説明

ロックできる取り外し可能なカセット

【課題】ロックできる取り外し可能なカセットを提供する。
【解決手段】本発明は、カセットが、プラスチック殻および通貨アクセス扉を備える。カセットはまた、可撓性のハンドルおよび/または一体型のグリップを備えてもよい。また、カセットが、カセットの内容物を明らかにするために配置された開口および透明な窓のうちの少なくとも1つを備えてもよい。カセットはまた、非線形の駆動ギアを備える駆動手段を有することがある、スタッキング機構を備える。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、ゲーム機、自動販売機、現金自動預入支払機および類似物など、自動処理装置内で紙幣を保護するために使用するロックできる取り外し可能なカセットまたはキャッシュ・ボックスのための改良された構成および該カセットの装着方法に関する。
【0002】
現在のキャッシュ・ボックス製品には、一般的な操作にとって十分頑丈ではなく、コストが高いということを含めて、いくつかの欠陥がある。また、鍵を用いて通貨アクセス扉を開けることなく、満杯のキャッシュボックスを空のものと区別することは不可能である。従来型のキャッシュ・ボックスは、取り外しが可能になる前にラッチ動作が必要であり、また、このようなキャッシュ・ボックスは、キャッシュ・ボックスがホスト機内に正しく装着されなかったことを積極的に、または容易に認識できるように示してはくれない。
【0003】
(発明の概要)
本発明は、上記の欠点のすべてに対処する、本明細書に記載した改良を含むロックできる取り外し可能なカセットに関する。
【0004】
紙幣をスタックするための改良型の機構もまた記載されている。改良は、コンパクトな幾何形状で大きなストロークを達成するための手段、およびプッシャ・プレート機構上で有効な力をプッシャの伸長に応じて調節するための手段を有する。これによって、最適なコンパクト性および効率を達成することができる。
【0005】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面によって示した、以下に続く詳細な説明から明らかになるであろう。図面は必ずしも原寸に比例しているとは限らず、本発明の主題を示す際には、その代わりに強調がされている。
【0006】
様々な図面中での類似の参照番号は、様々な図面を通して類似の要素を示すものである。
【0007】
(詳細な説明)
図1は、シャーシ(2)と、取り外し式安全紙幣カセット(3)と、取り外し式紙幣鑑別機(6)とを備える紙幣処理機(1)を示している。シャーシ(2)は通常、取付けねじによってホスト機に確実に固定されており、したがって、通常動作中または典型的な修理中は、通常取り外されない。カセット(3)および鑑別機(6)は、互いに独立にシャーシ(2)から取り外すことができる。
【0008】
通常動作中、操作者が収容された銀行券などの支払媒体を引き出そうと望んだとき、取り外し式安全紙幣カセット(3)が取り外される。銀行券、手形、紙幣、証券書類、クーポンおよび類似の用語が、鑑別機内に挿入され、移送され、その後カセット内に収容されるかもしれない品目を示すことに留意されたい。
【0009】
図1は、操作者またはサービス員に提示したときの取り外し式安全紙幣カセット(3)の前面をほぼ示している。図でわかるように、可撓性のカセット・ハンドル(4)が、カセットを取り出している間、操作者の手首を垂直平面内に保持することができる好都合な人間工学的位置にある。ハンドル(4)の主要部分は、弾性材料から成型することができる。このことには、2つの重要な利点がある。このことは、頻繁にカセットを取り扱う環境で重要である快適性を操作者に提供する。ハンドルが偏向して、またはカセットに対して平らになって、ホスト機の一部である、キャッシュ・ボックス扉およびロック・アセンブリとの衝突を避けることもできる。以前のキャッシュ・ボックス製品は、折り畳み機構を使用して、コンパクトなカセット・ハンドルを達成していたが、このような機構は、かなり複雑であり、製造が困難で、その結果、コストが高く、人間工学的な利点が減少してしまう。上記の対処にもかかわらず、可撓性のハンドルを備えるカセットを受け入れることさえもできないホスト自動取引機が依然として存在している可能性がある。隙間のない、またはほとんどない、このような自動取引機では、カセット・ハンドル(4)が取り外されることがある。なお、カセットは、カセット本体の両側に作製された一体成形のカセット・グリップ(5)を用いて把持することができる。一体型のカセット・グリップ(5)は、射出成形部品内にコストなしで便利に実装され、操作者の指および手によって便利に把持することができる、くぼみを備える。また、一体型のグリップは、極めて耐久性があり、主カセット・ハンドル(4)が損傷した、または取り外された場合でさえも操作可能でありつづける。
【0010】
保持力に打ち勝つのに十分な引張力を、カセット・ハンドル(4)またはカセット・グリップ(5)上に作用させることによって、安全紙幣カセット(3)を取り外すことができる。図8および9を参照すると、保持力は、ラッチング傾斜(19)上のカセット・ラッチングばね(23)によって供給されている(図8でのラッチ傾斜の詳細、および図9でのカセット・エジェクタばねの位置を参照のこと)。図8、10および12を参照すると、いったん保持力に打ち勝つのに十分な力が操作者によって加えられると、エジェクタ突起(21)上のエジェクタばね(20)の動作によって、取り外し式安全紙幣カセット(3)が、この実施態様では操作者の方へ約2インチ移動する。ここで、図12は、取付けられたカセット(27)および排出されたカセット(28)の位置を示している。いったん排出されると、取り外し式安全紙幣カセット(3)は、さらなる抵抗なしにシャーシから滑らせて出すことができる。図10は、カセットばねがラッチ位置にある、取付けられたカセットの部分切断図であるが、図11は、非ラッチ位置にあるカセットばねを示している。
【0011】
通常の動作中、空のカセットが、取り外されたものと交換される。別のカセットの挿入もまた、簡単な方法で達成される。図9、10、および11を参照すると、取り外し式安全紙幣カセット(3)は、最初にシャーシのガイド・レール(26)でほぼ位置決めされ、その後、ラッチング傾斜(19)上でエジェクタばね(20)およびばね部材(16)の抵抗に打ち勝つのに十分な力およびストロークで、定位置に押し戻される。
【0012】
本実施態様では、挿入の試みが失敗した場合、エジェクタ(20)が、取り外し式安全紙幣カセット(3)を、図12の排出されたカセット(28)によって示すように約2インチだけ操作者の方へ押し戻すことになる。このことは、操作者に、動作が成功したか成功しなかったかということの、わかりやすい視覚的標示と触覚的フィードバックを与える。また、様々な自動取引機を含む多くの適用例では、取り外し式安全紙幣カセット(3)が排出位置にある状態で、自動取引機の外部パネルアクセス扉を閉じることが物理的に不可能であることがある。図12は、ラッチされた、または取付けられたカセット(27)と、ラッチされていない、または排出されたカセット(28)との間の、シャーシ(2)および紙幣鑑別機(6)に対する位置の違いを示している。
【0013】
取り外し式安全紙幣カセット(3)の構造を、ここでより詳細に説明する。カセット(3)は、成形プラスチック製で、単壁構造であってよい。図3は、カセット外殻アセンブリの実施態様の分解図である。図3を参照すると、外殻は、カセットの左半分(10)、カセット右半分(11)および通貨アクセス扉(7)を備える。カセットの2つの半分は、アセンブリの位置合わせと溶接を容易にするための舌部および溝の特徴を備えてもよい。適切な結合工程は、Ashland Chemical Companyの1部門である、EmaBondから商業的に入手可能なプラスチック溶接工程を使用してもよい。新規な態様は、この知られている工程を支払システムの分野に適用したことにある。溶接工程の簡単な概要が、図4〜6に示されており、ここでは情報提供の目的で提供されている。
【0014】
一実施態様では、ロックできる取り外し可能なカセット(3)のプラスチック殻の半分は、強化材料のインサートとともに成形されてもよい。外殻を弾力性の材料または柔軟な材料でオーバーモールドすることもまた企図されている。たとえば、カセットの左半分(10)およびカセットの右半分(11)は、最初に鋼の部分(強度用)を射出成形工具内に挿入し、次にその部分に沿ってプラスチックを成形することによって製造して、カセット外殻部片を形成してもよい。それに加えて、またはその代わりに、柔軟なゴムまたは類似のもののような、柔軟な弾力性の材料を、外殻の一部または全部の周りにオーバーモールドして、カセット(3)が衝撃をよりよく吸収できるようにすることができる。強度の付与または衝撃吸収の改善のために様々な材料が使用できること、およびこのような材料をカセットの一部または全体の構造に使用することができることを当業者には認識されよう。
【0015】
図4は、アセンブルする前の位置で示した、結合するべきカセットの2つの半分の一部分の分解図である。溶接する前に、溶接ヘッドまたは溶接材料(12)が挿入され、図5に示すように結合部内に挟まれる。溶接材料(12)は、通常カセットの左半分(10)およびカセットの右半分(11)と同じ熱可塑性材料製の可溶性のキャリアを含んでいる。また、溶接材料は、分散した形状の鉄の加熱材料を含んでいる。図5に示すような事前にアセンブルされた結合部は、次に強い高周波の場にかけられる。加熱剤によってこの場を吸収することによって、溶接材料が溶融し、両半分の間に熱溶接部を形成する。その後、図6に示すような剛性の状態にまで冷却するまで、完全に閉じた接合部にわずかな圧力が加えられる。このようにして、図3に示すような、耐久性のある単壁構造のカセット(3)が達成される。
【0016】
図2は、アクセス扉(7)が開位置にある、アセンブルされたカセット(3)の様々な構成部品を示している。特に、スタッキング機構(29)の一部が、紙幣区画(9)に隣接してカセット内に設置されているのを見ることができる。アクセス扉(7)は、従来はロック解除するために鍵(図示せず)が必要であるロッキング手段(8)を備える。取付けられたときに操作者に面する、底部部分の取り外し式安全紙幣カセット(3)の外殻内に1対の覗き窓(38)が設けられている。開口プレート(31)およびスタッカ機構(29)の紙幣チャネル・ハウジング(49)(スタッカの横断面図である図13を参照)用の透明な材料の使用を伴ったこれらの穴(38)によって、カセットが取付けられたとき、挿入された最後の紙幣または銀行券(46)の一部分を見ることが可能になる。このことは、操作者に2つの有用な利点を提供する。第1に、操作者が、取り外し式安全紙幣カセット(3)の中に書類があるか、空であるのかを容易に判定することができる。第2に、カセット(3)をシャーシ(2)から取り外すことなしに、挿入された最後の紙幣(46)の額面金額をめぐる顧客との論争を解決することが可能である。上記の機能は両方とも、取り外し式安全紙幣カセット(3)の通貨アクセス扉(7)のロック(8)を開けるための鍵へのアクセスが厳しく規制された状況で役に立つ。
【0017】
一般に、キャッシュ・ボックス内で紙幣を収納するための紙幣プッシャ・プレートおよびシザー装置を備えるスタッキング機構が、よく知られている。しかし、図16、17および18に示すように、本スタッキング機構(29)は、クランク・ピン(45)に取付けられた中央リンク・アーム(36)を用いてシザー・アーム(35)をアクティブ化する。このリンク機構の本質的な運動学的要素が、図14および図15に示されている。
【0018】
図14および図15を参照すると、クランク軸が固定中心(A)の周りで回転する。シザー機構の一方の端部が、固定点(B)の周りで枢動可能に取付けられている。シザー機構のもう一方の端部が、1方向のみの滑動自由度を有する枢支点によって(F)で枠に接続されている。リンク・アーム(C)が、枢支点(G)でクランク軸をシザーに接続している。従来技術のシステムでは、点(G)と(F)を一致させることが通常である。しかし、本実施態様は、小さな高さで最大のシザー・ストロークを得、高さは、主にクランク機構の半径によって制約される。特に、点(G)と(F)の間のずれを使用することによって、シザー・ストロークをいくらか増幅することができ、低減された厚さと、コンパクトなスタッキング機構(29)が得られる。図15を参照すると、クランク軸が回転して、リンク・アーム(C)を図中で左に引張ると、シザー・アームは広げられて、シザー間の角度(D)が減少し、交差点(E)が、紙幣区画のほうへ移動し、紙幣を収納するためのプッシャ・プレートを移動させる。プッシャ・プレートおよび開口プレートを用いて紙幣をスタックする技術は、よく知られており、ここで詳細に議論はしない。
【0019】
コンパクトなスタッカ(29)装置の単純さは(図16A参照)、システムの機械的効率での妥協という結果になる。機構が、図16Aおよび16Bに示すような引き込まれた位置に近いとき、動作を開始させるためには、極めて大きな力を中央リンク・アーム(36)に加えなければならない。この力は、図13の横断面図に示すように、シザー・アーム(35)を介して紙幣プッシャ・プレート(32)上に圧力を作用させ、紙幣(46)を紙幣チャネル(30)から剥離して、開口プレート(31)を通って、図7に示すような紙幣区画(9)に入れるために必要である。逆に、スタッキング機構(29)が、図18Aおよび18Bに示す完全に延びた位置に近いとき、はるかに大きな有利な力が存在することがわかるであろう。
【0020】
原動機がストロークの最初に十分であるに十分なトルクの仕様である場合、特に取り外し式安全紙幣カセット(3)が通貨で満杯のとき、完全に延びた位置で過度に大きな力が発生することがある。この状況を改善するために、最終ギア対(図18の詳細Hに示されている)が、カスタム部品から作られており、非円形の駆動ギア(33)および非円形の駆動されるギア(34)を備える。これらのギアは、ギアが回転するにつれて、作動半径が角度とともに変化するような形状を有する。ギアは、合成した作動半径が、どんな所与の入力角に対しても一定の値になるような相補対として設計されている。ギアの形状は、最大トルク要求の点で最大の減速比が達成されるように選択されている。それに応じて、過度の推力が問題になることがある、図18Aおよび18Bに示すような完全に延ばされた位置の近くで、最大の速度増加が生じる。この例では、ギアが連続的に回転することが可能であるように形状が選択されている。機構への入力駆動が、完全サイクルの一部として反転される場合、他のギア形状を採用してもよい。
【0021】
現在の紙幣受入機は、スタッキング機構内で紙幣を移送するためにベルトを使用している。別の構成は、単純な平歯車によって便利に接続することができる駆動ホイールのシステムを使用している。
【0022】
図19は、スタッカ機構の部分断面を示している。駆動ホイール・アセンブリ(39)が中間駆動ギア(40)と交互になって、ベルトのない駆動システムを形成している。図7および19を参照すると、紙幣は、紙幣鑑別機(6)から一般に下方向に、スタッカ(29)へ移送され、そこで、駆動ホイール・アセンブリ(39)によって把持される。ベルト移送に比べて、ベルトのない駆動システムで要求される材料の撓み(deflection)がより小さいので、機械的な効率および耐久性もまた改善される。シャフトの小さな心ずれによって、ベルトのガイド・プーリからの脱輪が生じる、ベルト・トラッキングの問題も、同様に取り除かれる。
【0023】
図20および21はそれぞれ、ギアおよびタイヤ・アセンブリ、およびギアおよびタイヤ・アセンブリの分解図を示している。製造コストを最小化するために、可撓性のタイヤ材料が、ギアおよびハブの周りに成形される。これも、アセタールやナイロンなどのかなり剛性のプラスチック樹脂を用いた射出成形品である。この構成の利点は、タイヤのホイールへのアセンブリがなくなり、構成部品の幾何形状が容易にタイヤの滑りおよび分離を防ぐための特徴を備えることができることである。
【0024】
図19は、スタッカの部分断面であり、平歯車列がどのようにして駆動ローラ群とリンクするかを示す切断図である。図20は、駆動ホイールの最終的な形状を示している。図21は、ベースの射出成形されたギアおよびハブの形状、およびその周りに形成された「セカンドショット」のタイヤ部品を示している。移送タイヤとギアが、それによって、「ツーショット」成形工程で結合される。「ツーショット」成形工程は知られており、たとえば、「Modern Plastics Encyclopedia」Volume63、Number 10A、pages 252−265および340−346(1986年10月)に記載されている。
【0025】
図3に示す通貨アクセス扉(7)は、溶接されたアセンブリと位置合わせして、圧入ヒンジ・ピン(図示せず)を挿入することによってカセットにアセンブルされる。圧入ヒンジ・ピンが確実に端部を閉じられたポケット内に押し込まれ、外側表面が準面(sub−flush)で隠れたいたずらを困難にすることを確実にすることによって、安全性レベルが提供される。
【0026】
図22を参照すると、通貨アクセス扉(7)の設計もまた、ヒンジ・ピンが完全に取り外されたときでさえも、扉が開くのを防ぐという新規な特徴を組み入れている。扉の形状がロッキング・リブ(43)を含んでいることを図22で見ることができる。この特徴は、反対側の扉(図22で隠れている)にも同様に複写される。このロッキング・リブ(43)の形状は、まず約90度回転させないと、扉をカセット本体から取り外すことができないようにしてヒンジ・ボス(44)と係合している。図23は、どのようにしてアイテム(43)および(44)が互錠(interlock)しているかを示す切断図である。カセットの通常動作では、図2に示されているアクセス・ロック(8)が、ロックされた位置にあるとき、扉の回転を妨げる。
【0027】
代替実施形態では、1対のヒンジ・ピンが使用されている。1つのピンがカセットのそれぞれの側から挿入されている。図24に示す別の代替実施態様では、ヒンジ・ピンは、一端または両端がオービタル・リベット締めによって形成されてもよい。例えば、一端が予備成形されたピン(48)をヒンジ・アセンブリ内に挿入し、その後、材料の永久的な変形によって、例えばオービタル・リベット締めによって、ヘッドを形成してもよい。それぞれの場合の結果、ヒンジ・ピンを取り外したときでさえも、扉が固定されたままになるということになる。
【0028】
図25は、結合されたカセットおよびスタッカ・ホーム・センサ構成(60)の実施態様を示している。この実施態様は、スタッカ・ホーム・センサとカセット存在センサの機能を1つのシステム内で結合しており、このような構成はコストを節約する。電気的な接続を除去することによって信頼性を改善する、光センサ装置が示されている。
【0029】
図25を参照すると、光源(48)が、取り外し式紙幣鑑別機(6)の部品であるプリント回路基板(PCB)(52)に取付けられている(図7を参照)。光線が、一連の光パイプ成形品(49aおよび49b)に沿って方向付けられている。これらの成形品の上側のペア(49a)は、取り外し式紙幣鑑別機(6)内に取付けられている。下側のペア(49b)は、取り外し式安全紙幣カセット(3)内に取付けられている(図7参照)。光源(48)から光受信機(51)への光路は、移動可能な紙幣プッシャ・プレート(32)上に取付けられたプリズム(50)によって完成される。このような構成では、取り外し式安全紙幣カセット(3)が存在し、紙幣プッシャ・プレート(32)が図25および図16a、16bに示す、休止または「定」位置にあるとき、光受信機(51)のみが信号を受信する。
【0030】
通常動作中、制御システムが、図16、17および18に関して上記で議論したようなスタッキング機構を駆動するための信号を送信する。スタッキング機構のシザー・アーム(35)が、定位置から延びると、光受信機(51)からの信号出力が急速にゼロに落ちる。スタッカ機構が1つの完全サイクルを完了したとき、移動可能な紙幣プッシャ・プレート(32)がその元位置または定位置へ戻り(図16aおよび16bに示す)、正の信号が再び光受信機(51)で捉えられる。この信号を感知すると、制御システムはスタッカ・モータを停止し、ユニットは次の書類を待機する。スタッキング動作の開始後、指定された時間帯(time window)内に光受信機(51)が信号をとらえない場合、制御システムはスタッカ・モータを停止し、「カセット・フル(Cassette Full)」メッセージをホスト機に送信することになる。
【0031】
光受信機(51)からの信号レベルが、スタッキング機構を駆動する命令なしに低レベルへ落ちた場合、制御システムは、取り外し式安全紙幣カセット(3)が取り除かれたと仮定することになり、この結果に対するメッセージがホスト機へ送信される。同じ(または別の)取り外し式安全紙幣カセット(3)が、シャーシ(2)内に再取付けされると、信号が光受信機(51)に戻され、紙幣処理機(1)が通常使用状態に戻る。
【0032】
制御システムは、スタッカ機構の試運転を行うことによって、正規の取り外し式安全紙幣カセット(3)が取付けられたことを確認するための追加のチェックを行ってもよい。光受信機(51)からの信号が、完全なスタッキング・シーケンスまたはサイクルを表す、特徴的な一連の信号遷移を示す場合、純正の取り外し式安全紙幣カセット(3)が存在していると考えられる。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態が説明されてきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができることを理解されたい。したがって、他の実施形態は、上記の請求項の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明によるカセットを取付けられた紙幣処理機の等角投影図である。
【図2】開位置にある現金アクセス扉を示す、受入機から取り外されたロック可能なカセットの等角投影図である。
【図3】2つの半殻および固定されたロック可能な扉から、本発明によるカバーがどのように形成されているかを示す、カセット・アセンブリの分解図である。
【図4】溶接を行う前の、溶接継ぎ手の横断面詳細図である。
【図5】接合する直前の図4の溶接継ぎ手の横断面詳細図である。
【図6】接合した後の溶接継ぎ手の横断面詳細図である。
【図7】紙幣の通路の一般的な配置を示す、紙幣受入機の横断面図である。
【図8】導入ガイド溝およびラッチ傾斜を示す、カセットの詳細図である。
【図9】カセット導入ガイド溝およびばねを示す、シャーシの詳細図である。
【図10】ラッチ位置にあるカセット用のばねを示す、簡略図である。
【図11】非ラッチ位置にあるカセットおよび保持ばねの簡略図である。
【図12】ラッチ位置、および非ラッチ位置にあるカセットを示す、紙幣受入機の側部立面図である。
【図13】スタッカ機構内の紙幣の通路の横断面図である。
【図14】引き込まれた位置にあるスタッカ機構の運動学的ダイヤグラムである。
【図15】延ばされた位置にある図14と同じスタッカ機構の運動学的ダイヤグラムである。
【図16A】完全に引き込まれた位置にあるスタッカ機構の等角投影図である。
【図16B】完全に引き込まれた位置にあるスタッカ機構の詳細図である。
【図17】非円形のギアが、クランク・ピンを介してどのようにシザー機構と接続されているかを示す代替図である。
【図18A】完全に延ばされた位置にあるスタッカ機構の等角投影図である。
【図18B】完全に延ばされた位置にあるスタッカ機構の詳細図である。
【図19】移送ローラおよび付属の駆動ギアが見える、等角投影図での、スタッキング・ユニットの部分横断面図である。
【図20】ギア歯を一体成型タイヤと結合する駆動ホイールの形状を示す図である。
【図21】タイヤがギア・ハブ上に形成されており、ギア・ハブにアセンブルされていない、図20の駆動ホイール・アセンブリの構成部品の形状を示す図である。
【図22】カセットのヒンジ設計の詳細図である。
【図23】扉がどのようにしてカセット殻と互錠するかを示すカセット・ヒンジの切断断面図である。
【図24】オービタル・リベット締めを用いてヒンジを固定する代替方法を示す図である。
【図25】結合されたカセットおよびスタッカの定位置センサ構成の実装を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック可能で取り外し可能なカセットを含む紙幣処理装置であって、

該カセットをシャーシに装填する際に該カセットを導くガイド手段、及び

該カセットが該シャーシに装填された際に該カセットを該シャーシに係合するラッチ手段とを含み、

該ラッチ手段は該カセットの対向する第1と第2の外表面の各々にそれぞれの突起を有し、第1の外表面における該突起は該カセットから外方向であって該第2の外表面における突起の突出方向とは反対方向に突出しており、及び

該カセットが装填の際に固定的に係合されないとき、偏倚手段が該シャーシから該カセットを離脱させるよう作用しており、そして該カセットを保持している力以上の力で該シャーシから該カセットを引張ることにより、該カセットの該シャーシへの固定的係合が解放されている、紙幣処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16A】
image rotate

【図16B】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18A】
image rotate

【図18B】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2008−97642(P2008−97642A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319937(P2007−319937)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【分割の表示】特願2002−536975(P2002−536975)の分割
【原出願日】平成13年10月17日(2001.10.17)
【出願人】(506258187)エムイーアイ インコーポレーテッド (27)
【Fターム(参考)】