説明

ワッシャホルダーおよびワッシャ供給源装置

【課題】 保持されるべきワッシャを所定の保持位置に安定に保持することのできるワッシャホルダー並びにこのワッシャホルダーによるワッシャ供給源装置を提供すること。
【解決手段】 ワッシャホルダーは、保持されるべきワッシャの外径に適合する内径を有するワッシャ受容凹所の複数が配列されて形成された加工シートよりなり、ワッシャがワッシャ受容凹所に受容され、その底面にワッシャの一面が粘着剤を介して剥離自在に保持される。ワッシャ受容凹所の底面の中央領域に、小径凹部が形成されていることが好ましい。ワッシャ受容凹所の底面が離型性を有することが好ましい。ワッシャ供給源装置は、上記のワッシャホルダーと、ワッシャ受容凹所に受容され、粘着剤層によりワッシャ受容凹所の底面に粘着して保持されたワッシャとよりなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワッシャホルダーおよびワッシャ供給源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機械要素の1つであるワッシャ(座金)は、通常、円形のリング板状体であって、主としてボルトやネジの締めつけ状態の緩み防止のために用いられるものであるが、例えば高さ調整のための間座として、あるいは金属ネジを緊締する場合にベース板が傷つけられることを防止するためのプロテクターとしても有効に用いられる。そして、このようなワッシャとしては、金属製のものの他に合成樹脂製のものも広く用いられている。
【0003】
而して、例えば或る種の工業製品(例えば、自動車)の組立て作業においては、緊急に暫定的な手直しが必要とされることも多く、このような場合に、種々の厚みやサイズを有する多くの種類(例えば、200種類)のワッシャから、適当と考えられるものを選んで、いわゆる仮止めされた状態で配置することが要請されている。これは、実際の螺子止めを別の場所における工程で行うことが要請される場合も多く、そのような場合にはワッシャの配置後に直ちに螺子止めが行われないからである。
【0004】
以上のような要請から、従来、ワッシャの一面に粘着剤層を形成してなる粘着性ワッシャが用いられている。この粘着性ワッシャは、その粘着剤層の外表面が剥離紙よりなる保護シートにより被覆されており、使用に際しては、剥離紙を剥離除去して粘着剤層を露出させ、当該粘着剤層により、仮止めが必要とされる個所にワッシャを粘着させることにより、仮止めが実現された状態を得ることができる。
【0005】
然るに、このような剥離紙付の粘着性ワッシャにおいては、実際の作業において剥離紙を除去する作業が相当に煩瑣であるために高い作業効率が得られず、また、剥離紙を一旦除去したワッシャが実際には不適当であることが判明した場合には、剥離紙を元の状態に貼り直すことがほとんど不可能であることから、ワッシャが無駄になる、という問題点がある。
【0006】
以上のような事情から、表面が離型処理された1枚の離型性シートをベースシートとして用い、このベースシートの表面に多数の粘着性ワッシャをその粘着剤層により粘着させて保持させてなるワッシャ供給源装置が開発され、実用に供されている。このようなワッシャ供給源装置によれば、一定の厚みと一定のサイズのワッシャを共通のベースシートに粘着保持させたものを、種々の厚みおよびサイズのワッシャ毎に用意しておき、適当なワッシャを選んでベースシートから分離させ、所要の個所にその粘着剤層を介して粘着させることにより、高い作業効率で、所期のワッシャが仮止めされた状態を実現することができる。
【0007】
しかしながら、上記のような剥離性シートよりなるベースシートを利用したワッシャ供給源装置では、ワッシャが厚みの小さいものである場合はともかく、厚みが大きいワッシャが保持された場合には、その輸送中または運搬中に、ワッシャが外力によってベースシート上を移動して変位し、更にはベースシートから剥がれ落ちることも多く、包装袋内に収容されている場合であっても、ベースシートから離脱したワッシャ同士が包装袋内で各々の粘着剤層によって粘着していわゆる団子状態となり、結局、便利にワッシャを使用することができない、という問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、保持されるべきワッシャを所定の保持位置に安定に保持することのできるワッシャホルダーを提供することにある。
本発明の他の目的は、そのようなワッシャホルダーを用いたワッシャ供給源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のワッシャホルダーは、保持されるべきワッシャの外径に適合する内径を有するワッシャ受容凹所の複数が配列されて形成された加工シートよりなり、
保持されるべきワッシャが当該ワッシャ受容凹所に受容され、当該ワッシャ受容凹所の底面にワッシャの一面が粘着剤を介して剥離自在に保持されることを特徴とする。
【0010】
本発明のワッシャホルダーにおいては、ワッシャ受容凹所が円形であって、その内径が、保持されるべきワッシャの外径より1〜5mm大きいことが好ましい。また、ワッシャ受容凹所の深さが、0.5〜3.0mmであることが好ましい。更に、ワッシャ受容凹所の内径が6〜35mmであり、保持されるべきワッシャの外径が5〜30mmであることが好ましい。
【0011】
本発明のワッシャホルダーにおいては、ワッシャ受容凹所の底面の中央領域に、保持されるべきワッシャの内径より大きい内径を有する円形の小径凹部が形成されていることが好ましい。
この場合に、ワッシャホルダーの小径凹部の内径が、保持されるべきワッシャの内径より1mm以上大きいことが好ましい。
【0012】
本発明のワッシャホルダーは、一方向に伸びる第1の配列線に沿って同一形状のワッシャ受容凹所が並んで形成された第1のワッシャ受容凹所列と、前記第1の配列線と平行に伸びる第2の配列線に沿って前記第1のワッシャ受容凹所列に係るワッシャ受容凹所と同一形状のワッシャ受容凹所が並んで形成された第2のワッシャ受容凹所列とを有し、
前記第1の配列線と第2の配列線との間の離間距離がワッシャ受容凹所の内径の寸法と同等またはそれより小さいものとされていることが好ましい。
【0013】
本発明のワッシャホルダーにおいては、加工シートが合成樹脂シートよりなるものとすることができる。
加工シートは、その少なくともワッシャ受容凹所の底面が離型性を有することが好ましい。
【0014】
本発明のワッシャ供給源装置は、上記のワッシャホルダーと、このワッシャホルダーのワッシャ受容凹所に受容され、一面に形成された粘着剤層により当該ワッシャ受容凹所の底面に粘着して保持されたワッシャとよりなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のワッシャホルダーによれば、そのワッシャ受容凹所に適合するワッシャを保持させることによりワッシャ供給源装置が構成され、このワッシャ供給源装置によれば、ワッシャが、ワッシャ受容凹所内に受容された状態で、粘着剤層により粘着されて保持されているため、例えばその輸送中または運搬中に外力を受けたときにも、ワッシャが対応するワッシャ受容凹所から外れて変位または移動することが防止され、安定に保持された状態が維持され、従って、当該ワッシャ供給源装置を用いてワッシャを得ることにより、高い効率で、所期のワッシャの配置作業を行うことができる。
【0016】
また、ワッシャ受容凹所の底面の中央領域に、ワッシャの内径より大きい内径の小径凹部が形成されているワッシャホルダーによれば、ワッシャの内周縁に厚み方向外方に突出する状態でいわゆるバリが形成されている場合にも、当該バリが当該小径凹部内に位置されることにより、ワッシャの一面の粘着剤層をワッシャ受容凹所の底面に確実に粘着した状態を得ることができ、結局、内径バリがあるワッシャであっても、これをワッシャ受容凹所に安定に保持させることができる。
【0017】
更に、互いに平行に伸びる2つの直線状の配列線に沿ってワッシャ受容凹所が配置されており、当該2つの配列線の離間距離が当該ワッシャ受容凹所の内径の寸法と同等またはそれより小さい大きさとされることにより、1枚のワッシャホルダーに多数のワッシャ受容凹所を高い密度で形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明のワッシャホルダーの一例における説明用正面図、図2はそのワッシャ受容凹所の部分を拡大して示す説明用断面図である。
【0019】
この例のワッシャホルダー10は、表面が離型性を有する平板状の樹脂シートを変形加工することにより、その表面から下方に窪んだ状態のワッシャ受容凹所(以下、単に「受容凹所」ともいう。)20が多数配列された状態で形成されてなる加工シートにより構成されている。
【0020】
各受容凹所20には、その底壁部22の中央領域において、その底面から更に下方に窪んだ状態の円形の小径凹部24が当該受容凹所20と同心状に形成されており、これにより、当該受容凹所20の底面は円環状の段部として形成された形態とされている。
【0021】
加工シートを形成する樹脂シートは、特に限定されるものではないが、例えば厚み30〜100μmのポリエチレンテレフタレートのシートを好適に用いることができる。表面に離型性を有する樹脂シートとしては、表面に、例えばシリコーン離型剤を塗布してなるものがある。加工シートを得るための変形加工方法は限定されるものではないが、例えば真空成形加工を好適に利用することができる。
【0022】
ワッシャホルダー10の受容凹所20の寸法の一例は、例えば、内径D1が16mm、深さT1が1mm、小径凹部24の内径D2が8mm、深さT2が0.5mmである。
このワッシャホルダー10に保持されるべきワッシャWはその 一面に粘着剤層Sが設けられている粘着性ワッシャであって、その外径d1が12〜14mm、内径d2が4〜7mm、厚みtが1〜2mmのものである。
【0023】
ワッシャホルダー10における受容凹所20は、その内径D1が、保持されるべきワッシャWの外径d1より大きいことが必要であって、その差a(D1−d1)は1〜5mmであることが好ましい。この差aが1mm未満の場合には、受容凹所20にワッシャWを収納する作業および受容凹所20からワッシャWを取り外す作業の容易性が低くなるおそれがある。
そして、ワッシャWの外径d1は一般に5〜30mmであることから、受容凹所20の内径D1は6〜35mmとされる。
【0024】
受容凹所20の深さT1は、0.3mm以上であることが必要であり、0.5mm以上であることが好ましいが、3.0mmを超えることは、実際上、必要ではない。また、この受容凹所20の深さT1はワッシャWの厚みtと同等以下であることが好ましく、過大の場合には、ワッシャの取り出しの容易性が低下する。
【0025】
受容凹所20における小径凹部24は、ワッシャWの内径より大きい内径D2を有するものであり、当該受容凹所20内に収容されて保持された状態のワッシャWの下面における内周縁部を当該小径凹部24内に露出された状態とするためのものである。従って、当該小径凹部24の内径D2は、ワッシャWの内径d2より例えば1mm以上大きいことが必要であって、2mm以上大きいことが好ましく、実際には、ワッシャWの内径d2よりも、受容凹所20の内径D1とワッシャWの外径d1との差a(D1−d1)以上大きいものとすることが更に好ましい。しかし、ワッシャWの粘着剤層Sが粘着される粘着用領域の幅(d1−D2)が、ワッシャWの外径d1と内径d2との差(d1−d2)の50%以上であることが必要である。
【0026】
以上のような内径D2を有する小径凹部24が形成された受容凹所20によれば、ワッシャWが当該受容凹所20内においてどのような位置に存在する場合にも、ワッシャWの下面における内周縁部分が確実に当該小径凹部24内に露出される状態となる。
【0027】
図1に示すように、ワッシャホルダー10においては、上記のような受容凹所20の多数が配列された状態とされている。
具体的には、このワッシャホルダー10は、全体が矩形の加工シートから構成されており、長辺12に沿って伸びる直線状の第1の配列線L1に沿って例えばn個(図1では5個)の受容凹所20が、その内径D1より大きいピッチPで一列に並んで配列されることにより、第1の受容凹所列201が形成されている。また、第1の配列線L1と平行な第2の配列線L2に沿って例えば(n−1)個の受容凹所20が、その内径D1より若干大きいピッチPで一列に並んで配列されることにより、第2の受容凹所列202が形成されている。そして、第1の配列線L1と第2の配列線L2との間の離間距離gは、当該受容凹所20の内径D1より小さいものであり、第2の受容凹所列202に属する受容凹所20の各々の配列線方向における位置は、第1の受容凹所列201に属する受容凹所20の互いに隣接するものの中間の中央に相当する位置とされている。
【0028】
更に、同様にして、第2の配列線L2に平行な第3の配列線L3に沿って、第1の受容凹所列201と同様の態様で受容凹所20が配列されることにより、第3の受容凹所列203が形成されると共に、この第3の配列線L3に平行な第4の配列線L4に沿って、第2の受容凹所列202と同様の態様で受容凹所20が配列されることにより、第4の受容凹所列204が形成され、以下同様にして所要の数が受容凹所20が配列して形成されており、このようにして、全体としていわゆる千鳥配置の状態とされている。
【0029】
以上において、1つの受容凹所列における受容凹所20の数および配列線の数は特に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。そして、1つのワッシャホルダー10における受容凹所20の総数は特に制限を受けるものではなく、例えば50〜200個とすることができる。
【0030】
以上のような構成のワッシャホルダー10によれば、その受容凹所20に適合する形状を有するワッシャを収容して粘着剤を介して保持させることにより、ワッシャ供給源装置が構成される。
具体的に説明すると、図2に示すように、受容凹所20の内径D1より小さい外径d1を有し、その一面に粘着剤層Sが形成されてなる粘着性ワッシャWを、粘着剤層Sを利用して、受容凹所20の底面(すなわち底壁部22の上面)に粘着させることにより、保持させる。
【0031】
このようなワッシャ供給源装置においては、各ワッシャWは、その粘着剤層Sの粘着性によってワッシャホルダー10に粘着されているのみでなく、受容凹所20内に受容された状態であって、当該受容凹所20の内周壁面によってワッシャWが当該受容凹所20から外れて移動することが防止される。
従って、ワッシャWが厚みtの大きいものである場合にも、例えば当該ワッシャ供給源装置の輸送中または運搬中に外力を受けたときにも、当該受容凹所20内に安定に保持された状態が維持される。従って、当該ワッシャ供給源装置を用いてワッシャを得ることにより、高い効率で、所期のワッシャの配置作業を行うことができる。
【0032】
また、受容凹所20の底壁部22の中央領域に小径凹部24が形成されており、当該小径凹部24により、当該ワッシャWの下面における内周縁が露出された状態となるため、当該内周縁に厚み方向外方に突出するいわゆるバリ(図示せず)が形成されている場合にも、当該バリが当該小径凹部内に位置されることとなり、当該バリのために、当該下面が受容凹所20の底壁部22の上面(受容凹所20の底面)に密接されることが阻害されることがなく、従って、ワッシャWの下面を、粘着剤層Sを介して、受容凹所20の底面に確実に粘着した状態を得ることができる。上記のバリは、当該ワッシャを例えば打ち抜き加工によって製造する場合に、通常、不可避的に形成されるものである。
【0033】
また、受容凹所20に小径凹部24が形成されている場合には、受容凹所20に保持されたワッシャWの中央孔内に進入してその内周面または内周縁に係合して当該ワッシャWをワッシャホルダー10の受容凹所20から取り外すワッシャ自動取り出し装置により、ワッシャの処理を確実に達成することができる。
【0034】
更に、互いに平行に伸びる直線状の配列線L1,L2,L3・・・に沿って受容凹所20が配列されており、互いに隣接する2つの配列線の離間距離gを当該受容凹所20の内径の寸法と同等またはそれより小さい大きさとすることにより、1枚のワッシャホルダー10において多数の受容凹所20を高い密度で形成することができる。
そして、このように、受容凹所20の複数が直線状の配列線に沿って並んで形成されていることにより、例えば自動ワッシャ処理装置によりワッシャWを取り扱うことが容易となる利点が得られる。
【0035】
以上、本発明の具体的な一例について説明したが、本発明においては、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、ワッシャホルダーを構成するシートの材料の種類、厚みは特に限定されるものではなく、ポリエチレンテレフタレートの他に、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂シート、紙基材に樹脂フィルムをラミネートした複合シート、その他の変形加工を施すことができるものを用いることができる。
【0036】
表面が離型性を有する加工シートを得るためには、離型剤を塗布することによる手段によらずに、材料そのものが表面に離型性を有する樹脂シートや複合シートを用いることもできる。
【0037】
本発明において、受容凹所の形状は、円形に限定されるものではなく、受容されたワッシャの移動を防止することができるものであればよい。
また、1枚のワッシャホルダーに形成される受容凹所の数およびその配列の状態は、特に限定されるものではなく、全く自由に選定することができる。
【実施例】
【0038】
表面にシリコーン離型剤が塗布されることにより離型性処理が施された厚みが38μmのポリエチレンテレフタレートよりなる合成樹脂シートを真空成形加工することにより、各々、内径D2が8mm、深さT2が0.5mmの小径凹部を有する、内径D1が12mm、深さT1が1mmの受容凹所の合計86個を千鳥状に配置してなる、縦125mm、横190mmのワッシャホルダーを製造した。このワッシャホルダーは、全9列の受容凹所列が形成され、奇数番目の各列には10個、偶数番目の各列には9個の受容凹所が17mmのピッチPで並んでおり、隣接する受容凹所列の配列線の離間距離gが12mmとされたものである。
【0039】
このワッシャホルダーの受容凹所のすべてに、外径d1が10mm、内径d2が5.2mm、厚みtが2mmの、一面に粘着剤層が形成されたワッシャを当該粘着剤層により粘着させて保持させることにより、ワッシャ供給源装置を作製した。
【0040】
実験例1
上記のようにして得られたワッシャ供給源装置を水平面上に置き、人手により当該水平面上を横方向に30cmの距離を0.5Gの加速度で往復動させる実験を合計10枚のワッシャ供給源装置について行ったが、すべてのワッシャ供給源装置において、受容凹所から外れ出たワッシャの数は0であった。
一方、受容凹所を形成しないことの他は同様の離型性処理が施された厚みが38μmのポリエチレンテレフタレートのシートの表面に、同数の同一のワッシャを同様の配列状態で粘着させて保持させてなる比較用のワッシャ供給源装置を作製し、その10枚について上記と同様にして往復動させたところ、1枚当り平均で8個のワッシャに変位が生じ、その最大距離は5mmであった。
【0041】
実験例2
上記と同様のワッシャ供給源装置を人手により1秒間に1回空中で旋回させる実験を、合計10枚のワッシャ供給源装置について行ったが、ワッシャホルダーから離脱したワッシャの数は0であった。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明のワッシャホルダーの一例における説明用正面図である。
【図2】図1のワッシャホルダーのワッシャ受容凹所に粘着性ワッシャが保持された状態を拡大して示す説明用断面図である。
【符号の説明】
【0043】
10 ワッシャホルダー
12 長辺
20 ワッシャ受容凹所
22 底壁部
24 小径凹部
W ワッシャ
S 粘着剤層
L1 第1の配列線
L2 第2の配列線
L3 第3の配列線
L4 第4の配列線
201 第1の受容凹所列
202 第2の受容凹所列
203 第3の受容凹所列
204 第4の受容凹所列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持されるべきワッシャの外径に適合する内径を有するワッシャ受容凹所の複数が配列されて形成された加工シートよりなり、
保持されるべきワッシャが当該ワッシャ受容凹所に受容され、当該ワッシャ受容凹所の底面にワッシャの一面が粘着剤を介して剥離自在に保持されることを特徴とするワッシャホルダー。
【請求項2】
ワッシャ受容凹所が円形であって、その内径が、保持されるべきワッシャの外径より1〜5mm大きいことを特徴とする請求項1に記載のワッシャホルダー。
【請求項3】
ワッシャ受容凹所の深さが、0.5〜3.0mmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワッシャホルダー。
【請求項4】
ワッシャ受容凹所の内径が6〜35mmであり、保持されるべきワッシャの外径が5〜30mmであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のワッシャホルダー。
【請求項5】
ワッシャ受容凹所の底面の中央領域に、保持されるべきワッシャの内径より大きい内径を有する円形の小径凹部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のワッシャホルダー。
【請求項6】
ワッシャホルダーの小径凹部の内径が、保持されるべきワッシャの内径より1mm以上大きいことを特徴とする請求項5に記載のワッシャホルダー。
【請求項7】
一方向に伸びる第1の配列線に沿って同一形状のワッシャ受容凹所が並んで形成された第1のワッシャ受容凹所列と、前記第1の配列線と平行に伸びる第2の配列線に沿って前記第1のワッシャ受容凹所列に係るワッシャ受容凹所と同一形状のワッシャ受容凹所が並んで形成された第2のワッシャ受容凹所列とを有し、
前記第1の配列線と第2の配列線との間の離間距離がワッシャ受容凹所の内径の寸法と同等またはそれより小さいものとされていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のワッシャホルダー。
【請求項8】
加工シートが合成樹脂シートよりなることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のワッシャホルダー。
【請求項9】
加工シートの少なくともワッシャ受容凹所の底面が離型性を有することを特徴とする請求項8に記載のワッシャホルダー。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれかに記載のワッシャホルダーと、このワッシャホルダーのワッシャ受容凹所に受容され、一面に形成された粘着剤層により当該ワッシャ受容凹所の底面に粘着して保持されたワッシャとよりなることを特徴とするワッシャ供給源装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−176583(P2007−176583A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378923(P2005−378923)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(505352323)山下工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】