レール締結装置
レールを支持基盤に取り付けるレール締結装置(10)を提供する。レール締結装置は、支持基盤に係合する下部板(30)と、レールに係合するレール取付部材を有する上部板と、を備える。上部板と下部板との間の第1の弾性体(40)により、上部板を下部板上に担持する。レール締結装置は、さらに、上部板を下部板に向けて、または下部板を上部板に向けて押圧する少なくとも1つの押圧部材(50)を備える。レール締結装置全体のばね定数は比較的小さいが、適正な偏位幅は維持される。また、レール締結装置の外形寸法は比較的小型でありかつ簡便な構成であるが、3通りの有効ばね定数を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持基盤上にレールを架設するためのレール締結装置に関し、特に、上部板と下部板の間に弾性エラストマー層を有するものに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
したがって、本発明の目的は、従来技術における問題点のうち少なくとも一つまたはそれ以上の問題点を解決することである。特に、本発明の目的は、複数の有効ばね定数を有する弾性エラストマー層を上部板と下部板の間に設けたレール締結装置を提供することである。少なくとも、本発明の目的は、有用な一選択肢を公に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
すなわち、本発明は、レールを支持基盤に取り付けるレール締結装置を提供するものである。レールは第1の方向に延在する。レール締結装置は、支持基盤に係合する下部板、およびレールに係合するレール取付部材を有する上部板を備える。上部板と下部板との間に第1の弾性体を設け、上部板を下部板上に担持する。レール締結装置は、さらに、上部板を下部板に向けて、または、下部板を上部板に向けて押圧する少なくとも1つの押圧部材を備える。
【0004】
好ましくは、押圧部材は、第2の弾性体を介して、上部板を下部板に向けて押圧または下部板を上部板に向けて押圧する。第2の弾性体は、上部板と押圧部材との間に、または下部板と押圧部材との間に配置する。
【0005】
任意選択として、押圧部材は上部板を下部板に向けて押圧する。
【0006】
有利には、上部板は第1の方向に直交する第2の方向に沿って対向する2つの上部板端部を有し、押圧部材は対向する2つの上部板端部のそれぞれにおいて上部板を下部板に向けて押圧する。
【0007】
好ましくは、2つの対向する上部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットである。さらに好ましくは、下部板は第2の方向に沿って位置する2つの対向する下部板端部を有し、当該2つの対向する下部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットである。またさらに好ましくは、下部板は上部板を収容するような形状とする。
【0008】
任意選択として、2つの対向する上部板端部は第2の方向に平行な線上に位置する。
【0009】
有利には、押圧部材は2つの対向する下部板端部のそれぞれに係合する。さらに好ましくは、対向する下部板端部のそれぞれに押圧部材をボルトで固定する。
【0010】
好ましくは、2つの対向する上部板端部はそれぞれ第1の方向に沿って長さを有する矩形形状とし、当該長さの全長を第2の弾性体で被覆する。
【0011】
任意選択として、2つの対向する上部板端部はそれぞれ第2の方向に沿って幅を有する矩形形状とし、当該幅の一部を第2の弾性体で被覆する。
【0012】
好ましくは、2つの対向する上部板端部はそれぞれ外周を有する円形形状とし、当該外周の全長を第2の弾性体で被覆する。
【0013】
好ましくは、上部板は、下部板に面した上部板底面を有し、当該上部板底面の全体に第1の弾性体を設ける。または、当該上部板底面の一部に第1の弾性体を設けるか、または当該上部板底面の全体において第1の弾性体を設けない。
【0014】
本発明の別の態様によれば、第1の方向に延在するレールを支持基盤に取り付けるレール締結装置であって、
−支持基盤に係合する下部板と、
−レールに係合するレール取付部材を有する上部板であって、当該上部板は第1の方向に直交する第2の方向に沿って位置する2つの対向する上部板端部を有し、2つの対向する上部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットである、上部板と、
−上部板と下部板の間に設けた第1の弾性体であって、上部板を下部板上に担持する第1の弾性体と、を備え、
前記下部板は第2の方向に沿って位置する2つの対向する下部板端部を有し、当該2つの対向する下部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットであることを特徴とする、レール締結装置を提供する。
【0015】
本発明のさらに別の態様によれば、上記のレール締結装置を有するレールシステムを提供する。
【0016】
本発明のさらなる態様によれば、レールを支持基盤に取り付ける方法を提供する。レールは第1の方向に延在する。レール締結装置は、
−支持基盤に係合する下部板と、
−レールに係合するレール取付部材を有する上部板と、
−上部板と下部板の間に設けた第1の弾性体であって、下部板上に上部板を担持する第1の弾性体と、
−上部板を下部板に向けて、または下部板を上部板に向けて押圧する少なくとも1つの押圧部材と、を備える。
レールは上部板に係合する。
【0017】
本発明の別の態様によれば、レールを支持基盤に取り付けるレール締結装置の製造方法を提供する。レールは第1の方向に延在する。支持基盤に係合する下部板を設け、第1の弾性体を下部板上に設ける。そして、上部板を下部板に取り付けて、第1の弾性体が上部板と下部板の間に配置され、下部板上に上部板を担持するようにする。上部板は、レールに係合するレール取付部材を有する。さらに、少なくとも1つの押圧部材を設け、上部板を下部板に向けて、または下部板を上部板に向けて押圧する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の例示的なレール締結装置を示す種々の図である。
【図2】図1に示すレール締結装置の、レールを除いた部分の斜視図である。
【図3】上部板の構成が異なる別の例示的なレール締結装置を示す図である。
【図4】図1のレール締結装置への押圧部材の実装について示す図である。
【図5】レール締結装置の押圧部材と下部板の代替的な構成例を示す図である。
【図6】レール締結装置の上部板と下部板の間に配置した弾性体を示す図である。
【図7】本発明のレール締結装置の垂直剛性を、モデル化/予測性能データに基づく有限要素分析によりセグメント化した複数の有効ばね定数とともに示すグラフである。
【図8】レール締結装置の押圧部材と下部板の代替的な構成を示す図である。
【図9】レール締結装置の別の例を示す図である。
【図10】レール締結装置のさらに別の例を示す図である。
【図11】下部板を上部板に向かって押圧する押圧部材を有するレール締結装置のさらに別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、本発明の好適な実施形態を添付の図面を参照して例示的に説明する。
【0020】
以下に、図面を参照して本発明を例として説明する。図面における参照符号との照合を容易にするため、表1に参照符号の一覧を示す。
【表1】
【0021】
本発明の目的、特徴、態様については、以下の記載により開示または明らかにされる。本明細書の記載は、あくまで本発明の例示的な実施形態を示すものにすぎず、本発明のより広範な態様を限定する意図はなく、この広範な態様は例示的な構成により具現化されるものであることを、当業者は理解すべきである。
【0022】
図1〜図3に、例示的なレール締結装置10を示す。レール締結装置10は、レール12を係合させるレール係合部材22を有する上部板20を備える。レール係合部材22としては、既知の様々な装置を用いることができ、例えば、限定はしないが、トラッククランプ、マウント、およびパンドロールクリップ等を用いることができる。図1に示す上部板20は固体材料により構成しているが、図3に示す上部板20は中空である。レール締結装置10は、例えば地面等の支持基盤に、既知の様々な機構を介して係合する下部板30を備える。既知の係合機構としては、限定するものではないが、ラグナット(lugs)およびネジ等が挙げられる。上部板20および下部板30は、任意の材料により適宜形成することができ、例えば、鋳鉄または鋳鋼、球状黒鉛鉄等で形成することができる。
【0023】
上部板20と下部板30との間には第1の弾性体40を設ける。弾性体は上部板20および下部板30に硬化させてもよく、または、本明細書において参照により援用する国際公開第2005/108675号パンフレットに記載されているような脚部(boot)として適宜形成することができ、上部板20、下部板30、および第1の弾性体40は、加硫または従来の固定具等を用いずに、一体として構成することができる。第1の弾性体40は、任意の天然エラストマーまたは合成エラストマー等で適宜形成することができる。第1の弾性体40は、図6に示すように、第1の弾性体側部44により上部板20の側部全体を包囲してもよく、または、図6の第1の弾性体側部44は必要に応じて省略してもよい。好ましくは、弾性体を上部板および下部板とともに硬化接着し、好ましくは、各板および加硫したエラストマーを射出成形接着により硬化する。好ましくは、エラストマーおよびエラストマーにより金属接着剤に接着した金属板とともに弾性体を硬化接着する。
【0024】
図1〜図5に示すように、少なくとも1つの押圧部材50を設けて、上部板を下部板に向けて押圧する。または、図11に示すように、押圧部材50は反対に下部板30を上部板に向けて押圧することができる。驚いたことに、押圧部材50により押圧することにより、本発明のレール締結装置は、図7に示すようなセグメント化された複数の有効ばね定数を持つことが分かった。したがって、本発明のレール締結装置によれば、減衰性を向上させて異周波数の余計な振動を最小限に抑制することができ、例えば、たわみ制御、通常動作、および極限状態等の種々の作業環境下において好適に使用することができる。
【0025】
図1のA−A断面図および図3のH−H断面図に示すように、上部板20は、第2の方向に沿って位置する2つの対向する上部板端部24を有する。この第2の方向は、レール12の延在方向である第1の方向に対してほぼ直交する。これら2つの対向する上部板端部24には押圧部材50がそれぞれ設けられ、上部板と各押圧部材との間の第2の弾性体60を介して上部板20を下部板30に向けて押圧する。この第2の弾性体60は、図3〜図5に示すように、第1の弾性体40と一体化してもよく、または、図1、図9、および図10に示すように、第1の弾性体40とは別個に形成することもできる。後者の場合、必要に応じて第2の弾性体60を第1の弾性体40とは異なる材料で形成して、有効ばね定数に差異を設けることができる。第2の弾性体の設置については任意であるが、電気絶縁をより確実に行うためにはあったほうが望ましい。
【0026】
図4は、一つの上部板端部24上への押圧部材50の実装について詳細に示す図である。ステップ1において、押圧部材50を取り付ける前の、第1の弾性体40および第2の弾性体60を含めた上部板20の高さは、例えば、図4に示すように、下部板30の高さaよりも高さgだけ高い。ステップ2において、第2の弾性体60上に押圧部材50を取り付けて押圧し、第1の弾性体40および第2の弾性体60を含めた上部板20の高さが下部板の高さと等しくなるようにする。しかしながら、上部板20が第2の弾性体60を介して下部板に向けて押圧されていれば、すなわち、上部板20を押圧部材50で押圧後に、第1の弾性体40および第2の弾性体60を含めた上部板20の高さgが減少していれば、本発明のレール締結装置10の機能が減じることはない。
【0027】
図5に、押圧部材50の別の例として、下部板に係合するコの字型に形成したクリップを示す。図4に示す例と異なり、押圧部材50を取り付ける前の、第1の弾性体40および第2の弾性体60を含めた上部板20の高さは、下部板30の高さaよりも高さgだけ低くすることができる。しかしながら、図5の押圧部材50は、この高さの差を補償することにより、上部板20を下部板30に向けてやはり押圧する。
【0028】
各押圧部材50は、例えば、レール締結装置10に従来取り付け可能なボルト等の押圧部材保持部材70により押圧位置に保持されることが好ましい。しかしながら、押圧部材50自身がレール締結装置に対してその位置を保持できるのであれば、この押圧部材保持部材70を設ける必要がない場合もある。例えば、ボルトヘッドを拡大したボルトであれば、レール締結装置において、上部板を押圧する機能とその位置を保持する機能とを両立させることができる。あるいは、図5に示すようなコの字型のクリップでも同様の目的を達成することができる。
【0029】
図1〜図3において、2つの上部板端部24はそれぞれ一般的な矩形であり、各上部板端部24の矩形のレール方向に沿った長さの全長を第2の弾性体60により被覆する。しかしながら、この長さの一部のみを第2の弾性体60で被覆することも可能である。図9に示す別の実施例においては、各上部板端部のレール横断方向に沿った幅の一部を第2の弾性体60で被覆する。図10に示す本発明のさらに別の実施例においては、各上部板端部24の形状を、外周を有する円形とし、その外周の全長を第2の弾性体で被覆する。
【0030】
図1〜図3に示すように、弾性体60全体を押圧部材50で被覆する必要はないが、図9および図10に示すような特定の実施形態においては、全体を被覆することが好ましい場合がある。
【0031】
なお、押圧部材50を一つだけ用いて、上部板20を下部板30に向けて、または下部板30を上部板20に向けて押圧することも可能である。必要に応じて、例えば、上部板20または下部板30の中央部分を押圧部材50で押圧することもできる。押圧部材50により上部板20または下部板30を押圧する際に、各上部板端部24または各下部板端部34を必ずしも押圧しなくてもよい。さらに、各上部板端部24のいずれか一つのみ、または各下部板端部34のいずれか一つのみ、または、必要に応じてその他の適切な位置を押圧部材50で押圧してもよい。押圧部材50は上部板20または下部板30を直接押圧することができ(すなわち、押圧部材50は上部板20または下部板30に直接係合する)、または、間接的に(第2の弾性体60、または、例えば、レール係合部材22等のその他の適切な部品を介して)押圧することができる。
【0032】
図1〜図3に示す実施形態において、下部板30は、傾斜側面を有する凹部を有し、この傾斜側面は各上部板端部24と相互補完的である。これは任意選択的な特徴であり、側面は図4に示すような垂直面も別の好適な実施形態とすることができる。
【0033】
図1〜図3および図9、図10に示す実施形態において、上部板20の2つの対向する上部板端部24は、レール横断方向に平行な線に対してオフセットである。レール横断方向への投射野が大きいため、互いにオフセットする上部板端部を有するレール締結装置は、外反屈に対する耐性が増加し、したがって軌間(トラックゲージ)を維持することができる。同様に、下部板についても、2つの対向する下部板端部34をレール横断方向に平行な線に対してオフセットとすることができる。このような構成による利点の一つとして、レール締結装置を地面に係合させる際に必要なラグナットの本数が少なくてすみ、例えば、図1〜図3に示すように、2本で足りるため、レール締結装置の外形寸法を小さくすることができる。下部板30は上部板20を収容するような形状とし、各板はそれぞれオフセットである端部を有することが好ましい。しかしながら、サイズ上の利点を犠牲にすれば、上部板の端部をオフセットとし、下部板の端はオフセットでないものとすることも可能である。
【0034】
図8に示す、本発明のいわゆる「インライン(直列)」設計においては、上部板および下部板それぞれの対向する2つの端部24および34はレール横断線上に位置する。
【0035】
上部板の底面全体には第1の弾性体を設けることができる。または、上部板の一部のみに第1の弾性体を設ける。必要に応じて、上部板20の底面全体において、第1の弾性体を設けない。
【0036】
上部板20を下部板30へ向けて、または下部板30を上部板20へ向けて押圧する押圧部材50を設けたことにより、ばね定数が比較的小さく、振動減衰性を向上したレール締結装置を提供することができる。レール締結装置全体のばね定数は、好ましくは15kN/mm、さらに好ましくは3〜15kN/mm、またさらに好ましくは3〜10kN/mmとしながらも、適正な偏位幅を維持することができる。
【0037】
さらに、本発明によれば、付加的な付勢部材としてばね等を追加的に用いずとも、外形寸法が比較的小さく、複数の有効ばね定数を有するレール締結装置を提供することができる。そのようなレール締結装置の全体構成は比較的簡便である。減衰性を向上するだけでなく、レール締結装置を小型化することが望ましい。なぜなら、レール締結装置を設置する際に、設置場所の制約を受ける場合があるからである。本発明のレール締結装置によれば、上部板20および下部板30の端部をレール横断方向に沿ってオフセットとすることでさらに小型化が可能である。
【0038】
本発明の好適な実施形態を実施例により詳細に説明したが、当業者は本発明の変更および代替を想起しうることは明らかである。さらに、本発明の実施形態は、その実施例または図面によってのみ限定されると解釈されるべきものではない。かかる変更および代替は、しかしながら、添付の特許請求の範囲に示す本発明の範囲内にあることを明確に理解されたい。例えば、一実施形態の一部として示した特徴を別の実施形態に用いて、さらに別の実施形態とすることができる。したがって、かかる変更および代替は、本発明の添付の特許請求の範囲またはその均等物の範囲内にある限り、そのすべてを含むことが意図される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持基盤上にレールを架設するためのレール締結装置に関し、特に、上部板と下部板の間に弾性エラストマー層を有するものに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
したがって、本発明の目的は、従来技術における問題点のうち少なくとも一つまたはそれ以上の問題点を解決することである。特に、本発明の目的は、複数の有効ばね定数を有する弾性エラストマー層を上部板と下部板の間に設けたレール締結装置を提供することである。少なくとも、本発明の目的は、有用な一選択肢を公に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
すなわち、本発明は、レールを支持基盤に取り付けるレール締結装置を提供するものである。レールは第1の方向に延在する。レール締結装置は、支持基盤に係合する下部板、およびレールに係合するレール取付部材を有する上部板を備える。上部板と下部板との間に第1の弾性体を設け、上部板を下部板上に担持する。レール締結装置は、さらに、上部板を下部板に向けて、または、下部板を上部板に向けて押圧する少なくとも1つの押圧部材を備える。
【0004】
好ましくは、押圧部材は、第2の弾性体を介して、上部板を下部板に向けて押圧または下部板を上部板に向けて押圧する。第2の弾性体は、上部板と押圧部材との間に、または下部板と押圧部材との間に配置する。
【0005】
任意選択として、押圧部材は上部板を下部板に向けて押圧する。
【0006】
有利には、上部板は第1の方向に直交する第2の方向に沿って対向する2つの上部板端部を有し、押圧部材は対向する2つの上部板端部のそれぞれにおいて上部板を下部板に向けて押圧する。
【0007】
好ましくは、2つの対向する上部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットである。さらに好ましくは、下部板は第2の方向に沿って位置する2つの対向する下部板端部を有し、当該2つの対向する下部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットである。またさらに好ましくは、下部板は上部板を収容するような形状とする。
【0008】
任意選択として、2つの対向する上部板端部は第2の方向に平行な線上に位置する。
【0009】
有利には、押圧部材は2つの対向する下部板端部のそれぞれに係合する。さらに好ましくは、対向する下部板端部のそれぞれに押圧部材をボルトで固定する。
【0010】
好ましくは、2つの対向する上部板端部はそれぞれ第1の方向に沿って長さを有する矩形形状とし、当該長さの全長を第2の弾性体で被覆する。
【0011】
任意選択として、2つの対向する上部板端部はそれぞれ第2の方向に沿って幅を有する矩形形状とし、当該幅の一部を第2の弾性体で被覆する。
【0012】
好ましくは、2つの対向する上部板端部はそれぞれ外周を有する円形形状とし、当該外周の全長を第2の弾性体で被覆する。
【0013】
好ましくは、上部板は、下部板に面した上部板底面を有し、当該上部板底面の全体に第1の弾性体を設ける。または、当該上部板底面の一部に第1の弾性体を設けるか、または当該上部板底面の全体において第1の弾性体を設けない。
【0014】
本発明の別の態様によれば、第1の方向に延在するレールを支持基盤に取り付けるレール締結装置であって、
−支持基盤に係合する下部板と、
−レールに係合するレール取付部材を有する上部板であって、当該上部板は第1の方向に直交する第2の方向に沿って位置する2つの対向する上部板端部を有し、2つの対向する上部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットである、上部板と、
−上部板と下部板の間に設けた第1の弾性体であって、上部板を下部板上に担持する第1の弾性体と、を備え、
前記下部板は第2の方向に沿って位置する2つの対向する下部板端部を有し、当該2つの対向する下部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットであることを特徴とする、レール締結装置を提供する。
【0015】
本発明のさらに別の態様によれば、上記のレール締結装置を有するレールシステムを提供する。
【0016】
本発明のさらなる態様によれば、レールを支持基盤に取り付ける方法を提供する。レールは第1の方向に延在する。レール締結装置は、
−支持基盤に係合する下部板と、
−レールに係合するレール取付部材を有する上部板と、
−上部板と下部板の間に設けた第1の弾性体であって、下部板上に上部板を担持する第1の弾性体と、
−上部板を下部板に向けて、または下部板を上部板に向けて押圧する少なくとも1つの押圧部材と、を備える。
レールは上部板に係合する。
【0017】
本発明の別の態様によれば、レールを支持基盤に取り付けるレール締結装置の製造方法を提供する。レールは第1の方向に延在する。支持基盤に係合する下部板を設け、第1の弾性体を下部板上に設ける。そして、上部板を下部板に取り付けて、第1の弾性体が上部板と下部板の間に配置され、下部板上に上部板を担持するようにする。上部板は、レールに係合するレール取付部材を有する。さらに、少なくとも1つの押圧部材を設け、上部板を下部板に向けて、または下部板を上部板に向けて押圧する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の例示的なレール締結装置を示す種々の図である。
【図2】図1に示すレール締結装置の、レールを除いた部分の斜視図である。
【図3】上部板の構成が異なる別の例示的なレール締結装置を示す図である。
【図4】図1のレール締結装置への押圧部材の実装について示す図である。
【図5】レール締結装置の押圧部材と下部板の代替的な構成例を示す図である。
【図6】レール締結装置の上部板と下部板の間に配置した弾性体を示す図である。
【図7】本発明のレール締結装置の垂直剛性を、モデル化/予測性能データに基づく有限要素分析によりセグメント化した複数の有効ばね定数とともに示すグラフである。
【図8】レール締結装置の押圧部材と下部板の代替的な構成を示す図である。
【図9】レール締結装置の別の例を示す図である。
【図10】レール締結装置のさらに別の例を示す図である。
【図11】下部板を上部板に向かって押圧する押圧部材を有するレール締結装置のさらに別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、本発明の好適な実施形態を添付の図面を参照して例示的に説明する。
【0020】
以下に、図面を参照して本発明を例として説明する。図面における参照符号との照合を容易にするため、表1に参照符号の一覧を示す。
【表1】
【0021】
本発明の目的、特徴、態様については、以下の記載により開示または明らかにされる。本明細書の記載は、あくまで本発明の例示的な実施形態を示すものにすぎず、本発明のより広範な態様を限定する意図はなく、この広範な態様は例示的な構成により具現化されるものであることを、当業者は理解すべきである。
【0022】
図1〜図3に、例示的なレール締結装置10を示す。レール締結装置10は、レール12を係合させるレール係合部材22を有する上部板20を備える。レール係合部材22としては、既知の様々な装置を用いることができ、例えば、限定はしないが、トラッククランプ、マウント、およびパンドロールクリップ等を用いることができる。図1に示す上部板20は固体材料により構成しているが、図3に示す上部板20は中空である。レール締結装置10は、例えば地面等の支持基盤に、既知の様々な機構を介して係合する下部板30を備える。既知の係合機構としては、限定するものではないが、ラグナット(lugs)およびネジ等が挙げられる。上部板20および下部板30は、任意の材料により適宜形成することができ、例えば、鋳鉄または鋳鋼、球状黒鉛鉄等で形成することができる。
【0023】
上部板20と下部板30との間には第1の弾性体40を設ける。弾性体は上部板20および下部板30に硬化させてもよく、または、本明細書において参照により援用する国際公開第2005/108675号パンフレットに記載されているような脚部(boot)として適宜形成することができ、上部板20、下部板30、および第1の弾性体40は、加硫または従来の固定具等を用いずに、一体として構成することができる。第1の弾性体40は、任意の天然エラストマーまたは合成エラストマー等で適宜形成することができる。第1の弾性体40は、図6に示すように、第1の弾性体側部44により上部板20の側部全体を包囲してもよく、または、図6の第1の弾性体側部44は必要に応じて省略してもよい。好ましくは、弾性体を上部板および下部板とともに硬化接着し、好ましくは、各板および加硫したエラストマーを射出成形接着により硬化する。好ましくは、エラストマーおよびエラストマーにより金属接着剤に接着した金属板とともに弾性体を硬化接着する。
【0024】
図1〜図5に示すように、少なくとも1つの押圧部材50を設けて、上部板を下部板に向けて押圧する。または、図11に示すように、押圧部材50は反対に下部板30を上部板に向けて押圧することができる。驚いたことに、押圧部材50により押圧することにより、本発明のレール締結装置は、図7に示すようなセグメント化された複数の有効ばね定数を持つことが分かった。したがって、本発明のレール締結装置によれば、減衰性を向上させて異周波数の余計な振動を最小限に抑制することができ、例えば、たわみ制御、通常動作、および極限状態等の種々の作業環境下において好適に使用することができる。
【0025】
図1のA−A断面図および図3のH−H断面図に示すように、上部板20は、第2の方向に沿って位置する2つの対向する上部板端部24を有する。この第2の方向は、レール12の延在方向である第1の方向に対してほぼ直交する。これら2つの対向する上部板端部24には押圧部材50がそれぞれ設けられ、上部板と各押圧部材との間の第2の弾性体60を介して上部板20を下部板30に向けて押圧する。この第2の弾性体60は、図3〜図5に示すように、第1の弾性体40と一体化してもよく、または、図1、図9、および図10に示すように、第1の弾性体40とは別個に形成することもできる。後者の場合、必要に応じて第2の弾性体60を第1の弾性体40とは異なる材料で形成して、有効ばね定数に差異を設けることができる。第2の弾性体の設置については任意であるが、電気絶縁をより確実に行うためにはあったほうが望ましい。
【0026】
図4は、一つの上部板端部24上への押圧部材50の実装について詳細に示す図である。ステップ1において、押圧部材50を取り付ける前の、第1の弾性体40および第2の弾性体60を含めた上部板20の高さは、例えば、図4に示すように、下部板30の高さaよりも高さgだけ高い。ステップ2において、第2の弾性体60上に押圧部材50を取り付けて押圧し、第1の弾性体40および第2の弾性体60を含めた上部板20の高さが下部板の高さと等しくなるようにする。しかしながら、上部板20が第2の弾性体60を介して下部板に向けて押圧されていれば、すなわち、上部板20を押圧部材50で押圧後に、第1の弾性体40および第2の弾性体60を含めた上部板20の高さgが減少していれば、本発明のレール締結装置10の機能が減じることはない。
【0027】
図5に、押圧部材50の別の例として、下部板に係合するコの字型に形成したクリップを示す。図4に示す例と異なり、押圧部材50を取り付ける前の、第1の弾性体40および第2の弾性体60を含めた上部板20の高さは、下部板30の高さaよりも高さgだけ低くすることができる。しかしながら、図5の押圧部材50は、この高さの差を補償することにより、上部板20を下部板30に向けてやはり押圧する。
【0028】
各押圧部材50は、例えば、レール締結装置10に従来取り付け可能なボルト等の押圧部材保持部材70により押圧位置に保持されることが好ましい。しかしながら、押圧部材50自身がレール締結装置に対してその位置を保持できるのであれば、この押圧部材保持部材70を設ける必要がない場合もある。例えば、ボルトヘッドを拡大したボルトであれば、レール締結装置において、上部板を押圧する機能とその位置を保持する機能とを両立させることができる。あるいは、図5に示すようなコの字型のクリップでも同様の目的を達成することができる。
【0029】
図1〜図3において、2つの上部板端部24はそれぞれ一般的な矩形であり、各上部板端部24の矩形のレール方向に沿った長さの全長を第2の弾性体60により被覆する。しかしながら、この長さの一部のみを第2の弾性体60で被覆することも可能である。図9に示す別の実施例においては、各上部板端部のレール横断方向に沿った幅の一部を第2の弾性体60で被覆する。図10に示す本発明のさらに別の実施例においては、各上部板端部24の形状を、外周を有する円形とし、その外周の全長を第2の弾性体で被覆する。
【0030】
図1〜図3に示すように、弾性体60全体を押圧部材50で被覆する必要はないが、図9および図10に示すような特定の実施形態においては、全体を被覆することが好ましい場合がある。
【0031】
なお、押圧部材50を一つだけ用いて、上部板20を下部板30に向けて、または下部板30を上部板20に向けて押圧することも可能である。必要に応じて、例えば、上部板20または下部板30の中央部分を押圧部材50で押圧することもできる。押圧部材50により上部板20または下部板30を押圧する際に、各上部板端部24または各下部板端部34を必ずしも押圧しなくてもよい。さらに、各上部板端部24のいずれか一つのみ、または各下部板端部34のいずれか一つのみ、または、必要に応じてその他の適切な位置を押圧部材50で押圧してもよい。押圧部材50は上部板20または下部板30を直接押圧することができ(すなわち、押圧部材50は上部板20または下部板30に直接係合する)、または、間接的に(第2の弾性体60、または、例えば、レール係合部材22等のその他の適切な部品を介して)押圧することができる。
【0032】
図1〜図3に示す実施形態において、下部板30は、傾斜側面を有する凹部を有し、この傾斜側面は各上部板端部24と相互補完的である。これは任意選択的な特徴であり、側面は図4に示すような垂直面も別の好適な実施形態とすることができる。
【0033】
図1〜図3および図9、図10に示す実施形態において、上部板20の2つの対向する上部板端部24は、レール横断方向に平行な線に対してオフセットである。レール横断方向への投射野が大きいため、互いにオフセットする上部板端部を有するレール締結装置は、外反屈に対する耐性が増加し、したがって軌間(トラックゲージ)を維持することができる。同様に、下部板についても、2つの対向する下部板端部34をレール横断方向に平行な線に対してオフセットとすることができる。このような構成による利点の一つとして、レール締結装置を地面に係合させる際に必要なラグナットの本数が少なくてすみ、例えば、図1〜図3に示すように、2本で足りるため、レール締結装置の外形寸法を小さくすることができる。下部板30は上部板20を収容するような形状とし、各板はそれぞれオフセットである端部を有することが好ましい。しかしながら、サイズ上の利点を犠牲にすれば、上部板の端部をオフセットとし、下部板の端はオフセットでないものとすることも可能である。
【0034】
図8に示す、本発明のいわゆる「インライン(直列)」設計においては、上部板および下部板それぞれの対向する2つの端部24および34はレール横断線上に位置する。
【0035】
上部板の底面全体には第1の弾性体を設けることができる。または、上部板の一部のみに第1の弾性体を設ける。必要に応じて、上部板20の底面全体において、第1の弾性体を設けない。
【0036】
上部板20を下部板30へ向けて、または下部板30を上部板20へ向けて押圧する押圧部材50を設けたことにより、ばね定数が比較的小さく、振動減衰性を向上したレール締結装置を提供することができる。レール締結装置全体のばね定数は、好ましくは15kN/mm、さらに好ましくは3〜15kN/mm、またさらに好ましくは3〜10kN/mmとしながらも、適正な偏位幅を維持することができる。
【0037】
さらに、本発明によれば、付加的な付勢部材としてばね等を追加的に用いずとも、外形寸法が比較的小さく、複数の有効ばね定数を有するレール締結装置を提供することができる。そのようなレール締結装置の全体構成は比較的簡便である。減衰性を向上するだけでなく、レール締結装置を小型化することが望ましい。なぜなら、レール締結装置を設置する際に、設置場所の制約を受ける場合があるからである。本発明のレール締結装置によれば、上部板20および下部板30の端部をレール横断方向に沿ってオフセットとすることでさらに小型化が可能である。
【0038】
本発明の好適な実施形態を実施例により詳細に説明したが、当業者は本発明の変更および代替を想起しうることは明らかである。さらに、本発明の実施形態は、その実施例または図面によってのみ限定されると解釈されるべきものではない。かかる変更および代替は、しかしながら、添付の特許請求の範囲に示す本発明の範囲内にあることを明確に理解されたい。例えば、一実施形態の一部として示した特徴を別の実施形態に用いて、さらに別の実施形態とすることができる。したがって、かかる変更および代替は、本発明の添付の特許請求の範囲またはその均等物の範囲内にある限り、そのすべてを含むことが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に延在するレールを支持基盤に取り付けるレール締結装置であって、
−支持基盤に係合する下部板と、
−レールに係合するレール取付部材を有する上部板と、
−上部板と下部板との間に設けた第1の弾性体であって、上部板を下部板上に担持する第1の弾性体と、を備え、
レール締結装置は、さらに、
−上部板を下部板に向けて、または下部板を上部板に向けて押圧する少なくとも1つの押圧部材を備えたことを特徴とする、レール締結装置。
【請求項2】
前記押圧部材は、第2の弾性体を介して、上部板を下部板に向けて押圧または下部板を上部板に向けて押圧し、
前記第2の弾性体を、上部板と押圧部材との間に、または下部板と押圧部材との間に設けたことを特徴とする、
請求項1に記載のレール締結装置。
【請求項3】
前記押圧部材は上部板を下部板に向けて押圧することを特徴とする、請求項1または2に記載のレール締結装置。
【請求項4】
前記上部板は前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って位置する2つの対向する上部板端部を有し、前記押圧部材は2つの対向する上部板端部のそれぞれにおいて上部板を下部板に向けて押圧することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項5】
2つの対向する上部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットであることを特徴とする、請求項4に記載のレール締結装置。
【請求項6】
前記下部板は第2の方向に沿って位置する2つの対向する下部板端部を有し、前記2つの対向する下部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットであることを特徴とする、請求項5に記載のレール締結装置。
【請求項7】
下部板は上部板を収容するような形状としたことを特徴とする、請求項6に記載のレール締結装置。
【請求項8】
2つの対向する上部板端部は第2の方向に平行な線上に位置することを特徴とする、請求項7に記載のレール締結装置。
【請求項9】
押圧部材は2つの対向する下部板端部のそれぞれに係合することを特徴とする、請求項6または7に記載のレール締結装置。
【請求項10】
下部板は第2の方向に沿って位置する2つの対向する下部板端部を有し、押圧部材は2つの対向する下部板端部のそれぞれに係合することを特徴とする、請求項1〜5および請求項8のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項11】
対向する各下部板端部と押圧部材とをボルトで固定したことを特徴とする、請求項9または10に記載のレール締結装置。
【請求項12】
2つの対向する上部板端部はそれぞれ第1の方向に沿って長さを有する矩形形状とし、前記長さの全長を第2の弾性体で被覆したことを特徴とする、請求項4〜11のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項13】
2つの対向する上部板端部はそれぞれ第2の方向に沿って幅を有する矩形形状とし、前記幅の一部を第2の弾性体で被覆したことを特徴とする、請求項4〜11のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項14】
2つの対向する上部板端部はそれぞれ外周を有する円形形状とし、前記外周の全長を第2の弾性体で被覆したことを特徴とする、請求項4〜11のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項15】
上部板は下部板に面した上部板底面を有し、前記上部板底面の全体に第1の弾性体を設けたことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項16】
上部板は下部板に面した上部板底面を有し、前記上部板底面の一部に第1の弾性体を設けたことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項17】
上部板は下部板に面した上部板底面を有し、前記上部板底面の全体において第1の弾性体を設けないことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項18】
第1の方向に延在するレールを支持基盤に取り付けるレール締結装置であって、
−支持基盤に係合する下部板と、
−レールに係合するレール取付部材を有する上部板であって、第1の方向に直交する第2の方向に沿って位置する2つの対向する上部板端部を有し、前記2つの対向する上部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットである、上部板と、
−上部板と下部板との間に設けた第1の弾性体であって、上部板を下部板上に担持する第1の弾性体と、を備え、
前記下部板は第2の方向に沿って位置する2つの対向する下部板端部を有し、前記2つの対向する下部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットであることを特徴とする、レール締結装置。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に記載のレール締結装置を有するレールシステム。
【請求項20】
第1の方向に延在するレールを支持基盤に取り付ける方法であって、
レール締結装置を提供するステップであって、該レール締結装置は、
−支持基盤に係合する下部板と、
−レールに係合するレール取付部材を有する上部板と、
−上部板と下部板との間に設けた第1の弾性体であって、上部板を下部板上に担持する第1の弾性体と、
−上部板を下部板に向けて、または下部板を上部板に向けて押圧する少なくとも1つの押圧部材を備えたことを特徴とする、レール締結装置を提供するステップと、
レールを上部板に係合するステップと、を含む方法。
【請求項21】
第1の方向に延在するレールを支持基盤に取り付けるレール締結装置の製造方法であって、
支持基盤に係合する下部板を設けるステップと、
下部板上に第1の弾性体を設けるステップと、
下部板に上部板を取り付けるステップであって、第1の弾性体が上部板と下部板との間に配置され、上部板を下部板上に担持するように取り付けるステップと、
少なくとも1つの押圧部材により、上部板を下部板に向けて、または下部板を上部板に向けて押圧するステップと、を含む製造方法。
【請求項1】
第1の方向に延在するレールを支持基盤に取り付けるレール締結装置であって、
−支持基盤に係合する下部板と、
−レールに係合するレール取付部材を有する上部板と、
−上部板と下部板との間に設けた第1の弾性体であって、上部板を下部板上に担持する第1の弾性体と、を備え、
レール締結装置は、さらに、
−上部板を下部板に向けて、または下部板を上部板に向けて押圧する少なくとも1つの押圧部材を備えたことを特徴とする、レール締結装置。
【請求項2】
前記押圧部材は、第2の弾性体を介して、上部板を下部板に向けて押圧または下部板を上部板に向けて押圧し、
前記第2の弾性体を、上部板と押圧部材との間に、または下部板と押圧部材との間に設けたことを特徴とする、
請求項1に記載のレール締結装置。
【請求項3】
前記押圧部材は上部板を下部板に向けて押圧することを特徴とする、請求項1または2に記載のレール締結装置。
【請求項4】
前記上部板は前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って位置する2つの対向する上部板端部を有し、前記押圧部材は2つの対向する上部板端部のそれぞれにおいて上部板を下部板に向けて押圧することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項5】
2つの対向する上部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットであることを特徴とする、請求項4に記載のレール締結装置。
【請求項6】
前記下部板は第2の方向に沿って位置する2つの対向する下部板端部を有し、前記2つの対向する下部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットであることを特徴とする、請求項5に記載のレール締結装置。
【請求項7】
下部板は上部板を収容するような形状としたことを特徴とする、請求項6に記載のレール締結装置。
【請求項8】
2つの対向する上部板端部は第2の方向に平行な線上に位置することを特徴とする、請求項7に記載のレール締結装置。
【請求項9】
押圧部材は2つの対向する下部板端部のそれぞれに係合することを特徴とする、請求項6または7に記載のレール締結装置。
【請求項10】
下部板は第2の方向に沿って位置する2つの対向する下部板端部を有し、押圧部材は2つの対向する下部板端部のそれぞれに係合することを特徴とする、請求項1〜5および請求項8のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項11】
対向する各下部板端部と押圧部材とをボルトで固定したことを特徴とする、請求項9または10に記載のレール締結装置。
【請求項12】
2つの対向する上部板端部はそれぞれ第1の方向に沿って長さを有する矩形形状とし、前記長さの全長を第2の弾性体で被覆したことを特徴とする、請求項4〜11のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項13】
2つの対向する上部板端部はそれぞれ第2の方向に沿って幅を有する矩形形状とし、前記幅の一部を第2の弾性体で被覆したことを特徴とする、請求項4〜11のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項14】
2つの対向する上部板端部はそれぞれ外周を有する円形形状とし、前記外周の全長を第2の弾性体で被覆したことを特徴とする、請求項4〜11のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項15】
上部板は下部板に面した上部板底面を有し、前記上部板底面の全体に第1の弾性体を設けたことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項16】
上部板は下部板に面した上部板底面を有し、前記上部板底面の一部に第1の弾性体を設けたことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項17】
上部板は下部板に面した上部板底面を有し、前記上部板底面の全体において第1の弾性体を設けないことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載のレール締結装置。
【請求項18】
第1の方向に延在するレールを支持基盤に取り付けるレール締結装置であって、
−支持基盤に係合する下部板と、
−レールに係合するレール取付部材を有する上部板であって、第1の方向に直交する第2の方向に沿って位置する2つの対向する上部板端部を有し、前記2つの対向する上部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットである、上部板と、
−上部板と下部板との間に設けた第1の弾性体であって、上部板を下部板上に担持する第1の弾性体と、を備え、
前記下部板は第2の方向に沿って位置する2つの対向する下部板端部を有し、前記2つの対向する下部板端部は第2の方向に平行な線に対してオフセットであることを特徴とする、レール締結装置。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に記載のレール締結装置を有するレールシステム。
【請求項20】
第1の方向に延在するレールを支持基盤に取り付ける方法であって、
レール締結装置を提供するステップであって、該レール締結装置は、
−支持基盤に係合する下部板と、
−レールに係合するレール取付部材を有する上部板と、
−上部板と下部板との間に設けた第1の弾性体であって、上部板を下部板上に担持する第1の弾性体と、
−上部板を下部板に向けて、または下部板を上部板に向けて押圧する少なくとも1つの押圧部材を備えたことを特徴とする、レール締結装置を提供するステップと、
レールを上部板に係合するステップと、を含む方法。
【請求項21】
第1の方向に延在するレールを支持基盤に取り付けるレール締結装置の製造方法であって、
支持基盤に係合する下部板を設けるステップと、
下部板上に第1の弾性体を設けるステップと、
下部板に上部板を取り付けるステップであって、第1の弾性体が上部板と下部板との間に配置され、上部板を下部板上に担持するように取り付けるステップと、
少なくとも1つの押圧部材により、上部板を下部板に向けて、または下部板を上部板に向けて押圧するステップと、を含む製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2013−516559(P2013−516559A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547428(P2012−547428)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/CN2010/070083
【国際公開番号】WO2011/082540
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(507381329)ロード コーポレーション (8)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/CN2010/070083
【国際公開番号】WO2011/082540
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(507381329)ロード コーポレーション (8)
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