説明

ワイン提供システム

【課題】 ワインボトルのインターネット販売における連携性に優れ、入出庫に際しては顧客自らが店舗に出向く必要がなく利用者側の負担を軽減でき利便性に優れるとともに、顧客の好みやワイン特性に応じてその適正条件で保存管理することができる保存信頼性に優れたワイン提供システムを提供する。
【解決手段】本発明のワイン提供システム10は、ユーザから預託されたワインボトルを所定の熟成環境に保持するためのワイン貯蔵部11と、ワインボトル毎にその熟成環境に保持するとともにワインボトルの在庫データを管理するためのサーバ12と、在庫データや熟成度などの保持情報を取得してワインボトルの出庫指示やセラーの環境条件設定を行うためのユーザ端末14と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット上などに設けられたワインショップと連携してレンタルワインセラーサービスをユーザに提供することのできるワイン提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、その消費量が拡大しているワインは酒販店やワイン専門店などの実店舗で販売され、購入したワインを熟成させて適温で飲用するための専用保管庫としてワインセラーが普及しつつある。しかし、家庭などにおいてワインセラーを持たない顧客などのために短期間ワインボトルを預かるサービスがワイン専門店などでなされている。また、一部の店では店舗の一部をワインセラーとして顧客に賃貸するサービスも見受けられる。
【0003】
なお、ワインセラーは、ワインボトルを長期間、良好な状態で保存するための保管庫であり種々の機能を備えたものが提案されている。このようなワインの保管技術に関連して、例えば、特許文献1には、ワインボトルを貯蔵する貯蔵室内に冷気を循環させて内部を約10℃に保つ冷気循環機構と、循環される冷気中の雑菌を除去する除菌手段と、貯蔵室内の湿度を約80%に保つ加湿手段などとを備えたワインセラーが開示されている。
【0004】
一方、図8に示すように、インターネットを介して注文、商品代金のやりとりを顧客端末と酒販店サーバとの間で行った後、商品を一時的にあるいは継続的に預かって保管するレンタルセラーサービスが知られており、この種のサービスは、「レンタル倉庫サービス」などと呼ばれ、主に家具、衣類、書籍などを保管するために利用されている。
例えば、特許文献2には、レンタル倉庫サービスを提供するためのシステムが記載され、この倉庫管理用コンピュータは、ユーザのコンピュータに倉庫の空き情報を提供する機能、ユーザのコンピュータから預入予約および引出要求を受け付ける機能を備えており、上記予約または要求を受信すると、それに従って荷物を収集する作業または荷物を配送する作業を行うための指示を生成するようになっている。
【特許文献1】特開2004−347233号公報
【特許文献2】特開平11−157616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の技術のものは以下のような課題があった。
(a)酒販店やワイン専門店で販売したワインボトルを預かるサービスや、実店舗の一部を顧客に賃貸するサービスのものは、短期間の無償サービスとして位置づけられ、レンタルセラーのサイズや収納の絶対量が限られる上に、入出庫に際しては顧客自らが店舗に出向く必要があって、利便性に欠けるという問題があった。
【0006】
(b)倉庫業者によるレンタルワインセラーの場合には、ワインのインターネット販売と密接に連携されていないため、入出庫時の送料や手間などの手続き上の負担に加えて、商品データを顧客自らが把握して、銘柄毎に異なるワイン特性に応じてその適正条件で保存管理する必要があり、利用者側の負担が大きいという問題があった。
【0007】
(c)特許文献1に記載のワインセラーを用いるものでは、大量のワインを一括管理する場合には適しているが、レンタルワインセラーのように、多数の顧客の好みやワイン特性に対応してワインボトルを適切な条件に管理することが困難で、インターネットを介したレンタルワインセラーの運営には難点があるという問題があった。
【0008】
(d)特許文献2に記載のレンタル倉庫サービスを提供するシステムでは、ワインボトルなどを個別に温度管理するような装置を有せず、ワインのように変質し易い商品を長期に亘って保存する信頼性に欠ける上に、倉庫にワインボトルなどを預けたいとき、あるいは倉庫に預けてあるものを飲用したいときは、その都度、サービス提供者に対して連絡する必要があり、ユーザにおける利便性に欠けるという問題があった。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するためになされたもので、ワインボトルのインターネット販売における連携性に優れ、入出庫に際しては顧客自らが店舗に出向く必要がなく利用者側の負担を軽減でき利便性に優れるとともに、顧客の好みやワイン特性に応じてその適正条件で保存管理することができる保存信頼性に優れたワイン提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明のワイン提供システムは、調温湿装置を備えてユーザから預託されたワインボトルを所定の熟成環境に保持するワイン貯蔵部と、前記調温湿装置を制御して前記ワインボトル毎にその熟成環境に保持するとともに前記ワインボトルの在庫データを管理するサーバと、前記サーバから出力される前記ワインボトルを保持するセラーの温度や湿度を含む在庫データや熟成度などの保持情報をインターネットを介して取得して、所望のワインボトルの出庫指示やセラーの環境条件設定を行うためのユーザ端末と、を有することを特徴とする。
【0011】
(2)本発明のワイン提供システムは前記(1)において、前記サーバには前記ユーザ端末を介してインターネット上のワイン購入サイトを介したユーザからの買い付け注文指令が入力され、指定されたワインボトルが前記ワイン貯蔵部に配置されることを特徴とする。
【0012】
(3)本発明のワイン提供システムは前記(1)又は(2)において、前記ワイン貯蔵部が免震構造を有して配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ワイン貯蔵部に保持されたワインボトル毎にその熟成環境に保持するとともに、インターネットを介して所望のワインボトルの出庫指示、セラーの環境条件設定を行って、ワインボトルを所定の飲用温度に保持しながらユーザに配送するので、ワインボトルのインターネット販売における連携性に優れ、利用者側の負担を軽減できるとともに、顧客の好みやワイン特性に応じてその適正条件でワインボトルを保存管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本実施形態のワイン提供システムは、調温湿装置を備えてユーザから預託されたワインボトルを所定の熟成環境に保持するワイン貯蔵部と、前記調温湿装置を制御して前記ワインボトル毎にその熟成環境に保持するとともに前記ワインボトルの在庫データを管理するサーバと、前記サーバから出力される前記ワインボトルを保持するセラーの温度や湿度を含む在庫データや熟成度などの保持情報をインターネットを介して取得して、所望のワインボトルの出庫指示やセラーの環境条件設定を行うためのユーザ端末と、を有する。
これによって、ワインボトルのインターネット販売における連携性に優れたシステムを構築することができる。さらに、利用者側の負担を軽減できるとともに、顧客の好みやワイン特性に応じてその適正条件でワインボトルを保存管理することができるワイン提供システムとすることができる。
【0015】
すなわち、本実施形態のワイン提供システムでは、インターネットワインショップなどにレンタルワインセラー業務を組み合わせて、例えば、以下のようなビジネスサービスなどの仕組を個別にもしくは事業全体として展開することができる。
・インターネット上で営業するワイン小売販売に付随した形で、顧客からワインを長期間有料で預かるレンタルセラーサービス。
・預かり在庫に関してはオンラインで顧客に情報提供する『マイセラーアカウント』サービス。
・オンライン上で詳細な商品データ(ボトル入庫日などの履歴、買価、生産国、ヴィンテージ、飲み頃等)提供とこれらに関わるポートフォリオ分析サービス。
・セラー内の温度と湿度もリアルタイムで表示する情報提供サービス。
・オンラインの在庫データから出庫依頼を作成するサービス。
【0016】
これらのサービスを本実施形態のワイン提供システムに導入することによって、ユーザ側においては、保管場所がないために購入を諦めざるを得なかった商品を気兼ねなく購入でき、セラーの故障や引越し時等の手間から開放されるとともに、自分のコレクションを何時でもネットで閲覧できるという利便性を付加することができる。
【0017】
一方、本実施形態のワイン提供システムの管理者側においては、消費者がセラーのスペース制限やその他の懸念なくショッピングできるので、保存に気を使う比較的高額商品の購買を促進し売上げ増に寄与できる。加えて、ユーザがセラーを確認するために頻繁にサイトを閲覧してもらえるので、そのついでに商品を購入する機会を自然に増加させることができる。
【0018】
ワイン貯蔵部は、ユーザからインターネットなどを介して預託されたワインボトルを所定の温度や湿度などの熟成環境に保持するための装置であり、内部に格子状などに多数配列されたボトルセラー毎にそれぞれの環境条件を調温湿装置を介して設定できるようになっている。なお、ワインボトルの製造履歴情報などが記録されたICタグをワインボトル毎に装着しておき、ワイン貯蔵部に設けたICタグ読取装置とサーバとの間で通信して、これらのデータをサーバで管理することができる。これによってワインボトル出荷時における配送先の間違いや、設定されたボトル温度などの保持条件を適正かつ迅速にチェックすることができる。
また、前記ICタグには、ワインボトルの製造履歴以外の情報として、商品ID、商品サブID(JANコードなど)、入荷日、購入顧客ID、購入日、購入価格などを記録して、これらのデータをサーバで管理することができる。
【0019】
調温湿装置はサーバによって制御される温度調節器や加湿器、及びセラー内の温度や湿度を検知するためのセンサなどを備え、ワイン貯蔵部内に冷気を循環させてセル内を熟成環境に維持させるための冷気循環機構を有している。なお、熟成環境はワイン銘柄などによって異なるが、温度は約10〜15℃、湿度は75〜85%の範囲とすることが好ましい。
【0020】
サーバとしては、インターネットを介してアクセス可能に配置されたコンピュータが挙げられ、調温湿装置を制御してワインボトル毎にその熟成環境を保持させることができるとともに前記ワインボトルの在庫データを管理して、ユーザからのアクセス要求などに応じて所定のワインセラーのデータやワインセラー内の熟成環境を制御するためのコマンドを発信する機能を有している。
【0021】
ユーザ端末としては、ユーザによって操作されるコンピュータや携帯電話、PDAなどが挙げられる。ユーザ端末がサーバにアクセスして出力されるワインセラーの在庫データや熟成度などの保持情報を取得することができるとともに、所望のワインボトルの出庫指示やセラーの環境条件設定を行うことができる。
【0022】
また、本実施形態においてはワインボトルをユーザに送り届けるためのワイン配送手段を設けることができ、ワイン配送手段としては、トラック便や航空便などの宅配サービスに用いられるワイン配送用ボックスを備えたものなどが挙げられる。こうして、サーバからの指示コマンドに従って前記出庫指示されたワインボトルをワイン貯蔵部から取り出して、ワイン配送用ボックス内にワインボトルを保持しながらユーザ端末で指示されたユーザに短時間で配送するようになっている。なお、ワインボトルにICタグを装着した場合には、保管位置の識別などが自動化できるため、これらに伴う出庫管理を迅速かつ正確に行うことができる。
【0023】
また、ICタグの導入によってシステム検索によりワインボトルの所在を確認でき、また、セラー近傍に設けたICタグ読取装置によってボトルの入ったセラーに配置したLEDランプを点灯させるようにして、収納場所を視覚的に報知するようにしてもよい。また、セラーのなかでボトルの位置を入れ替えることがあっても瞬時にボトル位置を検出して、サーバのワイン管理データを書き換えることができる。こうして、常時ワインボトルの所在を確認することで誤配置を防止したり、棚卸の際もシステムの棚卸モードで前回の棚卸時データと比較することでどのボトルが無くなっているかをモニタ上などで素早く確認したりすることができる。
【0024】
本実施形態のワイン提供システムにおいては、前記サーバには前記ユーザ端末を介してインターネット上のワイン購入サイトを介したユーザからの買い付け注文指令が入力され、指定されたワインボトルが前記ワイン貯蔵部に配置されることにも特徴を有している。これによって、ユーザは購入したワインを手元においておくことなく、遠隔地のワイン貯蔵庫を必要に応じて管理しながらその熟成環境に保持しておくことができるとともに、ユーザ端末を用いて所望の時期にユーザの手元に配送してこれをいつでも飲用することができる。
【0025】
本実施形態のワイン提供システムは、前記ワイン貯蔵部が免震構造を有して配置されていることにも特徴を有している。これによって、地震時のみならず周囲の工事などに伴う微小振動に対してもワインボトル内のワインの流動現象を抑制して、その熟成環境をさらに好適に維持することが可能となり、ワイン愛好家に対する信頼性を高めることができる。免震構造としては、ワイン貯蔵部の下に積層ゴムやダンパーなどの免震装置を設置して、地震や微振動などの揺れを減衰させる構造が挙げられる。また、ワイン貯蔵部が配置される建物自体の基礎部分や中間部分に耐久性とメンテナンス性に優れた積層ゴムとダンパーからなる免震層を設け、水平振動などを減衰させることもできる。これによってワインの揺れを防止して、その熟成環境を維持することができる。ワイン貯蔵部に高減衰積層ゴムを用いる場合は、低温下でゴム特性を発揮させるために断熱材を用いることが望ましい。
【実施例1】
【0026】
図1は、インターネットワインショップにレンタルワインセラー業務を組み合わせて構成される本発明の実施例1に係るワイン提供システムの説明図である。
図1において、10は実施例1に係るワイン提供システムであり、ユーザから預託されたワインボトルを所定の熟成環境に保持するためのワイン貯蔵部11と、インターネット13に接続されワインボトル毎にその熟成環境に保持してワインボトルの在庫データを管理するためのサーバ12と、ワインボトルの出庫指示やセラーの環境条件設定などを行うためのユーザ端末14と、を備えている。なお、出庫指示されたワインボトルをワイン貯蔵部11から取り出してユーザに配送するためのワイン配送ボックスなどのワイン配送手段15を備えていてもよい。
【0027】
実施例1に係るワイン提供システム10は、図示するようにインターネットワインショップにレンタルワインセラー業務を組み合わせて構成したものであり、ネット上で営業するワイン小売販売に付随した形で、顧客からワインを長期間有料で預かるサービスを提供することができるようになっている。
このようなワインの預かり在庫に関しては、インターネット13を介してユーザの保有するパソコンや携帯電話などのユーザ端末14を用いて、サーバ12からオンラインで顧客に情報提供するような『マイセラーアカウント』のサービスを行うことができる。
また、オンライン上で表1に示すようなワイン管理データ(購入日、タイプ、ワイン名、生産者、生産年、購入価格、パーカーポイント、生産国、生産地等のデータ)をサーバに保持しておき、ユーザに対してこのワイン管理データの提供サービスを行うとともにポートフォリオ分析サービスを提供することもできる。
【0028】
【表1】

【0029】

ワイン貯蔵部11には各種センサやカメラ、ICタグ読取装置などを必要に応じて設けることができ、サーバ12にアクセスしたユーザ端末14のモニタ画面上にワイン貯蔵部11のセラー内の状況や温度や湿度などの情報をリアルタイムで表示することができる。
【0030】
ワイン提供システム10においては、ユーザ端末14を介してインターネット13上のワイン購入サイトを介したユーザからの買い付け注文指令がサーバ12に入力され、指定されたワインボトルがワイン貯蔵部11に配置される。ユーザはユーザ端末14を用いてサーバ12に保持されたワインボトルの在庫データから出庫依頼を作成する。これによって、ワイン貯蔵部11から所定のワインボトルが取り出されて、ワインボトルを適温に維持しながらワイン配送手段15によってユーザの手元に送り届けられるようになっている。
従って、従来のワイン専門店などのような実店舗での販売に較べて、スペースが狭く限定されることがなく、大量、多種類のワインをワイン貯蔵部11に確保できる。
加えて、インターネットショップとの連携性に優れ、ワインボトルの入出庫に関しては顧客自らが店舗に出向く必要もないので、利便性に優れている。また、顧客に入出庫時の送料や手間の負担をかけることがなく、レンタルセラーの潜在顧客を開拓することができる。
【0031】
すなわち、実施例1のワイン提供システム10によれば、以下のような優れた効果を有している。図2〜図4にユーザ端末の表示画面の一例を示す。
・インターネット13を介していつでも預かり中のワインを閲覧できるようにすることができる。
・サーバ12からユーザ端末14に商品に関する付加情報を提供し、ワイン貯蔵部11内のコレクションを眺める楽しみを提供することができる。
・セラー内の温度や湿度などの情報をユーザ端末14のモニタ画面上に表示できるので、顧客に安心してワインを預けてもらうことができる。
・サーバ管理者が所定のデータ(製造年月日、入庫日などのデータやプログラムを予め入力しておくことでワインの飲み頃情報も提供することができるので、ワインの一番おいしいときを逃さないお手伝いをすることができる。
【0032】
・出庫に際しては、ユーザが預けている商品リストの中から設定条件により抽出して簡単にリストアップできるようにして、そのまま出庫依頼できる。
・出庫依頼から実際の配送までの時間を最短にすることで、自宅のセラーと同じ感覚でワイン貯蔵部11を利用できる。
・ユーザにとっては、自宅などに保管場所がないために購入を諦めざるを得なかった商品を気兼ねなく購入できる。
・セラーの故障や引越し時等に伴う手間から開放される。
・サーバ管理者側にとっては、消費者がセラーのスペース制限やその他の懸念なくショッピングできるので、保存に気を使う比較的高額商品の購買を促進して売上げ増に寄与できる。
・セラーを確認するために頻繁にサイトを閲覧してもらえるので、そのついでに商品を購入する機会を自然に増加させることができる。
【実施例2】
【0033】
図5、6は、実施例1のワイン提供システムに、倉庫業者を加えた実施例2に係るワイン提供システムの説明図である。図5はユーザがワインを購入する時のフロー図であり、図6はユーザがワインを出庫する時のフロー図である。
実施例2のワイン提供システムにおいては、実施例1におけるワイン貯蔵部11が外部の倉庫業者の場合である。
図5に示すように、顧客(ユーザ)はユーザ端末からインターネットを介してサーバ(WEBシステム)に対してマイセラーに入庫の指示(発注)をする(買い付け注文指令の入力)。
サーバ(WEBシステム)はバックシステムに対して発注処理の情報を流し入庫処理の指示をすると、倉庫業者の倉庫に指定されたワインボトルが入庫される。
【0034】
次に、ユーザがワインを出庫する時は、図6に示すように、
顧客(ユーザ)はユーザ端末からインターネットを介してサーバ(WEBシステム)にマイセラーから出庫指示をする。
サーバ(WEBシステム)はバックシステムを介して倉庫業者に対して出庫指示をすると、倉庫業者から指定されたワインボトルが顧客(ユーザ)に送付される。
【実施例3】
【0035】
図7は、実施例1のワイン提供システムに、他店舗のWEBシステム及びその店舗のWEBシステムと接続されたを倉庫業者を加えた場合の実施例3に係るワイン提供システムの説明図である。
実施例3のワイン提供システムにおいては、サーバーは、顧客(ユーザ)のユーザ端末からの直接指示を受けずに、他店舗のWEBシステムを介してやりとりを行う場合である。
図7に示すように、顧客(ユーザ)はユーザ端末からインターネットを介して他店舗のWEBシステムに接続し、他店舗のWEBシステムに対してマイセラーに入庫の指示(発注)をする(買い付け注文指令の入力)。
他店舗のWEBシステムは、その店舗のWEBシステムと接続されたを倉庫業者に対して入庫の指示をすると、その倉庫業者から当社のシステムと接続された倉庫業者の倉庫に指定されたワインボトルが送付され入庫される。
当社のシステムと接続された倉庫業者は、他店舗からのワインボトルが送付され入庫されると、当社のバックシステムを介してWEBシステムに入庫更新情報が入力される。
【0036】
以上説明したように、本発明のワイン提供システムは、インターネットに接続されたサーバを介してワインボトルをその熟成環境に保持するとともにワインボトルの出庫指示、セラーの環境条件設定を適宜行ってユーザに配送するようにしたことを要旨とするものであり、これに該当するものは本発明の権利範囲に属する。例えば、実施例では、ワインボトルが収納されるセラー毎にその熟成環境を制御するようにしたが、ワインボトル毎にその管理情報データが記載されたICタグを接着して、ワイン貯蔵部に配置したICタグ読取装置をユーザ端末により操作してこの管理情報がユーザにより読み出せるようにしたり、宅配便などにおけるワインボトル配送管理の効率化がなされるようにしたりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のワイン提供システムは、インターネットを介して所望のワインボトルの出庫指示、セラーの環境条件設定を行って、ワインボトルを所定の飲用温度に保持しながらユーザに配送することができ、
ワインボトルのインターネット販売における連携性に優れ、利用者側の負担を軽減でき、
産業上の利用可能性が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施例1に係るワイン提供システムの説明図である。
【図2】実施例1に係るワイン提供システムのユーザー端末表示画面の一例である。
【図3】実施例1に係るワイン提供システムのユーザー端末表示画面の一例である。
【図4】実施例1に係るワイン提供システムのユーザー端末表示画面の一例である。
【図5】実施例2に係るワイン提供システムの説明図である。
【図6】実施例2に係るワイン提供システムの説明図である。
【図7】実施例3に係るワイン提供システムの説明図である。
【図8】従来例のレンタルセラーサービスの説明図である。
【符号の説明】
【0039】
10 実施例1のワイン提供システム
11 ワイン貯蔵部
12 サーバ
13 インターネット
14 ユーザ端末
15 ワイン配送手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調温湿装置を備えてユーザから預託されたワインボトルを所定の熟成環境に保持するワイン貯蔵部と、
前記調温湿装置を制御して前記ワインボトル毎にその熟成環境に保持するとともに前記ワインボトルの在庫データを管理するサーバと、
前記サーバから出力される前記ワインボトルを保持するセラーの温度や湿度を含む在庫データや熟成度などの保持情報をインターネットを介して取得して、所望のワインボトルの出庫指示やセラーの環境条件設定を行うためのユーザ端末と、
を有することを特徴とするワイン提供システム。
【請求項2】
前記サーバには、前記ユーザ端末を介してインターネット上のワイン購入サイトを介したユーザからの買い付け注文指令が入力され、指定されたワインボトルが前記ワイン貯蔵部に配置されることを特徴とする請求項1記載のワイン提供システム。
【請求項3】
前記ワイン貯蔵部が免震構造を有して配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のワイン提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−269491(P2007−269491A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300975(P2006−300975)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(506084036)株式会社At Home Wine (1)
【Fターム(参考)】