説明

ロードセル矯正治具、高速引張り試験機および高速引張り試験方法

【課題】 例えば樹脂などの低強度の高速引張り試験を行う際に、反射波によるノイズを発生させることなく、ロードセルの曲がりによる影響を受けないようにロードセルの曲がりを矯正することが可能なロードセル矯正治具およびこれを用いて、簡易に正確な測定が可能な高速引張り試験機等を提供する。
【解決手段】 錘7の逃げ部31の開口側には、略鉛直方向に壁体9が設けられる。壁体9には、前述のガイドや、矯正治具13を取り付けることができる。矯正治具13は、ロードセル11を矯正する矯正部を有する。ロードセル11はロードセル貫通部39において矯正治具13を貫通する。矯正治具13の線材である紐49により、ロードセル11をロードセル11の軸方向に垂直な任意の方向へ矯正することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲がりを有するロードセルを用いても、反射波等の影響を受けずに精度良く高速引張り試験を行うことができるロードセル矯正治具、およびこれを用いた高速引張り試験機および高速引張り試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、材料の高速変形特性等を測定するための方法として、いくつかの試験装置等が提案されている。しかし、高速での引張り試験においては、高速変形特有の衝撃に伴う振動等により生じるノイズが問題となる。したがって、材料の高速引張り試験を行う場合には、このノイズを除去する必要がある。
【0003】
このような振動等のノイズを除去して精度よく高速変形特性を測定する装置といては、たとえば、試験片に高いひずみ速度を付与し、この際に試験片が取り付けられる出力棒により変形時の応力を測定し、出力棒の端部から200mm以内を拘束することで出力棒の振動を抑制する装置がある(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−4032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のような装置では、試験片の応力を測定する出力棒の一部を完全に拘束するため、試験片に高速のひずみを付与する際に生じる振動が出力棒を伝い、拘束部で反射して試験片方向へもどるため、出力棒において測定される応力値にノイズを付与する恐れがあるという問題がある。
【0006】
このような反射波によるノイズは、試験片強度が小さい場合には特に大きな問題となる。たとえば、特許文献1のように金属試験片を対象とするのであれば、当該ノイズの影響は無視できるほど小さいが、樹脂試験片等のように強度が小さい試験材料の高速引張り試験を行う際には、応力に対するノイズの大きさが大きい。このため、正確に強度を計測することができないという問題がある。例えば、樹脂によっては金属の1/100程度の強度しかないため、試験によって検出される応力は、金属試験片の場合に対して1/100程度となる場合がある。このため、わずかなノイズであっても、試験結果に与える影響が大きい。
【0007】
図7は、このような試験片の高速での引張り強度を測定する装置の一例としての高速引張り試験機50を示す図である。高速引張り試験機50は、ベース51上に一対のガイド53が鉛直方向に設けられ、ガイド53は上方で天板58によって固定される。ガイド53の間には、ロードセル55が略鉛直方向にロードセル締結部61によって固定される。
【0008】
ロードセル55の下方には、試験片65が設けられている。試験片65の下方には試験治具67が設けられる。すなわち、ロードセル55は試験片65を介して試験治具67と接合されている。
【0009】
錘59は、ガイド53が貫通しており、ガイド53に沿って下方に落下する。なお、錘59には切り欠きが設けられており、錘59はロードセル55および試験片65と接触することはない。錘59を所定の高さから落下させると、錘59の落下高さおよび質量に応じた力を試験治具67に付与する。
【0010】
錘59により瞬間的に力を受けた試験治具67は試験片65へ力を付与する。試験片65は錘59から受ける力によって破断する。錘59はショックアブソーバ63により受け止められる。以上により試験片65の高速引張り試験が完了する。
【0011】
試験片65は錘59から力を受ける際、力に応じて変形する。この際に受ける応力は、ロードセル55に設けられた図示を省略したひずみゲージなどによって検出されたひずみから算出される。
【0012】
しかし、錘59が試験治具67へ与える衝撃は、ロードセル55に伝達される。したがって、衝撃による振動波がロードセル55内を伝播し、ロードセル締結部61で反射し、反射波が試験片65方向へ戻る(図中矢印Q)。したがって、錘59から力を受け始めてから、完全に破断するまでの間に反射波がロードセル55の端部まで戻ってきてしまうと、ロードセル55による応力の計測値に影響を与える。このため、ロードセル55は十分に長い必要がある。
【0013】
一方、ロードセル55には、通常、金属製の棒材が用いられる。しかし、前述の通り、ロードセルは所定の長さが必要であり、また強度が比較的低いため、製造時に完全にまっすぐには矯正できず、ある程度の曲がりが生じている。
【0014】
図8(a)は、図7のP部の拡大図である。ロードセル55の先端には、ピン69によって試験片65が接合される。また、試験片65の下方には試験治具67がピン71によって接合されている。ロードセル55に曲がりが生じていると、試験片65との取付部が鉛直にはならず、角度が形成される。
【0015】
この状態で、試験片65へ力を付与すると(図中矢印U方向)、ロードセル55にはその反力に応じた力が付与されるが、力Uに対応する反力であるRは、ロードセル55の軸方向の力Sと、これと垂直な方向の力Tとに分力される。すなわち、ロードセル55には曲げ方向の力が付与される。
【0016】
したがって、図8(b)に示すように、ロードセル55で検出される荷重は、曲げ応力に伴い、荷重初期にノイズ(図中V部)が発生し、正確な測定が妨げられる。
【0017】
また、図9(a)に示すように、ロードセル55の曲がりの影響を除去するため、特許文献1と同様にロードセル55を拘束する固定治具75を設けると、ロードセル55はまっすぐに矯正されるが、試験片65に最も近い固定治具75の位置で前述の振動波が反射する(図中矢印W)。この場合、図9(b)に示すように終期近傍に、反射波によるノイズ(図中X部)が発生し、正確な測定が妨げられる。このような問題は、ロードセル55を固定することによるロードセル55自身の共振周波数が高くなることに起因する。したがって、ロードセル55の長さを長くすることにより、反射波が戻るまでの時間を稼ぐ効果が得られない。
【0018】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、例えば樹脂などの低強度の高速引張り試験を行う際に、反射波によるノイズを発生させることなく、ロードセルの曲がりによる影響を受けないようにロードセルの曲がりを矯正することが可能なロードセル矯正治具およびこれを用いて、簡易に正確な測定が可能な高速引張り試験機等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前述した目的を達成するため、第1の発明は、高速引張り試験機に用いられるロードセルを拘束する治具であって、プレートと、前記プレートの先端に設けられるロードセル貫通部と、前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルに対して、前記ロードセルの軸方向に略垂直な方向に力を付与する第1のロードセル矯正手段と、前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルに対して、前記ロードセルの軸方向に略垂直であり、かつ前記第1のロードセル矯正部が前記ロードセルへ付与する力の方向とは略垂直な方向に力を付与する第2のロードセル矯正手段と、を具備し、前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルの軸方向に対して略垂直な任意の方向に力を付与することが可能であることを特徴とするロードセル矯正治具である。
【0020】
前記プレートの先端に突出する一対のアームと、一対の前記アーム上にそれぞれ設けられる第1の柱体および第2の柱体と、前記第1の柱体の後方に設けられ、線材の巻き取りが可能な第1の巻き取り部と、前記プレート上の一方の側端近傍に設けられる第3の柱体と、前記第3の柱体に対して前記プレートの他方の側端近傍に設けられる第2の巻き取り部と、を更に具備し、前記第1のロードセル矯正手段は、前記第1の巻き取り部と前記第1の柱体とに掛けられる第1の線材とを有し、前記第2のロードセル矯正手段は、前記第2の巻き取り部と少なくとも前記第3の柱体とに掛けられる第2の線材とを有してもよい。
【0021】
前記第1の線材および前記第2の線材は、剛性がなく、表面に凹凸が形成されることが望ましい。
【0022】
ここで、線材とは、凧糸などの綿や麻などの繊維質の紐部材や、金属や樹脂の細線なども含むものである。
【0023】
第1の発明によれば、高速引張り試験に用いられるロードセルの曲がりを簡易に矯正することができる。また、ロードセルに対して、互いに垂直な2方向に力を付与することができるため、ロードセルの曲がり方向に応じて、任意の方向へ力を付与し、ロードセルを矯正することができる。また、ロードセル矯正治具は、ロードセル貫通部を有するため、ロードセルを高速引張り試験機へ取り付けた状態でロードセルの矯正を行うことができる。このため、簡易に確実にロードセルの矯正を行うことができる。
【0024】
また、矯正手段が柱体と線材と線材を巻き取るための巻き取り部を有すれば、ロードセルに線材を掛けた状態で。線材を所定量巻き取ることで、容易にロードセルへ力を付与することができるため、矯正が容易である。また、剛性がなく表面に凹凸のある線材を用いることで、ロードセルは完全に拘束されず、またロードセルと線材との接触面積が小さく、すべりを生じないため、反射波の発生が抑制される。
【0025】
第2の発明は、ベースと、前記ベース上に略鉛直方向に起立する一対のガイドと、前記ガイドが貫通し、略中央に逃げ部が設けられ、ガイドに沿って移動可能な錘と、略鉛直方向に設けられ、前記逃げ部を貫通するロードセルと、前記錘の後方に設けられる壁部と、前記壁部に少なくとも1箇所設けられ、前記ロードセルの曲がりを矯正するロードセル拘束治具と、を具備し、前記ロードセル拘束治具は、プレートと、前記プレートの先端に設けられるロードセル貫通部と、前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルに対して、前記ロードセルの軸方向に略垂直な方向に力を付与する第1のロードセル拘束部と、前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルに対して、前記ロードセルの軸方向に略垂直であり、かつ前記第1のロードセル拘束手段が前記ロードセルへ付与する力の方向とは略垂直な方向に力を付与する第2のロードセル拘束手段と、を具備し、前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルの軸方向に対して略垂直な任意の方向に力を付与することが可能であることを特徴とする高速引張り試験機である。
【0026】
前記ロードセル矯正治具の大きさは、前記逃げ部の大きさよりも小さく、前記ロードセル拘束治具は、前記プレートの先端に突出する一対のアームと、一対の前記アーム上にそれぞれ設けられる第1の柱体および第2の柱体と、前記第1の柱体の後方に設けられ、線材の巻き取りが可能な第1の巻き取り部と、前記プレート上の一方の側端近傍に設けられる第3の柱体と、前記第3の柱体に対して前記プレートの他方の側端近傍に設けられる第2の巻き取り部と、を更に具備し、前記第1のロードセル拘束手段は、前記第1の巻き取り部と前記第1の柱体とに掛けられる第1の線材とを有し、前記第2のロードセル拘束手段は、前記第2の巻き取り部と少なくとも前記第3の柱体とに掛けられる第2の線材とを有してもよい。
【0027】
また、前記第1の線材および前記第2の線材は、剛性がなく、表面に凹凸が形成されることが望ましい。
【0028】
第2の発明によれば、ロードセルの曲がりを簡易に矯正することができため、簡易に高い精度で高速引張り試験を行うことができる。また、ロードセルに対して、互いに垂直な2方向に力を付与することができるため、ロードセルの曲がり方向に応じて、任意の方向へ力を付与し、ロードセルを矯正することができる。特に矯正治具の大きさが逃げ部の大きさよりも小さいので、錘7が矯正治具と接触することがない。
【0029】
また、矯正手段が柱体と線材と線材を巻き取るための巻き取り部を有すれば、ロードセルに線材を掛けた状態で。線材を所定量巻き取ることで、容易にロードセルへ力を付与することができるため、矯正が容易である。また、剛性がなく表面に凹凸のある線材を用いることで、ロードセルは完全に拘束されず、またロードセルと線材との接触面積が小さく、すべりを生じないため、反射波の発生が抑制される。
【0030】
第3の発明は、材料の高速引張り試験方法であって、ベースと、前記ベース上に略鉛直方向に起立する一対のガイドと、前記ガイドが貫通し、略中央に逃げ部が設けられ、ガイドに沿って移動可能な錘と、略鉛直方向に設けられ、前記逃げ部を貫通するロードセルと、前記錘の後方に設けられる壁部と、前記壁部に少なくとも1箇所設けられ、先端にロードセル貫通部を有し、前記ロードセルの曲がりを矯正するロードセル矯正治具と、を具備する高速引張り試験機を用い、前記ロードセル矯正治具に設けられた第1のロードセル矯正手段により、前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルに対して、前記ロードセルの軸方向に略垂直な方向に力を付与するとともに、前記ロードセル矯正治具に設けられた第2のロードセル矯正手段により、前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルに対して、前記ロードセルの略軸方向に垂直かつ前記第1のロードセル矯正手段が前記ロードセルへ付与する力の方向に略垂直な方向に力を付与し、前記ロードセルの曲がりを矯正した状態で、前記錘を落下させて、前記ロードセル下方に設けられた試験片へ力を付与することを特徴とする材料の高速引張り試験方法である。
【0031】
前記ロードセル拘束治具は、前記プレートの先端に突出する一対のアームと、一対の前記アーム上にそれぞれ設けられる第1の柱体および第2の柱体と、前記第1の柱体の後方に設けられ、線材の巻き取りが可能な第1の巻き取り部と、前記プレート上の一方の側端近傍に設けられる第3の柱体と、前記第3の柱体に対して前記プレートの他方の側端近傍に設けられる第2の巻き取り部と、を更に具備し、前記第1のロードセル拘束手段は、前記第1の巻き取り部から前記ロードセルを介して前記第1の柱体に掛けられる第1の線材を、前記第1の巻き取り部により巻き取ることで前記ロードセルに力を付与するとともに、前記第2のロードセル拘束手段は、前記第2の巻き取り部から前記ロードセルを介して、少なくとも前記第3の柱体に掛けられる第2の線材を、前記第2の巻き取り部により巻き取ることで前記ロードセルに力を付与してもよい。
【0032】
また、前記第1の線材および前記第2の線材は、剛性がなく、表面に凹凸が形成されることが望ましい。
【0033】
第3の発明によれば、簡易にロードセルの曲がりを矯正することができ、正確な高速引張り試験を行うことができる。また、ロードセルに対して、互いに垂直な2方向に力を付与することができるため、ロードセルの曲がり方向に応じて、任意の方向へ力を付与し、ロードセルを矯正することができる。
【0034】
また、矯正手段が柱体と線材と線材を巻き取るための巻き取り部を有すれば、ロードセルに線材を掛けた状態で。線材を所定量巻き取ることで、容易にロードセルへ力を付与することができるため、矯正が容易である。また、剛性がなく表面に凹凸のある線材を用いることで、ロードセルは完全に拘束されず、またロードセルと線材との接触面積が小さく、すべりを生じないため、反射波の発生が抑制される。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、例えば樹脂などの低強度の高速引張り試験を行う際に、反射波によるノイズを発生させることなく、ロードセルの曲がりによる影響を受けないようにロードセルの曲がりを矯正することが可能なロードセル矯正治具およびこれを用いて、簡易に正確な測定が可能な高速引張り試験機等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態にかかる高速引張り試験機1について説明する。図1は、高速引張り試験機1を示す正面図である。
【0037】
高速引張り試験機1は、主にベース3、ガイド5、錘7、矯正治具13等から構成される。
【0038】
ベース3上に、一対のガイド5がほぼ鉛直方向に平行に起立して設けられる。一対のガイド5は天板15で固定される。ガイド5は、錘7をガイドに沿ってまっすぐに落下させる機能を有する。
【0039】
一対のガイド5の間には、ロードセル11が略鉛直方向に設けられる。ロードセル11は、天板15と接合されるロードセル締結部19で上端が固定され、他端を下方に向けて吊下げられた状態で設置される。ロードセル11は、試験時に試験片に生じる応力を測定する機能を有する。
【0040】
ロードセル11としては、特に樹脂材料の高速引張り試験においては、音響インピーダンスの整合性を考慮してマグネシウムを用いることが望ましい。例えばマグネシウムの押し出し材を使用することができる。また、反射波の影響を防ぐためには、ロードセル11の長さが長いほうが良く、例えば2m程度である。
【0041】
ロードセル11の下方には試験片21が設けられる。図2は図1のA部拡大図である。ロードセル11の下方には溝加工が施されており、溝に試験片21が挿入される。試験片21およびロードセル11の端部には対応する位置に穴が設けられ、ピン25で接合される。
【0042】
試験片21の下方には試験治具23が設けられる。試験治具23の上方には溝加工が施されており、溝に試験片21の下端が挿入される。試験片21および試験治具23の端部には対応する位置に穴が設けられ、ピン27で接合される。
【0043】
試験治具23には試験片21取付部から両方の側に、略水平方向に向けてアーム29が設けられる。アーム29は錘7が衝突し、力を受ける部位である。
【0044】
錘7には、ガイド5が貫通する。図3は、錘7の下方から見た図(図1のB−B線断面図)である。錘7の両端近傍にはそれぞれガイド5が貫通しており、錘7はガイド5に沿って移動可能である。錘7の一対のガイド5貫通部の間には、逃げ部31が設けられる。逃げ部31は例えばU字状の切り欠きである。ロードセル11は逃げ部31を貫通する。したがって、ロードセル11は錘7と接触することがない。
【0045】
逃げ部31のロードセル11貫通部の両脇には両側方に向けて溝33が設けられる。溝33は前述した試験治具23のアーム29が衝突する部位である。すなわち、錘7はガイド5に沿って移動するため、略鉛直方向に落下する。アーム29は試験治具の両脇に水平方向に設けられる。このため、錘7は両側のアーム29に同時に接触し、試験治具23に対して鉛直方向に力を付与することができる。
【0046】
なお、図示は省略するが、試験治具23の後方に試験治具23の形状に沿って鉛直方向に設けられた溝部を有するガイドを設けてもよい。当該ガイドを用い、試験治具23を溝に沿わせることで、試験治具23は確実に鉛直方向に向けられ、また、錘7から力を受けた際にガイド溝にそって下方へ移動するため、試験治具23を確実に鉛直方向に移動させることができる。したがって、試験片21へ確実に鉛直方向の力を付与させることができる。
【0047】
錘7の逃げ部31の開口側(高速引張り試験機1の後方)には、略鉛直方向に壁体9が設けられる。壁体9には、前述のガイドや、矯正治具13を取り付けることができる。
【0048】
図4は、図1のC−C線断面図である。矯正治具13は壁体9に取り付けられる。矯正治具13はロードセル11の曲がりを矯正する機能を有する。なお、矯正治具13の取り付け個数は、ひとつでも良く複数でも良い。ロードセル11の状態に応じて適宜決定される。
【0049】
図4に示すように、矯正治具13は、錘7の逃げ部31の大きさよりも小さい。したがって、錘7がガイド5に沿って移動する際にも、錘7は矯正治具13と接触することはない。なお、矯正治具13の詳細は後述する。
【0050】
ガイド5の下方には、ショックアブソーバ17が設けられる。ショックアブソーバ17は、錘7を落下させた際に、落下のエネルギを吸収し、錘7や高速引張り試験1が破損することを防止する。
【0051】
図1の状態において、図示を省略した錘7の落下装置を起動すると(例えば電磁石などの電流を切断すると)、錘7は所定の高さから重力により落下する。錘7は、前述の通り、試験治具23のアーム29と衝突し、試験治具23へエネルギを与える。試験治具23に付与された力によって、試験片21は引っ張られる。試験片21は引張力に応じた応力で変形しその後破断する。
【0052】
ロードセル11の試験片21取付部近傍には、図示を省略した応力測定部が設けられる。応力測定部は、たとえば、ロードセル11下端にひずみゲージが張りつけられ、ロードセル11に生じたひずみ量から応力を算出すればよい。
【0053】
試験片21が高速で引張られた際の応力は、その反力がロードセル11の応力測定部で検出される。したがって、試験片21に生じた応力を知ることができる。錘7によって付与されたエネルギと試験片21に生じた応力とから、試験片21の高速引張り強度を知ることができる。
【0054】
次に、矯正治具13の詳細を説明する。図5は矯正治具13を示す斜視図である。矯正治具13は主に、プレート35、柱体37、アーム41、巻き取り部45等から構成される。ここで、図中矢印M方向をプレート35の長手方向とする。また、プレート35の長手方向と直交する、図中矢印N方向をプレート35の幅方向とする。
【0055】
プレート35は板状部材である。プレート35の長手方向後端部はL字状に折曲げられる。折曲げられた部位が取付部47となる。取付部47は壁体9との取付に用いられ、直接または他部材を介して壁体9とプレート35とが接合される。
【0056】
プレート35の長手方向先端において、プレート35の幅方向の両側にはアーム41(41a、41b)がそれぞれ設けられる。アーム41a、41bで囲まれた部位はロードセル貫通部39となる。ロードセル11はロードセル貫通部39において矯正治具13を貫通する。アーム41a、41bにはプレート35に垂直な方向に起立する柱体37a、37bがそれぞれ設けられる。
【0057】
柱体37aの長手方向後方(すなわち、プレート35の長手方向の略中央であって、プレート35の幅方向端部近傍)には、巻き取り部45bおよびつまみ43bが設けられる。巻き取り部45bはプレート35の長手方向先端方向に向けて設けられる。巻き取り部45bの後方には柱体37cが設けられる。なお、柱体37(37a、37b、37c)の高さは、巻き取り部45bの高さよりも高さが高い。
【0058】
柱体37bの長手方向後方(すなわち、プレート35の長手方向の後端近傍であって、巻き取り部45bとは反対側のプレート35の幅方向端部近傍)には、巻き取り部45aおよびつまみ43aが設けられる。巻き取り部45aはプレート35の幅方向外方に向けて設けられる。なお、巻き取り部45aは巻き取り部45bよりも高い位置に設けられる。
【0059】
つまみ43aを回転させると、巻き取り部45aが回転する。たとえば、図中矢印D方向へつまみ43aを回転させると、巻き取り部45aは図中矢印E方向へ回転する。つまみ43aを逆方向へ回転させれば、巻き取り部45aは逆方向へ回転する。なお、巻き取り部45aは、巻き取り部45aに線材が巻きつけられ、線材に張力が生じた場合でも逆転回転しない。
【0060】
同様に、つまみ43bを回転させると、巻き取り部45bが回転する。たとえば、図中矢印F方向へつまみ43bを回転させると、巻き取り部45bは図中矢印G方向へ回転する。つまみ43bを逆方向へ回転させれば、巻き取り部45bは逆方向へ回転する。なお、巻き取り部45bは、巻き取り部45bに線材が巻きつけられ、線材に張力が生じた場合でも逆転回転しない。巻き取り部45(45a、45b)およびつまみ43(43a、43b)としては、弦楽器等に用いられるペグが使用できる。
【0061】
次に、矯正治具13の使用方法を説明する。図6は矯正治具13の使用方法を示す図である。
【0062】
まず、矯正治具13を壁体9に設置し、ロードセルを設置した状態において、ロードセル貫通部39を貫通するロードセル11が矯正治具13のから遠ざかる方向に曲がっている場合を説明する。この場合、ロードセル11を矯正治具13側へ引っ張る必要がある(図6(a))。
【0063】
柱体37cに線材である紐49aを接合する。紐49aとしては、ロードセル11の直径よりも十分に小さく、また、剛性がなく表面に凹凸があるものが望ましい。たとえば凧糸などの繊維糸である。表面に凹凸がある方が、ロードセル11との接触面積を小さくでき、エネルギが紐49aを伝って漏れることを防ぐことができる。紐49aは柱体37cからロードセル11の外側に掛けられて巻き取り部45aに接合される。すなわち、ロードセル11は、紐49aによって柱体37cおよび巻き取り部45aに支持される。この状態でつまみ43aを回転させると(図中矢印H方向)、巻き取り部45aは回転し、紐49aが巻き取り部45aに巻きつけられる。したがって、紐49aによってロードセル11は矢印I方向へ引張られる。すなわち、紐49aが巻き取り部45aと柱体37cとに掛けられた部分がロードセル11の矯正部となる。
【0064】
なお、ロードセル11を壁体9方向へまっすぐに引っ張るためには、ロードセル11を中心として、矯正治具の長手方向に対してロードセル11から柱体37cへの紐49aがなす角度と、ロードセル11から巻き取り部45aへの紐49aがなす角度とが同一であることが望ましい。
【0065】
次に、矯正治具13を壁体9に設置し、ロードセルを設置した状態において、ロードセル貫通部39を貫通するロードセル11が矯正治具13へ近付く方向に曲がっている場合を説明する。この場合、ロードセル11を矯正治具13から離れる方向へ引っ張る必要がある(図6(b))。
【0066】
柱体37cに線材である紐49bを接合する。紐49bは柱体37cから柱体37aの外側に掛けられる。更に紐49bは、柱体37aからロードセル11の内側に掛けられ、柱体37bに掛けられ、柱体37bから巻き取り部45aに接合される。すなわち、ロードセル11は、紐49bによって柱体37aおよび柱体37bに支持される。この状態でつまみ43aを回転させると(図中矢印H方向)、巻き取り部45aは回転し、紐49bが巻き取り部45aに巻きつけられる。したがって、紐49bによってロードセル11は矢印J方向へ引っ張られる。すなわち、紐49bが巻き取り部45aと柱体37a、37bを介して柱体37cへ掛けられた部分がロードセル11の矯正部となる。
【0067】
なお、ロードセル11を壁体9に対して垂直に引っ張るためには、ロードセル11を中心として、矯正治具13の長手方向に対してロードセル11から柱体37aへの紐49bがなす角度と、ロードセル11から柱体37bへの紐49bがなす角度とが同一であることが望ましい。
【0068】
次に、矯正治具13を壁体9に設置し、ロードセルを設置した状態において、ロードセル貫通部39を貫通するロードセル11が矯正治具13に対して側方に曲がっている場合を説明する。この場合、ロードセル11を矯正治具13に対して側方へ引っ張る必要がある(図6(c))。
【0069】
柱体37aに線材である紐49cを接合する。紐49cは柱体37aからロードセル11の側方に掛けられて巻き取り部45bに接合される。すなわち、ロードセル11は、紐49cによって柱体37aおよび巻き取り部45bに支持される。この状態でつまみ43bを回転させると(図中矢印K方向)、巻き取り部45bは回転し、紐49cが巻き取り部45bに巻きつけられる。したがって、紐49cによってロードセル11は矢印L方向へ引っ張られる。すなわち、紐49cが巻き取り部45bと柱体37aとに掛けられた部分がロードセル11の矯正部となる。
【0070】
なお、ロードセル11を壁体9に対して平行に引っ張るためには、ロードセル11を中心として、矯正治具13の幅方向に対してロードセル11から柱体37aへの紐49cがなす角度と、ロードセル11から巻き取り部45bへの紐49cがなす角度とが同一であることが望ましい。
【0071】
また、図6(c)とは逆の側に引張力を付与したい場合には、矯正治具13を壁体9に反対向き(下向きに)設置し、同様に紐49cによりロードセル11を引っ張れば良い。
【0072】
矯正治具13による引張方向は、引張治具13の長手方向(図6(a)または図6(b))および幅方向(図6(c)および矯正治具13を逆向きに設置した状態)を組み合わせることで、任意の方向に対してロードセル11を引っ張ることができる。この際、矯正治具13の長手方向への引張力を付与する場合に掛けられる紐49a、49bは、巻き取り部45aの高さで掛けられる。一方、矯正治具13の幅方向への引張力を付与する場合に掛けられる紐49cは、巻き取り部45bの高さで掛けられる。巻き取り部45aと巻き取り部45bとは高さが異なるため、同時に互いに垂直な2方向への引張力を付与した場合でも、紐同士が干渉することはない。
【0073】
なお、ロードセル11の矯正を確実に行うためには、ロードセル締結部19近傍から下方に向かってレーザーを照射し、または重錘が取り付けられた紐をたらして、ロードセル11が鉛直方向にまっすぐになっているかどうかを確認しながら調整すれば良い。
【0074】
以上説明したように、本発明の実施形態にかかる高速引張り試験機1によれば、試験片21の高速での引張り強度を簡易に正確に測定することができる。特に、長さが長いロードセル11を用いるため、試験片21へ付与された衝撃による振動波(反射波)の影響を防ぐことができる。
【0075】
また、矯正治具13を用いればロードセル11の曲がりを矯正することができ、ロードセル11の曲がりに起因するノイズの発生を抑制することができる。すなわち、ロードセル11の軸方向と試験片21および試験片21の引張方向を一直線方向に位置させることができる。さらに、矯正治具13は線材である紐49によりロードセル11を矯正するため、ロードセル11が剛固定されることがない。したがって、ロードセル11は完全に拘束されず、ロードセル11を伝播する衝撃による振動波が矯正治具13位置で反射することがない。したがって、反射波によるノイズの影響を抑制することができる。
【0076】
また、矯正治具13によれば、試験片21の破断後にロードセル11に発生する剛体振れを抑制することもできる。
【0077】
矯正治具13によるロードセルの調整は、紐49を所定の方法でかけた後、巻き取り部45により紐49の引張り量を調整するのみであるため、簡易であり、確実にロードセル11をロードセル11の軸方向に垂直な任意の方向へ矯正することができる。したがって、矯正治具13の設置場所、設置個数、矯正治具13の各設置部位におけるロードセル11の矯正方向および矯正量を調整することで、ロードセル11がどのような曲がりを有していても確実に矯正することができる。
【0078】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】高速引張り試験機1を示す図。
【図2】図1のA部拡大図で、試験片23近傍の拡大図。
【図3】図1のB−B線断面図で、錘7の下方断面図。
【図4】図1のC−C線断面図で、矯正治具13近傍の断面図。
【図5】矯正治具13を示す斜視図。
【図6】矯正治具13によりロードセル11を矯正する方法を示す図。
【図7】高速引張り試験機50を示す図。
【図8】(a)は図7のP部拡大図で、試験片65近傍の拡大図、(b)はノイズVを示す概念図。
【図9】(a)は固定治具75を設置した高速引張り試験機50を示す図、(b)はノイズXを示す概念図。
【符号の説明】
【0080】
1、50………高速引張り試験機
3………ベース
5………ガイド
7………錘
9………壁体
11………ロードセル
13………矯正治具
15………天板
17………ショックアブソーバ
19………ロードセル締結部
21………試験片
23………試験治具
25………ピン
27………ピン
29………アーム
31………逃げ部
33………溝
35………プレート
37a、37b、37c………柱体
39………ロードセル貫通部
41a、41b………アーム
43a、43b………つまみ
45a、45b………巻き取り部
47………取付部
48………梁部
49a、49b、49c………紐
51………ベース
53………ガイド
55………ロードセル
57………天板
59………錘
61………ロードセル締結部
63………ショックアブソーバ
65………試験片
67………試験治具
69………ピン
71………ピン
73………アーム
75………固定治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速引張り試験機に用いられるロードセルを矯正する治具であって、
プレートと、
前記プレートの先端に設けられるロードセル貫通部と、
前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルに対して、前記ロードセルの軸方向に略垂直な方向に力を付与する第1のロードセル矯正手段と、
前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルに対して、前記ロードセルの軸方向に略垂直であり、かつ前記第1のロードセル矯正部が前記ロードセルへ付与する力の方向とは略垂直な方向に力を付与する第2のロードセル矯正手段と、
を具備し、
前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルの軸方向に対して略垂直な任意の方向に力を付与することが可能であることを特徴とするロードセル矯正治具。
【請求項2】
前記プレートの先端に突出する一対のアームと、
一対の前記アーム上にそれぞれ設けられる第1の柱体および第2の柱体と、
前記第1の柱体の後方に設けられ、線材の巻き取りが可能な第1の巻き取り部と、
前記プレート上の一方の側端近傍に設けられる第3の柱体と、
前記第3の柱体に対して前記プレートの他方の側端近傍に設けられる第2の巻き取り部と、
を更に具備し、
前記第1のロードセル矯正手段は、前記第1の巻き取り部と前記第1の柱体とに掛けられる第1の線材とを有し、
前記第2のロードセル矯正手段は、前記第2の巻き取り部と少なくとも前記第3の柱体とに掛けられる第2の線材とを有することを特徴とする請求項1記載のロードセル矯正治具。
【請求項3】
前記第1の線材および前記第2の線材は、剛性がなく、表面に凹凸が形成されることを特徴とする請求項2記載のロードセル矯正治具。
【請求項4】
ベースと、
前記ベース上に略鉛直方向に起立する一対のガイドと、
前記ガイドが貫通し、略中央に逃げ部が設けられ、ガイドに沿って移動可能な錘と、
略鉛直方向に設けられ、前記逃げ部を貫通するロードセルと、
前記錘の後方に設けられる壁部と、
前記壁部に少なくとも1箇所設けられ、前記ロードセルの曲がりを矯正するロードセル矯正治具と、
を具備し、
前記ロードセル矯正治具は、
プレートと、前記プレートの先端に設けられるロードセル貫通部と、前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルに対して、前記ロードセルの軸方向に略垂直な方向に力を付与する第1のロードセル矯正部と、前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルに対して、前記ロードセルの軸方向に略垂直であり、かつ前記第1のロードセル矯正手段が前記ロードセルへ付与する力の方向とは略垂直な方向に力を付与する第2のロードセル矯正手段と、を具備し、前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルの軸方向に対して略垂直な任意の方向に力を付与することが可能であることを特徴とする高速引張り試験機。
【請求項5】
前記ロードセル矯正治具の大きさは、前記逃げ部の大きさよりも小さく
前記ロードセル矯正治具は、
前記プレートの先端に突出する一対のアームと、
一対の前記アーム上にそれぞれ設けられる第1の柱体および第2の柱体と、
前記第1の柱体の後方に設けられ、線材の巻き取りが可能な第1の巻き取り部と、
前記プレート上の一方の側端近傍に設けられる第3の柱体と、
前記第3の柱体に対して前記プレートの他方の側端近傍に設けられる第2の巻き取り部と、
を更に具備し、
前記第1のロードセル矯正手段は、前記第1の巻き取り部と前記第1の柱体とに掛けられる第1の線材とを有し、
前記第2のロードセル矯正手段は、前記第2の巻き取り部と少なくとも前記第3の柱体とに掛けられる第2の線材とを有することを特徴とする請求項4記載の高速引張り試験機。
【請求項6】
前記第1の線材および前記第2の線材は、剛性がなく、表面に凹凸が形成されることを特徴とする請求項5記載の高速引張り試験機。
【請求項7】
材料の高速引張り試験方法であって、
ベースと、前記ベース上に略鉛直方向に起立する一対のガイドと、前記ガイドが貫通し、略中央に逃げ部が設けられ、ガイドに沿って移動可能な錘と、略鉛直方向に設けられ、前記逃げ部を貫通するロードセルと、前記錘の後方に設けられる壁部と、前記壁部に少なくとも1箇所設けられ、先端にロードセル貫通部を有し、前記ロードセルの曲がりを矯正するロードセル矯正治具と、
を具備する高速引張り試験機を用い、
前記ロードセル矯正治具に設けられた第1のロードセル矯正手段により、前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルに対して、前記ロードセルの軸方向に略垂直な方向に力を付与するとともに、
前記ロードセル矯正治具に設けられた第2のロードセル矯正手段により、前記ロードセル貫通部を貫通するロードセルに対して、前記ロードセルの略軸方向に垂直かつ前記第1のロードセル矯正手段が前記ロードセルへ付与する力の方向に略垂直な方向に力を付与し、
前記ロードセルの曲がりを矯正した状態で、前記錘を落下させて、前記ロードセル下方に設けられた試験片へ力を付与することを特徴とする材料の高速引張り試験方法。
【請求項8】
前記ロードセル矯正治具は、
前記プレートの先端に突出する一対のアームと、
一対の前記アーム上にそれぞれ設けられる第1の柱体および第2の柱体と、
前記第1の柱体の後方に設けられ、線材の巻き取りが可能な第1の巻き取り部と、
前記プレート上の一方の側端近傍に設けられる第3の柱体と、
前記第3の柱体に対して前記プレートの他方の側端近傍に設けられる第2の巻き取り部と、
を更に具備し、
前記第1のロードセル矯正手段は、前記第1の巻き取り部から前記ロードセルを介して前記第1の柱体に掛けられる第1の線材を、前記第1の巻き取り部により巻き取ることで前記ロードセルに力を付与するとともに、
前記第2のロードセル矯正手段は、前記第2の巻き取り部から前記ロードセルを介して、少なくとも前記第3の柱体に掛けられる第2の線材を、前記第2の巻き取り部により巻き取ることで前記ロードセルに力を付与することを特徴とする請求項8記載の材料の高速引張り試験方法。
【請求項9】
前記第1の線材および前記第2の線材は、剛性がなく、表面に凹凸が形成されることを特徴とする請求項8記載の材料の高速引張り試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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