説明

ロッキング機能を有した直接基礎構造

【課題】 簡易な構造で安価、且つ確実性の高い鋼管ダンパー用い、高耐震化に向けた構造を簡単で安価に構成可能としたロッキング機能を有する直接基礎構造を提供する。
【解決手段】 脚柱の下部を支持するフーチングを上部側フーチング22と下部側フーチング23とから構成すると共に、両者間に鋼管ダンパーを介在させる。鋼管ダンパーの鋼管26は、下部側フーチング23の上部内側に上下摺動可能にほぼ埋設状態に配置される。また、上部側フーチング22には、鋼管26の上部突出端外周に第二の鋼管28が固定配置され、鋼管26と第二の鋼管28との間には所定の間隙が形成されて両者は縁切りされていると共に、第二の鋼管28を配置するために上部側フーチング22の下部に形成される凹部28Aの天井部と鋼管26の上部との間には所定の間隙が形成されていている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管ダンパーを用いて基礎の高耐震化を図った直接基礎構造に関する。
【背景技術】
【0002】
橋脚基礎などにおいて、ロッキング振動を起すと免震効果があることが知られており、このようなロッキング機能を有した基礎の形式は、従来、様々な形式があるが、次の二種類に大別できる。一つは、浮上がりを制限しない構造で、ロッキング部(浮上がり部)とシェアキー機能を持たせた地中梁が全杭頭に固定されているものである。他の一つは、「シェアキー」と「ダンパーキー」とを組み合わせた高架構造である。これは浮上がり部にシェアキーとダンパーキーが配置されており、浮上がり量を緩和する構造となっている。
【0003】
図9(a),(b)は前者の構造を示すものであり、このものは、橋脚柱1を支持したフーチング2と、その両側に配置され、杭3と一体の土台部(地中梁)4とからなっており、フーチング2がロッキング部となり、土台部4は支承とシェアキーの機能を兼用する。土台部4には、浮上がる反対側(転がり側)に大きなせん断力が伝達される。このせん断力を各杭3に均等に伝えるため地中梁で結合されている場合が多いが、地中梁なしでもロッキング基礎として成立つ。また、土台−ロッキングフーチング間には衝撃緩衝材としてネオプレンゴム5が介在されている。
【0004】
図10は後者の構造を示すもので、一対の橋脚柱6の下部にはロッキング部7が形成されている、ロッキング部7は、図の一部に拡大して示すように、ゴムなどの弾性材料8を介して凹凸状に接合した接合位置の上下を貫通してシェアキー9が配置され、その下部側を橋脚柱6の下部に定着させているとともに、上部側をエネルギー吸収用のダンパー装置10に接続している。この構造においては、ロッキングによる橋軸直角方向への移動量は、橋脚の浮上がり量が安全値を超えない範囲で止るように設計されている。
【0005】
しかしながら、以上のロッキング基礎では、いずれも次に述べるような問題点があった。即ち、まず、前者の構造では、図9(b)に矢印に示す方向に地震力が作用すると、浮上がる反対箇所一カ所にせん断力が集中するので、それを杭全体に伝達するために、大きな地中梁を必要としていた。
【0006】
また、後者の組合わせ構造では、浮上がる反対側一カ所にせん断力が集中するため、設計が難しく、断面を大きく取らざるを得なかった。また、図示のごとく、横梁11を設けてせん断力を浮上がり側の橋脚柱6に伝える必要があり、加えて浮上がり量を緩和するためのダンパー装置10も高価なものとなり、構築費用がその分嵩んでしまい、不経済となっていた。
【0007】
そこで、これらの問題点を解消できるものとして、本願発明者は特開2003−232046号公報にて開示された「鋼管ダンパーを用いたロッキング基礎構造」の提案を既になした。このロッキング基礎構造は、図11及び図12に示すように、脚柱21の下部を支持するフーチング22と、このフーチング22の下部に設置した複数のコンクリート杭24と、これら各コンクリート杭24の上部と前記フーチング22との間に介在される鋼管ダンパー25とから主になる。
【0008】
当該鋼管ダンパー25は、前記杭24の上部内に上下方向に摺動可能にほぼ埋設状態で配置されて上端部が前記フーチング22内に突出挿入された鋼管26と、この鋼管26の上下を貫通して挿通配置され、上端が前記フーチング22内に定着されるとともに下端が前記鋼管26の下端部に定着された鋼材34とからなる。
【0009】
即ち、鋼管ダンパー25はフーチング22が上方に浮き上がると鋼材34を介して鋼管26が上方に向けて摺動移動して抜き出されるようになっている。そして、この際に鋼管26に作用する摺動抵抗(摩擦力)によって、鋼材34には緊張力が生じる一方、鋼管26には当該緊張力に相応した圧縮力が生じ、この圧縮力によって鋼管26が径方向外方に膨らみ、この膨らみによりコンクリート杭24との摺動抵抗、つまり機械的摩擦力は増大していくことになり、もって摩擦ダンパー25として有効に機能する。一方、フーチング22が落ち込む鋼管26の押込み時には、逆に鋼材34に圧縮力が生じて鋼管26には引っ張り力が生じることになり、これにより鋼管26は縮径されて摺動抵抗(機械的摩擦力)が減少するので、フーチング22はその着地が阻害されることがない。よって、地盤へのエネルギ逸散減衰効果を効率的に起こすことができる。また、フーチング22の水平方向への変位は鋼管26が受けてこれを規制する。したがって、フーチング22をロッキング部として、各鋼管26にロングストロークシェアキーとダンパーとの2つの機能をもたらすことができる。
【特許文献1】特開2003−232046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、フーチングが地盤に直接支持された支持杭を備えていない従来の直接基礎にあっては、上記鋼管ダンパーを設けて高耐震化を図ることができなかった。
【0011】
本発明は、以上の課題を解決するものであり、その目的とするところは、基礎杭を有さない直接基礎にあっても、そのフーチングのロッキング振動を許容しつつ、その浮き上がりを摩擦ダンパーとして機能する鋼管ダンパーで抑制して高耐震化を図ることができる、構造が簡単で安価な、ロッキング機能を有した直接基礎構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するために、本発明にかかるロッキング機能を有した直接基礎構造にあっては、脚柱の下部を支持する上部側フーチングの下側に下部側フーチングを設け、該下部側フーチングと上部側フーチングとの間に、該上部側フーチングの浮き上がりを抑制する鋼管ダンパーを介在させ、前記鋼管ダンパーは、下部が前記下部側フーチングの上部内に上下方向に摺動可能にほぼ埋設状態で配置されて上端部が前記上部側フーチング内に突出する鋼管と、該鋼管の上下を貫いて挿通され、上端部が前記上部側フーチング内に定着されるとともに下端が該鋼管の下端部に定着された鋼材とから構成することを特徴とする(請求項1)。
【0013】
ここで、前記鋼管の上端部外周には、該鋼管を該上部側フーチングの浮上がり方向に対して所定の遊びを有して定着させる定着手段を設けた構成となし得る(請求項2)。
【0014】
ことを特徴とする請求項1に記載のロッキング機能を有した直接基礎構造。
【0015】
また、前記鋼管の上半部内側にコンクリートを充填するとともに、該コンクリートの中心にシース管を配置し、該シース管を挿通させて前記鋼材を配設した構成となし得る(請求項3)。
【発明の効果】
【0016】
本発明によるロッキング機能を有した直接基礎構造によれば、基礎杭を有さない直接基礎にあっても、そのフーチングのロッキング振動を許容しつつ、その浮き上がりを摩擦ダンパーとして機能する鋼管ダンパーで抑制して高耐震化を図ることができ、当該高耐震性をもたらすための構造を簡単で安価に構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1(a),(b)は、本発明にかかるロッキング機能を有した直接基礎20の全体構成を示すものである。この直接基礎20のロッキング構造は、橋脚柱等の脚柱21の下部を支持する上部側フーチング22と、この上部側フーチング22の下部に設置した下部側フーチング23と、これら下部側フーチング23の上部と上部側フーチング22の下部との間に介在された複数の鋼管ダンパー25とから構成されている。なお、下部側フーチング23の上面には、各鋼管ダンパー25の周囲を取り囲んでゴム等からなる扁平リング状の弾性体18が設けられている。
【0019】
鋼管ダンパー25は、図2に拡大して示すように、有底円筒形の鋼管26を主体として構成されている。この鋼管26は下部側フーチング23の上部内に、上下方向に沿って摺動移動可能にほぼ埋設状態に配置されていて、その上端部は当該下部側フーチング23の上面から所定長上方に突出されている。また、前記上部側フーチング22には、上記鋼管26の上部突出端の外周を囲繞する第二の鋼管28が固定配置され、鋼管26と第二の鋼管28との間には所定の間隙が形成されて両者は縁切りされているとともに、第二の鋼管28を配置するために上部側フーチング22の下部に形成される凹部28Aの天井部と鋼管26の上端部との間には所定の間隙が形成されていて、鋼管26の上端部と上部側フーチング22との間には上下方向に所定量の遊びが設けられている。
【0020】
また、上記鋼管26の上半部内側には、コンクリート30が充填されるとともに、当該コンクリート30の中心部にシース管32が配置されている。そして、このシース管32内には鋼管26の上下を貫通するPC鋼棒34が挿通配置され、当該PC鋼棒34の下端は鋼管26の下端部の底板部 に定着材36を介して定着されるとともに、上端は上部側フーチング22内に定着材38を介して定着されて、鋼管ダンパー25が構成されるようになっている。
【0021】
即ち、この直接基礎20の構造にあっては、フーチングを上部側フーチング22と下部側フーチング23とに分割形成して、これら上部側フーチング22と下部側フーチング23との間に上記鋼管ダンパー25を介在させることによって、地震時には図1(b)に示すように、上部側フーチング22をロッキング部としてそのロッキング振動を許容しつつ、当該上部側フーチング22の浮き上がりと水平方向への変位を各鋼管ダンパー25で抑制するようになっており、各鋼管ダンパー25はロングストロークシェアキーとダンパーとの2つの機能を発揮し得るようになっていて、これらの機能をもたらすための素材構成およびその構造は、ともにきわめて簡素となっている。
【0022】
図3は、上記鋼管ダンパー25のシェアキーとしての設計思想を示すもので、地震時において、上部側フーチング22が浮上がるときにPC鋼棒34を介して鋼管26を引上げようとする力が作用すると仮定し、地震時の左右の水平変位モーメントをMとし、その時の上部側フーチング22の浮上がり量をDとすると、その垂直分力であるせん断力Sは、 S=2M/Dとなり、それ故M=0.5SDとなる。したがって、鋼管26の弾性設計としては、M>M(u:ultimate)となる鋼管を使用すればよいものとなる。
【0023】
また、図4は、前記鋼管ダンパー25を下部側フーチング上端ピンとして半剛結とする場合の設計思想を示すもので、上端モーメント≦Muであり、下部側フーチング上端が半剛結となる。なおM→0の場合は完全ピンである。
【0024】
そして、個々の鋼管の浮上がり量をDとすると、最も浮上がった側から負担せん断力が低下するため、個々の鋼管26に作用する剪断力Sの範囲は、S≦2M/D,D≦Dmaxとなる。
【0025】
また、Si=全せん断力/ダンパー本数とすると、個々の鋼管を弾性設計とした場合には、
Si≦S(=2M/Dmax)
また、弾塑性設計とした場合には、
Si≧S(=2M/Dmax)
が成立する。
【0026】
次に、上記鋼管ダンパー25が発揮する摩擦ダンパーとしての機能を、図5を用いて説明する。先ず、上部側フーチング22が浮上がる鋼管26の抜け出し時について述べる。 上部側フーチング22の浮き上がりの初期段階では、同図(a)に示すように、上部側フーチング22が所定量、例えば弾性体18の圧縮量分dだけ上昇するまで、鋼管26は静止している。つまり、このときにも鋼管26には、PC鋼棒34を介して上昇力が伝えられるが、鋼管26は下部側フーチング23のコンクリートとの摩擦力によって係止されているので、鋼棒34から伝えられる上昇力が静止摩擦力を上回るまで、鋼管26は静止したままの状態に保持されて、その上昇が規制されることになる。
【0027】
この際、上部側フーチング22の上昇に伴って、PC鋼棒34には引っ張り力(緊張力)が働き始める一方、鋼管26にはその反作用として圧縮力が働き始める。ここで、この圧縮力によって鋼管26はポアソン比に基づいて径方向に膨張し、当該膨張に伴って摩擦力も増加するが、その増加はまだ僅かであり、上部側フーチング22が所定量上昇した時点で、同図(b)に示すように、鋼管26も上昇し始めて下部側フーチング23から抜け出していく。
【0028】
さらに上部側フーチング22が上昇すると鋼管26も抜け出していくが、当該鋼管26は下部側フーチング23との摩擦力を受ける分だけ、その上昇量は上部側フーチング22の上昇量よりも小さくなり、この上昇量の差分(相対変位差)に応じてPC鋼棒34と鋼管26とにそれぞれ作用する引っ張り力と圧縮力とは増大していく。このため、同図(c)に示すように、鋼管26は特にそのコンクリート無充填の下半部の圧縮応力状態が高まって、当該部分のポアソン比による径方向への膨出が大きくなり、もって当該鋼管26と下部側フーチング23を構成するコンクリート間の摩擦力(減衰力)が増大していくことになり、可変摩擦ダンパーとして有効に機能することとなる。
【0029】
次に、上部側フーチング22が落下する鋼管26の押し込み時について述べる。この押込み時(下降時)には、同図(d)に示すように、まず、PC鋼棒34に働いている引っ張り力がなくなって当該PC鋼棒34が圧縮ストラットとして機能して所定の圧縮力が作用し、逆に、鋼管26に働いている圧縮力がなくなって所定の引っ張り力が作用するまで、当該鋼管26は下降せずに上部側フーチング22が沈む。
【0030】
つまり、鋼管26に作用する引っ張り力によって当該鋼管26は縮径変形を来たし、これにより下部側フーチング23との摩擦力が低下していくことになるが、当該摩擦力が鋼管26の下方への引っ張り力を下回ると、同図(e)に示すように、鋼管26が下降し始める。即ち、鋼管26の縮径により応力が解放され、ほぼ無応力に近くなって摩擦が減少する結果、スムーズに上部側フーチング22を沈降させることができる。
【0031】
以上のごとく、引き抜かれる時のみ鋼管26の膨張に応じたダンパーを利かせてエネルギーロスさせることで、浮上がり量を抑え、押込み時には、下部側フーチング23と上部側フーチング22との衝突を阻害させない構造となっている。そして、下部側フーチング23と上部側フーチング22との衝突により、地震力は下部側フーチング23を伝って地盤側に効果的に散逸される。
【0032】
図6は、他の実施の形態を示し、この実施の形態では、鋼管26にはその上部側フーチング22に対する突出端外周に上下複数段(本実施の形態では2段)のジベル40が水平方向に突出され、それぞれのジベル40が上部側フーチング22に形成された穴22B内を上下方向に若干の遊びをもって、上下動可能に配置されていて、鋼管26上端部の外周面は上部側フーチング22と縁切りされている。
【0033】
図7は、図6の実施の形態の作用を示している。この実施の形態の引き抜き時にあっては、図7(a)に示すように、上部側フーチング22が浮上がり始めた直後にPC鋼棒28が緊張され、これによって鋼管26が圧縮力を受けて径方向に膨らみ、摩擦力が増大する。そして、上記遊び分dだけ上部側フーチング22が上昇した以後は、同図(b)に示すように、穴22Bの下側面が鋼管26のジベル40に当接して、鋼管26を一緒に持ち上げて引き抜いていく。つまり、ジベル40が穴22Bの下側面に当接した時点で、PC鋼棒34の伸び変形は規制されて引っ張り力は増大しなくなり、もって鋼管26の圧縮力も増大しなくなり、鋼管26の膨れは一定に保たれてその摩擦力も一定になる。即ち、線形な減衰力が得られることになる。
【0034】
一方、押し込み時には、図7(c),(d)に示すように、上部側フーチング22が下降し始めると、その直後にあっては鋼管26は静止したまま上部側フーチング22が下降する。この降下の開始と同時にPC鋼棒34の引っ張り力と鋼管36の圧縮力とは減少してゆき、上記遊び分dを降下するまでの間に、それら引っ張り力と圧縮力は完全に除去されて鋼管26の膨らみもなくなる。そして、当該遊び分dを降下した以後は、ジベル40が穴22Bの上側面に当接して、鋼管26は上部側フーチングと一緒に下降され始める。
【0035】
図8は、さらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、鋼管26の上部側フーチング22に対する突出端外周に、当該突出端を囲繞する第二の鋼管40が配置され、第二の鋼管40の外周はジベル42を介して上部側フーチング22に結合され、鋼管26の頭部を上部側フーチング22に対して縁切りしている。この実施の形態においても、上部側フーチング22が浮き上がり始めた直後にPC鋼棒28が緊張され、これによって鋼管26が上部側フーチング22とともに上昇する。
【0036】
なお、以上の構造の他に、上部側フーチング22の浮上がり始め直後にPC鋼棒28が緊張し始める構造であって、鋼管26と下部側フーチング23との摩擦力よりも、鋼管26の頭部と上部側フーチング22との摩擦力の方が小さくて自由に上下に動けること、並びにシェアキーとしての機能を発現するために、鋼管頭部が回転しない構造を満足するならば、各種構造を採用することが可能である。
【0037】
また、本発明に用いられている鋼管ダンパーは、ロッキング振動により免震効果を期待する構造以外にも、例えば、鉄道等の高架橋の制振、橋梁の橋軸方向制振、斜張橋の桁に作用する横揺れ、ねじれの制振、免震橋の地震変位制御、アスペクト比が小さい扁平な建物の制振、カルバートの引張力低減等の、振動制御、変位制御手段として用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(a),(b)は本発明にかかるロッキング機能を有した直接基礎構造の全体構成および地震作用時における挙動を示す説明図である。
【図2】同ロッキング機能を有した直接基礎に採用された鋼管ダンパーの断面図である。
【図3】同鋼管ダンパーのシェアキーとしての設計思想を示す説明図である。
【図4】同鋼管ダンパーを下部側フーチング上端ピンとして半剛結とする場合の設計思想を示す説明図である。
【図5】(a)〜(e)は同鋼管ダンパーの挙動を示す説明図である。
【図6】鋼管ダンパーの他の実施の形態を示す断面図である。
【図7】(a)〜(d)は同他の実施の形態における鋼管ダンパーの挙動を示す説明図である。
【図8】鋼管ダンパーのさらに他の実施の形態を示す断面図である。
【図9】(a),(b)は従来のロッキング基礎の一例および地震作用時の挙動を示す全体説明図である。
【図10】従来のロッキング基礎の他の例を示す部分拡大図を含む全体説明図である。
【図11】従来の杭頭に鋼管ダンパーを用いたロッキング基礎構造の全体構成および地震作用時における挙動を示す説明図である。
【図12】図11のロッキング基礎に採用された鋼管ダンパーの断面図である。
【符号の説明】
【0039】
20 ロッキング基礎
21 橋脚柱
22 上部側フーチング
23 下部側フーチング
26 鋼管
28 第二の鋼管
30 コンクリート
32 シース管
34 PC鋼棒
36,38 定着部
40 遊び付ジベル(定着手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚柱の下部を支持する上部側フーチングの下側に下部側フーチングを設け、該下部側フーチングと上部側フーチングとの間に、該上部側フーチングの浮き上がりを抑制する鋼管ダンパーを介在させてなるロッキング機能を有する直接基礎構造であって、
前記鋼管ダンパーは、
下部が前記下部側フーチングの上部内に上下方向に摺動可能にほぼ埋設状態で配置されて上端部が前記上部側フーチング内に突出する鋼管と、
該鋼管の上下を貫いて挿通され、上端部が前記上部側フーチング内に定着されるとともに下端が該鋼管の下端部に定着された鋼材とからなる、
ことを特徴とするロッキング機能を有した直接基礎構造。
【請求項2】
前記鋼管の上端部外周に、該鋼管を該上部側フーチングの浮上がり方向に対して所定の遊びを有して定着させる定着手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のロッキング機能を有した直接基礎構造。
【請求項3】
前記鋼管の上半部内側にコンクリートを充填するとともに、該コンクリートの中心にシース管を配置し、該シース管を挿通させて前記鋼材を配設したことを特徴とする請求項1または2に記載のロッキング機能を有した直接基礎構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−2355(P2006−2355A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−176956(P2004−176956)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】