説明

ローリフトのハンドル装置

【目的】 運転者の手の保護を兼ね備えると共に、極めて構造を簡素化し、組付け時の作業性を向上させ得るローリフトのハンドル装置を提供すること
【構成】 ハンドルポスト5に回動自在に支承された枢軸3の左右両側に、アクセルグリップ2を嵌入装着すると共に、該アクセルグリップ2の外側端には、その半径方向に膨出させた円盤状の膨出部2Aを形成し、外方からの障害物に対しては、膨出部2Aの外側端面により運転者の手を保護しうるとともに、正面方向については、左右の膨出部2Aの、円周部分により運転者の手を保護しうる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本考案は、ローリフトのハンドル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5には、ローリフト20を示す。該ローリフト20は、本体部25と該本体部25に枢着されたハンドルポスト5と、該ハンドルポスト5の上部に装着されたハンドル装置21と、該ハンドル装置21の旋回動作により操舵され得るドライブホイール24と、前記本体部25に対し上下移動可能に係止された可動部26と、該可動部26の先端部に固着されたフォーク22とから構成されている。
又、フォーク22の先端部にはキャスター23が装備され、該キャスター23は、前記本体部25内に収納配置されているシリンダ及びリンク機構(共に、不図示)によって、起倒可能に装着される周知の構成である。
【0003】
図3には、ハンドル装置21の詳細を示す。図において、前記ハンドルポスト5には、ガードプレート30が固着されており、該ガードプレート30の左右両側に形成された立設部30Aに、枢軸31がパッド36を介してネジ37にて固定支持される。該ガードプレート30や、立設部30Aは、運転者がグリップ部32を握っている際、ハンドル装置21を壁や何らかの障害物に接触させた場合であっても運転者の手を保護する役割を担っているものである。従って、その強度を向上させ得るよう比較的肉圧の厚い鉄板を用いて形成されている。
【0004】
前記枢軸31の端部側には、グリップ部32が軸受39を介して前記枢軸31に対して回動自在に支承されており、該グリップ部32は、止め輪38によって、その軸方向の移動が規制されている。
【0005】
アクセルレバー33は、前記枢軸31に回動自在に挿通されかつ断面が略「D」字状をなすスリーブ35にセットスクリュ34にて固着されている。従って、アクセルレバー33を回動させると、スリーブ35が枢軸31に対して回動しうるものである。
【0006】
又、前記スリーブ35には、該スリーブ35と一体的に回動しうるカム8が嵌入装着されており、図3におけるB−B視である図4に示す如く、カム8の回動により前後進の走行指令をなすリミットスイッチLSを作動させるように構成される。尚、6は、ハンドルポスト5とスリーブ35との間に介在させたカラー、9はハンドルポスト5にスプリング10を介して弾性的に支承されたエマージェンシースイッチ9で、運転者が壁とローリフト20との間に挟まれた際に、当該エマージェンシースイッチ9が作動してローリフト20を非常停止させるものである。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来の構成にあっては、ガードプレート30や、枢軸31の剛性を相当高く設計しなければならず、装置のコスト高を招来する一方、その組付けにも工数を要するという問題がある。本考案は、かかる問題点に鑑み案出されたもので、その目的は、従来と同様運転者の手の保護を兼ね備えると共に、極めて構造を簡素化し、組付け時の作業性を向上させ得るローリフトのハンドル装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案は、ハンドルポストに回動自在に支承された枢軸の左右両側に、アクセルグリップを嵌入装着すると共に、該アクセルグリップの外側端には、その半径方向に膨出させた円盤状の膨出部を形成してなる構成とし、上述の課題を解決したものである。
【0009】
【実施例】
本考案の第一実施例を、以下、図1及び図2に基づき説明するが、従来と、同一の構成要素については、同一の番号を付すこととする。
【0010】
本考案のハンドル装置1は、ハンドルポスト5にカラー6を介して枢軸3を回動自在に支承し、該枢軸3の両端部にアクセルグリップ2を嵌入装着して構成される。
【0011】
前記アクセルグリップ2は、運転者が直接握る部分である把持部2Aと、該把持部2Aの外側端に形成された膨出部2Bとから構成される。該膨出部2Bは、その半径方向に膨出させた円盤状をなし、その該側端面にはネジ4を枢軸3にねじ込むことにより両者を固着する。
【0012】
さらに、図2に示す如く、枢軸3の断面は略「D」字状をなすと共に、アクセルグリップ2の内径もこれに対応する如く形成されている。従って、アクセルグリップ2を回動させると、アクセルグリップ2と枢軸3とは一体的に回動する。
【0013】
前記枢軸3の左右で、かつハンドルポスト5から所定の間隔を隔てた箇所には止め輪7が装着されており、前記カラー6のフランジ部6Aと相まって、枢軸3がハンドルポスト5から大きく突出して左右の突出量が不均衡となるのを防止し得る。
【0014】
又、枢軸3にはカム8が従来と同様に嵌入装着されており、従って、アクセルグリップ2を回動させると、枢軸3及びカム8も一体となって回動し、これにより図示しないリミットスイッチを作動させることができる。
【0015】
【作用】
図6に示す如く、X方向の障害物に対しては、膨出部2Bの外側端面により運転者の手を保護しうるとともに、Y方向については、膨出部2Bの、円周部分により運転者の手を保護する事が可能となる。
【0016】
【考案の効果】
本考案は、上記の構成を採用した結果、従来と同様運転者の手を保護する機能を損なうことなく、部品点数を減少させると共に、構造を極めて簡素化し、組付け時の作業性を向上させ得るという実用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す正面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】従来のハンドル装置を示す正面図である。
【図4】図3におけるB−B視である。
【図5】ウォーキー型ローリフトの側面図である。
【図6】本考案の作用を説明するための平面図である。
【符号の説明】
1 ハンドル装置
2 アクセルグリップ
2A 把持部
2B 膨出部
3 枢軸
4 ネジ
5 ハンドルポスト
6 カラー
7 止め輪

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 ハンドルポストに回動自在に支承された枢軸の左右両側に、アクセルグリップを嵌入装着すると共に、該アクセルグリップの外側端には、その半径方向に膨出させた円盤状の膨出部を形成してなるローリフトのハンドル装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【図6】
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