説明

レーダ表示装置

【課題】レーダ装置の画面上に空中線システム情報を表示することによって、レーダ画面と空中線システム情報を常に把握でき、送信時間等を利用者が確認できる。
【解決手段】空中線に関する全体のシステム情報を表示する空中線システム情報1と、空中線の稼働時間、形名、Informationを表示する空中線2、モーターの稼働時間、形名、Informationを表示するモーター3、1週間単位のグラフ表示をするボタン10、1ヵ月単位のグラフ表示するボタン11とで構成され、レーダ画面上の空中線システム情報ボタンを操作することで、空中線に関する情報の確認が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レーダ表示装置に係り、さらに詳しくは、レーダ受信信号から検出された目標をシンボル化して2次元あるいは3次元表示するレーダ表示装置において、より多くの情報を表示部に表示させる改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の装置では、レーダ信号処理により得られた目標をレーダ画面に画像表示する機能のみではなく、例えばレーダ画面上にあるメインメニューからシステム情報を開くことで、レーダ画面上において様々なシステム情報を確認することも可能である。ここでシステム情報とは、空中線の総稼働時間や、指示機および空中線などを制御するためのソフトウェアのバージョン情報などを含むものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】日本無線株式会社、「JMA−5200MK2商船版和文取扱説明書第2版」、p7−82〜85、p8−22
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに従来の装置では、レーダ画面上にあるメインメニューからテストメニューやシステム情報を開くことで、空中線総稼働時間を確認することは出来るが、その他にも、レーダ指示機や空中線のソフトウェアのバージョン情報や指示機総稼動時間なども表示するものであり、空中線システム情報だけを確認したい場合、情報を探す手間がかかるために必要な情報が分かりづらいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の空中線システム情報表示は、レーダ画面上の空中線に関するシステム情報ボタンを操作することで、空中線総稼動時間、モーター総稼動時間を表示する手段を有する。また、空中線総稼働時間は、1週間単位で全ての時間を日付単位で管理でき、稼働時間をグラフ表示できる機能を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、レーダ指示機を操作するために必要なメニューを開かずに空中線システム情報の確認が可能となるため、装置の交換時期などを常に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態における空中線システム表示のマグネトロン送信時間の画面表示図
【図2】同実施の形態におけるモーター稼働時間の画面表示図
【図3】同実施の形態におけるマグネトロン送信時間の1週間表示図
【図4】同実施の形態におけるモーター稼働時間の1週間表示図
【図5】同実施の形態における空中線システム表示の設定画面図
【図6】レーダ画面の表示例
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0008】
図面を参照して、発明を実施するための形態について説明する。一例として、本実施例では、空中線システム情報を利用者に示す場合について記載する。
【0009】
図1は、本発明の一実施例における空中線システム情報の表示画面であり、レーダ画面上の空中線システム情報ボタンを操作することでこの画面が表示される。最初に表示される情報は、空中線において最も重要であるマグネトロン送信時間情報を表示している。
【0010】
図1において、1は名称である空中線システム情報を表示している。2はマグネトロン送信時間情報を表示している時、マグネトロンという文字の色が変わる。3はモーター稼働時間情報を表示している時、モーターという文字の色が変わる。4は空中線通電時間である。レーダ指示機の電源を入れた時点からの時間を表示している。5はマグネトロンの合計送信時間である。6は1日のマグネトロン送信時間である。
【0011】
1日のマグネトロン送信時間の考え方として、送信開始の日時のみに着目し、送信停止が翌日になったとしても送信開始日に翌日分の時間を含む場合や、深夜0時で集計を翌日分に切り替える場合が考えられるが、ここでは例えば、4月1日23:30送信開始、4月2日0:10送信停止をした場合、4月1日に送信した時間として表示している。
【0012】
7は現在装備している空中線の総合形名である。8はマグネトロンの形名である。7、8において、空中線を装備した時点で自動的に形名が表示される。9はInformationである。現在までに送信した時間と送信することができる残り時間である。残り時間が100、50、10時間になると、例えば音声等によって警告する。
【0013】
また、この場合には、レーダ画面上の空中線システム情報ボタンの色が変わることによって警告することもできる。このように音声や色情報を用いれば、空中線システム情報を表示していない時も警告を発することができる。
【0014】
10は今日の空中線システム情報である。レーダ画面上で空中線システム情報ボタンを操作すると、始めの画面として表示される。11は1週間のマグネトロン送信時間をグラフ表示してするための操作ボタンである。12は空中線システム情報の設定ボタンである。
【0015】
図2において、21はモーター稼働時間情報を表示していることを明示するために、モーターという文字の色が変わる。22はモーターの合計稼働時間である。23は1日のモーター稼働時間である。前記マグネトロンの表示に関して記載したように、例えば、4月1日23:30送信開始、4月2日0:10送信停止をした場合、4月1日に送信した時間として表示することができる。
【0016】
24はモーターの形名であり、空中線を装備すると、モーター情報を該端末が受信し、形名を表示する。ここで、空中線、マグネトロン、及びモーターの形名を取得できるようにするための手段として、空中線機内にメモリを設置し、そのメモリに空中線総合形名、マグネトロン形名、モーター形名等を登録しておき、該空中線を装備した時に前記端末と空中線が通信をする方法が考えられる。
【0017】
25はInformationである。現在までに稼動した時間と稼動することができる残り時間である。残り時間が100、50、10時間になると、前記マグネトロンの表示に関して記載したように、音声やレーダ画面上の空中線システム情報ボタンの色が変わることで警告することができる。
【0018】
26は今日の空中線システム情報である。レーダ画面上で空中線システム情報ボタンを操作すると、マグネトロン送信時間情報が始めに表示されるため、モーター稼働時間情報は3を操作することで表示される。27は1週間のモーター稼働時間をグラフ表示する操作ボタンである。
【0019】
図3において、31はマグネトロン送信時間情報を表示していることを表すために領域内の色を変更している。32は現在までのマグネトロン送信時間をグラフで表示させる操作ボタンである。操作すると新たに情報画面が表示され、現在までのマグネトロン送信時間を1週間単位でグラフ表示する。
【0020】
33は該情報がマグネトロン情報であることを示す表示である。4月1日から4月2日まで送信した場合、2日までのグラフが表示され、3日以降は日付のみ表示される。この場合はグラフの右横にある時間は00:00となる。34は1日に送信した時間を表示するグラフである。1番始めに表示される情報は、例えばマグネトロンを装備した後に初めて送信した日付を表示させる。35は1日に送信した時間を数字で表示している。
【0021】
36は現在までに送信した時間の合計を表示している。37は装置によって固有の制限であるところの送信可能な残り時間を表示している。36、37において、37の残り時間が100、50、10時間になると例えば色が変わり、残り時間の警告をする。38はマグネトロン情報の前ページ、次ページ操作ボタンである。例えば、4月1日から4月7日の情報が表示されており、次ページを操作すると4月8日から4月14日の情報が表示される。また、この状態で前ページを操作すると4月1日から4月7日の情報が表示される。
【0022】
図4において、41はモーター稼働時間情報を表示していることを表すために領域内の色を変更している。42は現在までのモーター稼働時間をグラフで表示させる操作ボタンである。操作すると新たに情報画面が表示され、現在までのモーター稼働時間を1週間単位でグラフ表示する。
【0023】
43は該情報がモーター情報であることを示す表示である。4月1日から4月2日まで稼動した場合、2日までのグラフが表示され、3日以降は日付のみ表示される。この場合はグラフの右横にある時間は00:00となる。44は1日に稼動した時間をグラフ表示している。1番始めに表示される情報は、例えば、モーターを装備してから初めて稼動した日付である。45は1日に稼動した時間を数字で表示している。
【0024】
46は現在までに稼動した時間の合計である。47は残りの稼働時間を表示している。46、47において、47の残り時間が100、50、10時間になると、例えば色が変わるなどして残り時間の警告をする。48はモーター情報の前ページ、次ページ操作ボタンである。例えば、4月1日から4月7日の情報が表示されており、次ページを操作すると4月8日から4月14の情報が表示される。また、この状態で前ページを操作すると4月1日から4月7日の情報が表示される。
【0025】
図5において、51はシステム設定ボタンである。これを操作すると空中線システム情報のシステム設定画面を表示する。52はシステム設定である。53はマグネトロン交換表示の音声案内のON、OFF設定である。ONに設定すると、マグネトロン送信時間の残りが100、50、10時間になる時に音声等で警告する。OFFに設定すると、音声等の案内をしない設定となる。しかし、レーダ画面上の空中線システム設定ボタン、図3のマグネトロン送信時間情報の残り時間情報の部分の色による警告はOFFとならない。
【0026】
54はモーター交換表示の音声案内のON、OFF設定である。ONに設定すると、モーター稼働時間の残りが100、50、10時間になる時に音声等で警告する。OFFに設定すると、音声等の案内をしない設定となる。しかし、レーダ画面上の空中線システム設定ボタン、図4のモーター稼働時間情報の残り時間情報の部分の色による警告はOFFとならない。
【0027】
55、56はマグネトロン送信時間、モーター稼働時間のリセット設定である。この設定をすると今までの送信時間、稼働時間をリセットできる。
【0028】
本発明は、図6に示すように、レーダ表示画面上において、以上説明した種々の情報の表示をさせることであり、このことによってレーダ表示装置の利用者が常にシステム情報を把握できるようになるものである。つまり、レーダ表示装置61上に、レーダ表示画面62とシステム情報表示画面63を同時に表示させるのである。
【符号の説明】
【0029】
1…空中線システム情報、 2,31…マグネトロン、
3,21,41…モーター、 4…空中線通電時間、
5…送信時間、 6…1日の送信時間、
7…空中線、 8…マグネトロン、
9,25…Information、 10,26…今日、
11,27,32,42…1週間、 12,51…システム設定、
22…稼働時間、 23…1日の稼働時間、
24…モーター形名、 33…マグネトロン情報、
34…1日の送信時間グラフ、 35…1日の送信時間表示、
36…合計送信時間、 37…残りの送信時間、
38,48…前ページ,次ページ、 43…モーター情報、
44…1日の稼働時間グラフ, 45…1日の稼働時間表示、
46…合計稼働時間、 47…残りの稼働時間、
52…システム設定、 53…マグネトロン交換表示、
54…モーター交換表示、 55…マグネトロン送信時間のリセット、
56…モーター送信時間のリセット、
61…レーダ表示装置、 62…レーダ表示画面、
63…システム情報表示画面。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
空中線装置をもつレーダ表示装置において、レーダ画面と空中線システム情報を同時に表示し、該空中線システム情報は、前記レーダ表示装置に装備された空中線システム情報ボタンを操作することで、各種の情報を切り替え表示されることを特徴とするレーダ表示装置。
【請求項2】
前記空中線システム情報は、空中線通電時間とマグネトロン送信時間情報とモーター稼働時間情報であり、前記空中線システム情報ボタンを操作することで、これらを切り替え表示されることを特徴とする請求項1に記載のレーダ表示装置。
【請求項3】
前記空中線装置の機内に記憶装置を設置し、マグネトロン及びモーターの使用履歴を該記憶装置に記憶することによって、前記マグネトロン送信時間情報と前記モーター稼働時間情報をグラフ表示することを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか一項に記載のレーダ表示装置。
【請求項4】
前記空中線システム情報は、画面表示あるいは音声案内のいずれか一方の手段か、あるいは両方の手段を用いて利用者に知らせることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のレーダ表示装置。
【請求項5】
前記空中線装置の機内に記憶装置を設置し、該記憶装置に空中線総合形名やマグネトロン形名やモーター形名のいずれか一つ、あるいは複数の組み合わせを登録しておくことにより、前記空中線装置を装備した時にレーダ表示装置と前記記憶装置が通信をし、前記空中線システム情報として、総合形名やマグネトロン形名やモーター形名を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のレーダ表示装置。
【請求項6】
前記空中線装置を交換した後に最初にレーダ表示装置の電源を投入した際に、前記空中線システム情報の時間に関する各情報をリセットし、該リセット処理の完了を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のレーダ表示装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−257174(P2011−257174A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129831(P2010−129831)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】