説明

ワイヤレス通信ポート

【課題】シリアルインタフェースとワイヤレスインタフェースの接続性の良いモジュールを提供する。
【解決手段】PCBを取り付けることができるモジュールは、論理回路のプリント回路ボード1107を収容する筐体1113と、電子部品を取り付ける回路ボード1106とを有する。論理回路ボードは、アンテナを接続するための電気コネクタ1103、1104、およびボードへの接続のための物理コネクタ1101とともに、シリアル通信プロトコルとワイヤレス通信プロトコルとの間の変換を行う論理回路を有する。電子部品を取り付けるボードは、そこに取り付けられた複数の電子部品1114を有する。モジュールは、セキュリティおよびウェブ関連のサービスを提供する。回路は、I2C、CAN、SNMP、UDP等の複数の規格をサポートすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年4月15日に出願された第10/122,867号の継続出願である、2005年2月17日に出願された第11/060,664号の一部継続出願である。
【0002】
本発明の分野はワイヤレスアダプタである。
【背景技術】
【0003】
例えばLantronix(登録商標)のX−Port(商標)を含む複数のイーサネット(登録商標)コンバータのシリアルが知られており、それらの態様は2002年4月に出願された出願第10/122,867号の中で説明されている。本明細書で引用されるこの特許および特許出願、ならびにすべてのその他の出願および特許出願は、それらの全体が参照により組み込まれる。より最近の例は、Arc Electronics(商標)(www.arcelect.com)から入手可能なCP/Com(商標)コンバータを含む。
【0004】
最初期のイーサネット(登録商標)コンバータはワイヤレス接続性を提供しなかった。PCMCIAカードおよびUSBドングルを含むその後のコンバータはワイヤレス接続性を提供するが、そうしたデバイスは、コンピュータまたはその他の回路ボードの表面に設置するためには設計されていない。さらに従来のコンバータは、1つのプロトコルから他のプロトコルへの特定の変換のために設計されているか、またはそうしたコンバータは限定的もしくは非従来型のMILARRSおよびその他の機能を有している。例えばPCMCIAカードは、典型的には非コンピュータ製品またはデバイスには与えられていない複雑なパラレルインタフェース(例えばカードバス)を必要とするように設計されている。したがって従来のワイヤレス接続性デバイスは、一般にOEMメーカが自社製品で使用するためには適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特に部品ボードに対して単純なシリアルインタフェースを使用する、ワイヤレス接続性を提供する電子部品ボードを取り付けることができるモジュールを提供することが必要とされ続けている。また、ウェブサーバおよび、より進化した機能を提供するモジュールを提供することも必要とされ続けている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、シリアル通信プロトコルとワイヤレス通信プロトコルとの間で変換を行う論理回路と、ボードへの接続のための物理コネクタと、アンテナへのコネクタとを含む電子部品ボードを取り付けることができる筐体をモジュールが有する方法および装置を提供する。
【0007】
この筐体は任意の適切なサイズと形状とを備えることが可能であり、特に考えられるその実施形態は典型的なRJ45コネクタの断面を有する。別の考えられる実施形態は、実質的に正方形の水平面の断面と、長さまたは幅の約20%の高さとを有する特に好ましい実施形態のものである、よりフラットでより幅広のものである。ピンは電気的にボードに結合するための現在の好ましいコネクタであり、モジュールは直接に、または中間コネクタ部品を通じてボードに接続されることが可能である。「ボードに取り付けられた」という用語は本明細書で使用される際、直接取付けと間接取付けとの両方の種類の状況を意図する。ピンは永久接続を形成するために、必要に応じてハンダ付けされることが可能である。2または3から7、8、または9およびそれ以上まで、任意の適切な数のピンが使用されることが可能である。
【0008】
回路は好ましくは単一のチップ上に配置されるが、複数の部品の間で分割されることもできる。好ましいモジュールは、オペレーティングシステムを記憶するための少なくとも256KBのフラッシュまたはその他の高速RAMと、ファームウェア、ウェブページその他を記憶するための少なくとも2MBのさらなるメモリとを含む。好ましいモジュールは有利にも、ほんの5ボルトDCのパワーフィードを用いる電圧管理回路を含むことができるが、回路の必要に応じて、より高いパワーフィードおよびより低いパワーフィードが考えられる。現在のところ最も好ましい電圧は3.3Vである。
【0009】
モジュールは、任意のシリアル通信プロトコルに適応するように設計された汎用のものであるのが好ましい。これは特にI2C、CAN、ProfiBus、SPIおよびUSBを含む。同様に、モジュールは例えばIP、ARP、UDP、TCP、ICMP、Telnet(登録商標)、TFTP、AutoIP、DHCP、HTTPおよびSNMPを含む任意の適切なシリアル規格および管理規格を取り扱うように設計されているのが好ましい。特に、モジュールが802.11xまたは代替の規格のうちの任意のものに対応することが考えられる。
【0010】
商業用の実施形態は好ましくは、簡単なプロトコル変換およびワイヤレスネットワーキングのサポート以外の機能を提供するソフトウェアを含む。例えば、そのソフトウェアは有利にも、WEP(ワイヤードイクイバレントプロトコル)(Wired Equivalent Protocol)およびWPA(ワイヤレスネットワーキング保護アクセス)(Wireless Networking Ptotected Access)セキュリティ、ならびに様々な種類の暗号化などのセキュリティ機能を提供することができる。ソフトウェアはまた、少なくとも1つのMILARRS機能を提供することもできる。別の例では、ソフトウェアは電子メール警告などのウェブ関連のサービスを提供することができる。
【0011】
アンテナはアンテナコネクタに固定して、または着脱可能に結合されることが可能であり、モジュールに取り付けられるか、または同軸ケーブルもしくはその他の適切なケーブルを使用してモジュールの外部に取り付けられることが可能である。また複数のアンテナも考えられる。
【0012】
デバイスの設計者がワイヤレス能力の独立した設計、開発およびメンテナンスの必要性をなくすプラグイン(または「ドロップイン」)のシステムを求める場合にはいつでも、新しいモジュールが使用されることが可能である。例はサーバ、デスクトップおよびラップトップコンピュータを含み、また比較的単純な電子回路を備えた台所用機器などのデバイスでさえも含む。新しいモジュールは1つまたは複数のリジッドまたはフレキシブルの部品ボードを有するデバイスで使用されることが可能であり、所与のボード上で2つ以上のそうしたモジュールを用いて冗長性を提供するため、またはボード内もしくはボード間通信を提供するために実装されることが可能であることが、特に考えられる。
【0013】
本発明の様々な目的、機能、態様および利点は、同じ番号が同様の部品を示している添付の図面とともに、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明から、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ワイヤードイーサネット(登録商標)接続を使用する、PCBボードを取り付けることができるコンバータモジュールの正面の透視図である。
【図2】図1のモジュールの正面図である。
【図3】図1のモジュールの側面の一部切り取り図である。
【図4】図1のモジュールの側面の断面図である。
【図5】図1のモジュールのための電子部品回路のブロック図である。
【図6】図1のモジュールまたはワイヤレスの実施形態のピンの入出力図である。
【図7】水平に置かれる回路ボードと角度をなして置かれる回路ボードとを有するモジュールの代替実施形態の側面の一部切り取り図である。
【図8】一般のフレキシブル基板に配置された回路ボードを有するモジュールの代替実施形態の側面の一部切り取り図である。
【図9】垂直に置かれる回路ボードと角度をなして置かれる回路ボードとを有するモジュールの代替実施形態の側面の一部切り取り図である。
【図10】コネクタポートの下に配置された内部チャンバを有するコネクタの代替実施形態の図である。
【図11A】商業用のWiPort(登録商標)モジュールの透視切り取り図である。
【図11B】商業用のWiPort(登録商標)モジュールの底面の透視図である。
【図12】シリアル対ワイヤレスのイーサネット(登録商標)機能が、RJ−45コネクタのおよその断面サイズと形状とを有する筐体の中で実現されるモジュールの透視切り取り図である。
【図13】2つのワイヤレスモジュールを有するボードを有するデバイスの切り取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1、2および3で、モジュール10は一般的な長方形の筐体12を備える。筐体の前面は開口キャビティ14を含む。金属のファラディシールドは筐体の上面、側面および裏面を覆い、電磁放射線(EMR)保護を与える。モジュール10はさらに、コネクタが取り付けられている筐体に接触することによって、ファラディシールドをシャシ(アース)グラウンドに接続するばねで付勢された接地タブ16を含む。また、モジュール10をプリント回路ボード(PCB)18に電気的に相互接続するためのリード線20の配列も示されている。
【0016】
筐体12のキャビティ14は、必要な電気コンタクトを与えてキャビティ14内でコネクタポートを形成するために、並列の電気コンタクト22の平面配列を組み込む。キャビティ14は、あるサイズに決められて必要な大きさにされ、コンタクト22は差し込みプラグ(不図示)に合うようにキャビティ内に配置される。サイズを決められたキャビティ14は、コンタクト22とともに標準のRJ−45コネクタジャックを形成する。ジャックコンタクト22は差し込みプラグ(不図示)とのかみ合わせのため、ばねで付勢される。重要な利点は、イーサネット(登録商標)のワイヤがマルチピンコネクタから引き出されることから、本明細書で言及されている新しいモジュールは磁気物質を備えた従来のRJ−45ジャックを取り付けることができるということである。
【0017】
筐体12は前面壁24、後面壁26、上面壁28、底面壁30、ならびに側面壁32および34を有するファラディシールドで覆われた成形プラスチックか、または当技術分野で使用されるその他の適切な材料で形成される。本明細書での「上面」、「底面」および「側面」という言及は、図面に関する説明を容易にするために行われる。代替実施形態はプラスチックを用いず、筐体の材料は、例えば導電性金属を使用することによって、独立した部品を用いずにファラディシールディング機能を実行するために選択される。モジュール10は複数の方法で製品に方向付けされることができ、それによって特定の配置の技術的要件を満たすということも考えられる。
【0018】
前面壁24はLED36および38を含む。このLEDは、例えば(以下のものに限定されるわけではないが)イーサネット(登録商標)の接続速度、リンクの存在/不在、フル/ハーフデュープレックス、イーサネット(登録商標)のアクティビティ、シリアルポートのアクティビティ、およびマイクロコントローラのエラー状態などの、シリアル対イーサネット(登録商標)変換の様々な機能に関するビジュアルステータスおよびフォールト情報を提供する。
【0019】
図3および4で、筐体12は分離された内部チャンバ40を含む。第1PCB42は内部チャンバ40内に、一般的には底面壁30に対して水平かつ平行に配置される。第1PCB42は、プラスチック差込に取り付けられているコンタクトインタフェース44にハンダ付けされる(またはその他のやり方で電気的に接続される)。完成された差込組立物は主筐体12にスライドされ、はめ込まれる。コンタクトインタフェースピン44は、それらの端部がワイパコンタクト22となるように形成される。したがって第1PCB42は、ポートキャビティ14のコンタクト22に電気的に相互接続される。コンタクトインタフェース44はさらに、第1PCB42に構造的なサポートを提供する。
【0020】
第2PCB50もまた内部チャンバ40内に配置され、底面壁30に対してほぼ水平に、かつほぼ平行に置かれる。第3PCB50は、端部がユーザのPCB20に接続する入力/出力ピン20(より具体的には、これらのピン20は電源およびグラウンド、リセット、シリアルデータの入力および出力、ハンドシェイクおよびフロー制御ライン、ならびにPIOラインを接続する)となるように形成されているリード線54の配列にハンダ付けされる(またはその他のやり方で電気的に接続される)。リード線54の配列はプラスチック差込に取り付けられる。第3PCB50がリード線54にハンダ付けされた(またはその他のやり方で接続された)後で、完成された差込組立物は主筐体12にスライドされ、はめ込まれる。
【0021】
第3PCB48は、一般には垂直方向で内部チャンバ40内に配置され、一般にその他のPCB42および50と直角をなす。PCB48は後面壁26に隣接して配置され、形成されたピン49および52によって、その他のPCB42および50に構造的および電気的に相互接続されている。したがって、PCB48と、形成されたピン49および52とはPCB42と50との間の電気的接続をもたらす。LED38は筐体12の上面の近くを通るリード線(不図示)を有し、これらのリード線はPCB48の穴にも接続する。これは、LED38と制御PCB50との間の電気的接続を提供する。
【0022】
第1PCB42および第2PCB50は、データのシリアル対イーサネット(登録商標)変換を完成するために必要な電子回路部品をまとめて組み込む。PCB42は、絶縁トランス、コモンモードチョーク(common mode chokes)、終端レジスタ、および(ESDおよび電圧サージのための)高圧放電キャパシタを有利に含むことが可能な回路の磁気部分を含む。この実施態様では、PCB48は電気的相互接続のために単独で使用されているが、必要に応じて回路部品のために使用されることも可能である。
【0023】
PCB50は、シリアル対イーサネット(登録商標)変換の機能を制御するために必要な、すべての電子回路部品を組み込む。ボードPCB50上の電子部品は(ASICの中に有利に組み合わされることが可能な)マイクロプロセッサおよびイーサネット(登録商標)コントローラ、不揮発性メモリ(本発明の中のフラッシュメモリ)、電圧レギュレータ、電圧管理回路、発振器(crystal)、レジスタ、キャパシタ、およびフェライトまたはその他の表面実装ビードを含むが、それらに限定されるわけではない。
【0024】
オペレーションの中で、あるデバイスまたは機器の一部である完全な組立物は、PCBに取り付けられる。シリアルデータおよび汎用PIOデータは、そのデバイスからリード20の配列を通って流れ、PCB42、48および50にまとめて組み込まれた回路によって処理される。PCB42は、イーサネット(登録商標)データをそこに効率的に送信するためにプラグ(不図示)と組み合わせられたコンタクト22と相互接続されている。イーサネット(登録商標)データはまた、イーサネット(登録商標)ポートからワイパコンタクト22を通って流れ、PCB42、48および50にまとめて組み込まれた回路によって処理され、シリアルデータおよび汎用PIOデータとして、リードピン20を通って外部デバイスに流出することも可能である。制御回路、磁気回路およびLED回路は、PCB42、48および50との間で交換されることが可能であり、その部品がPCB42、48および50の一方の側か、またはそれらの両側に配置されることが可能であることが、さらに考えられる。
【0025】
図5で、コントローラブロック56は、シリアルとイーサネット(登録商標)との間のすべての変換を取り扱う。これは、すべての必要とされるコードのプロトコル変換とともに、デジタル(シリアル)信号およびアナログ(イーサネット(登録商標))信号の処理を含む。コントローラブロック56は、以下でより詳細に説明されるイーサネット(登録商標)インタフェース58を通じて、イーサネット(登録商標)と通信する。フラッシュメモリ66は、コントローラブロック56がその機能を実行するために使用するソフトウェアを記憶する。管理回路68は、PCB IOピン64を通じて入ってくる供給電圧を監視する。管理回路68は電圧が低くなりすぎる場合か、またはPCB IOピン64からの信号がシステムのリセットを要求する場合、コントローラブロックをリセットする。パワーフィルタ60は入力供給電圧からノイズを除去し、また電圧供給ラインを通じてシリアル対イーサネット(登録商標)コンバータから外界に送信される可能性がある任意のノイズを減少させる。パワーサプライ62は、コントローラブロックに必要とされる1つまたは複数の電圧を供給する。シリアルデータはPCB IOピン64を通じて、コントローラブロックに送信され、コントローラブロックから外部デバイスへ送信される。(PCB IOピン64を通じて接続された)フロー制御およびハンドシェイクラインは、シリアルデータストリームを制御するために使用される標準の信号である。コントローラブロックはまた、PCB IOピン64を通じて接続しているPIOラインを通じて、外部デバイスと通信することもできる。図5に示されている部品が具体的に特定されているが、所望の機能を実施するすべての適切な制御回路もまた考えられるということを理解されたい。
【0026】
図6で、コントローラ50から発信するイーサネット(登録商標)信号70aは、イーサネット(登録商標)デバイス間の任意のDC結合問題を取り除く絶縁トランス74を通過する。発信信号は、(放射され、伝導される)スプリアス発射を減少させるコモンモードチョーク78を通過する。発信信号は、RJ−45ジャックのコンタクト72aを通じてイーサネット(登録商標)ケーブルに接続する。着信するイーサネット(登録商標)信号はコンタクト72cを通じてジャックに入り、デバイスに伝導される可能性のあるスプリアスコモンモードノイズを減少させるコモンモードチョーク80を通過する。この信号は絶縁トランス76を通過し、その後ピン52および26を通じて制御ボード50に伝わる。絶縁トランス74および76の中央タップ70bおよび70cは、コントローラボード50上の送受信回路の適切なDCバイアスレベルを設定するために使用される。これらの中央タップはまた、ピン52および26を通じてコントローラボード50にも接続する。RJ−45のコンタクト72cのうちの4つは、イーサネット(登録商標)信号のために使用されることはない。それらは整合レジスタ82cおよび82d、ならびにキャパシタ84を通じて、ノイズおよびDC過渡を減少させるためにグラウンドに終端される。コンタクト72aおよび72cに存在するイーサネット(登録商標)ケーブル上のDC過渡(「ESD」)は、レジスタ82aおよび82bを通じたグラウンドへの放電によって減少される。
【0027】
図7の代替モジュールは図1〜4に示されている実施形態に構造的に類似しており、その相違点のみが以下で強調される。2つのPCB86と88とは、内部チャンバ40a内に配置される。第1PCB88は、一般に底面壁30aに対して平行して水平に配置される。第2PCB86は内部チャンバ40a内にぴったり入るように、PCB88に対して角度をなして配置される。PCB86と88とは、シリアル対イーサネット(登録商標)のデータ変換を完成させるための電子回路部品をまとめて組み込む。PCB86はリード線配列20aに相互接続される。PCB86は、PCBの上側と底側に相互接続された部品とともに、すべての制御回路を含む。PCB86はPCB88に相互接続される。PCB88は、PCB86の下側に形成された回路の磁気部分を含む。LED38aおよび36a(不図示)はまた、リード線14aを通じてPCB86に接続する。PCB88はコンタクト22aに相互接続される。
【0028】
図8の代替モジュールもまた、図1〜4に示されているような実施形態に構造的に類似している。しかしながらここでは、一般のフレキシブル基板(より具体的にはリジッド/フレキシブルPCB90、92、94および96)は、内部チャンバ40bにぴったり入るように形成される。リジッド/フレキシブルPCB90、92、94および96は、シリアル対イーサネット(登録商標)のデータ変換を完成させるために電子回路部品をまとめて組み込む。電気および磁気部品は、PCB92、94および96のリジッド部分に取り付けられることが可能である。リジッド部分92と94と96との間の電気的接続は、フレキシブル部分90でなされる。リジッド部分96は、リード線配列20bに電気的に接続されている。リジッド部分92および場合によっては94に組み込まれる磁気回路とともに、制御回路はリジッド部分96および場合によっては94に組み込まれることが可能である。LEDはリード線14bを通じてリジッド部分96に接続する。リジッド部分92は、コンタクト22に電気的に接続される。制御回路、磁気回路およびLEDの接続は、リジッド部分92、94および96の間で入れ替えることが可能であることが、さらに考えられる。
【0029】
図9の代替モジュールもまた、図1〜4に示されている実施形態に構造的に類似している。その主な違いは、2つのPCB98と100とが内部チャンバ40c内に配置されることである。第1PCB98は、一般に後面壁26に対して平行して、垂直に配置される。第2PCB100は、内部チャンバ40c内にぴったり入るように、PCB98に対して角度をなして配置される。PCB98と100とは、シリアル対イーサネット(登録商標)のデータ変換を完成させるための電子回路部品をまとめて組み込む。PCB100はリード線配列20cに相互接続される。PCB100は、PCBの上側と底側に相互接続された部品とともに、すべての制御回路を含む。PCB98はPCB100に相互接続される。PCB98は回路の磁気部分を含む。PCB98はコンタクト22cに相互接続される。PCB100はLED38cおよび36cに、さらに相互接続される。
【0030】
図10の代替モジュールもまた、図1〜4に示されている実施形態に構造的に類似したコネクタポートを含むが、ポートの後ろに配置される内部チャンバは含まない。図10に示されている代替実施形態では、内部チャンバ102はポートキャビティ14dの下に配置される。シリアル対イーサネット(登録商標)のデータ変換を完成させるための電子回路部品を組み込む少なくとも1つのPCBは、内部チャンバ102内に置かれる。シリアル対イーサネット(登録商標)回路は、図4および図7〜9の内部チャンバに関して説明されたものを含む様々な方法で内部チャンバ102に組み込まれることが可能であるということが、本発明によって考えられる。任意の実施形態のポートキャビティ14dは、無線アンテナ、無線アンテナコネクタまたは遠隔無線アンテナの配線と置き換えられるか、またはそれらを用いて強化されることが可能であることが、さらに考えられる。
【0031】
図1〜10のモジュールのワイヤレスネットワーキング版は、磁気物質を適切な無線回路および電力アンプ、レシーバその他で置き換えることによって実施されることが可能である。そうした置き換えは、モジュールの全体の設計を変更することなく実施されることが可能であるが、図11A−C、12および13で言及される構造および電子部品を使用して実施されるのが、より好ましい。
【0032】
図11Aおよび11Bのモジュールは、図1〜4に示されている実施形態とは異なっており、その主な違いは、PCBボード42および50に関して先に説明されたイーサネット(登録商標)磁気回路の全体または一部を置き換えるか、または強化するイーサネット(登録商標)無線機能が追加されていることである。
【0033】
内部チャンバ内の内部PCB上の必要とされる回路の分割が、任意の適切な方法で達成されることが可能である一方で、PCB1107上の残りの制御および管理回路とともに、イーサネット(登録商標)無線部品を単一のPCB1106上に配置することが特に都合がよい。ボードまたは複数のボードは、互いに関して、また筐体に関して任意の実際的な関係の中で配置されることが可能である。第1PCB1106はアンテナコネクタ1103を含み、第2の(異なる)アンテナまたはコネクタ1104を有利に提供することができる。第2PCB1107は代替として、電気的なボードへの取付けのために、整合コネクタ1101を含むことによってリード線54を置き換えることができる。
【0034】
コネクタ1101は3つまたはそれ以上のピン1113を含み、シリアルデータピン、ハンドシェイキングおよびフロー制御ピン、GPIOピン、および必要に応じてその他のシリアルまたはパラレルプロトコルをサポートするピンのうちの任意のものか、またはそれらのすべてを含むことができる。PCB1107もまた、シリアル対イーサネット(登録商標)変換の制御機能のために必要な電子回路部品のすべてを組み込むことができる。当然のことながら、ピンの使用法は大きく異なっており、今後間違いなく、さらなるピン構成が利用されるであろう。このことに留意して、コネクタ1101は、正方形、長方形、フラットその他のピン断面のすべての様式、およびピン構成のすべての方法を含むように、婉曲的に解釈されるべきものである。重要な利点は、イーサネット(登録商標)のワイヤがコネクタ1101の外に引き出されてもよいことから、本明細書で言及されている新しいワイヤレスモジュールは磁気物質を組み込こむ従来のRJ−45ジャックを取り付けることができるということである。適切なプログラミングを含むことによって、シリアル、ワイヤレスおよびワイヤードのイーサネット(登録商標)インタフェースを含む、任意の提供されるインタフェースおよびプロトコルの間で、およびそれらの中でデータ通信が行われてもよい。
【0035】
PCB1107上の電子部品は、(本発明のためにASICで組み合わされる)マイクロプロセッサおよびイーサネット(登録商標)コントローラ、オペレーティングシステムおよび環境を記憶するための少なくとも256KBのメモリ、少なくとも1つのウェブページを記憶するための少なくとも2MBの不揮発性メモリ(本発明の中のフラッシュメモリ)、電圧レギュレータ、電圧管理回路、発振器(crystal)、レジスタ、キャパシタ、およびフェライトビーズ(本発明の中の表面実装ビード)を含むことができるが、それらに限定されるわけではない。
【0036】
図11Aおよび11Bによる現在の商業用の実施形態は、以下の仕様を有する。
【表1】


【0037】
マイクロプロセッサは、有利にもMILARRS機能を実装することができる。MILARRSとは、管理者のためにデバイスの状況を監視すること、デバイスのサブシステム、部品または資産についての在庫目録を作ること、デバイスによって生成されたデータまたはイベントを記録すること、定められた規則に基づいてデバイスの状況を管理者に警告するか、行動を起こすこと、デバイスが機能しなくなるか、またはシャットダウンする場合にデバイスを回復させること、デバイス情報または診断を管理者に報告すること、およびデバイスおよびその資産を脅威および危険から守ることを指す。この略成語および実装に関するさらなる詳細は、2005年1月7日に提出された米国特許第11/031643号の中で言及されている。
【0038】
図12で、筐体1201は、従来のパッシブ型RJ−45ジャックと高さおよび幅において類似の形状要素を表すことが可能であり、その場合の高さは12から14mm以上の範囲にあり、幅は15から24ミリ以上の範囲にあることが可能である。特に好ましい実施形態では、高さはおよそ13mmであり、幅はおよそ16mmである。変換回路は、PCB1203およびPCB1204に配置された複数の部品の間で、または必要であるか、また望ましい場合には他のボードにまたがって分割されることが可能ある。アンテナ1205に加えて、第2の(ダイバーシティ)アンテナが提供されることが可能である。
【0039】
図13で、デバイス1301は、2つのモジュール1303および1306が取り付けられた1つまたは複数の部品ボード1304、1305を有する。1303モジュールは、ハンダ付けされたピンを使用してボード1304に直に接続される。1306モジュールは、中間結合装置を使用してボード1305上に取り付けられることが可能である。モジュール1303と1306とはお互いに、および外界のデバイス1302と、それらの各々のアンテナ1307、1312および1308を使用して、従来のデバイス対デバイスの経路1309および1310を経由してワイヤレスで通信することができるが、同一デバイス内の2つのポイントをワイヤレスで接続する非従来型の経路1311によっても通信できる。経路1311は、ルーティングの柔軟性、構造上の一般性、および安全な暗号化または物理的便宜を含むデジタル信号の完全性を与えるのに、望ましいものでありうる。
【0040】
図13のデバイスは一般的なかたちで示されており、以下のものに限定されるわけではないが、情報技術機器、電子通信機器、ネットワーク型デバイス器具または遠隔管理モジュール、医療用またはセキュリティ機器、工業用監視、検出または制御機器、デジタルストレージまたは処理デバイスおよび機器、ならびに消費者向け音声または映像エンターテインメント部品またはデバイスを含む任意の適切なデバイスを表すことが意図されている。そのような考えられるデバイスは非常に多様なものであり、例えばチップの大きさの部品から、ラックマウント型筐体、部屋または建物の大きさのシステムまでサイズにおいて異なることが可能であり、また基本的なGPIO信号通信から完全なプロトコルブリッジング機能まで、またはMILARRS機能、ウェブサービス、ゲートウェイ機能、データベースのアクセスもしくは検索、またはワイヤレスのローカルもしくは世界規模のネットワーク接続によって可能とされる任意のその他の機能のうちの1つまたはすべての供給などの管理機能の含有まで、インテリジェンスにおいて異なることが可能である。
【0041】
したがって、ワイヤレス通信ポートの特定の実施形態および適用例が開示されてきた。しかしながら、本明細書の発明の概念から逸脱することなく、既に説明されたもの以外のより多くの修正形態が考えられることは、当業者には明らかであろう。したがって発明の主題は、添付の特許請求の範囲の趣旨の中以外で限定されるべきではない。さらに、明細書と特許請求の範囲の両方を解釈する際、すべての用語は文脈と矛盾することのない、最も幅広い可能な方法で解釈されるべきである。特に「含む」および「含んでいる」という用語は、非網羅的な方法で要素、部品またはステップについて言及するものとして解釈されるべきであり、その言及された要素、部品またはステップが、明確に言及されていないその他の要素、部品またはステップとともに存在するか、または利用されるか、または組み合わせられるということを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリアル通信プロトコルとワイヤレス通信プロトコルとの間で変換を行う論理回路を含む、電子部品ボードを取り付けることができる筐体と、
ボードへの接続のための物理コネクタと、
アンテナへのコネクタとを備える、モジュール。
【請求項2】
筐体がRJ45コネクタの断面を有する、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
筐体がRJ45コネクタを含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項4】
物理コネクタが、外部のRJ45ジャックを取り付けるためのピンを含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項5】
回路が単一のチップ上に配置される、請求項1に記載のモジュール。
【請求項6】
回路が複数の部品の間で分割される、請求項1に記載のモジュール。
【請求項7】
オペレーティングシステムを記憶する少なくとも256KBのメモリをさらに備える、請求項1に記載のモジュール。
【請求項8】
少なくとも1つのウェブページを記憶する少なくとも2MBのメモリをさらに備える、請求項1に記載のモジュール。
【請求項9】
電圧管理回路と5ボルト以下パワーフィードとをさらに備える、請求項1に記載のモジュール。
【請求項10】
物理コネクタが少なくとも3つのピンの配列を備える、請求項1に記載のモジュール。
【請求項11】
物理コネクタが少なくとも3つのフラットワイヤの配列を備える、請求項1に記載のモジュール。
【請求項12】
筐体内に複数の汎用プログラム可能入力/出力ピン(PIO)をさらに備える、請求項1に記載のモジュール。
【請求項13】
シリアル通信プロトコルがI2C、CAN、ProfiBus、SPIおよびUSBからなるグループから選択される、請求項1に記載のモジュール。
【請求項14】
ワイヤレス通信プロトコルが802.11x規格に対応する、請求項1に記載のモジュール。
【請求項15】
ワイヤレス通信プロトコルがIP、ARP、UDP、TCP、ICMP、Telnet(登録商標)、TFTP、AutoIP、DHCP、HTTPおよびSNMPのうちの少なくとも1つと一致する、請求項1に記載のモジュール。
【請求項16】
セキュリティ機能を提供するソフトウェアをさらに備える、請求項1に記載のモジュール。
【請求項17】
ソフトウェア機能が、WEP(ワイヤードイクイバレントプロトコル)セキュリティとWPA(ワイヤレスネットワーキング保護アクセス)セキュリティとのうちの少なくとも1つの含む、請求項16に記載のモジュール。
【請求項18】
MILARRS機能のうちの少なくとも1つを提供するソフトウェアをさらに備える、請求項1に記載のモジュール。
【請求項19】
電子メール警告と暗号化とのうちの少なくとも1つを提供するソフトウェアをさらに備える、請求項1に記載のモジュール。
【請求項20】
アンテナへのコネクタが同軸ケーブルを備え、モジュールの外部にあるアンテナをさらに備える、請求項1に記載のモジュール。
【請求項21】
データ転送またはプロトコル変換が、モジュールによってサポートされる少なくとも2つの物理インタフェースの間で提供される、請求項1に記載のモジュール。
【請求項22】
モジュールがボードにハンダ付けされる、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
ボードがフレキシブル基板を備える、請求項21に記載のデバイス。
【請求項24】
ボードに取り付けられており、第1シリアル対ワイヤレス通信モジュールとワイヤレスで通信する第2シリアル対ワイヤレス通信モジュールをさらに備える、請求項21に記載のデバイス。
【請求項25】
第1シリアル対ワイヤレス通信モジュールが、イーサネット(登録商標)プロトコルを使用してボード外の部品と通信する、請求項21に記載のデバイス。
【請求項26】
TCP/IPネットワークスタックおよびOSと、埋め込み型ウェブサーバとの実装を含む第1シリアル対ワイヤレス通信モジュールが取り付けられた電子部品ボードを有する、デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−81219(P2013−81219A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−265700(P2012−265700)
【出願日】平成24年12月4日(2012.12.4)
【分割の表示】特願2008−502145(P2008−502145)の分割
【原出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(507310167)ラントロニクス・インコーポレイテツド (6)
【Fターム(参考)】