説明

ワクチンの改良

本発明は、不安定な免疫原の安定化ワクチン組成物を製造する方法に関する。該方法では、1種以上の免疫原を含有する流体を、約25〜50℃の温度で、医薬に適する水溶性物質の流動粒子を有する反応器内に噴霧し、それにより流動状態で免疫原を粒子上にコーティングして乾燥し、その後約0.1〜10 % w/wの水分含量を示す乾燥した免疫原含有粒子を反応器から回収する。また本発明は、不安定な免疫原の安定化ワクチン組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的にはワクチン製造における改良、および不活性化に対して安定化されたワクチン組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
人間および動物、さらに養殖水産物の疾患を予防するために、ウイルス粒子もしくは細菌細胞、または組換えDNA技術により作製した蛋白質抗原を含むワクチンが広く用いられている。一般に、ワクチンに用いられるウイルス粒子および細菌は弱毒化されており、さもなければ病原性を減少または除去するために薬剤により処理されている。一般的な手法を用いて、病原性が低下または欠失したウイルスまたは細菌を作製しうる。
【0003】
マイコプラズマによる疾患、その他の感染源、例えば後生動物または原生動物による疾患に対してもワクチンが開発されている。
【0004】
生体物質、例えば溶液中の生体物質は、熱、酸化剤、塩などのせいで不活性化しやすいことがよく知られている。ワクチンに用いられるウイルス粒子、細菌およびその他の感染源は周囲温度で短期間に容易に不活性化しうる。不活性化により、低温保存においても生ワクチンの感染性の喪失や低下、または免疫原性の喪失が起きうる。多くのウイルス粒子、例えばヒトインフルエンザウイルス、ヒト肝炎ウイルス、トリ気管支炎ウイルスは、4℃の温度で短期間のみ生存しうる。
【0005】
疾患に対して人間または動物を免疫化するために用いられる、例えばウイルスを含むワクチンは、一般に4℃以下の温度、例えば−20℃で保存することが必要である。このようなワクチンは、製造後2〜14日間など、比較的に短期間のみ安定でありうる。低温保存の必要性から取扱上および輸送上の問題が生じる。低温保存は費用がかかる。ワクチンは低温においても短期間しか活性でないために、その使用が制限され、そのコストが高くなり、そして特に発展途上の第三世界の国々におけるワクチンの頒布が制限される。
【0006】
例えば人間および動物の健康のために用いられる多くの市販ワクチン製剤は、ワクチン投与後に最大の保護効果を発揮するために粒子全体または細胞全体を用いている。このようなワクチンとして病原性を低下または欠失させた生ワクチンがある。これらの製剤は上述したとおり厳密な冷蔵保存が必要であり、従って貯蔵期間は短い。
【0007】
ワクチンの調製のために真空凍結乾燥法が提唱されている。例えばEP-A-290197は四価ワクチンの凍結乾燥製剤を記載している。
【0008】
伝統的な凍結乾燥法は、ウイルス粒子、細菌細胞、またはそれらに由来する蛋白質抗原などの免疫原を含有する溶液を凍結し、そしてその氷晶を真空下で水蒸気に変換する(昇華)ものである。残念ながら、このような方法は、蛋白質の天然構造を傷つけ、ウイルス粒子や細菌細胞を破壊する。従って免疫原に対して有害な影響が発生し、免疫原性が低下または欠失しうる。
【0009】
また凍結乾燥は、多くの可変的要素を伴う複雑な方法でもあり、再現的に行うことが難しいこともある。
【0010】
ワクチンの製造分野における凍結乾燥に伴う別の問題は処理条件である。少容積では高用量のワクチン材料を濃縮することができない。実際、凍結乾燥法では、真空に曝される流体の表面積が大きいことが重要である。凍結した材料本体の上部しか真空に曝されないので、凍結乾燥される表面積を最大化するためにワクチンを大きな容器で凍結乾燥する必要がある。従ってこのような方法のための装置は場所をとり、非効率的である。その結果、凍結乾燥ワクチンは一般に製造費用が高い。
【0011】
米国特許5,616,329は、その熱安定な成分のみの免疫原性が維持されるように細菌懸濁液のエアロゾルを高温に曝すという方法を記載している。この米国特許の熱不活性化工程は100〜160℃の温度を用いる。この方法では熱不安定な成分の免疫原性は失われ、よってこの方法は多くのワクチン製造には適さない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、ワクチン分野における様々な問題、例えば費用と製造の困難性、取扱と保存の制約、およびワクチンの安定性と免疫原性の維持、を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、1つの態様として、1種以上の免疫原、例えばウイルス粒子、細菌細胞、マイコプラズマ、プリオン、または人間、動物もしくは水生生物の疾患原因物質、ウイルスや細菌などの疾患原因生物の抗原物質、および核酸配列を含有するワクチンを製造する方法を提供する。本発明の方法は、不活性化および免疫原性の喪失に対して免疫原を安定化する。
【0014】
本発明は、最も広い方法の態様として、不安定な免疫原の安定化ワクチン組成物を製造する方法を提供する。この方法では、1種以上の免疫原を含有する流体を、約25〜約50℃、好ましくは約30〜46℃の温度で、医薬に適する水溶性物質の流動粒子を有する反応器内に噴霧し、それにより流動状態で免疫原を粒子上にコーティングして乾燥し、その後約0.1〜約10 % w/wの水分含量を示す乾燥した免疫原含有粒子を反応器から回収することによって、安定化したワクチン組成物を得る。
【0015】
本発明は、別の態様として、免疫原をコーティングした、医薬に適する水溶性物質の粒子を含み、好ましくは室温で安定であり、そして約0.1〜約10 % w/wの水分含量を示す安定化ワクチン組成物を提供する。
【0016】
該免疫原は、好ましくはウイルス粒子、細菌細胞、その他の微生物、真核細胞、またはそれらの抗原性物質を含む。該免疫原は、多価のワクチン組成物を得るために、2種以上の異なるウイルス粒子、細菌細胞、その他の微生物、またはそれらの抗原性物質などを含みうる。
【0017】
該ウイルス粒子は好ましくは1種以上の人間および動物のウイルスを含む。
【0018】
ヒトウイルスの例は、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス1型および2型、帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、ヒトヘルペスウイルス6型および7型、インフルエンザウイルス、RS (respiratory syncital)ウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスおよびライノウイルス、ヒト免疫不全ウイルスおよびレンチウイルス、ヒトパピローマウイルス、麻疹ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、ポリオウイルス、風疹ウイルス、ヒトロタウイルス、水痘ウイルス(例えば天然痘ウイルス)、日本脳炎などの伝染性疾患のアルボウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルスおよび狂犬病ウイルス、黄熱病ウイルス、西ナイルウイルス、並びにデングウイルスである。
【0019】
トリウイルスの例は、鶏インフルエンザウイルス、ニューカッスル病ウイルス、トリ鼻気管炎ウイルス、トリヘルペスウイルス、鶏痘ウイルス、トリ脳脊髄炎、伝染性気管支炎、伝染性ファブリキウス嚢病(ガンボロ病)、マレック病ウイルス、トリレオウイルス、鶏伝染性喉頭気管炎ウイルス、軟卵症候群ウイルスである。
【0020】
ブタウイルスの例は、ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス、手足口病ウイルス、ブタインフルエンザウイルス、ブタパルボウイルス、仮性狂犬病ウイルス、およびブタロタウイルス、ブタインフルエンザウイルスである。
【0021】
ネコウイルスの例は、ネコヘルペスウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ汎白血球減少症ウイルス、ネコ鼻気管炎ウイルス、ネコカルシウイルス、ネコ鼻気管炎ウイルス、ネココロナウイルス、および狂犬病ウイルスである。
【0022】
イヌウイルスの例は、イヌジステンパーウイルス、イヌアデノウイルス、パラインフルエンザおよびイヌパルボウイルス、イヌ肝炎ウイルス、イヌヘルペスウイルス、および狂犬病ウイルスである。
【0023】
ウマウイルスの例は、ウマ脳炎ウイルス(東部、西部、ベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス)、ウマインフルエンザウイルス、およびウマヘルペスウイルス(ウマ鼻肺炎ウイルス)である。
【0024】
ウシウイルスの例は、ウシ鼻気管炎ウイルス、ウシ下痢ウイルス、ウシRSウイルス、コロナウイルス、手足口病ウイルス、およびパラインフルエンザウイルスである。
【0025】
ウイルス粒子は好ましくは生きたものである。本発明のワクチン組成物は自由流動する粉末なので、異なる免疫原を含有するワクチンを、従来のワクチン混合液では起きうる適合性の問題なしに、容易に混合することができる。従って本発明の好ましい態様は、2種以上の異なるワクチン組成物を含有する多価のワクチン組成物である。
【0026】
細菌細胞は、好ましくは例えば下記細菌属中の1種以上の細菌を含む:
エシェリキア(Escherichia)属、例えば大腸菌(Escherichia coli)、例えば腸管毒素原生、腸管病原性、腸管浸入性および腸管凝集性大腸菌;
サルモネラ(Salmonella)属、例えばSalmonella TyphiおよびSalmonella enteritidis;
ヘモフィリス(Haemophilus)属、例えばHaemophilus influenzae(例えばH. influenza 血清型B型)、Haemophilis parasuis、Heamophilis somnusおよびHaemophilis paragallinarum(伝染性コリーザ病);
クラミジア(Chlamydia)属、例えばChlamydia pneumoniaeおよびChlamydia trachomatis;
ナイセリア(Neisseria)属、例えばNeisseria meningitidis;
ビブリオ(Vibrio)属、例えばVibrio cholerae;
ストレプトコッカス(Streptococcus)属A群およびB群、例えばStreptococcus pneumoniae(肺炎球菌)およびStreptococcus suis;
レジオネラ(Legionella)属、例えばLegionella pneumophila;
バチルス(Bacillus)属、例えばBacillus anthracis;
マイコバクテリウム(Mycobacterium)属、例えばMycobacterium lepraeおよびMycobacterium paratuberculosis;
クロストリジウム(Clostridium)属、例えばClostridium bolutinum、Clostridium tetani、Clostridium prefringengensおよびClostridiun Difficile;
パスツレラ(Pasteurella)属、例えばPasteurella multocidaおよびPasteurella heamolytica;
ボルデテラ(Bordetella)属、例えばBordetella bronchisepticaおよびBordetella pertussis;
アクチノバチルス(Actinobacillus)属、例えばActinobacillus pleuropneumoniaeおよびActinobacillus suis;並びに
Erysipelothrix rhusiopathiae、レプトスピラ(Leptospira)属、Borrelia burgdorferi、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylor)およびCorynebacteium diphtheriaeなどの細菌。
【0027】
本発明では、マイコプラズマ、例えばMycoplasma hyopneumoniae、Mycoplasma gallisepticum、Mycoplasma synoviaeおよびMycoplasma pneumoniaeも用いうる。
【0028】
免疫原は、好ましくは、病原性ウイルス、細菌および/または他の病原性微生物に由来する抗原物質を含む。このような抗原物質は、ウイルスの亜粒子、核酸を含まないウイルス粒子、ウイルス蛋白質、細菌蛋白質、細菌のリポ多糖、糖蛋白質、炭水化物、または2種以上の前記抗原物質を含む。抗原物質は、アミノ酸配列、または多糖、組換えDNA技術により製造した抗原などを含むエピトープでよく、それらはウイルスおよび/または細菌の蛋白質および/または炭水化物および/または脂質配列に由来するものでよく、場合によりペプチドや蛋白質などの担体に結合させたものでよい。
【0029】
該ワクチン組成物は好ましくは自由流動する粒子状組成物である。
【0030】
医薬に適した水溶性物質に適用する免疫原コーティング剤は、好ましくは、アミノ酸、蛋白質、キレート剤、緩衝剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、乳化剤、可塑剤および滑沢剤などの付加的成分を含む。
【0031】
好ましくは免疫原コーティング剤はアジュバント、例えばアルミニウム塩(ミョウバン)、ムラミールペプチドおよび類似体または誘導体、サポニン(例えばキラヤサポニン)またはサポニン含有化合物(例えばISCOM(登録商標))、ポリヌクレオチドまたは合成核酸誘導体、例えばポリリボヌクレオチド、硫黄含有化合物、例えばレバミゾール(Levamisole)、ポリマー、および複素環式および芳香族化合物、例えばDivema、およびプルロニックなポリオール、アミンおよび脂質含有化合物、アブリジン(avridine)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、ポリリン酸、サイトカイン(例えばインターフェロン)または生分解性油中水型乳液、例えば乳化パラフィン、を含む。また、免疫刺激性、免疫調節性または抗原提示性を示すその他の助剤もしくは薬剤、および市販製剤のImpran、Emunade、Emulsigenおよび/またはAmphigenも用いうる。
【0032】
該ワクチン組成物は好ましくは生ワクチンである。すなわち免疫原は、免疫対象において天然ウイルス感染を擬態することにより免疫応答を誘導することができる。生ワクチン組成物は、4℃または周囲温度、例えば25℃で30日間もしくはそれを超えた期間保存しても安定でありうる。例えば免疫原がウイルス粒子である場合、ウイルス粒子は製造時点で生きていて感染性を有し、それでも室温保存で安定である。このように製造された生ワクチン組成物は、周囲温度、例えば25℃で30日間もしくはそれを超えた期間保存しても安定でありうる。
【0033】
1種以上の免疫原を含有する流体は、好ましくは、免疫原、例えばウイルス粒子、細菌細胞またはその他の微生物、真核細胞、あるいはウイルス粒子、細菌細胞またはその他の微生物の抗原物質、の懸濁液または分散液を含む。
【0034】
1種以上の免疫原を含有する流体は、免疫原を含有する培地またはその他の水性の液体もしくは媒体でよい。該流体は、1種以上の付加的な成分、例えばアミノ酸、蛋白質、キレート剤、緩衝剤、塩、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、乳化剤、可塑剤および滑沢剤を含んでもよい。
【発明の効果】
【0035】
本発明は、ワクチン分野における様々な問題、例えば費用と製造の困難性、取扱と保存の制約、およびワクチンの安定性と免疫原性の維持、を解決することができる。
本発明のワクチン製造方法によれば、不活性化および免疫原性の喪失に対して免疫原を安定化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は、種々の態様でワクチン組成物の製造方法および安定化ワクチン組成物を提供する。本発明の方法は、ウイルス粒子、細菌細胞、マイコプラズマ、プリオン、その他の人間、動物もしくは水生生物の疾患原因物質、あるいは、ウイルス粒子、細菌細胞、マイコプラズマ、プリオンまたはその他の疾患原因物質の抗原物質を含有するワクチンの製造に適する。本発明の方法は、一つの好ましい態様として、より長期間室温で安定である高性能な生ワクチンおよびその製造方法を提供する。このようなワクチン組成物はこれまで知られていない。
【0037】
本発明は、1つの態様として、1種以上の免疫原、例えばウイルス粒子、細菌細胞、マイコプラズマ、プリオンまたはその他の人間、動物もしくは水生生物の疾患原因物質、あるいはそれらの抗原物質を含有するワクチンの製造方法を提供する。本発明の方法は、不活性化および免疫原性の喪失に対して免疫原を安定化する。本発明は、この態様として、免疫原、特に不安定な免疫原の安定化ワクチン組成物の製造方法を提供する。この方法では、1種以上の免疫原を含有する流体を、約25〜約50℃、好ましくは約30℃の温度で、医薬に適する水溶性物質の流動粒子を有する反応器内に噴霧し、それにより流動状態で免疫原を粒子上にコーティングして乾燥し、その後約0.1〜約10 % w/wの水分含量を示す乾燥した免疫原含有粒子を反応器から回収することによって、安定化ワクチン組成物を得る。
【0038】
該免疫原は、ウイルス粒子、細菌細胞、その他の微生物、または真核細胞、あるいはそれらの抗原性物質を含みうる。該免疫原は、多価のワクチンを得るために、2種以上の異なるウイルス粒子、細菌細胞、その他の微生物、またはそれらの抗原性物質を含みうる。
【0039】
本発明では、任意のタイプのウイルス粒子、細菌細胞、マイコプラズマ、プリオンまたはその他の人間、動物もしくは水生生物の疾患原因物質、あるいは、ウイルス粒子、細菌細胞、マイコプラズマ、プリオンまたはその他の疾患原因物質の抗原物質を用いうる。
【0040】
該免疫原は好ましくはウイルス粒子を含む。好ましいウイルス粒子は、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス1型および2型、帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、ヒトヘルペスウイルス6型および7型、インフルエンザウイルス、RS (respiratory syncital)ウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスおよびライノウイルス、ヒト免疫不全ウイルスおよびレンチウイルス、ヒトパピローマウイルス、麻疹ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、ポリオウイルス、風疹ウイルス、ヒトロタウイルス、水痘ウイルス(例えば天然痘ウイルス)、日本脳炎などの伝染性疾患のアルボウイルス、ダニ媒介性脳炎および狂犬病ウイルス、黄熱病ウイルス、西ナイルウイルス、デングウイルス、トリウイルス、ブタウイルス、ネコウイルス、イヌウイルス、ウマウイルス、およびウシウイルスを含む。
【0041】
細菌細胞は、好ましくは例えば下記細菌属中の1種以上の細菌を含む:
エシェリキア(Escherichia)属、例えば大腸菌(Escherichia coli)、例えば腸管毒素原生、腸管病原性、腸管浸入性および腸管凝集性大腸菌;
サルモネラ(Salmonella)属、例えばSalmonella TyphiおよびSalmonella enteritidis;
ヘモフィリス(Haemophilus)属、例えばHaemophilus influenzae(例えばH. influenza 血清型B型)、Haemophilis parasuis、Heamophilis somnusおよびHaemophilis paragallinarum(伝染性コリーザ病);
クラミジア(Chlamydia)属、例えばChlamydia pneumoniaeおよびChlamydia trachomatis;
ナイセリア(Neisseria)属、例えばNeisseria meningitidis;
ビブリオ(Vibrio)属、例えばVibrio cholerae;
ストレプトコッカス(Streptococcus)属A群およびB群、例えばStreptococcus pneumoniae(肺炎球菌)およびStreptococcus suis;
レジオネラ(Legionella)属、例えばLegionella pneumophila;
バチルス(Bacillus)属、例えばBacillus anthracis;
マイコバクテリウム(Mycobacterium)属、例えばMycobacterium lepraeおよびMycobacterium paratuberculosis;
クロストリジウム(Clostridium)属、例えばClostridium bolutinum、Clostridium tetani、Clostridium prefringengensおよびClostridiun Difficile;
パスツレラ(Pasteurella)属、例えばPasteurella multocidaおよびPasteurella heamolytica;
ボルデテラ(Bordetella)属、例えばBordetella bronchisepticaおよびBordetella pertussis;
アクチノバチルス(Actinobacillus)属、例えばActinobacillus pleuropneumoniaeおよびActinobacillus suis;並びに
Erysipelothrix rhusiopathiae、レプトスピラ(Leptospira)属、Borrelia burgdorferi、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylor)およびCorynebacteium diphtheriaeなどの細菌。
【0042】
本発明では、マイコプラズマ、例えばMycoplasma hyopneumoniae、Mycoplasma gallisepticum、Mycoplasma synoviaeおよびMycoplasma pneumoniaeも用いうる。
【0043】
ウイルス粒子、細菌細胞、その他の微生物、またはその他の免疫原は、生きた、または無傷の、すなわち熱処理その他の方法により殺されていないものでよい。本発明の好ましい態様にかかる方法は、生きた免疫原、例えば生きたウイルス粒子を含有するワクチン組成物の製造に適する。人間、動物もしくは水生生物のいずれであれ対象に投与すれば、生きたウイルス粒子またはその他の免疫原を含有するワクチン組成物は強い免疫反応を惹起する。
【0044】
あるいは、ウイルス粒子、細菌細胞、その他の微生物、またはその他の免疫原は殺されて、すなわち宿主中で複製できないように熱処理またはその他の処理をされていてもよい。本発明では、例えばウイルス粒子のサブユニットやその他の抗原物質、または細菌細胞分画、あるいはその抗原、例えばペプチド、蛋白質、炭水化物、脂質、リポ多糖、糖蛋白質、あるいは2種以上の上記抗原物質を用いてもよい。抗原物質は、アミノ酸配列または多糖などを含むエピトープでよく、それらはウイルスおよび/または細菌の蛋白質および/または炭水化物および/または脂質配列に由来するものでよく、場合によりペプチドや蛋白質などの担体に結合させたものでよい。
【0045】
別の態様では、免疫原は、例えばウイルス、細菌またはその他の微生物の核酸配列に基づく核酸配列、例えばDNAやRNAでよく、これらは、ウイルスベクター、例えば豚もしくは鶏のアデノウイルス、鶏痘ウイルス、またはその他の、本発明により安定化されるウイルスのベクター中で供給しうる。
【0046】
本発明の方法では、1種以上の免疫原を流体中で提供する。該流体は、好ましくは、免疫原、例えばウイルス粒子、細菌細胞またはその他の微生物、または真核細胞の懸濁液または分散液を含む。該流体は、免疫原を含有する培地またはその他の液体もしくは媒体でもよく、場合により、免疫原が安定である(すなわち不活性化されない)希釈剤により希釈してもよい。希釈剤は、ウイルス学や微生物学の分野で周知であり、例えば滅菌水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、トリス緩衝生理食塩水(TBS)、スクロースとスキムミルクを含有する滅菌水(例えばスクロースとスキムミルク各々5 %および滅菌水90 %)を含む。また希釈剤は、1種以上のゼラチン、デキストラン、EDTA、アミノ酸、例えばグリシンおよび卵アルブミン、無機塩、例えば硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、およびリン酸カルシウムなども含む。
【0047】
本発明の好適な態様では、市販ワクチンは、ヒト、動物、トリその他の種のいずれに用いるものでも、例えば周囲温度での保存時における不活性化に対して安定化しうる。この点に関して、市販の生ワクチン、または種々のウイルス粒子や種々の細菌細胞を、そのウイルスや細菌が安定である希釈剤で希釈することにより、本発明の方法にかかる安定化行程に適する1種以上の免疫原を含有する流体を得ることもできる。
【0048】
ヒトワクチンの市場は世界的には2001年に5〜6億米ドルと推定されている。人の健康のために用いられるウイルスや細菌の生ワクチンの大部分は弱毒化されており、例えば非病原性または低病原性であり、例えば組換えDNA技術その他の方法により作られる。他の市販ワクチンは、ウイルスもしくは細菌の蛋白質、またはそれらから得られる蛋白質/ペプチド、例えばペプチド、蛋白質、糖蛋白質を含有するエピトープワクチン、または疾患原因性のウイルス、細菌もしくはその他の生物の別のエピトープを含み、これらは場合により別のペプチド、蛋白質もしくはその他の物質などの担体と、例えば共有結合その他の結合方法により結合されてもよい。
【0049】
本発明により任意の市販ワクチンを安定化することができると考えられる。例えば市販ワクチンを、ワクチン用の生物、例えば1種以上のウイルス粒子もしくは細菌細胞が安定である適当な希釈剤により希釈して、免疫原を含有する流体を得ることができる。次にその免疫原を含有する流体を、本発明の方法に従って流動粒子を有する反応器内に噴霧することができる。本発明に用いうるワクチンの例として下記製造業者の製剤が挙げられる。
【0050】
ヒトワクチン
アベンティス・パスツール
・無細胞の百日咳および/またはHibの小児用混合物、例えば商品名Tripedia/Tripacel, Quadracel/Tetravac, Tetract-Hob, Pentact-Hob/Pentacel/Pentavac, Hexavac
・旅行者用/流行地用、TyphinVi / Menomune / Avaxim / Venorab / Stamaril
・インフルエンザ用、Vaxirip / Fluzone / Mutagrip
・B型肝炎用、GenHevac B Pasteur
・注射用ポリオワクチン、IPOL/Imovax Polio
・破傷風/ジフテリアワクチン
【0051】
グラクソスミスクライン
・A型肝炎用、Havrix
・B型肝炎用、Engerix-B
・A型およびB型肝炎用(成人および小児用)、Twinrix
・小児用ジフテリア/破傷風/百日咳用、Infanrix
・小児用B型肝炎/ポリオ用、Infanrix PeNta
・小児用ヘモフィリス・インフルエンザB型(Hib)用、Infan HeXa
・麻疹/流行性耳下腺炎/風疹用、Priorix
・腸チフス用、Typherix
・水痘用、Varilirix
・単純ヘルペスウイルス(2型)(陰部ヘルペス)用、Simplirix(開発中)
・デング熱ワクチン(開発中)
・エプスタインバーウイルスワクチン(開発中)
・ヒトパピローマウイルスワクチン(開発中)
・B型髄膜炎(キューバ)ワクチン(B群髄膜炎菌(Meningococcal B))(開発中)
・肺炎連鎖球菌ワクチン(開発中)
・髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)ワクチン(開発中)
・C型肝炎ワクチン(開発中)
【0052】
ワイス
・髄膜炎および血液感染用、肺炎球菌多価ワクチンPnu-Imune 23
・肺炎球菌7価結合ワクチン(ジフテリアCRM197蛋白質結合)Prevnar(これは他の市販肺炎球菌ワクチンとは異なり、侵襲的肺炎球菌性疾患にかかりやすい2歳未満の幼児に免疫を誘導することができる)
・小児ヘモフィルスインフルエンザB型用、ヘモフィルスb菌結合ワクチン(ジフテリアCRM197蛋白質結合)HibTiter
・インフルエンザウイルス三価ワクチンA型およびB型(精製ウイルス成分)FluShield
・C群髄膜炎菌用Meningitec
【0053】
メルク
・A型肝炎用不活化ワクチンVaqta
・風疹用生ワクチンMeruvax II
・麻疹、流行性耳下腺炎および風疹用生ワクチンM-M-R II
・水痘用生ワクチンVarivax
・B型肝炎用組換えワクチンRecombivax HB
・ヘモフィルスb菌結合ワクチン(髄膜炎菌蛋白質結合)Pedvax HIB
・ヘモフィルスb菌結合体およびB型肝炎用ワクチンComvax
・肺炎球菌多価ワクチンPneumovax 23
・子宮頚癌および陰部疣贅用ヒトパピローマウイルスワクチン(開発中)
・ロタウイルスワクチン(開発中)
【0054】
カイロン(パウダージェクト)
・C群髄膜炎菌性疾患用結合型ワクチンMenjugate
・アジュバント添加インフルエンザワクチンFluad
・保存剤不含初回インフルエンザワクチンBegrivac
・ダニ媒介性脳炎ワクチンEncepur
・ポリオ、狂犬病、小児用ジフテリア/破傷風/百日咳、麻疹/流行性耳下腺炎/風疹用ワクチン
・インフルエンザ用Fluvirin
・旅行下痢およびコレラ用Dukoral(経口ワクチン)
・黄熱病用Arilvax
・結核用BCGワクチン
・A型肝炎用不活化ワクチンNathav
・B群髄膜炎菌(Meningococcal B)(New Zealand)ワクチン(開発中)
・髄膜炎菌(Meningococcal)多価(ACYW)ワクチン(開発中)
・C型肝炎ワクチン(開発中)
【0055】
バクスター
・C群髄膜炎菌(Meningococcal C)結合ワクチン
・インフルエンザワクチン(開発中)
・ダニ媒介性脳炎ワクチン
【0056】
動物用ワクチンもまた本発明に従って用いることができる。市販ワクチンとして下記製造業者の製剤が挙げられる。
【0057】
メリアル
・トリ鼻気管炎予防用Nemovac
・不活化ワクチン群Gallimune
・大部分の通常の家禽疾患に対する4種の生ワクチンおよび6種の不活化ワクチン、例えばLyomarex, Avinew, Dur706, Bioral H 120およびHaemovax(不活)(グラクソインドから販売されている)
・トリヘルペスを原因とする喉頭気管炎用LT-Blan
・マイコプラズマ肺炎菌による感染症および肺損傷に対する能動免疫用Hyoresp(不活化ワクチン)
・ブタパルボウイルスおよびブタ丹毒に対する能動免疫用Parvoruvax/Parvovax/Parvoject/Ruvax
新生子豚の腸性中毒症軽減用Neocolipor(不活化大腸菌株を含有する)
・不活化、アジュバント添加の手足口病ウイルス用FMD
【0058】
インターベット
家禽ワクチン製剤
生ワクチン
ニューカッスル病、伝染性気管支炎、コクシジウム症、家禽水痘、家禽コレラ、レオウイルス性腱滑膜炎(ウイルス性関節炎)、家禽喉頭気管炎、トリ脳脊髄炎、伝染性ファブリキウス嚢病(IBD)、マレック病、およびmycoplasma gallisepticum感染を予防するための製剤。例えばReo ST 1133, AE Pox, Gumboro, Rismavac, Lasota, Clone 30, H120, IB MA5, ILT OVO-Diptherin, MG6 / 85。
鶏のSalmonella gallinarumおよびSalmonella enteriditis感染に対する生凍結乾燥ワクチンSG9R。
【0059】
不活化ワクチン
ニューカッスル病、コリーザ病、軟卵症候群、伝染性気管支炎、mycoplasma gellisepticum感染、レオウイルス性腱滑膜炎(ウイルス性関節炎)用製剤。例えばNewcavac, Coryza, EDS 76, IB+ND, REO IB+G+ND, REO INAC, MG INAC。
【0060】
ブタワクチン製剤
Actinobacillus pleuropneumoniae、萎縮性鼻炎、仮性狂犬病、豚丹毒、パルボウイルス、大腸菌腸性中毒、mycoplasma hyopneumoniaeに対する15種の不活性化および凍結乾燥生弱毒化ワクチン製剤(混合製剤含む)。製剤名はPorcilis系列またはProSystemである。破傷風血清も市販されている。
【0061】
ファイザー
・ブタのmycoplasma hyopneumoniae用Stellamune Once/RespiSure-ONE(この一回投与用製剤は最も良く売れているブタワクチンである(世界中で3億個))
・ブタインフルエンザ用RespiSurePleuroguard-4
・丹毒用ER Bac/ER Bac Plac
・ブタパルボウイルス、レプトスピラ菌、丹毒および仮性狂犬病用FarrowSure/FarrowSure B/ FarrowSure B-PRV/ FarrowSure PRV
・仮性狂犬病用PR_Vas Plus/PR-Vac
・大腸菌およびClostriduim perfringens C型による腸性中毒用LiterGuard/LitterGuard LT/LitterGaurd LT-C(前記LTは、大腸菌が生産するエンテロトキシンに対する防御を刺激する熱に弱いトキソイド(LTb)を含む)
・コクシジウム症用家禽ワクチン
【0062】
ワイス/フォートドッジアニマルヘルス
家禽ワクチン製剤
・鶏伝染性ファブリキウス嚢病予防用の生ワクチンBursine-2
・家禽伝染性気管支炎用のPoulvac H120/Poulvac IBMM/IB Primer/IBMM+ARK
・トリ脳脊髄炎、家禽水痘用の改質生ワクチンAE Vac/ AE Poxine
・家禽伝染性喉頭気管炎用の生ワクチンLT Vac
・マレック病に対する凍結乾燥ターキーヘルペスウイルス生ワクチンMD Vac Lyo
・ニューカッスル病に対する凍結乾燥改質ワクチンND Hitchner/ND La Sota
・腱滑膜炎(ウイルス性関節炎)に対する凍結乾燥改質生ワクチンVA Chick Vac/VA Vac
【0063】
伝染性ファブリキウス嚢病、ニューカッスル病、伝染性気管支炎、軟卵症候群、伝染性コリーザ(Haemophilis pasagallinarum)、Mycoplasma gallisepticum、Mycoplasma synoviae、およびトリレオウイルス用の不活化ワクチン群。製剤名としてBursine K, Chick NK, Coryza Vac, EDS New Bronz, EDS Vac, MG Bac, MS Bac, New Bronz, New Bronz MG, Newcastle K, Coryza Oil 3, Provac 3, Provac 4 Tri Reoが挙げられる。
【0064】
ブタワクチン製剤
・ブタmycoplasma hyopneumoniae予防用の不活化アジュバント添加ワクチンSuvaxyn Respifend/RespiFend MH
・大腸菌に対するSuvaxyn EC4/Maternafend 4
・パルボウイルスに対するSuvaxyn P/Gestfend 1
・レプトスピラ属の5種の菌株に対するSuvaxyn L/Gestafend 5
・ブラチスラバのレプトスピラ菌に対するSuvaxyn/Gestafend 5+B
・ブタ丹毒のエリジペロスリクス菌(Erysipelothrix)に対するSuvaxyn E/Herdfend Thrix
・パルボウイルス、レプトスピラ菌およびエリジペロスリクス菌の混合ワクチンSuvaxyn PL/ Suvaxyn PLE/ Suvaxyn PLE+B/Gestafend 6, Gestafend 7, Gestafend 7+B
・萎縮性鼻炎、肺炎および丹毒用、Bordetella bronchiseptica、Pasteurella multocida、Erysipelothrixに対するSuvaxyn AR/T/E
【0065】
ベーリンガーインゲルハイム
ブタワクチン製剤
・ブタ繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)に対する初回改質生ワクチンIngelvac PRRS MLV
・ボルデテラ(Bordetella)属の毒素生産菌およびムルトシダ(multocida)菌A型とD型を予防するためのIngelvac DART
・Mycoplasma hyopneumoniaeによる肺炎を予防するための1回投与120日間用ワクチンIngelvac M.hyo
・Haemophilus parasuisおよび丹毒に対するワクチンIngelvac-HPE
・オーエスキー病(仮性狂犬病)に対する改質生ワクチンIngelvac Aujeszky MLV
・PRRS、パルボウイルス、レプトスピラ菌、および丹毒に対する混合ワクチンReproCyc PRRS-PLE
・非定型PRRSに対する非常に弱毒化した改質生ワクチンIngelvac PRRS ATP
・PRRS、Haemophilus parasuisおよび丹毒に対する混合ワクチンIngelvac PRRS HP /Ingelvac PRRS HPE
・Bordetella bronchiseptica菌およびPasteurella multocida菌D型による萎縮性鼻炎に対するワクチンIngelvac AR4
【0066】
家禽ワクチン製剤
ニューカッスル病、気管支炎およびコリーザの種々の菌に対する一価および多価の改質生および弱毒化ワクチン群、および商品名Volvacという系列品。
【0067】
シェリングプラウ
ブタワクチン製剤
・下痢用、大腸菌(1型繊毛の大腸菌のみ)ワクチン、並びにClostridium perfringensおよびロタウイルスA群(血清型4および5)の混合ワクチン、Scourmune/Scourmune-C/Scourmune-CR
・髄膜炎、関節炎、肺炎および敗血症の予防用、Streptococcus suis菌ワクチンSS Pac
・グラーサー病(Glasser’s Disease)の予防用、Haemophilus parasuis菌ワクチンParapac
・Actinobacillus pleuropneumoniae菌(血清型1,5および7)ワクチン、および肺炎および丹毒/グラーサー病の予防用、Erysipelothrix rhusiopathiaeまたはHaemophilus parasuisとの混合ワクチンPneu Pac/Pneu Parapac+ER/Pneu Pac-ER
・萎縮性鼻炎、肺炎、丹毒、グラーサー病の予防用、Bordetella bronchisepticaとErysipelothrix rhusiopathiaeおよびPasteurella multocidaとのワクチン、またはHaemophilus parasuisとの混合ワクチンAR-Pac-PD+ER /AR-Parapac+ER
・ブタ肺炎予防用のmycoplasma hyopneumoniae菌ワクチンM+Pac
・ブタインフルエンザ用の不活化A型H1N1亜型ウイルスワクチンMaxiVac-Flu
・仮性狂犬病およびブタインフルエンザ用の改質不活化ウイルスワクチンPRV-Marker, Gold /PRV-Marker, Gold-MaxiVac Flu
・ブタインフルエンザ用の改質生ウイルスワクチンPrime Pac PRRSV
【0068】
家禽ワクチン製剤
ニューカッスル病、伝染性気管支炎(種々の菌)、コクシジウム症、家禽水痘、家禽コレラ、レオウイルス性腱滑膜炎(ウイルス性関節炎)、家禽喉頭気管炎、トリ脳脊髄炎、伝染性ファブリキウス嚢病(IBD)、およびmycoplasma gallisepticum感染を予防するための生ワクチンおよび改質生ワクチン製剤。製剤名としてShor-Bron-D, Ava-Bron, Broilerbron, Coccivac, Paracox, Monovax, Twin Vax, Polybron, Avichol, Enterovax, F Vax-MG, LT-Ivax, M-Ninevax, Ocuvax, Polyvax-TC, Trachivax, Univax, Variant vax-BD, PM-Onevax-C, Burs-Vac, Teno-Vaxin, Broilertrake, Ava-Trem, Ava-Poxが挙げられる。
【0069】
バイオプロパティーズ・オーストラリア
生ワクチン
・Vaxsafe MG、家禽CRD予防用のMycoplasma gallisepticumワクチン
・Vaxsafe MS、鶏の抗生物質後問題(post antibiotic problems)用のMycoplasma synoviaeワクチン
・Salvax、家禽のほとんどのサルモネラ菌種を予防するためのsalmonella typhimuiumワクチン
・Mareks HVT、鶏用の七面鳥ヘルペスウイルスワクチン
・Mareks Rispens、マレック病ウイルスのCVI988株ワクチン
・Eimeriavax 4、鶏コクシジウム症の予防用の4種のアイメリア(Eimeria)菌早熟株ワクチン
・Vaxsafe IBD、鶏伝染性ファブリキウス嚢症ワクチン
・Vaxsafe IB、家禽伝染性気管支炎ウイルスワクチン
・Vaxsafe PM、家禽コレラ用Pasteurella multocidaワクチン
・Vaxsafe MH、Mycoplasma hyopneumoniaeワクチン
【0070】
上記ではワクチンの商標は通常イタッリクで表記している。
上記参照のワクチン製造業者は通常世界中の多くの国で営業している多国籍企業である。
【0071】
上記のワクチン組成物またはそれらに含有される免疫原は本発明の一態様にて用いうる。
【0072】
さらに上記参照の1種以上の人間または動物の疾患/感染源に対するワクチンも本発明の別の態様である。
【0073】
本発明の別の点として、医薬に適する水溶性物質の粒子に免疫原をコーティングしたものを含み、そして約0.1〜約10 % w/wの水分含量を示す、周囲温度で安定なワクチン組成物が提供される。該ワクチン組成物は、ここに記載する本発明の方法に従って製造しうる。
【0074】
本発明の方法では、1種以上の免疫原を含有する流体を、約25〜約50℃、好ましくは約30〜約46℃の温度で、医薬に適する水溶性物質の流動粒子を有する反応器内に噴霧し、それにより流動状態で免疫原を粒子上にコーティングして乾燥し、その後約0.1〜約10 % w/wの水分含量を示す乾燥した免疫原含有粒子を集めることによって、安定化ワクチン組成物を得る。
【0075】
1種以上の免疫原を含有する流体は、好ましくは、免疫原、例えばウイルス粒子、細菌細胞、その他の微生物、または真核細胞、の懸濁液または分散液である。該流体は、例えばウイルス粒子を増殖する、または在庫として保存するための培地でもよい。該流体は、例えば免疫原を含有する培地またはその他の液体媒体でもよい。細菌やウイルス粒子の凍結乾燥に用いられる本技術分野で周知な慣用成分を用いうる。例としてスクロースとスキムミルクと滅菌水の混合液、または、例えばEDTA2ナトリウム、卵アルブミンおよびグリシンを含有するpH 7付近のリン酸緩衝溶媒がある。該免疫原含有流体は、1種以上のアミノ酸、蛋白質、キレート剤、緩衝剤、保存剤、安定化剤、金属抗酸化剤および滑沢剤を含みうる。
【0076】
好ましくは、該免疫原コーティング剤は、助剤、例えばアルミニウム塩(ミョウバン)、ムラミールペプチドおよび類似体または誘導体、サポニン(例えばキラヤサポニン)またはサポニン含有化合物(例えばISCOM(登録商標))、ポリヌクレオチドまたは合成核酸誘導体、例えばポリリボヌクレオチド、硫黄含有化合物、例えばレバミゾール(Levamisole)、ポリマー、および複素環式および芳香族化合物、例えばDivema、およびプルロニックのポリオール、アミンおよび脂質含有化合物、アブリジン(avridine)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、ポリリン酸、サイトカイン(例えばインターフェロン)または生分解性油中水型乳液、例えば乳化パラフィンを含む。また、免疫刺激性または免疫調節性または抗原提示性を示すその他の助剤もしくは薬剤、および市販製剤であるImpran、Emunade、Emulsigenおよび/またはAmphigenを用いうる。
【0077】
本発明では、任意の医薬に適する水溶性物質またはそれらの混合物を用いうる。「水溶性」とは20℃で1gの物質が1〜10 mlの水に溶けることを指す。この医薬に適する水溶性物質は、1種以上の単糖、二糖、多糖または炭水化物を含みうる。例としてデキストロース、マンニトール、フルクトース、ポリフルクトサン、ポリデキストロース、デキストリン、グルコース、転化糖、ラクチトール、ラクトース、イソマルト、マルチトール、マルトース、マルトデキストリン、ソルビトール、キシリトール、スクロース、スクラロース、マンノース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、フルクトース、グルコサミン、ガラクトサミン、ラムノース、6-O-メチル-D-ガラクトース、2-O-アセトール-β-D-キシロース、2-アセトアミド-2-ジオキシ-β-D-ガラクトース-4-サルフェート、N-アセチルグルコサミン、イズロネート(iduronate)、マンヌロネート(mannuronate)、メチルガラクツロネート(methyl galacturonate)、ガラクトース、アラビノース、α-D-マンノピラノース、および1種以上の単糖単位または二糖単位の共有結合により形成されるバイオポリマーがある。炭水化物の例としてアルギン酸、アミロース、セルロース、カラギーナン、ペクチンがある。便宜上、単糖、二糖、多糖および炭水化物を総称して「糖」ということもある。
【0078】
あるいは、医薬に適する水溶性物質は、水溶性のペプチド(例えば加水分解カゼイン、またはゼラチン、または加水分解ゼラチン)、無機塩、例えば水酸化アルミニウム、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸酸性ナトリウム、EDTAナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、または水溶性ポリマーを含みうる。一般に、水溶性ポリマーは、そのポリマー鎖中に少なくとも10個のモノマー単位を有し、水中で水溶液を形成する。例として水溶性ガム、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロースがある。
【0079】
水溶性の医薬に適する賦形剤は、医薬/獣医薬の分野で周知であり、本発明の一態様において医薬に適する水溶性物質として用いうる。医薬に適する賦形剤の例は、例えばMartindale, The Extra Pharmacopoeia, 33rd Edition, The Pharmaceutical Press, London, 2002に記載されており、ここに引用して組み込む。医薬に適する水溶性賦形剤の例として圧縮糖(compressible sugar)、粉砂糖、デキストレート、塩化カリウム、または糖球(sugar spheres)がある。2種以上の賦形剤を用いうる。
【0080】
医薬に適する水溶性物質の粒子のサイズは好ましくは20ミクロン〜1 mmである。より好ましくは粒子サイズは約50〜約200ミクロンである。
【0081】
本発明の方法は、当分野に周知である任意の噴霧乾燥反応器または流動床噴霧装置にて行いうる。例としてPLC(プログラム式論理制御装置)駆動式Turbojeta流動床式コーター(製造BWI Huttlin (Daimlerstrasse 7, D-79585, Steinen, Germany))、PSDa医薬噴霧乾燥機(Niro, Inc (Columbia, MD 21045 USA))、および流動床乾燥機(Glatt (Ramsay, NJ 07446, USA)またはVector-Freund (Marion, IA 52302, USA))がある。
【0082】
本発明は、免疫原を含有する流体を流動粒子上に噴霧して乾燥させるという点で、当分野に既知の噴霧乾燥法と異なる。噴霧乾燥技術では、対照的に、溶液またはスラリーを気流中に噴霧し、重力落下中に乾燥させる。本発明の方法は、比較的に短時間でワクチン組成物を作製できるので特に有益である。例えば2 kgのバッチのワクチン組成物を1時間内に作製することができる。同程度量の物質を凍結乾燥するには1〜3日またはそれ以上を要しうる。さらに本発明の組成物は凍結乾燥ワクチンよりも安定である。
【0083】
1種以上の免疫原を含有する流体を好ましくはノズルまたはスプレーヘッドを通して噴霧し、それにより噴霧した流体を反応器内に供給する。1種以上の免疫原を含有する流体を、流動域の底部から例えば流動床の最上部までの任意の位置で流動粒子に噴霧しうる。1種以上の免疫原を含有する流体を噴霧して流動粒子に供給するために、スプレーノズルを流動床中に埋め込んでもよく、または反応器内の別の部位に配置してもよい。
【0084】
反応器内の流動床操作に通常用いられる状態を超える流動状態を用いることは、本発明にとって必須ではないが、望ましい。普通、装置製造業者は、流動粒子または流動物質が処理室の処理能力の50 % w/vを超えるようには勧めてはいない。流動粒子は、反応器の処理能力の20〜50 % w/vでもよいが、本発明の方法では、一態様として処理重量:反応器容量が50 % w/vを超えてもよい。
【0085】
本発明の具体的な、しかし非限定的な態様として、流動床を有する反応器内に、例えば流動粒子を有するように改変した噴霧コーティング装置内に、粒子を入れ、例えば200〜500 m2/hの割合で流動化を起こす。
【0086】
流動化は好ましくは約30〜約46℃の温度で行う。
【0087】
1種以上の免疫原を含有する流体の所望量を、医薬に適する水溶性物質、例えば糖、の流動粒子上に噴霧する。粒子のコーティングおよび免疫原コーティング剤の乾燥は、流動状態の流動床で行われる。流動速度および免疫原含有流体の流動床への流速は調節可能な変数であり、これによりワクチン組成物を所望の水分含量まで乾燥することが可能となる。ワクチン組成物の水分含量は、安定化ワクチン組成物のために約0.1〜約10 % w/wである。
【0088】
反応器の状態、および免疫原の流速、例えば1種以上の免疫原を含有する流体を流動床を有する反応器内に噴霧する速度、を容易に変更することができる。例えば流動空気量、液体の噴霧速度、噴霧液体の温度、吸気の湿度などを変更することができる。1つのパラメーターに変更を加えた場合、本発明分野の通常の技術者は、最初の変更を補償するために対応して別のパラメーターに必要となる調節を容易に判断することができる。
【0089】
物質の水分含量は、当分野に既知の方法、例えば赤外線水分分析法やフーリエ変換式近赤外線(FT/NIR)分光法により、例えばThermo Nicolet Antaris FT/NIR分析装置(Thermo Electron Corporation, Waltham, MA, USA)、ハロゲン加熱式水分分析装置(例えばMB35または45水分分析装置;Ohaus Inc, Pine Brock, NJ, 07058, USA)を用いて容易に測定される。
【0090】
安定化ワクチン組成物のサイズは、好ましくは50〜400ミクロン、より好ましくは50〜200ミクロンである。
【0091】
本発明の一態様に係る方法は、約0.1〜約10 % w/wの水分含量を示すワクチン組成物の製造を可能とする。水分含量は、好ましくは約0.1〜約4 % w/wであり、より好ましくは約0.2〜約1.5 % w/wである。凍結乾燥技術を用いると、凍結乾燥の原理の結果として比較的に高い水分含量を生じる。凍結乾燥ワクチンの高水分含量は、保存の困難性および保存時の活性喪失と関係する。本発明の好ましい態様により生じる約0.1〜約2 % w/wの水分含量など、低水分含量のワクチンは特に安定であり、周囲温度で、例えば15〜37℃で、典型的には25oCで30日間保存するなどしても活性が維持される。
【0092】
本発明の一態様に係る安定化ワクチン組成物は、医薬に適する水溶性物質の粒子に免疫原をコーティングしたものを含み、上記のとおり約0.1〜約10 % w/wの水分含量を示す。免疫原により粒子がコーティングされる。粒子のコーティングに用いられる免疫原を含有する流体は、1種以上のアミノ酸、キレート剤、緩衝剤、保存剤、安定化剤、無機塩、抗酸化剤および滑沢剤など、その他の成分を含みうる。
【0093】
一般に、本発明の組成物の作製に用いられる免疫原流体中に存在する成分は、乾燥中に蒸発しない限り、粒子コーティングの一部を構成する。
【0094】
好ましくは、免疫原コーティング剤は、助剤、例えばアルミニウム塩(ミョウバン)、ムラミールペプチドおよび類似体または誘導体、サポニン(例えばキラヤサポニン)またはサポニン含有化合物(例えばISCOM(登録商標))、ポリヌクレオチドまたは合成核酸誘導体、例えばポリリボヌクレオチド、硫黄含有化合物、例えばレバミゾール、ポリマー、および複素環式および芳香族化合物、例えばDivema、およびプルロニックのポリオール、アミンおよび脂質含有化合物、アブリジン、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、ポリリン酸、サイトカイン(例えばインターフェロン)または生分解性油中水型乳液、例えば乳化パラフィンを含む。また、免疫刺激性または免疫調節性または抗原提示性を示すその他の助剤もしくは薬剤、および市販製剤であるImpran、Emunade、Emulsigenおよび/またはAmphigenも用いうる。
【0095】
本発明の組成物は安定化ワクチン組成物である。これは、該ワクチン組成物が、25℃で30日間保存した後に不活性化されることなく、効果を維持し、例えば予防的免疫を惹起することを意味する。別の例として25℃で30日間保存した後にEID 50(50 %胎児感染投与量)の低下が対数で1未満であれば、ウイルスワクチン組成物は不活性化に対して安定化されており、安定である。好ましくは、本発明は室温で30日間またはそれを超える期間安定であり、例えば1〜7日、4〜14日、7〜30日、または30〜120日の保存期間、室温で、例えば15〜35℃で安定である。安定化ワクチン組成物は、4℃では当分野に既知の伝統的ワクチン製剤に比べてより長期間保存できる。例えば、本発明のワクチン組成物は、4℃で1年間またはそれを超える期間保存することができる。不活性化に対して安定化されたワクチン組成物は、病気の予防にワクチンを必要とする人間、動物、鳥、魚、その他の対象に投与した場合に免疫応答を誘導する点で活性を維持している。
【0096】
本発明の方法、およびそれにより製造されたワクチン組成物は、一態様として、接種した宿主において免疫原が複製することができる生ワクチンを提供する。例えば免疫原がウイルス粒子ならば、このウイルス粒子は、本発明の方法の終了時に生存し、かつ感染性を有し、また本発明の組成物としても感染性を有し、かつ不活性化に対して安定化されうる。本発明の生ワクチン組成物は、上記のとおり30日間またはそれを超える期間、室温で、例えば25℃で安定である。
【0097】
例えばウイルス粒子または細菌を含有するワクチン組成物は、例えば遺伝子治療においてDNAまたはRNA配列を送達するための担体(例えばベクター)として、またはワクチンとして用いうる。開発中および市販の多くのワクチンは、生の弱毒化したウイルス剤であり、これらは別のウイルス蛋白質または細菌蛋白質、またはその他の抗原などのワクチン抗原のためのベクターまたは担体として用いうる。本発明では、生弱毒化ウイルス剤は、ウイルス様粒子、遺伝的に改変した、または組換えのウイルスベクター(例えば組換えワクシニアウイルス、アデノウイルス、バキュロウイルス)を含む。このようなタイプのワクチンは、疾患の予防のほか、癌の予防と治療のために用いうる。該ウイルスベクターワクチンはまた遺伝子治療および薬物送達のために用いうる。
【0098】
従って該免疫原は、遺伝子治療、薬物送達、癌治療またはその他の目的においてDNAやRNA配列などの核酸配列の担体として機能するウイルス粒子もしくはサブユニット、または細菌細胞でありうる。すなわち免疫原は、それ自体免疫原性を示すものではなく、担体でありうる。従って、本文中の用語「免疫原」は、免疫応答を惹起することができるもの、並びに免疫応答は必ずしも惹起することができないが、例えばDNAやRNA配列もしくは蛋白質配列の担体または送達系として機能するものを含む。
【0099】
本発明の一態様であるワクチン組成物は、好ましくは、上記のとおり自由に流動する形状、粉末状形状である。高濃縮ワクチンも提供されうる。
【0100】
多価ワクチンを得るために、異なるワクチン粉末を混合しうる。これは(ワクチンが粉末であることから)適合性の問題がなく、非常に簡単であり、そして費用対効果が高い。従って本発明は多価ワクチンの製造において実質的に有益である。
【0101】
該ワクチン組成物は、医薬もしくは獣医薬に適する希釈剤、例えば緩衝生理食塩水、あるいは経口投与、皮下投与、点眼投与、エアゾールスプレーもしくは点鼻スプレー、または当分野に既知の他のワクチン投与様式による動物への投与に適した他の組成物中に容易に溶解しうる。あるいは該ワクチン組成物は経口投与用カプセルに成形しうる。このようなカプセルとして、例えばゼラチンカプセル、または医薬もしくは獣医薬分野に用いられる他の標準的なカプセルがある。さらにまた、あるいは該ワクチン組成物は、場合により当分野に周知の標準的な錠剤用賦形剤や担体と共に、錠剤化しうる。別の態様では、該ワクチン組成物は、胃内での分解から保護するため、および/または活性成分の持続放出もしくは遅延放出のため、例えば腸溶性コーティング剤によりコーティングしうる。
【0102】
自由流動するワクチン粉末は、例えば当分野に既知の微細粉末の経皮投与法により、例えば細粒子を皮膚通過させるために水素やヘリウムなどの加圧ガスを用いて、例えばPowderJecta Systems(以前はPowderJect Pharmaceuticals PLC, (Oxford, United Kingdom)から、現在はChiron Corporation (Emeryville, CA)から販売されている)を用いて経皮投与することもできる。
【0103】
本明細書および特許請求の範囲を通して、明記しない限り、「〜を含む」またはその変形「〜を含んでいる」などの語は、記載した一つの要素もしくは行程、または一群の要素もしくは行程を包含することを意味するが、その他の一つもしくは一群の要素もしくは行程を排除するものではない。
本明細書中で従来技術を参照することは、その従来技術がオーストラリアにおける一般常識であることを承認するものでも示唆するものでもなく、そのように受け取られるべきでもない。
以下の実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【実施例1】
【0104】
噴霧した免疫原含有流体と接触させるように粒子の流動床を提供するために、Huttlin Turbojet噴霧式乾燥機を改修した。特に、流動床を提供する噴霧ノズルを備えるように噴霧式乾燥機を改修した。この噴霧ノズルは、処理容器の底から上方向に、免疫原含有流体を噴霧するものである。
【0105】
市販の噴霧乾燥装置は、溶液またはスラリーを気流中に噴霧して、該物質が重力落下するに連れて乾燥させる。続けて該物質を噴霧して凝集体を生じさせる。これに対して、この実施例では、流動床を提供するために、医薬に適する水溶性物質の粒子を噴霧式乾燥機に加える。この流動床に免疫原含有流体を噴霧する。
該乾燥機は約35〜42℃の温度で操作した。
【実施例2】
【0106】
マンニトールまたはデキストロース一水和物からなる糖粒子を、実施例1の流動床に加え、35または42℃の温度で空気により流動させた。流動空気量は200 cm/hであった。
【0107】
鳥伝染性気管支炎ウイルスに対する市販ワクチンH120を下記のいずれかにより1:1に希釈した:
(a) 5 %スクロース、5 %スキムミルク、精製滅菌水90 %、または
(b) ゼラチン、デキストラン、pH 7のリン酸緩衝剤、EDTA2ナトリウム、マンニトール、卵アルブミンおよびグリシンを含有する溶液。
【0108】
このウイルス粒子を含有する流体を、2 kgのバッチ当たり12 g/minの噴霧率で、200 cm/hrの流動空気量で、流動するコア糖物質に噴霧した。
【0109】
赤外線水分分析により測定して0.1〜8 %の水分含量の時点で流動床からワクチン組成物を回収した。別の水分含量測定として、水分含量の終点として水活性を測定することもできる。
【0110】
次に鶏胚にてウイルス感染性を測定した。そのために、該ワクチン組成物を等量の食塩水により再構成し、それを鶏胚に注射し、そして胚感染用量EID50を決定した。該ワクチン組成物のウイルス能力が証明された。該ワクチン組成物は、鶏胚のウイルス感染性により試験したとおり、周囲室温温度(25℃)で7日間保存した後に安定性および感染性を示した。
【0111】
H120ウイルスは−15〜−20℃での保存が必要であり、温度感受性が非常に強い。従ってこの実施例はワクチンの安定性を示している。
【実施例3】
【0112】
実施例3の方法では、流動化したマンニトール粒子を用いて、H120鳥伝染性気管支炎ワクチンと等量の安定化溶媒(b)との混合物を含有する流体を噴霧した。この流体を流動化したマンニトール上に噴霧した。水分レベルが2.51 %である自由流動する粒子状組成物を回収した。この方法は通常終了までに約20〜30分かかった。
【0113】
同量のワクチン液を3日間に渡って凍結乾燥した。そして最終生成品のワクチン能力を、実施例2に従って鶏胚のウイルス感染性を測定することにより試験した。結果を表1に示す。
【0114】
(表1)
ワクチン 方法 能力(log EID50)
ND-H120 ワクチン安定化法(37℃で操作) 5.50
凍結乾燥法 5.50
【0115】
両生成品において同等の能力が認められた。
この実施例から、本発明の乾燥ワクチン組成物は、作製後に凍結乾燥ワクチンと同等の能力を有することが判った。これらの試験では、両組成物を食塩水により再構成して、鶏胚モデルで試験した。
本乾燥組成物は約30分後に回収した。これとは正に対照的に、凍結乾燥製剤の作製には3日間必要であった。
【実施例4】
【0116】
この実施例では、25または35℃で保存した後の感染性の喪失を測定して、ワクチン組成物の能力を試験した。
実施例3に従ってH120ワクチンまたは鳥伝染性ファブリキウス嚢病(IBD)ワクチンのいずれかを用いてワクチン組成物を調製した。
該ワクチン組成物を同等に凍結乾燥した製剤と比較した。
この実施例では、ワクチンの性能を鶏胚におけるワクチンの感染性により測定した。
【0117】
本発明のワクチン組成物の能力(EID50)は、35℃で7日間保存した後に1対数未満で減少し、すなわち保存時に高能力のワクチンが得られた。これとは対照的に、凍結乾燥H120ワクチンおよび凍結乾燥IBDワクチンでは、それぞれ3.12対数および1.5対数低下した。25℃保存時にも安定性の試験を行った。25℃で30日間保存した後、本発明によるH120ワクチン製剤の能力は保存後に1対数未満低下した。本発明によるIBDワクチン製剤の能力は、30日間の保存後に0.85対数低下した。これに対して、比較対照の凍結乾燥IBDワクチンの能力は1.62対数低下した。
【0118】
結果を図1に示す。ここでIBH120-VBおよびIBD-VBは、それぞれ鳥伝染性気管支炎H120ワクチンおよび伝染性ファブリキウス嚢病ワクチンを含有する本発明のワクチン組成物を指す。これらは25℃で30日間保存した。
【0119】
この実験から、ワクチン能力により証明されたとおり、本発明のワクチンの安定性は、凍結乾燥ワクチン製剤と比べて高いことが判った。
【実施例5】
【0120】
ニューカッスル病
実施例3の方法に従ってニューカッスル病ウイルス(ND, La Sota株)を用いてワクチン組成物を調製した。
【0121】
このワクチン組成物を25℃で30日間保存し、そして同一条件下で保存した上記ウイルスの凍結乾燥試料と比較した。30日後、実施例2に従って鶏胚にてウイルス活性を評価した。本発明の組成物は30日後に安定かつ有効であり、ウイルス活性の低下はほんの0.9対数であった。これに対して、凍結乾燥製剤のウイルス活性は同期間に1.7対数低下した。これらの結果を図1に示す。図1は、本発明の組成物(ND-VB)およびニューカッスル病ウイルスの凍結乾燥品(ND-FD)のウイルス活性について初期活性からの低下をプロットしたものである。この棒グラフの第一と第二の斜線付きカラムがこの実験に相当する。
【0122】
25℃で30日間の保存は、ワクチンの保存にとって極端な条件である。これらの条件下でも、本発明のワクチン組成物は有意なウイルス活性を示し、25℃で30日間の保存後に感染性の低下は1対数未満である。
【実施例6】
【0123】
実施例5のニューカッスル病ワクチンの免疫原性を鶏で試験した。この試験に4日齢のSPF鶏を用いた。各群あたり10匹の鶏を用いた:ND-VB(本発明のニューカッスル病ワクチン);ND-FD(凍結乾燥ニューカッスル病ワクチン);およびワクチン非摂取対照群。投与した凍結乾燥製剤のEID50/2g(免疫性感染用量)は、ND-VB製剤よりも0.8対数高かった。各鶏は4 mgの指定ワクチンを経鼻的に摂取した。それらの血清試料を7日毎に血清学検査のために採取した。標準的な微量法(Allen, W.H. and R.E. Gough. "A standard Haemagglutination inhibition test for Newcastle disease. 1. A comparison of macro and micro methods." Vet. Rec. 95:120-123 (1974))に従って、4HA50力価のニューカッスルウイルス(La Sota)および1%の鶏赤血球溶液を用いて、血清中の赤血球凝集阻害(HI)抗体力価を決定した。結果を表2に示す。
【0124】
(表2)
ワクチン EID50/2g (log10) 鶏数 平均HI力価 (nlog2)
7日 14日 21日 28日 35日
ND-VB 7.38 10 1.25 2.8 3.5 4.17 4.0
ND-FD 8.17 10 1.83 3.8 4.6 4.83 4.6
なし − 10 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5
【0125】
対照群ではニューカッスル病ウイルスに対する抗体力価は無視できるほどであった。本発明の製剤および凍結乾燥製剤ではニューカッスル病ウイルスに対して有意な特異的な抗体力価が認められた。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】図1は、トリ生ワクチン組成物についてlogEID50値として測定した場合のウイルス活性の(初期活性からの)低下をプロットした棒グラフである。ND-VBは本発明による安定化したニューカッスル病ワクチンを指す。ND-FDは凍結乾燥したニューカッスル病ワクチンを指す。IB H120-VBは本発明により作製した伝染性気管支炎ワクチンを指す。IB H120-FDは凍結乾燥した伝染性気管支炎ワクチンを指す。IBD-VBは本発明により作製した安定化した伝染性ファブリキウス嚢病ワクチンを指す。IBD-FDは凍結乾燥した伝染性ファブリキウス嚢病ワクチンを指す。これらの試料を25℃で30日間保存した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不安定な免疫原のワクチン組成物を製造する方法であって、
1種以上の免疫原を含有する流体を、約25〜約50℃の温度で、医薬に適する水溶性物質の流動粒子を有する反応器内に噴霧し、それにより流動状態で免疫原を粒子上にコーティングして乾燥し、その後約0.1〜約10 %(w/w)の水分含量を示す乾燥した免疫原含有粒子を反応器から回収することによって、安定化したワクチン組成物を得るという方法。
【請求項2】
免疫原が、ウイルス粒子、細菌細胞またはその他の微生物、あるいはそれらの抗原性物質を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
免疫原が、ウイルス粒子または細菌細胞を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
免疫原が、ウイルスまたは細菌に由来する免疫原であって、蛋白質、ペプチド、糖蛋白質、糖脂質または多糖から選択され、担体と共に混合することもでき、免疫接種により対象にその免疫原の起源であるウイルスまたは細菌に対する免疫応答を誘導するものを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
1種以上の免疫原を含有する流体が、ウイルスワクチンまたは細菌ワクチン調製剤と安定希釈剤とを混合して得られるウイルス粒子または細菌免疫原を含有する流体である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
温度が約30〜約46℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
水分含量が0.1〜2.6 %(w/w)である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
水分含量が0.2〜1.5 %(w/w)である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
1種以上の免疫原を含有する流体が、ウイルス粒子、細菌細胞またはその他の微生物、真核細胞、あるいはそれらの抗原性物質から選択された免疫原の懸濁液または分散液である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
1種以上の免疫原を含有する流体が、1種以上のアミノ酸、蛋白質、キレート剤、緩衝剤、保存剤、安定化剤、無機塩、金属抗酸化剤、滑沢剤およびアジュバントを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
培地、ワクチン組成物またはその他の流体中のウイルス粒子または細菌細胞を希釈剤により希釈する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
医薬に適する水溶性物質の粒子が、1種以上の単糖、二糖、多糖、炭水化物、水溶性ペプチド、無機塩、水溶性ポリマー、または医薬に適する水溶性賦形剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
医薬に適する水溶性物質が1種以上の糖を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
医薬に適する水溶性物質がサイズ20μm〜1mmの粒子を含む、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
粒子サイズが50μm〜200μmである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
反応器が、その中で免疫原を含有する流体を流動粒子上に噴霧して乾燥させる噴霧乾燥反応器または流動床である、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
1種以上の免疫原を含有する流体をノズルまたはスプレーヘッドを通して噴霧し、それにより噴霧した流体を反応器内に供給する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
流動床を有する反応器内で200〜500 m2/hの割合で粒子が流動する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
安定化したワクチン組成物が、25℃で30日間保存した場合に安定かつ有効である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
ワクチン組成物が自由に流動する粒子状物質である、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
多価ワクチン組成物を得るために、異なる免疫原を含む2種以上の自由に流動する安定化ワクチン組成物を混合することを更に含む、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
ウイルス粒子または細菌がDNA配列、RNA配列またはワクチン抗原を送達するための担体である、請求項3に記載の方法。
【請求項23】
ウイルス粒子または細菌が遺伝的に改変されている、請求項3に記載の方法。
【請求項24】
免疫原をコーティングした、医薬に適する水溶性物質の粒子を含み、その水分含量が約0.1〜約10 %(w/w)である安定化ワクチン組成物。
【請求項25】
免疫原が、ウイルス粒子、細菌細胞またはその他の微生物、あるいはそれらの抗原性物質を含む、請求項24に記載のワクチン組成物。
【請求項26】
免疫原が、ウイルス粒子または細菌細胞を含む、請求項24に記載のワクチン組成物。
【請求項27】
免疫化する宿主において複製することができる生ウイルス粒子を含む、請求項26に記載のワクチン組成物。
【請求項28】
免疫原が、ウイルスまたは細菌に由来する免疫原であって、蛋白質、ペプチド、糖蛋白質、糖脂質または多糖から選択され、担体と共に混合することもでき、免疫接種により対象にその免疫原の起源であるウイルスまたは細菌に対する免疫応答を誘導するものを含む、請求項24に記載のワクチン組成物。
【請求項29】
25℃で30日間保存した場合に安定かつ有効である、請求項24〜28のいずれかに記載のワクチン組成物。
【請求項30】
医薬に適する水溶性物質が、1種以上の単糖、二糖、多糖、炭水化物、水溶性ペプチド、ゼラチン、無機塩、水溶性ポリマー、または医薬に適する水溶性賦形剤を含む、請求項24〜29のいずれかに記載のワクチン組成物。
【請求項31】
医薬に適する水溶性物質が、1種以上の糖を含む、請求項30に記載のワクチン組成物。
【請求項32】
多価ワクチンを得るために2種以上の異なる免疫原をコーティングした粒子を含む、請求項24に記載のワクチン組成物。
【請求項33】
免疫原が、核酸配列またはペプチドもしくはポリペプチドの担体である、請求項24〜32のいずれかに記載のワクチン組成物。
【請求項34】
サイズ50〜400μmの粒子を含む、請求項24〜33のいずれかに記載のワクチン組成物。
【請求項35】
粒子サイズが50〜200μmである、請求項34に記載のワクチン組成物。
【請求項36】
免疫原をコーティングした粒子が、1種以上のアミノ酸、蛋白質、キレート剤、緩衝剤、保存剤、安定化剤、無機塩、抗酸化剤、滑沢剤およびアジュバントを含む、請求項24〜35のいずれかに記載のワクチン組成物。
【請求項37】
自由に流動する粒子状組成物である、請求項24に記載のワクチン組成物。
【請求項38】
動物または人間に投与した場合に免疫原性を示す、請求項24〜37のいずれかに記載のワクチン組成物。
【請求項39】
人間または動物のワクチンである、請求項24〜37のいずれかに記載のワクチン組成物。
【請求項40】
ニューカッスル病、伝染性気管支炎、コクシジウム症、家禽水痘、家禽コレラ、レオウイルス性腱滑膜炎(ウイルス性関節炎)、家禽喉頭気管炎、トリ脳脊髄炎、伝染性ファブリキウス嚢病(IBD)、マレック病、サルモネラ菌感染、マイコプラズマ・ガリセプチカム(mycoplasma gallisepticum)感染、トリ鼻気管炎、トリヘルペス、マイコプラズマ・ハイオニューモニエ(mycoplasma hyopneumoniae)、軟卵症候群、伝染性コリーザ病(Haemophilis pasagallinarum)、マイコプラズマ・シノビエ(mycoplasma synoviae)、またはトリレオウイルスを予防するための家禽用ワクチンである、請求項39に記載のワクチン組成物。
【請求項41】
アクチノバチルス・プルロニューモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)、萎縮性鼻炎、仮性狂犬病、豚丹毒、豚パルボウイルス、大腸菌腸性中毒、マイコプラズマ・ハイオニューモニエ、インフルエンザ、レプトスピラ、大腸菌感染、ブタ繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)、ボルデテラ(Bordetella)およびムルトシダ(multocida)A型およびD型感染、ヘモフィルス・パラスイス(haemophilus parasuis)感染、クロストリジウム・パーフリンジェンス(clostridium perfringens)感染、ロタウイルス感染、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)感染、グラーサー病、肺炎、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(bordetella bronchiseptica)感染を予防または治療するための豚用ワクチンである、請求項39に記載のワクチン組成物。
【請求項42】
インフルエンザ、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス(2型)、ポリオ、ジフテリア、百日咳、ヘモフィルス・インフルエンザB型(Hib)、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、腸チフス、水痘、デング熱、エプスタインバーウイルス感染、ヒトパピローマウイルス感染、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)感染、ナイセリア・メニンジティディス(Neisseria meningitidis)感染、肺炎球菌感染、ウイルス性髄膜炎、ロタウイルス感染、ダニ媒介性脳炎、旅行下痢、コレラ、黄熱病、または結核を予防するための人間用ワクチンである、請求項39に記載のワクチン組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2006−503830(P2006−503830A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−536689(P2004−536689)
【出願日】平成15年9月23日(2003.9.23)
【国際出願番号】PCT/AU2003/001250
【国際公開番号】WO2004/026336
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(505103297)バイタル バイオテック (ホンコン) リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】VITAL BIOTECH (HONG KONG) LIMITED
【Fターム(参考)】