説明

ワイヤレス多重アクセス通信システムとそれに用いられる送信器および受信器内で使用される装置

【課題】 効率的なワイヤレス多重アクセス通信システムを提供すること。
【解決手段】 ワイヤレス多重アクセス通信システムの送信器で用いられる装置において、情報ビットの入力アレイが与えられ、エラー検出冗長性ビットのアレイを生成し、エラー検出冗長性ビットのアレイを情報ビットのアレイに付加して、所定数のビットを有する第1ブロックビットを生成するエラー検出エンコーダと、第1ブロックビットに基づいて所定数のビットを有する入力ブロックビットとユーザインデックスが与えられ、入力ブロックビットとユーザインデックスの所定の関数にしたがって、所定数のビットを有する第2ブロックビットを生成するマッパーと、ユーザ受信器に送信するために第2ブロックビットに基づいて送信信号を変調する変調器とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス多重アクセス通信システムに関し、特に、このようなシステムにおいて適切なデータ受信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
多重アクセスを採用するワイヤレス通信システムにおいては、ユーザは伝送媒体を共有する。このようなワイヤレスシステムは、直交周波数分割多重化(orthogonal frequency division multiplexing:OFDM)ベースの拡散スペクトラム多重アクセス移動通信システムである。このようなシステムにおいては、ユーザは他のユーザ向けのパケットを受信するのを阻止する事が重要である。いわゆる固定チャネル割り当て技術を用いて、個々のユーザ専用のチャネルを割り当てることにより、この問題を解決している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが固定チャネル割り当ては、データトラフィックに対し効率的ではない。Ethernetシステムにおいては、パケットはそれらが意図したユーザの識別番号をもって送信され、その結果他のユーザはパケットを復号化した後、そのパケットをドロップすることができる。このような技術のコストは、例えばワイヤレス多重アクセス通信システムで必須の、各パケットにおいてユーザ識別番号を送信するのに必要なオーバーヘッドである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
多重アクセス通信システムにおいて、受信器でデータを正確かつ適正に受信するために、特定のエンドユーザに対し割り当てられた特定のプロセスを用いて、特定のエンドユーザの受信器に送信されるべきデータを処理している。送信器におけるデータ処理は、処理後のデータビットの出力アレイは、データビットの入力アレイと同一のビット数を有するが、しかし特定のエンドユーザのに独自のものであるよう処理される。その後このデータは送信器で採用され、特定のエンドユーザ受信器に割り当てられたプロセスと全く逆のプロセスを用いて、エンドユーザの受信器でのみ再生可能である。したがってデータは、特定のエンドユーザに対し識別され、これは余分の識別情報を送信せずに行うことができる。
【0005】
本発明の一実施例においては、送信すべき情報ビット(例、ビットのセグメント)が符号化され、遠方の受信器にエラー検出機能を提供している。この符号化されたビットのセグメント(すなわちビットアレイ)はその後、符号化されたビットアレイの特定のエンドユーザに依存した関数、およびユーザに依存したインデックスを用いて処理され、符号化されたビットアレイと同一サイズの出力用ビットアレイを生成する。この出力用ビットアレイが変調され、送信される。遠方にあるエンドユーザ装置においては、送信された信号の受信バージョンが復調され、受信したビットアレイを得る。符号化されたビットアレイと、送信器で使用されたエンドユーザの関数に対応したユーザ依存性のインデックスに関連した逆エンドユーザ関数をも用いて、受信ビットのアレイをディマップ(de-mapマッピングの逆の動作)し、そして符号化されたビットアレイの受信バージョンを得る。この符号化されたビットアレイを復号化して、それがこの特定のエンドユーザのために意図したビットアレイの場合には、それは適切に符号化され受領される。復号化されたビットアレイがこの特定のエンドユーザ用のものでない場合には、それは適正に復号化されドロップされる。
【0006】
本発明の他の実施例においては、ユーザ依存性関数は、エラー検出符号化器により生成された冗長ビット、およびユーザ依存性インデックスに関連したものである。具体的に説明すると、一実施例においては送信器のユーザ依存性関数は、フレームチェックサム(freame check sum:FCS)符号化器により生成されたFCSシーケンスのビットと、ユーザ依存性インデックスに関連したビットである。受信器ユーザ依存性関数は、FCSシーケンスのビットとユーザ依存性インデックスのビットの逆関数である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明が採用される多重アクセス通信システムのブロック図。
【図2】A:図1の基地局装置および/または移動局装置で用いられる送信器のブロック図。B:図1の基地局装置および/または移動局装置で用いられる受信器のブロック図。
【図3】A:図2のAの送信器で採用される、ユーザ依存性処理装置、すなわちマッパー装置を構成するブロック図。B:図2のBの受信器で採用される、ユーザ依存性処理装置、すなわちディマッパー装置を構成するブロック図。
【図4】A:図3Aのユーザ依存性処理装置を実行する際に、第1エンドユーザに対し第1巡回シフトを行う概念図。B:図3Bのユーザ依存性処理装置を実行する際に、図4Aに示した第1巡回シフトの逆シフトを行う概念図。
【図5】A:図3Aのユーザ依存性処理装置を実行する際に、第2エンドユーザに対し第2巡回シフトを行う概念図。B:図3Bのユーザ依存性処理装置を実行する際に、図5Aに示した第2巡回シフトの逆シフトを行う概念図。
【図6】A:図2Aの送信器内で採用される、エンドユーザ依存性関数と情報ビットのセグメントを、排他的OR処理をするユーザ依存性処理装置、すなわちマッパー装置の他の実施例のブロック図。B:図2Bの受信器内で採用される、エンドユーザ依存性関数と情報ビットのセグメントを、排他的OR処理をするユーザ依存性処理装置、すなわちディマッパー装置の他の実施例のブロック図。
【図7】A:図1の基地局装置および/または移動局装置で用いられる、本発明の一実施例を含む送信器のブロック図。B:図1の基地局装置および/または移動局装置で用いられる、本発明の一実施例を含む受信器のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明を採用したワイヤレス多重アクセス通信システムのブロック図を示す。本発明はワイヤレス移動通信システムを例に説明するが、固定(有線)通信システムにも同様に適用できる。このワイヤレス移動通信システムの例は例えば、OFDMベースのスペクトラム拡散多重アクセスシステムである。
【0009】
図1には、本発明の伝送システム100を示す。伝送システム100は、基地局101と移動ユニット102−1、移動ユニット102−2〜102−Yを含む。信号の伝送は、基地局101と移動ユニット102との間で行われる。全ての移動ユニット102は、ダイナミックな方式で伝送スペクトラムを共有する。特に基地局101は、データトラフィックチャネルの割り当てを遠隔地にある移動ユニット102にダイナミックに放送(同報)通信する。移動ユニット102は割り当てメッセージを介して放送チャネル割り当てを監視する。この割り当てチャネルを検出した後、特定の移動ユニット102は、割り当てられたデータトラフィックチャネルのデータセグメントを受信する。しかしデータトラフィックチャネルは、ワイヤレス通信システムでは常に信頼できるものとは限らないために、割り当てメッセージは正確にはその対応する移動ユニット102に直接分配されないこともある。実際のところ、複数の移動ユニット102のうちの1つの移動ユニット102が、誤って割り当てメッセージを復号化し、別の移動ユニット102に向けられたトラフィックセグメントを誤って取り出した場合、問題が発生する。
【0010】
図2Aは、基地局101と移動ユニット102内で用いられる送信器200の詳細ブロック図である。同図に示すように、データソースからの情報ビット、例えばセグメントは、符号化器201に与えられる。符号化器201は冗長性ビットを生成し、それをセグメント内のビットに付加して、固定数のビットを有する第1ブロックを形成する。符号化器201からの第1ブロックのビットは直接符号化器202に、あるいはマッパー203を介して符号化器202に与えられる。マッパー203は、エンドユーザに依存する処理ユニットであり、これについては後述する。マッパー203は、特定のエンドユーザに対し独自のユーザ関数(user function)を入力ブロックビットに挿入し、マッパー203から出力されたビットのブロックは、それに入力されたビットのブロックと同一サイズである。したがってマッパー203の動作は、送信中のビットストリームに対しオーバヘッドとはならない。
【0011】
符号化器202は、符号化器201またはマッパー203からの第1ブロックのビットに、遠隔地にある受信器のエラー修正の目的のために冗長性ビットを付加して、そしてこれが第2ブロックのビットを構成する。この第2ブロックのビットは符号化器202から直接インタリーバ204に、あるいはマッパー203を介してインタリーバ204に出力される。マッパー203は第1ブロックのビットと同様な方法で、第2ブロックのビットを操作する。インタリーバ204は、ワイヤレスデータ通信チャネル内のバーストノイズをランダムにする前に、ブロック内のビットの順番を変更する。インタリーバ204からインタリーブされたビットのブロックは、直接205に、あるいはマッパー203を介して205に与えられる。マッパー203の動作は前述したとおりである。205からの変調された出力は、送信用にアンテナ206に与えられる。かくして、マッパー203はこの実施例においては、符号化器201と符号化器202との間、あるいは符号化器202とマッパー203との間、あるいはマッパー203と205との間に配置される。
【0012】
図2Bは、図1の基地局101内、あるいは符号化器202内で用いられる受信器210の詳細ブロック図である。具体的に説明すると、基地局101内の送信器200から送信された信号を、受信器210にあるアンテナ211で受信する。この受信信号は、復調器212に与えられ、そこで一連のシンボルとして復調される。このシンボルはディインタリーバ213に直接、あるいはディマッパー214を介してディインタリーバ213に与えられる。ディマッパー214の動作はマッパー203の動作とちょうど正反対である。ディインタリーバ213は、復号化器215が処理するために、シンボルのビットを操作する、あるいは組織化する。ディインタリーバ213からの出力シンボルは、復号化器215に直接、あるいはディマッパー214を介して復号化器215に与えられる。復号化器215は、このシンボルを復号化されたFECビットのブロックに変換し、同時にチャネル損傷あるいはノイズにより引き起こされたシンボルエラーを修正する。復号化器215により出力された復号化FECビットのブロックは、直接復号化器216に、あるいはディマッパー214を介して復号化器216に与えられる。
【0013】
復号化器216は、未訂正のエラーが存在するか否かを検出するよう動作する。エラーが存在した場合には、復号化されたFECブロックのビットは廃棄される。それ以外の場合には、復号化器216は、復号化されたFECブロックビットからFCS冗長ビットを除去して、その結果得られた情報ビットをさらに処理するために転送する。ディマッパー214は、復調器212とディインタリーバ213との間、あるいはディインタリーバ213と復号化器215との間、あるいは復号化器215と復号化器216との間に配置される。しかしディマッパー214は、送信器200内のディインタリーバ213の位置に対応する、受信器210の位置になければならない。
【0014】
かくしてマッパー203が、符号化器201と符号化器202との間にある場合には、ディマッパー214は復号化器215と復号化器216との間になければならない。同様にマッパー203が符号化器202とインタリーバ204の間にある場合には、ディマッパー214はディインタリーバ213と復号化器215との間になければならない。マッパー203がインタリーバ204と205との間にある場合には、ディマッパー214は復調器212とディインタリーバ213との間になければならない。
【0015】
図3Aは、図2Aの送信器200内で用いられるユーザに依存する処理装置、すなわちマッパー203を構成するブロック図である。マッパー203への入力がビットのブロック、すなわち情報ソースからのビット「b」のアレイと、インデックスソースからのユーザインデックス「u」である。ユーザインデックス「u」は特定のエンドユーザに特有なものである、すなわち遠隔地にある移動ユニット102に特有なものである。マッパー203は、ビットの別のブロック、すなわちビット「c」のアレイである。アレイ「b」とアレイ「c」は、同一サイズである。したがってユーザに依存する処理によるビットストリームには、オーバヘッドは付加されない。マッパー203からの出力アレイ「c」と、マッパー203への入力との間の関係は、ユーザ依存関数c=f(b,u)で表される。「b」に対し、マッパー203は「c」ベクトルを生成する。
【0016】
図3Bは、図2Bの受信器210で用いられるユーザ依存性の処理装置、すなわちディマッパー214の単純ブロック図を示す。ディマッパー214への入力はビットのブロックである、すなわちビット「b」のアレイとユーザインデックス「u」である。マッパー203の出力は、ビットの別のブロック、すなわちビット「c」のアレイである。アレイ「b」とアレイ「c」は同一サイズである。したがってユーザ依存性の処理によりビットストリームへのオーバヘッドは追加されない。ディマッパー214の出力アレイ「c」と、ディマッパー214への入力との間の関係は、関数b=f-1(c,u)で表され、これはマッパー203内で用いられる関数c=f(b,u)と逆の関数である。「c」に対し、ディマッパー214は「b」ベクトルを生成する。
【0017】
図4Aは、第1エンドユーザに対し、第1巡回シフトを採用した図3Aのユーザ依存性処理、すなわちマッパー203の実施例を表す。図4Bは、図4Aに示された第1巡回シフトの、正確に逆のシフトを採用した図3Bのユーザ依存性処理装置、すなわちディマッパー214の第1実施例を表す。図5Aは、第2エンドユーザに対し、第2巡回シフトを採用した図3Aのユーザ依存性処理装置、すなわちマッパー203の第2実施例を表す。一方図5Bは、図5Aに示された第2巡回シフトの、正確に逆なシフトを採用した図3Bのユーザ依存性処理装置、すなわちディマッパー214の第2実施例を表す。
【0018】
具体的に説明すると、マッパー203(図4A、図5A)内の送信器200において、入力アレイ「b」は、b(0)、b(1)、...、b(N−1)で示されるN個のビットを含む。出力アレイ「c」は、c(0)、c(1)、...、c(N−1)で示される同一数のビットを含む。出力アレイ「c」は、「b」の周期シフトバージョンである、すなわち、i=0、...、N−1に対してc(i)=b(i−i0modN)である。ここでi0は、受信器210内の各遠隔地にある符号化器202に独自のオフセットインデックスであり、第1エンドユーザ(図4A、図4B)には、オフセットインデックスi0=3が与えられ、第2エンドユーザ(図5A、図5B)には、オフセットインデックスi0=5が与えられる。
【0019】
かくして第1エンドユーザに対しては、送信器200のマッパー203(図2A)が、ユーザインデックスu=i0=3を用いて、入力アレイ「b」に巡回シフトを発生させて、図4Aに示すように出力アレイ「c」を生成する。その後第1エンドユーザに対しては、受信器210のディマッパー214(図2B)が、マッパー203とは全く逆の関数を生成する。ディマッパー214がマッパー203からの出力アレイ「c」の受信バージョンから、逆巡回シフトを引き起こして、受信バージョンのアレイ「b」を生成する。図5A、図5Bに示すように、送信器200内のマッパー203と、受信器210内のディマッパー214は同一であるが、ただし第2ユーザに対するユーザインデックスはu=i0=5である。
【0020】
受信器210内のディマッパー214は、送信器200内のマッパー203の位置に対応する受信器210内におかれる。
【0021】
さらにまたこの実施例においては、ユーザインデックス「u」は、第1エンドユーザと第2エンドユーザの両方に対し、周期シフトに等しいものとして示されているが、ユーザインデックスは周期シフトと所定の関係で表され、必ずしもそれに一致する必要はない。
【0022】
図6Aは、ユーザ処理装置、すなわちマッパー203の他の実施例のブロック図であり、このマッパー203は、図2Aの送信器200内で用いられるエンドユーザインデックス「us」と入力アレイ「b」情報ビットの一連のビットを排他的OR処理(関数)を採用している。図2Bも同様に、ユーザ処理装置、すなわちディマッパー214の他の実施例を示すブロック図で、このディマッパー214は図2Bの受信器210で用いられるエンドユーザインデックス「us」と受信アレイ「c」に関連する一連のビットの排他的OR処理を採用する。排他的OR処理は、排他的OR処理装置へのユーザインデックス「us」と入力アレイビットに関連する一連のビットのビットごとのベースで行われる。排他的OR処理を除いて、図6Aのマッパー203の動作は、図3Aのマッパー203と同一である。同様に排他的OR処理を除いて、図6Bのディマッパー214と図3Bのディマッパー214の処理は同一である。
【0023】
さらにまた上記の記述は、ユーザインデックス「u」とユーザシーケンス「us」とは特定のエンドユーザに独自のものとして説明したが、ある種のアプリケーションにおいては、複数のエンドユーザ情報をマルチキャスティングするのが望ましい。このようなアプリケーションにおいては、採用されるユーザインデックスは、情報がマルチキャストされる全てのユーザに対し共通である必要がある。
【0024】
図7Aは、図1の基地局101または移動ユニット102内で用いられる、本発明の他の実施例を含む送信器700の単純ブロック図である。同図に示すように、あるデータソースからの情報ビット、例えばセグメント(アレイ)「h」は、符号化器701に与えられる。符号化器701は、アレイ「d」の形式で冗長性ビットをアレイh内のビットに付加して、一定数の第1ブロック、すなわち第1ブロックビット「hd」を生成する。アレイdは、符号化器701により生成されるフレームチェックシーケンスである。符号化器701からの第1ブロックビット「hd」は、マッパー702に与えられる。マッパー702は、エンドユーザに依存する処理装置であり、この実施例においては、符号化器701により生成された冗長性ビットの関数であるビットアレイと、ユーザ依存性インデックス「u」に関連する関数を生成する。ユーザインデックス「u」に関連する関数は、周期シフトあるいは一連のビットである。マッパー702からの出力は、第2ブロックビット「hf(d,u)」である。
【0025】
マッパー203は、特定のエンドユーザに独自の、特定のユーザ依存性関数を、第1ブロックビット「hd」内に挿入する。そしてマッパー702から出力された第2ブロックビット「hf(d,u)」は、それに出力されるブロックビット「hd」とビットサイズは同一である。したがってマッパー702の操作は、送信中のビットストリームに対しオーバヘッドがかからない。「f(d,u)」は、「d」と同一数のビットを有する。第2ブロックビット「hf(b,u)」が符号化器703に与えられ、この符号化器703が受信器におけるエラー訂正を目的として、冗長性ビットにそれを加え、送信すべき出力ブロックビットを構成する。出力ブロックビットは、インタリーバ704に与えられる。インタリーバ704は、対応するワイヤレスデータトラフィックチャネル内のバーストノイズをランダム化するために、それに与えられる出力ブロックビット内のビットの順番を変更する。このインターリーブされたブロックビットは、変調器705に与えられ、そこで変調され、その後送信用にアンテナ706に与えられる。この実施例においては、符号化器703は、アレイdのユーザ依存性変換を行う。このユーザ依存性変換は、ユーザインデックス「u」に関連するユーザ依存性シーケンスビットとアレイdとの排他的OR処理の形態で行われる。別法としてこの変換は、排他的OR処理を含むアレイdのビットの交換(入れ替え)の形態で行われる。
【0026】
図7Bは、図1の基地局101と移動ユニット102内で用いられる本発明の他の実施例を含む受信器710の単純ブロック図である。具体的に説明すると、例えば基地局101内の送信器700から送信された信号を、受信器710のアンテナ711で受信する。この受信信号が復調器712に与えられ、そこで一連のシンボルとして復調される。このシンボルはディインタリーバ713に与えられ、このディインタリーバ713が復号化器714が適切に処理できるようにシンボルのビットを操作、あるいは組織化する。復号化器714は、このシンボルを復号化されたFECビットのブロックに変換し、同時にチャネル損傷あるいはノイズにより引き起こされたシンボルエラーを訂正する。復号化器714により出力された、復号化されたFECビットは、ビットブロック「fh(d,u)」であり、ディマッパー715に与えられる。ディマッパー715にはまた、ユーザ依存性インデックス「u」に関連した関数も与えられる。ユーザインデックス「u」に関連した関数は、周期シフトあるいはあるシーケンスのビットである。ディマッパー715はマッパー702と全くの関数を実行して、ブロックビット「hd」を生成する。このブロックビット「hd」が復号化器716に与えられ、この復号化器716はそれを復号化して出力アレイビットhを生成する。復号化器716は未訂正のエラーが存在するか否かを検出するよう動作する。エラーが存在した場合には、復号化器716からの復号化されたビットアレイhは廃棄される。それ以外の場合には、復号化器716は復号化されたビットアレイからのFCS冗長性ビットを取り除き、その結果得られた情報ビットのアレイ、すなわちアレイhをさらに処理するために転送する。
【0027】
図7A、7Bに示された実施例は、マッパー702、ディマッパー715内で排他的OR機能を用いる場合を例に説明したが、汎用のマッピング関数あるいは周期シフトマッピング関数を用いることもできる。
【符号の説明】
【0028】
100 伝送システム
101 基地局
102 移動ユニット
200 送信器
201、202 符号化器
203 マッパー
204 インタリーバ
210 受信器
211 アンテナ
212 復調器
213 ディインタリーバ
214 ディマッパー
215、216 復号化器
700 送信器
701 符号化器
702 マッパー
703 符号化器
704 インタリーバ
705 変調器
706 アンテナ
710 受信器
711 アンテナ
712 復調器
713 ディインタリーバ
714 復号化器
715 ディマッパー
716 復号化器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス多重アクセス通信システムの送信器で用いられる装置において、
情報ビットの入力アレイが与えられ、エラー検出冗長性ビットのアレイを生成し、前記エラー検出冗長性ビットのアレイを、前記情報ビットのアレイに付加して、第1ブロックビットを生成するエラー検出エンコーダと、
入力ブロックビットと特定のユーザインデックスが与えられ、前記入力ブロックビットは前記第1ブロックビットに基づいており、前記入力ブロックビットと前記特定のユーザインデックスの所定の関数にしたがって、第2ブロックビットを生成するマッパーであって、前記第2ブロックビットおよび前記第1ブロックビットは等しいサイズであり、前記所定の関数は少なくとも1つの特定のユーザにのみ割り当てられる固有の特定ユーザ依存関数である、マッパーと、
前記特定のユーザインデックスに関連付けられた、少なくとも1つの特定のユーザ受信器に送信するために、前記第2ブロックビットに基づいて送信信号を変調する変調器と、を有し、
前記情報ビットは、追加のユーザ識別情報を送信する必要なく、前記少なくとも1つの特定のユーザとして識別され、
前記特定のユーザ依存関数は、前記送信器の識別情報に依存しないことを特徴とするワイヤレス多重アクセス通信システムの送信器で用いられる装置。
【請求項2】
前記第1ブロックビットが与えられ、
所定のエラー訂正符号化プロセスにしたがって、前記入力ブロックビットを生成するエラー訂正エンコーダ
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第1ブロックビットが与えられ、
所定のエラー訂正符号化プロセスにしたがって、前記出力ブロックビットを生成するエラー訂正エンコーダと、
前記入力ブロックビットを生成するために、前記エラー訂正エンコーダから与えられた出力ブロックビットのビットをインターリーブするビットインターリーバ
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記所定の関数は、前記入力ブロックビットのエラー検出冗長性ビットのアレイのビットと、前記特定のユーザインデックスのビットに関連する
ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記所定の関数は、前記特定のユーザインデックスの所定の関係にしたがって、前記エラー検出冗長性ビットのアレイの、前記ビットの周期シフトである
ことを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項6】
ワイヤレス多重アクセス通信システムの受信器で用いられる装置において、
第1受信ブロックビットを得るために、受信信号を復調する復調器と、
受信入力ブロックビットと特定のユーザインデックスが与えられ、前記受信入力ブロックビットは前記第1受信ブロックビットに基づいており、前記受信入力ブロックビットと前記特定のユーザインデックスの所定の関数にしたがって、第2受信ブロックビットを生成するディマッパーであって、前記第2受信ブロックビットおよび前記第1受信ブロックビットは等しいサイズであり、前記所定の関数は少なくとも1つの特定のユーザにのみ割り当てられる固有のユーザ依存関数である、ディマッパーと、
前記第2受信ブロックビットが与えられ、情報ビットの受信出力アレイを生成するために、前記第2受信ブロックビットから取り出された復号化されたエラー検出冗長性ビットのアレイを生成し、エラーが情報ビットの前記受信出力アレイ内に存在するか否かを決定し、エラーが検出された場合には、前記情報ビットの受信出力アレイを廃棄するエラー検出デコーダと、を有し、
前記情報ビットは、追加のユーザ識別情報を送信する必要なく、前記少なくとも1つの特定のユーザとして識別され、
前記固有のユーザ依存関数は、前記ワイヤレス多重アクセス通信システムの送信器の識別情報に依存しないことを特徴とするワイヤレス多重アクセス通信システムの受信器で用いられる装置。
【請求項7】
送信器と、受信器とを有する、移動ワイヤレス多重アクセス通信システムにおいて、
前記送信器は、
情報ビットの入力アレイが与えられ、エラー検出冗長性ビットのアレイを生成し、前記エラー検出冗長性ビットのアレイを、前記情報ビットのアレイに付加して、第1ブロックビットを生成するエラー検出エンコーダと、
入力ブロックビットと特定のユーザインデックスが与えられ、前記入力ブロックビットは前記第1ブロックビットに基づいており、前記入力ブロックビットと前記特定のユーザインデックスの第1所定関数にしたがって、第2ブロックビットを生成するマッパーであって、前記第2ブロックビットおよび前記第1ブロックビットは等しいサイズであり、前記第1所定関数は少なくとも1つの特定のユーザにのみ割り当てられる固有の特定ユーザ依存関数である、マッパーと、
前記特定のユーザインデックスに関連付けられた、少なくとも1つの特定のユーザ受信器に送信するために、前記第2ブロックビットに基づいて送信信号を変調する変調器とを有し、
前記入力アレイの前記情報ビットは、追加のユーザ識別情報を送信する必要なく、前記少なくとも1つの特定のユーザとして識別され、
前記受信器は、
第1受信ブロックビットを得るために、受信信号を復調する復調器と、
受信入力ブロックビットと前記特定のユーザインデックスが与えられ、前記受信入力ブロックビットは前記第1受信ブロックビットに基づいており、前記受信入力ブロックビットと前記特定のユーザインデックスの第2所定関数にしたがって、第2受信ブロックビットを生成するディマッパーであって、前記第2受信ブロックビットおよび前記第1受信ブロックビットは等しいサイズであり、前記第2所定関数は少なくとも1つの特定のユーザにのみ割り当てられる固有の特定のユーザ依存関数である、ディマッパーと、
前記第2受信ブロックビットが与えられ、情報ビットの受信出力アレイを生成するために、前記第2受信ブロックビットから取り出された復号化されたエラー検出冗長性ビットのアレイを生成し、エラーが情報ビットの前記受信出力アレイ内に存在するか否かを決定し、エラーが検出された場合には、前記情報ビットの受信出力アレイを廃棄するエラー検出デコーダと、を有し、
前記出力アレイの前記情報ビットは、追加のユーザ識別情報を送信する必要なく、前記少なくとも1つの特定のユーザとして識別され、
前記固有の特定のユーザ依存関数は、前記送信器の識別情報に依存しないことを特徴とするワイヤレス多重アクセス通信システム。
【請求項8】
ワイヤレス多重アクセス通信システムの送信器で使用される方法において、
エラー検出冗長性ビットアレイを生成するために、情報ビットの入力アレイをエラー検出符号化するステップと、
第1ブロックビットを生成するために、前記情報ビットアレイに、前記エラー検出冗長性ビットアレイを付加するステップと、
第2ブロックビットを生成するために、前記入力ブロックビットのビットと、特定のユーザインデックスの所定の関数にしたがって、前記第1ブロックビットに基づく入力ブロックビットをマッピングするステップであって、前記第2ブロックビットおよび前記第1ブロックビットは等しいサイズであり、前記所定の関数は少なくとも1つの特定のユーザにのみ割り当てられる固有の特定ユーザ依存関数であるステップと、
前記第2ブロックビットに基づいて信号を、前記特定のユーザインデックスに関連付けられた少なくとも1つの遠方のユーザ受信器に送信するために変調するステップと、を有し、
前記情報ビットは、追加のユーザ識別情報を送信する必要なく、前記少なくとも1つの特定のユーザとして識別され、
前記固有の特定ユーザ依存関数は、前記送信器の識別情報に依存しないことを特徴とするワイヤレス多重アクセス通信システムの送信器で使用される方法。
【請求項9】
ワイヤレス多重アクセス通信システムの受信器で用いられる方法において、
第1受信ブロックビットを得るために、受信信号を復調するステップと、
受信入力ブロックビットと特定のユーザインデックスの所定の関数にしたがって、第2受信ブロックビットを生成するために、前記第1受信ブロックビットに基づく前記受信入力ブロックビットをディマッピングするステップであって、前記第2受信ブロックビットおよび前記第1受信ブロックビットは等しいサイズであり、前記所定の関数は少なくとも1つの特定のユーザにのみ割り当てられる固有のユーザ依存関数であるステップと、
前記第2受信ブロックビットをエラー検出デコードするステップであって、情報ビットの受信出力アレイを生成するために前記第2受信ブロックビットから取り出された復号化されたエラー検出冗長性ビットのアレイを生成し、エラーが情報ビットの受信出力アレイ内に存在するか否かを決定し、エラーが検出された場合には、前記情報ビットの受信出力アレイを廃棄するステップと、を有し、
前記情報ビットは、追加のユーザ識別情報を送信する必要なく、前記少なくとも1つの特定のユーザとして識別され、
前記固有のユーザ依存関数は、前記ワイヤレス多重アクセス通信システムの送信器の識別情報に依存しないことを特徴とするワイヤレス多重アクセス通信システムの受信器で用いられる方法。
【請求項10】
移動ワイヤレス多重アクセス通信システムで使用される方法において、
送信器において、
エラー検出冗長性ビットアレイを生成するために、情報ビットの入力アレイをエラー検出符号化するステップと、
第1ブロックビットを生成するために、前記入力情報ビットアレイに、前記エラー検出冗長性ビットアレイを付加するステップと、
第2ブロックビットを生成するために、入力ブロックビットのビットと、特定のユーザインデックスの第1所定関数にしたがって、前記第1ブロックビットに基づく前記入力ブロックビットをマッピングするステップであって、前記第2ブロックビットおよび前記第1ブロックビットは等しいサイズであり、前記第1所定関数は少なくとも1つの特定のユーザにのみ割り当てられる固有の特定ユーザ依存関数であるステップと、
前記第2ブロックビットに基づいて信号を、前記特定のユーザインデックスに関連付けられた少なくとも1つの特定の遠方のユーザ受信器に送信するために変調するステップと、を備え、
前記入力アレイの前記情報ビットは、追加のユーザ識別情報を送信する必要なく、前記少なくとも1つの特定のユーザとして識別され、
受信器において、
第1受信ブロックビットを得るために、受信信号を復調するステップと、
受信入力ブロックビットと特定のユーザインデックスの第2所定関数にしたがって、第2受信ブロックビットを生成するために、前記第1受信ブロックビットに基づく前記受信入力ブロックビットをディマッピングするステップであって、前記第2所定関数は少なくとも1つの特定のユーザにのみ割り当てられる固有の特定ユーザ依存関数であるステップと、
前記第2受信ブロックビットをエラー検出デコードするステップであって、情報ビットの受信出力アレイを生成するために前記第2受信ブロックビットから取り出された復号化されたエラー検出冗長性ビットのアレイを生成し、エラーが情報ビットの受信出力アレイ内に存在するか否かを決定し、エラーが検出された場合には、前記情報ビットの受信出力アレイを廃棄するステップと、を有し、
前記情報ビットは、追加のユーザ識別情報を送信する必要なく、前記少なくとも1つの特定のユーザとして識別され、
前記固有の特定ユーザ依存関数は、前記送信器の識別情報に依存しないことを特徴とするワイヤレス多重アクセス通信システムで使用される方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−239217(P2012−239217A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−171750(P2012−171750)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【分割の表示】特願2001−219076(P2001−219076)の分割
【原出願日】平成13年7月19日(2001.7.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】