説明

ロータリ耕耘装置

【課題】本発明は、耕耘軸に装着された複数の耕耘爪の後方を覆うリヤカバーを備え、リヤカバー内面の一部に土付着防止板を設けたロータリ耕耘装置において、部品点数を増加させること無く、容易に土付着防止板をリヤカバーに取付けることが可能なロータリ耕耘装置を提供することを課題としている。
【解決手段】本発明は、回転可能に軸支された耕耘軸21に装着された複数の耕耘爪22と、該複数の耕耘爪22の少なくとも後方を覆うリヤカバー24とを備え、リヤカバー24の耕耘爪22側の面である内面の一部に土付着防止板48を設けたロータリ耕耘装置であって、リヤカバー24の下部を内面側に折返すことにより側面視フック状の係止部49を形成し、土付着防止板48の下端部を前記係止部49に引掛けて係止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転可能に軸支された耕耘軸に装着された複数の耕耘爪と、該複数の耕耘爪の少なくとも後方を覆うリヤカバーとを備えたロータリ耕耘装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転可能に軸支された耕耘軸に装着された複数の耕耘爪と、該複数の耕耘爪の少なくとも後方を覆うリヤカバーとを備え、リヤカバーの耕耘爪側の面である内面の一部に土付着防止板を設けることにより、泥土等がリヤカバー内面側に付着することを防止するロータリ耕耘装置が従来公知である。
【0003】
さらに、これを改良したものとして、土付着防止板の上端部を差入れて係止する差込口をリヤカバーの内面に形成し、上端部が差込口に差込まれて係止された土付着防止板の下部をリヤカバーにボルトで固定し、土付着防止板のリヤカバーへの取付作業の手間の軽減させた特許文献1に示すロータリ耕耘装置が従来公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−267164号公報(第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記文献のロータリ耕耘装置は、差込口を形成するために、Y字状に形成された一対のプレートが別途必要になるとともに、土付着防止板の上端部を差込口に差込んだ後、土付着防止板の下部をリヤカバーにボルト固定するまでの間に、土付着防止板の自重によって差込口から土付着防止板が抜け出る等、土付着防止板の位置ズレが生じることがあり、土付着防止板の取付作業を効率的に行うことができない場合ある。
【0006】
本発明は、耕耘軸に装着された複数の耕耘爪の後方を覆うリヤカバーを備え、リヤカバー内面の一部に土付着防止板を設けたロータリ耕耘装置において、部品点数を増加させること無く、容易に土付着防止板をリヤカバーに取付けることが可能なロータリ耕耘装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、第1に、回転可能に軸支された耕耘軸21に装着された複数の耕耘爪22と、該複数の耕耘爪22の少なくとも後方を覆うリヤカバー24とを備え、リヤカバー24の耕耘爪22側の面である内面の一部に土付着防止板48を設けたロータリ耕耘装置であって、リヤカバー24の下部を内面側に折返すことにより側面視フック状の係止部49を形成し、土付着防止板48の下端部を前記係止部49に引掛けて係止したことを特徴としている。
【0008】
第2に、土付着防止板48の上端側に上方開放された切欠き48aを形成し、該切欠き48aをボルト53に挿通させ、該ボルト53をリヤカバー24の内面に固定することにより、土付着防止板48の上端部がリヤカバー24にボルト固定されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、リヤカバーの下部を内面側に折返すことにより側面視フック状の係止部を形成し、土付着防止板の下端部を前記係止部に引掛けて係止するため、土付着防止板の下部をリヤカバーの内面側にボルト固定する場合と比べて、ボルトやその他の取付具が不要になり、構成を簡略化できる他、下端部が係止されて位置決めされた土付着防止板を、リヤカバー側に取付けることが可能であるため、土付着防止板の取付作業がより容易且つ簡易になる。
【0010】
また、土付着防止板の上端側に上方開放された切欠きを形成し、該切欠きをボルトに挿通させ、該ボルトをリヤカバーの内面に固定することにより、土付着防止板の上端部がリヤカバーにボルト固定されれば、リヤカバーにボルトを取付けた状態のまま、切欠きをボルトに挿通させ、土付着防止板の上端部をリヤカバー側に取付固定できるため、土付着防止板の取付作業の利便性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を適用した農業用のトラクタの要部側面図である。
【図2】図1のロータリ耕耘装置の斜視図である。
【図3】図1のロータリ耕耘装置の正面図である。
【図4】図1のロータリ耕耘装置の平面図である。
【図5】図1のロータリ耕耘装置の側面図である。
【図6】リヤカバーの背面側の分解斜視図である。
【図7】リヤカバーの正面側の斜視図である。
【図8】図6の要部拡大図である。
【図9】土付着防止板の取付構造を示す分解斜視図である。
【図10】(A)は土付着防止板をリヤカバーに取付ける手段を示す側面図であり、(B)は土付着防止板をリヤカバーに取付けた状態の側面図である。
【図11】スクレーパによってリヤカバーの内面側に付着した土を掻落す状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明を適用した農業用のトラクタの要部側面図である。図示するトラクタは、作業車両の一種であり、前輪(図示しない)及び後輪1を有する走行機体2の後方に、昇降リンク3及びオートヒッチ4を介して、ロータリ耕耘装置6を昇降自在に連結することにより、構成されている。
【0013】
このロータリ耕耘装置6は、トップリンク7及び左右のロアリンク8よりなる昇降リンク3の後端側に設置されたオートヒッチ4に、着脱自在に連結支持されている。走行機体2に上下揺動駆動可能に支持された左右のリフトアーム9の後端部には、リフトロッド11を介して、左右のロアリンク8の中途部がそれぞれ吊下げ支持され、このリフトアーム9の上下揺動によって、ロータリ耕耘装置6が昇降駆動される。
【0014】
図2乃至5は、図1のロータリ耕耘装置の斜視図、正面図、平面図および側面図である。ロータリ耕耘装置1は、ギヤケース12と、該ギヤケース12から左右両側にそれぞれ一体的に突出された一対の円筒部13,13と、ギヤケース12からは上方に向かって前後二股に分かれるトップマスト14と、左右一方側(図示する例では左側)の円筒部13の突出端側から下方に延設された上下方向の伝動ケース16と、左右他方側の円筒部13の突出端から下方に延設された上下方向のサイドプレート17と、伝動ケース16下端部とサイドプレート17下端部の間に設置されたロータリ18と、該ロータリ18をカバーするロータリカバー19とを備えている。
【0015】
ロータリ18は、伝動ケース16下端部とサイドプレート17下端部の間に軸支されて自身の軸回りに回転する左右方向の耕耘軸21と、耕耘軸21に装着されて該耕耘軸21と一体で回転する複数の耕耘爪22とから構成されている。ギヤケース12内には、走行機体2からのエンジン動力が、PTO軸によって入力される。ギヤケース内に入力された動力は、ギヤケース12内のギヤ機構→円筒部13内の伝動軸→伝動ケース16内の伝動チェーン→耕耘軸21と伝動され、ロータリ18を回転駆動させる。
【0016】
ロータリカバー19は、複数の耕耘爪22(ロータリ18)の上方を覆うメインカバー23と、複数の耕耘爪22(ロータリ18)の後方を覆うリヤカバー24と、メインカバー23及びリヤカバー24の左右にそれぞれ配置された一対のサイドカバー26とを備えている。サイドプレート17と伝動ケース16との間に位置するメインカバー23は、プレート状の支持部材によって、耕耘軸21の軸回りに前後回動可能に軸支されている。リヤカバー24は、全体が上下揺動するように、その上端部が、メインカバー23後端部に、左右方向の支持軸27を介して支持されており、該支持軸27から後方斜め下方に傾斜している。
【0017】
メインカバー23は、ロータリ18の沿うように側面上方に膨出した円弧状に成形されており、このメインカバー23後端部の左右方向中央部は、操作ロッド28を介して、トップマスト14側に連結支持されている。トップマスト14側の操作レバー29を前後揺動操作して、該操作ロッド28を前後動させることにより、メインカバー23の前後回動位置の調整を行うとともに、この操作レバー29をトップマスト14に位置決め固定することにより、メインカバー23が、操作レバー29の固定位置に応じた所定の前後回動位置で固定される。ちなみに左右にサイドカバー26は、メインカバー23に固定され、メインカバー23と一体で、前後に可動する。
【0018】
リヤカバー24は、左右方向の支持軸27回りに上下揺動自在に支持されるとともに、左右一対の吊りロッド31,31を介して、メインカバー23に吊下げ連結されている。左右の吊りロッド31の前部は、メインカバー23の後端部に固設された左右のメイン側ブラケット32に軸方向のスライド自在にそれぞれ取付支持される一方で、左右の吊りロッド31の後端部は、リヤカバー24に設置された左右のリヤ側ブラケット33にそれぞれ回動自在に軸支されている。
【0019】
左右の各メイン側ブラケット32には、自身に挿通支持された吊りロッド31を固定する固定状態と、この固定を解除する解除状態との切換を行う切換手段34が設けられている。この切換手段34によって上記固定状態に切換えた場合には、メインカバー23に対してリヤカバー24が所定の上下揺動位置で固定される一方で、切換手段34によって上記解除状態に切換えた場合には、メインカバー23に対してリヤカバー24が上下揺動自在な状態になる。
【0020】
この解除状態において、リヤカバー24が圃場面側に押圧されるように、各吊りロッド31におけるメイン側ブラケット32とリヤ側ブラケット33の間には、圧縮スプリング36が外装されている。上記複数の耕耘爪22で耕耘された耕耘土が、解除状態のリヤカバー24によって、効率的に均平される。
【0021】
以上のように構成されるトラクタでは、走行機体2を前進走行させながら、ロータリ耕耘装置6を駆動させ、耕耘軸21回りに回転する耕耘爪22によって圃場の耕耘を行いながら、リヤカバー24によって、耕耘土の均平を同時に行う。この際、メインカバー23によってロータリ18上方側への泥土等の飛散が防止され、リヤカバー24によってロータリ18後方側への泥土等の飛散が防止され、左右のサイドカバー26によってロータリ18の左右両側方への泥土等の飛散が防止される。
【0022】
次に、図2,図6〜8に基づき、リヤカバーの構成について詳述する。
図6は、リヤカバーの背面側の分解斜視図であり、図7は、リヤカバーの正面側の斜視図であり、図8は、図6の要部拡大図である。鉄製のリヤカバー24は、本体となるカバー体37と、カバー体37に着脱自在に取付固定される着脱カバー体38とによって構成されており、このリヤカバー24の全体形状は、下部が中途部に対して後方に湾曲形成されている。
【0023】
カバー体37の左右方向中央部と、左端部と、右端部とには、それぞれ下方が開放された切欠き状部39C,39L,39Rが切抜き形成されている。中央側の切欠き状部39Cは、左右対称な山形をなす中央側切欠き状部であり、左側の切欠き状部39Lは、中央側切欠き状部39Cの左側半部と略同一形状であって外側側方も開放された左側切欠き状部であり、右側の切欠き状部39Rは、中央側切欠き状部39Cの右側半部と略同一形状であって外側側方も開放された右側切欠き状部である。
【0024】
着脱カバー体38は、複数の切欠き状部39C,39L,39R毎に各別に設けられ、対応する切欠き状部39C,39L,39Rを塞ぐように(切欠き状部39C,39L,39Rによって後方側に露出するロータリ18を覆うように)、該切欠き状部39C,39L,39Rの周縁に沿う形状に成形されており、該着脱カバー体38は、対応する切欠き状部39C,39L,39Rを、リヤカバー24の耕耘爪22と対向しない側の面である外面(後面)側から塞ぐように、該切欠き状部39C,39L,39Rよりも広めに面積が設定されている。
【0025】
さらに具体的な着脱カバー体38の構成を説明すると、着脱カバー体38は、その約半分が、自身の耕耘爪21側の面である内面(前面)に向かって上方側に折返され、その折返された部分の上部が、自身の内面に溶接等で接合されている。着脱カバー体38の該折返された部分は、対応する切欠き状部39C,39L,39Rに挿入可能な大きさであって、非折返し部分よりも面積が狭く設定されている。
【0026】
上述したカバー体37の下端部には、中空状の袋部41が形成されている。該袋部41は、カバー体37における支持軸27と反対側端である自由端(先端)を、自身の耕耘爪22側の面である内面(前面)に向かって上方に折返すことにより形成されており、袋部41の側面視形状は、着脱カバー38下端部の折返し部分の側面視形状と略同一形状をなしている。
【0027】
この袋部41における切欠き状部39C,39L,39Rと接する各側部は開放されて開放端をなしており、該開放端は、プレート状の閉塞蓋42によって閉塞される。閉塞蓋42は袋部41内に差込まれる左右方向の板状の差込部43を有している。該差込部43の上面には、ネジ側が上方を向いた取付ボルト44が溶着固定される一方で、該袋部41の開放端上部には、切欠き状部39C,39L,39Rに向かって開放された左右方向の取付用切欠き41aが形成されている。
【0028】
そして、取付ボルト44を取付用切欠き41aに挿通させた状態で、差込部43を袋部41内に挿入することにより、袋部41の開放端を閉塞し、続いて、カバー体37の外面側に突出した取付ボルト44を、着脱カバー体38の挿通孔38aに挿通させた後、着脱カバー体38の外面から上方突出した取付ボルト44の突出端部にノブナット46を係合させて締付けることにより、着脱カバー体38と閉塞蓋42の間にカバー体37に締着され、これによって、着脱カバー体38が、カバー体37の袋部41側に取付固定される。ちなみに、着脱カバー体38の上端部も、カバー体37の内面側から外面側に挿通させる挿通ボルト47と、ノブナット46によって、カバー体37の外面に締着固定させる。
【0029】
このように、袋部41を閉塞する閉塞蓋42によって、着脱カバー体38をカバー体37に取付ける部材も兼用させるため、部品点数を少なくすることが可能になる他、着脱カバー38の取付け及び取外しによって、袋部41を開閉させ、この袋部41に土等を錘Wとして充填することも容易であり、この充填させる錘の量を変更することにより、リヤカバー24の圃場面を押圧する力を適宜調整することも容易である。
【0030】
また、取付ボルト44が、一端を開放させた取付用切欠き41aに挿通されているため、ノブナット46を、取付ボルト44から取外すこと無く、緩めるのみで、着脱カバー44を、カバー体37から取外すことが可能であるため、利便性が高い。
【0031】
また、図7に示すように、カバー体の耕耘爪と対向する面である内面には、リヤカバー側への耕耘土等の付着を防止する土付着防止板48が設置されている。ちなみに、土付着防止板48の材質としては、ステンレス製部材又は合成樹脂製部材を用いているが、錆び難く表面が滑らかなまま保持されて、表面の摩擦係数も低く、傷が付きにくいものであればこれらの部材に限定されるものではない。ちなみに、本例では、ステンレス板を用いる。
【0032】
次に、図7、図9〜図11に基づき、土付着防止板48の取付構造について説明する。
図9は、土付着防止板の取付構造を示す分解斜視図であり、図10(A)は土付着防止板をリヤカバーに取付ける手段を示す側面図であり、(B)は土付着防止板をリヤカバーに取付けた状態の側面図である。土付着防止板48は、カバー体38の内面の形状と略同一形状に成形されているため、このカバー体38の内面に土付着防止板48を面状に接触させた状態で、該土付着防止板48がリヤカバー24に取付固定される。
【0033】
具体的には、カバー体38における左右一対の袋部41の内面側上端(リヤカバー24内面の下部)にそれぞれ形成されたフック状の係止部49に、土付着防止板48の二股の分かれた下端部を、それぞれ引掛けて係止させるとともに、カバー体38の内面側上端部に、土付着防止板48の上端部をボルト固定することにより、土付着防止板48がリヤカバー24の内面側に取付固定される。
【0034】
係止部49は、カバー体37(リヤカバー24)の先部側を、上述のように自身の内面に向かって上方に折返し、この折返し部分の上端部37aを、リヤカバー24の内面から離間する側に曲げ形成(さらに具体的には屈曲形成)することにより、構成されている。該構成から係止部49は、側断面視上方に向かって広がる楔状のフック形状をなし、この上方に向かって拡がる係止部49に、土付着防止板48の下端部を差込むことにより、土付着防止板48が係止部49に受止められて係止される。
【0035】
ちなみに、このカバー体37の折返し部分は、図示する例では、カバー体37の折返されない部分である非折折返し部分とは別体で成形され、この折返し部分の上端部及び下端部を非折返し部分に溶接等で固着することにより、上述の袋部41を形成しているが、この折返し部分を、非折返し部分と一体で成形してもよい。
【0036】
一方、土付着防止板48の上端部は、左右方向のカバープレート51と共に、カバー体37の上端部に共締めされている。
【0037】
上述の支持軸27はカバー体37の上端部に固着されているが、この支持軸27へのロータリ18側からの耕耘土等の侵入を防止する部材として、前記カバープレート51が機能しており、該カバープレート51は、弾性変形可能な合成樹脂製の板状部材であって、リヤカバー24の左右幅の略全体に亘り形成され、支持軸27と、ロータリ18側とを隔てている。さらに、この左右方向カバープレート51は、上側半部が、下側半部に対して、ロータリ18側に湾曲し、より効率的にロータリ18側から支持軸27側への耕耘等の侵入を防止している。
【0038】
このカバープレート51の下部は、左右方向の押えプレート52によって、カバー体37の上端部に押圧され、この押圧状態で、リヤカバー24の内面側から押えプレート52、カバープレート51及びカバー体37にボルト53を挿入させて締付けることにより、緩みが防止された状態で、カバープレート51及び押えプレート52が、リヤカバー24に締着固定される。
【0039】
このボルト53は、左右方向に複数配置されるが、このボルト53を介して、土付着防止板48も、リヤカバー24の内面上端部に締着固定させる。
【0040】
具体的には、土付着防止板48の上端側における該ボルト53が位置する個所には、それぞれ上方が開放された切欠き48aが形成されており、まず、カバープレート51を締着固定させている上記ボルト53を緩めた後、切欠き48aにボルト53の周囲が挿入されるようにして、土付着防止板48の上端部を、該カバープレート51とリヤカバー24との間に差込むことにより、該切欠き48aをボルト53に挿通させる(逆に言えば、切欠き53にボルト53を挿通させる)。
【0041】
続いて、切欠き48a内においてボルト53周囲が下方移動する範囲内で、土付着防止板48を上方移動させた後、土付着防止板48の下端部を、係止部49に差込む。このようにして、下端部が係止部49によって受止められ、確実に位置決めされた状態で、切欠きを挿通させた複数の各ボルト53を締付けることにより、土付着防止板48がカバープレート51と共に、カバー体37(リヤカバー24)に取付固定される。
【0042】
このような切欠き48aの構成によって、ボルト53、カバープレート51及び押えプレート52とを、リヤカバー24から取外すことなく、該ボルト53を緩めるのみによって、土付着防止板48のリヤカバー24に対する取付け及び取外すが可能であるため、土付着防止板48の着脱作業を迅速且つ容易に行うことが可能になる。
【0043】
また、着脱容易な土付着防止板48は、交換も容易であるため、土付着防止作用が弱まった土付着防止板48を、新しい土付着防止板48に、迅速且つ容易に交換することも可能になる他、リヤカバー24の全体を土付着防止作用のある部材で構成する場合と比べて費用も安く抑えることが可能になる。
【0044】
図11は、スクレーパによってリヤカバーの内面側に付着した土を掻落す状態を示す側面図である。同図に示すように、係合部49は、リヤカバー24の内面に対して沿うように傾斜した上方開放の楔状をなすため、リヤカバー24の内面側に付着した土等を、スクレーパS等で掻取るにあったて、スクレーバSの先端を上方に向けてスライド移動させれば、係止部49にスクレーパSが引っ掛ることが無く、土付着防止板48の下端部をボルト固定した場合と比べて、スムーズな掻取り作業を行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0045】
21 耕耘軸
22 耕耘爪
24 リヤカバー
48 土付着防止板
48a 切欠き
49 係止部
53 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に軸支された耕耘軸(21)に装着された複数の耕耘爪(22)と、該複数の耕耘爪(22)の少なくとも後方を覆うリヤカバー(24)とを備え、リヤカバー(24)の耕耘爪(22)側の面である内面の一部に土付着防止板(48)を設けたロータリ耕耘装置であって、リヤカバー(24)の下部を内面側に折返すことにより側面視フック状の係止部(49)を形成し、土付着防止板(48)の下端部を前記係止部(49)に引掛けて係止したロータリ耕耘装置。
【請求項2】
土付着防止板(48)の上端側に上方開放された切欠き(48a)を形成し、該切欠き(48a)をボルト(53)に挿通させ、該ボルト(53)をリヤカバー(24)の内面に固定することにより、土付着防止板(48)の上端部がリヤカバー(24)にボルト固定される請求項1に記載のロータリ耕耘装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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