説明

ロボット制御インターフェイスの動的最適化のための方法

【課題】コントローラ内にデータを入力し、かつ/またはロボットシステムを制御するための制御インターフェイスを、人間−機械インターフェイスデバイス上に表示すること。
【解決手段】表示される制御インターフェイスの特定の構成は、実施される作業、ロボットシステムの性能、人間−機械インターフェイスデバイスの性能、およびユーザの専門知識のレベルに基づく。制御インターフェイスの特定の構成は、上記の基準に基づいて、ユーザとロボットシステムの間の相互作用を最適化するように設計される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府の助成を受けた研究開発に関する記載
[0001]本発明は、NASA Space Act Agreement number SAA−AT−07−003による政府の支援の下でなされた。本明細書に記載される発明は、米国政府の(換言すれば、非商業的な)目的のために、ロイヤリティの支払いなしに、米国政府によりまたは米国政府のために製造および使用され得る。
【0002】
[0002]本発明は、一般にロボットシステムの制御に関し、より詳細には、器用なロボット機械と人間−機械インターフェイスデバイス間の制御インターフェイスを最適化する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]ロボットは、一連のリンクを介して物体を操作するために使用され得る、電気−機械デバイスである。リンクは、関節接合またはアクチュエータ駆動のロボット関節により相互接続される。典型的なロボット内の各関節は、独立制御変数または自由度(DOF)を表す。エンドエフェクタは、作業工具を把持する、あるいは物体に作用するなど、所与の課業を実施するために使用される特定のリンクである。ロボットの様々なDOFによるロボットの正確な運動制御は、作業レベルすなわち、物体レベル制御、換言すればロボットの単一の把持または協働的な把持で保持される物体の挙動を制御する能力、エンドエフェクタ制御、および関節レベル制御によって編成されて良い。まとめると、様々な制御レベルが協働し、要求されるロボットの器用さおよび課業に関連する機能性を達成する。
【0004】
[0004]ロボットシステムは、ロボットの動作を制御するために、制御され、かつ/またはプログラムされなければならない、多くの構成パラメータを含む。人間−機械インターフェイスデバイスは、これらの様々な構成パラメータを入力および/または管理するため使用される。しかし、ロボットシステムの複雑さが増加するにつれて、構成パラメータの複雑さおよび数も増加する。例えば、従来型の工業用ロボットアームは6DOFを含む場合があり、通常のティーチペンダントで制御され得る。しかし、人型ロボットは、42以上の自由度を含む場合がある。そのような人型ロボットを制御および/またはプログラムするため要求される構成パラメータは、入手可能なティーチペンダントの性能を超えている。ロボットシステムは、人間−機械インターフェイスデバイス上に表示される制御インターフェイスを介して、これらの構成パラメータをユーザに提示する。ユーザに多数の構成パラメータを提示するには、複雑なインターフェイスを必要とするが、構成パラメータの多くは特定のユーザの作業に必要でない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]機械の制御を最適化する方法が提供される。方法は、人間−機械インターフェイスデバイスを機械に接続するステップ、および実施される作業を選択するステップを含む。機械の性能および人間−機械インターフェイスデバイスの性能が識別され、事前定義された制御インターフェイスが表示される。表示される事前定義された制御インターフェイスは、実施される選択された作業、人間−機械インターフェイスデバイスの識別された性能、および機械の識別された性能に基づく。事前定義された制御インターフェイスは、機械の制御を最適化するため、上の基準に基づいて選ばれる。
【0006】
[0006]ロボット機械を制御する方法も提供される。方法は、複数の制御インターフェイスを定義するステップを含む。複数の制御インターフェイスのそれぞれは、実施される特定の作業用に、ユーザの専門知識の特定のレベル用に、およびロボット機械および人間−機械インターフェイスデバイスの特定の性能用に、ユーザと人間−機械インターフェイスデバイスとの間の相互作用を最適化するように構成される。人間−機械インターフェイスデバイスは、機械に接続される。ロボット機械を操作するための専門知識の事前設定レベルを有する許可されたユーザが、認証される。実施される作業が選択される。機械の性能および人間−機械インターフェイスデバイスの性能が識別され、複数の制御インターフェイスのうちの1つが、実施される選択された作業、人間−機械インターフェイスデバイスの識別された性能、機械の識別された性能、ロボット機械を操作するためのユーザの専門知識のレベルに基づいて表示される。
【0007】
[0007]ロボットシステムも提供される。ロボットシステムは、複数のロボット関節、ロボット関節を動かすために構成されるアクチュエータ、およびロボット関節のうちの1つに対応する性能を測定し、かつ性能をセンサ信号として送信するよう構成されるセンサを有する器用なロボットを含む。コントローラが、器用なロボットに結合される。コントローラは、器用なロボットの動作を制御するよう構成される。人間−機械インターフェイスデバイスがコントローラに結合され、人間−機械インターフェイスデバイスは、コントローラ内にデータを入力するためコントローラとインターフェイスするよう構成され、器用なロボットの動作を制御する。コントローラは、最適化された制御インターフェイスモジュールを含む、コンピュータが実行可能な命令が記録される有形の非一過性メモリ、およびプロセッサを含む。プロセッサは、最適化された制御インターフェイスモジュールを実行するよう構成される。最適化された制御インターフェイスモジュールは、器用なロボットの性能を識別するステップ、人間−機械インターフェイスデバイスの性能を識別するステップ、器用なロボットの許可されたユーザを認証するステップ、および人間−機械インターフェイスデバイス上に事前定義された制御インターフェイスを表示するステップを含む。許可された各ユーザは、器用なロボットを操作するための専門知識の事前設定レベルを含み、事前定義された制御インターフェイスを人間−機械インターフェイスデバイス上に表示するステップは、実施される選択された作業、人間−機械インターフェイスデバイスの識別された性能、機械の識別された性能、ロボット機械を操作するためのユーザの専門知識のレベルに基づく。
【0008】
[0008]したがって、人間−機械インターフェイスデバイス上に表示される制御インターフェイスは、特定の状況用に最適化され、制御インターフェイスの複雑さを減少し、機械の制御の効率を増加する。表示される制御インターフェイスは、実施される特定の作業に必要な制御パラメータのみを提示し、作業に要求されない、または現在認証されたユーザの専門知識のレベルを超える制御パラメータを隠す。
【0009】
[0009]本発明の、上の特徴および利点ならびに他の特徴および利点は、添付の図面に関して解釈されるとき、本発明を実行するための最良の形態の、以下の詳細な説明から、容易に明らかになる。
【0010】
本発明は、機械の制御を最適化する方法であって、人間−機械インターフェイスデバイスを前記機械に接続するステップと、実施される作業を選択するステップと、前記機械の性能および前記人間−機械インターフェイスデバイスの性能を識別するステップと、実施される前記選択された作業、前記人間−機械インターフェイスデバイスの前記識別された性能、および前記機械の前記識別された性能に基づいて事前定義された制御インターフェイスを表示し、前記機械の前記制御を最適化するステップとを含む。
【0011】
この場合において、実施される作業を選択するステップは、前記機械が実施する新規の動作を開発するステップ、既存の動作を調整するステップ、または既存の動作の再生を制御するステップを含む一群の作業から作業を選択するステップを含んでもよい。前記機械の前記性能を識別するステップは、前記機械の自由度の総数、前記機械の移動の速度、前記機械のセンサ、または前記機械の利用可能な動作モードを識別するステップを含んでもよい。前記人間−機械インターフェイスデバイスの性能を識別するステップは、視覚ディスプレイ性能、入出力性能、音声性能、画面ディスプレイサイズまたは画面解像度を識別するステップを含んでもよい。複数の制御インターフェイスを定義するステップであって、前記複数の制御インターフェイスのそれぞれは、実施される特定の作業用、および前記機械および前記人間−機械インターフェイスデバイスの特定の性能用に、ユーザと前記人間−機械インターフェイスデバイスとの間の相互作用を最適化するように構成された、ステップをさらに含んでもよい。前記事前定義された制御インターフェイスを表示するステップの前に、許可されたユーザを認証するステップをさらに含んでもよい。前記人間−機械インターフェイスデバイスの各ユーザ用にユーザアカウントを確立するステップをさらに含んでもよい。各ユーザアカウント用に専門知識のレベルを定義するステップをさらに含んでもよい。実施される前記選択された作業、前記人間−機械インターフェイスデバイスの前記識別された性能、および前記機械の前記識別された性能に基づいて事前定義された制御インターフェイスを表示するステップは、前記認証されたユーザの専門知識の前記レベルに基づいて前記事前定義された制御インターフェイスを表示するステップをさらに含んでもよい。複数の制御インターフェイスを定義するステップであって、前記複数の制御インターフェイスのそれぞれは、実施される特定の作業用、前記機械および前記人間−機械インターフェイスデバイスの前記特定の性能用、および前記認証されたユーザの専門知識の前記レベル用に、ユーザと前記人間−機械インターフェイスデバイスとの間の相互作用を最適化するように構成された、ステップをさらに含んでもよい。前記機械は、複数のロボット関節、前記ロボット関節を動かすために構成されるアクチュエータ、およびロボット関節のうちの1つに対応する性能を測定するよう構成されたセンサを有する器用なロボットを含んでもよい。
【0012】
また、本発明は、ロボット機械を制御する方法であって、複数の制御インターフェイスを定義するステップであって、前記複数の制御インターフェイスのそれぞれは、実施される特定の作業用、ユーザの専門知識の特定のレベル用に、および前記機械および人間−機械インターフェイスデバイスの特定の性能用に、前記ユーザと前記人間−機械インターフェイスデバイスとの間の相互作用を最適化するように構成された、ステップと、前記人間−機械インターフェイスデバイスを前記機械に接続するステップと、前記ロボット機械を操作するための専門知識の事前設定レベルを有する許可されたユーザを認証するステップと、実施される作業を選択するステップと、前記機械の前記性能、および前記人間−機械インターフェイスデバイスの前記性能を識別するステップと、前記複数の事前定義された制御インターフェイスのうちの1つを、実施される前記選択された作業、前記人間−機械インターフェイスデバイスの前記識別された性能、前記機械の前記識別された性能、前記ロボット機械を操作する際の前記ユーザの専門知識の前記レベルに基づいて表示するステップとを含む。
【0013】
この場合において、実施される作業を選択するステップは、前記機械が実施する新規の動作を開発するステップ、既存の動作を調整するステップ、または既存の動作の再生を制御するステップを含む一群の作業から作業を選択するステップを含んでもよい。前記機械の前記性能を識別するステップが、前記機械の自由度の総数、前記機械の移動の速度、前記機械のセンサ、または前記機械の利用可能な動作モードを識別するステップを含んでもよい。前記人間−機械インターフェイスデバイスの前記性能を識別するステップは、視覚ディスプレイ性能、入出力性能、音声性能、画面ディスプレイサイズまたは画面解像度を識別するステップを含んでもよい。前記ロボット機械は、複数のロボット関節、前記ロボット関節を動かすために構成されたアクチュエータ、および前記ロボット関節のうちの1つに対応する性能を測定するよう構成されたセンサを有する器用なロボットを含んでもよい。
【0014】
さらに、本発明は、複数のロボット関節、前記ロボット関節を動かすために構成されたアクチュエータ、および前記ロボット関節のうちの1つに対応する性能を測定し、かつ前記性能をセンサ信号として送信するよう構成されたセンサを有する器用なロボットと、前記器用なロボットに結合され、前記器用なロボットの動作を制御するよう構成されたコントローラと、前記コントローラに結合され、前記コントローラ内にデータを入力するため前記コントローラとインターフェイスするよう構成され、前記器用なロボットの前記動作を制御する、人間−機械インターフェイスデバイスとを備え、前記コントローラは、最適化された制御インターフェイスモジュールを含む、コンピュータが実行可能な命令が記録された有形の非一過性メモリ、および前記最適化された制御インターフェイスモジュールを実行するよう構成されたプロセッサを含み、前記最適化された制御インターフェイスモジュールは、前記器用なロボットの前記性能を識別するステップ、前記人間−機械インターフェイスデバイスの前記性能を識別するステップ、前記器用なロボットの許可されたユーザを認証するステップであって、各許可されたユーザが前記器用なロボットを操作するための専門知識の事前設定レベルを含むステップ、および実施される選択された作業、前記人間−機械インターフェイスデバイスの前記識別された性能、前記機械の前記識別された性能、前記ユーザの前記ロボット機械を操作するための専門知識の前記レベルに基づいて、前記人間−機械インターフェイスデバイス上に事前定義された制御インターフェイスを表示するステップのために構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】[0010]コントローラおよび人間−機械インターフェイスデバイスを有するロボットシステムの概略図である。
【図2】[0011]人間−機械インターフェイスデバイス上に表示される制御インターフェイスを最適化する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0012]図面を参照すると、複数の図にわたって、同じ参照番号は、同一の構成要素または同様の構成要素を意味しており、例示的なロボットシステム10が図1に示されている。ロボットシステム10は、器用なロボット110、コントローラ24、および人間−機械インターフェイスデバイス48などの機械を含む。コントローラ24は、ロボットが所与の課業またはシーケンスを実行するとき、ロボット110の挙動を制御するよう構成される。コントローラ24は、ユーザが人間−機械インターフェイスデバイス48を介してコントローラの中に入力した、情報および/またはデータを使用して生成される状態分類データを使用することによって、部分的に、上記を行う。
【0017】
[0013]図1に示されるロボット110は、1つの可能な実施形態では、人型として構成され得る。ロボット110と人間の使用または制御が特に意図される任意のデバイスまたはシステムの間で、直接の相互作用が要求される場合、人型を使用することが、有利な場合がある。そのようなロボットは、典型的には、要求される課業に依存して、完全な本体、または胴体、腕、および/または手の形で、おおよその人間の構造または外観を有する。
【0018】
[0014]ロボット110は、限定するものではないが、肩関節(全体として矢印Aにより示される)、肘関節(矢印B)、手首関節(矢印C)、首関節(矢印D)、および腰関節(矢印E)、ならびに各ロボットの指19の指骨間に配置される様々な指関節(矢印F)など、複数の、独立して可動な応従するロボット関節および相互に依存し合って可動な応従するロボット関節を含むことができる。各ロボット関節は、1または複数の自由度(DOF)を有することができる。
【0019】
[0015]例えば、肩関節(矢印A)、肘関節(矢印B)、および手首関節(矢印C)などの、特定の関節は、上下動および回転の形で、少なくとも2DOFを有することができる。同様に、首関節(矢印D)は少なくとも3DOFを有して良く、一方、腰および手首(それぞれ矢印Eおよび矢印C)は、1または複数のDOFを有して良い。作業の複雑さのレベルに依存して、ロボット110は、図1に示す例示的な実施形態で可能であるように、42を超えるDOFを持って動くことができる。そのような多い数のDOFが、器用なロボットの特徴であり、例えば指19および手18における人間同様のレベルの器用さに関して、本明細書で使用されるように、器用なロボットとは、人間同様のレベルの器用さを有するロボットを意味する。
【0020】
[0016]図が見やすいように図1には示されていないが、各ロボット関節は、1つまたは複数の関節アクチュエータ、例えばモータ、線形アクチュエータ、回転型アクチュエータ、電気制御型拮抗腱などを含んで駆動される。各関節は1つまたは複数のセンサ29も含むが、簡単のため、図1では単に肩および肘センサが示される。センサ29は、コントローラ24にセンサ信号(矢印22)を測定して送信し、コントローラ24でセンサ信号はコンピュータ可読メモリ25に記録され、それぞれのロボット関節の性能の監視および/または追跡に使用される。
【0021】
[0017]人型として構成されるとき、ロボット110は、頭部12、胴体14、腰15、腕16、手18、指19、および母指21を含むことができる。ロボット110は、ロボット110の特定の適用または意図される使用に応じて、脚、接地面、または別の可動もしくは固定基体など、作業に好適な固定具または基体(図示せず)も含むことができる。例えば、胴体14に担持されるまたは着用される再充電可能な電池パックまたは別の好適なエネルギー源といった電源13が、ロボット110に対して一体に取り付けられて良く、ロボット110の中で使用される任意の電気駆動アクチュエータに電力供給するため、様々な関節に十分な電気エネルギーを提供するよう使用されて良い。電源13は、1組の電力制御信号およびフィードバック信号(矢印27)を介して制御され得る。
【0022】
[0018]図1をさらに参照して、コントローラ24は、閉ループか開ループかに関係なく、制御信号およびフィードバック信号(矢印11)を介して、ロボット110の様々な一体型のシステム構成要素にわたって、正確な動きおよびシステムレベル制御を実現する。そのような構成要素としては、1つまたは複数の手18の指19および母指21により把持される物体20を操作するため必要な、細かい動きおよび全体の動きにわたる制御を含む、ロボット110の挙動にわたる正確な制御を確立するため使用される、様々な応従する関節、リレー、レーザ、光、電磁クランプ、および/または他の構成要素を挙げることができる。コントローラ24は、各ロボット関節を、他の関節から分離して制御し、かつ、より複雑な課業を実施する際には、複数の関節の動作を完全に協調するように構成される。
【0023】
[0019]コントローラ24は、それぞれが1つまたは複数のプロセッサ17、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的プログラム可能読取り専用メモリ(EPROM)、光学ドライブ、磁気ドライブなど、高速クロック、アナログデジタル(A/D)回路、デジタルアナログ(D/A)回路、および任意の要求される入出力(I/O)回路、I/Oデバイス、および通信インターフェイス、ならびに信号調整および緩衝電子機器を有する、1つまたは複数のデジタルコンピュータまたはホストマシンとして具体化され得る。
【0024】
[0020]コンピュータ可読メモリ25は、データまたはコンピュータ可読命令を提供することに関与する、任意の非一過性/有形媒体を含むことができる。メモリ25は、不揮発性または揮発性であって良い。不揮発性媒体としては、例えば光学ディスクまたは磁気ディスクおよび他の永続的なメモリを挙げることができる。例示の揮発性媒体としては、メインメモリを構成することができる、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を挙げることができる。メモリ25の実施形態の他の例としては、フロッピー、フレキシブルディスク、またはハードディスク、磁気テープまたは他の磁気媒体、CD−ROM、DVD、および/または任意の他の光学媒体、ならびにフラッシュメモリなど他の可能なメモリデバイスを挙げられる。
【0025】
[0021]人間−機械インターフェイスデバイス48は、コントローラ24と結合され、コントローラ24とインターフェイスして、ロボット機械の動作を制御するため使用される、データすなわち構成パラメータをコントローラ24内に入力する(矢印50)。人間−機械インターフェイスデバイス48としては、限定するものではないが、標準的な工業用ロボットコントローラ24、タブレット、電子手帳またはラップトップコンピュータ、マウス、キーボードなどを有するデスクトップコンピュータ、または何らかの、他の同様のデバイスを挙げることができる。人間−機械インターフェイスデバイス48の具体的な構成は、しばしば、実施される作業の種類によって決定される。例えば、ユーザが全く新規の動作をプログラムする場合、ユーザは、人間−機械インターフェイスデバイス48として、デスクトップコンピュータまたは他の同様のデバイスを使用することができる。ユーザが既存の動作を調整および/またはデバッグする場合、ユーザは、ノートブックコンピュータを使用することができる。ユーザが既存の動作を単に再生する場合、標準的な工業用ロボットコントローラ24が使用され得る。人間−機械インターフェイスデバイスが制御インターフェイスを提示または表示し、制御インターフェイスを介して、ユーザがコントローラ24内にデータ情報を入力する。
【0026】
[0022]コントローラ24は、最適化された制御インターフェイスモジュール52を含む、コンピュータ実行可能命令が記録される、有形の非一過性メモリ25を含む。コントローラ24のプロセッサ17は、最適化された制御インターフェイスモジュール52を実行するよう構成される。最適化された制御インターフェイスモジュール52は、機械を制御するために、人間−機械インターフェイスデバイス48の制御インターフェイスを最適化する方法を実装する。上述したように、機械としては、限定するものではないが、本明細書に示され記載される器用なロボット110を挙げることができる。しかし、以下に記載の方法は、異なる複雑さの、他のロボット機械に適用可能であることを理解されよう。
【0027】
[0023]図2を参照して、制御インターフェイスを最適化する方法は、ブロック60により示される、複数の様々な制御インターフェイスを定義するステップを含む。様々な制御インターフェイスのそれぞれは、実施される特定の作業用に、機械の特定の性能用に、人間−機械インターフェイスデバイス48の特定の性能用に、かつユーザの専門知識の特定のレベル用に、ユーザと人間−機械インターフェイスデバイス48の間の相互作用を最適化するように構成される。
【0028】
[0024]上述のように、ユーザは、実施される異なる作業用に、異なる人間−機械インターフェイスデバイス48を使用することができる。そのため、方法は、人間−機械インターフェイスデバイス48を機械に接続するステップ、より具体的には、ブロック62により示されるが、人間−機械インターフェイスデバイス48を、コントローラ24に接続するステップを含む。人間−機械インターフェイスデバイス48は、人間−機械インターフェイスデバイス48を無線ネットワークまたは有線接続を介してコントローラ24に接続することを含むがそれに限定されない、データがコントローラ24に送信されることを可能にする任意の好適なやり方で接続されて良い。制御インターフェイスを最適化する方法は、異なる人間−機械インターフェイスデバイス48用に、異なる構成パラメータを表示することができる。例えば、デスクトップコンピュータなど、高レベルの入力および/またはディスプレイ性能を有する人間−機械インターフェイスデバイス48は、標準的な工業用ロボットコントローラ24など、低レベルの入力および/またはディスプレイ性能を有する人間−機械インターフェイスよりも、より多い構成パラメータを表示する制御インターフェイスを用いて提示され得る。
【0029】
[0025]一度、人間−機械インターフェイスデバイス48がコントローラ24に接続されると、ブロック64により示されるが、ユーザは、実施される作業を選択することができる。実施される作業としては、限定するものではないが、機械が実施する新規の動作を開発すること、既存の動作を調整および/またはデバッグすること、または既存の動作の再生を制御することを挙げることができる。制御インターフェイスを最適化する方法は、実施されるそれぞれの異なる作業用に、異なる構成パラメータを表示することができる。例えば、新規の動作を開発する作業は、多数の、定義される構成パラメータを必要とする場合がある。したがって、新規の作業を開発するのに要求される構成パラメータを表示する制御インターフェイスが表示され得る。けれども、既存の動作を調整するステップは、より少ない構成パラメータを必要として良く、この場合、制御インターフェイスは、既存の動作を調整するのに必要な、こうした構成パラメータのみを表示して良い。
【0030】
[0026]ロボットシステム10は、事前定義された制御インターフェイスを表示する前に、ブロック66により示される、ユーザが認証されることを必要として良い。人間−機械インターフェイスデバイス48の各ユーザ用に、ユーザアカウントが確立されて良い。各ユーザアカウントは、そのユーザ用に専門知識のレベルを定義する。専門知識のレベルは、各特定のユーザがロボットシステム10について有する知識のレベルを定義する設定である。制御インターフェイスを最適化する方法は、異なる専門知識のレベルを有するユーザに、異なる構成パラメータを表示することができる。例えば、高レベルの専門知識を有するユーザは、低レベルの専門知識を有するユーザよりも、より多い構成パラメータを表示する制御インターフェイスを用いて提示され得る。
【0031】
[0027]ブロック68により示されるが、機械の性能および人間−機械インターフェイスデバイス48の性能が識別される。ロボット110は、非常に多くの検知ステップを含むので、6自由度の指骨センサなど、使用されていないセンサの多くを表示するのは、手に負えないことになる場合がある。また、ロボット110は、これらのセンサの何個が特定のロボット110に含まれるか、1個の手につき0〜14個で調節可能である。他の高度なセンサとしては、3D Swiss Rangerのようなセンサが挙げられる。例えば、腕関節および腰関節が、トルク制御モード、位置制御モード、インピーダンス制御モード、または速度制御モードで運転され得るといった、ロボット110が異なるモードにされるとき、ロボット110は、ロボット110が必要とするデータを動的に変えることもできる。モードのそれぞれは、ロボット110を適正に動作させるため、異なるスタイルのコマンドを必要とすることになる。
【0032】
[0028]インターフェイスデバイス48の性能の一部は、入力デバイスにより制限される。ロボットは、最初に流れ図スタイルのグラフィカルのやり方でプログラムされるので、プログラムの流れ、およびどのようにブロックが接続するのかを見るためにも、より大きな高解像度の画面が使用され得る。一般的な修正用に、より小さなネットブックスタイルのコンピュータでは、ロボットの運転に関するより重要な項目に、グラフィカルなインターフェイスの内容を減らすことになり、したがって、全てのものが単純に読むことのできないサイズに縮小されるわけではない。結局、完成したプログラムの全体的な運転用に、インターフェイスは単に基本的なコマンドおよびフィードバックにさらに減らされ、プログラムの非常に限定されたユーザ対話を用いてロボットを操作する。外部インターフェイスがManufacturing PLC型装置、Vision System Data、Teleoperation Hardware、および学習および動的経路プランニングなどの外部アルゴリズムなどを接続すると、インターフェイスデバイス48は、機能性も示すことができる。
【0033】
[0029]機械の性能を識別するステップは、例えば、機械の自由度の総数、機械および/または各ロボット関節の動きの速度、機械のセンサ性能、または機械の動作モードを識別するステップを含むことができる。人間−機械インターフェイスデバイス48の性能を識別するステップは、例えば、視覚ディスプレイ性能、入出力性能、音声性能、またはディスプレイ画面サイズおよび解像度を識別するステップを含むことができる。ロボット機械の性能および人間−機械インターフェイスデバイス48の性能は、任意の好適なやり方で識別され得る。例えば、コントローラ24は、ロボット機械および/または人間−機械インターフェイスデバイス48に、ロボット機械および/または人間−機械インターフェイスデバイス48のそれぞれの様々な構成要素ならびにロボット機械および/または人間−機械インターフェイスデバイス48の物理的性能および/または電子的性能を識別することを照会して良い。別法として、ロボット機械および/または人間−機械インターフェイスデバイス48は、コントローラ24に、かつ/またはコントローラ24間に信号を送信し、それぞれの様々な構成要素およびロボット機械および/または人間−機械インターフェイスデバイス48の異なる性能を識別することができる。制御インターフェイスを最適化する方法にしたがって、コントローラ24は、ロボット機械および/または人間−機械インターフェイスデバイス48の異なる性能用に、異なる構成パラメータを表示することができる。例えば、高レベルの性能を有するロボット機械は、制限された性能を有するロボット機械よりもより多い構成パラメータを表示する制御インターフェイスを用いて、提示されて良い。同様に、高レベルの性能を有する人間−機械インターフェイスデバイス48は、制限された性能を有する人間−機械インターフェイスデバイス48よりも、より多い構成パラメータを表示する制御インターフェイスを用いて提示されて良い。
【0034】
[0030]ロボット機械および人間−機械インターフェイスデバイス48の性能が識別された後、実施される作業が選択され、ユーザが認証され、このことにより、ロボットシステム10に関するユーザの専門知識のレベルを提供して、ブロック69により示されるが、コントローラ24は、事前定義された制御インターフェイスのうちのどれがユーザとコントローラの間で、所与の基準について相互作用を最適化するのかを決定する。一度コントローラ24が、どの制御インターフェイスが最適であるか決定すると、ブロック70により示されるが、選択された制御インターフェイスが人間−機械インターフェイスデバイス48上に表示される。図1の54で全体的に示される、表示される特定の制御インターフェイスは、実施される選択された作業、人間−機械インターフェイスデバイス48の識別された性能、機械の制御を最適化するための機械の識別された性能、および認証されたユーザの専門知識のレベルに基づく。表示される制御インターフェイスは、実施される作業に要求される構成パラメータのみを表示し、必要のない、かつ/または現在のユーザの専門知識のレベルを超える、すなわち理解を超える不必要な構成パラメータを隠す。さらに、表示される制御インターフェイスは、人間−機械インターフェイスデバイス48の特定の性能用ならびにロボット機械の性能用に最適化される。そのような最適化は、制御インターフェイスの複雑さを減少することにより、機械を操作することの効率を改善する。制御インターフェイスの複雑さを減少することにより、さらに、新規ユーザを訓練するための訓練時間が減少する。ユーザの専門知識のレベルに基づいて表示される構成パラメータを制限することによって、表示される制御インターフェイスは、未熟練のユーザが潜在的に危険な、かつ/または損害を与えるコマンドにアクセスすることを防止する。
【0035】
[0031]ブロック72により全体的に示されるように、実施される新規作業が選択されるか、ブロック74により全体的に示されるように、人間−機械インターフェイスデバイス48が変更されるか、またはブロック76により全体的に示されるように、異なる専門知識のレベルを有する異なるユーザが認証される場合、新しい制御インターフェイス54が表示され、このことにより新規の基準用に制御インターフェイスを最適化することができる。
【0036】
[0032]本発明を実行するための最良の形態が詳細に記載されてきたが、本発明が関係する当業者なら、添付の特許請求の範囲内で、本発明を実施するための様々な代替設計および代替実施形態を認識するであろう。
【符号の説明】
【0037】
10 ロボットシステム
11 制御信号およびフィードバック信号
12 頭部
13 電源
14 胴体
15 腰
16 腕
17 プロセッサ
18 手
19 指
20 物体
21 母指
22 センサ信号
24 コントローラ、工業用ロボットコントローラ
25 コンピュータ可読メモリ、有形の非一過性メモリ
27 電力制御信号およびフィードバック信号
29 センサ
48 人間−機械インターフェイスデバイス
50 データ、構成パラメータ
52 制御インターフェイスモジュール
54 制御インターフェイス
60 ブロック
62 ブロック
64 ブロック
66 ブロック
68 ブロック
69 ブロック
70 ブロック
72 ブロック
74 ブロック
76 ブロック
110 器用なロボット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械の制御を最適化する方法であって、
人間−機械インターフェイスデバイスを前記機械に接続するステップと、
実施される作業を選択するステップと、
前記機械の性能および前記人間−機械インターフェイスデバイスの性能を識別するステップと、
実施される前記選択された作業、前記人間−機械インターフェイスデバイスの前記識別された性能、および前記機械の前記識別された性能に基づいて事前定義された制御インターフェイスを表示し、前記機械の前記制御を最適化するステップとを含む方法。
【請求項2】
実施される作業を選択するステップは、前記機械が実施する新規の動作を開発するステップ、既存の動作を調整するステップ、または既存の動作の再生を制御するステップを含む一群の作業から作業を選択するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機械の前記性能を識別するステップは、前記機械の自由度の総数、前記機械の移動の速度、前記機械のセンサ、または前記機械の利用可能な動作モードを識別するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記人間−機械インターフェイスデバイスの性能を識別するステップは、視覚ディスプレイ性能、入出力性能、音声性能、画面ディスプレイサイズまたは画面解像度を識別するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
複数の制御インターフェイスを定義するステップであって、前記複数の制御インターフェイスのそれぞれは、実施される特定の作業用、および前記機械および前記人間−機械インターフェイスデバイスの特定の性能用に、ユーザと前記人間−機械インターフェイスデバイスとの間の相互作用を最適化するように構成された、ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記事前定義された制御インターフェイスを表示するステップの前に、許可されたユーザを認証するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記人間−機械インターフェイスデバイスの各ユーザ用にユーザアカウントを確立するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
各ユーザアカウント用に専門知識のレベルを定義するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
実施される前記選択された作業、前記人間−機械インターフェイスデバイスの前記識別された性能、および前記機械の前記識別された性能に基づいて事前定義された制御インターフェイスを表示するステップは、前記認証されたユーザの専門知識の前記レベルに基づいて前記事前定義された制御インターフェイスを表示するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
複数の制御インターフェイスを定義するステップであって、前記複数の制御インターフェイスのそれぞれは、実施される特定の作業用、前記機械および前記人間−機械インターフェイスデバイスの前記特定の性能用、および前記認証されたユーザの専門知識の前記レベル用に、ユーザと前記人間−機械インターフェイスデバイスとの間の相互作用を最適化するように構成された、ステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−86258(P2013−86258A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−187239(P2012−187239)
【出願日】平成24年8月28日(2012.8.28)
【出願人】(511095986)ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・エルエルシー (14)
【出願人】(510149563)ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ・アズ・リプレゼンテッド・バイ・ジ・アドミニストレーター・オブ・ザ・ナショナル・エアロノーティクス・アンド・スペース・アドミニストレーション (27)
【Fターム(参考)】