説明

ロール紙供給装置

【課題】補充用のロール紙の補充部を有する明細票印刷部において、補充用のロール紙の誤装填を防止する手段を提供する。
【解決手段】明細票印刷部14に、収容部30の使用中のロール紙23のニアエンド状態を検出するニアエンドセンサ43と、補充部34の補充用ロール紙35の存在を検出する補充用ロール紙検出センサ44と、搬送路25上の使用中のロール紙23の存在を検出するエンドセンサ26とを設け、補充部34に補充用ロール紙35が装填されるときに、補充用ロール紙検出センサ44が、補充部34に装填された補充用ロール紙35を検出しており、かつニアエンドセンサ43が収容部30のロール紙23を検出している場合に、エンドセンサ26が使用中のロール紙23の存在を検出しているときは、補充用ロール紙35の誤装填と判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール紙に取引内容等の印刷を行う明細票印刷部等のロール紙供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の現金自動預払機に設置された明細票印刷部等のロール紙供給装置は、収容部に収容された巻芯の無いロール紙を搬送路で印刷部へ搬送して取引内容等を印刷し、これをカッタ部で所定の長さに切断して明細票を発行し、明細票の発行に伴ってロール紙の外径が徐々に小さくなって、ロール紙がニアエンド状態になったことをニアエンドセンサで検出した場合に、ロール状媒体ガイドを移動させて、そこに設置された可動光センサを爪部の近傍に配置された固定光センサに対向させ、ロール紙の残量が明細票の2〜3枚分になって収容部のロール紙が無くなり、その最終端が爪部の近傍の可動光センサと固定光センサとの間を通過したときに、ロール紙が無くなりかけていることを係員に報知している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−79491号公報(主に、段落0024−0028、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の技術においては、収容部のロール紙の残量が明細票の2〜3枚分になって収容部のロール紙が無くなったことをセンサで検出して係員に報知しているため、取引頻度の高い現金自動預払機においては、ロール紙の補給が間に合わなくなる場合があり、ロール紙切れが生ずると、現金自動預払機が停止して稼動効率を低下させるという問題がある。
【0004】
このため、明細票印刷部に複数の補充用のロール紙を予め装填しておき、収容部のロール紙が無くなったときに、自動的に補充用のロール紙を収容部に移載してロール紙切れを防止することが行われている。
この場合に、収容部にニアエンド状態のロール紙が存在している場合に、係員が補充用のロール紙を誤って装填、例えば補充用のロール紙の補充部が2箇所の場合に、誤って3つの補充用のロール紙を装填してしまったときは、収容部に存在する使用中のニアエンド状態のロール紙を補充用のロール紙が圧迫して、搬送路における搬送負荷が増大し、明細票の印刷不良が発生する場合があるという問題がある。
【0005】
このことは、巻芯の無いロール紙の場合は、その剛性が低いために特に顕著になる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、補充用のロール紙の補充部を有するロール紙供給装置において、補充用のロール紙の誤装填を防止する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、ロール紙を収容する収容部と、補充用のロール紙を装填する補充部と、前記収容部のロール紙を搬送する搬送路と、前記収容部の使用中のロール紙が、ニアエンド状態になったことを検出するニアエンドセンサと、前記補充部の補充用のロール紙の存在を検出する補充用ロール紙検出センサと、前記搬送路上の使用中のロール紙の存在を検出するエンドセンサと、を備えたロール紙供給装置であって、前記補充部に、補充用のロール紙が装填されるときに、前記補充用ロール紙検出センサが、前記補充部に装填された補充用のロール紙を検出しており、かつ前記ニアエンドセンサが前記収容部のロール紙を検出している場合に、前記エンドセンサが前記使用中のロール紙の存在を検出しているときは、補充用のロール紙の誤装填と判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
これにより、本発明は、補充用のロール紙の装填作業を行う係員に対して、その場で誤装填を報知して係員による補充用ロール紙の誤装填を防止することができ、補充用ロール紙の装填状態を正常にして、搬送路における搬送負荷の増大を防止することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、図面を参照して本発明によるロール紙供給装置の実施例について説明する。
【実施例】
【0009】
図1は実施例の現金自動預払機を示すブロック図、図2は実施例の現金自動預払機の外観を示す説明図、図3は実施例の明細票印刷部を示すブロック図、図4は実施例の明細票印刷部の概略構成を示す説明図、図5は実施例のロール紙の補充処理を示すフローチャート、図6は実施例の補充用ロール紙の誤装填判定処理を示すフローチャートである。
図1、図2において、1は自動取引装置としての現金自動預払機であり、銀行や日本郵政株式会社等の金融機関の支店や郵便局、コンビニエンスストア等の店舗に設置され、顧客との間での取引処理を自動で行う。
【0010】
2は金融機関のセンタに設置された上位装置としてのホストコンピュータであり、店舗に設置されている現金自動預払機1と専用回線や電話回線等の通信回線3を介して接続しており、口座開設者である顧客を個別に識別するための顧客識別子に対応させて顧客の口座の金融機関名や口座番号等の口座情報やその暗証番号、口座残高等の顧客情報を格納する顧客情報データベース4を保有して顧客の口座を管理する。
【0011】
5は現金自動預払機1の主制御部であり、通信回線3を介してホストコンピュータ2と接続しており、現金自動預払機1内の各部を制御して取引処理等を実行すると共にデータ通信等も制御する。
6は主記憶部であり、主制御部5が実行するプログラムやそれに用いる各種のデータおよび主制御部5による処理結果等が格納される。
【0012】
7は操作表示部であり、現金自動預払機1の前面に設けられ、CRTやLCD等の表示画面とタッチパネル等の入力手段との組合せで構成されており、表示画面に取引選択画面や各種の入力画面、顧客の処置を促す画面等を表示する他、入力手段により顧客からの入力を受付ける。
8はカード取扱部であり、カード挿入口8aから挿入された顧客のキャッシュカードやクレジットカード等の取引カードの磁気ストライプやICチップ等に記録されている識別子や口座情報等のカード情報を読み書きする機能を有している。
【0013】
9は通帳取扱部であり、通帳挿入口9aから挿入された顧客の通帳の磁気ストライプやICチップ等に記録されている通帳情報を読み書きする機能を有すると共に取引内容等を顧客の通帳に記帳する機能を有している。
10は紙幣入出金部であり、入金取引時等に紙幣入出金口10aによって顧客が投入した紙幣を受入れ、これを鑑別および計数して収納庫に収納し、出金取引時等に収納庫から顧客に支払う紙幣を繰出し、これを計数して紙幣入出金口10aから排出して顧客に引渡す機能を有している。
【0014】
11は硬貨入出金部であり、入金取引時等に硬貨入出金口11aによって顧客が投入した硬貨を受入れ、これを鑑別および計数して収納庫に収納し、出金取引時等に収納庫から顧客に支払う硬貨を繰出し、これを計数して硬貨入出金口11aから排出して顧客に引渡す機能を有している。
12は係員操作部であり、現金自動預払機1の背面側に設けられ、LCD等の表示画面とタッチパネル等の入力手段との組合せで構成されており、表示画面に係員が行う業務処理や取引モードの設定等を行う業務選択画面を表示すると共に、入力手段により係員からの入力を受付ける。
【0015】
13はジャーナル印刷部であり、印刷ヘッドおよびこれに対向配置されたプラテン等を備えており、現金自動預払機1による顧客との取引処理の履歴等をジャーナル用紙に印刷して保存する機能を有している。
14はロール紙供給装置としての明細票印刷部であり、顧客との取引における取引内容等をロール紙23(後述)に印刷し、これを明細票の長さに切断する機能を備えている。
【0016】
本実施例の明細票印刷部14は、箱状のフレーム16(図4参照)に収納されて、カード取扱部8に併設されており、所定の長さに切断された明細票はカード挿入口8aから発行される。
図3において、21は明細票印刷部14の制御部であり、主制御部5からの指令により明細票印刷部14内の各部を制御して、明細票の印刷処理等を実行する機能を有している。
【0017】
22は記憶部であり、制御部21が実行するプログラムやそれに用いる各種のデータおよび制御部21による処理結果等が格納される。
図4において、23はロール紙であり、帯状の感熱紙を、巻芯のない状態で巻きつけてロール状に形成されている。
24は印刷部であり、感熱式の印刷ヘッドおよびこれに対向配置されたプラテンを備えており、対向配置された複数のローラ対やベルト対等により形成された搬送路25を搬送されたロール紙23に、制御部21からの指令により、取引内容等の明細票の記載内容を印刷する機能を有している。
【0018】
26はエンドセンサであり、発光部と受光部とを、搬送路25を搬送されるロール紙23を挟んで対向配置した光学式のセンサであって、ロール紙23が発光部からの光を遮断しているために受光部が受光していないときは、搬送路25上にロール紙23が存在することを示すON信号を、受光部が光を受光したときはロール紙23の最終端が通過したことを示すOFF信号を制御部21へ送信する。
【0019】
27はカッタ部であり、ロール紙23を切断するためのカッタを備えており、制御部21からの指令により、ロール紙23を明細票の長さに切断する機能を有している。
30は収容部であり、明細票の印刷に用いる使用中のロール紙23を載置すると共にロール紙23の外径部を摩擦により図4に示すA方向に回転させる送りベルト31、ロール紙23をガイドするガイド面32aおよびロール紙23の先端を剥離する爪部32b等を有するロール紙ガイド32等を備えている。
【0020】
34は補充部であり、使用中のロール紙23が無くなったときの補充用のロール紙23(以下、補充用ロール紙35という。)が装填される部位であって、補充用ロール紙35を載置する円弧状の凹部36を有し、収容部30側の端部に設けられた回転支点37を中心に回動する片持状の移載レバー38等を備えている。
本実施例の補充部34は、収容部30から離れる方向に2箇所設けられており、以下の説明においては、収容部30と隣合う側を補充部34a、補充部34aを挟んだ反対側を補充部34bという。
【0021】
39は新たな補充用ロール紙35を装填するための保守扉であり、明細票印刷部14の補充部34bの、収容部30の反端側のフレーム16(フレーム16の背面という。)にヒンジを介して開閉可能に取付けられており、その開口端には、リミットスイッチ等の開閉検出センサ40が設けられている。
また、フレーム16の背面側、つまり明細票印刷部14の補充部34b側の係員の視認可能な位置には、装填作業中の係員に補充用ロール紙35の誤装填を報知するための警報ランプ41が設けられている。
【0022】
42は収容部30に設けられたロール紙検出センサであり、エンドセンサ26と同様の光学式のセンサであって、送りベルト31上に載置されロール紙ガイド32にガイドされて収容部30に収容されたロール紙23の存在を検出する機能、そのロール紙23の最終端が爪部32bの先端を通過したことを検出する機能を有しており、発光部からの光を受光部が受光していないときはロール紙23が存在することを示すON信号を、受光部が光を受光しているときはロール紙23の最終端が爪部32bの先端を通過したことを示すOFF信号を制御部21へ送信する。
【0023】
43は収容部30に設けられたニアエンドセンサであり、エンドセンサ26と同様の光学式のセンサであって、収容部30に収容された使用中のロール紙23の残量が少なくなって所定の外径、例えば残量が所定の発行数(本実施例では30取引分の明細票の発行数)に相当する外径まで小さくなったことを検出する機能を有しており、発光部からの光を受光部が受光していないときは残量に余裕がある使用中のロール紙23が存在することを示すON信号を、受光部が光を受光しているときは使用中のロール紙23がニアエンド状態になったことを示すOFF信号を制御部21へ送信する。
【0024】
本実施例のニアエンドセンサ43は、その光軸が、図4に示す補助線Bのように、ロール紙23の巻芯に相当する中心部の空間を形成する内径の垂直方向の下方で、ロール紙23が明細票の発行に伴って外径が小さくなってニアエンド状態になったときに、その外径となる位置(図7参照)に設置されている。
44は補充部34に設けられた補充用ロール紙検出センサであり、エンドセンサ26と同様の光学式のセンサであって、移載レバー38の凹部36に載置された補充用ロール紙35の存在を検出する機能を有しており、発光部からの光を受光部が受光していないときは補充用ロール紙35が存在することを示すON信号を、受光部が光を受光しているときは補充用ロール紙35が存在しないこと、つまり補充部34が空であることを示すOFF信号を制御部21へ送信する。
【0025】
本実施例の現金自動預払機1の主記憶部6には、顧客が選択した取引の入力を受付け、これを基にホストコンピュータ2と交信して顧客との取引処理を自動で行う機能等を有する通常の取引処理プログラムが予め格納されており、主制御部5が実行する取引処理プログラムのステップにより本実施例の現金自動預払機1のハードウェアとしての各機能手段が形成される。
【0026】
本実施例のホストコンピュータ2には、現金自動預払機1と交信して本人認証や顧客の口座の入出金を管理する機能等を有する通常の勘定方管理プログラムがインストールされており、ホストコンピュータ2が実行する勘定方管理プログラムのステップにより本実施例のホストコンピュータ2のハードウェアとしての各機能手段が形成される。
本実施例の明細票印刷部14の記憶部22には、主制御部5からの指令によりロール紙23に取引内容等を印刷する通常の明細票の印刷処理や、図5を用いて説明するロール紙23の補充処理、図6を用いて説明する補充用ロール紙35の誤装填判定処理等を実行する機能を有するロール紙処理プログラムが予め格納されており、制御部21が実行するロール紙処理プログラムのステップにより本実施例の明細票印刷部14のハードウェアとしての各機能手段が形成される。
【0027】
また、記憶部22には、ロール紙23のニアエンドの誤判定を防止するためのニアエンド判定待機回数(本実施例では10取引分の明細票の発行回数)が予め設定されて格納されている。
この場合のニアエンドの誤判定としては、ロール紙23の一部に弛みがあって、その弛みにより形成された空間をニアエンドセンサ43の光軸が通過した場合、ロール紙23に偏心がある場合、ロール紙23が楕円状に変形している場合、外力等によりロール紙23が跳ねて、ロール紙23の中心部の空間をニアエンドセンサ43の光軸が通過した場合等が想定される。
【0028】
以下に、図5に示すフローチャートを用い、Sで示すステップに従って本実施例のロール紙の補充処理について説明する。
金融機関の店舗の係員が、始業時等に現金自動預払機1へ電源を投入すると、現金自動預払機1の主記憶部6に格納されている取引処理プログラムが自動的に起動されると共に、明細書印刷部14の記憶部22に格納されているロール紙処理プログラムが自動的に起動される。
【0029】
なお、以下の説明においては、明細書印刷部14の補充部34a、34bにはそれぞれ補充用ロール紙35が1つずつ載置され、収容部30のロール紙23は、搬送路25によりカッタ部27まで搬送された状態、つまりロール紙23が印刷可能な運用状態で待機している場合を例に説明する。
S1、明細票印刷部14の制御部21は、ロール紙処理プログラムにより明細票の印刷処理を実行しながら、収容部30のニアエンドセンサ43からのOFF信号の着信を待って待機しており、図7に示すように、明細票の発行に伴って使用中のロール紙23の外径が小さくなってニアエンドセンサ43の光軸より小さくなったことを検出したOFF信号を受信したときにステップS2へ移行する。
【0030】
ニアエンドセンサ43からのOFF信号を受信しない場合は、前記の待機を継続する。
S2、ニアエンドセンサ43からのOFF信号を受信した制御部21は、記憶部22からニアエンド判定待機回数を読出してニアエンド判定待機回数(本実施例では10取引分の明細票の発行回数)の経過を待って待機し、ニアエンド判定待機回数の経過を判定したときにステップS3へ移行する。
【0031】
S3、ニアエンド判定待機回数の経過を判定した制御部21は、ニアエンドセンサ43からの検出信号を確認し、OFF信号が送信されているときは、収容部30の使用中のロール紙23の残量が少なくなって、真にニアエンド状態になったこと判定してステップS4へ移行する。
ニアエンドセンサ43からON信号が送信されている場合は、ニアエンドの誤判定であったと判定してステップS1へ戻り、上記したニアエンドセンサ43からのOFF信号の着信を待っての待機を継続する。
【0032】
S4、ロール紙23がニアエンド状態になったことを判定した制御部21は、補充部34a、34bの補充用ロール紙検出センサ44の検出信号を確認し、少なくとも補充部34aの補充用ロール紙検出センサ44がON信号を送信しているときは、補充用ロール紙35の存在を判定してステップS5へ移行する。
両方の補充用ロール紙検出センサ44がOFF信号を送信している場合は、補充用ロール紙35が存在しないこと、つまり補充部34a、34bが空であることを判定して、接続子Aを介してステップSA1(図6)へ移行する。
【0033】
S5、補充用ロール紙35の存在を判定した制御部21は、ロール紙検出センサ42からのOFF信号の着信を待って待機し、ロール紙検出センサ42からのOFF信号を受信したとき、つまり使用中のロール紙23の最終端が爪部32bの先端を通過した信号を受信したときに、ステップS6へ移行する。
ロール紙検出センサ42からのOFF信号を受信しない場合は、前記の待機を継続する。
【0034】
S6、ロール紙検出センサ42からのOFF信号を受信した制御部21は、エンドセンサ26からのOFF信号の着信を待って待機し、エンドセンサ26が使用中のロール紙23の最終端の通過を検出したOFF信号を受信したときに、収容部30が空になったことを判定してステップS7へ移行する。
エンドセンサ26からのOFF信号を受信しない場合は、前記の待機を継続する。
【0035】
S7、収容部30が空になったことを判定した制御部21は、搬送路25上の残余のロール紙23を図示しない回収庫へ搬送して除去した後に、補充部34aの移載レバー38を回転支点37を中心として収納部30の方向へ回動させ、凹部36に載置されている補充用ロール紙35を、送りベルト31上に移動させ、ロール紙ガイド32の案内面32aに当接させて、補充部34aの補充用ロール紙35を収容部30へ移載する。
【0036】
次いで、補充部34bの補充用ロール紙検出センサ44がON信号を送信していることを確認し、補充部34bの移載レバー38を、回転支点37を中心として補充部34aの方向へ回動させ、凹部36に載置されている補充用ロール紙35を、補充部34aの移載レバー38の凹部36に移動させ、補充部34bの補充用ロール紙35を補充部34aへ移載する。
【0037】
この場合に、補充部34bの補充用ロール紙検出センサ44がOFF信号を送信しているときは、補充部34aへの補充用ロール紙35の移載を省略する。
また、補充部34aへの補充用ロール紙35の移載は、下記ステップS8の後に行ってもよく、明細票発行の待機時間に行うようにしてもよい。
S8、補充用ロール紙35の移載を終えた制御部21は、送りベルト31を駆動して送りベルト31上のロール紙23をA方向(図4参照)に回転させ、その先端を爪部32bで剥離して搬送路25へ繰出し、先端がエンドセンサ26を通過(ON信号送信)し、カッタ部27に達したことを確認してロール紙23の搬送を停止させ、ロール紙23を印刷可能な運用状態にする。
【0038】
S9、ロール紙23を運用状態にした制御部21は、補充部34a、34bの補充用ロール紙検出センサ44の検出信号を確認し、補充用ロール紙検出センサ44がOFF信号を送信している補充部34(34bまたは34a、34bの両方)を確認して、空になった補充部34を主制御部5に通知し、主制御部5は係員操作部12の画面に、空になった補充部34を表示する。
【0039】
その後に、制御部21は、空になった収容部30へのロール紙23の補充処理を終了させ、ステップS1へ戻って、上記したニアエンドセンサ43からのOFF信号の着信を待って待機する。
このようにして、本実施例のロール紙23の補充処理が実行される。
以下に、図6に示すフローチャートを用い、SAで示すステップに従って本実施例の補充用ロール紙35の誤装填判定処理について説明する。
【0040】
SA1、ロール紙23のニアエンド状態を判定したときに、補充部34が空であることを判定して、ステップS4(図5)から接続子Aを介して移行した制御部21は、明細票の印刷処理を継続しながら、補充部34a、34bに補充用ロール紙35が存在しない旨の補充用ロール紙切れ通知を現金自動預払機1の主制御部5へ送信する。
これを受信した主制御部5は、店舗の図示しない管理端末等へ補充用ロール紙切れ通知を送信して、係員に補充用ロール紙35の補給を促し、係員は現金自動預払機1へ補充用ロール紙35を持参する。
【0041】
SA2、補充用ロール紙切れ通知の送信後に、明細票の印刷処理との並行処理により、保守扉39の開閉検出センサ40からの開信号の着信を待って待機していた制御部21は、開閉検出センサ40からの開信号を受信したときにステップSA3へ移行する。
開閉検出センサ40からの開信号を受信しない場合は、前記の待機を継続する。
SA3、開閉検出センサ40からの開信号を受信した制御部21は、補充部34a、34bの補充用ロール紙検出センサ44からの検出信号を監視しながら待機し、両方の補充用ロール紙検出センサ44がいずれもON信号を送信していることを確認したときにステップSA4へ移行する。
【0042】
いずれか一方または両方の補充用ロール紙検出センサ44がOFF信号を送信している場合は、前記の待機を継続する。
SA4、両方の補充用ロール紙検出センサ44がいずれもON信号を送信していることを確認した制御部21は、ニアエンドセンサ43からの検出信号を確認し、OFF信号が送信されているときは、補充部34a、34bに補充用ロール紙35が正常に装填されたこと(例えば、図7に示すロール紙23が更に小さな外径になった状態)を判定してステップSA7へ移行する。
【0043】
ニアエンドセンサ43からON信号が送信されている場合は、ステップSA5へ移行する。
SA5、ニアエンドセンサ43からON信号が送信されていることを確認した制御部21は、エンドセンサ26からの検出信号を確認し、OFF信号が送信されているときは、収容部30に残留していたニアエンド以下の外径になったロール紙23が抜取られた後に、新たなロール紙23が係員により収容部30に装填され、補充部34a、34bに補充用ロール紙35が、図4に示す状態に正常に装填されたことを判定してステップSA7へ移行する。
【0044】
エンドセンサ26からON信号が送信されている場合は、図8に示す補充用ロール紙35が3つ装填され、外径が小さくなったロール紙23が圧迫されている状態等の誤装填と判定してステップSA6へ移行する。
SA6、補充用ロール紙35の誤装填を判定した制御部21は、フレーム16の背面側に設けられた警報ランプ41を点滅させて係員に補充用ロール紙35の誤装填を報知し、ステップSA3へ戻って、補充部34a、34bの補充用ロール紙検出センサ44からの検出信号を監視しながら待機する。
【0045】
報知によりその場で補充用ロール紙35の誤装填に気付いた係員は、装填した補充用ロール紙35を一旦取出す等して、収容部30の使用中のロール紙23への補充用ロール紙35による圧迫を解除し、改めて補充用ロール紙35を装填して補充部34a、34bに載置する。
SA7、補充部34a、34bへ補充用ロール紙35が正常に装填されたことを判定した制御部21は、保守扉39の開閉検出センサ40からの閉信号の着信を待って待機し、開閉検出センサ40からの閉信号を受信したときにステップSA8へ移行する。
【0046】
開閉検出センサ40からの閉信号を受信しない場合は、前記の待機を継続する。
SA8、開閉検出センサ40からの閉信号を受信した制御部21は、エンドセンサ26からの検出信号を確認し、OFF信号が送信されているときは、上記ステップSA4で判定した収容部30に新たなロール紙23が装填されていることを判定し、接続子Bを介して上記したステップS8(図5)へ移行して、新たなロール紙23の先端を繰出して、ロール紙23を運用状態にする。
【0047】
エンドセンサ26からON信号が送信されているときは、補充用ロール紙35の装填が正常に終了したことを判定して、接続子Cを介して上記したステップS1(図5)へ戻り、ニアエンドセンサ43からのOFF信号の着信を待って待機する。
このように、本実施例においては、保守扉39が開かれた後の補充用ロール紙35の装填時に、補充用ロール紙検出センサ44が、補充部34a、34bに装填された補充用ロール紙35を検出しており、かつニアエンドセンサ43が収容部30のロール紙23を検出している場合において、エンドセンサ26が使用中のロール紙23の存在を検出しているときは、補充用ロール紙35の誤装填と判定するので、補充用ロール紙35の装填作業を行う係員に対してその場で誤装填を報知することができ、係員は、補充用ロール紙35の誤装填に気付いて、収容部30に存在する使用中のロール紙23の補充用ロール紙35による圧迫を解除して、補充用ロール紙35を正常な装填状態に戻すことができ、搬送路25における搬送負荷の増大を防止して、明細票の印刷不良等の発生を防止することができる。
【0048】
また、補充部34を有する明細票印刷部14において、使用中のロール紙23がニアエンド状態になり、かつ補充部34a、34bに補充用ロール紙35が存在しない場合に、補充用ロール紙35のロール紙切れを通知するので、取引頻度の高い現金自動預払機1であっても、時間的な余裕を持って、補充用ロール紙23の補給を行うことができ、使用中のロール紙23のロール紙切れを防止して、現金自動預払機1の稼動効率を向上させることができる。
【0049】
更に、補充用ロール紙35の誤装填を判定したときに、明細票印刷部14のフレーム16の保守扉39側に配置された警報ランプ41により補充用ロール紙35の誤装填を報知するので、係員は、現金自動預払機1で取引を行う顧客に気付かれることなく、視認により補充用ロール紙35の誤装填に気付くことができ、警報による無用の混乱を防止することができる。
【0050】
以上説明したように、本実施例では、明細票印刷部に、収容部の使用中のロール紙のニアエンド状態を検出するニアエンドセンサと、補充部の補充用ロール紙の存在を検出する補充用ロール紙検出センサと、搬送路上の使用中のロール紙の存在を検出するエンドセンサとを設け、補充部に補充用ロール紙が装填されるときに、補充用ロール紙検出センサが、補充部に装填された補充用ロール紙を検出しており、かつニアエンドセンサが収容部のロール紙を検出している場合に、エンドセンサが使用中のロール紙の存在を検出しているときは、補充用ロール紙の誤装填と判定するようにしたことによって、補充用ロール紙の装填作業を行う係員に対して、その場で誤装填を報知して係員による補充用ロール紙の誤装填を防止することができ、補充用ロール紙の装填状態を正常にして搬送路における搬送負荷の増大を防止することができ、明細票の印刷不良等の発生を防止することができる。
【0051】
なお、上記実施例においては、ロール紙は感熱紙であるとして説明したが、白紙の普通紙等であってもよい。
また、上記実施例においては、補充部は2つ設けるとして説明したが、1つであってもよい。
更に、上記実施例においては、自動取引装置は現金自動預払機であるとして説明したが、顧客にレシートを発行するロール紙の補充部を有するレジスタ等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施例の現金自動預払機を示すブロック図
【図2】実施例の現金自動預払機の外観を示す説明図
【図3】実施例の明細票印刷部を示すブロック図
【図4】実施例の明細票印刷部の概略構成を示す説明図
【図5】実施例のロール紙の補充処理を示すフローチャート
【図6】実施例の補充用ロール紙の誤装填判定処理を示すフローチャート
【図7】実施例の収容部のロール紙のニアエンド状態を示す説明図
【図8】実施例の補充用ロール紙の誤装填状態を示す説明図
【符号の説明】
【0053】
1 現金自動預払機
2 ホストコンピュータ
3 通信回線
4 顧客情報データベース
5 主制御部
6 主記憶部
7 操作表示部
8 カード取扱部
8a カード挿入口
9 通帳取扱部
9a 通帳挿入口
10 紙幣入出金部
10a 紙幣入出金口
11 硬貨入出金部
11a 硬貨入出金口
12 係員操作部
13 ジャーナル印刷部
14 明細票印刷部
21 制御部
22 記憶部
23 ロール紙
24 印刷部
25 搬送路
26 エンドセンサ
27 カッタ部
30 収容部
31 送りベルト
32 ロール紙ガイド
32a 案内面
32b 爪部
34、34a、34b 補充部
35 補充用ロール紙
36 凹部
37 回転支点
38 移載レバー
39 保守扉
40 開閉検出センサ
41 警報ランプ
42 ロール紙検出センサ
43 ニアエンドセンサ
44 補充用ロール紙検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙を収容する収容部と、
補充用のロール紙を装填する補充部と、
前記収容部のロール紙を搬送する搬送路と、
前記収容部の使用中のロール紙が、ニアエンド状態になったことを検出するニアエンドセンサと、
前記補充部の補充用のロール紙の存在を検出する補充用ロール紙検出センサと、
前記搬送路上の使用中のロール紙の存在を検出するエンドセンサと、を備えたロール紙供給装置であって、
前記補充部に、補充用のロール紙が装填されるときに、前記補充用ロール紙検出センサが、前記補充部に装填された補充用のロール紙を検出しており、かつ前記ニアエンドセンサが前記収容部のロール紙を検出している場合に、前記エンドセンサが前記使用中のロール紙の存在を検出しているときは、補充用のロール紙の誤装填と判定することを特徴とするロール紙供給装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ニアエンドセンサが、前記ロール紙のニアエンド状態を検出しており、かつ前記補充用ロール紙検出センサが、前記補充部の補充用のロール紙を検出していない場合に、前記補充用のロール紙のロール紙切れを通知することを特徴とするロール紙供給装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記ロール紙が、巻芯の無いロール紙であることを特徴とするロール紙供給装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
前記補充部に補充用のロール紙を装填するときに開閉する保守扉を設けると共に、前記保守扉側に警報ランプを設け、
前記補充用のロール紙の誤装填を判定したときに、前記警報ランプにより前記誤装填を報知することを特徴とするロール紙供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−269706(P2009−269706A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121489(P2008−121489)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】