説明

ロードセル

【課題】
他の機器に隣接して配置する場合に、ロードセルの内側の空間を有効に利用できるロードセルを提供する。
【解決手段】
本発明に係るロードセル100は、負荷をかけると歪みが生じる起歪体1と、起歪体1の歪みを検出する感圧部2と、を備えている。そして、起歪体1は、互いに平行な一対のビーム部3、4と、一対のビーム部3、4の両先端を連結する可動部5とを有し、これらによって全体がゲート状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロバーバル機構を利用したロードセルに関し、特に他の機器に隣接して配置する場合に有効なロードセルに関する。
【背景技術】
【0002】
荷重を電気信号に変換するロードセルは様々な分野で利用されている。特に、秤量の分野では、被計量物の位置に影響を受けないロバーバル機構を利用したロバーバル型のロードセルが広く利用されている(例えば、特許文献1参照)。図6は、一般的なロバーバル型のロードセル600の概略を示した側面図であって、図6(a)はロードセルが歪む前の状態の図であり、図6(b)はロードセルが歪んだ状態の図である。図6に示すように、一般的なロバーバル型のロードセル600は、上部に位置する上ビーム部601と、下部に位置する下ビーム部602と、装置本体などの静止体Sに固定される固定部603と、鉛直方向に外力を受ける可動部604とから成り、全体として矩形の板枠形状を有している。そして、上ビーム部601及び下ビーム部602の外周面の両端には、合計4つのひずみゲージ605が貼着されている。
【0003】
このように構成されたロードセル600に、図6に示すよう計量台606を介して図中の矢印の方向に負荷をかけると、図6(b)に示すように、上ビーム部601及び下ビーム部602が歪むことになる。この歪みに伴って、4箇所に貼着されたひずみゲージ605のうち図中の左上と右下に貼着されたひずみゲージ605は伸び、右上と左下に貼着されたひずみゲージ605は縮む。当然ながら、ロードセル600に加わる負荷が大きくなれば、ひずみゲージ605の歪みの程度も大きくなる。一方、ひずみゲージ605は、その伸びや縮みの程度によって電気抵抗が変化するという特性を有している。そのため、ホイートストンブリッジ回路を用いてひずみゲージ605の電気抵抗を電圧に変換し、この電圧値を取得することで、ロードセル600にかかる負荷の大きさを検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−47118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなロードセルは単独で使用される場合もあるが、多くの場合、他の機器とともに装置内部に組み込まれて、その装置の一部を構成する。そして、ロードセルを含む装置をコンパクトにしようとする場合、ロードセルや他の機器をどのように配置するかが問題となる。ここで、より効率良く配置するためには、平面的な配置のみならず、立体的な配置についても考慮する必要がある。この点、図6に示すように、ロバーバル型のロードセルは内側に空間が存在することから、この空間を有効に利用したいところである。ところが、実際にはこの空間を貫いてモータなどの機器を配置することは難しく、実質的にロードセルの内側はデッドスペースとなっていた。
【0006】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、他の機器に隣接して配置する場合に、ロードセルの内側の空間を有効に利用できるロードセルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、本発明に係るロードセルは、負荷をかけると歪みが生じる起歪体と、該起歪体の歪みを検出する感圧部と、を備え、前記起歪体は、互いに平行な一対のビーム部と、該一対のビーム部の両先端を連結する可動部とを有し、これらによって全体がゲート状に形成されている。かかる構成によれば、ロードセルのゲートをくぐるようにして、他の機器をロードセルの内側に配置することができる。
【0008】
また、上記のロードセルにおいて、前記一対のビーム部から前記可動部が着脱できるように構成してもよい。かかる構成によれば、可動部を一時的に取り外すことにより、ロードセルの内側に配置される機器の取り付けや取り外し等の作業を容易に行うことができる。
【0009】
また、上記のロードセルにおいて、連結部をさらに備え、該連結部は迂回して前記一対のビーム部の両基端を連結するようにしてもよい。かかる構成によれば、一対のビーム部の両基端を連結することで、ビーム部同士の距離の変化による感圧部の破損を防止することができるとともに、連結部はロードセルの内側に設置される機器への接触を回避することができる。
【0010】
また、上記のロードセルにおいて、前記連結部は、前記起歪体の内側で前記起歪体に沿うようにして形成されるようにしてもよい。かかる構成によれば、連結部を備えているにもかかわらず、ロードセルをコンパクトに形成することができる。
【0011】
また、上記のロードセルにおいて、前記連結部は、前記可動部に向かって突出するストッパ部材を有し、前記可動部は前記ストッパ部材に対応する位置に挿入孔が形成されており、前記ストッパ部材は所定幅の隙間が生じるように前記挿入孔に挿入されるようにしてもよい。かかる構成によれば、ストッパ部材を短くすることができることから、自重によるたわみが減少し、より精度の高いストッパ機構を構成することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ロードセルのゲートをくぐるようにして、他の機器をロードセルの内側に配置することができる。よって、他の機器に隣接して配置する場合に、ロードセルの内側の空間を有効に利用できるロードセルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係るロードセルの側面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るロードセルの側面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るロードセルを示した図であって、(a)が側面図であり、(b)が斜視図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係るロードセルを示した図であって、(a)が側面図であり、(b)が斜視図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係るロードセルを示した図であって、(a)が側面図であり、(b)が斜視図である。
【図6】一般的なロバーバル型のロードセルを示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るロードセルの実施形態について図を参照しながら説明する。以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
【0015】
(第1実施形態)
まず、図1を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るロードセル100について説明する。図1は本実施形態に係るロードセル100の側面図である。図1に示すように、本実施形態に係るロードセル100は、起歪体1と、感圧部2と、から主に構成されている。さらに、起歪体1は、上ビーム部3と、下ビーム部4と、可動部5と、から主に構成されている。以下、各構成について順に説明する。
【0016】
上ビーム部3は、起歪体1のうち上部に位置する部材である。上ビーム部3は水平方向に延在しており、基端側(紙面左側)が装置本体などの静止体Sに取り付けられている。例えば、上ビーム部3の基端側の端面に水平方向に延在する雌ねじを形成し、静止体Sの内側から雄ねじを取り付けることで上ビーム部3を静止体Sに取り付けることができる。また、上ビーム部3の内周面(下面)の両側には、上ビーム部3の伸延方向に対して直角の方向に伸延する溝状の切欠部6が形成されている。なお、上ビーム部3を含む起歪体1は、全てアルミニウムを材料としている。
【0017】
下ビーム部4は、起歪体1のうち下部に位置する部材である。下ビーム部4は水平方向に延在しており、装置本体などの静止体Sに基端側が取り付けられている。例えば、下ビーム部4の基端側(紙面左側)の端面に水平方向に延在する雌ねじを形成し、静止体Sの内側から雄ねじを取り付けることで下ビーム部4を静止体Sに取り付けることができる。また、下ビーム部4の内周面(上面)の両側には、下ビーム部4の伸延方向に対して直角の方向に伸延する溝状の切欠部7が形成されている。なお、下ビーム部4は、上ビーム部3に対して平行に形成されおり、下ビーム部4と上ビーム部3とは対をなしている。
【0018】
可動部5は、起歪体1のうち鉛直方向に延在する部分である。可動部5は、上ビーム部3と下ビーム部4の先端(紙面右側)同士を連結している。また、可動部5は、秤量の対象となる被計量物を載せるための計量台や計量容器などが取り付けられ、鉛直方向に負荷を受けて鉛直方向に変位する(図6参照)。なお、図1に示すように、本実施形態では、上ビーム部3、下ビーム部4、及び可動部5が一体となって起歪体1を形成しており、起歪体1の全体がゲート状に形成されている。
【0019】
感圧部2は、内部にひずみゲージを有しており、起歪体1の歪みを検出する部分である。感圧部2は、上ビーム部3の外周面(上面)であって切欠部6に対応する位置、及び下ビーム部4の外周面(下面)であって切欠部7に対応する位置に貼着されている。上述したように、ロードセル100に加わる負荷が大きくなれば、感圧部2(ひずみゲージ)の歪みの程度が大きくなって電気抵抗が変化する。そして、この電気抵抗を電圧に変換して取得することで、ロードセル100にかかる負荷の大きさを検出することができる。
【0020】
以上が第1実施形態に係るロードセル100の構成である。以上のように、第1実施形態に係るロードセル100は、一般的なロバーバル型のロードセルが備えている固定部(図6で符合603が付された部分)を備えていない。ただし、固定部を備えていない場合であっても、そもそも固定部は変位しないため、静止体Sが固定部の役割を果すことができ、ロードセル100は正しく機能する。さらに、第1実施形態に係るロードセル100は、ゲート状に形成されていることから、ロードセル100のゲートをくぐるようにして、他の機器をロードセル100の内側に配置することができる。よって、ロードセル100を他の機器に隣接して配置する場合に、ロードセル100の内側の空間を有効に利用することができる。
【0021】
なお、ロードセル100を静止体Sから取り外して持ち運ぶときなどは、想定外の力がはたらき、上ビーム部3の基端部分と下ビーム部4の基端部分の距離が大きく変動するような場合がある。この場合、上ビーム部3や下ビーム部4に貼着された感圧部2が破損してしまうおそれがあるため、保管時や搬送時には、上ビーム部3の基端部分と下ビーム部4の基端部分の距離を一定に保つ必要がある。そこで、ロードセル100を静止体Sから取り外して持ち運び等する場合は、剛性の高い金属製の板などで構成された輸送用部品に、上ビーム部3の基端部分と下ビーム部4の基端部分の両方を所定の間隔を維持した状態で固定するのが望ましい。これにより、上ビーム部3の基端部分と下ビーム部4の基端部分の距離は一定に保たれる。
【0022】
また、輸送用部品をロードセル100に取り付けたままでロードセル100を静止体Sに固定することができ、かつ、静止体Sにロードセル100を固定した後には搬送用部品をロードセル100から取り外せるように構成してもよい。かかる構成によれば、輸送時など感圧部2が破損するおそれが高い場合には輸送用部品を用いてこれを防止しつつ、感圧部2が破損するおそれが低い場合には輸送用部品を外して、ロードセル100の内側の空間を有効に利用することができる。
【0023】
(第2実施形態)
次に、図2を参照しながら、本発明の第2実施形態に係るロードセル200について説明する。図2は、第2実施形態に係るロードセル200の側面図である。
【0024】
図2に示すように、第2実施形態に係るロードセル200は、上ビーム部3、下ビーム部4、及び可動部5から成る起歪体1と、感圧部2とを備えている点で、第1実施形態に係るロードセル100と共通する。ただし、第1実施形態に係るロードセル100では上ビーム部3、下ビーム部4、及び可動部5が一体に形成されていたのに対し、第2実施形態に係るロードセル200は、可動部5が一対のビーム部(上ビーム部3及び下ビーム部4)から着脱できるように構成されている点で両者は異なる。以下、第2実施形態に係るロードセル200の具体的な構成について、特に第1実施形態に係るロードセル100と相違する部分を中心に説明する。
【0025】
第2実施形態に係るロードセル200は、起歪体1を備えており、この起歪体1は、上ビーム部3と、下ビーム部4と、可動部5と、一対の連結ねじ8と、から主に構成されている。上ビーム部3の先端付近には鉛直方向に延在する貫通孔9が形成されている。同様に、下ビーム部4の先端付近にも鉛直方向に延在する貫通孔10が形成されている。可動部5は角柱の形状を有しており、上面のうち上ビーム部3の貫通孔9に対応する位置に雌ねじ11が形成されているとともに、下面のうち下ビーム部4の貫通孔10に対応する位置にも雌ねじ12が形成されている。さらに、上ビーム部3の外側から貫通孔9を貫通して、可動部5の上面側に形成された雌ねじ11に連結ねじ8が締結されており、また、下ビーム部4の外側から貫通孔10を貫通して、可動部5の下面側に形成された雌ねじ12にも連結ねじ8が締結されている。
【0026】
第2実施形態に係るロードセル200は以上のような構成を備えているため、上下の連結ねじ8をそれぞれ締め付けることにより、可動部5を上ビーム部3及び下ビーム部4に固定することができ、また、上下の連結ねじ8を緩めて取り外すことにより、可動部5を上ビーム部3及び下ビーム部4から取り外すことができる。このように、第2実施形態に係るロードセル200は、可動部5が上ビーム部3及び下ビーム部4(一対のビーム部)から着脱できるように構成されているため、例えば、ロードセル200の内側に機器を設置したり、取り外したりする作業を行う場合に、一時的に可動部5を取り外せば、それらの作業を容易に行うことができる。
【0027】
(第3実施形態)
次に、図3を参照しながら、本発明の第3実施形態に係るロードセル300について説明する。図3は第3実施形態に係るロードセル300を示した図であって、図3(a)が側面図であり、図3(b)が斜視図である。
【0028】
図3に示すように、本実施形態に係るロードセル300は、上ビーム部3、下ビーム部4、及び可動部5から成る起歪体1と、感圧部2とを備えている点で、第1実施形態に係るロードセル100と共通する。ただし、第3実施形態に係るロードセル300は、連結部13をさらに備えている点で、第1実施形態に係るロードセル100と構成が異なる。以下、第3実施形態に係る連結部13の具体的な構成について説明する。
【0029】
連結部13は、上ビーム部3の基端部分と下ビーム部4の基端部分の距離を一定に保つ機能を有している。上ビーム部3の基端部分と下ビーム部4の基端部分の距離を一定に保つのは、この距離が大きく変動すると感圧部2が破損するおそれがあるからである。なお、本実施形態に係る連結部13は、上ビーム部3の基端部分と下ビーム部4の基端部分を直線的に連結するのではなく、迂回して上ビーム部3の基端部分を下ビーム部4の基端部分とを連結している。ここで、「迂回する」とは、遠回りして上ビーム部3の基端部分と下ビーム部4の基端部分を連結していることをいう。より具体的には、連結部13は、上ビーム部3の基端部分から上ビーム部3に対して垂直に延在する上枠部14と、下ビーム部4の基端部分から下ビーム部4に対して垂直に延在する下枠部15と、上枠部14と下枠部15の先端部分を連結する縦枠部16から構成されている。つまり、第3実施形態に係る連結部13は、上ビーム部3及び下ビーム部4に対して垂直な方向へ迂回するように形成されているとともに、その形状が矩形に形成されている。
【0030】
以上のように、第3実施形態に係るロードセル300は連結部13を備えており、この連結部13が迂回して上ビーム部3の基端部分と下ビーム部4の基端部分を連結するため、ロードセル300の内側に機器が配置されても、連結部13はこの機器を迂回することができる。これらの説明から理解されるように、連結部13は図3で図示した形態に限られるものではなく、他の機器の形状や配置に対応して連結部13の形状等を変更してもよい。つまり、連結部13の大きさや形状は配置された機器を迂回できる限りどのような形状であっても良く、例えば連結部13が円弧状であってもよい。また、ロードセル300の内側に配置される機器の形状や配置に応じて連結部13を交換できるように、連結部13を取り外し可能に構成してもよい。
【0031】
(第4実施形態)
次に、図4を参照しながら、本発明の第4実施形態に係るロードセル400について説明する。図4は第4実施形態に係るロードセル400を示した図であって、図4(a)が側面図であり、図4(b)が斜視図である。
【0032】
図4に示すように、第4実施形態に係るロードセル400は、上ビーム部3、下ビーム部4、及び可動部5から成る起歪体1と、感圧部2と、連結部13とを備えている点で、第3実施形態に係るロードセル300と共通する。ただし、第4実施形態に係るロードセル400は、連結部13の具体的な構成が、第3実施形態に係るロードセル300の場合と異なる。以下、第4実施形態に係る連結部13の具体的な構成について説明する。
【0033】
第4実施形態に係る連結部13は、第3実施形態の場合と同様に迂回して上ビーム部3の基端部分と下ビーム部4の基端部分を連結するが、それだけではなく、起歪体1の内側で起歪体1に沿うようにして形成されている。より具体的には、連結部13は、上ビーム部3の内側であってその基端部分から上ビーム部3に対して平行に延在する上枠部14と、下ビーム部4の内側であってその基端部分から下ビーム部4に対して平行に延在する下枠部15と、可動部5の内側において上枠部14と下枠部15の先端を連結する縦枠部16から構成されている。なお、連結部13と起歪体1(上ビーム部3、下ビーム部4、及び可動部5)との間には、所定幅の隙間が形成されている。ロードセル400に負荷がかかると起歪体1は変位するのに対して連結部13は変位しないため、ロードセル400に負荷がかかって起歪体1が大きく変位すると、起歪体1と連結部13とが接触して、ロードセル400が正しく機能しないおそれがあるからである。
【0034】
以上のように、第4実施形態に係るロードセル400は、連結部13が起歪体1の内側で起歪体1に沿うようにして形成されているため、第3実施形態に係るロードセル300に比べ、ロードセル400全体をコンパクトに構成することができる。また、第4実施形態に係るロードセル400は、全体が板状に形成されているため、加工が容易で製造コストを抑えることもできる。
【0035】
(第5実施形態)
次に、図5を参照しながら、本発明の第5実施形態に係るロードセル500について説明する。図5は第5実施形態に係るロードセル500を示した図であって、図5(a)が側面図であり、図5(b)が斜視図である。
【0036】
図5に示すように、第5実施形態に係るロードセル500は、連結部13が起歪体1の内側で起歪体1に沿うようにして形成されている点で、第4実施形態に係るロードセル400と共通する。ただし、第5実施形態に係るロードセル500は、連結部13がストッパ部材17を備えている点で第4実施形態に係るロードセル400と構成が異なる。以下、第5実施形態に係るロードセル500の具体的な構成について説明する。
【0037】
第5実施形態に係る連結部13は、可動部5に向かって突出する円柱状のストッパ部材17を有している。例えば、連結部13の縦枠部16の中央付近に水平方向に延在する断面が円形の嵌め込み孔を形成し、その嵌め込み孔に円柱状のストッパ部材17を圧入することで、連結部13の縦枠部16にストッパ部材17を固定することができる。また、可動部5のストッパ部材17に対応する部分には、挿入孔18が形成されている。そして、挿入孔18の内径はストッパ部材17の外径よりも大きく形成されている。そのため、ロードセル500に負荷がかかっていないとき、ストッパ部材17は所定幅の隙間が生じるように挿入孔18に挿入された状態となる。
【0038】
以上のように、第5実施形態に係るロードセル500は、連結部13のストッパ部材17が所定幅の隙間が生じるように可動部5の挿入孔18に挿入されている。そのため、可動部5に負荷がかかって(大きく変位して)上記の隙間の幅だけ変位すると、挿入孔18の内面がストッパ部材17の外面に接触し、可動部5の移動が制限される。よって、ロードセル500に過度な負荷がかかってロードセル500(感圧部2)が破損してしまうのを防ぐことができる。さらに、第5実施形態に係るロードセル500によれば、連結部13の縦枠部16が起歪体1の可動部5に非常に近いため、ストッパ部材17の長さを短くすることができる。これにより、ストッパ部材17の自重によるたわみが軽減され、100分の1ミリ単位で調整が必要な挿入孔18との隙間を精度良く形成することができる。
【0039】
以上、本発明に係る第1実施形態乃至第5実施形態について図を参照して説明したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によれば、他の機器に隣接して配置する場合に、ロードセルの内側の空間を有効に利用できるロードセルを提供することができる。よって、ロードセルの技術分野において有益である。
【符号の説明】
【0041】
1 起歪体
2 感圧部
3 上ビーム
4 下ビーム
5 可動部
13 連結部
17 ストッパ部材
18 挿入孔
100、200、300、400、500 ロードセル
S 静止体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷をかけると歪みが生じる起歪体と、該起歪体の歪みを検出する感圧部と、を備え、
前記起歪体は、互いに平行な一対のビーム部と、該一対のビーム部の両先端を連結する可動部とを有し、これらによって全体がゲート状に形成されている、ロードセル。
【請求項2】
前記一対のビーム部から前記可動部が着脱できるように構成されている、請求項1に記載のロードセル。
【請求項3】
連結部をさらに備え、該連結部は迂回して前記一対のビーム部の両基端を連結する、請求項1に記載のロードセル。
【請求項4】
前記連結部は、前記起歪体の内側で前記起歪体に沿うようにして形成されている、請求項3に記載のロードセル。
【請求項5】
前記連結部は、前記可動部に向かって突出するストッパ部材を有し、前記可動部は前記ストッパ部材に対応する位置に挿入孔が形成されており、前記ストッパ部材は所定幅の隙間が生じるように前記挿入孔に挿入されている、請求項4に記載のロードセル。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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