説明

レーザ加工機のノズル自動交換装置

【課題】ノズルを多数個保持可能で、ノズル交換が高速にでき、かつノズルの交換時でもワークの搬入搬出ができるレーザ加工機のノズル自動交換装置を提供することである。
【解決手段】レーザ加工ヘッドのノズル装着部にノズル31を着脱交換可能に設けたレーザ加工機において、複数個のノズルを収納したノズルストッカ27を設けると共に、該ノズルストッカの下方に使用済みノズルを収容するノズルトレイ143を設け、前記ノズルストッカからノズルを取出して前記レーザ加工ヘッドのノズル装着部に装着し、または前記レーザ加工ヘッドのノズル装着部から使用済みノズルを受取って前記ノズルトレイへ排出するノズル自動交換装置23を前記ノズルストッカに隣接する位置に設けてなることを特徴とするレーザ加工機のノズル自動交換装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザ加工機のノズル自動交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工機のレーザ加工ヘッドには、レーザ光を集光して被加工材へ照射する集光用光学系を備えると共に、集光されたレーザ光と共にアシストガスを同軸に噴射するためのノズルが前記レーザ加工ヘッドの先端部に装着してある。
【0003】
上述のノズルは、被加工材の材質および板厚や加工方法などの違いにより、数十種類のノズルが用意されており、その中から加工に適したノズルを選択して使用している。
【0004】
加工に適した最適なノズルを選択することによりレーザ加工機の性能を最大限に発揮させることができる。例えば、より早い切断速度での加工を可能とするとか、切断面の品質を向上させるなどである。また、レーザによる切断または溶接といった加工目的によっても、さらには、ピアッシングと通常切断といった用途別によってもノズルの種類は多岐にわたる。
【0005】
一方、加工時における被加工材とノズルとの距離はわずか数ミリ程度であるため、ノズルは、切断(溶接)加工状態の不良時はもとより、良好な加工状態持続している場合においても、ノズル先端部には加工部から飛散する溶融金属(スパッタ)や粉塵が付着したり削られたりと損耗または消耗の激しい部品である。
【0006】
このため、ノズルはかなり高い頻度での交換が必要であり、ノズルの交換を自動で行う自動交換装置を備えたレーザ加工機もある。
【0007】
また、X軸方向にワークを移動位置決め自在なテーブルと、Y軸方向に移動位置決め自在なレーザ加工ヘッドを備えたレーザ加工機においては、前記テーブルの一端部に、ねじ込み式のノズルを保持した複数のノズル保持部を回転自在に設けると共に、このノズル保持部を円形軌道上を公転自在に設けたノズル交換部を設け、このノズル交換部のノズル保持部に保持されたノズル上方位置へレーザ加工ヘッドを移動位置決めし、X、Y、Z軸の位置決め機能を利用して、レーザ加工ヘッドに所望のノズルを着脱交換する技術がある(例えば、特許文献1)。
【0008】
また、3軸光軸移動形レーザ加工装置においては、レーザ加工装置の6軸制御機能(X、Y、Z、A、C、W)を利用して、切断用ノズルチップと溶接用ノズルチップとを交換する技術がある(例えば、特許文献2)。
【0009】
また、レーザ加工中のノズル先端とワークとの間の間隙を一定に制御する静電容量センサーを備えたレーザ加工機においては、静電容量センサーが温度や湿度により特性が変化して検出誤差が生ずるため、作業開始に先立ち、レーザ加工ヘッド先端に取り付けられたセンサー部を原点位置より離れて設けたキャリブレーション電極まで移動させてキャリブレーションを行っている(例えば、特許文献3)。
【特許文献1】特開平6−23580号公報
【特許文献2】特開平10−43879号公報
【特許文献3】特許第2773910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の特許文献1におけるノズルの着脱交換技術では、(1)ノズル交換装置に保持できるノズルの個数が少ない(実施例では3個)。(2)ノズル交換速度が質量の大きな移動速度の遅いレーザ加工機の位置決め機構に依存すると共にノズルの装着方法がねじ込み式であるため、ノズルの交換速度を早くすることができない。(3)ノズルの着脱にレーザ加工機の位置決め機構を動かして行うため、ノズルの着脱時においては作業者はワークテーブル上へのワークの搬入またはワークテーブル上からの搬出を安全に行うことができないなどの問題がある。
【0011】
また、特許文献2におけるノズルの着脱交換技術においても、特許文献1と同様に(1)〜(3)の問題点を有しており、特に前記(1)におけるノズル交換装置に保持できるノズルの個数は切断用ノズルと溶接用ノズルの2個である。
【0012】
また、特許文献3におけるレーザ加工機では、レーザ加工ヘッドをキャリブレーション電極まで移動させてキャリブレーションを行う必要がある。
【0013】
本発明は上述の如き問題を解決するためになされたものであり、本発明の課題は、交換用ノズルを多数個保持可能であり、またノズルの交換を高速に行うことが可能であり、かつノズルの交換時でもワークの搬入搬出ができるレーザ加工機のノズル自動交換装置を提供すると共に、レーザ加工ヘッド先端のノズルに静電容量センサーを設けたレーザ加工機においては、静電容量センサーのキャリブレーションがレーザ加工ヘッドを移動させることなく実施できるノズル自動交換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の課題を解決する手段として請求項1に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置は、レーザ加工ヘッドのノズル装着部にノズルを着脱交換可能に設けたレーザ加工機において、複数個のノズルを収納したノズルストッカを設けると共に、該ノズルストッカの下方に使用済みノズルを収容するノズルトレイを設け、前記ノズルストッカからノズルを取出して前記レーザ加工ヘッドのノズル装着部に装着し、または前記レーザ加工ヘッドのノズル装着部から使用済みノズルを受取って前記ノズルトレイへ排出するノズル自動交換装置を前記ノズルストッカに隣接する位置に設けてなることを要旨とするものである。
【0015】
請求項2に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置は、請求項1に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置において、前記ノズルストッカは、回転位置決め自在に設けたタレットに複数個のノズルマガジンを円周方向にほぼ等間隔にかつ着脱可能に設けると共に、該ノズルマガジンにノズル軸心を水平方向にかつノズル先端を外周方向にした姿勢で上下方向に複数個を重ねて装填保持するノズル保持部と、該ノズル保持部の直下に前記ノズルを取出可能に保持するノズル取出部とを設け、ノズルマガジン最下段のノズルを取出し後、前記ノズル保持部から前記ノズル取出部へ一個ずつ自重により落下させるノズル落下手段を設けてなることを要旨とするものである。
【0016】
請求項3に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置は、請求項2に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置において、前記ノズル自動交換装置は、前記レーザ加工ヘッドのZ軸方向の光軸と前記タレットの回転中心とを含む平面内において、前記ノズル取出部に保持された前記ノズルのノズル軸心と、前記レーザ加工ヘッドのZ軸方向の光軸との交点を回転中心として回動位置決め可能なノズル把持手段を備え、該ノズル把持手段を前記レーザ加工ヘッドのノズル装着部に対して接近離反可能に設けると共に、前記ノズル取出部に保持された前記ノズルおよび前記ノズルトレイに対して接近離反可能に設けてなることを要旨とするものである。
【0017】
請求項4に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置は、請求項2または請求項3に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置において、前記ノズルマガジンは前記ノズルの底部に摺動自在に係合するノズル支持ベースを設け、該ノズル支持ベースの上部に複数のノズルを保持可能な前記ノズル保持部を設けると共に、該ノズル保持部にのみ前記ノズルの外周に形成した環状の第1の係合溝に上下方向に摺動自在に係合する爪部を備えた一対のノズル保持兼案内用の支持腕を設け、前記ノズル支持ベースの下部に前記ノズル保持部に連続する前記ノズル取出部を設け、該ノズル取出部の下部にノズル落下を阻止する係止部材を設けると共に、前記ノズルの底部近傍の外周に設けた環状の第2の係合溝に係脱可能な一対のアームを備えたノズル挟持手段を設けてなることを要旨とするものである。
【0018】
請求項5に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置は、請求項2に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置において、前記ノズル落下手段は前記ノズル保持部に装填された最下段のノズルの落下を阻止する位置へ常時付勢された下部係止爪と、前記最下段のノズルのひとつ上に位置するノズルの内径部に係合可能な上部係止爪とを備えたレバー部材を前記ノズル支持ベースに回動可能に軸支して設けると共に、該レバー部材の回動支点より上部を押圧自在の押圧手段を設け、前記レバー部材を押圧して前記下部係止爪と最下段のノズルとの当接を解除して該最下段のノズルを前記ノズル取出部へ自重により落下させると同時に、前記上部係止爪を前記最下段のノズルのひとつ上に位置するノズルの内径部に係合させて該ひとつ上に位置するノズルの落下を阻止するように設けてなることを要旨とするものである。
【0019】
請求項6に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置は、請求項1、2、3、4または5に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置において、該ノズル自動交換装置が前記レーザ加工ヘッドに装着されたノズルに対して接近離反自在のノズルクリーナ装置とキャリブレーション電極とを設けてなることを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明のノズル自動交換装置は、レーザ加工ヘッドのZ軸方向の光軸とタレットの回転中心とを含む平面内において、ノズルマガジンのノズル取出部に保持されたノズルのノズル軸心と、レーザ加工ヘッドのZ軸方向の光軸との交点を回転中心として回動位置決め可能なノズル把持手段を備え、該ノズル把持手段をレーザ加工ヘッドのノズル装着部に対して接近離反可能に設けると共に、前記ノズル取出部に保持されたノズルおよび前記ノズルトレイに対して接近離反可能に設けたものであるため、レーザ加工機の加工ヘッド位置決め機構を動かすことなくノズルの交換を行うことができるので、作業者はワークテーブル上へのワークの搬入またはワークテーブル上からの搬出を安全に行うことができる。
【0021】
また、本発明のノズル自動交換装置では、ノズルの受け渡し位置が一点で行われるので、レーザ加工機のタイプに拘ることなく、例えば光軸固定式のレーザ加工機におけるノズル自動交換にも対応することが可能である。
【0022】
また、ノズルストッカにおけるタレットにノズルマガジンを着脱可能に設けたので、ノズルマガジンを取り外して手元で安全に、かつ視認しながら確実にノズルの装填ができて、ノズルの種類を間違えて装填する誤装填なども減少する。
【0023】
また、ノズルマガジンに装填されたノズルをノズル自動交換装置へ受け渡す位置への移動に自重による落下を利用しているので、ノズルマガジンの機構が簡単となりコストを低減することができる。
【0024】
さらに、ワーク表面との間の距離を静電容量式センサーで制御する場合に行うキャリブレーション時には、レーザ加工機の位置決め機構によるX、Y軸を使用してレーザ加工ヘッドをキャリブレーション用の電極の所へ移動させる必要がないので、キャリブレーションを行うまでの時間を短縮でき、かつまた、キャリブレーション中にワークの搬入搬出を安全に行うことができる利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面によって説明する。
【0026】
図1〜図3は本発明に係るレーザ加工機のノズル自動交換装置を備えたレーザ加工機の全体の概略説明図であり、ここにはレーザ加工機の一例として3軸光軸移動形のレーザ加工機が示してある。
【0027】
図1は、3軸光軸移動形のレーザ加工機全体の斜視図であり、図2は図1におけるA矢視図、図3は図2における平面図である。なお、説明の都合上、図1において右方を前側とし左方を後側、左右方向は前記定義の前側から見た呼称とする。
【0028】
図1〜図3を参照するに、総括的に示すレーザ加工機1の基台3の上部にはワークテーブル5が設けてある。また、基台3のY軸方向の両端部にはX軸方向に延伸する軌道7が設けてあり、この軌道7にガイドされるX軸移動体9が前記ワークテーブル5上方をX軸駆動手段(図示省略)により移動位置決め可能に設けてある。
【0029】
図2に良く示されているように、X軸移動体9にはレーザ加工ヘッド11を備えたY軸移動体13がY軸駆動手段(図示省略)によりY軸方向(X軸に直交する方向)へ移動位置決め可能に設けてある。
【0030】
前記レーザ加工ヘッド11には、レーザ光LBを前記ワークテーブル5上に載置したワーク(図示省略)に集光照射する、例えば、凸レンズの如き集光用光学系(図示省略)が設けてあり、レーザー発振器15からのレーザ光LBがこの集光用光学系までベンドミラーなどの複数の光学系(図示省略)を介して導かれている。
【0031】
なお、前記レーザー発振器15とX軸移動体9との間のX軸方向の光路には光路ダクトとしての伸縮可能な蛇腹17が設けてある。また、この蛇腹17はX軸移動体9がX軸方向に前進または後退しても、ガイドワイヤ(図示省略)の如き支持体により常にほぼ水平に保持されるようになっている。なお、Y軸方向の光路にも光路ダクトとしての蛇腹が設けてあるが本発明の要旨には関係ないので図示省略してある。
【0032】
図1〜図3は前記レーザ加工ヘッド11がワークテーブル5上の加工領域から若干後方でX、Y座標における原点(0,0)21近傍の位置に戻った状態を示したものであり、図3に良く示されているように、ノズル自動交換装置23が前記レーザ加工機1の基台3上に設けてある。
【0033】
図4〜図8に示す如く、前記ノズル自動交換装置23は、複数個のノズルを収納するノズルストッカ27を備えている。ノズルストッカ27は、複数個(実施例では3個)のノズル31を装填したノズルマガジン33を8個のステーションに着脱可能に装着した中空円筒状のタレット35を有している。
【0034】
中空円筒状のタレット35は、タレット35の中心に立設した回転軸37の上端部に設けたタレット支持体39に一体的に固定してある。また、回転軸37とタレット支持体39並びにタレット支持体39とタレット35とは共にボルトなどの締結部材(図示省略)により連結固定してある。なお、タレット支持体39とタレット35とは一体的に形成しても構わない。
【0035】
上述の回転軸37は、前記中空円筒状のタレット35の中空部の上方まで延伸してあって、その上部はタレット支持台41にボルトなどの複数の締結部材42により固定した軸受けハウジング43にベアリング45を介して回転自在に軸支してある。
【0036】
前記回転軸37の下端部は、前記タレット支持台41に設けたベアリング47を介して回転自在に軸支してあり、前記タレット支持台41の左右には、前記レーザ加工機1の基台3から立設した左右一対の脚部49(L、R)が一体的に連結してある。
【0037】
また、前記回転軸37の下部には、ウォームホイール51が設けてあり、このウォームホイール51には、図示しないNC装置により制御されるタレット回転駆動用のサーボモータ53に駆動される駆動軸55に設けたウォームギヤ57に螺合してある。
【0038】
上記構成において、タレット35のサーボモータ53を前記NC装置により適宜に制御すれば、所望のノズル31を装填したノズルマガジン33を前記ノズル自動交換装置23に対する受け渡し位置に回転割り出しすることができる。
【0039】
また、前記ノズルマガジン33には、最大3個のノズル31をノズル軸心を水平方向に、かつ、このノズル先端をタレットの外周方向にした姿勢で上下方向に重ねて装填保持できるノズル保持部59を備えると共に、このノズル保持部59の直下には、前記ノズル31の中から最下段のノズルを取出可能に保持するノズル取出部61が設けてある。
【0040】
また、前記ノズル保持部59から最下段のノズル31を一個だけ前記ノズル取出部61へ送り出すため、後述するノズル落下手段が設けてある。
【0041】
なお、前記ノズルマガジン33には、ノズル保持部59とノズル取出部61の全てにノズル31を装着すれば、最大4個の同一種類のノズルが装着することが可能であり、8個のノズルマガジン33にそれぞれ種類が異なるノズル31を装填すれば、ノズルストッカ27には最大で8種類、全32個のノズル31を収容することができる。
【0042】
以下、前記ノズルマガジン33について図16〜図19、図23、図24を参照しながら説明する。
【0043】
ノズルマガジン33には、前記ノズル31の底部に摺動自在に係合するノズル支持ベース65備え、図16に示す如く、このノズル支持ベース65の左右には、ノズル31の先端側の外周に形成した環状の第1の係合溝67に摺動自在に係合する爪部69aを備えた一対のノズル保持兼案内用の支持腕69が前記ノズル保持部59にのみ設けてある。
【0044】
なお、支持腕69はノズル支持ベース65にボルトなどの締結部材71により取り付けてある。
【0045】
上述のノズル保持部59のほぼ中央に位置する前記ノズル支持ベース65には、ノズル支持ベース65の長手方向(図16では上下方向)の中心を上下に延伸する長方形の切欠き穴73が形成してあり、かつこの長方形の切欠き穴73の長手方向のほぼ中心より若干上方の位置には、長方形の切欠き穴73の横幅より大きい直径を有する円形の貫通穴74が形成してある。
【0046】
この切欠き穴73には、ノズル落下手段として作動するレバー部材75が前記ノズル支持ベース65に設けた回動軸77に回動可能に軸支してある。このレバー部材75の下部には、前記ノズル保持部59に装填された最下段のノズル31の下側に当接可能な下部係止爪75sが設けてあり、上部には前記最下段のノズル31のひとつ上に位置するノズル31の内径部に係合可能な上部係止爪75uが設けてある。
【0047】
また、切欠き穴73の背後には(図16では紙面の裏側、図19においては左側)レバー支持体79がノズル支持ベース65にボルトの如き締結手段(図示省略)により取り付けてある。
【0048】
上述のレバー支持体79と前記下部係止爪75sとの間には、下部係止爪75sを前記回動軸77を軸にして反時計回り方向(図19において)へ常時押圧付勢する圧縮スプリング81の如き付勢部材が弾装してあり、一方、前記上部係止爪75uの背面には、前記レバー支持体79の上部が当接して上部係止爪75uが反時計回り方向へ回動するのを阻止している(初期状態とする)。
【0049】
上述の初期状態において、下部係止爪75sは最下段のノズル31の下面に当接する位置にあり、上部係止爪75uは、中段のノズル31の内径部に非係合な位置に後退した位置に在るように設けてある。
【0050】
再度、図4、図6を参照するに、前記中空円筒状のタレット35内に延伸した軸受けハウジング43には、空圧または油圧などの流体圧で作動する流体圧シリンダ83がほぼ水平方向に設けてある。
【0051】
この流体圧シリンダ83は、この流体圧シリンダ83を作動させたとき、ピストンロッド85の先端が、ノズル自動交換装置23に対する受け渡し位置に回転割り出しされたノズルマガジン33の前記レバー部材75の押圧部87を押圧自在な位置に在るように設けてある。
【0052】
なお、押圧部87は、前記回転軸77より若干上方位置において前記レバー支持体79を貫通する穴88から後部外方へ突出する態様に設けてある。
【0053】
図16、図19に示す如く、前記ズル保持部59直下のノズル取出部61には、ノズル31の軸方向の底部に当接して、ノズル31を保持する係止部材としてのストッパーピン89が前記支持腕69に水平に取り付けてある。
【0054】
また、図16、図18及び図19に示す如く、前記ノズル取出部61には、ノズル31の底部近傍の外周に設けた環状の第2の係合溝91に係脱可能な一対のアーム93(L、R)が前記ノズル支持ベース65にノズル挟持手段として設けてある。
【0055】
より詳細には、前記一対のアーム93(L、R)のそれぞれには、前記第2の係合溝91に係合可能な係合凸部94を備えており、この係合凸部94が前記ノズル取出部61に保持されるノズル31(仮想線で示してある)の第2の係合溝91に係合または離脱可能なように、前記ノズル支持ベース65の左右両側から内側に向かって水平に切り込んだ切欠き溝95に設けた軸97に、矢印99の方向に回動可能に設けてある。
【0056】
図18に明らかのように、上記一対のアーム93(L、R)を軸支する軸97の下方に延びるアーム93(L、R)の端部間には、アーム93(L、R)の先端部を互いに接近する方向に、すなわち閉まる方向に常時付勢するスプリング101が弾装してある。
【0057】
さらに、前記ノズルマガジン33におけるノズル支持ベース65の下部には、前記中空円筒状のタレット35の外周下部に設けたノズルマガジン取付用の係合爪105に係合する凹部107が設けてあり、ノズル支持ベース65の上部には、前記タレット35の外周上部に上方に開口する切欠き部上面に設けた係合爪109に係合する係合爪111が昇降可能に設けてある。
【0058】
なお、係合爪111は、ノズル支持ベース65上部に設けたガイド穴113に上下方向に摺動可能に嵌合してあり、このガイド穴113と係合爪111との間には、係合爪111を上方に付勢するスプリング115が弾装してある。
【0059】
上記構成において、作業者がノズルマガジン33の凹部107をタレット35の係合爪105に係合させると共に、ノズルマガジン33の上部をタレット側に押圧することにより、係合爪111がスプリング115の付勢力に抗して押し下げられて、ノズルマガジン33の係合爪111とタレット35側の係合爪109とが係合し、ノズルマガジン33をタレット35に装着することができる。
【0060】
なお、ノズルマガジン33をタレット35から外す場合には、ノズルマガジン33側の係合爪111の上部111aを押し下げて、ノズルマガジン33の上部をタレットの外周方向へ倒すことにより容易に取り外すことができる。
【0061】
上記構成において、前記ノズルストッカ27から必要なノズル31を取り出すには、始めに、図示しないNC装置によりタレット回転駆動用のサーボモータ53を駆動して、必要なノズル31を装着したノズルマガジン33をノズル自動交換装置23に対する受け渡し位置に割り出した後、前記流体圧シリンダ83を作動させて、ピストンロッド85の先端でレバー部材75の押圧部87を押圧する(図19参照)。
【0062】
レバー部材75が押圧されると、レバー部材75が時計回り方向に回動し、当初、中段のノズル31の内径部と非係合な位置に在った上部係止爪75uが中段のノズル31の内径部に進入し、次いで、当初は最下段のノズル31の下面に当接する位置に在った下部係止爪75sが非係合な位置に移動するため、最下段のノズル31が第1の係合溝67に摺動自在に係合するノズルマガジン33の爪部69aに案内されながら自重でノズル取出部61に設けたストッパーピン89に当接する位置まで落下すると共に、中段のノズル31は上部係止爪75uに係合する位置まで落下する(図20、図21参照)。
【0063】
なお、上述のノズル取出部61においては、ノズル31の第1の係合溝67とノズルマガジン33の爪部69との係合は非係合となるが、ノズル31の第2の係合溝91にノズルマガジン33のアーム93(L、R)が係合してノズル31がノズルマガジン33に保持される。
【0064】
次いで、前記流体圧シリンダ83を作動させて、ピストンロッド85を後退させると、下部係止爪75sが中段に在ったノズル31の外周に係合する位置へ移動すると同時に、上部係止爪75uが中段に在ったノズル31の内径部に係合した位置から非係合位置へ後退するので、中段に在ったノズル31が下部係止爪75sに係合する位置まで落下すると同時に、最上段に在ったノズル31が中段に在ったノズル31の上部に当接する位置まで落下する(図22参照)。
【0065】
以下に前記ノズル自動交換装置23について、図4〜図10を参照しながら説明する。
【0066】
前記タレット支持台41の脚部49(L、R)の上部には、X軸方向(図4〜図7において右方)へ延伸する一対の板状のブラケット117(a,b)がY軸方向に一定の間隔を空けてボルト119により取り付けてある。
【0067】
一方のブラケット117aにおけるブラケット117bに対向する側には、回転体121aがベアリング123を介して回転自在に設けてあり、もう一方のブラケット117bにおけるブラケット117aに対向する側には、前記回転体121aの回転中心122と同軸に回転する回転体121bがブラケット117bに一体的に固定したスペーサー120にベアリング125を介して回転自在に設けてある。
【0068】
また、前記ブラケット117aには、前記NC装置により制御されるサーボモータ124がモータブラケット126を介して取り付けてあり、このサーボモータ124の出力軸が前記回転体121aに連結してある。
【0069】
上述の回転体121aと回転体121bには、前記回転中心122に直交する方向のガイドウェイを有する直線ガイド部材127(a,b)がボルト等の固定部材により一体的に取り付けてある。前記直線ガイド部材127(a,b)における前記ガイドウェイの構成は、実施の形態では、互いに対向した凹部128(a,b)として構成してある。
【0070】
前記直線ガイド部材127(a,b)のガイドウェイには、このガイドウェイに摺動可能に係合して、直線的にガイドされる直線移動体129が設けてあり、この直線移動体129には、前記ノズル31の先端部を把持自在のノズル把持手段131が設けてある。なお、実施の形態では、前記ノズル把持手段131として、空圧でチャックの開閉動作を行う公知の三つ爪チャックを使用しており、その詳細な構成の説明は省略するが、この三つ爪130の先端部には、前記ノズル31の前部に設けた傘状の係合部132に嵌合する嵌合部134が設けてある。
【0071】
前記直線移動体129には、この直線移動体129を前記直線ガイド部材127(a,b)のガイドウェイに沿って移動させる駆動手段としての空圧シリンダ133が設けてある。
【0072】
より詳細には、図4、図9に示す如く、前記直線移動体129の左右両側(図4では上下側、図9において左右側)に、2本の空圧シリンダ133を並列に設け、これらの空圧シリンダ133のピストンロッド135の先端を固定支持するピストンロッド支持部137(a,b)が前記直線ガイド部材127(a,b)の下端部(図9では下側)に設けてある。
【0073】
図5、図6に示す如く、前記直線移動体129において、前記ノズル把持手段131を中心として、時計回り方向にθ(90度)の位置には、本願出願人が現在出願中の発明であるノズルクリーニング装置139が設けてある。このノズルクリーニング装置139は、上面に植毛された円盤状のブラシユニットを自転させる機構と、レーザ加工ヘッド11に装着されたノズル31の中心軸の回りを公転させる公転機構とを備えたことを特徴とするものである。
【0074】
また、図6、図7に示す如くこのノズルクリーニング装置139には、前記レーザ加工ヘッド11に装着されたノズル31の先端と、ワーク(図示省略)表面との間の距離を静電容量式センサーで制御する場合に、レーザ加工に先立ち検出誤差のキャリブレーションを行うときに使用するキャリブレーション電極141が設けてある。
【0075】
前記タレット支持台41の下側には、使用済みノズルを収容するノズルトレイ143が設けてある。また、タレット支持台41のノズル自動交換装置23側には、ノズル自動交換装置23の回転中心122に向かって開口し、ノズル自動交換装置23側からノズルトレイ143側へ傾斜下降して、ノズルトレイ143内に連通するノズル排出口145が設けてある。
【0076】
ノズルトレイ143の後方(図6において左側)には、ノズルトレイ143内のノズルを作業者が取り出すための取出口147が設けてある。
【0077】
上記構成において、前記NC装置により制御されるサーボモータ124を適宜に回転駆動することにより、回転体121(a、b)を介してノズル把持手段131を回転中心122を軸として所望する位置に回転位置決めすることができる。
【0078】
例えば、ノズル把持手段131を図6に示す位置から、ノズル31の受け渡し位置に割り出されたノズルマガジン33のノズル取出部61にあるノズル31の前方へ回転(反時計回りにθ度)したり、ノズル排出口145の前方へ回転(反時計回りに(θ+θ)度)させることができる。
【0079】
さらに、空圧シリンダ133を作動させることにより、ノズル把持手段131を図9の位置から、図10の位置に上昇またはその逆に下降させることができる。
【0080】
また、前記NC装置の制御の下に、前記空圧作動の三つ爪チャックの開閉動作を行わせることにより、前記ノズル把持手段131でノズル31の把持または開放を自動で行うことができる。
【0081】
上記構成のノズル自動交換装置23のノズル交換動作について、図11から図15を参照しながら説明する。
【0082】
(1)所望のノズル31を装填したノズルマガジン33をノズル自動交換装置23に受け渡すために、タレット35を回転させてそのノズルマガジン33を受け渡し位置に回転割り出しする(図11参照)。
【0083】
(2)レーザ加工ヘッド11に保持されているノズル31の先端部をノズル把持手段131で把持すると共に、下方へ移動させてノズル31をレーザ加工ヘッド11から抜き取り、次いで、ノズル把持手段131を反時計回り方向へθ+θ度回転し、ノズル把持手段131の先端をノズル排出口145側へ伸ばし、そのノズル把持を開放して、ノズル排出口145からノズルトレイ143に排出する(図11参照)。
【0084】
(3)ノズル把持手段131をノズル把持手段131の回転中心122側へ退縮させると同時に、時計回り方向へθ度回転して、ノズル把持手段131を前記工程(1)で位置決めしたノズルマガジン33のノズル取出部61に在るノズルに対面する位置に移動させた後、ノズル把持手段131を前進させて、ノズルマガジン33からノズル31を把持して再び回転中心122側へ退縮することで、水平方向に抜き取る(図12、図13参照)。
【0085】
(4)前記工程(3)の状態を維持したまま、ノズル把持手段131を時計回り方向へθ(90度)回転して、ノズル把持手段131をレーザ加工ヘッド11の直下に位置決めする(図14参照)。
【0086】
(5)ノズル把持手段131をレーザ加工ヘッド11に対して延ばし、所望のノズル31をレーザ加工ヘッド11に挿入して装着する(図15参照)。装着後はノズル把持手段131をレーザ加工ヘッド11の直下に下降させた状態で次ぎの交換を待機する待機状態となる。ここで、θ=90度が最も普遍的で機構的にも望ましい。θについては、特に限定しないが、0<θ≦90°である。
【0087】
なお、レーザ加工ヘッド11のノズル装着部にノズル31を着脱する機構としては、概要を図25に示す如き、本願出願人の出願中の発明に開示するようなノズル着脱機構201を用いる。以下にノズル着脱機構201の概要を説明する。
【0088】
レーザ加工ヘッド11の下端部の内部は漏斗状になっており、その下端部には、前記ノズル31の内径部に摺動可能に嵌合する円筒状のノズル装着部203が形成してある。
【0089】
このノズル装着部203の外周には、ノズル装着部203に装着された前記ノズル31の第2の係合溝91に係脱可能な複数の球体205を前記ノズル31の軸心に直交する方向へ若干量移動可能に保持した内側シリンダ207を設け、この内側シリンダ207の外側に前記内側シリンダー207と同軸に外側シリンダ209を設け、この外側シリンダ209と前記の内側シリンダ207とで環状のシリンダ211を形成し、この環状のシリンダ211内を上下方向に移動可能な環状ピストン213を設け、この環状ピストン213に環状のシリンダ211から下方に突出した環状のピストンロッド215を設け、この環状のピストンロッド215の内径部が前記球体205の外側に係合押圧または非押圧となる係合部217を形成し、前記環状ピストン213を常時下方へ押圧付勢するスプリング219を設けると共に、前記環状ピストン213の下側の圧力室221に空圧を供給することにより、前記環状ピストン213を前記スプリング219の付勢力に抗して上昇可能に設けてなるものである。
【0090】
上記構成において、前記ノズル31をノズル装着部203に挿入すると、ノズル31の第2の係合溝91に複数の球体205が環状のピストンロッド215の内径部の係合部217により軸心方向へ押圧されて、球体205がノズル31の第2の係合溝91に係合して、ノズル31がレーザ加工ヘッド11に確実に保持される。
【0091】
また、空圧を圧力室221に付与すれば、環状ピストン213が上昇して、球体205の外径方向の移動が可能になるため、ノズル31の第2の係合溝91と球体205との係合が解除され、ノズル31をレーザ加工ヘッド11から下方へ抜き取ることが可能となる。しかしながら、このノズル着脱機構201に限定されるものではない。
【0092】
また、前記ノズルクリーニング装置139を使用する場合には、図13に示すように、ノズルクリーニング装置139をレーザ加工ヘッド11の直下に回転させ、レーザ加工ヘッド11の方をノズルクリーニング装置139のブラシユニットに接触する位置まで下降させて実施する。
【0093】
また、ワーク表面との間の距離を静電容量式センサーで制御する場合に行うキャリブレーション時には、図12に示す如く、前記ノズル把持手段131を反時計回りにθ(90度)回転させると共に、ノズル把持手段131を左方向に前進させて電極141がレーザ加工ヘッド11の直下に位置するようにして、レーザ加工ヘッド11に設けた静電容量センサ(図示省略)を電極141に対するZ軸方向の複数位置に位置決めして静電容量センサの特性を求めることにより、ギャップ検出誤差の補正を容易にかつ迅速に行うことができる。
【0094】
このため、レーザ加工機の位置決め機構によるX、Y軸を使用してレーザ加工ヘッドを電極141の所へ移動させる必要がないのでキャリブレーションを行うまでの時間を短縮でき、かつまた、キャリブレーション中にワークの搬入搬出を安全に行うことができる利点もある。
【0095】
なお、本実施の形態でのノズル自動交換装置の例ではノズルストッカとして、円筒状のタレットを用いて説明したが、ノズルストッカが必ずしもタレットである必要はなく、装着個数は少なくなるがノズルマガジン単体でも構わない。
【0096】
また、本実施の形態でのレーザ加工機は光軸移動形式の例で説明しているが、ノズルの受け渡し位置が一点で行われるので、光軸固定式のレーザ加工機にも対応することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明に係るノズル自動交換装置を備えたレーザ加工機全体の概略説明図。
【図2】図1におけるA矢視図。
【図3】図2の平面図。
【図4】図3におけるノズル自動交換装置23部分の拡大説明図。
【図5】図4におけるB矢視図。
【図6】図4におけるC−C断面図(一部破断)。
【図7】図6におけるD−D断面図(一部破断)。
【図8】図5におけるE−E断面図(一部破断)。
【図9】図7におけるF−F断面図(一部破断)で、ノズル把持手段131が下降した状態を示す図。
【図10】図7におけるF−F断面図(一部破断)で、ノズル把持手段131が上昇した状態を示す図。
【図11】ノズル自動交換装置23のノズル交換動作の説明図で、ノズル把持手段131がレーザ加工ヘッド11からノズル31を受け取り、反時計回り方向へθ+θ度回転して、ノズルをノズルトレイ143に排出した状態。
【図12】ノズル把持手段131を退縮させて時計回り方向へθ度回転させて、ノズル把持手段131を延ばしてノズルマガジン33のノズルを把持した状態。
【図13】ノズルマガジン33からノズルを受け取って、ノズル把持手段131を退縮させた状態。
【図14】ノズルを把持したノズル把持手段131を時計回り方向へθ(90度)回転して、レーザ加工ヘッド11の直下に位置決めした状態。
【図15】ノズル把持手段131をレーザ加工ヘッド11に対して延ばし、ノズル31をレーザ加工ヘッド11に挿入装着した状態。
【図16】ノズルマガジン33の正面図。
【図17】図16の平面図(上面図)。
【図18】図16の下面図。
【図19】ノズルマガジン33にノズル31を3個装着した図。
【図20】ノズルストッカ27に装着されたノズルマガジン33のレバー部材75の上部が流体圧シリンダ(図示省略)のピストンロッドにより押圧された状態。
【図21】ノズルマガジン33のノズル保持部59に装填されていた最下段のノズルの31aが自重でノズル取出部61へ落下した状態。
【図22】ノズルマガジン33のノズル保持部59に装填されていた上方の2個のノズルがレバー部材75の下部係止爪75sに係合する位置まで落下した状態。
【図23】図19における平面図(上面図)。
【図24】図19における下面図。
【図25】レーザ加工ヘッド11のノズル装着部にノズル31を着脱する機構の一例の説明図。
【符号の説明】
【0098】
1 レーザ加工機
3 基台
5 ワークテーブル
7 軌道
9 X軸移動体
11 レーザ加工ヘッド
13 Y軸移動体
15 レーザー発振器
17 蛇腹
21 原点
23 ノズル自動交換装置
27 ノズルストッカ
31 ノズル
33 ノズルマガジン
35 タレット
37 回転軸
39 タレット支持体
41 タレット支持台
43 軸受けハウジング
45、47 ベアリング
49 脚部
51 ウォームホイール
53 サーボモータ
55 駆動軸
57 ウォームギヤ
59 ノズル保持部
61 ノズル取出部
65 ノズル支持ベース
67 第1の係合溝
69 支持腕
71 締結部材
73 切欠き穴
75 レバー部材
75s 下部係止爪
75u 上部係止爪
77 回動軸
79 レバー支持体
81 圧縮スプリング
83 流体圧シリンダ
85 ピストンロッド
87 押圧部
88 穴
89 ストッパーピン
91 第2の係合溝
93(L、R) アーム
94 係合凸部
95 切欠き溝
97 軸
99 矢印
101 スプリング
105、109、111 係合爪
107 凹部
113 ガイド穴
115 スプリング
117 ブラケット
119 ボルト
120 スペーサー
121(a、b) 回転体
122 回転中心
124 サーボモータ
126 モータブラケット
123、125 ベアリング
127(a,b) 直線ガイド部材
129 直線移動体
130 三つ爪
131 ノズル把持手段
132 係合部
133 空圧シリンダ
134 嵌合部
135 ピストンロッド
137(a,b) ピストンロッド支持部
139 ノズルクリーニング装置
141 電極
143 ノズルトレイ
145 ノズル排出口
147 取出口
201 ノズル着脱機構
203 ノズル装着部
205 球体
207 内側シリンダ
209 外側シリンダ
211 環状のシリンダ
213 環状ピストン
215 環状のピストンロッド
217 係合部
219 スプリング
221 圧力室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ加工ヘッドのノズル装着部にノズルを着脱交換可能に設けたレーザ加工機において、複数個のノズルを収納したノズルストッカを設けると共に、該ノズルストッカの下方に使用済みノズルを収容するノズルトレイを設け、前記ノズルストッカからノズルを取出して前記レーザ加工ヘッドのノズル装着部に装着し、または前記レーザ加工ヘッドのノズル装着部から使用済みノズルを受取って前記ノズルトレイへ排出するノズル自動交換装置を前記ノズルストッカに隣接する位置に設けてなることを特徴とするレーザ加工機のノズル自動交換装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置において、前記ノズルストッカは、回転位置決め自在に設けたタレットに複数個のノズルマガジンを円周方向にほぼ等間隔にかつ着脱可能に設けると共に、該ノズルマガジンにノズル軸心を水平方向にかつノズル先端を外周方向にした姿勢で上下方向に複数個を重ねて装填保持するノズル保持部と、該ノズル保持部の直下に前記ノズルを取出可能に保持するノズル取出部とを設け、ノズルマガジン最下段のノズルを取出し後、前記ノズル保持部から前記ノズル取出部へ一個ずつ自重により落下させるノズル落下手段を設けてなることを特徴とするレーザ加工機のノズル自動交換装置。
【請求項3】
請求項2に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置において、前記ノズル自動交換装置は、レーザ加工ヘッドのZ軸方向の光軸と前記タレットの回転中心とを含む平面内において、前記ノズル取出部に保持された前記ノズルのノズル軸心と、前記レーザ加工ヘッドのZ軸方向の光軸との交点を回転中心として回動位置決め可能なノズル把持手段を備え、該ノズル把持手段を前記レーザ加工ヘッドのノズル装着部に対して接近離反可能に設けると共に、前記ノズル取出部に保持された前記ノズルおよび前記ノズルトレイに対して接近離反可能に設けてなることを特徴とするレーザ加工機のノズル自動交換装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置において、前記ノズルマガジンは前記ノズルの底部に摺動自在に係合するノズル支持ベースを設け、該ノズル支持ベースの上部に複数のノズルを保持可能な前記ノズル保持部を設けると共に、該ノズル保持部にのみ前記ノズルの外周に形成した環状の第1の係合溝に上下方向に摺動自在に係合する爪部を備えた一対のノズル保持兼案内用の支持腕を設け、前記ノズル支持ベースの下部に前記ノズル保持部に連続する前記ノズル取出部を設け、該ノズル取出部の下部にノズル落下を阻止する係止部材を設けると共に、前記ノズルの底部近傍の外周に設けた環状の第2の係合溝に係脱可能な一対のアームを備えたノズル挟持手段を設けてなることを特徴とするレーザ加工機のノズル自動交換装置。
【請求項5】
請求項2に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置において、前記ノズル落下手段は前記ノズル保持部に装填された最下段のノズルの落下を阻止する位置へ常時付勢された下部係止爪と、前記最下段のノズルのひとつ上に位置するノズルの内径部に係合可能な上部係止爪とを備えたレバー部材を前記ノズル支持ベースに回動可能に軸支して設けると共に、該レバー部材の回動支点より上部を押圧自在の押圧手段を設け、前記レバー部材を押圧して前記下部係止爪と最下段のノズルとの当接を解除して該最下段のノズルを前記ノズル取出部へ自重により落下させると同時に、前記上部係止爪を前記最下段のノズルのひとつ上に位置するノズルの内径部に係合させて該ひとつ上に位置するノズルの落下を阻止するように設けてなることを特徴とするレーザ加工機のノズル自動交換装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5に記載のレーザ加工機のノズル自動交換装置において、該ノズル自動交換装置が前記レーザ加工ヘッドに装着されたノズルに対して接近離反自在のノズルクリーナ装置とキャリブレーション電極とを設けてなることを特徴とするレーザ加工機のノズル自動交換装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate