の層の選択領域を炭化、溶融又はアブレーションさせることを特徴とする方法である。
【0025】
この場合に、前記ホログラム以外の層が、レーザー光照射により改質あるいは改質を促進する無機材料及び/又は有機材料を含有するプラスチック材料からなることが望ましい。
【0026】
また、前記レーザー光が、10ピコ秒から10フェムト秒の範囲にある超短パルスのレーザー光であることが望ましい。
【0027】
また、前記レーザー光が、紫外線領域のレーザー光であってもよい。
【0028】
また、前記レーザー光を前記ホログラム以外の層に集光することによって照射部を改質することが望ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明においては、積層構造からなるホログラム中のホログラム記録層以外の層にレーザー光を選択的に照射することにより照射部が改質され、照射部と非照射部においてコントラストを持つ文字、数字、絵柄、バイオメトリックス情報等が記録されてなるもので、ホログラムにコントラストにより2次元的な個人情報等の個別情報をホログラム記録層に記録されたホログラムに影響を与えずに記録でき、また、ホログラムを複製しようとすると、そのような個別情報が同時に複製されるため(特に、ホログラム記録層の反射側に記録されているとき)、高いセキュリティ性が得られる。なお、ホログラム記録層に隣接するヒートシール層や粘着層にそのような個別情報を記録するようにすると、そのヒートシール層又は粘着層を剥がして複製により偽造しようとしても、ホログラム記録層が破壊されるためそのような偽造は不可能になり、極めて高いセキュリティ性が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は、積層構造からなるホログラム中のホログラム干渉縞が記録されたホログラム記録層以外の層に、レーザー光で直接マーキングすることにより、体積型ホログラム等に個別情報を付与するものであり、そのホログラムは再利用、複製等が不可能となり、高いセキュリティ性が得られるものである。
【0031】
すなさち、本発明のレーザーマーキングホログラムは、積層構造からなるホログラム中のホログラム記録層以外の接着層(粘着層、ヒートシール層)、保護層等にレーザー光を選択的に照射することにより照射部が改質され、照射部と非照射部においてコントラストを持つ文字、数字、絵柄、バイオメトリックス情報等を記録するものであり、本発明において、レーザーマーキングホログラムとは、上記のようなレーザーマーキングによりコントラストを持つ情報が記録されているホログラムを意味する。
【0032】
本発明において、ホログラム記録層は、体積ホログラム記録層でも、レリーフホログラム記録層何れでもよいが、以下の説明では体積型ホログラム記録層として説明する。
【0033】
まず、本発明のレーザーマーキングホログラムの積層構造の例から説明する。ホログラムの形態としては、ラベルの形態と転写箔の形態があるが、その積層構造例は、ラベルの場合、図1〜図5のような積層構造が例示でき、また、転写箔の場合は、図6〜図9のような積層構造が例示できる。以下、各々を簡単に説明する。
【0034】
図1の場合は、表面側からPET(ポリエチレンテレフタレート)等からなる保護層2、銀塩感材、重クロム酸ゼラチン、光架橋型ポリマー、フォトポリマー等からなるホログラム記録層1、粘着層3、PET等からなる剥離シート4からなり、本発明に基づいて図1の形態で表面側あるいは裏面側から粘着層3にレーザー光を選択的に照射することにより文字等をマーキングする。
【0035】
図2の場合は、図1の場合と同様の保護層2、粘着層5、ホログラム記録層1、粘着層3、剥離シート4からなり、本発明に基づいて図2の形態で表面側あるいは裏面側から粘着層5にレーザー光を選択的に照射することにより文字等をマーキングする。
【0036】
図3の場合は、塗布層6、図1の場合と同様の保護層2、ホログラム記録層1、粘着層3、剥離シート4からなり、本発明に基づいて図3の形態で表面側あるいは裏面側から塗布層6にレーザー光を選択的に照射することにより文字等をマーキングする。
【0037】
図4の場合は、図1の場合と同様の保護層2、ホログラム記録層1、粘着層3、支持層7、粘着層8、剥離シート4からなり、本発明に基づいて図4の形態で表面側あるいは裏面側から粘着層8にレーザー光を選択的に照射することにより文字等をマーキングする。
【0038】
図5の場合は、図1の場合と同様の保護層2、ホログラム記録層1、粘着層3、支持層7、粘着層8、剥離シート4からなり、本発明に基づいて図5の形態で表面側あるいは裏面側から支持層7にレーザー光を選択的に照射することにより文字等をマーキングする。
【0039】
なお、以上の図1、図2、図4の構成において、保護層2にレーザー光を選択的に照射することにより文字等をマーキングするようにしてもよい。さらに、図4の構成において、粘着層3にレーザー光を選択的に照射することにより文字等をマーキングするようにしてもよい。
【0040】
以上の、図1〜図5の構成において、ホログラムラベルとして被着体に貼り付けるには、剥離シート4を剥離して露出した粘着層3又8で被着体に粘着させる。そして、レーザー光によるマーキングは、そのように被着体に粘着した後に、表面側から粘着層3、粘着層5、塗布層6、粘着層8あるいは支持層7にレーザー光を照射することで行うようにしてもよい。
【0041】
次に、図6の場合は、表面側からPET等からなる基材シート12、保護層11、銀塩感材、重クロム酸ゼラチン、光架橋型ポリマー、フォトポリマー等からなるホログラム記録層1、ヒートシール層10、剥離シート4からなり、本発明に基づいて図6の形態で表面側あるいは裏面側からヒートシール層10にレーザー光を選択的に照射することにより文字等をマーキングする。
【0042】
図7の場合は、図6の場合と同様の基材シート12、保護層11、ホログラム記録層1、ヒートシール層10、剥離シート4からなり、本発明に基づいて図7の形態で表面側あるいは裏面側から保護層11にレーザー光を選択的に照射することにより文字等をマーキングする。
【0043】
図8の場合は、図6の場合と同様の基材シート12、保護層11、ホログラム記録層1、粘着層3、支持層7、ヒートシール層10、剥離シート4からなり、本発明に基づいて図8の形態で表面側あるいは裏面側から粘着層3にレーザー光を選択的に照射することにより文字等をマーキングする。
【0044】
図9の場合は、図6の場合と同様の基材シート12、保護層11、ホログラム記録層1、粘着層3、支持層7、ヒートシール層10、剥離シート4からなり、本発明に基づいて図9の形態で表面側あるいは裏面側から支持層7にレーザー光を選択的に照射することにより文字等をマーキングする。
【0045】
以上の、図6〜図9の構成において、ホログラム転写箔として被着体に貼り付けるには、剥離シート4を剥離して基材シート12側から熱と圧力を加えて露出しているヒートシール層10を選択的に溶かして被着体に接着させる。そして、レーザー光によるマーキングは、そのように被着体に接着した後に、表面側からヒートシール層10、保護層11、粘着層3あるいは支持層7にレーザー光を照射することにより行うようにしてもよい。
【0046】
ここで、図1の場合は粘着層3が、図2の場合は粘着層5が、図3の場合は塗布層6が図4の場合は粘着層8が、図5の場合は支持層7が、図6の場合はヒートシール層10が、図7の場合は保護層11が、図8の場合は粘着層3が、図9の場合は支持層7が、それぞれ本発明に基づいてレーザーマーキング層として使用される。
【0047】
これらのレーザーマーキング層に使用する材料の代表例を説明する。
【0048】
粘着層3、5、8には、例えばアクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、又はこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クロマンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等が例示され、また、アルファ−シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系、シリコーン系接着剤が例示される。
【0049】
塗布層6には、ポリメタアクリル酸エステル又はその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル又はその加水分解物、ポリビニルアルコール又はその部分アセタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリアリレート、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドン又はその誘導体、スチレンと無水マレイン酸との共重合体又はその半エステル等をあげることができる。また、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、及び酢酸ビニル等の共重合可能なモノマーからなる郡から選択される少なくとも1種のモノマーを重合させてなる共重合体を使用することもできる。また、側鎖に熱硬化又は光硬化可能な官能基を有するモノマーを重合させてなる共重合体も使用することができる。さらに、1種又は2種以上の混合物を用いることもできる。
【0050】
また、塗布層6には、オリゴマータイプの硬化性樹脂を使用することもできる。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ノボラック、o−クレゾールノボラック、p−アルキルフェノールノボラック等の各種フェノール化合物とエピクロロヒドリンとの縮合反応により生成されるエポキシ化合物等があげられる。
【0051】
さらに、塗布層6には、ゾルゲル反応を利用した有機−無機ハイブリッドポリマーを使用することもできる。例えば、下記一般式(1)で表される重合性基を有する有機金属化合物とビニルモノマーとの共重合体があげられる。
【0052】
m M(OR’)n ・・・(1)
(ここで、MはSi、Ti、Zr、Zn、In、Sn、Al、Se等の金属、Rは炭素数1〜10のビニル基又は(メタ)アクリロイル基、R’は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+nは金属Mの価数である)。
【0053】
金属MとしてSiを使用する場合の有機金属化合物の例としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリアリルオキシシラン、ビニルテトラエトキシシラン、ビニルテトラメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等があげられる。
【0054】
また、上記ビニルモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等をあげることができる。
【0055】
上記の塗布層6の組成物は、塗布の際、必要に応じて溶媒を用いる。このような溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を使用することができる。また、これらの溶媒を1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0056】
支持層7、保護層11には、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ弗化エチレン系フイルム、ポリ弗化ビニリデンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、エチレン−ビニルアルコールフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、ポリメチルメタクリレートフイルム、ポリエーテルスルホンフイルム、ポリエーテルエーテルケトンフイルム、ポリアミドフイルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム等のポリエステルフイルム、ポリイミドフイルム等が例示され。
【0057】
ヒートシール層10は、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル及びその共重合樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、SBS、SIS、SEBS、SEPS等の熱可塑性エラストマー、又は反応ホットメルト系樹脂等のヒートシール剤があげられる。
【0058】
なお、保護層2、基材シート12は、ホログラム記録層1が形成可能であり、かつ熱転写の際に加わる熱や圧力に対して耐性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフッ化エチレン系フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の透明樹脂フィルムを用いることができる。
【0059】
また、剥離シート4は、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、合成樹脂フイルム、例えばPETフイルム表面をフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ステアリン酸塩系、その他ワックス類等により離型処理したものを使用するとよい。
【0060】
以上のようなレーザーマーキング層にレーザー光を選択的に照射することにより照射部が改質されて照射部と非照射部においてコントラストを持つようにするには、これらの層を構成する材料中にレーザーマーキング可能な化合物、すなわち、レーザー光照射により改質を促進する化合物を添加する。
【0061】
このような化合物としては、無機系化合物、有機系化合物がある。
【0062】
フレーク状、粒子状等、様々な材料を使用することができるが、ホログラム像を再生する際に用いられるレーザー光等の波長(記録波長)より小さいサイズのものを使用することが好ましい。例えば、サイズとして平均粒径を考えた場合、平均粒径が再生波長より大きい場合には、ホログラムへの像形成に悪影響を及ぼす場合がある。ここで、例えばカラーホログラムを再生する際には、使用する再生波長の中で最も短い波長より小さい粒径の微粒子を選択することになる。よって、使用する再生波長により材料の平均粒径を適宜選択して用いればよいものである。
【0063】
具体的な平均粒径としては、50nm〜700nm、中でも50nm〜400nmの範囲内であることが好ましい。平均粒径が、上述した範囲より小さいものは製造が難しく、また、平均粒径が上述した範囲より大きい場合には、ホログラムへの像再生に悪影響を及ぼす場合があるからである。
【0064】
ここで述べる平均粒径とは、一般に粒子の粒度を示すために用いられるものであり、本発明においては、レーザー法により測定した値である。レーザー法とは、粒子を溶媒中に分散し、その分散溶媒にレーザー光線を当てて得られた散乱光を細くし、演算することにより、平均粒径、粒度分布等を測定する方法である。上記平均粒径は、レーザー法による粒径測定機として、リーズ&ノースラップ(Leeds & Northrup )社製 粒度分析計 マイクロトラックUPA Model-9230を使用して測定した値である。
【0065】
具体的な無機系材料としては、合成又は天然の雲母、タルク、カオリン、ガラスフレークシリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、二酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化コバルト、酸化鉄等の各種金属酸化物を使用することができる。また、Fe−Co,Fe−Ni,Fe−Co−Ni,Co−Ni,Fe−Mn−Zn,Fe−Ni−Zn,、Fe−Co−Ni−Cr,Fe−Co−Ni−P,Fe−Co−B,Fe−Co−Cr−B,Fe−Co−V等のFe,Co,Niを主成分とする各種の合金材料をあげることができる。これらには各種の特性を付与あるいは改善する目的でAl,Si,Ti,Cr,Mn,Mg,P等の元素を添加したものも含む。
【0066】
具体的な有機系材料としては、例えば、光エネルギーにより構造が変化するフォトクロミック化合物があり、クロメン系化合物、スピロオキサジン系化合物、スピロピラン系化合物、フルギド系化合物、アゾベンゼン系化合物等が例示される。
【0067】
また、無機−有機複合材料を使用することもでき、例えば、特許文献6に開示されている、アントラセン又はペンタエリスリトールで表面が被覆された二酸化チタン、雲母等が使用できる。
【0068】
上記化合物は、レーザーマーキング層の樹脂組成物中に、1〜30重量%の範囲内、好ましくは5〜20重量%の範囲内で含有させるとよい。化合物の含有量が上述した範囲未満であると、レーザーマーキングの効果が小さく、含有量が上述した範囲を超えて多いと、レーザーマーキング層の強度や透明性を保つことが困難となる場合があるからである。
【0069】
レーザーマーキング層中に添加してレーザー光照射により改質を促進する別の化合物として、次のようなものがある。
【0070】
・レーザー照射時の熱あるいは光で発泡(ボイド形成)する化合物
例えばAIBN等の熱重合開始剤。空隙ができることで大きな屈折率変調が得られ、マーキングされる。光重合開始剤も可能性としては考えられる。
【0071】
・バインダー骨格に結合させておく(フォトクロミック分子、金属キレート)。バインダーとして有機−無機ハイブリッドポリマーを使用すれば、特にマーキングを促進するような添加物を使用することなく、効率良くマーキングできる可能性がある。
【0072】
図1〜図9のようなホログラムラベルやホログラム転写箔を、カード材料に貼着あるいは転写した被着体に対して、あるいは、その貼着あるいは転写前に、レーザーを用いて情報を書き込むことにより、以下のような効果でレーザーマーキング層が改質されてコントラストが付く。
【0073】
・熱又は光による素材の炭化・溶融・アブレーション(エングレービング)
レーザーマーキング層に特にドーパントを添加する必要なく、対象素材へのレーザーマーキングが可能。
【0074】
また、ドーパントを添加することで、マーキング特性を向上させることが可能。
【0075】
ドーパントとしては、前記した無機系材料がある(例えば、特許文献6に開示されている、アントラセン又はペンタエリスリトールで表面が被覆された二酸化チタン、雲母等が使用できる。)。
【0076】
また、特許文献7に記載されているような、マトリックスポリマー中に分散された高分子レーザー光吸収剤を含み、さらに反射剤を含み、前記吸収剤が、コアとシェルとを含む炭化性粒子を含み、前記コアが、第1の官能基を有する炭化性ポリマーを含み、前記シェルが、前記炭化性ポリマーの前記第1の官能基と反応できる第2の官能基を有する相溶化ポリマーを含む、レーザー書込み可能な組成物を用いて、ポリマーの炭化によりレーザーマーキングすることもできる。
【0077】
あるいは、特許文献8に記載されているような、少なくとも、第1の官能基を有する第1のポリマーと0〜95重量%の吸収剤とを含有する粒子を含むレーザー光吸収添加剤であって、前記重量百分率が前記第1のポリマーと前記吸収剤の合計に対するものであり、前記第1のポリマーが、前記粒子の表面の少なくとも一部において、前記第1の官能基で第2の官能基と結合しており、前記第2の官能基が第2のポリマーに結合している、レーザー光吸収添加剤をマトリックスポリマーに添加して、ポリマーの炭化によりレーザーマーキングすることもできる。
【0078】
さらには、Micabs(マイキャブス:登録商標)として販売されているディー・エス・エム ジャパン(株)製のレーザーマーキング・プラスチックを用いて炭化によりレーザーマーキングすることもできる。
【0079】
・熱又は光による使用素材の構造変化:下記のような添加物質の変質によりマーキングされる。
【0080】
例えば、光照射により屈折率(構造)が変化する材料:フォトクロミック材料、色素を添加しておく。
【0081】
一般的に、上記物理的効果を得るためには、強力な照射エネルギーが必要となるが、フォトクロミック材料等の光で屈折率が変化する材料を添加することで、容易にマーキングできる可能性がある。
【0082】
色素については、紫外領域から赤外領域まで様々な吸収波長を持つ化合物が多数あり、材料の選択範囲が広がる。
【0083】
以上のような物理的効果、化学的効果により、レーザー光照射部と非照射部にコントラストがつく。
【0084】
1.レーザーマーキング層の炭化、溶融、除去等により、レーザーマーキング層を改質又は破壊させ、照射部と未照射部にて明暗のコントラストを持たせた情報がレーザーマーキング層に記録される。
【0085】
2.レーザー光の熱、エネルギー、光等により、レーザーマーキング層に含有される無機材料又は有機材料を介してレーザーマーキング層を改質させ、照射部と未照射部にて明暗のコントラストを持たせた情報がレーザーマーキング層に記録される。
【0086】
次に、上記レーザーマーキング層へのレーザーマーキングに使用するレーザーの種類としては特に限定されないが、CO2 レーザーに代表される遠赤外線レーザー、Nd:YAGレーザー、Nd:YVOレーザーに代表される近赤外線パルスレーザー、可視光のパルスレーザー、エキシマレーザー、Nd:YAGレーザー又はNd:YVOレーザーの第3高調波若しくは第4高調波を用いた紫外線レーザー、半導体レーザー、フェムト秒レーザー、ピコ秒レーザー等があげられる。特に、Nd:YAGレーザー、Nd:YVOレーザーは、高出力、高パルス安定性が利点としてあげられる。また、Nd:YAGレーザー又はNd:YVOレーザーの第3高調波若しくは第4高調波を用いたレーザーは、高解像度、マーキング材料のUV光吸収性等が利点としてあげられる。また、フェムト秒レーザー、ピコ秒レーザー等の超短パルスレーザーは、材料を高温状態にすることなく分子の結合を切ることができるため、非熱での書き込みが可能となる。
【0087】
マーキング用レーザーの例として、
○ 近赤外線レーザー:コヒーレント社製VECTOR
波長:1064nm
平均出力:0.75〜3W以上
パルス幅:10〜100ns以上
○ 紫外線レーザー:コヒーレント社製AVIA Ultra
波長:355nm
平均出力:1〜2W以上
パルス幅:25ns以上
○ 紫外線レーザー:コヒーレント社製Paladin
波長:355nm
平均出力:4〜8W以上
パルス幅:15ps以上
○ 超短パルスレーザー:コヒーレント社製Mira
波長:700nm〜980nm
平均出力:0.65〜1.3W以上
パルス幅:200fs以下
があげられる。
【0088】
また、通常のマーキングは、レーザーマーキング層にレーザーを照射し、レーザーパルスエネルギーの吸収により高温での炭化等が起こり、情報が記録される。レーザー光によって、プラスチック材料を炭化させる際には、下記の条件が必要である。
【0089】
照射エネルギー:0.2〜5.0mJ
照射パルスパワー:平均1kW以上
照射レーザーパワー:3〜20W
パルス幅:10ピコ秒〜10フェムト秒の短パルスレーザーを使用することで良好に情報を記録。特に、3ピコ秒〜30フェムト秒が好ましい。
【0090】
次に、レーザーマーキング層へのマーキングのためのレーザー光の照射方法について説明する。レーザーマーキング層への選択的なレーザー光の照射にはマスク等を介してレーザー光を直接照射する方法も適用できるが、エネルギー密度を高くし、レーザーマーキング層へ付与する情報の解像度を高くするために、照射するレーザー光を集光するようにすることが望ましい。その様子を図10に示す。レーザー15からのレーザー光17は集光レンズ16で集光させ、その集光点近傍にホログラムラベル又はホログラム転写箔のレーザーマーキング層(図10の場合は、粘着層3)を位置させることで、その集光点近傍の改質領域18に変えて記録する。所望のパターンを記録するには、レーザー光17の集光ビームを変調しながら相対的に走査するようにすればよい。このレーザー光の照射は、ラベル又は転写箔(図1〜図9)の状態でも、被着体への転写の後でも、あるいは、剥離シート4を剥離する前のラベル又は転写箔の状態でもよい。
【0091】
なお、本発明は、以上の実施形態、実施例に限定されるものではない。上記実施形態及び実施例は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものはいかなるものであっても、本発明の技術的範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明のホログラムラベルの積層構造の1例を示す断面図である。
【図2】本発明のホログラムラベルの積層構造の別の例を示す断面図である。
【図3】本発明のホログラムラベルの積層構造の別の例を示す断面図である。
【図4】本発明のホログラムラベルの積層構造の別の例を示す断面図である。
【図5】本発明のホログラムラベルの積層構造の別の例を示す断面図である。
【図6】本発明のホログラム転写箔の積層構造の1例を示す断面図である。
【図7】本発明のホログラム転写箔の積層構造の別の例を示す断面図である。
【図8】本発明のホログラム転写箔の積層構造の別の例を示す断面図である。
【図9】本発明のホログラム転写箔の積層構造の別の例を示す断面図である。
【図10】本発明においてマーキングのためのレーザー光の照射方法の1例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0093】
1…ホログラム記録層
2…保護層
3…粘着層
4…剥離シート
5…粘着層
6…塗布層
7…支持層
8…粘着層
10…ヒートシール層
11…保護層
12…基材シート
15…レーザー
16…集光レンズ
17…レーザー光
18…改質領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層構造からなるホログラム中のホログラム記録層以外の層にレーザー光を選択的に照射することにより照射部が改質され、照射部と非照射部においてコントラストを持つ文字、数字、絵柄、バイオメトリックス情報等が記録されていることを特徴とするレーザーマーキングホログラム。
【請求項2】
少なくとも、保護層、ホログラム記録層、ヒートシール層又は粘着層が積層され、前記ホログラム記録層に干渉縞が記録されているホログラムフィルム媒体において、前記ホログラム記録層以外の層を改質させるレーザー光を前記ホログラム記録層以外の層に照射することにより、前記ホログラム記録層以外の層の照射部と非照射部においてコントラストを持つ文字、数字、絵柄、バイオメトリックス情報等が記録されていることを特徴とするレーザーマーキングホログラム。
【請求項3】
前記ホログラム記録層以外の層が前記ホログラム記録層に隣接する前記ヒートシール層又は前記粘着層又は前記保護層であることを特徴とする請求項2記載のレーザーマーキングホログラム。
【請求項4】
前記レーザー光を照射するレーザーが、10ピコ秒から10フェムト秒の範囲にある超短パルスを発振するレーザーであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のレーザーマーキングホログラム。
【請求項5】
前記レーザー光を照射するレーザーが、紫外線領域のレーザーであることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載のレーザーマーキングホログラム。
【請求項6】
前記レーザー光が前記ホログラム記録層以外の層に集光することによって照射部が改質されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載のレーザーマーキングホログラム。
【請求項7】
前記ホログラム記録層が体積ホログラム記録層からなることを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載のレーザーマーキングホログラム。
【請求項8】
前記ホログラム記録層以外の層が、レーザー光照射により改質あるいは改質を促進する無機材料及び/又は有機材料を含有するプラスチック材料からなることを特徴とする請求項1から7の何れか1項記載のレーザーマーキングホログラム。
【請求項9】
積層構造からなりその中のホログラム記録層に干渉縞が記録されているホログラムのホログラム記録層以外の層にレーザー光を照射して改質することにより情報が記録された請求項1から8の何れか1項記載のレーザーマーキングホログラムを備えたカードにおいて、個別の情報がレーザー光を照射して前記ホログラム記録層以外の層に記録されていることを特徴とするレーザーマーキングホログラム付きカード。
【請求項10】
少なくとも、保護層、ホログラム記録層、ヒートシール層又は粘着層が積層され、前記ホログラム記録層に干渉縞が記録されているホログラムにレーザー光を照射して前記ホログラム記録層以外の層を改質することにより情報が記録されいることを特徴とするホログラム転写箔。
【請求項11】
媒体に請求項10記載のホログラム転写箔が転写されていることを特徴とするレーザーマーキングホログラム転写体。
【請求項12】
媒体がカード形態であり、前記ホログラム記録層に特定の光を回折、透過させる機能を有するホログラムとして干渉縞が記録されており、個別の情報がレーザー光を照射して前記ホログラム記録層以外の層に記録されていることを特徴とする請求項11記載のレーザーマーキングホログラム転写体。
【請求項13】
積層構造からなりその中のホログラム記録層に干渉縞が記録されているホログラムのホログラム記録層以外の層にレーザー光を照射して改質することにより情報が記録された請求項1から8の何れか1項記載のレーザーマーキングホログラムを備えたレーザーマーキングホログラム転写体において、個別の情報がレーザー光を照射して前記ホログラム記録層以外の層に記録されていることを特徴とするレーザーマーキングホログラム転写体。
【請求項14】
コントラストを持つ文字、数字、絵柄、バイオメトリックス情報等が記録されたホログラムを得るレーザーマーキング方法において、積層構造からなりその中のホログラム記録層に干渉縞が記録されているホログラムのホログラム記録層以外の層の選択領域にレーザー光を照射することにより、前記ホログラム記録層以外の層の選択領域を炭化、溶融又はアブレーションさせることを特徴とするホログラムレーザーマーキング方法。
【請求項15】
前記ホログラム以外の層が、レーザー光照射により改質あるいは改質を促進する無機材料及び/又は有機材料を含有するプラスチック材料からなることを特徴とする請求項14記載のホログラムレーザーマーキング方法。
【請求項16】
前記レーザー光が、10ピコ秒から10フェムト秒の範囲にある超短パルスのレーザー光であることを特徴とする請求項14又は15記載のホログラムレーザーマーキング方法。
【請求項17】
前記レーザー光が、紫外線領域のレーザー光であることを特徴とする請求項14から16の何れか1項記載のホログラムレーザーマーキング方法。
【請求項18】
前記レーザー光を前記ホログラム以外の層に集光することによって照射部を改質することを特徴とする請求項14から17の何れか1項記載のホログラムレーザーマーキング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−304377(P2007−304377A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−133498(P2006−133498)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】