説明

ワイヤレス情報伝送システムおよびワイヤレス受信装置

【課題】ワイヤレス情報伝送システムにおいて、消費電力を低減させる。
【解決手段】ワイヤレス情報伝送システムは、情報を無線により送信するワイヤレス送信装置1と、ワイヤレス送信装置1より送信された情報を受信するワイヤレス受信装置2とを含む。ワイヤレス送信装置1は、指示を入力するためにユーザが使用する入力部102と、データを送信する送信部104と、指示が継続入力されている場合に、当該指示を所定の間隔で送信部104を介してワイヤレス受信装置2に送信する情報生成制御部103とを含む。ワイヤレス受信装置2は、ワイヤレス送信装置1よりデータを受信する受信部108と、当該データを一時的に記憶する記憶部109と、受信部108で受信したデータと記憶部109に記憶されたデータとに基づいてインターフェイス変換制御部106を介してアプリケーションプログラムにデータを出力する情報変換制御部107とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス送信装置およびワイヤレス受信装置間で無線により情報を伝送するワイヤレス情報伝送システムに関し、特に、ワイヤレス送信装置およびワイヤレス受信装置間での情報の伝送が中断した場合であっても、誤動作することのないワイヤレス情報伝送システムおよびワイヤレス受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ等の情報機器においては、キーボード、マウス等の周辺機器と本体機器とを、無線を用いて接続するシステムが存在する。このようなワイヤレス情報伝送システムでは、周辺機器にデータが入力されると、入力されたデータが無線により本体機器に送信される。
【0003】
たとえば、キーボードなどはキーの押し下げ、解放が行なわれるごとに、そのキーに割当てられたコードが本体機器側に無線により送信される。本体機器は受信したコードをもとに所定の入出力動作を行なう。
【0004】
ところが、本体機器には、周辺機器からコードを受信した後、一定期間コードを受信しなかった場合には、受信したコードに対応するデータを繰返してアプリケーションプログラムに入力するオートリピート機能がサポートされている場合がある。オートリピート機能がサポートされた本体機器では、本体機器がキーの押し下げを示すコードを受信した後、キーの解放を示すコードの受信に失敗した場合には、次のキーの押し下げを示すコードが実際に送信されるまでの間、延々と意図しないデータが入力されつづけることになる。このような課題を解決するための方法が、特許文献1に開示されている。
【0005】
図14を参照して、この方法による動作の一例を説明する。たとえば、キーボード側で“A”キーが押し下げられると、本体装置は“A”キーの押し下げを押下コードの受信により認識し、文字“a”をアプリケーションプログラムに入力する。キーボード側で“A”キーが解放されると、本体機器は“A”キーの解放を解放コードの受信により認識し、文字“a”の入力を停止させる。
【0006】
次に、キーボード側で“B”キーが押し下げられると、本体装置は、“B”キーの押し下げを認識し、文字“b”をアプリケーションプログラムに入力する。ところが、“B”キーが解放されても本体機器側でその解放コードが受信できなかった場合には、文字“b”がリピート入力され続ける。
【0007】
これを防止するために、キーボードは押下されているキーの数を計算し、それを押下数情報として本体装置に送信する。本体装置は、押下数情報を逐次参照することにより、キーボードの状態を判断し、キーが解放されたことを判断する。キーボードのキーが全て解放された場合には、押下数0を示すデータがキーボードから本体機器へ送信される。このため、本体機器は、 “B”キーの解放コードの受信に失敗したとしても、押し下げられているキーがないことを確認することができる。よって、本体機器は、文字“b”のリピート入力を中止させることができる。
【0008】
この方法は、Capsロックのように、キーの押し下げおよび解放の一連のコード出力により、入力モードの設定および解除を切換えるトグル動作にも適用可能である。すなわち、Capsロックキーの解放コードの受信に失敗した場合であっても、本体機器は押下数情報を逐次参照することにより、Capsロックキーの解放を知ることができる。このため、正確にトグル動作を行なうことができ、キーボードおよび本体機器の間の状態の整合性を維持することができる。
【特許文献1】特開平6−4197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記方法ではたとえばあるキーが押された後、キーデータそのものが一定期間送られなくなったり、全く送られなくなったりするような通信路の障害が発生したときには、押下数0を示すキーデータそのものが送られなくなってしまう。たとえば、キーボード側のワイヤレス送信部や、本体機器側のワイヤレス受信部に障害が発生した場合には、押下数0を示すキーデータそのものが送られなくなる。このため、図15に示すように、それらの修復までの間または修復後最初の押下数を含めたキー情報が送受信されるまでの間はオートリピート状態が維持される。これは本体機器側が正常に動作していたとしても、キーボードの通信異常時には本体機器が誤動作しているように見えるだけでなく、他のアプリケーションの動作遅延またはシステム全体に対する誤動作の原因となるおそれがある。
【0010】
また、上記方法においてキーボードはすべてのキーが解放された後においても、予め定められた間隔で、どのキーも押し下げられていないことを示す解放コードを繰返し送信する。これはあくまでもキーが押されていない状態を繰返し送信することによって、受信失敗時におけるリピート解除を補完するためのものであり、上記した見かけ上の誤動作を防止するために必要である。その反面、キーが実際に押されているというイベントが発生しない状況にもかかわらず、ワイヤレス信号がキーボードから送信されているということになる。これは特にバッテリ駆動で動作するワイヤレス機器に関しては影響が大きく、無駄な電力消費の原因となる。
【0011】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、通信路に障害が発生した場合であっても、キー入力のオートリピート状態になることを防止するワイヤレス情報伝送システムを提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、無駄な電力消費を抑えたワイヤレス情報伝送システムおよびワイヤレス受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のある局面に従うワイヤレス情報伝送システムは、情報を無線で送信するワイヤレス送信装置と、ワイヤレス送信装置から送信される情報を無線で受信するワイヤレス受信装置とを含み、ワイヤレス送信装置は、指示を入力する入力手段と、ワイヤレス受信装置に情報を無線で送信するための送信装置側送信手段と、入力手段および送信装置側送信手段に接続され、入力手段より継続して指示が入力されている場合に、送信装置側送信手段を介して、指示を所定の間隔で送信するための情報生成制御手段と、ワイヤレス受信装置から無線により送信される情報を受信するための送信装置側受信手段とを含み、ワイヤレス受信装置は、ワイヤレス送信装置から無線により送信される指示を受信するための受信装置側受信手段と、受信装置側受信手段に接続され、受信装置側受信手段で受信された指示に従って動作するための動作手段と、ワイヤレス送信装置に情報を無線で送信するための受信装置側送信手段とを含み、動作手段は、ワイヤレス送信装置からの指示を一定期間受信しなかった場合に、受信装置側送信手段を介して、ワイヤレス送信装置に指示の再送要求を送信し、情報生成制御手段は、送信装置側受信手段を介して再送要求を受信した場合には、指示を、送信手段を介して再送する。
【0014】
本発明によれば、入力手段より継続して指示が入力されている場合には、所定の間隔でワイヤレス送信装置から指示が送信される。このため、ワイヤレス送信装置からの指示送信を必要最小限にすることができ、消費電力を低減することができると共に、それを通信路の障害検知に利用することができる。
【0015】
入力手段としては、マウス、キーボードまたはリモートコントローラのような、単数または複数の入力用キー、ボタンまたはタッチパネルなどを含む機器が用いられる。
【0016】
また、ワイヤレス送信装置とワイヤレス受信装置との間の双方向通信が可能になる。このため、両装置間で適宜データを交換することにより、データ伝送に対する信頼性を高めることができる。
【0017】
本発明の他の局面に従うワイヤレス情報伝送システムは、情報を無線で送信するワイヤレス送信装置と、ワイヤレス送信装置から送信される情報を無線で受信するワイヤレス受信装置とを含み、ワイヤレス送信装置は、指示を入力する入力手段と、ワイヤレス受信装置に情報を無線で送信するための送信装置側送信手段と、入力手段および送信装置側送信手段に接続され、入力手段より継続して指示が入力されている場合に、送信装置側送信手段を介して、指示を所定の間隔で送信するための情報生成制御手段とを含み、記ワイヤレス受信装置は、ワイヤレス送信装置から無線により送信される指示を受信するための受信装置側受信手段と、ワイヤレス送信装置から受信した情報を一時的に記憶する記憶手段と、受信装置側受信手段に接続され、受信装置側受信手段で受信された指示に従って動作するための動作手段とを含み、動作手段は、予め定められた期間、ワイヤレス送信装置から指示が送信されなかった場合には、記憶手段に一時的に記憶されている情報を削除する。
【0018】
本発明によれば、入力手段より継続して指示が入力されている場合には、所定の間隔でワイヤレス送信装置から指示が送信される。このため、ワイヤレス送信装置からの指示送信を必要最小限にすることができ、消費電力を低減することができると共に、それを通信路の障害検知に利用することができる。
【0019】
入力手段としては、マウス、キーボードまたはリモートコントローラのような、単数または複数の入力用キー、ボタンまたはタッチパネルなどを含む機器が用いられる。
【0020】
また、動作手段は、予め定められた期間、ワイヤレス送信装置から指示が送信されなかった場合には、記憶手段に一時的に記憶されている情報を削除する。これにより、不要なデータが蓄積されることを回避できる。
【0021】
本発明に従うワイヤレス情報伝送システムでは、入力手段は、外部からの操作によってオンまたはオフの状態となる入力部を含み、送信装置側送信手段は、入力部の状態を変更する情報を送信し、動作手段は、記憶手段に入力部がオン状態であるという情報が記憶されている場合に、予め定められた期間、ワイヤレス送信装置から入力部をオフ状態にする指示が送信されなかった場合には、受信装置側受信手段に、入力部をオフ状態にする指示を出力することが好ましい。
【0022】
ワイヤレス受信装置は、ワイヤレス送信装置からの指示が終了したと判断した場合には、通信路障害の影響を受けずにリピート機能を解除する等の処理を行なうことができる。
【0023】
本発明に従うワイヤレス情報伝送システムでは、入力部は、キーであることが好ましい。
【0024】
本発明に従うワイヤレス情報伝送システムでは、ワイヤレス送信装置は、さらに、ワイヤレス受信装置から無線により送信される情報を受信するための送信装置側受信手段を含み、ワイヤレス受信装置は、さらに、ワイヤレス送信装置に情報を無線で送信するための受信装置側送信手段を含むことが好ましい。
【0025】
本発明に従うワイヤレス受信装置は、情報を無線で送信するワイヤレス送信装置と、ワイヤレス送信装置から送信される情報を無線で受信するワイヤレス受信装置とを含むワイヤレス情報伝送システムで用いられる。そして、当該ワイヤレス受信装置は、ワイヤレス送信装置から無線により送信される指示を受信するための受信装置側受信手段と、ワイヤレス送信装置から受信した情報を一時的に記憶する記憶手段と、受信装置側受信手段に接続され、受信装置側受信手段で受信された指示に従って動作し、予め定められた期間、ワイヤレス送信装置から指示が送信されなかった場合に記憶手段に記憶された情報を削除する、動作手段とを含む。
【0026】
動作手段は、予め定められた期間、ワイヤレス送信装置から指示が送信されなかった場合には、記憶手段に一時的に記憶されている情報を削除する。これにより、不要なデータが蓄積されることを回避できる。
【0027】
本発明に従うワイヤレス受信装置は、ワイヤレス送信装置に情報を無線で送信するための受信装置側送信手段をさらに含み、動作手段は、所定の処理が終了するごとに、情報伝送許可信号を受信装置側送信手段を介してワイヤレス送信装置に送信することが好ましい。
【0028】
本発明に従うワイヤレス受信装置では、動作手段は、情報伝送許可信号を所定回数送信してもワイヤレス送信装置から指示が送信されなかった場合には、ワイヤレス送信装置からの指示が終了したと判断することが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
ワイヤレス送信装置の情報生成制御手段は、キープレスのイベント発生を検知すると、そのキーに対するキーステータスをプレス状態へと変更する。情報生成制御手段は、送信装置側送信手段を用いて押されたキーのキーデータをワイヤレス受信装置に対して送信する。
【0030】
情報生成制御手段は、キーデータを送信するとともに、押されているキーが解放されるまでキーステータスを保持し、規定期間ごとにその状態を判断する。図1を参照して、保持しているステータスが変化しないとき、すなわちキーがプレスされたままの状態になっているときには、ワイヤレス受信装置に対して前回送信したものと同じキーデータを送信する。
【0031】
これにより、キープレスされている間は規定期間ごとにワイヤレスデータが送信されることになる。ステータスがプレス状態に保持されている場合には、ワイヤレス受信装置は、規定期間ごとに少なくとも1回、ワイヤレス送信装置から同一のデータが伝送されることを期待する。
【0032】
規定期間内にワイヤレス送信装置から同一のデータが伝送されない場合には、動作手段は通信路に障害があったと判断し、オートリピート状態であるときにはその状態を解除し、オートリピート状態でないときにはオートリピート状態に入ることを抑止する。
【0033】
次に、ワイヤレス送信装置およびワイヤレス受信装置の各々が、送信手段および受信手段を持つワイヤレス情報伝送システムについて考える。ワイヤレス送信装置の情報生成制御手段は、上述のワイヤレス情報伝送システムにおける情報生成制御手段と同様、キープレスのイベントが発生すると、そのキーのステータスをプレス状態へと遷移させて、送信側送信手段を用いてキーデータをワイヤレス受信装置へ送信する。
【0034】
情報生成制御手段は、キーが解放されるまでの間は規定時間ごとに、以前送信したキーデータと同じデータ、または同一キー入力を示すステータス情報をワイヤレス受信装置に対し繰返し送信する。
【0035】
ワイヤレス受信装置はいずれかのキーがプレス状態に保持されている場合には一定期間ごとに少なくとも1回、ワイヤレス送信装置からの同一データ伝送があることを期待する。しかし、規定時間内に期待しているワイヤレス送信装置からの同一データ伝送、または同一キー入力を示すステータス伝送が行なわれない場合、ワイヤレス受信装置の動作手段は通信路に何らかの障害が発生したと判断する。その後、ワイヤレス受信装置は、通信路の障害を確認するためにワイヤレス送信装置に対し制御データ(再送要求)を送信する。ワイヤレス受信装置から制御データを受信したワイヤレス送信装置は、キーコードの再送処理を実行する。
【0036】
ワイヤレス受信装置は制御データ送信後に、データの受信の有無と受信データの内容とを判断し、同一データまたは同一キー入力を示すステータス情報を受信していない場合であって、かつオートリピート状態であるときには、オートリピート状態を解除する処理を行なう。また、オートリピート状態でないときには、オートリピート状態に入ることを防止するための処理を行なう。
【0037】
また、ワイヤレス受信装置の動作手段は、通信路に何らかの障害が発生したことを認識した場合には、ワイヤレス送信装置に対し制御データを送信する。それと同時に、動作手段は、オートリピート状態のときには、その状態を解除するための処理を行い、オートリピート状態でないときにはオートリピート状態に入ることを抑止するために処理を行なう。
【0038】
次に、ワイヤレス受信装置の動作手段がワイヤレス送信装置に対し情報伝送許可を与え、ワイヤレス送信装置が与えられた伝送許可をもとに情報伝送を行なうワイヤレス情報伝送システムについて記述する。
【0039】
ワイヤレス送信装置の情報生成制御手段は、上述のワイヤレス送信装置の情報生成制御手段と同様、キープレスのイベントが発生すると、そのキーに対するステータスをプレス状態へと遷移させる。情報生成制御手段は、ワイヤレス受信装置へ送信するキーデータを生成した後、ワイヤレス受信装置から情報伝送許可が与えられるのを待つ。情報生成制御手段は、ワイヤレス受信装置から伝送許可を受信した後、初めてキーデータをワイヤレス受信装置へ送信する。
【0040】
ワイヤレス受信装置の動作手段は、制御データ送信後に、データ受信の有無と受信データの内容とを判断する。同一データまたは同一キー入力を示すステータス情報を受信していない場合であって、かつオートリピート状態であるときには、動作手段は、オートリピート状態を解除するための処理を実行する。また、オートリピート状態でないときには、動作手段は、オートリピート状態に入ることを防止するための処理を行なう。
【0041】
ワイヤレス送信装置の入力手段は、複数の要素を用いて構成することも可能である。一例を挙げると、複数のキーとともに、トラックボールなどのポインティングデバイスを搭載したキーボードを入力手段として用いてもよい。
【0042】
このような構成の機器においては、ポインティングデバイスの信号を処理する部分とキーボードの入力信号を処理する部分とが並列に存在する。このため、情報生成制御手段がこれらの入力信号を統合的に取扱うようにしてもよい。すなわち、情報生成制御手段が、送信側送信手段を直接制御することにより、複数の入力手段が存在している場合であっても、送信手段を排他的に占有するメカニズムをそれぞれの入力手段に与える必要がなくなる。情報生成制御手段は、入力手段ごとに独立に発生するイベントから送信すべきデータを生成し、送信手段を通じてワイヤレス受信装置に送信する。
【0043】
複数の入力手段からイベントが同時に発生した場合に備え、複数のイベントを単一のデータとして送信できるようなフォーマットを予め定めておいてもよい。このようにすれば、情報生成制御手段は、単一のデータで複数のイベントをワイヤレス受信装置に通知することができる。
【0044】
入力用キーが押されている間は規定された時間ごと、またはワイヤレス受信装置から与えられる情報伝送許可が規定回数に達するごとに、ワイヤレス送信装置は、ワイヤレス受信装置へ情報伝送を行なう。このため、ワイヤレス送信装置は、キーが押されている間は、同一のデータを受信しているか否かを逐次確認し、受信が途絶えた場合には情報伝送途中において通信路の障害が発生したと判断することができる。通信路の障害が発生した場合には、ワイヤレス送信装置は、オートリピート状態を解除するための処理を実行することができる。このため、通信路の障害の影響を受けないワイヤレス情報伝送システムを提供することができる。
【0045】
通信路の障害が発生しているか否かを判断するために用いられる上記規定された時間または上記規定回数を調整することにより、通信路の障害が発生していると判断するまでの時間をオートリピート状態に入るまでの時間よりも短くすることができる。このような設定にしておけば、通信路における障害発生時にオートリピート状態になることを抑制することができる。
【0046】
ワイヤレス送信装置はキーが押されている間の限られた期間のみデータ伝送を行えばよい。このため、バッテリで駆動するキーボードなどのワイヤレス周辺機器の電力消費を抑えることができる。
【0047】
また、通常数バイト程度必要とするキーデータの代わりにステータス情報による情報伝送を行なうことにより、伝送すべき情報量を少なくすることができる。その結果、情報伝送に必要な時間を減らすことができるとともに、消費電力を低減することができる。
【0048】
また、ワイヤレス受信装置において通信異常が検知された場合には、データの再送要求を示す制御データをワイヤレス送信装置へ送信することにより、データ伝送に対する信頼性の向上が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
(実施の形態1)
以下、図を参照して、本発明の実施の形態1に係るワイヤレス情報伝送システムについて説明する。
【0050】
図2を参照して、ワイヤレス情報伝送システムは、情報を無線により送信するワイヤレス送信装置1と、ワイヤレス送信装置1より送信された情報を受信するワイヤレス受信装置2とを含む。
【0051】
ワイヤレス送信装置1は、指示を入力するためにユーザが使用する入力部102と、入力部102に接続され、入力部102から出力される信号に基づき所定のフォーマットに従ったデータを生成する情報生成制御部103と、情報生成制御部103に接続され、情報生成制御部103の出力をワイヤレス信号110に変換し、外部に伝送するための送信部104とを含む。ワイヤレス信号110として、RF(Radio Frequency)信号や赤外線信号などが考えられる。
【0052】
ワイヤレス受信装置2は、ワイヤレス送信装置1より送信されたワイヤレス信号110を受信する受信部108と、受信部108に接続され、受信部108の出力を所定のフォーマットに従い変換および再構成するとともに、変換および再構成されたデータを必要に応じて後述する記憶部109に記憶し、当該データと記憶部109に記憶されたデータとに基づいて後述するインターフェイス変換制御部106の制御を行なう情報変換制御部107と、情報変換制御部107に接続され、データを一時的に記憶するための記憶部109と、情報変換制御部107に接続され、情報変換制御部107より与えられるデータを適切な手順に従いワイヤレス受信装置2上で動作するアプリケーションプログラム(図示せず)に受け渡すインターフェイス変換制御部106とを含む。アプリケーションプログラムは上述のオートリピート機能を備えているものとし、それは基本ソフト(OS(Operation System))である場合を含む。
【0053】
ワイヤレス送信装置1の各部についてさらに詳細に説明する。
入力部102は、マウス、キーボード、ゲームパッド、ジョイスティックまたはリモートコントローラなどの、単数または複数の入力用キー、ボタンまたはタッチパネルを有する機器のことである。入力部102は、キープレスまたはボタンリリースなどユーザが入力部102に対して行った操作により発生するイベントを示す信号を情報生成制御部103に対して通知する。
【0054】
以降の説明においては入力部102におけるイベント発生対象をキーに限定して説明するが、キーの代わりに物理的に形成されたボタンを用いてもよい。また、タッチパネル上に境界により仕切られ、選択可能に形成された領域などであってもよい。
【0055】
情報生成制御部103は、単数または複数のIC(Integrated Circuit)などのコントローラからなる。情報生成制御部103は、上述のように入力部102から出力される信号を、送信部104を用いてワイヤレス伝送するための制御を行なう。それとともに、情報生成制御部103は、タイマ機能を持ち、ある規定期間ごとに必要な処理を実行可能な構成になっている。
【0056】
次に、ワイヤレス受信装置2の各部についてさらに詳細に説明する。
情報変換制御部107は、単数または複数個のICなどのコントローラからなる。情報変換制御部107は、上述の機能に加えて、タイマ機能を持ち、ある規定期間ごとに必要な処理を実行することができる。
【0057】
図3を参照して、ワイヤレス送信装置1の情報生成制御部103によるデータ送信処理について説明する。
【0058】
情報生成制御部103は、自身の初期化を行なう(S2)。すなわち、情報生成制御部103は、入力部102においてキー入力(キーの押し下げ)またはキー解放が行なわれた際にそのイベントを検知し、ワイヤレス信号を送信可能な状態にする。情報生成制御部103は、キーに関するイベントが発生したか否かを検知する(S3)。キー入力またはキー解放のイベントが発生した場合には(S3でYES)、情報生成制御部103は、そのイベントがどのキーに関するものかを判断し、そのキーのステータスを確認する(S4)。各キーは、オンまたはオフの2つのステータス(状態)をとり、キーが押し下げられているときにはオン、解放された場合にはオフを示す。
【0059】
該当するキーのステータスを確認することにより、キーが最初に押されたことにより発生したイベントであるか、キーが解放されたことにより発生したイベントであるかを判断することができる。
【0060】
特定のキーが最初に入力されたことによりイベントが発生した場合には、該当するキーのステータスはオフ状態であるため(S4でNO)、そのキーに関するステータスがオフ状態からオン状態へ変更される。キーを解放するイベントが発生した場合には、該当するキーのステータスはオン状態であるため(S4でYES)、そのキーに関するステータスがオン状態からオフ状態へ変更される(S5)。
【0061】
キー入力イベント発生時においては、特定キーのステータスがオン状態のときに別の新規キー入力があった場合、情報生成制御部103は新規入力キーに関するステータスをオン状態にするとともに以前オンになっていた特定キーステータスをオフにする構成になっていてもよい。ただしこの場合は、キー解放イベントが任意のキーに対して適合される場合に限る。
【0062】
S5またはS6の処理の後、情報生成制御部103は、ワイヤレス受信装置2に対し送信するためのデータを生成する(S7)。これにより入力部102より受信したキーの識別結果が適切なキーコード、すなわち適切なデータフォーマットへ変換される。
【0063】
送信部104は、生成されたワイヤレス受信装置2に送信するためのデータをワイヤレス信号に変換し、ワイヤレス受信装置2に対して送信する(S8)。
【0064】
データをワイヤレス受信装置2に送信した後、全てのキーに関してキーステータスの確認を行なう(S12)。このとき、オン状態のキーが存在すれば(S12でYES)、情報生成制御部103は、キーデータをワイヤレス受信装置2に対し規定された時間ごとに送信するため、規定された時間を計測するタイマを起動する(S9)。その後、制御はS3に戻る。キーステータスがオン状態のキーが存在しなければ(S12でNO)、タイマ起動は行なわれず、制御はS3へ戻る。
【0065】
S3におけるキーイベント検知時に何らかのキーイベントが発生していない場合には(S3でNO)、すべてのキーに関するキーステータスの確認を行なう(S10)。すべてのキーのキーステータスがオフ状態であればすべてのキーが押されていない状態であると判断され(S10でNO)、S3のキーイベント検知へと移行する。いずれかのキーのキーステータスがオン状態であれば何らかのキーが押された状態になっているため(S10でYES)、情報生成制御部103は、タイマが規定された時間に達しているか否かを判断する(S11)。タイマが満了になっていない場合には(S11でNO)、引き続きS3にてキーイベント検知が行なわれる。
【0066】
タイマが満了になった場合には(S11でYES)、送信データの生成が行なわれ(S7)、ワイヤレス受信装置2へと送信される(S8)。ワイヤレス受信装置2へ送信される送信データは、前回ワイヤレス受信装置2に対して送信されたデータと同一のものである。このように、ある特定のキーが押されている間には、タイマが規定された時間に達するごとに(S11でYES)、同一のデータが送信されることになる。
【0067】
押しつづけられていたキーが離された場合には、そのキーの解放イベントがS3にて検知され(S3でYES)、キーステータスが確認される(S4)。そのときのキーステータスはオン状態になっているため(S4でYES)、そのキーのステータスがオン状態からオフ状態へと更新される(S5)。その後、キー解放を示すキーデータが送信データとして生成され(S7)、ワイヤレス受信装置2へ送信される(S8)。その後、キーステータスがオフであることが確認された後(S12でNO)、S3のキーイベント検出処理へと移行する。
【0068】
図4を参照して、ワイヤレス受信装置2の情報変換制御部107によるデータ受信処理について説明する。
【0069】
情報変換制御部107は、初期化処理を実行する(S22)。これにより記憶部109の初期化、インターフェイス変換制御部106の初期化が実行される。それとともに、受信部108は、ワイヤレス送信装置1から送信されるワイヤレス信号を受信可能な状態になる。
【0070】
情報変換制御部107は、データを受信したか否かを検知する(S23)。何らかのワイヤレス信号を受信した場合には(S23でYES)、受信したデータが、記憶部109に格納されている前回受信したデータと同じか否かを判断する(S24)。
【0071】
受信したデータと記憶部109に格納されているデータとが異なる場合には(S24でNO)、情報変換制御部107は、受信したデータがワイヤレス送信装置1の入力部102においてキー入力が行なわれたことを示すキーデータか、キーが離されたことを示すキーデータであるかを調べる(S25)。すなわち、キーデータよりキーコードを検出し、そのキーコードに対応するキーのキーステータスを調べる。キーステータスがオン状態の場合には、前回同じキーの入力が行なわれたことを示すデータを受信していることを示す。キーステータスがオフ状態の場合には、そのキーが押されていない状態であることを示す。
【0072】
キーステータスがオフ状態の場合には、新たにキー入力が行なわれたことを示すため(S25でNO)、そのキーに対するステータスをオン状態にする(S26)。その後、受信データを記憶部109へ一時的に格納し(S27)、それをインターフェイス変換制御部106に対して出力する(S28)。受信データを受け取ったインターフェイス変換制御部106は、そのデータをアプリケーションプログラムに引き渡す。
【0073】
なお、新規キー入力が行なわれた場合においては、あるキーのステータスがすでにオン状態であったとき、情報変換制御部107はすでにオン状態であったキーのキーステータスをオフ状態にする構成になっていてもよい。ただしこの場合、キー解放を示すデータが任意の入力済みキーに対して適合される場合に限る。
【0074】
インターフェイス変換制御部106にデータを出力した後、規定された時間内にワイヤレス送信装置1から同一のデータ伝送が行なわれないときには、通信路に何らかの障害が発生したものとみなすことができる。その判断を行なうため、情報変換制御部107は、規定された時間を計測するタイマを起動させる(S29)。
【0075】
受信部108が、前回受信され、記憶部109に格納されたデータと同一のデータを受信した場合には(S23でYES、S24でYES)、即座にS29へと移行し、規定された時間ごとにデータ出力を行なうためのタイマを再起動させる。その際、キーステータスの変更などの動作は行なわない。
【0076】
受信部108がキーデータを受信していない場合には(S23でNO)、情報変換制御部107は、すべてのキーのキーステータスを確認する(S30)。全てのキーのキーステータスがオフ状態であればすべてのキーが押されていない状態であると判断し(S30でNO)、制御はS23へ戻る。
【0077】
キーステータスがオン状態のキーが存在すれば(S30でYES)、情報変換制御部107は、規定された時間にセットされたタイマが満了したか否かを判断する(S31)。タイマが満了していない場合には(S31でNO)、S23におけるデータ受信検知処理へと移行する。
【0078】
タイマが満了した場合には(S31でYES)、情報変換制御部107は、記憶部109へ格納されたデータを消去するとともに、キー解放を示すコードをインターフェイス変換制御部106に出力する(S32)。インターフェイス変換制御部106は、キー解放を示すコードをアプリケーションプログラムに引き渡す。
【0079】
その後、情報変換制御部107は、オン状態のキーステータスをオフ状態へと変更する(S33)。情報変換制御部107は、タイマが動作中であるか否かを調べる(S34)。この時、タイマは満了しており停止しているため(S34でYES)、S23へ移行する。
【0080】
受信部108が、キーの解放コードを受信した場合には(S25でYES)、情報変換制御部107は、記憶部109へ格納されているデータを消去するとともに、キー解放を示すコードをインターフェイス変換制御部106に出力する(S32)。インターフェイス変換制御部106は、キー解放を示すコードをアプリケーションプログラムに引き渡す。
【0081】
情報変換制御部107は、オン状態のキーステータスをオフ状態へと変更する(S33)。情報変換制御部107は、タイマが動作中であるか否かを判断する(S34)。この時、タイマは満了しておらず動作中であるため(S34でNO)、規定時間タイマを停止させて後(S35)、S23へ移行する。
【0082】
以上説明したように、キーが押されている間は所定の時間間隔でワイヤレス送信装置1からワイヤレス受信装置2へデータが伝送される。
【0083】
また、ワイヤレス受信装置2は、データを受信していない場合であってもキーステータスを確認することにより、キーのオートリピート状態を解除するための判断を独自に行なうことができる。このため、通信路が遮断等され、ワイヤレス送信装置1からワイヤレス受信装置2にキーの解放データが送信されない場合であっても、ワイヤレス受信装置2は、キーのオートリピート状態を解除することができる。
【0084】
なお、ワイヤレス受信装置2のタイマにおいて計測される規定された時間を、アプリケーションプログラムが自動的にキーのオートリピート状態に入るための時間より短く設定しておけば、通信路における障害発生時に、意図しないオートリピート状態になることを回避できる。
【0085】
また、ワイヤレス送信装置1はキーが押されている間の限られた期間のみデータ伝送を行えばよい。このため、ワイヤレス送信装置1の消費電力を低減させることができる。特に、バッテリで駆動するキーボードなどのワイヤレス周辺機器では、消費電力が低減することにより長時間の使用が可能となる。
【0086】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るワイヤレス情報伝送システムは、図2を参照して説明した実施の形態1に係るワイヤレス情報伝送システムと同様のハードウェア構成をとる。このため、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0087】
実施の形態2のワイヤレス情報伝送システムでは、ワイヤレス送信装置1の情報生成制御部103によるデータ送信処理およびワイヤレス受信装置2の情報変換制御部107によるデータ受信処理が実施の形態1とは一部異なる。以下、相違点を中心に各処理について説明する。
【0088】
図5を参照して、ワイヤレス送信装置1の情報生成制御部103によるデータ送信処理について説明する。図3に示した実施の形態1に係るデータ送信処理では、キーが押されている間は、規定された時間ごとに同一のデータを送信するのに対し、実施の形態2に係るデータ送信処理では、キーが押されている間、規定された時間ごとにデータを送信する点は共通するが、後述するステータス通知データを送信する点が相違する。
【0089】
図3と同様の処理については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0090】
キーを解放するイベントが発生した場合には、該当するキーのキーステータスはオン状態になっているはずなので(S3でYES、S4でYES)、情報生成制御部103は、そのキーに関するキーステータスをオン状態からオフ状態に変更する(S5)。その後、情報生成制御部103は、キーが解放された状態を示すステータス通知データを生成する(S13)。ステータス通知データとは、キーデータそのものとの差異が明らかに判別可能な識別子が付けられたデータであり、キープレスまたはキー解放のどちらかの状態を示すデータである。すなわち、ステータス通知データにはキーコードに関する情報が付されていない。キー解放を示すステータス通知データがワイヤレス受信装置2に対して送信される(S8)。
【0091】
キーが押された状態でかつ規定された時間にセットされたタイマが満了になった場合には(S10でYES、S11でYES)、情報生成制御部103は、キープレス状態であることを示すステータス通知データを生成し(S13)、ワイヤレス受信装置2に送信する(S8)。
【0092】
図6を参照して、ワイヤレス受信装置2の情報変換制御部107によるデータ受信処理について説明する。図4に示したデータ受信処理では、同一のデータを受信したか否かの判断と、キー解放データを受信したか否かの判断を、キーデータの参照により行なうのに対し、図6のデータ受信処理では、この判断をステータス通知データの参照により行なう。
【0093】
図4と同様の処理については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0094】
何らかのワイヤレスデータを受信すると(S23でYES)、情報変換制御部107は、受信したデータがステータス通知データであるか否かを判断する(S40)。受信したデータがステータス通知データである場合には(S40でYES)、ステータス通知データの内容が調べられる(S42)。ステータス通知データがキー解放を示す場合には(S41でYES)、S32以降の処理が行なわれ、インターフェイス変換制御部106に対してキー解放データを出力する処理が行なわれる。
【0095】
ステータス通知データがキープレスを示す場合には(S41でNO)、S29以降の処理が行なわれる。すなわち、情報変換制御部107は、通信路に何らかの障害が発生したか否かを判断するため、規定された時間を測定するタイマを起動させる。
【0096】
受信したデータがステータス通知データではない場合には(S40でNO)、通常のキーデータが受信されたので、S26以降にてデータの出力処理が行なわれる。
【0097】
実施の形態2では、キーデータの代わりに適宜ステータス通知データが送信される。ステータス通知データには、キーコードが含まれていないため、キーデータに比べ情報量が小さい。このため、通信路上を流れるデータ量を必要最小限にとどめることができ、その結果として消費電力を低減することができる。
【0098】
(実施の形態3)
図7を参照して、本発明の実施の形態3に係るワイヤレス情報伝送システムは、情報を無線により送信および受信するワイヤレス送信装置3と、ワイヤレス送信装置3より送信された情報を受信するとともに、ワイヤレス送信装置3に対して情報を送信するワイヤレス受信装置4とを含む。
【0099】
ワイヤレス送信装置3は、指示を入力するためにユーザが使用する入力部102と、入力部102に接続され、入力部102から出力される信号に基づき所定のフォーマットに従ったデータを生成する情報生成制御部203とを含む。
【0100】
ワイヤレス送信装置3は、さらに、情報生成制御部203に接続され、情報生成制御部203で生成されたデータを一時的に格納する記憶部204と、情報生成制御部203に接続され、情報生成制御部203より出力されるデータをワイヤレス信号110に変換し、外部に伝送する送信部104と、情報生成制御部203に接続され、外部より受信したデータを情報生成制御部203に出力する受信部205とを含む。
【0101】
ワイヤレス受信装置4は、ワイヤレス送信装置1より送信されたワイヤレス信号110を受信する受信部108と、受信部108に接続され、受信部108より受信したデータを所定のフォーマットに従い変換する情報変換制御部209とを含む。
【0102】
ワイヤレス受信装置4は、さらに、情報変換制御部209に接続され、データを一時的に記憶するための記憶部109と、情報変換制御部209に接続され、情報変換制御部209より与えられるデータを適切な手順にワイヤレス受信装置4上で動作するアプリケーションプログラム(図示せず)に受け渡すインターフェイス変換制御部106と、情報変換制御部209に接続され、情報変換制御部209より出力されるデータをワイヤレス送信可能なデータに変換し、ワイヤレス送信装置3に対して送信する送信部210とを含む。
【0103】
ワイヤレス送信装置3の情報生成制御部203についてさらに詳細に説明する。情報生成制御部203は、単数または複数個のICなどのコントローラからなる。情報生成制御部203は、上述のように入力部102から出力される信号を送信部104を用いてワイヤレス伝送するための制御を行なう。それとともに、受信部205で受信され、変換された制御データを解釈し、制御データに基づいた処理を実行する。
【0104】
情報生成制御部203は、記憶部204を用いて通信データの一時的格納およびそのデータの参照を行なう。
【0105】
ワイヤレス受信装置4の情報変換制御部209についてさらに詳細に説明する。情報変換制御部209は、単数または複数個のICなどのコントローラからなる。情報変換制御部209は、上述の機能に加えて、タイマ機能を持ち、ある規定された時間ごとに必要な処理を実行することができる。それとともに、情報変換制御部209は、受信部108より受信したデータとタイマ機能を用いた処理の結果とから制御データを作成し、送信部210を介してワイヤレス送信装置3に送信する。
【0106】
図8を参照して、ワイヤレス送信装置3の情報生成制御部203によるデータ送信処理について説明する。なお、以下の説明では、図3と同様の処理については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0107】
情報生成制御部203は、初期化処理を実行する(S50)。初期化処理とは、情報生成制御部203をキー入力イベントおよびキー解放イベントを検知可能な状態にし、かつ送信部104をワイヤレス信号110を送信可能な状態にするとともに、受信部205をワイヤレス受信装置4から送信される制御データを含むワイヤレス信号212を受信可能な状態にする処理である。
【0108】
初期化処理(S50)が行なわれた後、情報生成制御部203は、受信部205がワイヤレス受信装置4から制御データを受信されたか否かを判断する(S51)。
【0109】
制御データが受信された場合には(S51でYES)、情報生成制御部203は、記憶部204に格納してある送信済のデータを参照し、ワイヤレス受信装置4に対し同一のデータを再送するため、再送データを作成する(S52)。その後、送信部104からワイヤレス受信装置4に対して再送データが送信される。それとともに、情報生成制御部203は、送信したデータを記憶部204へ格納する(S53)。その後、S12以降の処理が行なわれる。
【0110】
図9を参照して、ワイヤレス受信装置4の情報変換制御部209によるデータ受信処理について説明する。なお、以下の説明では、図4と同様の処理については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0111】
情報変換制御部209は、初期化処理を実行する(S61)。初期化処理には、記憶部109の初期化処理およびインターフェイス変換制御部106の初期化処理に加えて、ワイヤレス送信装置3に対し、ワイヤレス信号212からなる制御データを送信可能な状態にするための送信部210の初期化処理が含まれる。
【0112】
初期化処理の後、情報変換制御部107は、データを受信したか否かを検知する(S23)。何らかのワイヤレス信号を受信した場合には(S23でYES)、受信したデータが、記憶部109に格納されている前回受信したデータと等しいか判断する(S24)。
【0113】
受信したデータと記憶部109に格納されているデータとが異なる場合には(S24でNO)、情報生成制御部203は、受信したデータが解放データか否かを判断する(S25)。受信したデータがキー入力データである場合には(S25でNO)、そのキーに対するステータスがオン状態にされ(S26)、受信したデータが記憶部109へ格納される(S27)。情報変換制御部209は、同じデータをインターフェイス変換制御部106に対して出力する(S28)。受信データを受け取ったインターフェイス変換制御部106は、そのデータをアプリケーションプログラムに引き渡す。その後、情報変換制御部209は、通信障害を検出するために用いられ、規定された時間を計測するタイマを起動させる(S29)。
【0114】
それに引き続き、情報変換制御部209は、制御タイマが起動中か否かを判断する(S66)。制御タイマは、規定時間タイマとは異なる種別のタイマである。制御タイマは、データの再送要求に対するワイヤレス送信装置3の応答の有無を判断するために用いられるタイマである。なお、データの再送要求は、後述するように、規定時間タイマが満了した後、送信部210からワイヤレス受信装置に対して送信される。
【0115】
通常、制御タイマが満了するまでの時間は、S29で起動される規定時間タイマが満了するまでの時間よりも短いかまたは同等に設定される。
【0116】
S66への移行タイミングにおいて、ワイヤレス送信装置3からワイヤレスデータを受信したかまたはキー解放データが出力されていた場合には、データの再送を確認するための制御タイマを起動させておく必要はない。このため、情報変換制御部209は、制御タイマが起動中か否かを確認し(S66)、制御タイマが起動中であれば(S66でYES)、制御タイマを停止させ(S67)、S23へ移行する。制御タイマが停止していれば(S66でNO)、情報変換制御部209は、何も処理をせず、S23へ移行する。
【0117】
S31の処理で、規定時間タイマが満了になったと判断され、規定された時間の間に期待されていたはずのワイヤレス送信装置3からのデータ受信が認められなかった場合には(S31でYES)、情報変換制御部209は、制御タイマが起動中か否かを判断する(S62)。
【0118】
制御タイマが起動していなければ(S62でNO)、情報変換制御部209は、再送要求を示す制御データを送信部210を介してワイヤレス送信装置3へ送信する(S64)。それと同時に、情報変換制御部209は制御タイマを起動させる(S65)。制御タイマは上述したように、ワイヤレス受信装置4からの再送要求を示す制御データに対する、ワイヤレス送信装置3の応答の有無を判断するために用いられるタイマである。S65にて制御タイマを起動させた後は、制御はS23へ移行する。
【0119】
S64の処理において送信される制御データは、一時的に通信路が遮断されたなどの状態に陥ったときに回復を図るためのデータの再送要求である。S65で起動される制御タイマが満了するまでの間にデータを受信しなければ、通信路が回復不可能な状態にあると判断される。
【0120】
S62において制御タイマが起動されていると判断された場合には(S62でYES)、制御タイマが満了したか否かが調べられる(S63)。制御タイマが満了していなければ(S63でNO)、S23に移行する。
【0121】
制御タイマが満了した場合には(S63でYES)、通信路が障害により遮断され、回復不可能な状態にあると判断できる。このため、情報変換制御部209は記憶部109に格納されているデータを消去するとともに、インターフェイス変換制御部106にキー解放を示すコードを出力する(S32)。インターフェイス変換制御部106は、キー解放を示すコードをアプリケーションプログラムに引き渡す。
【0122】
情報変換制御部209は、オン状態のキーステータスをオフ状態へと変更し(S33)、規定時間タイマが起動中か否かを判断する(S34)。
【0123】
規定時間タイマが起動していなければ(S34でNO)、S66へ移行し、規定時間タイマが起動していれば(S34でYES)、情報変換制御部209は、規定時間タイマを停止させた後(S35)、S66へ移行する。
【0124】
以上説明したように、ワイヤレス受信装置4は、規定された時間の間にデータを受信しなければ、データの再送要求をワイヤレス送信装置3に対して送信する。データの再送要求を送信してから、さらに所定の時間待ってもデータを受信することができなければ通信路に障害が発生したと判断され、キーの解放データがインターフェイス変換制御部106に出力される。このため、通信路が遮断等され、ワイヤレス送信装置3からワイヤレス受信装置4にキーの解放データが送信されない場合であっても、ワイヤレス受信装置4は、キーのオートリピート状態を解除することができる。
【0125】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態3に係るワイヤレス情報伝送システムは、図7を参照して説明した実施の形態3に係るワイヤレス情報伝送システムと同様のハードウェア構成をとる。このため、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0126】
実施の形態4に係るワイヤレス情報伝送システムでは、ワイヤレス送信装置3の情報生成制御部203によるデータ送信処理およびワイヤレス受信装置4の情報変換制御部209によるデータ受信処理がワイヤレス送信装置3とは一部異なる。以下、相違点を中心に各処理について説明する。
【0127】
図10を参照して、ワイヤレス送信装置3の情報生成制御部203によるデータ送信処理について説明する。図8に示すデータ送信処理では、キーが押されている間は、同一のデータを送信する。これに対し、図10のデータ送信処理では、規定された時間ごとにデータを送信する点は共通するが、実施の形態2で説明したステータス通知データを送信する点が異なる。
【0128】
図5または図8と同様の処理については同一の参照符号を付し、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0129】
初期化処理(S50)の後、情報生成制御部203は、受信部205がワイヤレス受信装置4から制御データを受信したか否かを判断する(S51)。
【0130】
制御データが受信された場合には(S51でYES)、情報生成制御部203は、すべてのキーに関するキーステータスの確認を行い、確認の結果に見合ったステータス通知データを作成する(S57)。すなわち、すべてのキーが押されていない状態であれば、情報生成制御部203はキー解除状態を示すステータス通知データを作成する。それ以外の場合には、キープレス状態であることを示すステータス通知データを生成する。
【0131】
作成されたデータはワイヤレス受信装置4へ送信される(S8)。その後、S8以降の処理が行なわれる。その他の処理に関しては、図5のデータ送信処理と同様であるため、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0132】
図11を参照して、ワイヤレス受信装置4の情報変換制御部209によるデータ受信処理について説明する。図9に示したデータ受信処理では、同一のデータを受信したか否かの判断と、キー解放データを受信したか否かの判断を、キーデータの参照により行なうのに対し、図11のデータ受信処理では、この判断をステータス通知データの参照により行なう。
【0133】
図9と同様の処理については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0134】
S23において何らかのワイヤレスデータ受信を検知した後(S23でYES)、情報変換制御部209は、受信したデータがステータス通知データであるか否かを判断する(S40)。
【0135】
受信したデータがステータス通知データではない場合には(S40でNO)、新たにキー入力が行なわれたことを示すため、S26以降の処理が実行される。
【0136】
受信データがステータス通知データである場合には(S40でYES)、ステータス通知データの内容が判断される(S41)。ステータス通知データがキー解放を示すデータの場合には(S41でYES)、S32以降の処理が行なわれ、キー解放データをインターフェイス変換制御部106に対して出力する処理が実行される(S32)。
【0137】
受信したステータス通知データがキープレスを示すデータであるときには、通信障害を検出するために用いられ、情報変換制御部209は、規定された時間を計測するタイマを起動させる(S29)。
【0138】
S29における規定時間タイマ起動後、情報変換制御部209は、制御タイマが起動中か否かを判断する(S66)。制御タイマは、実施の形態3で説明したように規定時間タイマとは異なる種別のタイマである。制御タイマは、データの再送要求に対するワイヤレス送信装置3の応答の有無を判断するために用いられる。なお、データの再送要求は、規定時間タイマが満了した後、送信部210からワイヤレス受信装置に対して送信される。
【0139】
S66への移行タイミングにおいて、ワイヤレス送信装置3からワイヤレスデータを受信したかまたはキー解放データが出力されていた場合には、データの再送を確認するための制御タイマを起動させておく必要はない。このため、情報変換制御部209は、制御タイマが起動中か否かを調べ(S66)、制御タイマが起動中であれば(S66でYES)、制御タイマを停止させ(S67)、S23へ移行する。制御タイマが停止していれば(S66でNO)、情報変換制御部209は、何も処理をせず、S23へ移行する。
【0140】
S31の処理で、規定時間タイマが満了になったと判断され、規定された時間の間に期待されていたはずのワイヤレス送信装置3からのデータ受信が認められなかった場合には(S31でYES)、情報変換制御部209は、制御タイマが起動中か否かを調べる(S62)。
【0141】
制御タイマが起動していなければ(S62でNO)、情報変換制御部209は、再送要求を示す制御データを送信部210を介してワイヤレス送信装置3へ送信する(S64)。それと同時に、情報変換制御部209は制御タイマを起動させる(S65)。制御タイマは上述したように、ワイヤレス受信装置4からの再送要求を示す制御データに対するワイヤレス送信装置3の応答の有無を判断するために用いられるタイマである。S65にて制御タイマを起動させた後は、制御はS23へ移行する。
【0142】
S64の処理において送信される制御データは、一時的に通信路が遮断されたなどの状態に陥ったときに回復を図るためのデータ再送要求である。S65で起動される制御タイマが満了するまでの間にデータを受信しなければ、通信路が回復不可能な状態にあると判断される。通常、制御タイマが満了するまでの時間は、S29にて起動される規定時間タイマよりも短いか同等に設定される。
【0143】
S62において制御タイマが起動されていると判断された場合には(S62でYES)、制御タイマが満了したか否かが調べられる(S63)。制御タイマが満了していなければ(S63でNO)、S23に移行する。
【0144】
制御タイマが満了した場合には(S63でYES)、通信路が障害により遮断され、回復不可能な状態にあると判断できる。このため、情報変換制御部209は記憶部109に格納されているデータを消去するとともに、インターフェイス変換制御部106にキー解放を示すコードを出力する(S32)。インターフェイス変換制御部106は、キー解放を示すコードをアプリケーションプログラムに引き渡す。
【0145】
その他の処理は、図9を参照して説明したデータ受信処理と同様である。このため、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0146】
以上説明したように、ワイヤレス受信装置4は、規定された時間の間データを受信しなければ、データの再送要求をワイヤレス送信装置3に対して送信する。データの再送要求を送信してから、さらに所定の時間待ってもデータを受信することができなければ通信路に障害が発生したと判断され、キーの解放データがインターフェイス変換制御部106に出力される。このため、通信路が遮断等され、ワイヤレス送信装置3からワイヤレス受信装置4にキーの解放データが送信されない場合であっても、ワイヤレス受信装置4は、キーのオートリピート状態を解除することができる。
【0147】
また、キーデータの代わりに適宜ステータス通知データが送信される。ステータス通知データには、キーコードが含まれていないため、キーデータに比べ情報量が小さい。このため、通信路上を流れるデータ量を必要最小限にとどめることができ、その結果として消費電力を低減することができる。
【0148】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係るワイヤレス情報伝送システムは、図7を参照して説明した実施の形態3に係るワイヤレス情報伝送システムと同様のハードウェア構成をとる。このため、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0149】
実施の形態5に係るワイヤレス情報伝送システムは、ワイヤレス受信装置4より送信される情報伝送許可に応答してワイヤレス送信装置3がキーデータを送信する。
【0150】
ワイヤレス送信装置3の情報生成制御部203は、ワイヤレス受信装置4からワイヤレス信号212により情報伝送許可が与えられるのを待つ。情報生成制御部203は、情報伝送許可を受信した後、ワイヤレス受信装置4に対して伝送すべきデータを保持している場合にはそのデータを伝送する。また、情報生成制御部203は情報伝送許可の受信回数をカウントする機能を持ち、それが一定数になったとき予め定められた処理を実行することができるものとする。
【0151】
ワイヤレス受信装置4の情報変換制御部209は、受信部108で受信された信号を検知し、その信号を特定のフォーマットデータに変換した後にインターフェイス変換制御部106へ受け渡す。また、情報変換制御部209は、送信部210を介して情報伝送許可をワイヤレス送信装置3に送信するための機能を有する。さらに、情報変換制御部209は、情報伝送許可を与えるごとにその回数をカウントする機能を持ち、カウント値が規定回数を超えた場合に予め指定された処理を実行することができるものとする。
【0152】
図12を参照して、ワイヤレス送信装置3の情報生成制御部203によるデータ送信処理について説明する。情報生成制御部203は、ワイヤレス受信装置4からの情報伝送許可を待ち、そのイベントが発生するタイミングに応答してデータを伝送する。
【0153】
図3と同様の処理については同一の参照符号を付し、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0154】
キーが最初に押されたことによりイベントが発生したときには(S4でNO)、情報生成制御部203は、そのキーのキーステータスをオン状態に変更した後(S6)、カウンタを初期化する(S72)。このカウンタはワイヤレス受信装置4からの情報伝送許可の受信回数をカウントするために使用される。その後、情報生成制御部203は、送信データを生成し(S7)。ワイヤレス受信装置4からの情報伝送許可を待つ(S70)。受信部205が情報伝送許可を示すワイヤレス信号を受信した場合には(S70でYES)、情報生成制御部203は、情報伝送許可に応答し、送信データを送信部104を介してワイヤレス受信装置4へ送信する(S8)。その後、制御はS3へ戻る。
【0155】
キーイベントが発生しておらず、かついずれかのキーのキーステータスがオン状態である場合には(S3でNO、S10でYES)、情報生成制御部203はワイヤレス受信装置4から情報伝送許可を与えられたか否かを判断する(S68)。ワイヤレス受信装置4から情報伝送許可を与えられた場合には(S68でYES)、情報生成制御部203は、カウンタを1つインクリメントし(S69)、カウンタ値が規定値を上回っているか否かを判断する(S71)。カウンタ値が規定値を上回っている場合には(S71でYES)、情報生成制御部203は、カウンタを初期化するとともに(S73)、キーステータスがオン状態のキーに対する送信データを生成し(S7)、そのデータをワイヤレス受信装置4へ伝送する(S70、S8)。
【0156】
伝送許可が与えられていない場合(S68でNO)、またはカウンタ値が規定値を上回っていない場合には(S71でNO)、制御はS3へ戻る。
【0157】
以上のような処理を行なうことにより、キーステータスがオン状態にある場合には、情報伝送許可を規定回数受信するごとにキーステータスがオン状態であるキーのキーデータがワイヤレス受信装置4に対して送信される。
【0158】
図13を参照して、ワイヤレス受信装置4の情報変換制御部209によるデータ受信処理について説明する。情報変換制御部209は、ワイヤレス送信装置3へ情報伝送許可を与えるための機能を有する。
【0159】
図4と同様の処理については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明はここでは繰返さない。
【0160】
情報変換制御部209は、初期化処理の後(S22)、送信部210を用いて、情報伝送許可をワイヤレス送信装置3へ送信する(S76)。情報伝送許可を与えた結果、ワイヤレス送信装置3よりデータが受信されたか否かが判断される(S23)。ワイヤレス送信装置3よりデータを受信することができなかったが、いずれかキーのキーステータスがオン状態である場合には(S30でYES)、カウンタを1つインクリメントする(S74)。このカウンタが規定値を超えた時点でキー解放データがインターフェイス変換制御部106に出力される。ただし、ワイヤレス受信装置4におけるカウンタの規定値はワイヤレス送信装置3におけるカウンタの規定値よりも大きく設定される。
【0161】
カウンタ値が規定値を超えた場合には(S75でYES)、情報変換制御部209は、記憶部109へ格納済のデータを消去するとともに、キー解放データをインターフェイス変換制御部106に出力する(S32)。また、情報変換制御部209は、キー解放データに対応するキーのキーステータスをオフ状態に変更する(S33)。
【0162】
カウンタ値が規定値を超えていない場合は(S75でNO)、制御はS76へ戻る。
受信部108がワイヤレス送信装置3よりデータを受信した場合、または、キー解放データを含めインターフェイス変換制御部106に何らかのコード出力が行なわれた場合には、カウンタが初期化される(S77)。
【0163】
以上説明したようにワイヤレス送信装置3はワイヤレス受信装置4からの情報伝送許可のカウント数をもとに、送信データの生成および送信のタイミングを図ることができる。このため、不必要にデータを送信することがなくなり、処理の簡略化と同時に消費電力の削減に寄与することができる。
【0164】
ワイヤレス受信装置4は、タイマと組合わせることにより、ワイヤレス送信装置3に対する情報伝送許可を与えるタイミングを制御するようにしてもよい。
【0165】
ワイヤレス送信装置3は、情報伝送許可の受信回数が規定値を超えた場合、または、同一のデータを送信する際には、実施の形態2および4で説明したステータス情報を伝送するようにしてもよい。
【0166】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】本発明の情報伝送処理の動作を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態1および2に係るワイヤレス情報伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係るデータ送信処理のフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係るデータ受信処理のフローチャートである。
【図5】実施の形態2に係るデータ送信処理のフローチャートである。
【図6】実施の形態2に係るデータ受信処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態3〜5に係るワイヤレス情報伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態3に係るデータ送信処理のフローチャートである。
【図9】実施の形態3に係るデータ受信処理のフローチャートである。
【図10】実施の形態4に係るデータ送信処理のフローチャートである。
【図11】実施の形態4に係るデータ受信処理のフローチャートである。
【図12】実施の形態5に係るデータ送信処理のフローチャートである。
【図13】実施の形態5に係るデータ受信処理のフローチャートである。
【図14】従来の情報伝送処理におけるデータの流れを示す図である。
【図15】従来の情報伝送処理の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
【0168】
1,3 ワイヤレス送信装置、2,4 ワイヤレス受信装置、102 入力部、103,203 情報生成制御部、104,210 送信部、106 インターフェイス変換制御部、107,209 情報変換制御部、108,205 受信部、109,204 記憶部、110,212 ワイヤレス信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を無線で送信するワイヤレス送信装置と、
前記ワイヤレス送信装置から送信される情報を無線で受信するワイヤレス受信装置とを含み、
前記ワイヤレス送信装置は、
指示を入力する入力手段と、
前記ワイヤレス受信装置に情報を無線で送信するための送信装置側送信手段と、
前記入力手段および前記送信装置側送信手段に接続され、前記入力手段より継続して指示が入力されている場合に、前記送信装置側送信手段を介して、前記指示を所定の間隔で送信するための情報生成制御手段と、
前記ワイヤレス受信装置から無線により送信される情報を受信するための送信装置側受信手段とを含み、
前記ワイヤレス受信装置は、
前記ワイヤレス送信装置から無線により送信される指示を受信するための受信装置側受信手段と、
前記受信装置側受信手段に接続され、前記受信装置側受信手段で受信された指示に従って動作するための動作手段と、
前記ワイヤレス送信装置に情報を無線で送信するための受信装置側送信手段とを含み、
前記動作手段は、前記ワイヤレス送信装置からの指示を一定期間受信しなかった場合に、前記受信装置側送信手段を介して、前記ワイヤレス送信装置に指示の再送要求を送信し、
前記情報生成制御手段は、前記送信装置側受信手段を介して前記再送要求を受信した場合には、前記指示を、前記送信手段を介して再送する、ワイヤレス情報伝送システム。
【請求項2】
情報を無線で送信するワイヤレス送信装置と、
前記ワイヤレス送信装置から送信される情報を無線で受信するワイヤレス受信装置とを含み、
前記ワイヤレス送信装置は、
指示を入力する入力手段と、
前記ワイヤレス受信装置に情報を無線で送信するための送信装置側送信手段と、
前記入力手段および前記送信装置側送信手段に接続され、前記入力手段より継続して指示が入力されている場合に、前記送信装置側送信手段を介して、前記指示を所定の間隔で送信するための情報生成制御手段とを含み、
前記ワイヤレス受信装置は、
前記ワイヤレス送信装置から無線により送信される指示を受信するための受信装置側受信手段と、
前記ワイヤレス送信装置から受信した情報を一時的に記憶する記憶手段と、
前記受信装置側受信手段に接続され、前記受信装置側受信手段で受信された指示に従って動作するための動作手段とを含み、
前記動作手段は、予め定められた期間、前記ワイヤレス送信装置から指示が送信されなかった場合には、前記記憶手段に一時的に記憶されている情報を削除する、ワイヤレス情報伝送システム。
【請求項3】
前記入力手段は、外部からの操作によってオンまたはオフの状態となる入力部を含み、
前記送信装置側送信手段は、前記入力部の状態を変更する情報を送信し、
前記動作手段は、前記記憶手段に前記入力部がオン状態であるという情報が記憶されている場合に、予め定められた期間、前記ワイヤレス送信装置から前記入力部をオフ状態にする指示が送信されなかった場合には、前記受信装置側受信手段に、前記入力部をオフ状態にする指示を出力する、請求項2に記載のワイヤレス情報伝送システム。
【請求項4】
前記入力部は、キーである、請求項3に記載のワイヤレス情報伝送システム。
【請求項5】
前記ワイヤレス送信装置は、さらに、前記ワイヤレス受信装置から無線により送信される情報を受信するための送信装置側受信手段を含み、
前記ワイヤレス受信装置は、さらに、前記ワイヤレス送信装置に情報を無線で送信するための受信装置側送信手段を含む、請求項2〜請求項4のいずれかに記載のワイヤレス情報伝送システム。
【請求項6】
情報を無線で送信するワイヤレス送信装置と、ワイヤレス送信装置から送信される情報を無線で受信するワイヤレス受信装置とを含むワイヤレス情報伝送システムで用いられるワイヤレス受信装置であって、
前記ワイヤレス送信装置から無線により送信される指示を受信するための受信装置側受信手段と、
前記ワイヤレス送信装置から受信した情報を一時的に記憶する記憶手段と、
前記受信装置側受信手段に接続され、前記受信装置側受信手段で受信された指示に従って動作し、予め定められた期間、前記ワイヤレス送信装置から指示が送信されなかった場合に前記記憶手段に記憶された情報を削除する、動作手段とを含む、ワイヤレス受信装置。
【請求項7】
前記ワイヤレス送信装置に情報を無線で送信するための受信装置側送信手段をさらに含み、
前記動作手段は、所定の処理が終了するごとに、情報伝送許可信号を前記受信装置側送信手段を介して前記ワイヤレス送信装置に送信する、請求項6に記載のワイヤレス受信装置。
【請求項8】
前記動作手段は、前記情報伝送許可信号を所定回数送信しても前記ワイヤレス送信装置から指示が送信されなかった場合には、前記ワイヤレス送信装置からの指示が終了したと判断する、請求項6に記載のワイヤレス受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−73032(P2006−73032A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305518(P2005−305518)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【分割の表示】特願2000−63559(P2000−63559)の分割
【原出願日】平成12年3月8日(2000.3.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】