説明

ワンパス郵便配達員配達シーケンス区分機

郵便物のグループ用の仕分けシステム及び方法において、その郵便物のグループが、配達情報に従って固有の宛先を有するシーケンスに仕分けされる。郵便物が区分機を通って移動すると、郵便物の面が垂直方向に配向され、対面の関係を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される本発明は、一般に配達員シーケンス仕分けに関し、更に詳細にはワンパス配達員シーケンス仕分けに関する。
【背景技術】
【0002】
米国郵政公社(USPS)の将来に関する2003年度大統領諮問委員会報告書では、米国郵政公社は、顧客のニーズに対応し且つ配達地点毎に手紙及び平形小包が混在された1つの束にする有効な併合システムの開発を継続すべきであると結論付けた。システムは、最終仕分け工程で郵便物の流れの全ての要素(手紙、平形小包、定期刊行物、葉書など)を併合することにより、配達員シーケンス仕分けの段階でこの併合を達成すべきである。
【0003】
現時点では、郵便物の流れは、予め仕分けされて郵便支局に到着するものもあれば、そうでないものもある。一般に、郵便物が配達シーケンス別に既に仕分けされて支局に到着した場合でも、郵便配達員は、異なる郵便トレイからの郵便物の複数(多くの場合10ほど)の流れを併合する必要があり、このために、一般的には手動による仕分け工程が行われている。郵便物が予め仕分けされて支局に到着しない場合、郵便配達員は、更に多くの時間、すなわち数時間を費やして郵便物を手動で配達員配達シーケンスに仕分けしている。多くの場合、機械化されたルートの配達員は、各郵便ポストに座りながら郵便併合を完了し、すなわち郵便箱に入れる前にその場で複数の郵便トレイから郵便物を併合する。こうしたことは、郵便配達員が郵便物の配達を開始できる前にかなりの時間を費やして郵便物を併合し仕分けるか、或いは配達しながら併合を完了する必要があり、これにより、郵便物配達工程(ラストマイル)が極めて非効率的になっている。本発明は、このような非効率さを是正するものである。
【0004】
1990年、USPSは、配達員配達シーケンスで郵便物を配列するための配達員順序バーコード区分機、タイプB、単一パス区分機の提案依頼書を発行した。14年後の今日まで、その要望を満たすため製造され納入された製品は未だ無い。
【0005】
USPSは、中央仕分け設備で配達シーケンスの仕分けを行うこともある。仕分けがここで行われるのは、この工程の自動化に必要とされる設備が単に大きすぎて支局に収まりきれないからである。USPSがこのような設備を各支局に設置するには極めて高額なコストになる。更に、現在利用可能な唯一の区分機は複数パス区分機であり、100を上回るビンを含むことができ、郵便物を配達シーケンス順序にするために2つ又はそれ以上の仕分けシーケンスを必要とする場合があるので、中央で仕分けすることがはるかに効率的でもある。しかしながら、配達員配達シーケンス仕分けが中央で行われた後、支局に送られると、配達員は、通常、1日のうち始めの2時間を費やして郵便物を再度仕分けし、エラーを訂正している。郵便ネットワークの多くの場所(特にアメリカ合衆国外)では、郵便物は、依然として配達員により手動で仕分けされ、すなわち旧式(Ben Franklin)の分類箱棚を使用して郵便物を配達シーケンスに仕分けされている。
【0006】
現在利用可能な区分機には重大な限界がある。すなわち、非常に大きく、極めて多くのビンを備えた高価な機器で、かなりの作業スペースが必要とするものか、或いは、作業に複数のパスが必要であるがビンの数が少ないもののいずれかである。この複数パス作業は、極めて大きな労働力を要する工程である。よって、例えば、16のビンを有する区分機で2000個の郵便物の仕事を仕分けするには3回のパスを必要とする。すなわち、オペレータは、郵便物を装荷し、区分機を操作し、次いで各ビンから郵便物を除荷し、郵便物を送給装置に再装荷することを3回行う必要があることを意味する。これは手動による仕分けと比べてある程度の時間節約となるが、労働集約型であるので価値命題に限界がある。例えば、2001年4月2日出願の名称「Single Feed One Pass Mixed Mail Sequencer(単一送給ワンパス混在郵便物シーケンサ)」の米国公開特許出願第20020139726号を参照されたい。
【0007】
USPSが単一パスシステムについての提案を要求していたのは、高速の複数パス仕分け機器では依然として労働集約型が必要とされているためである。
【0008】
【特許文献1】米国公開特許出願第20020139726号公報
【特許文献2】米国特許第5,042,667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、郵便物及び同様のものに対する単一パス配達シーケンス仕分けシステムを提供することである。
【0010】
本発明の更なる目的は、企業に入ってくる郵便物の仕分けを提供することである。手動による方法は依然として、企業が入ってくる郵便物を仕分けするのに用いる最も一般的な方法である。これはまた、極めて労働集約的なものであるが、必要とされる投資及び利用可能な郵便物仕分け設備の大きさは、一般的に法外なものである。
【0011】
別の目的は、容易且つ比較的安価に作製することができると共に運転寿命が長い単一パス配達シーケンス仕分けシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
現在、上記及び関連する目的は、郵便配達員にとってラストマイルの効率を劇的に向上させ、企業への入ってくる郵便物を仕分けする大幅な労力を排除するために、本発明で得られることが判明している。本発明は、配達員ルート毎の全日の郵便物をランダムなシーケンスから単一パスの配達シーケンスに仕分けることができる。本発明は、殆ど労力を必要とすることなく、その日に完全にランダムな順番で配達されることになる郵便物の積み重ね全体を受け入れ、これを自動的に処理して正確な配達順序で郵便トレイに積み重ねる能力を有する。本発明は、最適な紙処理を行うために紙経路が非常に短く直線(約4フィート長)であることを特徴とする。本発明は、広い自由度の郵便物タイプを処理し、平形小包、手紙、定期刊行物をワンパスに併合することができる。更に、自動的に送給することができないが、自動的に仕分け(ソート)、除荷(アンロード)、及び郵便トレイへの積み重ね(スタック)を可能にする郵便物(新聞又は特殊な大きさの郵便物)を統合及び併合するために手動挿入機能が含まれている。このシステムは単一のパスで作業全体を完了するので、区分機(ソータ)ビンのスイープ(除荷)及び送給装置の再装荷(再ロード)を複数回行う必要性が排除されることで、仕分けを完了する労力が劇的に軽減される。もはや郵便配達員が各配達地点で3つ又はそれ以上の郵便物の流れを併合する必要がなく、配達効率の良さが付加されることになる。仕分けを完了する時間は、競合する(複数パスの)区分機(例えば、競合する区分機が劇的に高速で作動したとしても)と比較すると、特に手動による仕分けと比較すると大幅に短縮される。従って、郵便配達員の時間のほとんどは郵便物仕分けではなく郵便物配達に費やされる。
【0013】
更に、本発明は、競合する仕分けシステムと比較すると設置面積が有意に少ない単一パス配達員シーケンス仕分けシステムを提供する。これによって、設置に当たり壁を取り壊す可能性が少ないので、企業(並びに郵便局)がこの製品の利用を検討する可能性が高くなる。
【0014】
本発明は、オペレータが機械読み取り可能ではない住所を手動で入力することができるようにビデオエンコーディングステーションを更に含む。他の仕分けシステムと違って、単一のオペレータが、ラベリング又は印刷ステーションを必要とすることなく、自動送給/読取りと並行して手動住所入力を行うことができる。
【0015】
本発明は、郵便物の複数の流れ(平形小包、手紙、定期刊行物)を単一の流れに併合して、これを単一のパスで配達シーケンスに仕分けする配達シーケンス区分機である。全ての形式の郵便物が、同時にランダムな順番で装荷され、個別化され、住所読取り装置を過ぎて極めて短い距離を搬送されて、ステーション当たり1通の郵便物で番号が付与されたビン又は保持ステーションに装荷されることになる。各郵便物は、送給装置から保持ステーションまで同じ短い距離を搬送される。仕分け作業で郵便物の全てを保管するのに十分な保持ステーションが設けられる。保持ステーションは互いに接続され、レーストラック形の仕分け経路のような環状ループでゆっくりと移動される。システム制御装置は、各郵便物から読取られた住所情報を保持ステーションの番号と各郵便物について関連付ける。制御装置は、配達シーケンスにおいて、個々の郵便物を保持ステーションから複数の中間除荷ステーションに除荷するアルゴリズムを作成する。制御装置は、幾つかの中間除荷ステーションの各々を配達員ルート上の住所の1つと一時的に関連付ける。(中間除荷ステーションの数は、仕分けされることになる住所の総数よりも実質的に少なくなる可能性がある)。保持ステーションの環状ループは、中間除荷ステーションを通って移動し、選択された郵便物は、保持ステーションから中間除荷ステーションに排出される。共通の住所に宛てられた全ての郵便物は、レーストラック仕分け装置の1回転中にその住所に関連付けられた指定の中間除荷ステーションに除荷される。レーストラック仕分け装置の最初の回転後、中間除荷ステーションは、最終結束/包装ステーションまで移動し、正しい順番で直接郵便トレイに郵便物を除荷する。次いで、中間除荷ステーションは定位置に戻り、新しい住所が中間除荷ステーションの各々と関連付けられる。この住所の束の郵便物は、レーストラック仕分け装置の2回目の回転中にレーストラック仕分け装置から中間除荷ステーションに排出され、この結果、これらは、最終結束/包装ステーションに移動される。このシーケンスは、全ての郵便物が郵便トレイに除荷されるまで続く。
【0016】
本発明は、ランダムな順序の郵便物の束を単一のパスで配達シーケンスに仕分けするプロセスを含み、全ての郵便物を送給する段階と、読取り段階と、1通の郵便物が各々番号が付与された保持ステーションに保管される状態で保管する段階と、単一の環状ループで保持ステーションを移動させる段階と、正しい順序で保持ステーションから幾つかの中間除荷ステーション(この数は、郵便物の全体住所の数よりも実質的に少ないものである可能性がある)に郵便物を排出する段階と、次いで、仕分けされた郵便物を中間除荷ステーションから郵便トレイに除荷する段階とを含む。
【0017】
本発明は、元のランダムな順番の郵便物を番号が付与された保持ステーションに装荷し、各郵便物のスキャンされた住所情報を該郵便物を含む番号が付与された保持ステーションと関連付け、次いで、一時的なルート住所識別子を複数の中間除荷ステーションの各々に割り当て、各中間除荷ステーションに割り当てられた一時的な住所に関連付けられる順序で、保持ステーションから中間除荷ステーションに郵便物を排出する順序付けアルゴリズムを含む。サイクルは、新しい一時的な住所情報がサイクル毎に中間除荷ステーションの各々に割当てられながら何度も繰り返される。
【0018】
本発明において、中間除荷ステーションの数は、そのルートに向けた郵便物の全てを単一のパスで自動的に処理するシステムにおいて、配達員ルートの住所の数よりもかなり少ない。
【0019】
本発明は、自動的に送給することができない郵便物の手動送給、及び自動住所読取り装置によってうまく読取ることができない住所の手動入力によって合計作業時間を短縮し、これらの手動による段階の後に、機械で読取り又は機械送給可能な郵便物の場合と同じ自動処理を行う方法を含む。これらのタイプの郵便物の処理に必要な部分的な手動介入は、初期送給サイクルと並行して行われ、これらの手動による作業を行うのに必要とされる時間の増大がないようにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むと十分に理解されるであろう。
【0021】
添付図面は、本発明の現在好ましい実施形態を示しており、上記の全体的な説明並びに以下に示す詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。図面全体を通じて示すように、同じ参照番号は同じ要素又は対応する要素を示す。
【0022】
最初に図1を参照すると、全体が番号10で示され、本発明に従って形成された単一パス配達員シーケンス区分機が図示されている。単一パス配達員配達シーケンス区分機10は、4つの脚部14(図1では3つのみ示されている)が延びたベース部12を有する。自動送給ステーション16は、ベース部12に沿って長手方向に延び、一方端には送給装置18と住所読取り装置20を有し、他方端には第2の住所読取り装置24を備えた手動送給ステーション22を有する。送給装置18及び住所読取り装置20は、ビンディバイダ28のアレイを有するレーストラック仕分け装置26への送給読取り挿入経路を生成し、隣接するビンディバイダが、この間に投入される個々の郵便物用のホルダを形成している。送給装置18に隣接してマイクロプロセッサ又は同様のものとすることができるビデオエンコーダ/数値制御装置30が配置され、単一パス配達者配達シーケンス区分機10の種々の構成部品に動作可能に接続され、以下で更に説明される方法で該区分機の動作と協働する。
【0023】
レーストラック仕分け装置26のいずれかの側部には、各々が20個の中間除荷ステーション36を有する数字32で全体が示された2つの中間除荷ステーションユニットがある。中間除荷ステーションユニット32の両端には、結束/包装ステーション38がベース部12上に取り付けられている。
【0024】
次に、図6A、図6B、及び図7から図10を参照すると、レーストラック仕分け装置26の詳細が図示されている。図8においては、送給装置18から来る郵便物は、郵便物挿入経路40に沿ってビンディバイダ28のアレイに移動し、レーストラック仕分け装置26端部にある半円区域をビンディバイダ28が回るときにビンディバイダ28が分かれると、1つの郵便物が隣接するビンディバイダ28間に挿入される。レーストラック仕分け装置26内のビンディバイダ28は、数字42で全体的に示すビンベルト駆動システムにより5インチ/秒で時計回りの方向に沿って駆動される。ビンベルト駆動システム42は、ビンディバイダ28の内縁部に接続され、所望の時計回りにビンディバイダ28を移動させる。ビンディバイダ28の上縁部の駆動を助けるために、転回ベルト駆動部44が、両面タイミングベルト46を有し、タイミングベルトの片側3歯毎に2つの歯が取り除かれて外側に12ミリメートルのピッチを生成する。転回ベルト駆動部44は、数字48で全体的に示す2つのビン頂部ベルト駆動部に動作可能に接続されている。図8及び図10で最も良く分かるように、ビン頂部ベルト駆動部48は互いに平行に延びており、各々が4ミリピッチの両面タイミングベルト50を含み、両面4ミリピッチタイミングベルト50は、タイミングベルト46によってビンディバイダ28が所定位置に移動した後、ビンディバイダ28の上部延長部と係合する。ビン頂部ベルト駆動部48のこの構成によって、ビンディバイダ28は、約15インチ/秒の速度で転回ベルト駆動部44によって移動した後、約5インチ/秒の速度で移動する。
【0025】
郵便物をレーストラック仕分け装置26から中間除荷ステーション36へ取り出すために、各ビンディバイダ28は、図6Aに示すような排出アーム52を有する。排出アーム52は、枢着されて郵便物(3インチx5インチから12インチx15インチの大きさ)と係合し、隣接するビンディバイダ28の間から押し出すように比較的平坦なスイープを有する寸法形状にされる。排出アーム52は、プラスチック成形品又はワイヤフォーム設計とすることができる。各排出アーム52はカム従動部54を有し、該従動部は、通常、ビンディバイダ28の環状アレイの経路全体に関連付けられた固定レール58の溝56を移動する。排出アーム52は、固定レール58内の溝56に乗り、排出アーム52を非動作位置に保持する。郵便物をビンディバイダ28から中間除荷ステーション36の1つに移動させることが要求される地点の中間除荷区域にビンディバイダ28が到達するときに、排出アーム52を図6A、図7、図9における実線の位置から仮想線の位置まで動作させるためには、デフレクタ及びソレノイド作動機構60は、排出アーム52のカム従動部54を図6Bに示すように排出機ストローク1.9インチ、排出機戻り約2インチで排出カム経路62に迂回させることができる。カム従動部54が排出カム経路62内にある状態では、排出アーム52が回転されて、郵便物と係合し、隣接するビンディバイダ28の間から所望の中間除荷ステーション36内に郵便物を押し出す。排出カム経路62の端部では、カム従動部54が溝56に戻り、排出アーム52を非動作位置に保持し続ける。デフレクタ及びソレノイド作動機構60は、任意の数のカム従動部54を溝56から排出カム経路62に迂回することができ、その結果、幾つかの隣接するビンディバイダ内の郵便物が全て同じ住所に宛てられている場合、デフレクタ及びソレノイド作動機構60は単に係合状態を維持し、複数のビンディバイダ28上にあるカム従動部54を溝56から排出カム経路62まで迂回する。
【0026】
図11で最も良く分かるように、中間除荷ステーションユニット32は、中間除荷ステーション36に対応する複数の除荷トレイ組立体64を有する。各除荷トレイ組立体64は、排出郵便物68を固定壁70に接して支持するための枢動アーム66と、カム71を位置71aに移動させることによって枢動アーム66を排出郵便物68から離れている位置に移動させ、新しい郵便物を受け入れるようにする固定位置モータ及びカムアクチュエータシステム72とを含む。各除荷トレイ組立体64上の枢動アーム66は、ビンディバイダ28上の排出アーム52の作動と同期して作動され、その結果、枢動アーム66が開いて排出郵便物をビンディバイダ28から受け入れるようになる。
【0027】
次に、本発明の動作についてより詳細に説明する。図2で分かるように、オペレータは最初に、最大2000通の郵便物を自動送給ステーション16に装荷し、送給サイクルを開始する。郵便物は、送給装置18によって個別化され、住所読取り装置20を通過し、隣接するビンディバイダ28によって形成されるホルダ間に郵便物挿入経路40に沿って挿入される(図8)。この動作は、1時間当たり8000送給/挿入で進行する。送給サイクル中、各郵便物の厚みがそのビン位置と共に制御装置30によって測定されて記憶される。各郵便物がビンディバイダ28の間に挿入された後、レーストラック仕分け装置26は、挿入されることになる次の郵便物のための次の空きスペースに位置決めする。
【0028】
住所読取り装置20によって読取られ判別できない何らかの住所については、制御装置30が郵便物のビン位置を記録し、その住所画像が制御装置30のオペレータによる判別用に記憶される。オペレータは、制御装置30上で読取りできない住所を調べ、正しい住所の判別結果を入力する。制御装置30は、この情報を郵便物のビン位置と関連付ける。
【0029】
図2の手動送給ステーション22で、オペレータは、自動的に送給できない郵便物68Aを手動で挿入する。これらは、住所についてスキャンされて、隣接するビンディバイダ28によって形成された空のホルダに挿入される。
【0030】
図3で分かるように、郵便物の全ては、送給され、読取られ、最初の順番でビンディバイダ28間に挿入されて、オペレータにより機械読取り可能でない郵便物の正しい住所が入力された後、制御装置30が、正しい配達シーケンスで郵便物を除荷するための正しいシーケンスを計算する。制御装置30は、40個の中間除荷ステーション36の各々を割り当てて、最初の40件の特定の住所についての全ての郵便物を受け取るようにする。しかしながら、制御装置30は、郵便物の総数と、各住所についての当該郵便物の全ての累積厚みとを計算する。累積厚みが1つの除荷トレイ組立体64の能力を超える場合、2つ又はそれ以上の除荷トレイ組立体64が割り当てられ、その住所の全郵便物を保持する。
【0031】
制御装置30により正しい除荷順番が決定されると、レーストラック仕分け装置26は、中間除荷ステーションユニット32を過ぎて5インチ/秒で回転し始める。レーストラック仕分け装置26が中間除荷ステーションユニット32を過ぎて回転すると、郵便物が、該郵便物の指定住所を有する中間除荷ステーションを通過するときは常に、中間除荷ステーション36の除荷トレイ組立体64に排出される。図4、図6A、図6B、図7及び図9を参照されたい。郵便物が中間除荷ステーションユニット32を過ぎると、該郵便物は、ビンディバイダ28の間に挟まれて、多くの従来技術による郵便システムで見られるような端と端ではなく垂直方向の対面関係で整列することにより、レーストラック仕分け装置26を高速回転させることを必要とせずに、比較的迅速に仕分けが行われる点に留意されたい。郵便物がレーストラック仕分け装置26から排出されるときには、指定除荷トレイ組立体64のアクチュエータシステム72(図11)が枢動アーム66を適切な位置66aまで移動させるよう繰り返し動作する。郵便物が除荷トレイ組立体64内にあると、アクチュエータシステム72は定位置に戻り、枢動アーム66が除荷トレイ組立体64内のあらゆる郵便物を押して固定壁70上で直立位置に郵便物を保持する。
【0032】
レーストラック仕分け装置26の1回転の終わりには、最初の40件の住所についての郵便物の全てが、レーストラック仕分け装置26から中間除荷ステーション36に既に除荷されている。残りの(400−40=360)住所についての郵便物は、レーストラック仕分け装置26に残っている。よって、各中間除荷ステーション36は、1つの特定の住所についての郵便物の束を含む(先に示した理由により、1つよりも多い除荷トレイ組立体64がその住所に指定されていない限り)。
【0033】
図5及び図11で分かるように、最初の40件の住所の郵便物の全てがレーストラック仕分け装置26から中間除荷ステーション36の除荷トレイ組立体64に排出された後、除荷トレイ組立体64の下にあるベルト74は、除荷トレイ組立体64をベルト74の端部にある結束/包装ステーション38まで前進させる。ここで、共通の住所を有する郵便物の各束は、除荷トレイ組立体64から結束/包装ステーション38に除荷され、包装されて郵便トレイ76に積み重ねられる。枢動アーム66のカム従動部は、この中間除荷シーケンスでカムの下に並進することができる。
【0034】
結束/包装ステーション38は、包装作業を3秒/束で行うことができるように設計されている。全ての除荷トレイ組立体64が空になると、ベルト76が反転し、除荷トレイ組立体64を定位置に戻し、次の40件の住所が該トレイ組立体に除荷される準備が整う。
【0035】
40件の住所の第1のセットが包装されて積み重ねられ、除荷トレイ組立体64が定位置に戻ると、制御装置30は、次の40件の住所を一時的に中間除荷ステーション36に割り当てる。レーストラック仕分け装置26が、更に1回転すると(5インチ/秒)、次の40件の住所の郵便物の次の束が、図4に示すように中間除荷ステーション36に排出される。次いで、これらの郵便物の束は、図5及び図11に示すように結束/包装ステーション38まで前進する。このシーケンスは、レーストラック仕分け装置26が全ての郵便物について空になり、仕分け作業を完了するまで繰り返される。
【0036】
通常、2000通の郵便物では、各住所に向かう郵便物が平均5通あり、ルート当たりの住所が400件あり、レーストラック仕分け装置26は1つの作業当たりに合計10回回転する必要があり、包装/積み重ねシーケンスも1つの作業当たり10回繰り返される。
【0037】
図12には、3層単一パス配達員配達シーケンス区分機110を提供する本発明の修正形態が示されており、該区分機は、単一の自動送給ステーション116と、3層レーストラック仕分け装置126に近接する3つの中間除荷ステーションユニット132とを有する。3つの中間除荷ステーションユニット132の端部には、3層結束/包装ステーション138がある。
【0038】
図13では、3層単一パス配達員配達シーケンス区分機210を提供する本発明の別の修正形態が示されており、該区分機は、3つの自動送給ステーション216と、3層レーストラック仕分け装置226を囲む4つの中間除荷ステーションユニット232とを有する。各対の中間除荷ステーションユニット232の端部には、2層結束/包装ステーション238がある。
【0039】
当業者には理解されるように、本発明は、以下で説明されるアルゴリズムに従って様々なシーケンスで作動するようにプログラムすることができる。
【0040】
I.配達員配達シーケンス区分機−住所別結束
本発明は、全ての郵便物の流れから「中間除荷ステーション」として上記で識別された単一の場所に全ての郵便物を併合して集め、次いで、この中間除荷ステーションを最終積み重ねステーションに移動させ、追加のサブシステムを含む代替の実施形態では、各住所に宛てた郵便物の全てを包装し、縛り、又は他の方法で密封して単一の封入物にした後に郵便トレイに積み重ねることを可能にする。このようにして、配達ルートが機械処理されるか、人手によるかを問わず、郵便配達員は、トレイ内の次の包みを取り上げてルートの次の郵便ポストに投入することだけが必要となる。
【0041】
この結束/包装サブシステムに更なる機能を追加して、郵便配達工程の効率を更に向上させることができる。例えば、インクジェットプリンタは、包装された各包みに固有のバーコードを印刷することができ、システムソフトウェアは、このコードを郵便物表面上のバーコード、プラネットコード、POSTNETバーコード、及び他のあらゆるスキャンされ記憶された情報の全てとリンクさせる。郵便配達員が包み全体を配達するときには、各住所の外部バーコードだけをスキャンすると、ソフトウェアがシステムメモリ内でこれを包みの中の全ての郵便物とリンクさせる。従って、包みの中で束ねられているコード化された郵便物の数に関係なく、配達地点当たり必要なのは1回のスキャンだけである。包みの中のいずれかの郵便物に署名が必要な場合には、プリンタは、郵便配達員に向けた警告を包装物に印刷する。或いは異なる色で包装を行ってもよい。
【0042】
代替の実施形態において、印刷サブシステムの代わり又はこれに加えて、RFIDタグが包装材に貼り付けられる。従って、包装工程中、RFIDタグは各包みに対して固有の識別子を備えることができ、この識別子は、密封された郵便物又は各郵便物上で前にスキャンした全ての情報(コードなど)と関連付けられリンクされることになる。この技術によって、郵便配達員は、各配達地点で更に効率が向上する。包装物上のバーコードをスキャンする個々の動作の代わりに、郵便配達員がRFIDインテロゲータ(リーダ/ライタ)ユニットを携行し、束を配達するときに各RFIDタグ上の情報を読み込み、中央データベースに対して指定の時間に束の全ての内容物が配達されたことのフィードバック情報を提供する。更に、RFIDインテロゲータユニットは、音響機能を含むようにさせることができ、RFID問い合わせによって包装物から情報が取り出されたときに、包み内の1つ又はそれ以上の郵便物に郵便配達員側での動作(例えば、受取人の署名を貰う)が必要な場合、RFIDユニットは、その必要な行動を取るように郵便配達員を指示し、又は音で警告することができるようになる。
【0043】
単一パス配達員シーケンス仕分けシステムは、郵便物の複数の流れを1つの流れに併合し、配達シーケンス別に仕分けして、ある住所に対する全ての郵便物を集めて包みにし、仕分けされた郵便物を直接郵便トレイに除荷する。本明細書で開示する本発明では、配達ルート上の各住所に宛てた各郵便物の包みに包装又は密封能力を付加することを含む。更に印刷能力を追加して、バーコード情報、警告情報、及び場合によっては配達住所情報を封入物又は包装物の外側に印刷することができる。包装物に印刷されたバーコードは、包みの内側にある全ての郵便物に関する既にスキャンされ保持されている情報、すなわちバーコード、プラネットコード、及び他のいずれかのインテリジェント郵便機能とリンクされる。郵便配達員が包みを各住所に配達するときに包みの外側の1つのバーコードをスキャンすることによって、包み内の全ての郵便物に関して配達情報が同時に取り込まれる。
【0044】
本発明の1つの利点は、USPSのような郵政局が、共通の宛名の郵便物を1つの封入物に結束する能力を持たない仕分けシステム全体の年間運転コストを軽減することができる点である。場合によっては更に重要なこととして、郵便配達員は、配達される各郵便物を現在はスキャンしてはいないが、インテリジェント郵便物に付随する付加価値サービスを可能にするために近い将来はこれを行うことが必要となる可能性が高い。このように各配達地点で複数の郵便物をスキャンする必要があることにより、郵便配達員は更に効率が低下することになる。各パケットの内容に関する情報を各パケットの外面に印刷された単一のバーコードとリンクさせることによって、包みの外面だけをスキャンする郵便配達員の動作が効率を取り戻せることに加えて、増大となる郵便業務を追加せず、付加価値サービスを追加する一助となる。スキャンされた情報を包装物/封入物上のRFIDタグとリンクさせることによって、郵便配達員は、システム、郵便局、及び配達時間に関係する顧客に遙かに多くの情報を提供すると同時に、効率が更に高くなる。
【0045】
上述の密封段階がポリラップなどの封入物内に郵便物を密封する段階を伴う場合には、更なる利点が生じる。顧客の全ての郵便物が入った密封包みを毎日受け取る顧客は、2つの点で安心することになる。第1に、顧客は、包みが密封されたままであれば、郵便配達員による配達後に郵便物を勝手に扱ったものがいないこと、例えば社会保障小切手が盗難されていないことなどを知ることになる。第2に、USPSがあらゆる生物学的危険物質又は他の有害物質を有する郵便物が郵便仕分け施設を通過しないことを保証するよう検出設備に継続的に投資を行った場合、密封封入物内に各個人の郵便物を包装することで、受取人側の安心感を向上させ易い。
【0046】
II.配達員配達シーケンス区分機−アルゴリズム
上述のように、郵便物の複数の流れを1つの作業に併合し、配達シーケンス別に仕分けして、仕分けされた郵便物を自動的に直接郵便トレイに除荷すること、及び郵便物を包装して配達工程中の郵便配達員に有用な情報を印刷することを行う単一パス仕分けシステムを説明してきた。こうした2つの概念は、2003年の大統領諮問委員会による勧告である、住所当たりの郵便物の「個装包装結束」を実現するものである。
【0047】
本発明の以下の実施形態は、上述の単一パス配達シーケンス区分機と共に使用することができる一連の12の特殊作動アルゴリズムを含み、その各々は、固有の自動化能力を拡大し、固有の限界を克服して作業時間及び動作シーケンスをより効率的にする。これらの特殊アルゴリズムの各々の結果により、労働集約性が少なくなり、作業当たりの自由度が広がり、作業時間短縮すなわち作業当たりのコストが低減されることになる。
【0048】
各々が望ましくなく非効率的な特性を有するにも拘わらず、住所当たりに個々に包装された1つの郵便物束の目的を提供する代替形態が存在する。例えば、複数パスの仕分けオプションを用いて、占有面積が比較的小さなシステム用の配達シーケンスに郵便物を仕分けることができる。住所件数に一致する多くのビンを有する大規模区分機の場合、単一パス配達シーケンス仕分けが可能であるが、極めて高価で大型の機械の場合に限定される。これらのシステムの大半は、配達対象郵便物の範囲全体を扱うものではないので、その結果、郵便物の複数の流れが配達シーケンス毎に並べられるが、これらの複数の流れは、後で1つのシーケンスに併合されなければならず、この段階は手動で行う必要があることが多い。
【0049】
配達シーケンスによる現在の仕分け方法には別の問題がある。必然的に、郵便物の一部には、厚さ、大きさ、滑らかさ、薄さ、脆さが過剰であることに起因して、自動的に送給し処理できないものがある。これらの郵便物は、オペレータがシステムに送給しようとしても、通常の郵便物よりもシステムに詰まりやすい。この結果、詰まりを取り除くためにかなりの休止時間が生じることになる。熟練のオペレータであれば、自動処理設備に取り込まれた場合にどのタイプの郵便物が不具合を引き起こす可能性が高いかを認識しているので、「機械処理可能でない」郵便物を除外することになる。その後、これらの郵便物は手動で処理されることになり、これにより、郵便物処理に対し時間及び非効率さが追加されることになる。
【0050】
同様に、自動住所読取りシステムによって正確に読取り判別することができない特定のタイプの住所がある。多くの場合は、これらの住所の画像を取り込んで遠隔の場所に送り、そこでオペレータがビデオスクリーン上で画像と対話して、住所を読取ってコードをキー打ちし、目的の配達地点を識別する。現在の仕分けシステムの一部は、封筒に最初に印刷される住所情報の代りとして使用される特殊コードを封筒の背面に印刷する手段を含む。遠隔のオペレータが正しい住所をキー入力すると、この情報は、後続の郵便仕分け作業の全てにおいて封筒に印刷されたコードと関連付けられる。郵便物の初期スキャン(不成功)及び遠隔地のビデオオペレータが正しい住所情報をキー入力した後の時間間隔において、2つの事柄のうちの一方が郵便物に発生する。すなわち正しい情報がキー入力されるまで郵便物を搬送部内で移動し続けることになるループに郵便物が送られること、又は、一時的な積み重ねに迂回されることのいずれかである。第1の選択肢においては、郵便物処理システムのコストには、郵便物をシステム内に保持するループのコストが含まれなければならない。また、遠隔的に正しい情報がキー入力されるのを待機しながら郵便物を回し続けることで、郵便物が詰まるリスクが増大する。第2の選択肢においては、最初に読取り可能でなかった郵便物を再装荷及び再送給する追加の段階が区分機オペレータに必要とされる。これには更なる労力が必要であり、処理作業の効率が低下する。更に、両システムでは、区分機操作は労働集約であり、すなわちフルタイムの作業であるので、遠隔によるビデオエンコーディングには、別の作業者が必要であり、その労働は、仕分け作業を完了するコストを計算する際に区分機オペレータの労働コストに追加しなければならない。
【0051】
大量郵送の準備がされる郵便物の一部は、公知の自動化設備のほとんどで問題なく処理することができない。例えば、USPSは、特殊な形状の郵便物(バナナ、ハート、イースタバニーなど)を受理するが、これは郵送係がこれらの郵便物を仕分けして直接郵便網の最終支局に直送した場合に限られる。しかしながら、郵便配達員は、1日の郵便物の残りと共にこれらの特殊な郵便物を手動で併合しなければならない。これは時間が掛かり、郵便配達員の効率が低下する。
【0052】
場合によっては、郵便物の量が通常よりも大幅に多いことがある。全体の作業も通常よりも遙かに多くなり、その場合、仕分け設備は、通常の方法では全体の作業を処理することができず、結果として手動による労働が大幅に増えることが多い。或いは場合によっては、個々の住所が通常の容積よりも遙かに多く受け取ることがある。通常、現在の仕分けシステムは、単一のビンの容積を超える郵便物はオーバーフロービンに迂回させ、次いで手動による併合で仕分け作業を完了すること、又はオペレータの追加労力を必要とする追加仕分けによってこの状況を処理する。
【0053】
これらの状況の全てが労力を必要とし、郵便配達シーケンス仕分け作業を遂行する上でコスト及び全体の作業時間が付加される。
【0054】
以下のアルゴリズムは、単一パス仕分けシステムの上述の実施形態を強化するものであり、郵便物の複数の流れを単一の流れに併合し、配達シーケンス別に仕分けして、ある住所に対する全ての郵便物を集めて包みにし、ある住所に宛てた全ての郵便物を包装して束にして、結束/包装/仕分けがなされた郵便物を直接郵便トレイに除荷する。アルゴリズムは、郵便物区分機と共に使用することができる一連の12の特殊作業アルゴリズムであり、その各々は、固有の自動化能力を拡大し、固有の限界を克服して作業時間及び動作シーケンスをより効率的にする。これらの特殊アルゴリズムの各々の結果により、労働集約性が少なくなり、作業当たりの自由度が広がり、作業時間短縮すなわち作業当たりのコストが低減されることになる。
【0055】
これらのアルゴリズムの中には、幾つかの区分機タイプに一般に適用できるものもあれば、上述の単一パス配達シーケンス区分機に固有のものもある。12のアルゴリズムとは以下のものである。
1.自動化負荷サイクルと単一のオペレータによるビデオエンコーディングサイクルとの時分割。
2.送給サイクル中の各郵便物の厚み測定、及び積み重ねられる全ての郵便物の合計厚みに基づく中間除荷ステーションの数の割り当て。
3.住所の読取り後、過度に厚い郵便物の手動用ビンへの迂回、次いで包装段階時に郵便物を手動で特定の住所束に追加するようオペレータに指示。
4.過度に厚い郵便物を装荷したときに良好な除荷性能を確保するために、ビンディバイダが隣接空間に屈曲することができるように隣接ディバイダを空のままにする。
5.自動的に個別化することができない郵便物の手動による挿入、その後、全ての処理段階は、自動的に送給される郵便物と手動で送給される郵便物とについて同じ方法で自動的に完了される。
6.偶発的に作業サイズが区分機の能力を超える場合には、作業を自動的に2つの住所の群に分けるアルゴリズムで動作する。
7.偶発的に少数の郵便物の作業サイズだけがわずかに区分機の能力を超える場合、オペレータが包装段階で手動で過剰の郵便物を追加することができる手動による作業。
8.インテリジェント郵便物動作において、「時間指定配達」がいずれか1つの郵便物について必要とされ、その郵便物がこの最終仕分け作業に到達するのに早過ぎた場合、正しい配達時間が発生するまで選び出して、取り置くことができる。
9.配達ルートに沿った各郵便箱の形状及び大きさの制限に関する知識を仕分け情報データベースに追加することができる。中間除荷段階で、束が郵便箱に確実に収まるように、包装される束の大きさ(厚み、寸法など)を適合させることができる。大きすぎる郵便物を束から除外して別個に処理してもよい。
10.任意の住所宛の郵便物が受取人の署名が必要な郵便物を含む場合、その郵便物を束から除外し、場合によっては外側に取り付ける。
11.マーケティング郵便広告に対するサービスを提供する。追加料金については、郵便局は、その郵便物が束の前又は後に位置することを保証し、そのため包みを開ける前でも受取人が見ることができる。
12.包装物外面に情報を印刷するプリンタを含むシステムにおいては、包装物の面に個々の受取人に向けた複数のメッセージを含む広告メッセージを印刷するサービスを提供する。(包装物がメッセージとなる)
【0056】
12の特殊作業アルゴリズムの各々は、固有の自動化能力を拡大し、郵便物区分機の固有の限界を克服して作業時間及び動作シーケンスをより効率的にする。これらの特殊アルゴリズムの各々の結果により、労働集約性が少なくなり、作業当たりの自由度が広がり、作業時間短縮すなわち作業当たりのコストが低減されることになる。個々に及び集合的にこれらによって、単一パス配達シーケンス仕分け及び各住所について郵便物を束ねて包みにすることの基本的概念を種々の代替策と比べて遥かに魅力的で競争力のあるものにする助けとなる。また、アルゴリズムの中には、代替システムでは不可能な新しい機能及び能力を導入するものがある。他のアルゴリズムでは、仕分けシステム全てに適用することができる新しい能力を導入するものもある。各アルゴリズムの説明と共に各アルゴリズムの固有の利点を以下に説明する。
【0057】
以下は、各アルゴリズムがどんなものか、動作の仕方、代替形態よりも優れている理由に関する概略的な説明である。
【0058】
1.自動化負荷サイクルとビデオエンコーディングサイクルの時分割。
従来の区分機において(及び場合によっては「ワンパス」仕分けシステムにおいても)は、郵便物が送給されてその住所が読取られると、何らかの方法でこれに従って動作しなければならない。一般に、住所が読取り可能であるときには、郵便物は、正しい区分機ビンに直接送られる。郵便物が読取り可能ではなく、判別のために画像をビデオエンコーディングステーションに送る必要がある場合、送るべき正しいビンがどれであるかを認識していないので、郵便物は幾分遅延させる必要がある。そのため、郵便物は最初に、バーコードを印刷する(通常郵便物の裏面に)印刷ステーションを通過し、次いで、ビデオエンコーディングが行われるまで移動させておくループに送られるか、又は一時ビンに送られる。この2番目の場合、読取り可能でない郵便物は再装荷して、再送給しなければならず、ビデオエンコーディングを行った後に新規に印刷されたバーコードが再度読取られる。キー入力された住所は、郵便物に印刷された新しいバーコードと関連付けられる。これらの追加段階は、作業時間及び労働集約を拡大させ、自動住所読取り装置によって読取ることのできない郵便物の特別な処理が必要となり、紙経路の追加ループ、迂回装置の追加及び読取りできい郵便物保管用の専用ビン、バーコード適用用追加印刷ステーション、更に場合によっては、郵便物の2回目のパスの間に適用されたバーコードを読取るための追加の読取り装置のためにシステムに対してコストが付加される。
【0059】
本発明においては、読取り可能でない郵便物に対してどのような特別な取扱いも不要であり、一般に、読取り可能でない住所のビデオエンコーディングを行うためにどのような時間又は要員も必要ではない。システムは、読取り可能な郵便物の場合と同様に読取り可能でない郵便物に対して同じことを正確に行い、例えば、送給、輸送、画像取り込み、及び保持ステーションの環状ループ上で利用可能な次の保持ステーションへの郵便物の挿入を行う。画像が最初に読取り可能であるか否かに関係なく、同じ(非常に短い)紙経路が、全ての郵便物に適用される。画像が読取り可能である場合、制御装置は、郵便物の住所と郵便物が投入された保持ステーションの番号を記憶する。住所が読取り可能ではない場合、制御装置は、郵便物の場所を記憶し、オペレータによる判別のために住所の画像をビデオエンコーディングステーションに送る。オペレータは、通常、読取り可能でない住所を判別すると同時に、送給装置は、継続して自動的に送給及び読取り動作を行い、送給装置のベルト上に装荷された郵便物の残りを挿入する。オペレータが住所の正しい判別内容をキー入力すると、その情報は、郵便物の既知の位置(保持ステーション)と関連付けられる。ビデオエンコーディング時間は、送給/読取り/挿入サイクルの自動処理時間と分配される。
【0060】
このエンコーディングアルゴリズムの利点は重要である。紙処理機構によって全ての郵便物を正確に処理することができるのは、仕分けが除荷サイクル中に行われるからである。特別なループは必要ではなく、従って、これらの機構のコストが節約される。印刷能力も不要、追加の読取り装置も不要、追加のデフレクタ又は特別な保管場所も不要であり、そのため、従来の区分機でこれらの機能に付随していた全てのコスト及び空間が本発明では必要ではない。従って、本発明による単一パス配達員配達区分機の方が安価で小型にすることができる。また、通常運転では、ビデオエンコーディングを行うためのどのような追加時間及び追加オペレータも必要ではないので、作業時間及び人件費は、同等の速度及び能力の従来の仕分けシステムで必要とされるよりも少なくなる。
【0061】
2.送給サイクル中の各郵便物の厚み測定、及び積み重ねられる全ての郵便物の合計厚みに基づく中間除荷ステーションの数の割り当て。
従来の区分機は、一般に、郵便物を配達ルート上の各住所に配達されることになる包みに結束する能力を含まない。これは、本発明による区分機の新しい能力である。しかしながらこの能力はまた、USPSが近年500から600万ドルを4社に支払い、2008年までに郵便システム全体で使用するために開発される機能である。そのため、この4社が各住所への日々の郵便物の結束及び包装を行う一連の方法を開発することは確かである。
【0062】
平均して約5通の郵便物が、毎日各住所に配達されており、この郵便物の積み重ねの平均的厚みは、約10mmから15mmである。この厚みは、郵便配達員が問題なく容易に取り扱うことができる。実際、人間工学では、平均的な人間は、重量が適正範囲外でない限り、問題なく約2.5インチの厚みの対象物を楽に把持し扱うことが可能であることを示している。よって、ほとんどの状況では、各住所への郵便物の束は、配達時に人が扱うのに快適な範囲に含まれるものとなる。しかしながら場合によっては、ルート上の住所で受け取る郵便物が適正範囲外の量、すなわち2.5インチの積み重ね厚みを超えることもあり、従って、郵便配達員が扱うのには容易ではない。多量の郵便物がある時期(クリスマスなど)では、これが頻発する可能性があり、この結果、郵便配達員が個々の郵便物ではなく包装され結束された包みを処理しなければならない場合には、繰り返される圧迫による損傷が生じる可能性がある。現在の方法では、郵便物は単一の束に包装されないので、多数の郵便物を手一杯に持ち郵便箱に装荷することによって、ある住所への通常よりも厚い山の郵便物を処理しており、郵便物の1つ1つは扱い易いものである。新たな問題を生み出す可能性があるのは、郵便物を束ねて1つの包みにするこの新しい能力である。
【0063】
このアルゴリズムによれば、各郵便物が送給されて個別化されると、郵便物の厚みが測定される。この情報は、保持ステーションのアレイにある郵便物についての住所及び位置情報と共に制御装置によって記憶される。全ての郵便物が送給されて保持ステーションに保管されると、制御装置は、郵便物を中間除荷ステーションにどのように除荷するかを決定する。通常、単一の住所への全ての郵便物は、同じ中間除荷ステーションに除荷されることになる。しかしながら、除荷シーケンスを開始する前に、制御装置は、各中間除荷ステーションに搬送されることになる全ての郵便物の厚みを合計する追加計算を行う。厚みの合計が所定の厚み(2.5インチなど)を上回る場合、制御装置は、その住所への郵便物を受け取る1つ又はそれ以上の隣接中間除荷ステーションを割り当てる。その結果、最終包装及び積み重ね段階では、特定の住所は2つ又はそれ以上の包みを有し、その各々は郵便配達員が配達時に取り扱うのに人間工学的に楽なものとなる。更に、包装ステーションは、バーコード、住所、警告などを包装物の外面に印刷するプリンタを有することができるので、今日この住所に配達すべき包装束が2つあるといった、郵便配達員宛のメッセージをこの同じプリンタで印刷することができる。
【0064】
3.住所を読取後に過度に厚い郵便物を手動用ビンに迂回し、次いで、包装段階中に郵便物を特定の住所束に手動で追加するようにオペレータを指示。
4.過度に厚い郵便物を装荷したときに、良好な除荷性能を確保するために、ビンディバイダが隣接する空間に屈曲することができるように隣接するディバイダを空のままにする。
以下は、アルゴリズム3及び4の説明である。本明細書で上述した配達員配達シーケンス区分機及び包み包装システムにおいて、保持ステーションの環状ループは、区分機設計の重要な要素である。このシステムは、2つの重要な仕様、すなわち、仕分け作業当たりの郵便物総数と、システムが自動運転で正常に処理する郵便物の最大厚みとを念頭に設計しなければならない。また、システムは、利用可能な代替形態と比べて設置面積が極めて小さいことは重要である。設置面積は、上述した2つの重要な仕様の影響を受け、すなわち、作業当たりの郵便物の数によって所要の保持ステーションの数が決まり、保持ステーションが収容する郵便物の厚みによって保持ステーション間の空間のピッチが決まる点に留意されたい。保持ステーションは環状ループ内に配列されるので、アレイがより多くの保持ステーション又はより厚い保持ステーション(或いはその両方)を有するほど、より大きな設置面積が必要となる。従って、設置面積を可能な限り小さく維持するために、保持ステーション間のピッチをできるだけ小さく維持することが望ましい。そのため、例えば、郵便物の平均厚みは約2mmとなっている。区分機の全体的な作業要件でルート当たりに最大2000通の郵便物を処理しなければならない場合、保持ステーションの環状ループの全長は4m長さとなり、これに保持ステーションの厚みが加わる。このシステムであればかなり小さな設置面積をもたらすことになる。しかしながら、郵便物の平均厚みが2mmである場合、このようなシステムでは2mmよりも厚い郵便物の半分にも対応できず、これらの郵便物は例外ベースで処理する必要がある。他方、システムが予想される最大厚みに対応し、例外ベースで郵便物を処理する必要が無いように設計された場合には、システムの設置面積は著しく大きくなる。すなわち、例えば最大厚みの郵便物を25mmと見込むと、2000通の郵便物に対応する保持ステーションの環状ループは50m長となり、上記の実施例の12.5倍の大きさの設置面積が必要となる。従って、システムは、最小の設置面積で、システムが対応できる厚みを超える例外を最初にしながら郵便物の最大数に対応するように設計する必要がある。この時点で設計パラメータを選定するよう試みなければ設計上で妥協する可能性が高く、自動処理でシステムが対応できる厚みを超える郵便物を例外処理することが必要となるとすれば十分であろう。アルゴリズム3及び4は、これらの必要性に対処するものである。
【0065】
アルゴリズムを例示するために、典型的なシステム設計方法に関する実施例を用いる。保持ステーション間の間隔が8mm厚であるように設計したと仮定する。また、保持ステーションは、最大12mm厚の郵便物に対応するために変形することができるよう可撓性壁を備えて設計される。更に、郵便物の約0.5%がこの12mmの厚みを超えると仮定する。すなわち、通常作業である2000通において、合計10通で自動処理時の厚み限界を超えることになり、アルゴリズムを用いて対応する必要があることになる。
【0066】
上述のアルゴリズム2で開示されたように、各郵便物の厚みは、送給の直後に測定される。次の利用可能な保持ステーションに挿入される途中で住所も読取られる。アルゴリズム3は、これらの2つの郵便物情報を使用して全体的な作業を簡素化するように過度に厚い郵便物の処理を容易にする。このアルゴリズムは、以下のように説明することができる。過度に厚い郵便物は、保持ステーションの環状ループの一部ではない特別な保持用ビンに迂回される。残りの作業は、通常通りに処理される。迂回された大きすぎる郵便物の各々の住所は既知である。最終の結束/包装/除荷作業中、過度に厚い郵便物を搬送する必要がある住所にシステムが達すると、システムは休止し、その郵便物を保持用ビンから手で取り出して包装ステーションで包装しようとしている積み重ねの上に置くようオペレータを指示する。この指示された手動段階を完了した後、オペレータが再開ボタンを押すと、システムは、自動処理された郵便物と手動で束に追加された郵便物とを含む束全体を包装するよう開始する。次いで、システムは、過度に大きな郵便物を有する次の住所の包みが包装ステーションに到着するまで、束を除荷して通常の方法で包装する通常のサイクルを続け、この到着時点で、オペレータは、次の過度に厚い郵便物を手で追加するように指示される。この指示は、可聴信号又は可視信号とすることができる。しかしながら、一般に、このアルゴリズムは、合計の作業時間を短縮することによって効率を最適化するようにして、わずかな手動と自動郵便物処理とを併合する効率的な方法を提供する。
【0067】
アルゴリズム4は、この同じ問題に異なる方法で対処する。12mm厚の郵便物に対応するために、保持ステーションに8mmピッチの同じ設計パラメータを仮定すると、作業当たり10通の例外的な郵便物(12mmよりも厚い)を異なる方法で処理することができる。保持ステーションの壁部は可撓性壁であり、保持ステーション間のピッチよりも厚い郵便物に対応するように容易に撓むことができると仮定していた。そこで、例証として、保持ステーションの壁部厚みを無視する。更に、3つの隣接する郵便物は、厚みが、それぞれ2mm、18mm、2mmと仮定する。各8mmである3つの保持ステーションのピッチの合計は24mmとなり、当該3つの保持ステーションに装荷される郵便物の厚みは、わずか22mmである。従って、中間保持ステーションの壁部が第1と第3のステーションの(不要な)空間に屈曲することができる限り、3つの郵便物全てを自動的に収容することができる。3つの郵便物の各々は20mm厚で測定され、システムがこれらの3つの郵便物を隣接する保持ステーションに装荷した場合、3つの郵便物は、保持ステーションで固着されるようになる可能性が高く、システムは、郵便物と保持ステーション壁部との間の抗力が高いので、これらの郵便物を中間除荷ステーションに除荷することができなくなる。これによって、結果的にシステム誤動作が発生することになる。
【0068】
アルゴリズム4は、この場合もやはり各郵便物の厚みに関する情報を用いてこの可能性に対応する。このアルゴリズムでは、上記の装荷された郵便物の測定された厚みに基づいた保持ステーションへの挿入についてのルールを作成する。このようなルールの実施例は、次のものとすることができる。すなわち、上述の3つの郵便物の厚みの現在の合計が3つの保持ステーションのピッチを超えたときは常に、次の保持ステーションを空のままにして、次の郵便物(厚みに関係なく)を空の保持ステーションの向こう側にある保持ステーションに装荷する。一般に、アルゴリズム4は、以下のように要約することができ、すなわち、測定された厚み情報を用いて、規定のルールセットに従って、選択された保持ステーションを空のままにし、過度に厚い郵便物が、除荷動作中に保持ステーションから容易に摺動して出ることを保証する。アルゴリズム4の利点は、より厚みが大きいより多くの郵便物を自動処理することができると、手動による処理を必要とする郵便物がより少なくなり、保持ステーション間のピッチをより小さく設計して、システム全体の設置面積をより小さく維持することができるようになる点である。
【0069】
5.自動的に個別化することができない郵便物の手動による挿入、及びその後、全ての処理段階は、自動的に送給される郵便物及び手動送給される郵便物について同じ方法で自動的に完了される。
このアルゴリズムは、過度に厚い郵便物を処理する方法に関する上記の課題に類似する問題に対応する。本発明の区分機に想定された個別化装置は、世界的基準自由度を有する(すなわち、いずれかの既知の技術の郵便物タイプの最も広い範囲を扱うことができる。)が、常に例外、すなわち送給装置が自動処理することができない郵便物がある。例えば、特殊な形状の郵便物(バナナ、ハート、イースタバニーの形など)は、現在は特別郵便料金で郵送することができる。送給装置は、これらの郵便物を正常に個別化することが可能ではない場合がある。新聞、及び場合によっては、送給装置が自動的に個別化することができないポリラップ処理の定期刊行物など他の例外がある可能性が高い。
【0070】
上述のように、これらの郵便物に手動による送給能力が設けられる。後続の処理(中間除荷ステーションへの除荷、結束/包装、郵便トレイへの積み重ね)の全ては、通常、郵便物が手動で保持ステーションに装荷される(更に、住所読取り装置を通過する)と自動的に行うことができる。従来の区分機においては、自動的に送給できないこれらの郵便物は、区分機の他のサブシステムのいずれにおいても自動的に処理することはできない。本明細書で説明するシステムにおいては、第1の段階(個別化)だけは手動で行なわなければならない。他の全ての段階は自動的に完了することができる。
【0071】
アルゴリズム5は、合計作業時間を増大することなく、この手動段階を達成する方法を提案する。運転手順は以下の通りである。すなわち、オペレータは、機械処理可能な郵便物の全てを送給装置ベルトに装荷し、自動送給シーケンスを開始する。オペレータが自動的に送給可能でないと認識する郵便物は、手動による挿入のために取り置かれる。自動送給装置が作動すると、オペレータは、例外の郵便物を手動装荷ステーションに持って行き、1つずつシステムに挿入し始める。各郵便物は、住所読取りステーションを通過すると、保持ステーションに装荷される。手動挿入ステーションは、自動送給装置に関連した装荷ステーションからかなりの距離を離れた保持ステーションの環状ループ経路に沿って位置付けられると想定されている。このようにして、手動挿入ステーション近傍の保持ステーションは、作業の極めて遅くまですなわち手動搭載作業が完了してからかなり後まで空になる。
【0072】
しかしながら、手動装荷ステーションは自動装荷ステーションの直ぐ上流側に位置するので、手動ステーションに位置する保持ステーションの一部は、その直後に自動装荷ステーションを通過することになる。制御装置は、各保持ステーションの位置、及びどれに郵便物が装荷されたかを認識しているので、充填ステーションが自動化された装荷ステーションの下流側に到達すると、制御装置は、自動送給装置によって送給される次の郵便物用の次の空の保持ステーションに環状ループを前進させるだけである。
【0073】
アルゴリズム5の利点は、送給可能でない郵便物を手動で装荷する時間が、自動送給サイクルと時分割されることである。ほとんどの場合、追加の時間及び追加のオペレータは必要とされない。言うまでもなく例外は常にある。例えば、自動送給できない郵便物の数が郵便物の全体数のかなりの割合になった場合、これらの例外の郵便物を手動で装荷する時間は、自動送給可能な郵便物を自動送給する時間を超える可能性がある。この場合、その時間の一部は、手動送給作業と自動送給作業との間で分割されることになり、手動による送給時間の一部は増分となり、合計作業時間が長くなる。
【0074】
6.偶発的に作業サイズが区分機の能力を超える場合には、作業を自動的に2つの住所の群に分けるアルゴリズムで動作する。
システム設計パラメータの1つは、各作業について仕分けすべき郵便物の数を超えるように環状ループ上の保持ステーションの数を選択することになる。アルゴリズム3及び4の場合と同様に、システム内に設計される保持ステーションの数は、システムの設置面積とコストの両方に影響を与える。そのため、作業のある極めて高い割合(例えば、98%)に対応する十分な保持ステーションを有するシステムを設計し、次いで、作業内の郵便物の数が利用可能な保持ステーションの数を超える数回の処理を支援するようなアルゴリズムを開発することが望ましいであろう。これは、周期的又は場合によっては季節的な現象であると予測される。例えば郵便物の量は、クリスマス前、及び1ヵ月のうちのある時期に増える。
【0075】
アルゴリズム6及び7は、作業内の郵便物の数が保持ステーションの数を大幅に超えたときに使用することができる。すなわち、郵便配達員は、仕分けシステムが400件の住所に配達されるべき最大2000通の郵便物がある作業に設計されたことを認識しているが、ある日、2500通の郵便物が仕分けられ結束されるように到着したと仮定する。この状況においては、アルゴリズム6は、以下のように活用されることになる。すなわち、まず、最初のパスで仕分けすることができない住所の数を推定する。この推定値にはエラーに対する安定的なマージンを含めるべきである。その結果、システムが処理可能であるよりも25%を上回る郵便物があることがわかり、そのため、エラーに対するある程度のマージンを設け、システム又はオペレータは、郵便物の約35%が2回目のパスで処理されると想定すべきである。これは、配達住所の最後の35%が2回目のパスを必要とすることを意味する。
【0076】
この決定を鑑みて、郵便物の状況が、仕分け作業が始まる前は完全にランダムであるとすると、オペレータは、郵便物のうち適合するだけの量の自動送給への郵便物を装荷するように進め、自動送給シーケンスを開始する。次いで、オペレータは、アルゴリズム5によって機械処理可能でない郵便物を手動で装荷することができる。この状況においては、自動送給装置が郵便物の一部を送給することで、送給装置装荷ベルト上にスペースが形成されると、送給装置が供給し続けるときに郵便物の残りを装荷することができる。
【0077】
各郵便物が送給され(自動的又は手動で)、住所が読取られ、保持ステーションに装荷される。郵便物の住所が配達ルートの住所の最後の35%に属することを制御装置が識別すると、保持ステーションの環状ループの当該部分が追加の郵便物を積み重ねる余地がある中間除荷ステーションに到達すると直ぐに、中間除荷ステーションの1つに郵便物が除荷される。次いで、最初の送給パスにおいて、郵便物の全てが送給され、読取られ、保持ステーションに装荷される。配達員ルートの始めの65%の住所を有する郵便物は、保持ステーション内に留まる。配達員ルートの最後の35%の住所を有する郵便物は、できるだけ速やかに送給サイクルが続行している間に中間除荷ステーションに排出される。次に、保持ステーションの一部が装荷され、迅速に空にされる。これらは、送給装置を過ぎて2回周り、新たな郵便物を再装荷することになる。新たな郵便物は、住所の始めの65%にある場合、工程の次の段階まで保持ステーション内に残る。新たな郵便物が住所の最後の35%にある場合、同様に中間除荷ステーション内に排出されるので、必要であれば3通目の郵便物のために空のスロットが形成される。
【0078】
その後、中間除荷ステーションに排出された郵便物の全ては最終積み重ねステーションまで前進し、包装されずに、2回目のパスでの処理に備えて郵便トレイ内に積み重ねられる。従って、保持ステーションに残っている郵便物は、住所の最初の65%に配達されることになる郵便物の全てである。仕分けシステムは、この郵便物に対し通常のシーケンスで動作し、その結果完全に仕分けされ、併合されて、住所別に包装され、住所の最初の65%の郵便トレイに積み重ねられる。この時点で、区分機は空である。その後、住所の最後の35%の郵便物が送給装置内に装荷されて、全く同じ方法で進められ、その結果仕分けされて、併合され、包装されて、住所の最後の35%用の郵便に積み重ねられる。
【0079】
要するに、アルゴリズム6は、例外があることに基づき、2回のパスで予想された作業よりも多くの仕分けを可能にする。作業は、このアルゴリズムを必要とせず、単一のパスで処理されるものが大半であると予想される。
【0080】
7.偶発的に少数の郵便物の作業サイズだけが区分機の能力を超える場合、オペレータが包装段階で手動で過剰の郵便物を追加することができる手動による作業。
アルゴリズム7は、アルゴリズム6と同じ状況に対応するが、郵便物の数が少数だけ保持ステーションの数を超えるときに使用されることになる。郵便物は、送給装置ベルトに装荷されたときに区分機の設計容量(保持ステーションの数)に近いがこれよりも少数であるとオペレータが見積もり、その見積もりが間違っていると仮定する。この状況においては、見積もりの誤りは、保持ステーションの環状ループが完全に満載となり、送給装置ベルトに残っている(処理することができない)幾つかの郵便物があるまで認識されないことになる。この時点で、オペレータには、選択の余地がある。送給されるべき残りの郵便物の数を見て、これが大きな数字である場合、オペレータは、この時点で上述のアルゴリズム6を使用することにすることができる。システムは、住所の最後の%の郵便物を排出して、供給するべき郵便物の残りのためにスペースを開け、更にシステムは、アルゴリズム6で上述したように処理することになる。しかしながら、例えばわずか10通の追加の郵便物が送給ベルト上に残っている場合、オペレータは、アルゴリズム7を使用して処理することにすることができる。
【0081】
この場合、送給装置は、最後の10通を送給し、住所を読取ると、アルゴリズム3で説明した過度に厚い郵便物に使用されるのと同じビンにこれらを迂回する。従って、制御装置は、余分な郵便物の各々については認識している(厚み、場所、住所)。作業は、通常、包装段階まで進む。特定の住所宛の郵便物が手動用ビンに既に迂回された郵便物を含む場合には、システムは停止して、その住所の郵便物が包装されて積み重ねられる前に、手動でその郵便物を積み重ねに追加するようにオペレータに可聴又は可視の指示を出す。このアルゴリズムは、過度に厚い郵便物についてアルゴリズム3で使用されるものと全く類似のものである。実際には、アルゴリズム3とアルゴリズム7の両方を同時に利用できない理由はない。この利点は、処理の大部分が連続して自動的且つ高速で行われることである。また、例外の郵便物については、システムによって指示されるオペレータの動作を利用して、時間を若干追加するだけで作業を完了することができる。これらのアルゴリズムによって、オペレータ及びシステムのいずれもより効率が向上すると同時に、より広範囲の作業を完了することができ、郵便物のタイプもより広範囲にわたるものとなる。
【0082】
8.インテリジェント郵便作業において、「時間指定配達」がいずれか1つの郵便物について必要とされ、その郵便物がこの最終仕分け作業に到達するのに早過ぎた場合、正しい配達時間が発生するまで選び出し取り置くことができる。
幾つかの概念では、郵便物が保証付きで正確に予定日の意図した宛先に到着するのを保証することが可能である。これは、郵便物到着日が新聞又はテレビ広告、或いは他の何らかの日付指定のイベントと一致するように意図された販売キャンペーンに有用である。
【0083】
郵便物が、配達前にこの最終仕分けステーションに到着するのが遅すぎた場合、損失時間をこの時点で補おうとすることはできない。しかしながら、偶発的に郵便物の到着が早過ぎる方が遙かに可能性が高い。この場合、「インテリジェント郵便物」の様々なマーキングに埋め込まれた日付特定情報は、区分機の読取り装置で読取り、読取った情報を現在の日付と比較することができる。この時点で郵便物の到着が早過ぎた場合、保持ステーションに入る前に郵便物の流れの外に迂回させることができる。システムは、該当する日までこの郵便物を保持し、処理及び配達に向けてその日の郵便と併合されるようにオペレータに指示することができる。
【0084】
9.配達ルートに沿った各郵便箱の形状及び大きさの制限に関する知識を仕分け情報データベースに追加することができる。中間除荷段階で、束が郵便箱に確実に収まるように包装される束の大きさ(厚み、寸法など)を適合させることができる。大きすぎる郵便物を束から除外して別個に処理してもよい。
郵便局によって展開され且つ本明細書で取り組んでいるDPPプロセス(配達地点パッケージ)の限界の1つは、包装され結束された郵便物が、配達ルートの郵便箱の全てに収まることができるとは限らないことである。例えば、郵便物には、ドアのかなり狭いスロットを貫通して押し入れるものもあれば、ドアの近くの家の側面に取り付けられた小さな箱に投入されるものがあり、通りにある比較的大きな箱に投入されるものもある。郵便の包装の包みが厚すぎてドアを貫通して収まらなかったり、或いはドアのスロット又はドア近くの小さな郵便箱に収まるには大きすぎる郵便物を収容する場合、包みの配達は、現在行われているように郵便物が個々に取り扱われる場合よりも非効率なものになる。
【0085】
アルゴリズム9は、配達ルートに沿った郵便箱のタイプ及び大きさに関する追加情報を各ルートのデータベース情報に追加する。従って、配達ルート沿いの住所番号163には、25mm厚未満、長さ及び幅がX又はY寸法を下回る束だけを扱うことができるドアの小スロットがあることがわかっている場合、この情報を使用して、このタイプの郵便箱に対応する個々の束を生成するように仕分けシステムに指示することができる。すなわち、例えば、ルート沿いの住所番号163に向かう今日の郵便物の束が25mmの厚みを超えるものであった場合、システムは、各々が25mm厚未満の2つの包装パッケージが作成されるように、その住所に2つの中間除荷ステーションを自動的に割り当てることになる。
【0086】
長さ及び幅情報は、送給/読取り/挿入サイクル中に各郵便物について測定することができる。ルート沿いの住所163の郵便箱が200mm幅の郵便物だけ取り扱うことができ、その住所宛の郵便物を測定すると250mmであった場合、その郵便物は手動用ビン(アルゴリズム3で説明)に迂回させることができる。その住所の郵便物が包装ステーションに到着すると、システムは、残りの郵便物が結束されて包装された後に、その郵便物を郵便物の積み重ねに追加するようオペレータに指示する。換言すると、大きすぎる郵便物は束から排除される。このようにして、郵便配達員は、場合によってはその大きすぎる郵便物だけを撓ませて(包み全体を手処理しようとせずに)これをスロットに通すことができる。アルゴリズム9とアルゴリズム3及び7の相違点は、この場合、この郵便物が包みから排除されるが順番どおりに積み重ねられ、一方、アルゴリズム3及び7においては、郵便物は包みに追加されて、その住所に向かう他の郵便物と一緒に包装される点である。
【0087】
包装ステーションは、バーコード、住所、警告、などを包装物の外面に印刷するためのプリンタを有することができるので、今日はこの住所に配達すべき複数の包装束があり、或いは今日はこの住所にはX通の束ねていない郵便物を配達する必要がある場合といった郵便配達員宛のメッセージをこの同じプリンタで印刷することができる。
【0088】
10.任意の住所宛の郵便物が受取人の署名が必要な郵便物を含む場合、その郵便物を束から除外し、場合によっては外側に取り付ける。
このアルゴリズムは、郵便配達員が配達中に署名を貰うなどの何らかの特別な行動を取る必要がある郵便物に適用される点を除けば、アルゴリズム9と同様である。アルゴリズム9の場合と同様に、郵便物は仕分け作業中に手動用ビンに迂回させ、次いで、システムによって指示されたときに最終積み重ねに手動で追加する(すなわち同じ住所に向かう郵便の包みの外側に)ことができる。署名が必要な郵便物を包みの外側で位置特定することにより、郵便配達員は、包みを開けて署名が必要な郵便物を取り出す必要がない。郵便物を接着剤で包みに貼り付ける方法もアルゴリズム10の一部とすることができる。
【0089】
11.マーケティング郵便広告に対するサービスを提供する。追加料金については、郵便局は、その郵便物が束の前又は後に位置することを保証し、そのため包みを開ける前でも受取人が見ることができる。
各住所に配達されることになる郵便物の大部分が「マーケティング郵便」であるので、特定の郵便物が積み重ねの頂部又は底部に確実に現れて、その郵便物のメッセージが受取人によって最初に見られるように、潜在的な新たなサービスを郵便業務で提供することができる。このサービスには追加料金が生じる可能性がある。従って、アルゴリズム11は、単一パス仕分けシステム上でこのサービスを達成する方法を記述している。特定の郵便物が積み重ねの頂部に置かれることになるといった情報は、郵便物の正面又は裏面上のどこかでエンコーディングされると仮定すると、この情報は、郵便物が保持ステーションに挿入される前に住所読取り装置又は他の読取り装置によって読取られることになる。通常の作業において、中間除荷トレイへの排出作業中、中間装荷トレイに入る郵便物の順番は重要ではない。唯一重要なのは、その住所宛の全ての郵便物が保持ステーションの環状ループが1回転する間に中間装荷ステーションに排出されることである。しかしながら、郵便物の1つが積み重ねの頂部又は底部にあることが必要な場合、環状ループの追加の回転が必要となる。これによって、仕分け作業時間が長くなり、これは、USPSが仕分け作業時間の増加を補うのに十分なこのサービスの追加料金を請求するという意味である。アルゴリズム11の利点は、束の頂部又は底部での郵便物の位置決めが自動的に手動を全く必要とせずに達成されることである。
【0090】
12.包装物外面に情報を印刷するプリンタを含むシステムにおいては、包装物の面に個々の受取人に向けた複数の広告メッセージを含む広告メッセージを印刷するサービスを提供する。(包装物が広告メッセージとなる)
アルゴリズム12は、直接的で理解しやすいものである。USPSは現在、収益を上げるためにトラックの側面及び他の場所の広告スペースを販売している。上記で開示したように、配達員配達シーケンス区分機の包装ステーションは更に、バーコード、住所、郵便配達員への警告などを印刷する印刷ステーションを含むので、この同じプリンタで包装物上に広告メッセージを印刷することができる。更にメッセージは、住所に合わせることができる。このサービスは、郵便物作成材への代価を支払う必要もなく広告を発送するのに似たものとなる。
【0091】
III.配達員配達シーケンス区分機−並行処理構成
以上では、郵便物の複数の流れを単一の作業に併合し、配達シーケンスで仕分けし、仕分けされた郵便物を自動的に郵便トレイに直接除荷すると、郵便物を包装して、配達工程中の郵便配達員に有用な情報を印刷する単一パス配達員配達シーケンス仕分けシステムを説明してきた。
【0092】
配達シーケンス仕分けを達成する代替手段がある。通常、手紙(だけ)は、最大40,000通/時間の速度で仕分けされる。これらは、作業当たり少なくとも1回送給装置の手動によるスイープ及び再装荷を必要とする複数パス仕分けシステムである。しかしながら、作業速度が極めて高速であるので、合計作業時間は、比較的短いものとすることができる。通常、区分機が100個ほどのビンを有する場合、20又は30のルートを2回のパス作業で配達シーケンスに仕分けすることができる。1つのルートの合計作業時間はわずか10分又は15分とすることができる。
【0093】
このシステムの限界は、設備の設置面積(及びコスト)が極めて大きい点である。しかしながら、更に重要なこととして、作業速度が超高速であることが、まさしくこの自動郵便処理設備の許容範囲が極めて限定され、郵便物の流れの全てを単一パスの設備の郵便物に統合するのには好適ではない理由である。
【0094】
USPSでは未だ、多くのタイプの郵便物の仕分けを完全には自動化することができない。これには、無包装定期刊行物(TVガイド及びタイム誌など)、及び自動処理設備で絡み及び詰まりが起こる可能性のある、束ねていないコーナを有する広告郵便物(例えば、中央がタブ付き)などが含まれる。最も高速の区分機は、運転速度が最大200インチ/秒のものがある。これらの速度では、郵便物に及ぼす空気力学的影響が非常に重要になる。超低速で正常に処理することができる郵便物は、超高速では詰まる可能性が高くなる。ベルヌーイ力が束ねていないコーナに作用して輸送中に絡む原因となるからである。
【0095】
これらの限界に起因して、今日超高速の自動設備で処理して最終配達シーケンスに仕分けすることができる郵便物は半数足らずである。実際には、典型的な日では郵便物の42%が「機械処理可能」である。この機械処理可能な郵便物は、上述の超高速で処理される。しかしながら、残りの58%の郵便物は、機械処理可能ではないか、又は部分的に機械で仕分けされるに過ぎず、配達日の午前中に郵便配達員が(手動で仕分けして)ケースに入れなければならない。この工程は、郵便配達員の1日のうち、約2.5時間から3時間を要し、郵便物配達に費やせない時間である。
【0096】
求められているのは、配達されることになる郵便物の全てを処理する上で自由度が非常に高く、且つ超高速(極めて運転停止率が低い)のシステムである。現在の仕分け設備は、超高速であるが自由度が非常に低い。また、2回目のパスに対してビンをスイープして再装荷するのにかなりの手作業が必要である。単一パス仕分けシステムは、自由度は非常に高いが、郵便物の全般に対応するために比較的低い運転速度で運転している。真に必要とされているのは、作業の高速化ではなく、同じ量の郵便物の仕分けの作業時間の短縮化である。
【0097】
1991年に付与された名称「Sorting System For Organizing In One Pass Randomly Order Route Grouped Mail In Delivery Order(ランダムな順番でルート別にグループ化された郵便物をワンパスで配達順に編成する仕分けシステム)」の米国特許第5,042,667号では、単一パス郵便物仕分けシステムが記載されている。具体的には、Keough特許では、読取り装置を通過させて郵便物を送給し、1度に1通ずつ一時保管ビンの環状ループに挿入し、次いで、これらの保管ビンから正しいシーケンスで除荷するプロセスが記載されている。Keough手法の限界は、一時保管ビンの環状ループからの装荷地点及び除荷地点が1つだけであり、シーケンス仕分けを行うには環状ループの多くのパスが必要とされる点である。従って、少ない作業時間を達成するためには、このシステムは、超高速で運転しなければならない。そのため、広い自由度の郵便物のタイプを処理するシステムの能力には、最善でも問題がある。
【0098】
本発明は、並行して運転するシステム上で幾つかの作業を行う能力を提供する、単一パス配達シーケンス仕分けシステムでの仕分け作業の合計作業時間を短縮する。図8を参照すると、実施例では、郵便物を個別化し、読取り、ビン分離器(一時保管ビン)のアレイに装荷する複数の送給装置を設けることを含む。第2の実施例は、一時保管ビンの連続ループ周りの複数の位置から郵便物を同時に抽出することができるように複数の除荷ステーションを設けることである。第3の実施例は、郵便物を除荷、包装、及び郵便トレイに積み重ねることができる複数のステーションを設けることである。これらの作業の全ては、並行して動作する複数のシステムによって行われるので、郵便処理速度を極めて低速に維持することができるが、合計仕分け作業時間を極めて迅速に達成することができる。これによって、システムは、超高速処理に伴う空気力学的影響に起因する詰まり又は他の運転停止のリスクが無く、広範囲にわたる郵便物を処理することが可能となる。
【0099】
郵便物の複数の流れを併合し、配達シーケンス別に仕分けして、各住所の全ての郵便物を集めて包装の包みにすることができる単一パス仕分けシステムにおいては、複数のサブシステムを設けて同様の機能を並行して行うことによって迅速な合計作業時間が達成される。合計作業時間は、3つの段階からなり、すなわち、第1に、郵便物を供給し、読取り、一時保管ディバイダ(ディバイダ当たり1通)の環状ループに挿入する段階、第2に、郵便物を保管ディバイダから配達シーケンスの順番で中間装荷ステーションに除荷する段階、第3に、郵便物を中間装荷ステーションから除荷し、各住所の1つ又はそれ以上の包みに束ねて包装し、包みを郵便トレイに積み重ねる段階である。本発明では、仕分け作業完了時間を短縮するためにこれらの段階の各々の複数の(類似の)サブシステムを設ける。具体的には、複数の送給ステーション、複数の中間除荷ステーション、及び複数の包装並びに積み重ねステーションが設けられる。各段階に複数のステーションを採用することによって、システムの郵便物輸送速度を極めて低速に維持することができ、従って、処理することができる郵便物のタイプの範囲は、かなり高速で作動するシステムよりもはるかに広範囲にわたるものとなる。
【0100】
この改良品の利点は、実施例により最も良く説明することができる。400件の住所に仕分けされる2000通の郵便物の仕分け作業は、約37分を要すると推定される。この推定では、システムは、自由度及び信頼性の点で世界的基準である、コネチカット州スタンフォードのPitney Bowesによって製作されるMixed Mail Manager(M3)Sorterで使用される1つの混在郵便送給装置を含むと想定している。更に、この送給装置は、8000/時で作動すると想定する。混在郵便物(平形小包、手紙、葉書、定期刊行物、全てランダムに混在)を自動的に送給する望ましい機能をこの(郵便併合)用途で維持される必要がある。しかしながら、USPSによる実際の承認では、本発明は、10分から15分で全仕分け作業を完了することが必要とされる可能性がある。これは、送給/読取り/挿入機能だけでも2000通の作業には15分(8000通送給/時間)を要するので問題となる。これは、10分から15分の合計作業時間を達成するために約5分まで短縮する必要があろう。望ましい広範囲にわたる自由度が失われるポイントまで送給装置を高速化するのではなく、送給装置の数を増やす方が好ましい。従って、例えば、区分機を3台の送給装置(及び上記で開示したような手動挿入ステーションを加えて)と共に設計し、各々に667通の郵便物を装荷すると、送給/読取り/装荷の合計時間は、郵便物の速度を上げなくても5分に短縮することができる。
【0101】
郵便物を中間装荷ステーションのアレイ内に移動させる除荷時仕分け機能では、含まれるステーションが多いほど(すなわち、中間保管ビンのループの1回転で除荷される住所が多いほど)、作業時間全体がより短くなる。更に、各住所の郵便物を包装し積み重ねる最終段階においては、これらのより一層多くのシステムが並行して使用される場合、合計作業時間が短縮化される。
【0102】
このアーキテクチャの別の利点は、郵便物速度が増大するにつれて住所読取りシステムのコストが劇的に増大することである。読取りステーションを通過する速度を比較的低速(約30インチ/秒)に保つことによって、低コスト読取りシステムを配備することができる。低速時には、4つのこのようなシステムのコストは、はるかに高速で動作する2つのシステムのコストよりもはるかに安価になる可能性が高い。
【0103】
更なる利点は、送給装置、除荷ステーション、又は包装/積み重ねステーションのいずれか1つに不具合が発生しても、システム運転停止にならないことである。残りのサブシステムは、1つのサブシステムの不具合が修正されている間でも同じ機能を実行しその作業を継続して処理することができる。また、サブシステムの1つに対するサービスコールがあっても、システム全体が無効にならない。
【0104】
上述のように、複数のM3送給装置を配備すると送給時間を短縮することができる。互いに全く同じではないが、各々が特定の機能を良好に果たすように設計された送給装置のアレイを配備することも全く可能である。従って、例えば、商業的に入手可能な高速手紙専用送給装置を使用すると、手紙郵便を比較的高速(例えば、20,000通/時)で送給することができる。第2の低速の送給装置を平形小包専用とすることができる。更に、第3の送給装置は、平形小包又は手紙或いはその混在を送給することができるM3送給装置とすることができる。更に、第4の送給装置は、手動送給ステーションとすることができる。このシステムにおいては、オペレータは、郵便物をそのタイプの郵便物に最も好適なシステムに装荷することができる。
【0105】
複数の中間除荷ステーション及び包装並びに積み重ねステーションは、上記で十分に説明されており、図8に図示されている。それ以外の全ての区分機は、厳密に連続的に動作する。1度に1通の郵便物が送給される。郵便物は、読取りシステムを通過すると列を成して進み、次いで、1つ又はそれ以上の経路に迂回されて仕分けビンに入る。これは、ルートシーケンス区分機の動作は、3つのシーケンシャルな機能(送給/読取り/装荷、次いで、正しいシーケンスで除荷、次に、包装及び積み重ね作業)に分割されるためであり、各機能を同時に達成するように並行ステーションの数を増やすことによって、これらの機能の全ての達成をより短時間で且つ低速で実行することができる。
【0106】
IV.配達員配達シーケンス区分機−追加のアルゴリズム
郵便配達員は、毎日郵便物を仕分けして配達するという点で2つの非効率な点、すなわち3日間の配達時間枠を有する予め仕分けされた標準クラスの郵便物の併合、及び小包配達と郵便物配達の統合に対応しなければならない。
【0107】
宛地配達ユニット(DDU=郵便配達員が郵便物を配達前に仕分けして「ケース」に入れるローカルの「一般家庭ベース」の郵便施設)においては、郵便物の流れのわずか42%だけは、配達シーケンス別に既に仕分けされた状態で到着する。別の郵便物の束(44%)は、平形小包、定期刊行物、非DPS(宛地仕分け)手紙を含む、郵便配達員によって手動でケースに入れられる(配達シーケンスに仕分けされる)。郵便物の最後の14%は、直送郵便物である。直送の標準クラス郵便物は、一般に、配達員配達ルート別に仕分けされているが別個に束ねられてDDUに到着する。このタイプの郵便物の実施例としては、週間新聞、広告用カタログなどがある)。平均すると、このタイプの郵便物の413通が、毎日各郵便配達員によって配置される。郵便配達員の一部は、この郵便物をケースに入れ、すなわち配達員が「平形小包」郵便物と共に手動で仕分けすることを意味する。他の配達員では、直送郵便物の束をトラックに積み込んで、各郵便箱の前に駐車中に手紙と平形小包とを併合する者もいる。
【0108】
直送郵便物は、通常、標準クラスであり、DDU到着の3日間の時間枠内で配達しなければならない。DDUの責任者達は、通常、毎日の各郵便配達員により配達される郵便物の総量の平均値をならすために、3日間のうちどの日にこのタイプの郵便物を配達するかを決定する。従って、郵便量が少ない日に、より多くの直送郵便物が配達され、郵便量が多い日には、その配達量は極めて少ない。
【0109】
このタイプの郵便物は、ルートの全ての住所に配達することが意図される場合がある。住所ラベルでは「居住者」に宛てられていることもあるが、特定の通りの住所も含むことができる。DDU責任者が一部の直送郵便物を配達に含めるように決めた日には、各郵便配達員は、直送郵便物の束全体を配達員のルートで配達する方法を把握する。ルートの幾つかの住所では、直送郵便物が、その日に配達すべき唯一の物品のこともある。従って、郵便配達員は、直送郵便物を配達するためだけに各住所で停止しなければならない。3日間の時間枠がこのタイプの郵便物の配達に認められているので、これは、方法としては最も効率的なものではないのは確かである。更に、郵便配達員の時間の最良の使い方でもない。
【0110】
第2の多少関連のある問題は、郵便配達員による小包配達と関係がある。典型的な日は、ルート上の住所が500件の郵便配達員では、この500件の住所に配達する小包は、恐らくわずか10個から20個であろう。これは、平均すると、郵便配達員の25回から50回の停止毎に1つの小包になる。現在、郵便配達員は、一般に、次に配達する小包が運転者に最も近くにあって見えやすいように、トラックに小包を配達シーケンス順に並べることで、この状況に対処している。配達しなければならない小包がある次の住所に配達員が到着すると、忘れずにその住所に配達すべき手紙及び平形小包と共に小包を含める必要がある。しかしながら配達員が忘れるときもある。ミスが分かると、配達員は、正しい住所まで引き返し、その住所に他の郵便物を配達した時間よりも遅い時間にその小包を配達しなければならない。これによって、配達員の記憶力の良さ、又はトラックに残っている小包の次の住所を忘れずに配達員がチェックする回数に依存して、小包と郵便物の配達が全く非効率的なものとなる。
【0111】
本発明のこの実施形態は、上述した2つの特徴を改良し、すなわち郵便物の複数の流れを1つの作業に併合して、配達シーケンスに仕分けし、仕分けされた郵便物を自動的に直接郵便トレイに除荷し、郵便物を包装して、配達中の郵便配達員に有用となる情報を包装物上に印刷する単一パス仕分けシステムによって、郵便配達員が郵便物の配達に費やす合計時間を短縮するものである。
【0112】
第1の改良点は、3日間の配達時間枠を有する標準クラスの郵便物を処理する時の配達員の効率を高めるものである。その日の他の郵便物の全てが区分機に送給されて緩衝器(バッファー)内に保管された後、システム制御装置は、当日の配達分の郵便物がない配達ルートの住所がどれであるかを記憶する。次いで、オペレータは、区分機内のビンディバイダの連続ループ上に残っている空きスペースがどのくらいかを確認する。十分なスペースが残っている場合、オペレータは、追加の直送物を区分機に装荷して、これを配達する必要のある日付(現在の日付から3日又は2日とすることができる)をキー入力するか、又は前の2日間が郵便物の多い日であり標準クラスの直送郵便物が含まれていなかった場合には、オペレータは、この束を今日配達しなければならないことをキー入力することができる。この直送物が区分機に送給されて住所読取り装置が住所を読み込んでいるときに、区分機制御装置は、標準クラスの郵便物の各々の処理方法に関する一連の判断を行う。標準クラスの郵便物が、区分機緩衝システムに挿入された他の郵便物が既にある住所に宛てられている場合、区分機は、この新たな郵便物を緩衝器まで前進させて通常の方法でその住所に仕分けされるようにする。標準クラスの郵便物が、その日に配達されるべき他の郵便物がない住所に宛てられている場合、制御装置は、オペレータによって前にキー入力された「配達期限」情報を調べる。今日がその郵便物の配達最終日である場合、区分機は、その郵便物を緩衝器内に前進させ、後で通常の方法でその住所に仕分けされるようにする。その標準クラスの郵便物の配達期限までに2、3日残っている(従って、これは今日その住所に配達される唯一の郵便物となる)場合、区分機は、その郵便物を迂回用ビンに迂回させ、翌日に区分機に再導入されるようにする。これによって、当日に(3日間の配達時間枠に残っている時間がある)標準クラスの郵便物を受け取るだけのルートの住所に立ち止まる必要性が排除されることによって配達員の効率が向上する。これにより、配達員が1日の配達をより迅速に完了することが可能になる。
【0113】
第2の改良点では、本発明のシステムの配達用包みの包装物の外面に印刷する能力を利用するものである。この郵便サービスは、小包の追従追跡能力を改善し、つまり、その日に配達される小包の日別データベースを作成すると想定する。このデータが利用可能であれば、各住所の他の郵便物に関するデータベースと併合し、郵便物が区分機に送給されているときに区分機制御装置が生成することができる。他の郵便物がある住所に小包が配達されることになる場合、小包配達の注意書きがその他の郵便物の包装物の外面に印刷される。ある住所に配達されることになる複数の小包がある場合、小包の個数が郵便物用包みの包装物に印刷される。これによって、郵便配達員は、配達物に小包を含めるように各配達住所で促されることになる。この機能は、配達員がルート上の郵便箱で最初に立ち止まったときに小包を含めるのを忘れたことで引き返さなければならない回数が大幅に減る。
【0114】
図14Aから図14C、及び図15Aから図15Cを参照すると、1日の配達の間に郵便配達員のために不必要な停止を排除するのを助け、小包を配達するために配達員が引き返さなければならない回数を低減するために、2つのアルゴリズムが仕分けシステムに提供される。図14Aから図14Cに示すアルゴリズム400は、配達に利用可能なより多くの日数がある場合、及び特定の日にある住所の唯一の郵便物がある場合には、標準クラスの郵便物を取り置く。これによって、配達員に不要な停車が排除されると共に、配達がより効率的になる。図15Aから図15Cのアルゴリズム500は、小包もその日に特定の住所に配達しなければならない場合、その住所の郵便包装物に注意書きを印刷する。ここで、この2つのアルゴリズムをより詳細に検討する。
【0115】
図14Aによれば、標準クラスの郵便物(3日間の配達時間枠付き)を除く全ての郵便物を装荷し、送給し、読取り、区分機に入れる402。次いで、制御装置は、今日の配達に備えて小包に関する情報をダウンロードする404。追加の郵便物が利用可能なスペースがあるか否かを判断しなければならない406。スペースがある場合、「配達期限」日付をキー入力し、標準クラスの郵便物を装荷し、送給して、読取る408。また、全ての郵便物が、区分機緩衝器に装荷されると、制御装置は、配達地点の順番別に各郵便物の除荷シーケンスを計算する410。しかしながら、追加の郵便物に利用可能なスペースがない場合406、プロセスは、段階408及び段階410をスキップして、直接、次の段階412に進み、そこで、制御装置は、配達の最初又は次の住所を検討する。続いて、今日この住所に配達すべき何らかの郵便物があるかどうかが判断44される。
【0116】
今日この住所に配達すべき郵便物がある場合、図14Bは、一連の判断416、418、420を示し、ここでは、その住所に配達すべき1つより多い郵便物があるか416、当該郵便物は標準クラスであるか418、及び今日この住所に配達すべき小包があるかが判断される。最終的には、最終の利用可能な住所スペースが使用されると430、郵便物が、正しい順番で割り当てられた住所スペースに除荷され、プロセスは図14Cに示すように進む。共通の住所を有する郵便物の最初又は次の束が前進して包装サブシステムに入ると、この住所に宛てられた小包がある場合には、郵便物用包み包装物上に注意書きが印刷される438。段階434から438は、束内に住所がなくなるまで繰り返えされる440。更にこれらの段階よりも多くの段階が、このルートで処理される住所がなくなるまで繰り返えされ442、このなくなった時点で郵便物が配達される444。
【0117】
ここで図15Aから図15Cのプロセス500を参照すると、標準クラスの郵便物(3日間の配達時間枠付き)以外の全ての郵便物が、装荷され、送給されて、読取られ502区分機に入る。次いで、制御装置は、今日の配達の小包に関するデータをダウンロードする504。追加の郵便物が利用可能なスペースがあるか否かを判断506する必要がある。スペースがある場合、「配達期限」日付が、キー入力される508と、標準クラスの郵便物が、装荷され、送給されて、読取られる(スペースがない場合、プロセスは、図15Bの左側にある円にスキップする)。キー入力段階508後、標準クラスの郵便物の最初又は次の郵便物が区分機内に送給され510、その住所が読取られる。続いて、今日その住所に配達すべき他の郵便物があるか否か512、当該住所に配達すべき小包があるか否か514、及び/又は今日はこのような小包の配達最終日であるか否かを判断するために、幾つかの判断512、514、516が可能である。郵便物が後の処理のために迂回されない限り、緩衝器に挿入されることになる520。読取り及び送給する郵便物がもはや存在しない場合、制御装置は、次に進み524、最初又は次の住所を検討する。当該の住所の郵便物(又は少なくとも1つの小包)がある526場合、除荷シーケンス用にその住所が割り当てられ528、これが利用可能な最終住所スペースである場合、その郵便物は、割り当てられた住所スペースに正しい順番で除荷される532。
【0118】
共通の住所を有する郵便物の最初又は次の束が、包装サブシステムに進み534、この住所に宛てられた小包がある536場合には、注意書きが郵便物用包み包装物上に印刷される538。これらの段階534から538は、束内の住所がなくなる540まで繰り返えされる。これらの段階の更に多くが、このルートで処理される残りの住所がなくなるまで542繰り返えされ、このなくなった時点で郵便物が配達される544。
【0119】
図14と図15で説明される発明のいずれもが、配達時の配達員の時間の効率的使用を助けるものである。効率化は、或いは配達員の時間の2%の節約に過ぎないほど少ないが、本明細書で説明する他の効率化と組み合わせされると、USPSは、最終郵便配達の全体コストを低減できる状態にある。
【0120】
V.配達員配達シーケンス区分機−中間積み重ね装置への郵便物の排出
前述の説明では、単一パス配達員配達シーケンス区分機の本発明の様々な態様を開示している。以下は、本発明の更なる実施形態の説明である。この実施形態では、郵便物を緩衝器トレイから排出して中間除荷トレイに積み重ねる機能を達成する1つの方法を開示する。この実施形態では、全ての郵便物の流れを併合し、配達シーケンス順別に仕分けして、区分機から自動的に除荷した後、各住所に配達されることになる郵便物を束ねて、包装物で包装し、次いでこれらの包装の束を郵便トレイに積み重ねる。
【0121】
この製品は、幅広い自由度の郵便物タイプを自動的に処理することを意図しているので、大半の仕分け経路に郵便物を送ることによるものである。郵便物は、手動又は自動的に送給されて住所読取り装置を通過し、緩衝器トレイ(「ビンディバイダ」とも呼ばれる)の環状ループに装荷され、1通の郵便物が各ディバイダに装荷される。制御装置は、ビンディバイダのこのアレイから郵便物を除荷して除荷シーケンスを開始する正しい順番を理解している。この概念が全ての機能を達成するためには、最も重要な処理段階の1つは、郵便物を緩衝器トレイ又はビンディバイダのアレイから中間除荷トレイ(「除荷ステーション」とも呼ばれる)に排出することである。上述のように、住所は、中間除荷トレイの各々に一時的に割り当てられ、割り当てられた住所への全ての郵便物は、緩衝器トレイ環状ループの1回転中に中間除荷トレイに除荷される。
【0122】
従って、上記の明細書及び添付図面から、本発明の単一パス配達員配達シーケンス区分機及びその使用法によって郵便物を仕分ける効果的で好都合な方法が提供されることが分かる。上述の説明はUSPSに関して説明してきたが、この説明はどのような郵便局にも同様に適用される。
【0123】
本発明の多くの利点は当業者には明らかであろうと考えられる。また、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく幾つかの変形及び修正を行うことができることは明らかであろう。従って、前述の説明は、限定ではなく、例証に過ぎないと解釈すべきである。本発明は、添付の請求項の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明による単一パス配達員配達シーケンス区分機の斜視図である。
【図2】郵便物の装荷、送給、読取り、及び挿入段階を示す図1の単一パス配達員配達シーケンス区分機の斜視図である。
【図3】除荷シーケンスを計算する段階を示す図1の単一パス配達員配達シーケンス区分機の斜視図である。
【図4】配達員ルートの最初の40件の住所への郵便物を除荷する段階を示す図1の単一パス配達員配達シーケンス区分機の斜視図である。
【図5】図1の単一パス配達員配達シーケンス区分機によって行われる、配達員ルートの最初の40件の住所への郵便物を結束し積み重ねる段階を示す図1の単一パス配達員配達シーケンス区分機の斜視図である。
【図6A】実線での未起動時位置と仮想線での起動時位置にある図1の単一パス配達員配達シーケンス区分機のビンディバイダ内の排出機構の概略側面図である。
【図6B】図1の単一パス配達員配達シーケンス区分機のビンディバイダ内の排出機構の概略上面図である。
【図7】排出アームが実線と破線の組み合わせでの未起動時位置と仮想線での起動時位置にある、図1の単一パス配達員配達シーケンス区分機のビンディバイダの駆動部及びリンク部の概略側面図である。
【図8】幾つかのビンディバイダが例証のために除去された状態の図1の単一パス配達員配達シーケンス区分機の郵便物装荷挿入区域の概略上面図である。
【図9】排出アームが実線と破線の組み合わせでの未起動位置と仮想線での起動時位置にある、図1の単一パス配達員配達シーケンス区分機のビンディバイダに関連付けられたデフレクタゲートと排出アームの概略側面図である。
【図10】図1の単一パス配達員配達シーケンス区分機の駆動部のタイミングベルトの概略上面図である。
【図11】図1の単一パス配達員配達シーケンス区分機の中間除荷ステーションの概略側面図である。
【図12】本発明による3層単一パス配達員配達シーケンス区分機の斜視図である。
【図13】本発明による複数の送給ステーションを有する3層単一パス配達員配達シーケンス区分機の斜視図である。
【図14A】本発明による標準クラスの郵便物を仕分けする第1の実施形態を示す論理フロー図である。
【図14B】本発明による標準クラスの郵便物を仕分けする第1の実施形態を示す論理フロー図である。
【図14C】本発明による標準クラスの郵便物を仕分けする第1の実施形態を示す論理フロー図である。
【図15A】本発明による標準クラスの郵便物を仕分けする第2の実施形態を示す論理フロー図である。
【図15B】本発明による標準クラスの郵便物を仕分けする第2の実施形態を示す論理フロー図である。
【図15C】本発明による標準クラスの郵便物を仕分けする第2の実施形態を示す論理フロー図である。
【符号の説明】
【0125】
10 単一パス配達員配達シーケンス区分機
16 自動送給ステーション
18 送給装置
20 住所読取り装置
22 手動送給ステーション
26 レーストラック仕分け装置
28 ビンディバイダ
30 ビデオエンコーダ/数値制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
郵便物のグループ用の仕分けシステムにおいて、前記郵便物の各々が2つの面を有し、配達情報に従った固有の宛先を有するシーケンスに前記郵便物のグループを仕分けする前記仕分けシステムであって、
各郵便物に関連付けられた配達情報を前記郵便物から検索する読取り手段と、
略垂直方向に前記面を有する1つの郵便物を受け入れるような寸法に各々がされた複数のホルダと、
前記郵便物のグループからの各郵便物を前記複数のホルダの特定の1つに配置する手段と、
各郵便物の前記検索された配達情報と特定のホルダとの間の関連付けを作成する手段と、
郵便物が略垂直方向で互いに対面して少なくとも一時的に位置付けられるように前記ホルダを移動させ、保持された前記郵便物の検索配達情報と各ホルダとの関連付けに基づいて前記ホルダを移動させて、前記ホルダによって保持された前記郵便物が前記シーケンスに従って仕分けされるようにする区分機と、
を含むことを特徴とする仕分けシステム。
【請求項2】
前記区分機が、前記グループ中の郵便物に関連付けられた配達情報が検索されると、前記郵便物を前記所望の配達シーケンスに除荷するための正しい順番を判断する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項3】
複数の中間除荷ステーションを更に含み、前記ホルダに投入された前記郵便物が前記所望の配達シーケンスに従って前記中間除荷ステーションに仕分けされるときに、前記複数のホルダが前記中間除荷ステーションを通過することを特徴とする請求項2に記載の仕分けシステム。
【請求項4】
前記区分機が、前記ホルダによって保持される前記郵便物を前記所望の配達シーケンスに従って前記中間除荷ステーションに仕分けする手段を含むことを特徴とする請求項3に記載の仕分けシステム。
【請求項5】
前記所望の配達シーケンスが一連の配達住所を含み、前記仕分けシステムが、前記中間除荷ステーションの各々を前記一連の配達住所のうち指定住所と関連付ける手段を更に含むことを特徴とする請求項3に記載の仕分けシステム。
【請求項6】
前記一連の配達住所の配達住所よりも少ない中間除荷ステーションがあり、前記関連付け手段が、前記所望の配達シーケンスに従って前記配達住所の連続部分を前記中間除荷ステーションと関連付けるようにされていることを特徴とする請求項5に記載の仕分けシステム。
【請求項7】
前記配達住所の各連続部分に関連付けられた前記グループの全ての郵便物が前記中間除荷ステーションへの前記所望の配達シーケンスに仕分けされるときに、前記中間除荷ステーションを定期的に除荷する手段を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の仕分けシステム。
【請求項8】
前記一連の配達住所の各配達住所に従って、前記中間除荷ステーション内の前記郵便物を束に分離する手段を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の仕分けシステム。
【請求項9】
前記分離手段が、前記束の各々を結束することを特徴とする請求項8に記載の仕分けシステム。
【請求項10】
前記分離手段が、
前記束の各々を別個の包装物で包装する包装手段と、
配達情報を各包装物に印刷する印刷手段と
を含むことを特徴とする請求項8に記載の仕分けシステム。
【請求項11】
前記配達情報が、前記それぞれの配達住所に配達される必要がある前記包装物の外部に何らかの郵便物が存在するか否かを示すことを特徴とする請求項10に記載の仕分けシステム。
【請求項12】
前記配達情報が、前記包装物の外部にある幾つの郵便物が前記それぞれの配達住所に配置される必要があるかを示すことを特徴とする請求項10に記載の仕分けシステム。
【請求項13】
各中間除荷ステーションが、郵便物を受け入れる最大容量を有し、前記仕分けシステムが、特定の配達住所への前記郵便物が前記容量よりも大きいか否かを判断して、前記特定の配達住所に対して追加の中間除荷ステーションを割り当てる手段を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の仕分けシステム。
【請求項14】
前記ホルダは、1つよりも多いホルダが1つよりも多い中間除荷ステーションと同時に相互作用することができるように、前記中間除荷ステーションに対し移動可能に位置付けられることを特徴とする請求項5に記載の仕分けシステム。
【請求項15】
前記郵便物は、前記郵便物が対面して位置付けられたときに互いに近接近して保持されることを特徴とする請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項16】
品目のグループ用の仕分けシステムにおいて、前記グループ内の各品目が2つの面を有し、複数の固有の宛先を有するシーケンスに従って前記品目を仕分けする前記仕分けシステムであって、
前記品目のグループの各品目に関連付けられた情報を検索する手段と、
略垂直方向に前記面を有する品目を受け入れるような寸法に各々がされ且つ識別可能である複数のホルダと、
前記品目のグループの各品目を前記複数のホルダの特定のホルダと共に配置する手段と、
前記品目の検索情報を前記特定のホルダと関連付ける手段と、
複数の中間除荷ステーションであって、1つの中間除荷ステーションが前記固有の宛先の1つと少なくとも一時的に関連付けられ、前記ホルダの各々が前記中間除荷ステーションの各々と相互作用できるように、前記ホルダが前記中間除荷ステーションに対して移動可能に位置付けられる複数の中間除荷ステーションと、
前記ホルダ内の品目が略垂直方向で互いに対面して少なくとも一時的に位置付けられるように前記ホルダを移動させ、前記ホルダと前記中間除荷ステーションとの間で相互作用可能であり且つ前記品目に関連付けられた情報が前記中間除荷ステーションと関連付けられた前記一時的な固有の宛先に相当する場合に前記ホルダ内の品目を特定の中間除荷ステーションに移動させるように前記ホルダを前記中間除荷ステーションに対して移動させる区分機と、
を含み、
前記ホルダによって保持された前記品目が、前記シーケンスに従って仕分けされることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項17】
前記固有の宛先に関連付けられた前記グループからの前記品目の全てが、前記中間除荷ステーションへの前記シーケンスに仕分けされたときに、前記中間除荷ステーションを定期的に除荷する手段を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の仕分けシステム。
【請求項18】
前記シーケンス内の各固有の宛先に従って前記中間除荷ステーション内の前記品目を束に分離する手段を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の仕分けシステム。
【請求項19】
前記分離手段が、前記束の各々を結束することを特徴とする請求項18に記載の仕分けシステム。
【請求項20】
各中間除荷ステーションが、品目を受け入れる最大容量を有し、前記仕分けシステムが、特定の固有の宛先への前記品目が前記容量よりも大きいか否かを判断して、前記特定の固有の宛先に対して追加の中間除荷ステーションを割り当てる手段を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の仕分けシステム。
【請求項21】
前記ホルダは、1つよりも多いホルダが1つよりも多い中間除荷ステーションと同時に相互作用することができるように、前記中間除荷ステーションに対し移動可能に位置付けられることを特徴とする請求項16に記載の仕分けシステム。
【請求項22】
前記郵便物が対面して位置付けられたときに前記品目が互いに近接近して保持されていることを特徴とする請求項16に記載の仕分けシステム。
【請求項23】
前記品目が郵便物であることを特徴とする請求項16に記載の仕分けシステム。
【請求項24】
郵便物のグループ用の仕分け方法において、前記郵便物の各々が2つの面を有し、配達情報に従った固有の宛先を有するシーケンスに前記郵便物のグループを仕分けする前記仕分け方法であって、
各郵便物に関連付けられた配達情報を前記郵便物から検索する段階と、
略垂直方向に前記面を有する1つの郵便物を受け入れるような寸法に各々がされた複数のホルダを提供する段階と、
前記郵便物のグループからの各郵便物を前記複数のホルダの特定の1つに配置する段階と、
各郵便物の前記検索された配達情報と特定のホルダとの間の関連付けを作成する段階と、
郵便物が略垂直方向に互いに対面して少なくとも一時的に位置付けられるように前記ホルダを移動させ、保持された前記郵便物の検索配達情報と各ホルダとの関連付けに基づいて前記ホルダを移動させて前記ホルダによって保持された前記郵便物が前記シーケンスに従って仕分けされるようにする段階と、
を含む方法。
【請求項25】
前記グループ中の郵便物に関連付けられた配達情報が検索されると、前記郵便物を前記所望の配達シーケンスに除荷するための正しい順番を判断する段階を更に含む請求項24に記載の仕分け方法。
【請求項26】
複数の中間除荷ステーションを提供する段階を更に含み、前記ホルダに投入された前記郵便物が前記所望の配達シーケンスに従って前記中間除荷ステーションに仕分けされるときに前記複数のホルダが複数の中間除荷ステーションを通過することを特徴とする請求項25に記載の仕分け方法。
【請求項27】
前記移動段階が、前記ホルダによって保持される前記郵便物を前記所望の配達シーケンスに従って前記中間除荷ステーションに仕分けする段階を含む請求項26に記載の仕分け方法。
【請求項28】
前記所望の配達シーケンスが一連の配達住所を含み、前記中間除荷ステーションの各々を前記一連の配達住所のうち指定住所と関連付ける段階を更に含む請求項26に記載の仕分け方法。
【請求項29】
前記一連の配達住所の配達住所よりも少ない中間除荷ステーションがあり、前記関連付け段階が、前記所望の配達シーケンスに従って前記配達住所の連続部分を前記中間除荷ステーションと関連付けることを特徴とする請求項28に記載の仕分け方法。
【請求項30】
前記配達住所の各連続部分に関連付けられた前記グループの全ての郵便物が前記中間除荷ステーションへの前記所望の配達シーケンスに仕分けされるときに、前記中間除荷ステーションを定期的に除荷する段階を更に含む請求項29に記載の仕分け方法。
【請求項31】
前記一連の配達住所の各配達住所に従って、前記中間除荷ステーションの前記郵便物を束に分離する段階を更に含む請求項29に記載の仕分け方法。
【請求項32】
前記分離段階中に前記束の各々が結束されることを特徴とする請求項31に記載の仕分け方法。
【請求項33】
前記分離段階が、
前記束の各々を別個の包装物で包装する段階と、
印刷手段が各包装物に配達情報を印刷する段階と、
を含む請求項31に記載の仕分け方法。
【請求項34】
前記配達情報が、前記それぞれの配達住所に配達される必要がある前記包装物の外部に何らかの郵便物が存在するか否かを示すことを特徴とする請求項33に記載の仕分け方法。
【請求項35】
前記配達情報が、前記包装物の外部にある幾つの郵便物が前記それぞれの配達住所に配置される必要があるかを示すことを特徴とする請求項33に記載の仕分け方法。
【請求項36】
各中間除荷ステーションが、郵便物を受け入れる最大容量を有し、特定の配達住所への前記郵便物が前記容量よりも大きいか否かを判断して前記特定の配達住所に対して追加の中間除荷ステーションを割り当てる段階を更に含む請求項28に記載の仕分け方法。
【請求項37】
前記ホルダは、1つよりも多いホルダが1つよりも多い中間除荷ステーションと同時に相互作用することができるように前記中間除荷ステーションに対して移動可能に位置付けられることを特徴とする請求項28に記載の仕分け方法。
【請求項38】
前記郵便物は、前記郵便物が対面して位置付けられたときに互いに近接近して保持されることを特徴とする請求項24に記載の仕分け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【公表番号】特表2008−507401(P2008−507401A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522738(P2007−522738)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/025846
【国際公開番号】WO2006/012399
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(506118537)ピットニイ ボウズ インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】