説明

ローン業務支援システム、ローン業務支援方法及びローン業務支援プログラム

【課題】ローンについての各種設定条件の変更を効率的に行なうためのローン業務支援システム、ローン業務支援方法及びローン業務支援プログラムを提供する。
【解決手段】ローン業務支援サーバ20の制御部21は、選択された条件変更種類に応じたシミュレーション条件設定画面を通じて、ローン利用者が選択した条件と変更日を取得する。そして、制御部21は、選択された金利毎に返済計画算出処理を実行する。ここで、金利切換と一部繰上返済とが選択された場合、制御部21は、変更利率が設定されたローン計算式を用いて、根拠となる返済額を算出する。そして、制御部21は、算出した返済額、一部繰上後の残高を用いてシミュレーション処理を行ない、返済回数を算出する。そして、この返済回数を設定したローン計算式を用いて返済額を再計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関が顧客に提供するローンの返済計画を算出する場合に用いるローン業務支援システム、ローン業務支援方法及びローン業務支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、住宅を購入するときのように自己資金が不足している場合、融資を利用することが多く、このための各種ローンが金融機関から提供されている(例えば、非特許文献1参照。)。このようなローンの借り入れにおいては返済計画の立案が大切である。
【0003】
そこで、住宅ローン計画を作成するための技術が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この文献記載の技術では、住宅購入者の固有の生活条件、収入条件を考慮して、借入金の額を決定し、それに対する適切な返済方法を探すことを目的としている。
【0004】
また、毎月の返済とは別に、まとまった金額を支払う一部繰上返済が行なわれる場合もある。このような一部繰上返済を行なうことにより、将来的返済金額が軽減される。この繰上返済を実行する場合のローン計算装置も検討されている(例えば、特許文献2参照。)。この文献記載の技術においては、繰上返済を実行する時期及び繰上金額の入力を受け付ける。そして、指定された時期に繰上金額による繰上返済を実行後の返済状態を算出してグラフ表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−65070号公報(第1頁)
【特許文献2】特開2003−288486号公報(第1頁)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】みずほ銀行、「住宅ローン」、[online]、[平成20年10月27日検索]、インターネット、<URL:http://www.mizuhobank.co.jp/loan/housing/ >
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のようなローンを設定する場合には、元金に応じて返済方法や、金利方式、返済回数等、多様な条件(パラメータ)を設定する必要がある。このため、ローン利用者においては、自分の資産状況に応じて、多様な返済方法を検討してみたいというニーズがある。この場合、特に金利は変動するため、この変動を考慮して各種条件を設定する必要がある。
【0008】
そして、返済計画を算出する場合、公知のローン計算式を用いて計算する場合や、元金から返済額の減算を繰り返すシミュレーションを行なう場合等がある。このような場合にも、整合性がある計画を算出する必要がある。
【0009】
このような返済方法についての相談を受けた金融機関の窓口担当者においては、窓口対応経験が少ない場合にも的確なアドバイスを効率的に提供できることが望ましい。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、ローンについての各種
設定条件の変更を効率的に行なうためのローン業務支援システム、ローン業務支援方法及びローン業務支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ローンを提供している顧客の顧客識別子に対して、金利方式及び貸出残高を記録したローン情報記憶手段と、ローンに適用する利率を記録した金利情報記憶手段と、入出力手段に接続されるとともに、返済条件を算出するためのローン計算式を用いて返済計画を算出する制御手段とを備えたローン業務支援システムであって、前記制御手段が、前記入出力手段から顧客識別子を取得した場合には、前記ローン情報記憶手段から金利方式及び貸出残高を取得し、前記入出力手段に対して、返済条件の変更を受け付ける条件変更受付画面を出力し、前記入出力手段から、前記条件変更受付画面において設定された変更日を取得し、前記金利情報記憶手段から前記変更日以降の利率をローン計算式の変数として代入し、前記条件変更受付画面において設定された変更条件を、前記変更条件を前記ローン計算式に設定して返済額を計算する返済計画算出処理を実行することを要旨とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のローン業務支援システムにおいて、前記条件変更受付画面において、一部繰上返済の希望を取得した場合には、前記入出力手段において特定された変更日以降の金利を適用したローン計算式により返済額を計算し、一部繰上返済の繰上返済金額を差し引いた貸出残高がなくなるまで、前記返済額を用いて返済を繰り返すことにより返済回数を算出し、前記返済回数を前記ローン計算式に代入して返済額を再計算する繰上返済処理を実行することを要旨とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のローン業務支援システムにおいて、貸出残高は、均等返済残高及び増額返済残高から構成されており、前記貸出残高から繰上返済金額を差し引いた残高を、前記均等返済残高及び増額返済残高の残高割合に分配し、一部繰上後の分配された均等返済残高及び増額返済残高を用いて、前記繰上返済処理を実行することを要旨とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載のローン業務支援システムにおいて、前記条件変更受付画面において、返済額指定の希望を取得した場合には、前記返済計画算出処理により返済額を算出し、前記返済額を前記入出力手段に出力し、前記入出力手段から、前記返済額以上の指定返済額及び指定期間を取得し、前記指定期間の終了後の貸出残高を算出して、前記貸出残高、前記指定期間以降の返済回数を前記ローン計算式に代入して返済額を算出することを要旨とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、ローンを提供している顧客の顧客識別子に対して、金利方式及び貸出残高を記録したローン情報記憶手段と、ローンに適用する利率を記録した金利情報記憶手段と、入出力手段に接続されるとともに、返済条件を算出するためのローン計算式を用いて返済計画を算出する制御手段とを備えたローン業務支援システムを用いて、ローン業務の支援処理を実行する方法であって、前記制御手段が、前記入出力手段から顧客識別子を取得した場合には、前記ローン情報記憶手段から金利方式及び貸出残高を取得し、前記入出力手段に対して、返済条件の変更を受け付ける条件変更受付画面を出力し、前記入出力手段から、前記条件変更受付画面において設定された変更日を取得し、前記金利情報記憶手段から前記変更日以降の利率をローン計算式の変数として代入し、前記条件変更受付画面において設定された変更条件を、前記変更条件を前記ローン計算式に設定して返済額を計算する返済計画算出処理を実行することを要旨とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、ローンを提供している顧客の顧客識別子に対して、金利方式及び貸出残高を記録したローン情報記憶手段と、ローンに適用する利率を記録した金利情
報記憶手段と、入出力手段に接続されるとともに、返済条件を算出するためのローン計算式を用いて返済計画を算出する制御手段とを備えたローン業務支援システムを用いて、ローン業務の支援処理を実行するプログラムであって、前記制御手段を、前記入出力手段から顧客識別子を取得した場合には、前記ローン情報記憶手段から金利方式及び貸出残高を取得し、前記入出力手段に対して、返済条件の変更を受け付ける条件変更受付画面を出力し、前記入出力手段から、前記条件変更受付画面において設定された変更日を取得し、前記金利情報記憶手段から前記変更日以降の利率をローン計算式の変数として代入し、前記条件変更受付画面において設定された変更条件を、前記変更条件を前記ローン計算式に設定して返済額を計算する返済計画算出処理を実行する手段として機能させることを要旨とする。
【0016】
(作用)
請求項1、5又は6に記載の発明によれば、制御手段が、入出力手段から顧客識別子を取得した場合には、ローン情報記憶手段から金利方式及び貸出残高を取得する。次に、入出力手段に対して、返済条件の変更を受け付ける条件変更受付画面を出力する。次に、入出力手段から、条件変更受付画面において設定された変更日を取得し、金利情報記憶手段から変更日以降の利率をローン計算式の変数として代入する。そして、条件変更受付画面において設定された変更条件を、変更条件をローン計算式に設定して返済額を計算する返済計画算出処理を実行する。これにより、金利等の変更日以降の利率を考慮して現在の状態を特定し、変更条件を設定し、返済額を算出することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、条件変更受付画面において、一部繰上返済の希望を取得した場合には、入出力手段において特定された変更日以降のすべての金利を適用したローン計算式により返済額を計算する。そして、一部繰上返済の繰上返済金額を差し引いた貸出残高がなくなるまで、返済額を用いて返済を繰り返すことにより返済回数を算出する。更に、返済回数をローン計算式に代入して返済額を再計算する。これにより、シミュレーションを行なった場合にも、最終的にローン計算式を用いて返済額を算出するため、返済額の整合性を確保することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、貸出残高は、均等返済残高及び増額返済残高から構成されており、貸出残高から繰上返済金額を差し引いた残高を、均等返済残高及び増額返済残高の残高割合に分配する。そして、一部繰上後の分配された均等返済残高及び増額返済残高を用いて、繰上返済処理を実行する。これにより、繰上返済金額を、均等返済及び増額返済に対して適切に分配することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、条件変更受付画面において、返済額指定の希望を取得した場合には、顧客識別子に関連付けられたローンについて、ローン情報記憶手段から金利方式及び貸出残高を取得し、金利情報記憶手段から変更日以降の利率をローン計算式の変数として代入して返済額を算出する。次に、算出した返済額を入出力手段に出力する。次に、入出力手段から、返済額以上の指定返済額及び指定期間を取得する。そして、指定期間の終了後の貸出残高を算出して、貸出残高、指定期間以降の返済回数をローン計算式に代入して返済額を算出する。これにより、変更日の実情を考慮して、返済額を指定することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ローンについての各種設定条件の変更を効率的に行なうためのローン業務支援システム、ローン業務支援方法及びローン業務支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】データ記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)は利用ローン管理情報記憶部、(b)はローン計算式情報記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】本実施形態の処理手順の説明図。
【図4】本実施形態の処理手順の説明図。
【図5】本実施形態の処理手順の説明図。
【図6】本実施形態の処理手順の説明図。
【図7】本実施形態の処理手順の説明図。
【図8】本実施形態の処理手順の説明図。
【図9】本実施形態の処理手順の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図1〜図9に従って説明する。本実施形態では、顧客に提供したローンについて、返済条件の変更依頼に対応して返済計画(ここでは、返済額)を算出する場合に用いるローン業務支援システム、ローン業務支援方法及びローン業務支援プログラムとして説明する。
【0023】
このような返済計画の算出を支援するために、本実施形態では、図1に示すように、金融機関の本支店の窓口に設置されたクライアント端末10とローン業務支援サーバ20とが、ネットワークを介して相互に接続されている。
【0024】
クライアント端末10は入出力手段として機能し、ローン業務支援サーバ20にアクセスする場合に用いられるコンピュータ端末である。本実施形態では、このクライアント端末10は、金融機関の窓口に設置されており、窓口担当者が使用する。クライアント端末10は、ネットワークを介してデータを送信する機能や、受信したデータを表示する機能等を有する。このため、このクライアント端末10は、図示しないCPU、RAM、ROMの他、キーボード、マウス等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段、通信手段等を有する。更に、このクライアント端末10には、印刷装置(図示せず)が接続されている。本実施形態においては、この印刷装置を利用して、必要書類をプリントアウトする。
【0025】
ローン業務支援サーバ20は、返済計画の算出を支援するためのコンピュータサーバである。このローン業務支援サーバ20は、図1に示すように制御部21、基本管理情報記憶部22、利用ローン管理情報記憶部23、ローン計算式情報記憶部24、必要書類管理情報記憶部25を備えている。制御部21は、返済計画を作成する場合に用いるデータの管理処理等を行なう。そして、制御部21は、制御手段(図示しないCPU、RAM及びROM等)を有し、後述する処理(条件変更受付段階、条件取得段階、計算管理段階、シミュレーション計算段階、ローン計算式計算段階等を含む処理)を行なう。このためのローン業務支援処理プログラムを実行することにより、制御部21は、条件変更受付手段211、条件取得手段212、計算管理手段213、シミュレーション処理手段214、ローン計算式処理手段215等として機能する。
【0026】
条件変更受付手段211は、クライアント端末10において、ローンの返済条件の変更を希望する顧客の受付処理を実行する。
条件取得手段212は、クライアント端末10において、変更を希望する返済条件に関する情報を取得する処理を実行する。そして、条件取得手段212は、ローン利用者が設定した返済条件を記録するメモリを備えている。
【0027】
計算管理手段213は、クライアント端末10からの要求に応じた返済計画の算出処理を実行する。このため、この計算管理手段213は、後述するシミュレーション処理手段214やローン計算式処理手段215の制御を行なう。
【0028】
シミュレーション処理手段214は、元本の残高がなくなるまで、月毎(或いは増額返済月毎)の返済を繰り返すシミュレーションを行なうことにより、返済回数を算出する処理を実行する。
【0029】
ローン計算式処理手段215は、公知のローン計算式パラメータに、クライアント端末10において取得した値や、元来の返済条件の値を代入することにより、所望のパラメータの値(他の返済条件の値)を算出する処理を実行する。
【0030】
基本管理情報記憶部22は金利情報記憶手段として機能し、ローンの返済計画を作成する場合に用いる基本情報を記録した基本管理情報ファイルが記録されている。この基本管理情報ファイルは、返済計画を算出するために必要な基本情報が登録された場合に記録される。基本管理情報ファイルは、各金利方式において適用される最新利率や、カレンダ情報に関するデータを含んで構成されている。
【0031】
利用ローン管理情報記憶部23はローン情報記憶手段として機能する。この利用ローン管理情報記憶部23には、図2(a)に示すように、利用者に提供されている融資についての利用ローン管理レコード230が記録されている。この利用ローン管理レコード230は、ローンが設定された場合に登録される。利用ローン管理レコード230は、顧客識別子、返済方式識別子、金利方式識別子、元金(均等)、元金(増額)、約定日、増額返済月、最終返済日に関するデータを含んで構成されている。更に、顧客識別子には、適用金利、毎月返済額、増額返済額、指定期間に関するデータが関連付けられている。
【0032】
顧客識別子データ領域には、ローンを利用している各取引先(顧客)を特定する識別子に関するデータが記録される。
返済方式識別子データ領域や金利方式識別子データ領域には、このローン利用者が選択した返済方式(元利均等や元金均等)や金利方式(固定や変動)を特定する識別子に関するデータが記録される。
【0033】
元金(均等)データ領域、元金(増額)データ領域には、このローン利用者が借り入れている元本において均等返済する均等返済残高や、ボーナス時に増額返済を行なう増額返済残高に関するデータが記録される。
【0034】
約定日データ領域には、均等返済を行なう毎月の日付を特定する識別子に関するデータが記録される。
増額返済月データ領域には、増額返済(ボーナス返済)を行なう月(例えば、6月と12月)を特定する識別子に関するデータが記録される。
【0035】
最終返済日データ領域には、この利用者のローンの返済期限に関するデータが記録される。この最終返済日までの月数により、返済回数を算出することができる。
【0036】
適用金利データ領域には、この利用者のローンに適用される利率に関するデータが記録される。
毎月返済額データ領域には、毎月の返済額に関するデータが記録される。
増額返済額データ領域には、ボーナス月の返済額に関するデータが記録される。
指定期間データ領域には、このローンの利用者によって指定された返済額の適用期間に関するデータが記録される。この返済額指定サービスにおける指定期間においては、後述するように、本来の返済額よりも高い返済額に増額することができる。
【0037】
ローン計算式情報記憶部24には、図2(b)に示すように、返済額を計算するための
計算式についてのローン計算式レコード240が記録されている。このローン計算式レコード240は、ローン計算式が登録された場合に記録される。ローン計算式レコード240は、返済方式識別子に関連付けられて返済額を算出するための計算式に関するデータを含んで構成されている。このローン計算式には、元利均等(均等分)、元利均等(増額分)等がある。そして、ローン計算式は、「元金」、「利率」、「返済回数」、「返済額」、増額返済については更に「ボーナス初回までの月数」をパラメータとしている。図2(b)に示すローン計算式は、元利均等方式の増額返済についての返済額を算出するための計算式が例示されている。
【0038】
必要書類管理情報記憶部25は、ローンの返済条件を変更した場合に必要な書類に関する必要書類管理テンプレートが記録されている。この必要書類管理テンプレートは、返済条件や顧客属性に対応して必要書類を登録した場合に記録される。この必要書類管理情報記憶部25には、利用ローンの種類、条件変更の内容、顧客属性を特定する情報に対応して必要書類のテンプレートが記録されている。
【0039】
上記のように構成されたシステムを用いて、返済計画を算出する場合の返済条件変更支援処理の概要を、図3を用いて説明する。
ローン利用者から、ローン設定条件の相談を受けた窓口担当者は、クライアント端末10を用いて、ローン業務支援サーバ20にアクセスする。
【0040】
この場合、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、クライアント端末10のディスプレイにメニュー画面500を出力する。
次に、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、クライアント端末10のディスプレイに条件変更受付画面510を出力する。この条件変更受付画面510には、ローン利用者において設定されたローンを検索するための項目入力欄(例えば、顧客識別子)が設けられている。各項目入力欄にローンを特定するための検索情報が設定された場合、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、条件変更受付画面510において設定された検索情報を取得し、この情報を用いて利用ローン管理情報記憶部23を検索する。
【0041】
そして、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、クライアント端末10のディスプレイに検索結果一覧画面520を出力する。この検索結果一覧画面520には、検索に基づいて抽出した利用ローン管理レコード230についての一覧表示を含む。
【0042】
そして、ローン利用者は検索結果一覧画面520の一覧表示の中から、返済条件の変更を希望するローンを特定する。変更希望対象のローンが特定された場合、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、クライアント端末10のディスプレイに返済条件の変更種類選択画面530を出力する。この条件変更種類選択画面530には、ローン利用者が変更できる返済条件の種類を設定する入力欄が設けられている。この条件変更種類選択画面530においては、返済条件変更種類として、「金利切換」、「一部繰上返済」、「約定日の変更」、「ボーナス月の変更」、「期間短縮」、「内訳変更(元金)」、「内訳変更(返済額)」、「返済額指定」を選択することができる。更に、本実施形態においては、これらの種類の中で、複数の種類を組み合わせて選択することも可能である。
【0043】
条件変更種類選択画面530において、変更を希望する返済条件の種類が設定された場合、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、クライアント端末10のディスプレイにシミュレーション条件設定画面540を出力する。このシミュレーション条件設定画面540には、ローン利用者が選択した返済条件変更種類において、希望する返済条件の変更日やパラメータ値を設定する入力欄が設けられている。
【0044】
シミュレーション条件設定画面540において、変更日や各種パラメータ値が設定され
た場合、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、後述する返済計画シミュレーション(ステップS01)を行なう。そして、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、シミュレーション結果表示画面550を、クライアント端末10のディスプレイに出力する。
【0045】
ここで、ローン利用者はシミュレーション結果表示画面550を確認し、更なる条件変更の要否を判断する。条件変更の再選択が行なわれた場合(ステップS02において「YES」の場合)には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、再度、条件変更種類選択画面530を、クライアント端末10のディスプレイに出力する。
【0046】
条件変更の再選択が行なわれず(ステップS02において「NO」)、シミュレーション結果を受け入れて、条件確定の入力が行なわれた場合(ステップS03において「YES」の場合)には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、クライアント端末10に接続された印刷装置に必要書類560を出力させる処理を実行する。
【0047】
一方、条件変更の再選択が行なわれず(ステップS02において「NO」)、条件確定の入力もない場合(ステップS03において「NO」の場合)には、シミュレーション終了入力を行なう。この場合には、返済条件変更支援処理を終了する。
【0048】
(返済計画シミュレーション)
次に、図4を用いて、ローンの設定条件を変更した場合の返済計画シミュレーションについて詳述する。
【0049】
まず、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、変更対象ローンの検索処理を実行する(ステップS101)。具体的には、制御部21の条件変更受付手段211は、前述した条件変更受付画面510をクライアント端末10のディスプレイに出力する。そして、条件変更受付手段211は、条件変更受付画面510に設定された検索情報を取得し、利用ローン管理情報記憶部23を検索する。そして、条件変更受付手段211は、検索に基づいて抽出した利用ローン管理レコード230についての一覧表示を含む検索結果一覧画面520を生成し、クライアント端末10のディスプレイに出力する。そして、条件変更受付手段211は、検索結果一覧画面520において選択された条件変更ローンを特定する情報を取得する。
【0050】
次に、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、利用ローン情報の取得処理を実行する(ステップS102)。具体的には、制御部21の条件変更受付手段211は、検索結果一覧画面520において選択されたローンに関する利用ローン管理レコード230を、利用ローン管理情報記憶部23から抽出する。
【0051】
次に、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、条件変更種類選択画面の出力処理を実行する(ステップS103)。具体的には、制御部21の条件取得手段212は、クライアント端末10のディスプレイに条件変更種類選択画面530を出力する。そして、条件取得手段212は、この条件変更種類選択画面530において選択された条件変更種類を特定する情報を取得する。この場合、条件取得手段212は、条件変更種類に応じて、各条件のパラメータ値を設定するためのシミュレーション条件設定画面540を出力する。なお、複数の条件変更種類が選択された場合にも、各条件変更種類に応じたシミュレーション条件設定画面540を出力する。
【0052】
条件変更種類選択画面530において「金利切換」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、希望金利の取得処理を実行する(ステップS104)。具体的には、制御部21の条件取得手段212は、基本管理情報記憶部22から選択な可能な金利を取得し、各金利を選択できるシミュレーション条件設定画面540を生成する
。そして、条件取得手段212は、このシミュレーション条件設定画面540をクライアント端末10のディスプレイに出力する。そして、条件取得手段212は、このシミュレーション条件設定画面540を通じて、ローン利用者が選択した希望金利を特定するための情報を取得し、メモリに記録する。ここで、ローン利用者が複数の金利についてのシミュレーションを希望する場合には、シミュレーション条件設定画面540において選択された複数の金利情報を取得し、それぞれをメモリに記録する。
【0053】
また、条件変更種類選択画面530において「一部繰上返済」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、条件変更日、繰上返済額の取得処理を実行する(ステップS105)。具体的には、制御部21の条件取得手段212は、条件変更日、繰上返済額を設定できるシミュレーション条件設定画面540をクライアント端末10のディスプレイに出力する。そして、条件取得手段212は、このシミュレーション条件設定画面540を通じて、希望の条件変更日、繰上返済額に関する情報を取得し、メモリに記録する。
【0054】
また、条件変更種類選択画面530において「約定日の変更」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、約定日の取得処理を実行する(ステップS106)。具体的には、制御部21の条件取得手段212は、約定日を設定できるシミュレーション条件設定画面540をクライアント端末10のディスプレイに出力する。そして、条件取得手段212は、このシミュレーション条件設定画面540を通じて、希望の約定日に関する情報を取得し、メモリに記録する。
【0055】
また、条件変更種類選択画面530において「ボーナス月の変更」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、ボーナス月の取得処理を実行する(ステップS107)。具体的には、制御部21の条件取得手段212は、ボーナス月を設定できるシミュレーション条件設定画面540をクライアント端末10のディスプレイに出力する。そして、条件取得手段212は、このシミュレーション条件設定画面540を通じて、希望のボーナス月に関する情報を取得し、メモリに記録する。
【0056】
また、条件変更種類選択画面530において「期間短縮」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、返済回数の取得処理を実行する(ステップS108)。具体的には、制御部21の条件取得手段212は、短縮された返済回数を設定できるシミュレーション条件設定画面540をクライアント端末10のディスプレイに出力する。このシミュレーション条件設定画面540を通じて、希望の返済回数に関する情報を取得し、メモリに記録する。
【0057】
また、条件変更種類選択画面530において「内訳変更(元金)」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、元金の取得処理を実行する(ステップS109)。具体的には、制御部21の条件取得手段212は、元金の内訳変更を設定できるシミュレーション条件設定画面540をクライアント端末10のディスプレイに出力する。そして、条件取得手段212は、このシミュレーション条件設定画面540を通じて、希望の内訳変更(元金)に関する情報を取得し、メモリに記録する。
【0058】
また、条件変更種類選択画面530において「内訳変更(返済額)」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、返済額の取得処理を実行する(ステップS110)。具体的には、制御部21の条件取得手段212は、返済額の内訳変更を設定できるシミュレーション条件設定画面540をクライアント端末10のディスプレイに出力する。そして、条件取得手段212は、このシミュレーション条件設定画面540を通じて、内訳変更(返済額)に関する情報を取得し、メモリに記録する。
【0059】
また、条件変更種類選択画面530において「返済額指定」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21の条件取得手段212は、返済額指定の登録処理を実行する(ステップS111)。具体的には、制御部21の条件取得手段212は、返済額指定が選択されたことをメモリに記録する。
【0060】
次に、図5に示すように、選択された金利毎に、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、後述する返済計画算出処理を実行する(ステップS201)。具体的には、制御部21の計算管理手段213が、ローン利用者によって選択され、条件取得手段212のメモリに記録された金利毎に、後述する返済計画算出処理を実行する。
【0061】
すべての金利について返済額計画算出処理を終了した場合、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、返済額が指定されているかどうかについて判定処理を実行する(ステップS202)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、条件取得手段212のメモリに返済額指定の選択が記録されているかどうかによって判定する。
【0062】
返済額指定が選択されていない場合(ステップS202において「NO」の場合)、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、条件再選択又は登録完了についての判定処理を実行する(ステップS203)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、シミュレーション結果表示画面550において、条件の再選択或いはシミュレーション終了の選択によって判定する。
【0063】
ここで、シミュレーション結果表示画面550において登録完了指示が入力された場合(ステップS203において「登録完了」の場合)、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、商品属性、ステータスに応じて必要書類の特定処理を実行する(ステップS207)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、利用ローンの種類、条件変更の内容、顧客属性に応じて、必要書類管理情報記憶部25から必要書類テンプレートを取得する。そして、計算管理手段213は、印刷装置で必要書類を印刷できるように、必要書類テンプレートをクライアント端末10に送信する。
【0064】
一方、条件再選択指示が入力された場合(ステップS203において「条件再選択」の場合)、図4に示すステップS103に戻る。
また、返済額指定が選択されている場合(ステップS202において「YES」の場合)、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、返済額指定、指定期間の取得処理を実行する(ステップS204)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、返済計画算出処理を完了したことを条件取得手段212に通知する。この場合、条件取得手段212は、返済額指定、指定期間を設定できるシミュレーション条件設定画面540をクライアント端末10のディスプレイに出力する。そして、条件取得手段212は、このシミュレーション条件設定画面540を通じて、希望の返済額指定、指定期間に関する情報を取得する。
【0065】
そして、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、指定期間の終了時の状態の算出処理を実行する(ステップS205)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、取得した指定期間終了時の状態(元本)を返済額計画算出処理により算出する。
【0066】
そして、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、指定期間終了以降について返済計画算出処理を実行する(ステップS206)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、指定期間終了時の元金を用いて、残りの返済期間についての返済計画算出処理を実行する。
この場合にも、シミュレーション結果の確認により、ステップS203以降の処理を繰り返す。
【0067】
(返済計画算出処理)
次に、図6〜図9を用いて、返済計画算出処理について説明する。
【0068】
まず、一部繰上返済や返済額指定がない場合の返済計画算出処理を、図6に従って説明する。
ここでは、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、ローン計算式の特定処理を実行する(ステップS301)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、このローン利用者の利用ローン管理レコード230から返済方式識別子を取得する。そして、制御部21のローン計算式処理手段215は、この返済方式識別子に関連付けられたローン計算式を、ローン計算式情報記憶部24から取得する。そして、計算管理手段213は、基本管理情報記憶部22に記録された最新の利率や、利用ローン管理レコード230に記録された各パラメータ値を初期値として、このローン計算式に代入する。この初期値は、後述する各パラメータの代入により変更される。
【0069】
「金利切換」が選択され、変更された利率を取得した場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、変更された利率の設定処理を実行する(ステップS302)。具体的には、制御部21のローン計算式処理手段215は、この利率をパラメータ値としてローン計算式に代入する。
【0070】
「ボーナス月の変更」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、ボーナス初回までの月数の設定処理を実行する(ステップS303)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、ボーナス初回までの月数を算出する。そして、制御部21のローン計算式処理手段215は、このボーナス初回までの月数をパラメータ値としてローン計算式に代入する。
【0071】
「期間短縮」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、変更された返済回数の設定処理を実行する(ステップS304)。具体的には、制御部21のローン計算式処理手段215は、変更された返済回数をパラメータ値としてローン計算式に代入する。
【0072】
「内訳変更(元金)」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、変更された元金の設定処理を実行する(ステップS305)。具体的には、制御部21のローン計算式処理手段215は、変更された元金をパラメータ値としてローン計算式に代入する。
【0073】
「内訳変更(返済額)」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、希望返済額の設定処理を実行する(ステップS306)。具体的には、制御部21のローン計算式処理手段215は、希望返済額をパラメータ値としてローン計算式に代入する。
【0074】
そして、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、このローン計算式による計算処理を実行する(ステップS307)。具体的には、制御部21のローン計算式処理手段215は、ローン計算式を用いて元金を算出する。
【0075】
そして、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、算出した元金の設定処理を実行する(ステップS308)。具体的には、制御部21のローン計算式処理手段215は、算出した元金をパラメータ値としてローン計算式に代入する。
【0076】
そして、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、ローン計算式による返済額の算出
処理を実行する(ステップS309)。具体的には、制御部21のローン計算式処理手段215は、各パラメータ値が代入されたローン計算式を用いて返済額を算出する。
【0077】
また、「約定日の変更」が選択され、変更された約定日を取得した場合にも、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、既にパラメータが設定されたローン計算式による返済額の算出処理を実行する(ステップS309)。そして、「約定日の変更」が選択されている場合、又は約定日以外に条件変更が実施された場合(ステップS310において「YES」の場合)、初回返済日までの日歩算出処理を実行する(ステップS311)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、初回返済日までの日数を算出し、この日数に日歩(1日当たりの利率)及び元本を乗算して利息を算出する。
【0078】
そして、日歩算出処理(ステップS311)の実行後又は「約定日の変更」が選択されていない場合(ステップS310において「NO」の場合)、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、計算結果(返済額)の出力処理を実行する(ステップS312)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、クライアント端末10のディスプレイに、算出した返済額を含めたシミュレーション結果表示画面550を出力する。なお、ステップS310において日歩を算出した場合には、初回の返済額にこの利息を加算する。
【0079】
次に、一部繰上返済を希望した場合の返済計画算出処理を、図7を用いて説明する。ここでは、「金利切換」、「約定日変更」、「ボーナス月の変更」、「期間短縮」、「内訳変更」についても併せて行なうことができる。
【0080】
「金利切換」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、変更された利率の設定処理を実行する(ステップS401)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、変更された利率をパラメータ値としてローン計算式に代入する。
【0081】
そして、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、このローン計算式による計算処理を実行する(ステップS402)。これにより、制御部21のローン計算式処理手段215は、根拠となる返済額を算出する。この返済額は、後述するシミュレーションにおいて返済回数を算出する場合に用いる。
【0082】
「一部繰上返済」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、残高割合の算出処理を実行する(ステップS403)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、現在の返済額を用いて条件変更日における均等返済及び増額返済の元本の残高を算出する。そして、計算管理手段213は、均等返済の残高と増額返済の残高とから残高割合を算出する。
【0083】
次に、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、一部繰上後の残高の算出処理を実行する(ステップS404)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、条件変更日における貸出残高(均等返済の残高及び増額返済の残高の合計)から繰上返済額を差し引いて、一部繰上後の貸出残高を算出する。
【0084】
そして、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、残高割合を用いて均等・増額に分配処理を実行する(ステップS405)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、先に算出した残高割合に応じて、貸出残高を均等返済の残高及び増額返済の残高に分配する。
【0085】
次に、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、「期間短縮」が選択されたかどうかについての判定処理を実行する(ステップS406)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、条件変更受付手段211が、期間短縮について、ローン利用者が指定し
た短縮期間を取得したかどうかに基づいて判定する。
【0086】
「期間短縮」が選択されていない場合(ステップS406において「NO」の場合)には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、算出した返済額、一部繰上後の分配された残高を用いてシミュレーション処理を実行する(ステップS407)。具体的には、シミュレーション処理手段214が、残高がなくなるまで、返済額を繰り返し差し引いて、返済回数を算出する。
【0087】
そして、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、算出した返済回数の設定処理を実行する(ステップS408)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、算出された返済回数をパラメータ値としてローン計算式に代入する。
【0088】
一方、短縮期間「期間短縮」が選択された場合(ステップS406において「YES」の場合)には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、条件取得手段212が取得した返済回数を用いて、返済回数の設定処理を実行する(ステップS408)。
【0089】
また、「ボーナス月の変更」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、ボーナス初回までの月数の設定処理を実行する(ステップS409)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、ボーナス初回までの月数を算出する。そして、制御部21のローン計算式処理手段215は、このボーナス初回までの月数をパラメータ値としてローン計算式に代入する。
【0090】
「内訳変更(元金)」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、変更された元金の設定処理を実行する(ステップS410)。具体的には、制御部21のローン計算式処理手段215は、変更された元金をパラメータ値としてローン計算式に代入する。
【0091】
「内訳変更(返済額)」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、希望返済額の設定処理を実行する(ステップS411)。具体的には、制御部21のローン計算式処理手段215は、希望返済額をパラメータ値としてローン計算式に代入する。
【0092】
そして、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、このローン計算式による計算処理を実行する(ステップS412)。具体的には、制御部21のローン計算式処理手段215は、現在、設定されている返済回数を用いて、ローン計算式により、均等或いは増額の元金を算出する。
【0093】
そして、ローン計算式処理手段215は、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、ローン計算式による返済額の算出処理を実行する(ステップS413)。具体的には、制御部21のローン計算式処理手段215は、各パラメータ値が代入されたローン計算式を用いて返済額を算出する。
【0094】
また、「約定日の変更」が選択され、変更された約定日を取得した場合にも、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、既にパラメータが設定されたローン計算式による返済額の算出処理を実行する(ステップS413)。
【0095】
そして、図8に示すように、「約定日の変更」が選択されている場合、又は約定日以外に条件変更が実施された場合(ステップS414において「YES」の場合)、初回返済日までの日歩算出処理を実行する(ステップS415)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、初回返済日までの日数を算出し、この日数に日歩(1日当たりの利率
)及び元本を乗算して、利息を算出する。
【0096】
そして、日歩算出処理(ステップS415)の実行後又は「約定日の変更」が選択されていない場合(ステップS414において「NO」の場合)、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、計算結果(返済額)の出力処理を実行する(ステップS416)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、クライアント端末10のディスプレイに、算出した返済額を含めたシミュレーション結果表示画面550を出力する。なお、ステップS414において日歩を算出した場合には、初回の返済額にこの利息を加算する。
【0097】
次に、「返済額指定」が選択された場合の処理を、図9を用いて説明する。
この場合、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、指定金額、指定期間の取得処理を実行する(ステップS501)。具体的には、制御部21の条件取得手段212は、クライアント端末10のディスプレイにシミュレーション条件設定画面540を出力する。このシミュレーション条件設定画面540には、返済額指定について、指定金額や指定期間を設定する入力欄が設けられている。
【0098】
そして、シミュレーション条件設定画面540において、指定金額や指定期間が設定された場合、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、指定期間終了時の状態の算出処理を実行する(ステップS502)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、指定期間終了の元本の残高を算出する。
【0099】
次に、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、ローン計算式による計算処理を実行する(ステップS503)。具体的には、制御部21のローン計算式処理手段215は、指定期間終了の元本の残高をパラメータ値としてローン計算式に代入して、返済額を算出する。
【0100】
そして、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、計算結果(返済額)の出力処理を実行する(ステップS504)。具体的には、制御部21の計算管理手段213は、クライアント端末10のディスプレイに、指定期間終了後の返済額を含めたシミュレーション結果表示画面550を出力する。
【0101】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態においては、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、ローン計算式の特定処理を実行する(ステップS301)。そして、制御部21は、各種パラメータ値の設定処理を実行する(ステップS302〜S306、S308、S408、S409、S410、S412)。これにより、条件を変更した場合には、ローン計算式に代入して、返済額を算出する。返済回数を算出する場合には、返済を繰り返すシミュレーション処理(S407)を実行することにより、的確な返済回数を算出することができるが、この場合にも、算出した返済回数を再度ローン計算式に代入する(S413)。従って、各条件変更において、整合性がある返済計画を算出することができる。
【0102】
・ 本実施形態においては、「金利切換」が選択された場合には、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、変更された利率の設定処理を実行する(ステップS401)。そして、制御部21は、ローン計算式による計算処理を実行する(ステップS402)。これにより、制御部21のローン計算式処理手段215は、根拠となる返済額を算出する。これにより、金利の変動に応じてシミュレーションの根拠となる値を算出し、現状にみあったシミュレーション結果を算出することができる。
【0103】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態では、この返済額指定サービスにおける指定期間において、返済額を
増額したが、これに加えて減額できるようにしてもよい。この場合、減額可能なリミット値(例えば、許容率)を基本管理情報記憶部22に記録しておく。そして、ローン業務支援サーバ20の制御部21は、この許容範囲内での減額を許容する。これにより、返済方法に自由度を確保して、ローン利用者の利便性を図ることができる。
【0104】
○ 上記実施形態では、クライアント・サーバ方式により、ローン業務支援サーバ20側において返済計画算出処理を実行したが、クライアント端末10側で計算するようにしてもよい。この場合には、クライアント端末10がローン業務支援サーバ20から計算に必要なデータ(基本管理情報記憶部22に記録された情報)を取得する。更に、すべての情報をスタンドアローンのコンピュータ端末に格納し、独立して返済計画算出処理を実行するようにしてもよい。
【0105】
○ 上記実施形態においては、「金利切換」、「一部繰上返済」、「約定日の変更」、「ボーナス月の変更」、「期間短縮」、「内訳変更(元金)」、「内訳変更(返済額)」、「返済額指定」において、所望の条件変更を組み合わせて、返済計画算出処理を実行する。条件変更の内容はこれに限定されるものではなく、これらの一部や、いくつかの組み合わせを用いるようにしてもよい。また、融資期間については、「期間延長」ができるようにしてもよい。
【0106】
○ 上記実施形態においては、金融機関の窓口に設置されたクライアント端末10を用いて、条件変更の内容を取得した。変更を希望する条件を受け入れることができるクライアント端末10であればこれに限定されるものではない。例えば、ローン利用者自身のコンピュータ端末を、インターネット等のネットワークを介してローン業務支援サーバ20に接続させて、返済計画算出処理を実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0107】
10…クライアント端末、20…ローン業務支援サーバ、21…制御部、211…条件変更受付手段、212…条件取得手段、213…計算管理手段、214…シミュレーション処理手段、215…ローン計算式処理手段、22…基本管理情報記憶部、23…利用ローン管理情報記憶部、24…ローン計算式情報記憶部、25…必要書類管理情報記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローンを提供している顧客の顧客識別子に対して、金利方式及び貸出残高を記録したローン情報記憶手段と、
ローンに適用する利率を記録した金利情報記憶手段と、
入出力手段に接続されるとともに、返済条件を算出するためのローン計算式を用いて返済計画を算出する制御手段とを備えたローン業務支援システムであって、
前記制御手段が、
前記入出力手段から顧客識別子を取得した場合には、前記ローン情報記憶手段から金利方式及び貸出残高を取得し、
前記入出力手段に対して、返済条件の変更を受け付ける条件変更受付画面を出力し、
前記入出力手段から、前記条件変更受付画面において設定された変更日を取得し、前記金利情報記憶手段から前記変更日以降の利率をローン計算式の変数として代入し、
前記条件変更受付画面において設定された変更条件を、前記変更条件を前記ローン計算式に設定して返済額を計算する返済計画算出処理を実行することを特徴とするローン業務支援システム。
【請求項2】
前記条件変更受付画面において、一部繰上返済の希望を取得した場合には、前記入出力手段において特定された変更日以降の金利を適用したローン計算式により返済額を計算し、
一部繰上返済の繰上返済金額を差し引いた貸出残高がなくなるまで、前記返済額を用いて返済を繰り返すことにより返済回数を算出し、
前記返済回数を前記ローン計算式に代入して返済額を再計算する繰上返済処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のローン業務支援システム。
【請求項3】
貸出残高は、均等返済残高及び増額返済残高から構成されており、
前記貸出残高から繰上返済金額を差し引いた残高を、前記均等返済残高及び増額返済残高の残高割合に分配し、
一部繰上後の分配された均等返済残高及び増額返済残高を用いて、前記繰上返済処理を実行することを特徴とする請求項2に記載のローン業務支援システム。
【請求項4】
前記条件変更受付画面において、返済額指定の希望を取得した場合には、前記返済計画算出処理により返済額を算出し、前記返済額を前記入出力手段に出力し、
前記入出力手段から、前記返済額以上の指定返済額及び指定期間を取得し、
前記指定期間の終了後の貸出残高を算出して、前記貸出残高、前記指定期間以降の返済回数を前記ローン計算式に代入して返済額を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のローン業務支援システム。
【請求項5】
ローンを提供している顧客の顧客識別子に対して、金利方式及び貸出残高を記録したローン情報記憶手段と、
ローンに適用する利率を記録した金利情報記憶手段と、
入出力手段に接続されるとともに、返済条件を算出するためのローン計算式を用いて返済計画を算出する制御手段とを備えたローン業務支援システムを用いて、ローン業務の支援処理を実行する方法であって、
前記制御手段が、
前記入出力手段から顧客識別子を取得した場合には、前記ローン情報記憶手段から金利方式及び貸出残高を取得し、
前記入出力手段に対して、返済条件の変更を受け付ける条件変更受付画面を出力し、
前記入出力手段から、前記条件変更受付画面において設定された変更日を取得し、前記金利情報記憶手段から前記変更日以降の利率をローン計算式の変数として代入し、
前記条件変更受付画面において設定された変更条件を、前記変更条件を前記ローン計算式に設定して返済額を計算する返済計画算出処理を実行することを特徴とするローン業務支援方法。
【請求項6】
ローンを提供している顧客の顧客識別子に対して、金利方式及び貸出残高を記録したローン情報記憶手段と、
ローンに適用する利率を記録した金利情報記憶手段と、
入出力手段に接続されるとともに、返済条件を算出するためのローン計算式を用いて返済計画を算出する制御手段とを備えたローン業務支援システムを用いて、ローン業務の支援処理を実行するプログラムであって、
前記制御手段を、
前記入出力手段から顧客識別子を取得した場合には、前記ローン情報記憶手段から金利方式及び貸出残高を取得し、
前記入出力手段に対して、返済条件の変更を受け付ける条件変更受付画面を出力し、
前記入出力手段から、前記条件変更受付画面において設定された変更日を取得し、前記金利情報記憶手段から前記変更日以降の利率をローン計算式の変数として代入し、
前記条件変更受付画面において設定された変更条件を、前記変更条件を前記ローン計算式に設定して返済額を計算する返済計画算出処理を実行する手段として機能させることを特徴とするローン業務支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−160627(P2010−160627A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1712(P2009−1712)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(592259978)株式会社みずほ銀行 (117)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)