説明

ワイヤマーカラベル媒体

ラベル媒体プリンタ用のラベル媒体(14)は、適宜サイズを調整したラベルマーカを形成する。ラベル媒体(14)はキャリアウェブ(15)の長さに合わせて付着された連続するチューブ(17)を含んでいる。そのチューブ(17)には文字等が印刷され、その後で、そこに印刷される文字等に対応する所望の長さにチューブ(17)を裁断し、ワイヤマーカを適宜形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラベル媒体に関し、より詳細にはチューブ状のワイヤマーカを形成するラベル媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤマーカ用のラベルに文字等を印刷する電子装置について多くの米国特許が開示されており、その中には携帯用のもの、あるいは卓上用のものがある。例えば米国特許第6,113,293号に開示されている携帯用プリンタ、及び例えば米国特許第6,266,075号や第5,078,523号に開示されている卓上用のプリンタは、同じ一般的な構成要素の組み合わせ、即ち、プリントヘッド、プリントヘッドを通って印刷されるラベル媒体を供給する手段、マイクロプロセッサ、該マイクロプロセッサを稼動するため適切な指示を出すプログラムされたROM、RAM、文字キー、数字キー、並びに英数字を入力する為及び印刷文字等についての指示を入力する為のファンクションキーを有するキーボード、プリンタを使う際にオペレータを補助する発光ダイオード(LED)などの画像表示装置あるいは液晶ディスプレイ(LCD)装置を備えている。携帯用プリンタでは、これらの構成要素は1つの筐体内に収容されている。
【0003】
特定タイプのプリントヘッドは熱転写印刷技術を採用している。熱転写印刷はワックス、カーボンブラック、又はこれの同等物などの顔料をラベル媒体に転写するのに熱生成プリントヘッドを使用している。デジタル技術を使えば、文字がプリントヘッド上の配列画素に電力を印加することで印刷される。該プリントヘッドは、インクリボン上のワックスあるいはその他の顔料を順次溶かして画像をラベル媒体に転写する。
【0004】
既知のワイヤマーカラベル媒体は、キャリアストリップに取り付けられる一続きの同一固定長のラベルからなる。キャリアストリップはプリンタを通って供給され、説明文、英数文字、その他の文字等がラベルに印刷される。その後、ワイヤマーカラベルはキャリアウェブから取り外され識別が必要なワイヤに付けられ、あるいは巻き付けられる。ラベルの用途は多岐に渡るため、種々のサイズ、色、形をしたラベルを備えるキャリアストリップやラベルの様々な組み合わせがある。
【0005】
既知のワイヤマーカラベルでは、ワイヤマーカラベルに印刷しなければならない最長の文字列によって、使用できる最短のワイヤマーカが決まる。加えてキャリアストリップの幅はワイヤマーカの長さによって通常決まる。このため、たまにしか最長の文字列にならない場合、並びにカートリッジ及びプリンタが様々なキャリアストリップ幅に対応しなければならない場合には、ラベル媒体を著しく浪費することとなる。このため、様々な文字列長に対応するよう適宜サイズを調整できるワイヤマーカを提供できるラベル媒体が必要とされている。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,113,293号
【特許文献2】米国特許第6,266,075号
【特許文献3】米国特許第5,078,523号
【発明の開示】
【0007】
本発明は、適宜サイズを調整したラベルマーカを形成するラベル媒体プリンタ用のラベル媒体を提供する。ワイヤマーカ媒体は、ラベル媒体に文字等が印刷された後、そのラベル媒体を裁断することによって様々な文字列長に対応するよう適宜サイズが調整される。ラベル媒体は特定の長さを有するキャリアウェブを含み、このキャリアウェブの片側には粘着剤が設けられている。連続するチューブがキャリアウェブの長さに沿って設けられ、粘着剤によってそこに保持される。
【0008】
本発明全体の目的は、任意のワイヤマーカ長を適宜作製することのできるラベル媒体を提供することにある。該目的は、キャリアウェブの長さに沿ってチューブを取り外しできるように付着することで実現できる。該ラベル媒体は、ワイヤマーカを適宜作製するため、文字等がラベル媒体に印刷されたあと所望の長さに裁断可能である。
【0009】
本発明の別の目的は、連続するチューブをプリンタ中に正確に誘導することにある。該目的は、チューブに特有の公差ばらつきがないキャリアウェブに、該連続するチューブを付着することによって実現される。
【0010】
本発明の上記及び他の目的並びに効果は以下の説明により明らかとなるであろう。明細書中では、その一部を構成する添付図面を参照し、例示のために本発明の好ましい実施形態を示している。しかしながら、かかる実施形態は必ずしも本発明の全範囲を示すものではなく、本発明の範囲を解釈するには特許請求の範囲を参照されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
特に図1〜図3を参照すると、本発明の好ましい実施形態にかかる携帯用感熱式プリンタ10は、前面にキーボード4と、そのキーボード4の上部に位置するディスプレイ6を支持する成型プラスチック筐体2を備えている。ディスプレイ6の上部の筐体2に設けられた開口8は、ラベル媒体14及びインクリボン16が入っているカートリッジ12を収納する。カートリッジ12は、開口8を通ってプリンタの筐体2に設けられたカートリッジ受け部18内に装着される。
【0012】
カートリッジ12から出るラベル媒体14及びインクリボン16は、プリンタ機構体20中を通される。プリンタ機構体20はラベル媒体14に文字等を印刷するためプリントヘッド22及びプラテンローラ24を備えている。ラベル媒体14はカートリッジ12から供給され、ラベル媒体14がプリンタ10で使用される際、プラテンローラ24によってウェブパスに沿って引き出される。ラベル媒体14の印刷済み部分は裁断機構26を通り、該裁断機構26は、ラベル媒体14を裁断して、ラベル媒体14に印刷される文字に適した所望の長さを持つワイヤマーカを適宜形成するため、ラベル媒体14を裁断する。
【0013】
図4及び図4aに示したように、ラベル媒体14は、キャリアウェブ長に沿って連続するチューブ17を支持するキャリアウェブ15を備えている。キャリアウェブのサイズ、幅、色、型やチューブ材料は個々の印刷用途に応じて変更する。チューブ17は、粘着剤19によって取り外しできるようにキャリアウェブ15に固定されるのが望ましい。この新規なラベル媒体14は、ラミネート材の製造分野において既知の方法を用いて経済的に製造することができる利点を有する。本明細書に開示した実施形態では、ラベル媒体14はロールの形で芯123に巻き付けられる。芯を有する場合を開示したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲でラベル媒体を芯なしのロールに形成しても良い。
【0014】
キャリアウェブ15は、チューブ17をウェブパスに沿ってプリンタ10を通って正確に誘導する。好ましい実施形態では、キャリアウェブ15は紙ライナからなる。紙からなるキャリアウェブが好ましいが、他の材料、例えばプラスチックなどが本発明の要旨を逸脱しない範囲で使用できる。このキャリアウェブ15の物理的寸法は、物理的寸法に通常のばらつきを有する連続する平らなチューブに比べると、チューブ17をプリンタ10(図1参照)中により正確に誘導するよう制御することが可能であるという特徴を有する。さらにチューブ17の長さはキャリアウェブ15の幅に依存しないため、どのようなワイヤマーカ長に合わせて設計されたカートリッジでも、様々なチューブ径に合わせて設計されたカートリッジでも使用することができる。
【0015】
粘着剤19は、チューブ17をキャリアウェブ15に取り外しできるように固定する。該粘着剤は、例えばミネソタ州、ミネアポリスのスリーエムコーポレーションから入手できる両面テープNo.9553SLなどの転写粘着剤が好ましい。転写粘着剤は、キャリアウェブ15の片側に設けられ、プリンタ10によってチューブ17に文字等が印刷されるとキャリアウェブ15からチューブ17を容易に取り外しできるようチューブ17より、キャリアウェブ15とより強固に付着する。言い換えると、好ましい粘着剤19とは、取り外しできないようにキャリアウェブ15に粘着し、且つ、取り外しできるようにチューブ17に粘着するものである。本明細書中で用いた「粘着剤」という用語は、非粘着材料からなる中間層を有する、又は有しない1以上の粘着材料層を言う。非粘着層で分離された1以上の粘着材料層を有する粘着剤の一例は、上述したスリーエムの両面テープである。
【0016】
連続するチューブ17は、扁平な熱収縮チューブ、例えばポリオレフィン製チューブなどが好ましい。チューブ17は、粘着剤19によってキャリアウェブ15の長さに沿って取り外しできるようにキャリアウェブ15に付着される。キャリアウェブ15の長さに沿って取付けられるチューブ17は、当然、チューブ17のないキャリアウェブ15の先端及び/又は末端を備えていても良い。熱収縮チューブは、例えば85℃から190℃の高温に曝すと縮むものである。熱収縮チューブを用いるのが好ましいが、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、フッ化ビニリデン(polyvinyl-lidene fluoride)、及びシリコーンからなる非収縮チューブ、熱以外の触媒に曝されて収縮する収縮チューブなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、他のチューブを使用しても良い。
【0017】
図3及び図5から図7を参照すると、カートリッジ12は、外周壁34で結合された上壁30と下壁32を有するカートリッジ筐体28を備える。外周壁34は、スプール上のラベル媒体14及びインクリボン16を収納するためのラベル媒体及びインクリボンの受け部を形成する。カートリッジ筐体28から出るラベル媒体14及びインクリボン16は、プラテンローラ24及びプリントヘッド22と係合するため、カートリッジ筐体28から出口溝29を通り、カートリッジ筐体28外部の印刷領域38へ出される。使用済みインクリボン16はカートリッジ筐体28に再び入り、カートリッジ筐体28に回転自在に取り付けられたインクリボン巻取りスプール40に巻き取られる。カートリッジ12中に伸びる駆動シャフト92,96,100は、カートリッジ筐体28に回転自在に取付けられたインクリボン巻出しスプール48、インクリボン巻取りスプール40、及びラベル媒体駆動ローラ46を駆動する。
【0018】
本明細書に開示したカートリッジにおいて、未使用インクリボン16はカートリッジ筐体28内でインクリボン巻出しスプール48に収納されているが、一旦、インクリボン16がプリントヘッド22を通って給送されると該インクリボン16はインクリボン巻取りスプール40に巻き取られる。インクリボン巻出し及び巻取りスプール48、40は、何れもカートリッジ筐体28内のカートリッジ上壁30及び下壁32の間に、回転自在に支持される。インクリボン巻取りスプール40及び巻出しスプール48は、それぞれインクリボン巻取りシャフト100及びインクリボン巻出しシャフト96によって選択的に回転駆動され、搬送方向及び逆搬送方向にインクリボン16を張った状態に維持する駆動機構の一部を構成する。
【0019】
インクリボン巻出しスプール48は、カートリッジ筐体の上壁30及び下壁32の間に回転自在に取付けられ、該スプール48に巻き付けられたロールのインクリボン16を有する。搬送方向の場合には、インクリボン16はインクリボン巻出しスプール48から巻き出し、ラベル媒体14と共にカートリッジ12から出て、プリントヘッド22及びプラテンローラ24の間の印刷領域38を通る。プリントヘッド22はインクリボン16と係合し、ラベル媒体14にインクリボン16上のインクを転写する。いったんインクが転写されると、インクリボン16は再度カートリッジ12に入り、上壁30及び下壁32の間に支持されたインクリボン巻取りスプール40に巻き取られる。
【0020】
上記した如く、カートリッジ筐体の上壁及び下壁30,32の間に回転自在に取付けられたインクリボン巻取りスプール40は、搬送方向で使用済みインクリボン16をスプール40上に巻きつける。逆搬送方向の場合には、インクリボン16はインクリボン巻取りスプール40から巻出し、カートリッジ12から出て、プリントヘッド22及びプラテンローラ24の間の印刷領域38を通り、インクリボン巻出しスプール48に巻き付けられる。
【0021】
ラベル媒体駆動ローラ46は、カートリッジ筐体の上壁30及び下壁32の間に回転自在に取付けられ、ラベル媒体14と係合してラベル媒体通路の始点を定める。このラベル媒体通路の始点は、ラベル媒体駆動ローラ46及びヨーク42により支持されるロール上のラベル媒体14間の接点として規定される。好ましくは、ラベル媒体駆動ローラ46はゴムでコートされ、搬送方向状態で、ラベル媒体駆動ローラ46並びにプリントヘッド22及びプラテンローラ24の間のラベル媒体14に一定の張力を与える。逆搬送方向の状態では、駆動機構の一部をなすラベル媒体駆動シャフト92がラベル媒体駆動ローラ46を駆動し、ラベル媒体駆動ローラ46並びにプラテンローラ24及びプリントヘッド22の間のラベル媒体14を張った状態に保持する。
【0022】
ラベル媒体駆動ローラ46と係合するラベル媒体14は、ラベル媒体スプール122に回転自在に取り付けたロール形状でカートリッジ筐体28内に収納される。ラベル媒体スプール122は、カートリッジ12に枢着されるヨーク42の一部を形成するのが好ましい。本明細書で開示した実施形態では、ラベル媒体駆動ローラ46がラベル媒体14のロール外径との接点でロールのラベル媒体14と係合し、該ロール径にかかわらずラベル媒体通路の始点を一定とするようにヨーク42を枢動する。ヨーク42は、カートリッジ筐体上壁30及び下壁32の間に回転自在に取り付けられたラベル媒体駆動ローラ46の方向に、捻りバネ44により枢支して付勢されるのが好ましい。
【0023】
次に、図1乃至図3及び図5乃至図7を参照すると、カートリッジ12はプリンタ筐体2に設けられたカートリッジ受け部18に収納される。好ましくは、プリンタ筐体2は少なくとも2つの部分50,52から構成され、カートリッジ受け部18、キーボード4、ディスプレイ6、裁断機構26、プリンタ回路を有するプリント基板54などのプリンタの構成要素を収容する。筐体上部50に設けられた開口部8は、カートリッジ12をカートリッジ受け部18中に入れるためのカートリッジ受け部18への入口となる。裁断機構26に隣接して筐体2に設けられた溝56は、裁断機構26を通り抜けたラベル媒体14の出口となる。
【0024】
カートリッジ受け部18は、通常カートリッジの外周壁34と同じ型に形成される外周壁58と、カートリッジ12を保持する下壁60を有する。カートリッジ受け部の外周壁58は、カートリッジ受け部18に対してプリンタ筐体2の中に固定されるプリンタ機構体20を取り囲んでいる。
【0025】
プリンタ機構体20はプリンタ筐体2内にカートリッジ受け部18に対して固定され、枢動可能なプリントヘッド22及び固定されたプラテンローラ24を備えている。プリントヘッド22は、該プリントヘッド22がラベル媒体14に文字、記号、その他の文字等を印刷できるように、インクリボン16及びラベル媒体14と協働する。このことは、参照することによって本明細書に援用される米国特許第5,078,523号に詳細に記載されている。また、プラテンローラ24も駆動機構の一部を構成している。
【0026】
駆動機構はラベル媒体14及びインクリボン16をプリントヘッド22を通って給送し、プラテンローラ駆動シャフト62、ラベル媒体駆動シャフト92、インクリボン巻取り駆動シャフト100及びインクリボン巻出し駆動シャフト96を備えている。該駆動機構はローラ24,46、及びスプール40,48を選択的に駆動し、ラベル媒体14及びインクリボン16を搬送方向及び逆搬送方向に駆動して張った状態にする。このプラテンローラ24、ラベル媒体駆動ローラ46、インクリボン巻出しスプール48、及びインクリボン巻取りスプール40は、代理人整理番号第180825.00004と表記された同時係属中の米国特許出願に開示されている如く、カートリッジ受け部18の底に取り付けられた双方向駆動機構によって全て回転駆動されるのが好ましい。
【0027】
印刷領域38を通過するラベル媒体14及びインクリボン16は、プリントヘッド22と密接に相互動作してインクリボン16及びラベル媒体14を保持するプラテンローラ24によって搬送方向及び逆搬送方向にプリントヘッド22を通って送られる。プラテンローラ24は、ブラケット66によってカートリッジ受け部18に回転自在に設けられるプラテンローラ駆動シャフト62に取り付けられる。プリントヘッド22はカートリッジ受け部18内でプラテンローラ24に対して枢着され、プリントヘッド22とプラテンローラ24の間にラベル媒体14及びインクリボン16を通す際にプリントヘッド22とプラテンローラ24の間に隙間を設ける。
【0028】
ラベル媒体14及びインクリボン16がプラテンローラ24により搬送方向及び逆搬送方向に駆動されるとき、ラベル媒体駆動シャフト92、インクリボン巻取り駆動シャフト100、及びインクリボン巻出し駆動シャフト96によってインクリボン16及びラベル媒体14の張力が保持される。ラベル媒体駆動シャフト92、インクリボン巻取り駆動シャフト100及びインクリボン巻出し駆動シャフト96は、それぞれカートリッジ筐体下壁32に設けられた駆動シャフト穴86の一つを貫通して嵌り、内面94,98,102と係合し、それぞれラベル媒体駆動ローラ46、インクリボン巻出しスプール48、及びインクリボン巻取りスプール40を回転駆動する。
【0029】
図1から図7を参照すると、使用にあたって、カートリッジ12は、ラベル媒体駆動ローラ46に嵌め込まれたラベル媒体駆動シャフト92、インクリボン巻出しスプール48に嵌め込まれたインクリボン巻出し駆動シャフト96、及びインクリボン巻取りスプール40に嵌め込まれたインクリボン巻取り駆動シャフト100と共にカートリッジ受け部18の中に装着される。該シャフト92,96,100は、カートリッジ受け部18にカートリッジ12を適当な位置に配置するとともに、ラベル媒体14及びインクリボン16をプラテンローラ24及びプリントヘッド22の間に装着する。次いで、プリントヘッド22がプラテンローラ24の方へ付勢され、プリントヘッド22とプラテンローラ24の間にラベル媒体14及びインクリボン16を挟み込み、カートリッジ12が所定位置に固定される。
【0030】
いったんカートリッジ12が所定位置に固定されると、プリンタ10はいつでもワイヤマーカを作ることができる。チューブに印刷する際、ラベル媒体14及びインクリボン16は、第1の回転方向にプラテンローラ24を駆動することによって搬送方向へプラテンローラ24及びプリントヘッド22を通って給送される。インクリボン巻取りスプール40は、プリントヘッド22を通って給送される使用済みインクリボン16を巻き取るため、かつインクリボン16の張力を保持するため、第1の回転方向に回転駆動される。ラベル媒体駆動ローラ46及びインクリボン巻出しスプール48は回転駆動されない。カートリッジ12によってラベル媒体駆動ローラ46及びインクリボン巻出しスプール48に発生させる引張り力は、ラベル媒体14及びインクリボン16を張った状態にし、これらが詰まるのを防止する。
【0031】
オペレータ若しくはその他の手段によって所望の文字が入力されると、ラベル媒体14及びインクリボン16がプリントヘッド22を通り過ぎて進む間、プリンタ10のプリンタ回路がプリントヘッド22の画素に電力を印加する。ヘッドの画素はチューブに文字を印字するため、様々に電力印加される。このことは、参照することで本明細書に援用される米国特許第5,078,523号により詳細に記載されている。
【0032】
ラベルが印刷されると、チューブ17の印刷済み部分を裁断機構26を通って給送するため、プラテンローラ24はラベル媒体14及びインクリボン16を搬送方向に駆動し続ける。裁断機構26が動作すると、チューブ17を含むラベル媒体14が裁断される。そしてこの裁断されたチューブ17はキャリアウェブ15から取除かれ、所望の長さを有し適宜サイズが調整されるワイヤマーカを形成する。ラベル媒体が裁断されると、残りのラベル媒体14やインクリボン16がプラテンローラ24によって逆搬送方向に送られ、ラベル媒体14やインクリボン16を浪費しないように、残りのチューブ17へ印刷する位置にラベル媒体14を配置する。
【0033】
ラベル媒体14及びインクリボン16は、プラテンローラ24、ラベル媒体駆動ローラ46、及びインクリボン巻出しスプール48を第2の回転方向へ駆動することによって、逆搬送方向にプラテンローラ24及びプリントヘッド22を通って給送される。インクリボン16がインクリボン巻出しスプール48に巻き取られ、ラベル媒体14がラベル媒体駆動ローラ46によってロール上に付勢される間、プラテンローラ24は、ラベル媒体14及びインクリボン16をプリントヘッド22を通して給送する。ただし、プリントヘッド22の画素は、印刷のために再配置される際にチューブ17への印刷を防止するため、電源は切断した状態のままとされる。インクリボン巻取りスプール40は回転駆動されず、カートリッジ12によってインクリボン巻取りスプール40に生じる引張り力がインクリボン16を張った状態にし、詰まるのを防ぐ。
【0034】
現在考えられる本発明の好ましい実施形態について開示し説明したが、添付した特許請求の範囲により規定される本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更や修正が成し得ることは、当業者であれば明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る携帯用ラベルプリンタの斜視図である。
【図2】カートリッジ、上部、キーボード、及びディスプレイを取り除いた図1のプリンタの斜視図である。
【図3】カートリッジの上壁を取り除き、カートリッジ受け部に収納された図1のカートリッジの上面図である。
【図4】図1のラベル媒体カートリッジに設けられたラベル媒体の斜視図である。
【図4a】図4のラベル媒体の断面図である。
【図5】図1のカートリッジの上面斜視図である。
【図6】図1のカートリッジの底面斜視図である。
【図7】カバーを取り除いた図3のカートリッジの上面斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
2 プラスチック筐体
4 キーボード
6 ディスプレイ
8 開口
10 携帯用感熱式プリンタ
12 カートリッジ
14 ラベル媒体
15 キャリアウェブ
16 インクリボン
17 チューブ
18 カートリッジ受け部
19 粘着剤
20 プリンタ機構体
22 プリントヘッド
24 プラテンローラ
26 裁断機構
28 カートリッジ筐体
40 インクリボン巻取りスプール
42 ヨーク
46 ラベル媒体駆動ローラ
48 インクリボン巻出しスプール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプールを有し、プリンタに装着可能なラベル媒体カートリッジと、
前記スプールに巻き付けられる長さを有し、前記プリンタに収納される形状であり、該プリンタ中の印刷領域を通って送られるキャリアウェブと、
該キャリアウェブの片側に設けられる粘着剤と、
該キャリアウェブの長さに沿って配置され、前記粘着剤によって該キャリアウェブに保持される連続するチューブと、を備えるラベル媒体プリンタ用のラベル媒体。
【請求項2】
前記粘着剤が前記キャリアウェブと取り外しできないように付着し、かつ前記チューブと取り外しできるように付着する請求項1に記載のラベル媒体。
【請求項3】
前記チューブが前記キャリアウェブ上に平らにされた請求項1に記載のラベル媒体。
【請求項4】
前記チューブが熱収縮材料からなる請求項1に記載のラベル媒体。
【請求項5】
前記プリンタが、ワイヤマーカを形成する長さに前記チューブを裁断する裁断機構を有する請求項1に記載のラベル媒体。
【請求項6】
前記粘着剤が両面テープである請求項1に記載のラベル媒体。
【請求項7】
長さを有するキャリアウェブと、
該キャリアウェブの片側に設けられた粘着剤と、
該キャリアウェブの長さに沿って配置され、前記粘着剤によって該キャリアウェブに保持される連続するチューブと、を備えるラベル媒体プリンタ用のラベル媒体。
【請求項8】
前記粘着剤が前記キャリアウェブと取り外しできないように付着し、かつ前記チューブと取り外しできるように付着する請求項7に記載のラベル媒体。
【請求項9】
前記チューブが前記キャリアウェブ上に平らにされた請求項7に記載のラベル媒体。
【請求項10】
前記チューブが熱収縮材料からなる請求項7に記載のラベル媒体。
【請求項11】
前記プリンタが、ワイヤマーカを形成する長さに前記チューブを裁断する裁断機構を有する請求項7に記載のラベル媒体。
【請求項12】
前記キャリアウェブがロールに巻かれる請求項7に記載のラベル媒体。
【請求項13】
前記ロールがスプールに支持され、前記プリンタ内に装着可能なカートリッジの一部を構成する請求項12に記載のラベル媒体。
【請求項14】
前記キャリアウェブが前記プリンタに収納される形状にされ、該プリンタ中の印刷領域を通って送られる請求項7に記載のラベル媒体。
【請求項15】
前記粘着剤が両面テープである請求項7に記載のラベル媒体。
【請求項16】
ロールの形で長さを有するキャリアウェブと、
該キャリアウェブの片側に設けられた転写粘着剤と、
該キャリアウェブの長さに沿って配置され、前記粘着剤によって該キャリアウェブに保持される連続する平らなチューブと、を備えるラベル媒体プリンタ用のラベル媒体。
【請求項17】
前記チューブが熱収縮材料からなる請求項16に記載のラベル媒体。
【請求項18】
前記プリンタが、ワイヤマーカを形成する長さに前記チューブを裁断する裁断機構を有する請求項16に記載のラベル媒体。
【請求項19】
前記ロールがスプールに支持され、前記プリンタ内に装着可能なカートリッジの一部を構成する請求項16に記載のラベル媒体。
【請求項20】
前記キャリアウェブが前記プリンタに収納される形状をし、該プリンタ中の印刷領域を通って送られる請求項16に記載のラベル媒体。
【請求項21】
前記粘着剤が両面テープである請求項16に記載のラベル媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4a】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−502447(P2007−502447A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523264(P2006−523264)
【出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/025675
【国際公開番号】WO2005/018943
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(500407190)ブレイディー ワールドワイド インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】Brady Worldwide, Inc.
【住所又は居所原語表記】2221 West Camden Road, Milwaukee, WI 53209, USA