説明

ワークハンドリング機構およびワーク検査システム

【課題】
ワークの検査効率を向上させることができるワークハンドリング機構、あるいは小型なワーク検査システムを提供することにある。
を提供することにある。
【解決手段】 戴き
この発明は、第1の中継点と第2の中継点と複数のワーク載置台とを有する中継台を設けて、中継台とワーク供給容器およびワーク収納容器との間でのワークの排出/供給処理を中継台の第1の中継点で行い、中継台と複数のワーク検査機との間でのワークのロード/アンロード処理を中継台の第2の中継点で行うものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ワークハンドリング機構およびワーク検査装置に関し、詳しくはハンドリングロボットにより、供給側のディスクカセット(以下、供給カセット)から未検査の磁気ディスク(以下、ディスク)を取出してそれを磁気ディスク検査機(以下ディスク検査機)にローディングし、検査済みのディスクをディスク検査機からアンローディングして検査結果に応じてディスクを分類して収納する分類ディスクカセット(以下、分類カセット)に収納するディスク検査システムにおいて、検査時間が比較的短い小型のディスクを複数の検査機で並列に検査する場合に検査効率を向上させることができるようなディスクハンドリング機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディスクの検査においては、供給カセットに収納された未検査のディスクが1枚づつ取出されてディスク検査機にロードされ、検査が終了すると検査済みのディスクがディスク検査機からアンロードされて検査結果に応じたクラスに分類された分類カセットの1つに収納される。
検査効率を向上させるためにディスク検査システムは、複数のディスク検査機を使用して並列にディスク検査をすることで検査するディスクの枚数を増加させることができる。しかし、そのようにすると、それに伴って供給側と収納側においてそれぞれカセットの個数が多くなる。各カセットの交換と各ディスク検査機に対するディスクの受渡しを効率的に行うハンドリングシステムも必要になる。
そこで、ディスク検査システムとして、供給カセットと分類カセットとをターンテーブルに配置したシステムがある。このシステムは、複数のディスク検査機に連続的に未検査のディスクを供給し、検査が終了したディスクを検査結果に応じた分類に対応する分類カセットに収納することができる。
【0003】
このような場合のターンテーブルと複数のディスク検査機との間に未検査のディスクの受け渡し中継台(以下中継台)と検査が終了したディスクの中継台とをそれぞれ設ける出願人によるディスク検査システムが公知である(特許文献1)。
このディスク検査システムの中継台は、ターンテーブル側に設けられた各カセットからのディスク供給タイミング、各カセットへのディスク収納タイミングに対するディスク検査機側の処理タイミングのずれを吸収することができる。さらに、複数のディスク検査機に対するディスクロード/アンロードする距離を中継台までとすることで短くして検査効率を向上させている。
【特許文献1】特開平4−122554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された中継台は、複数のディスク検査機に対して共通に設けられている。しかもハンドリングロボットによるディスクの中継点として前記の中継台は所定の定位置に移動する。さらに各ディスク検査機へのディスクのロードは、検査済みのディスクがアンロードされてディスクが取外された後に行わなければならない関係でアンロードされたディスクを置く中継台と未検査のディスクを置く中継台の2つが必要であって、それらがそれぞれ設けられている。
そのため、このディスク検査システムは、第1の中継台にセットされた検査済みのディスクと第2の中継台にセットされた未検査のディスクとをそれぞれの受渡しタイミングに応じてハンドリングロボットがディスクをハンドリングする中継点(定位置)に移動させる中継台の移動機構が必要である。
その結果、ハンドリングロボットが次のディスクのハンドリングに処理に移るまで中継台にディスクが置かれることになり、中継台でのディスクの滞留時間が長くなる。そこで、検査時間が比較的短い2.5インチ以下の小型のディスクを並列に検査する小型のディスク検査システムでは検査効率が落ちる問題がある。
【0005】
また、最近ではディスクの品質が向上しているので、トラックの高密度化とともに全トラック検査ではなく、トラックの間引検査が行われる。このような場合には、2.5インチ以上のディスクであっても検査時間が短くなるので、前記のようなディスク検査システムは、中継台にセットされたディスクの滞留時間がディスク検査の効率化を阻害することになる。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、ディスク等のワークを並列に検査するワーク検査システムにおいて、ワークの検査効率を向上させることができるワークハンドリング機構を提供することにある。
この発明の他の目的は、ワークを並列に検査する検査システムにおいてワークの検査効率を向上させることができる小型なワーク検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するためのこの発明のワークハンドリング機構あるいはワーク検査システムの構成は、ワーク供給容器から取出された未検査のワークを複数の検査機の1つへと受渡す中継をし、複数の検査機の1つから受けた検査済みのワークをワーク収納容器へと受渡す中継をする中継台を有するワークハンドリング機構において、
第1の中継点と第2の中継点と複数のワーク載置台とを有し、複数のワーク載置台の1つが第1の中継点に置かれて未検査のワークを受け、他の1つが第2の中継点に置かれて検査済みのワークを受ける前記した中継台と、
第1の中継点にあるワーク載置台を第2の中継点へ移動しかつ第2の中継点にあるワーク載置台を第1の中継点へ移動することで未検査のワークを第2の中継点へと移送するとともに検査済みのワークを第1の中継点へと移送する載置台移動機構と、
検査済みのワークを第1の中継点にあるワーク載置台からワーク収納容器に送った後にワーク供給容器から未検査のワークを取出して第1の中継点にあるワーク載置台に載置する第1のハンドリングロボットと、
第2の中継点にあるワーク載置台から未検査のワークを複数の検査機の1つに送った後に複数の検査機の1つから検査済みのワークを第2の中継点にあるワーク載置台へと搬送して載置する第2のハンドリングロボットとを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
このようにこの発明は、第1の中継点と第2の中継点と複数のワーク載置台とを有する中継台を設けて、中継台とワーク供給容器およびワーク収納容器との間でのワークの排出/供給処理を中継台の第1の中継点で行い、中継台と複数のワーク検査機との間でのワークのロード/アンロード処理を中継台の第2の中継点で行うものである。
この発明は、第1の中継点においては、検査済みのワークをワーク載置台からワーク収納容器に搬送してからワーク供給容器からワーク載置台に未検査のワークを受ける。第2の中継点においては、ワーク載置台から複数のワーク検査機の1つに未検査のワークを搬送してから複数のワーク検査機の1つからワーク載置台に検査済みのワークを受取る。
さらに、この発明は、中継台に設けられた複数のワーク載置台は、載置台移動機構の駆動で第1の中継点と第2の中継点とを交互に巡り、第1の中継点にある供給すべきワークを第2の中継点へと移送し、逆に第2の中継点の排出すべきワークを第1の中継点へと同時移送する。
なお、この場合の載置台移動機構を回転機構として、ワーク載置台を回転させることで第1の中継点と第2の中継点との間でワークに同時移送するようにすれば、ワークハンドリング処理の効率がより向上する。
【0008】
これにより、ワークの供給/排出処理は、検査済みのワークの排出に続いて未検査のワークの供給が第1の中継点のワーク載置台を介して可能となる。ワーク検査機側のロード/アンロードのワークハンドリング処理は、検査済みのワークの排出に続いて未検査のワークの供給が第2の中継点のワーク載置台を介して可能となる。
その結果、この発明は、未検査のワークと検査済みのワークの供給/排出あるいは逆に排出/供給が連続的にでき、次の段階に移送されるまでの中継台でのワークの待ち時間が低減されるので、ワークを並列に検査するワーク検査システムのワーク検査効率を向上させることができる。
特に、ワークがディスクで小型の場合に特にディスク検査システムでの処理効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、この発明によるワーククハンドリング機構を適用した一実施例のディスク検査システムの構成図、図2は、ディスクハンドリング機構の回転中継台における十字アームと吸着機構の関係を示す分解斜視図、図3Aの(a)〜(f)は、ディスクハンドリング処理における初期設定動作から通常動作に入るまでの回転中継台の平面説明図、そして図3Bの(g)〜(l)は、ディスクハンドリング処理における回転中継台の通常動作の平面説明図である。
10は、ディスク検査システムであって、1はディスク、2はディスクハンドリング機構、6は検査ステージ、7はデータ処理/制御装置、8は、供給カセットと収納カセットを載置するカセット収納ターンテーブルである。
ディスクハンドリング機構2は、回転中継台3と、検査側のディスクハンドリングロボット4、そしてカセット側のハンドリングロボット5とからなる。検査ステージ6には、ディスク検査機6a〜6dが設けられている。
【0010】
この実施例では、カセット収納ターンテーブル8と各ディスク検査機6a〜6dとの間に、未検査ディスク1あるいは検査済みのディスク1を載置する回転中継台3が設けられている。回転中継台3は、十字アーム31を有し、十字アーム31の4つの先端部がそれぞれディスク載置台34a〜34dを構成している。十字アーム31が回転することにより4個のディスク載置台34a〜34dのうちの対向する載置台が2つの中継点P1(以下点P1)と中継点P2(以下点P2)の位置にそれぞれ位置決めされる。点P1と点P2は、同一円周上に配置されていて、回転中継台3はディスク載置台34a〜34dを同時に回転する。
なお、この実施例では4台のディスク検査機6a〜6dを設けているが、その台数は複数個あればよく、任意でよい。ディスク載置台34a〜34dの数も複数個あればよく、ディスク検査機に対応させて4個にする必要はない。ディスク載置台の数に応じてアームの本数を増減させることができる。
【0011】
回転中継台3は、前記の十字アーム31と、回転吸着機構32、十字アーム31を回転するステッピングモータ33とからなる。図2に示すように、十字アーム31の先端側に位置するディスク載置台34a〜34dは、それぞれディスク1を吸着保持する機構を備えている。なお、回転吸着機構32とステッピングモータ33とがこの実施例での回転機構を構成している。
図1,図2に示す十字アーム31は、ステッピングモータ33により90°の単位で半時計方向に回転駆動される。点P1の位置に設定されたディスク載置台(十字アーム31の先端側)がカセット側の供給/排出の載置台となり、点P2の位置に設定されたディスク載置台(十字アーム31の先端側)がディスク検査機側のディスクロード/アンロードの載置台となる。
図2は、回転中継台3における十字アームと吸着機構の関係を示す分解斜視図である。
図2に示すように、各ディスク載置台34a〜34dは、それぞれディスク1の中心開口部1aに嵌合する円板状の突起部341とその根本にディスク1のチャンファ部を吸着する4個の吸着孔342が設けられている。
ディスク載置台34a〜34dのうち対向する2つは、ステッピングモータ33の駆動により順次点P1と点P2の位置にそれぞれが選択的に位置決めされる。
ここで、点P1の位置と点P2の位置とは、Y軸に沿った方向にあって、十字アーム31において対向するアームの先端部と先端部との間の距離分だけずれ、X軸上では同じ位置になっている。
【0012】
十字アーム31の中心部下側に設けられた回転吸着機構32は、ステータ円板321とこの上に回転可能に載置されるロータ円板322とからなり、ステッピングモータ33の回転軸33aに装着されている。回転軸33aは、ステータ円板321の中心孔321aを貫通してその上にあるロータ円板322の中心孔322aを貫通して十字アーム31に至り、十字アーム31の中心孔310に嵌合する。そして、ねじ323により十字アーム31の中心部で上側から固定されている。これによりステッピングモータ33により回転軸33aを介して十字アーム31とロータ円板322が回転駆動される。
なお、回転軸33aは、ステータ円板321の中心孔321aとは遊嵌し、ロータ円板322の中心孔322aと十字アーム31の中心孔310とは密着嵌合あるいはキー溝による結合をしている。そこで、ロータ円板322と十字アーム31とが回転軸33aが回転する方向に対して回転軸33aと一体的に回転する。
【0013】
これに対してステータ円板321は、ステッピングモータ33の筐体側に固定されていて、回転軸33aが回転しても回転することはない。ステータ円板321の表面には中心孔321aを通る直線上に沿う開放溝324とこれの両側に形成された半円形の吸着溝325,326とが設けられている。開放溝324は、大気に接してこれに連通する直線状に伸びるV溝である。この溝は、中継点である点P1と点P2とを結ぶ線上に位置して設けられている。このV溝がディスクの吸着を解除する。これに対して吸着溝325,326は、これら溝の底面にそれぞれ吸着孔が複数個穿孔されている。これらの吸着孔は、導管(図示せず)を介して真空ポンプ(図示せず)等に接続されてエアー吸引されて、常時この吸着溝325,326が負圧にされている。
十字アーム31には、各ディスク載置台34a〜34dの吸着孔342にそれぞれ連通する4個の導通孔31a〜31dが設けられている。導通孔31a〜31dは、各アームの内部において中心側から十字アーム31の先端側に向かうようにそれぞれ形成されている。
【0014】
ロータ円板322は、吸着孔32a〜32dが十字アーム31の各アームの位置に対応して設けられている。吸着孔32a〜32dの各先端口は、導通孔31a〜31dの中心側の孔にそれぞれに嵌合する。このことで吸着孔32a〜32dは、導通孔31a〜31にそれぞれ連通する。これによりロータ円板322の導通孔32a〜32dのそれぞれは、各ディスク載置台34a〜34dの吸着孔342に連通する。
ロータ円板322と十字アーム31とは、ステッピングモータ33により角度90°単位でステップ送りされて回転する。ステッピングモータ33による90°ごとの回転によりロータ円板322の吸着孔32a〜32dに連通するもののうち対向する2つは、開放溝324に位置決めされる。対向する残りの2つは、半円形の吸着溝325,326に位置決めされる。開放溝324に位置決めされた吸着孔32a〜32dのうちの2つがそれぞれ連通する吸着孔342は大気圧となり、吸着溝325,326に位置決めされた残りの2つがそれぞれ連通する吸着孔342は負圧吸着する状態になる。
【0015】
そこで、ディスク載置台34a〜34dに載置された各ディスク1は、開放溝324に位置決めされた吸着孔32a〜32dのうちの2つに対応するディスク載置台の吸着孔342が大気圧となって、そのディスク載置台に載置されたディスク1の吸着が解除される。残りの2つに対応するディスク載置台の吸着孔342が負圧吸着となって、そのディスク載置台に載置されたディスク1が吸着状態にされる。しかも、吸着溝325,326は半円形であることから、ロータ円板322が回転を開始した直後から回転中の間は、残りの2つに連通する吸着孔342を持つディスク載置台に載置されたディスク1は、それぞれに吸着状態が維持されて回転移送される。
【0016】
図1に戻り、各ディスク検査機6a〜6dは、それぞれスピンドル61b〜61dとヘッドキャリッジ(図示せず)等とからなり、データ処理/制御装置7により制御されて各スピンドル61b〜61dに装着されたディスク1が検査される。
カセット収納ターンテーブル8は、複数のエリアに区分され、これらのうち所定のエリアにそれぞれ対応して未検査ディスクが満杯にされた供給カセットA〜Dと検査済みディスクを収納する分類カセットE〜Hとがそれぞれ載置されている。そして、検査済みディスクが満杯となった分類カセットE〜Hの1つが排出されたときにはそこの位置に空の新しい分類カセットが載置される。逆に、供給カセットA〜Dの1つが空になったときにはそこの位置には未検査ディスクが満杯にされた供給カセットがセットされる。
ディスク検査機6a〜6dのディスクのロード/アンロードは、ディスクハンドリングロボット4により行われる。各カセットからのディスク1の取出と収納は、カセット側のハンドリングロボット5により行われる。
【0017】
ディスクハンドリングロボット4は、X軸移動機構41と、Y軸方向位置補正機構を有するX軸移動機構41の移動台41a、この移動台41aに設けられたZ軸移動機構42、そしてZ軸移動機構42の移動台42aに取付けられた、ディスクの外周をチャックする外周チャック機構43とからなる。ディスクハンドリングロボット4は、点P2の中継位置に設定されたディスク載置台(ディスク載置台34a〜34dの1つ)とディスク検査機との間で外周チャック機構43をX軸に沿って移動させかつZ軸に沿って上下移動させてディスク1をハンドリングする。このとき、ディスクハンドリングロボット4は、点P2の中継位置に設定されたディスク載置台と各ディスク検査機6a〜6dとの間で外周チャック機構43を往復移動させる。
【0018】
すなわち、外周チャック機構43がディスク検査機にあるときには各ディスク検査機6a〜6dのうち1つでディスク検査が終了すると、外周チャック機構43がディスク検査が終了したディスク検査機のディスク1の外周をチャックしてディスク1を受けて点P2に位置付けられたディスク載置台へと移動し、点P2の中継位置のディスク載置台に検査済みのディスクを移送して載置する。そして、データ処理/制御装置7の制御により十字アーム31が90°回転して次のディスク載置台が点P2に位置付けられると、このディスク載置台から未検査のディスク1を受けてこれをディスク検査機側へと移送して検査が終了してディスク1が取外されたディスク検査機にロード(装着)する。
これにより外周チャック機構43はディスク検査機側に戻る。その結果、ディスク検査機6a〜6dの1つでディスクの検査が終了して検査済みのディスクが回転中継台3に排出された後にはそのディスク検査機に未検査のディスクが即座に供給されることになる。
【0019】
カセット側のハンドリングロボット5は、X軸移動機構51と、X軸移動機構51、Y軸方向位置補正機構を有するX軸移動機構51の移動台51a、この移動台51aに設けられたZ軸移動機構52、そしてZ軸移動機構52の移動台52aに取付けられた外周チャック機構53、そして、移動台52aを半時計方向に90°回転させることによって外周チャック機構53を垂直方向に吊下げられる回転機構54とからなる。
カセット側のハンドリングロボット5は、点P1の中継位置のディスク載置台とカセット収納ターンテーブル8の収納カセットと給カセットとの間で外周チャック機構53をX軸に沿って往復移動させかつZ軸に沿って上下移動させる。カセット側のハンドリングロボット5は、点P1の中継位置のディスク載置台からディスク1を受けて目的とする分類カセットに収納した後に供給カセットから未検査のディスク1を受けて点P1の中継位置のディスク載置台に載置する。
なお、X軸移動機構41の外周チャック機構43とX軸移動機構51の外周チャック機構53とは、図1に示すように、回転中継台3の十字アーム31を挟んで前後に配置されている。外周チャック機構53は、ディスクの外周をチャックして回転中継台3と供給カセットあるいは分類カセットとの間を往復移動する。また、供給カセットあるいは分類カセットとの間でディスク1の授受を行うときにはチャックしたディスク1を垂下させる。垂下させるるのは、供給カセットおよび分類カセットは、それぞれにディスク1を縦に所定間隔で配列収納するからである。
【0020】
次にハンドリングロボット4,5の未検査のディスク1についての供給カセットA〜Dとディスク検査機6a〜6dとの間での受渡し、そして検査済みのディスク1についてのディスク検査機6a〜6dと分類カセット(収納カセット)E〜Hとの間での受渡しについてのハンドリング処理を図3A,図3Bを参照して説明する。
図3Aの(a)〜(f)は、初期設定動作であり、4個のディスク検査機6a〜6dのそれぞれに未検査のディスク1をローディングする処理である。なお、図3Aの(a)〜(f)と図3Bの(g)〜(l)は、十字アーム31を上からみた平面図である。
この初期設定の処理から説明すると、図1において、ディスク載置台34aが点P1の中継位置に配置されてこれに載置されたディスク1が回転中継台3においてカセット側のディスクの排出/供給のハンドリング処理対象であると仮定する。
まず、図3A(a)に示すように、ディスク載置台34aに未検査のディスク1が供給カセットから外周チャック機構53により搬送されて載置される。
次に、データ処理/制御装置7により十字アーム31が90°半時計方向に回転駆動される。その結果、ディスク載置台34bが点P1の中継位置に配置されてディスク載置台34aが回転と同時に吸着保持された状態で十字アーム31において左側に位置する。次に未検査のディスク1が供給カセットから外周チャック機構53により搬送されてディスク載置台34bに載置される(図3A(b))。
【0021】
次に、データ処理/制御装置7によりまた十字アーム31が90°半時計方向に回転駆動される。その結果、ディスク載置台34cが点P1の中継位置に配置されてディスク載置台34bが回転と同時に吸着保持された状態で十字アーム31において左側に位置する。このときにはディスク載置台34aがディスク1を吸着した状態で回転して点P2の中継位置(十字アーム31において下側の位置)となり、ここでこのディスク1の吸着が解除される。
次に、未検査のディスク1が供給カセットから外周チャック機構53により搬送されてディスク載置台34cに載置される(図3A(c)参照)。このとき同時に、図3A(d)に示すように、ディスク載置台34aの未検査のディスク1が外周チャック機構43により吸着されて各ディスク検査機6a〜6dのうちディスクが装着されていないディスク検査機にディスクハンドリングロボット4により未検査のディスク1が搬送されてそのスピンドルに装着される。
【0022】
このようにして、データ処理/制御装置7による90°ごとの半時計方向への十字アーム31の回転の繰り返しに応じて各ディスク検査機6a〜6dのすべてに未検査のディスク1が装着されると、図3A(d)の状態でディスクの検査終了待ちとなる。ただし、このとき点P2の中継位置(十字アーム31において下側)に配置されるのはディスク載置台34aではなく、4枚目のディスクがディスク検査機に送られるのでディスク載置台34dとなる(図3A(e)参照)。
なお、このときには、点P2の中継位置(十字アーム31において下側)のディスク載置台34dには図3A(e)とは異なり、ディスクは載置されていない。
以上が4個のディスク検査機6a〜6dのそれぞれに未検査のディスク1をローディングする初期設定の処理である。
【0023】
各ディスク検査機6a〜6dのうちのディスク検査機の1つで検査が終了すると、検査済みのディスク1がそのディスク検査機から取外される。このディスク1は、外周チャック機構43により吸着されてディスク検査機からアンロードされた後に、点P2の中継位置(十字アーム31において下側)へとディスクハンドリングロボット4により搬送されて点P2にあるディスク載置台34dに載置される(図3A(e)参照)。
なお、斜線で示すディスク1は検査済みのディスクである。以下同じである。
これ以降の十字アーム31の90°の回転は、P1点(十字アーム31において上側)の位置のディスク載置台に未検査のディスク1が載置されかつ点P2の位置(十字アーム31において下側)のディスク載置台に検査済みディスク1が載置された論理積条件が整ったときにデータ処理/制御装置7により行われる。
そこで、点P2の中継位置のディスク載置台への検査済みディスク1の載置は、ディスク検査機6a〜6dの1つの検査済みまで待つことになる。この待ち時間は、通常、P1点の位置にある検査済みのディスク(図3A(i)参照)が排出されてから未検査のディスク1がP1点の位置に供給され、そこのディスク載置台に載置される(図3A(k)参照)までの時間よりも長い。そこで、通常の処理では、点P2の中継位置にあるディスク載置台へ検査済みディスク1が載置された後のタイミングでデータ処理/制御装置7が十字アーム31を90°半時計方向に回転駆動することになる。
【0024】
これが定常状態での回転中継台3の90°回転動作となる。そこで、以下では、この条件での回転中継台3のディスクのハンドリング処理について説明する。
図3A(e)に示すように、ディスク載置台34dに検査済みディスク1が載置されると、データ処理/制御装置7が十字アーム31を90°半時計方向に回転駆動して図3A(f)に示す状態にする。ディスク載置台34dに載置された検査済みディスク1は十字アーム31において右側に配置され、未検査のディスク1を載置するディスク載置台34aが点P2の中継位置へとくる。また、ディスク載置台34cは、点P1の中継位置に配置される。
図3A(f)に示す点P2の中継位置のディスク載置台34aにある未検査のディスク1は、検査が終了してディスク1が取外されたディスク検査機にディスクハンドリングロボット4により搬送される。この未検査のディスク1がディスクが取外されたディスク検査機にロード(装着)された後にハンドリングロボット4は、各ディスク検査機6a〜6dのうちの1つの検査終了待ちに入る。
このとき同時に、未検査のディスクがハンドリングロボット5により供給カセットから点P1の中継位置に搬送されてディスク載置台34cに載置される(図3B(g))。
やがて、各ディスク検査機6a〜6dのうちのディスク検査機の1つで検査が終了する。このとき、ディスクハンドリングロボット4により検査済みのディスク1がそのディスク検査機から取外される。そのディスク1は、外周チャック機構43により吸着されて点P2の中継位置へとディスクハンドリングロボット4により搬送されて点P2にあるディスク載置台34aに載置される(図3B(h)参照)。
【0025】
ディスク載置台34aに検査済みディスク1が載置されると、データ処理/制御装置7は、十字アーム31を90°半時計方向に回転駆動する。そこで、十字アーム31は図3B(i)に示す状態になって、ディスク載置台34bに載置された未検査のディスク1は、十字アーム31において下側の点P2の中継位置となり、ディスク載置台34aに載置された検査済みディスク1は、十字アーム31において右側に配置される。そして、ディスク載置台34aに載置された検査済みディスク1は点P1の中継位置に配置される。
次に、ディスク載置台34bに載置された未検査のディスク1は、検査済みのディスク1が取外されたディスク検査機にディスクハンドリングロボット4により搬送され、これにロードされる。このとき同時に、点P1の中継位置にあるディスク載置台34dに載置された検査済みディスク1は、外周チャック機構53に保持されてハンドリングロボット5により分類カセットへと搬送される(図3B(j)参照)。
【0026】
一方、ディスクハンドリングロボット4は、各ディスク検査機6a〜6dのうちの1つの検査終了待ちとなる。この検査待ちのときに未検査のディスクがハンドリングロボット5により点P1の中継位置に搬送されてディスク載置台34dに載置される(図3B(k))。
やがて、各ディスク検査機6a〜6dのうちのディスク検査機の1つで検査が終了すると、検査済みのディスク1がそのディスク検査機から取外される。そのディスク1は、外周チャック機構43により吸着されて点P2の中継位置へとディスクハンドリングロボット4により搬送されて点P2にあるディスク載置台34bに載置される(図3B(l)参照)。
そして、ディスク載置台34bに検査済みディスク1が載置されると、データ処理/制御装置7は、十字アーム31を90°半時計方向に回転駆動する。そこで、十字アーム31は先の図3B(i)に示す状態になる。
ただし、このときには、点P2の位置にはディスク載置台34cが位置し、P1の位置にはディスク載置台34a が位置する。先の図3B(i)に示す状態より十字アーム31が半時計方向に90°回転した状態になっている。
【0027】
以降は、下側の点P2に位置するディスク載置台に検査済みディスク1の載置された後のタイミングでデータ処理/制御装置7が十字アーム31を90°半時計方向に回転駆動することで各ディスク載置台34a〜ディスク載置台34dについて順次図3B(i)〜図3B(l)の状態が繰り返される。その結果として、未検査ディスクの供給と検査済みディスクの排出、そして検査機に対するロード/アンロードとが連続的に行われていく。
なお、分類カセットの選択は、データ処理/制御装置7によるディスク載置台に載置された検査済みディスク1の検査結果に応じてなされる。
なお、点P1における、検査済みディスク1のカセット側への排出とカセット側から供給とが、点P2における検査済みディスク1の載置より遅れたときには、十字アーム31を90°半時計方向に回転駆動は、遅れた点P1におけるカセット側からの未検査のディスクの供給後に行われる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上説明してきたが、実施例のディスク載置台は、4個に限定されるものではなく、2個か、それ以上であればよい。
また、実施例では、検査済みのディスクを収納する収納カセットとして検査結果に応じて分類分けするために複数個分類カセットがターンテーブルに設けられている。しかし、この発明は、設けられる収納カセットは1個であってもよい。収納カセットが1個であっても、1個の収納カセットのディスク収納位置に応じて検査結果を割り当てるデータ管理がデータ処理装置において可能であるからである。
なお、この発明は、収納カセットとして合格となった検査済みのディスクを収納する合格ディスクの収納カセットと不合格となった不合格ディスクの収納カセットの2種類を設けてもよい。
さらに、実施例では、ワーククハンドリング機構を適用した実施例としてディスク検査システムの例を挙げているが、この発明は、磁気ヘッドをワークとする磁気ヘッド検査システムやその他の電子部品(ワーク)のハンドリングに対して適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、この発明によるワーククハンドリング機構を適用した一実施例のディスク検査システムの構成図である。
【図2】図2は、ディスクハンドリング機構の回転中継台における十字アームと吸着機構の関係を示す分解斜視図である。
【図3A】図3Aの(a)〜(d)は、ディスクハンドリング処理における初期設定動作から通常動作に入るまでの回転中継台の平面説明図である。
【図3B】図3Bの(g)〜(l)は、ディスクハンドリング処理における回転中継台の通常動作の平面説明図である。
【符号の説明】
【0030】
1…ディスク、2…ディスクハンドリング機構、
3…回転中継台、
4…ディスクハンドリングロボット、
5…カセット側ハンドリングロボット
6…検査ステージ、6a〜6d…ディスク検査機、
7…データ処理/制御装置、
8…カセット収納ターンテーブル、
10…ディスク検査システム、31…十字アーム、
32…回転吸着機構、33…ステッピングモータ、
34a〜34d…ディスク載置台、
41,51…X軸移動機構、41a,51a…移動台、
42,52…Z軸移動機構、43,53…外周チャック機構、
51…第2のX軸移動機構、52…カセットハンドリングロボット、
321…ステータ円板、322…ロータ円板、
324…開放溝、325,326…吸着溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワーク供給容器から取出された未検査のワークを複数の検査機の1つへと受渡す中継をし、前記複数の検査機の1つから受けた検査済みのワークをワーク収納容器へと受渡す中継をする中継台を有するワークハンドリング機構において、
第1の中継点と第2の中継点と複数のワーク載置台とを有し、前記複数のワーク載置台の1つが前記第1の中継点に置かれて前記未検査のワークを受け、他の1つが前記第2の中継点に置かれて前記検査済みのワークを受ける前記中継台と、
前記第1の中継点にあるワーク載置台を前記第2の中継点へ移動しかつ前記第2の中継点にある前記ワーク載置台を前記第1の中継点へ移動することで前記未検査のワークを前記第2の中継点へと移送するとともに前記検査済みのワークを前記第1の中継点へと移送する載置台移動機構と、
前記検査済みのワークを前記第1の中継点にある前記ワーク載置台から前記ワーク収納容器に送った後に前記ワーク供給容器から前記未検査のワークを取出して前記第1の中継点にある前記ワーク載置台に載置する第1のハンドリングロボットと、
前記第2の中継点にある前記ワーク載置台から前記未検査のワークを前記複数の検査機の1つに送った後に前記複数の検査機の1つから前記検査済みのワークを前記第2の中継点にある前記ワーク載置台へと搬送して載置する第2のハンドリングロボットとを備えるワークハンドリング機構。
【請求項2】
前記複数のワーク載置台の1つが前記第1の中継点に位置付けられたときに同時に前記他の1つが前記第2の中継点に位置付けられ、前記第2の中継点にある前記未検査のワークが前記第2のハンドリングロボットにより前記検査済みのワークが取外された検査機に送られる請求項1記載のワークハンドリング機構。
【請求項3】
前記載置台移動機構は回転機構であり、前記ワークはディスクであり、前記ワーク載置台はディスク載置台であり、前記ワーク供給容器はディスクの供給カセットであり、前記ワーク収納容器はディスクの収納カセットであり、前記ワーク検査機はディスク検査機であり、前記複数のディスク載置台は、前記回転機構の回転中心を中心として前記第1の中継点と前記第2の中継点を通る円周上に配置されて前記回転機構によって同時に回転させられる請求項2記載のワークハンドリング機構。
【請求項4】
前記回転機構を回転を制御しかつ前記第1のハンドリングロボットおよび前記第2のハンドリングロボットを制御する制御部を有し、前記回転機構は、前記第1の中継点に配置された前記ディスク載置台に前記未検査のディスクを受けかつ前記第2の中継点に配置された前記ディスク載置台に前記検査済みのディスクを受けた条件において所定の角度分回転駆動される請求項3記載のワークハンドリング機構。
【請求項5】
前記第1のハンドリングロボットと前記第2のハンドリングロボットは、前記ディスクの外周をチャックする外周チャック機構をそれぞれ有し、前記第1のハンドリングロボットと前記第2のハンドリングロボットとはそれぞれ1軸に沿って移動し、各前記外周チャック機構は、前記回転機構を挟んで両側に配置され、前記複数のディスク載置台は前記ディスクの内周側を保持する請求項4記載のワークハンドリング機構。
【請求項6】
前記複数のディスク載置台は4個か、それ以上が前記円周上に等間隔で設けられ、それぞれ前記ディスクの内周を負圧吸着する吸着孔を有し、前記ディスク載置台は、前記第1の中継点と前記第2の中継点とにそれぞれ配置されたときに各前記ディスク載置台における前記吸着孔の前記ディスクの吸着が解除される請求項5記載のワークハンドリング機構。
【請求項7】
前記回転機構は、前記未検査のディスクと前記検査済みのディスクの吸着をそれぞれ解除するために前記吸着孔を大気圧に連通させる溝を有する請求項6記載のワークハンドリング機構。
【請求項8】
ディスクは磁気ディスクであり、前記回転機構は、回転軸に結合された十字アームを有し、前記複数のワーク載置台は、それぞれ前記十字アームの先端部に設けられ、前記第1のハンドリングロボットと前記第2のハンドリングロボットとはそれぞれ1軸に沿って移動し、前記複数のディスク検査機は、前記1軸に沿って所定間隔で配置されている請求項7記載のワークハンドリング機構。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちのいずれか1項記載のワークハンドリング機構と複数のワーク検査機とワーク供給容器とワーク収納容器とを備え、前記ワーク収納容器は、検査結果に応じて分類分けするために複数個設けられているワーク検査システム。
【請求項10】
さらにターンテーブルを有し、ワーク供給容器とワーク収納容器とはそれぞれワーク供給カセットとワーク収納カセットであって、前記ターンテーブルに載置され、前記ターンテーブルと前記複数のワーク検査機との間に前記中継台が設けられている請求項9記載のワーク検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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