説明

レールの溶接方法及び焼きならし治具

【課題】良好な乗り心地を得ることができ、かつ、保守性を向上させたレールの溶接方法及び焼きならし治具を提供する。
【解決手段】レール遊間を有するように前後に敷設され、レール継目部j近傍の頭頂部r4に焼き入れ処理が施されたレールR(R1,R2)を対象として、レール継目部jを溶接するレールの溶接方法において、焼き入れ処理が施されたレール継目部j近傍の頭頂部r4を焼きならしする熱処理工程を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、良好な乗り心地を得ることができるレールの溶接方法及び焼きならし治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、鉄道分野において、レール遊間を有するように複数の定尺レールを連続して敷設して列車の軌道を構成したものが知られている。近年、このように敷設された定尺レールの継目部をテルミット溶接法やエンクローズドアーク溶接法により溶接してロングレール化し、列車の乗り心地の改善やスピードアップ、レール保守効率の改善等が図られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、レール継目部を囲繞する鋳型の内側凹部の形状として、レール底部及びレール柱部のレール表面に接する部分の曲率半径を3〜15mmの円弧状に構成し、この鋳型を用いてレールをテルミット溶接法により溶接する方法が開示されている。
【特許文献1】特許第2708259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、レール遊間を有するように敷設された定尺レールは、継目部を列車が通過したときの衝撃に耐え得るように、継目部近傍の頭頂部に焼き入れ処理がなされている。
しかしながら、上記のように定尺レールを溶接してロングレール化すると、継目部を列車が通過しても衝撃が加わらなくなるため、焼き入れ処理がなされた部位が他の部位よりも磨耗せず、レールの平滑度が損なわれて、列車の乗り心地が悪くなってしまうという問題があった。
また、磨耗によって局所的に変形したレールを使用し続けると予期せぬタイミングで列車の走行が困難な状況に陥るので、溶接箇所の点検を頻繁にしなければならないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、良好な乗り心地を得ることができ、かつ、保守性を向上させたレールの溶接方法及び焼きならし治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
レールの溶接方法に係る第一の解決手段として、レール遊間を有するように前後に敷設され、レール継目部近傍の頭頂部に焼き入れ処理が施されたレールを対象として、前記レール継目部を溶接するレールの溶接方法において、前記焼き入れ処理が施されたレール継目部近傍の頭頂部を焼きならしする熱処理工程を含む、という手段を採用する。
これにより、焼き入れによって改質されたレール継目部近傍の頭頂部の硬度が、焼きならし処理で標準化されて、レール継目部近傍における頭頂部の硬度と他の部分における頭頂部の硬度とがほぼ均一となる。
【0007】
また、レールの溶接方法に係る第二の解決手段として、上記レールの溶接方法に係る第一の解決手段において、前記熱処理工程は、前記レール継目部に溶解金属を注入する前、又は、前記レール継目部を溶融させる前に行う、という手段を採用する。
これにより、レール継目部近傍の頭頂部の硬度が標準化された後に、レール継目部が溶接される。
【0008】
また、焼きならし治具の解決手段として、フレーム部と、該フレーム部にレールに対して転動自在に設けられた車輪部と、前記フレーム部に固定され、前記レールに向けて火炎を放射する火炎放射部とを備える、という手段を採用する。
これにより、火炎放射部をレール長手方向に移動しても、レール高さ方向におけるレール頭頂部と火炎放射部との位置関係が一定のものとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るレールの溶接方法によれば、焼き入れによって改質されたレール継目部近傍の頭頂部の硬度が、焼きならし処理で標準化されてレール継目部近傍における頭頂部の硬度と他の部分における頭頂部の硬度とがほぼ均一となるので、列車通過による頭頂部の磨耗量を全ての部分においてほぼ均一にすることができる。従って、レールを溶接してもレールの平滑度が損なわれることなく良好な乗り心地を得ることができる。また、溶接後のレールの磨耗が局所的に発生せず、溶接箇所の定期的な点検の間隔を長いものとすることができるので、溶接後のレールの保守性を向上させることができる。
【0010】
また、熱処理工程がレール継目部に溶解金属を注入する前、又は、レール継目部を溶融させる前に行うものでは、レール継目部近傍の頭頂部の硬度が標準化された後にレール継目部が溶接されるので、溶接された継目部の改質を防止する必要がなくなり、作業工程の短縮化を図ることができる。
【0011】
また、本発明に係る焼きならし治具によれば、レール高さ方向におけるレール頭頂部と火炎放射部との位置関係が一定のものとなるので、頭頂部に対して均一に焼きならし処理をすることができ、作業工程の短縮化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態は、図1に示すように、敷設された後に相当期間使用されている既存の定尺レール(レール)Rをロングレール化するために隣接する定尺レールR(R1,R2)のレール継目部jをテルミット溶接法により溶接するものである。この定尺レールRは、レール継目部jを列車が通過したときの衝撃に耐え得るように、レール継目部j近傍の頭頂部r4に焼き入れ処理がなされた焼き入れ部位Tを有している。
なお、本明細書において、図1(b)に示すように、レールの頭部をr1、レールの腹部をr2、レールの底部をr3とし、頭部r1のうち列車の車輪と接する表面側の部位を頭頂部r4とする。また、「レールの継目部」とはレールとレールとの接続部を意味しており、「レール遊間」とはレール継目部の前後のレールの隙間を意味している。
【0013】
本実施の形態におけるレールの溶接方法は、図1に示す坩堝20、鋳型30の他、図2に示す焼きならし治具1、図3に示す遮蔽具10を用いて行う。
焼きならし治具1は、図2に示すように、フレーム部2と、車輪部3と、バーナー(火炎放射部)4とを備えている。
【0014】
フレーム部2は、全体として共通の二次元平面内に含まれる枠状をなしており、頭部r1の頭部幅h(図1(b)参照)よりもやや大きい距離を開けて平行に固定された一組の基台フレーム2aと、各基台フレーム2aの一端から該基台フレーム2aと鋭角をもって交差する方向へ延在し、基台フレーム2a間の距離と略同一の距離を空けて平行となった一組の動力伝達フレーム2bと、各基台フレーム2aの他端と各動力伝達フレーム2bとに連結されて各動力伝達フレーム2bの姿勢を保持する一組の支持フレーム2cと、一組の動力伝達フレーム2bの端部の間に配された把持棒2dと、各基台フレーム2aの一端及び他端のそれぞれから各基台フレーム2aと鈍角をもって交差する方向に基台フレーム2a間の距離と略同一の距離を空けて平行に延在した後に、次第に近接してそれぞれの先端に円環状のノズル取付部2e及び本体取付部2fが形成されたノズル支持部2g及び本体支持部2hとを備えている。なお、ノズル取付部2e及び本体取付部2fは、それぞれの軸線を互いに重ねている。
【0015】
車輪部3は、前記二次元平面と直交するシャフト3aと、シャフト3aの中央部(シャフト3a軸線方向)に固定された内輪3bと、シャフト3aの両端部近傍に固定された外輪3cとを備えている。
シャフト3aは、基台フレーム2a間の距離よりもやや大きい長さを有しており、各端部が平行する二つの基台フレーム2aのうち一方に回転自在に取り付けられている。
内輪3bは、頭部幅hよりもやや大きい高さ(径方向に直交する方向の長さ)を有する略円筒形状の部材であり、シャフト3aの両端部及び両端部近傍を露出させて固定されている。
外輪3cは、内輪3bよりも大きい径を有する円盤形状の部材であり、シャフト3aの両端部近傍に一つずつ固定されて、それぞれ内輪3bの端部に当接している。
このように構成された車輪部3は、二つの基台フレーム2aの一端の間及び他端の間に配されている。
【0016】
バーナー4は、ノズル4aと、バーナー本体4bとを備えている。
ノズル4aは、フレーム部2と同一の二次元平面内に配置されており、二つの定尺レールRの焼き入れ箇所の長さL(レール長手方向、図1(a)参照)を二倍した長さよりも長く真直に形成された真直部4cと、真直部4cの一端で真直部4cの延在方向と直交する方向に屈曲する屈曲部4dと、この屈曲部4dから真直に形成されてシャフト3aからノズル取付部2eまでの長さよりもやや短く形成された噴射部4eを備えている。このノズル4aは、噴射部4e側の一端が火炎噴射口4fとなっており、他端がバーナー本体4bに接続されている。
バーナー本体4bは、略円錐形状のものであって、軸線方向の断面が台形となる頭頂部切離円錐形状のものであり、外部から供給された酸素とプロパンガスとを混合し、この混合気をノズル4aに供給する。バーナー本体4bは、その軸線を真直部4cの延在方向に重ねてノズル4aに接続されている。
【0017】
このようなバーナー4は、図2(b)に示すように、二つの車輪部3を同一平面上に投影したときに火炎噴射口4fが車輪部3側に向くように、ノズル4aの真直部4cがノズル取付部2eに嵌挿すると共にバーナー本体4bが本体取付部2fに嵌挿されている。
【0018】
このような構成の焼きならし治具1は、内輪3bと頭頂部r4とが接するように焼きならし治具1を定尺レールR上に載置すると、外輪3cによって内輪3bが頭部r1から脱輪することなく直立して、火炎噴射口4fが頭頂部r4と対向するようになっている。
【0019】
遮蔽具10は、図3に示すように、二つの遮蔽板部11と、これら二つの遮蔽板部11を連結する支持渡し部12からなる。
二つの遮蔽板部11は、矩形板状に形成された部材であって、それぞれ定尺レールRの頭部幅よりもやや大きい短辺と焼き入れ部位Tよりもやや大きい長辺とを有する部材である。
支持渡し部12は、コ字形状に形成された部材であり、各端部が二つの遮蔽板部11のうちの一方の長辺縁に接合されている。すなわち、この支持渡し部12は、各遮蔽板部11の板面に直交する方向に遮蔽板部11の長辺縁から平行に延出した後に、各遮蔽板の板面に沿った方向かつ相互の方向に向けてそれぞれ屈曲し、二つの遮蔽板部11の各長辺縁を頭部幅hを開けて連結している。この支持渡し部12は、三つ設けられて二つの遮蔽板部11を連結しており、その一つが各遮蔽板部11の長手方向における中央を連結し、他の二つが中央に連結された箇所から長さLだけ離間した部位をそれぞれ連結している。
【0020】
このような構成の遮蔽具10は、支持渡し部12に定尺レールRの頭頂部r4を当接させて頭部r1を支持渡し部12内方に位置させるように、定尺レールRに装着することが可能である。すなわち、図3(a)に示すように、上面視において中央の支持渡し部12がレール継目部jを遮蔽するように装着すると遮蔽板部11が定尺レールRの接続具Cを遮蔽すると共に頭頂部r4にされた焼入れ部位Tを露出させるようになっている。
【0021】
次に、上述した焼きならし治具1及び遮蔽具10を用いて定尺レールRのレール継目部jを溶接する方法について、主に図4に示すフローチャート及び図5に示す動作図を用いて説明する。
まず、図5に示すように、遮蔽具10を定尺レールR1、R2に跨るように装着する(ステップS1)。この際、図3に示すように、上面視において中央の支持渡し部12がレール継目部jを遮蔽するように遮蔽具10を定尺レールR1,R2に装着する。
【0022】
次に、図5に示すように、内輪3bの周面が定尺レールR1の頭頂部r4に接し、かつ、ノズル4aが焼き入れ部位Tの方向に向くように焼きならし治具1を定尺レールR1上に配置する(ステップS2)。
【0023】
そして、作業員がバーナー4のスイッチ(不図示)をオンにして火炎噴射口4fから噴射される混合気に着火し、火炎噴射口4fから火炎を連続的に噴射させ、把持棒2dを把持して焼きならし治具1をレール長手方向に移動させながら、定尺レールR1,R2におけるそれぞれの頭頂部r4を、所定の時間焼きならし処理をする(ステップS3)。この際、外輪3cが定尺レールR1の頭部r1から車輪部3が離脱することを阻止し、頭頂部r4に対するバーナー4の火炎噴射口4fの頭部幅方向及びレール高さ方向における相対的位置が変化せずに、車輪部3が定尺レールR1上を転動する。すなわち、定尺レールR1,R2の頭頂部r4にされた焼入れ部位Tに均等に火炎を放射する。なお、真直部4cは、焼き入れ部位Tの長さLの2倍の長さよりも大きい長さを有しており、遮蔽具10に車輪部3を干渉させることなく、全ての焼き入れ部位Tに火炎を放射する。
【0024】
また、頭頂部r4の周囲に放射される火炎は、遮蔽板部11に遮蔽されて定尺レールR1,R2を接続する接続具Cや枕木(不図示)に放射されることがない。さらに、遮蔽板部11を中央で連結する支持渡し部12により、レール継目部jに火炎が噴射されることもない。
【0025】
焼きならし処理の終了後、焼きならし治具1及び遮蔽具10を定尺レールR1,R2から除去し、定尺レールR1,R2を接続していた接続具Cを取り外す(ステップS4)。
【0026】
次に、鋳型30の凹部30aが定尺レールR1,R2のレール継目部jを囲繞するように(図1(a)参照)、鋳型30を定尺レールR1,R2に跨って装着する(ステップS5)。鋳型30装着後、鋳型30を乾燥させるため、予熱バーナー40により鋳型30に予熱を加える(ステップS6)。
【0027】
次に、坩堝20内でテルミット反応させたアルミニウムと酸化金属との高温の溶解金属を鋳型30の凹部30aに流し込む(ステップS7)。そして、溶解金属及び溶解金属の顕熱により溶解した定尺レールR1,R2のレール継目部jが固化した後に鋳型30を除去する(ステップS8)。
そして、比較的に高温のうちに溶接部の余盛りを削除し、さらに、放熱後に溶接箇所を研磨して溶接を終了する(ステップS9)。
【0028】
溶接後、ロングレール化された定尺レールR1,R2上を列車が通過するとその摩耗量は全ての頭頂部r4で略均一なものとなり、ロングレール化による列車の乗り心地が長期間継続する。
【0029】
以上、説明したように、本実施形態のレールの溶接方法によれば、焼き入れによって改質されたレール継目部j近傍の頭頂部r4の硬度が、焼きならし処理で標準化されて、レール継目部j近傍における頭頂部r4の硬度と他の部分における頭頂部r4の硬度とが均一となるので、列車通過による頭頂部r4の磨耗量を全ての部分において略均一にすることができる。
【0030】
図6は、レール継目部jからレール長手方向に位置を変えて頭頂部r4のショア硬度を計測した結果を示した図であり、図6(a)は、本溶接方法実施後の定尺レールR1,R2の頭頂部r4の硬度を示しており、図6(b)は、定尺レールR1,R2と同等の定尺レールを焼きならし処理をしないで溶接した場合における頭頂部の硬度を示している。
図6に示すように、焼きならし処理を行わない場合と比較して、焼きならし処理を行った定尺レールR1,R2の頭頂部r4のショア硬度が全ての部位において略均一のものとなっている。
【0031】
図6からも明らかなように、本実施形態のレール溶接方法によれば、定尺レールR1,R2の頭頂部r4の硬度が全ての部位において均一のものとなっているので、列車通過による頭頂部r4の磨耗量を全ての部位において略均一にすることができる。
従って、定尺レールR1,R2を溶接してもレールの平滑度が損なわれることなく良好な乗り心地を得ることができる。また、溶接後の定尺レールR1,R2の磨耗が局所的に発生せず、溶接箇所の定期的な点検の間隔を長いものとすることができるので、溶接後のレールの保守性を向上させることができる。
【0032】
また、焼きならし処理がレール継目部jに鋳型30を装着する前に行われるので、レール継目部j近傍の頭頂部r4の硬度が標準化された後に、定尺レールR1,R2のレール継目部jが溶接される。これにより、溶接されたレール継目部jが焼きならし処理に伴ってバーナー4から放射される火炎で改質されることを防止する必要がなくなり、作業工程の短縮化を図ることができる。
さらに、遮蔽具10がレール継目部jに火炎が放射されることを防止するので、頭頂部r4の焼きならし処理に伴ってレール継目部jが不必要に改質されることを防ぐことができる。
【0033】
また、本発明に係る焼きならし治具1によれば、レール高さ方向及び頭部幅方向における頭頂部r4と火炎噴射口4fとの位置関係が一定のものとなるので、頭頂部r4に対して均一に焼きならし処理をすることができ、作業工程の短縮化を図ることができる。
【0034】
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0035】
また、上述した実施の形態では、遮蔽具10を用いて接続具Cや枕木、レール継目部jを遮蔽したが、例えば、濡れた布等でこれらを遮蔽してもよい。
上述した実施の形態では、焼きならし処理は、レール継目部jを溶接する前に行ったが、溶接後におこなっても構わない。この際、遮蔽具10を用いれば中央の支持渡し部12がレール継目部jを遮蔽するので、溶接後のレール継目部jの不必要な改質を防止することができる。
【0036】
また、上述した実施の形態では、テルミット溶接法によってレール継目部jを溶接したが、エンクローズドアーク溶接法により、レール継目部jを溶接してもよい。この際、レール継目部jを溶融させる前に焼き入れ部位Tに焼きならし処理を行うと、上述した実施の形態と同様に、溶接されたレール継目部jがバーナー4から放射される火炎で改質されることを防止する必要がなくなり、作業工程の短縮化を図ることができる。
【0037】
また、上述した実施の形態では、焼きならし治具1を定尺レールR1に配置して焼きならし処理をしたが、定尺レールR2に配置して焼きならし処理をしてもよいのは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態において、定尺レールRを示す図であって、図1(a)は、定尺レールRの斜視図であり、図1(b)は、レール継目部j側から定尺レールRを視た図である。
【図2】本発明の実施形態において、焼きなまし治具1を示す図であって、図2(a)は、側面図であり、図2(b)は、正面図であり、図2(c)は、後面図である。
【図3】本発明の第一実施形態において、遮蔽具10を示す図であって、図3(a)は、上面図であり、図3(b)は、正面図である。
【図4】本発明の実施形態におけるレールの溶接方法のフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態におけるレールの溶接方法の動作図である。
【図6】レール長手方向におけるレール継目部jからの各位置と頭頂部r4のショア硬度との関係を示した図であり、図6(a)は、本発明の実施の形態における定尺レールR1,R2の頭頂部r4のショア硬度を示しており、図6(b)は、定尺レールR1,R2と同等の定尺レールを焼きならし処理をしないで溶接した場合における頭頂部のショア硬度を示している。
【符号の説明】
【0039】
1…焼きならし治具
2…フレーム部
3…車輪部
4…バーナー(火炎放射部)
30…鋳型
R(R1,R2)…定尺レール(レール)
r4…頭頂部
j…レール継目部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール遊間を有するように前後に敷設され、レール継目部近傍の頭頂部に焼き入れ処理が施されたレールを対象として、前記レール継目部を溶接するレールの溶接方法において、
前記焼き入れ処理が施されたレール継目部近傍の頭頂部を焼きならしする熱処理工程を含むことを特徴とするレールの溶接方法。
【請求項2】
前記熱処理工程は、前記レール継目部に溶解金属を注入する前、又は、前記レール継目部を溶融させる前に行うことを特徴とする請求項1に記載のレールの溶接方法。
【請求項3】
フレーム部と、
該フレーム部にレールに対して転動自在に設けられた車輪部と、
前記フレーム部に固定され、前記レールに向けて火炎を放射する火炎放射部と
を備えることを特徴とする焼きならし治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−291795(P2009−291795A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145503(P2008−145503)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)