説明

ワーク支持装置

【課題】重量物及び大型の成形品等のワークを支持する場合であっても、簡易な構造で装置自体を低コスト化する。また、ワークに対する支持位置にてワーク支持部材の移動状態を簡易に保持することができ、装置の構造を簡易化する。
【解決手段】ワークの長手方向に隣設された2個のワーク支持部材は、残りのワーク支持部材に対して上記長手方向と直交する前後方向及び上記長手方向と一致する左右方向へそれぞれ移動して位置調整可能に設けると共に同期上下駆動手段により上下方向へ同一の移動量で昇降可能に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車輛用バンパーや車輛用パネル等の大型成形品等のワークに穴開け加工やバリ取り加工を行う際に該ワークを支持するワーク支持装置、詳しくはワークの大きさに応じてワークに対する支持位置を変更することができるワーク支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークの所定個所に穴開け加工したり、ワーク周縁のバリ取り処理したりする際、該ワークの下面における複数の所定個所に配置された支持部材を設けたワーク支持装置にワークを移動不能に載置して保持し、上記した加工または処理を可能にしている。
【0003】
上記ワーク支持装置としては、例えば特許文献1に示すようにロボットアームの先端部に複数の面を有した基台を備え、該基台に対してワークを支持する複数のワーク支持部材を移動可能に備え、ワーク支持部材で支持したワークを、ロボットアームを操作して所望の位置に移動させるワーク支持装置であって、ロボットアームの先端部におけるワーク支持部材の動きを適宜にロックするロック装置と、ロック装置のロックを解除した状態で、ワーク支持部材を固定物に当接させつつロボットアームの先端部を移動させてロボットアームの先端部においてワーク支持部材の位置を相対的に変更するワーク支持装置が知られている。
【0004】
即ち、上記のワーク支持装置にあっては、ワークに対するワーク支持部材の支持位置を変更するには、固定物に対してワーク支持部材を当接して移動不能にした状態でロック装置によるロックを解除した状態でロボットアームを移動制御して基台に対するワーク支持部材の位置をワークの支持位置に応じて変更可能にしている。
【0005】
このため、例えば車輛用パンパーや車輛用パネル等で、重量物及び大型の成形品等のワークを支持するには、該ワークの重量に耐えることができる強固な構造のロボットアームを備えた大型ロボットで構成する必要があり、装置自体が高コスト化する問題を有している。また、基台に対してワーク支持部材の移動状態を保持するため、ロボットアームに設けられた基台とワーク支持部材の間にロック装置を必要とするため、ロボットアームの先端部が大型化及び重量化する問題を有している。更に、ワークを支持するには、通常、ワークの複数個所を支持して支持状態を安定化する必要があるが、この場合にあってはワークの支持個所数に応じてロボットを配置する必要があり、ロボット数の増大により装置自体が大型化及び状量化すると共に高コスト化する問題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−245300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、重量物及び大型の成形品等のワークを支持するには、該ワークの重量に耐えることができる強固な構造のロボットアームを備えた大型ロボットで構成する必要があり、装置自体が高コスト化する点にある。
【0008】
また、基台に対してワーク支持部材の移動状態を保持するため、ロボットアームに設けられた基台とワーク支持部材の間にロック装置を必要とするため、ロボットアームの先端部が大型化及び重量化する点にある。
【0009】
更に、ワークを支持するには、通常、ワークの複数個所を支持して支持状態を安定化する必要があるが、この場合にあってはワークの支持個所数に応じてロボットを配置する必要があり、ロボット数の増大により装置自体が大型化及び状量化すると共に高コスト化する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、少なくとも3個のワーク支持部材によりワーク下面を支持するワーク支持装置において、ワークの長手方向に隣設された2個のワーク支持部材は、残りのワーク支持部材に対して上記長手方向と直交する前後方向及び上記長手方向と一致する左右方向へそれぞれ移動して位置調整可能に設けると共に同期上下駆動手段により上下方向へ同一の移動量で昇降可能に設けたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、重量物及び大型の成形品等のワークを支持する場合であっても、簡易な構造で装置自体を低コスト化することができる。また、ワークに対する支持位置にてワーク支持部材の移動状態を簡易に保持することができ、装置の構造を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ワーク支持装置の概略を示す斜視図である。
【図2】ワーク支持装置の前方を拡大して示す略体正面図である。
【図3】ワーク支持装置の後方を拡大して示す略体正面図である。
【図4】同期上下駆動手段を示す略体斜視図である。
【図5】ワーク支持部材の前後幅の調整作用を示す説明図である。
【図6】後方に配置されたワーク支持部材の前後幅の調整作用を示す説明図である。
【図7】前方に配置されたワーク支持部材の左右方向への位置調整作用を示す説明図である。
【図8】後方に配置されたワーク支持部材の左右方向への位置調整作用を示す説明図である。
【図9】後方に配置された一方のワーク支持部材の高さ調整作用を示す説明図である。
【図10】前方に配置されたワーク支持部材相互が離間した状態における高さ調整作用を示す説明図である。
【図11】前方に配置されたワーク支持部材相互が近付いた状態における高さ調整作用を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ワークの長手方向に隣設された2個のワーク支持部材は、残りのワーク支持部材に対して上記長手方向と直交する前後方向及び上記長手方向と一致する左右方向へそれぞれ移動して位置調整可能に設けると共に同期上下駆動手段により上下方向へ同一の移動量で昇降可能に設けたことを最適の実施形態とする。
【実施例1】
【0014】
以下、実施例を示す図に従って本発明を説明する。
図1乃至図4に示すようにワーク支持装置1の本体フレーム3の前方には前後方向(後述するワーク51の長手方向と直交する方向)へ延出する左右一対のレール5が設けられ、該レール5には上記前後方向と直交する水平方向へ延出する基台7が前後方向へ移動可能に支持される。該基台7には前後方向に軸線を有して軸両端部が本体フレーム3に軸支された第1前後送りねじ11がナット(図示せず)に噛合わされる。該第1前後送りねじ11の軸後端部は本体フレーム3に設けられたサーボモータ等の数値制御可能な第1電動モータ9に連結され、第1電動モータ9の駆動に伴って回転する第1前後送りねじ11により上記基台7が前後方向へ移動される。
【0015】
上記基台7の後部には該基台7の中間部から左右方向(後述するワーク51の長手方向と一致する方向)外側へそれぞれ延出する第1及び第2水平フレーム13・15が取付けステー17・19を介して固定される。上記第1及び第2水平フレーム13・15には第1及び第2水平可動体(図示せず)が水平方向へ移動可能に支持され、各第1及び第2水平可動体には水平方向に軸線を有し、軸両端部が上記第1及び第2水平フレーム13・15にそれぞれ軸支された第1及び第2水平送りねじ29・31がそれぞれのナット(図示せず)に噛合わされる。
【0016】
第1及び第2水平送りねじ29・31が一方軸端部にはサーボモータ等の数値制御可能な第2及び第3電動モータ25・27がそれぞれ連結され、第2及び第3電動モータ25・27の駆動に伴って回転する第1及び第2水平送りねじ29・31により上記各第1及び第2水平可動体が水平方向へそれぞれ移動される。
【0017】
各第1及び第2水平可動体には第1及び第2上下フレーム33・35がそれぞれ固定され、各第1及び第2上下フレーム33・35には第1及び第2上下可動体37・39が昇降可能に支持される。各第1及び第2上下可動体37・39には上下方向に軸線を有した第1及び第2上下送りねじ45・47がそれぞれのナット(図せず)に噛合わされる。
【0018】
また、第1及び第2上下送りねじ45・47の軸下端部には歯付きプーリ等の第1及び第2回転体41・43がそれぞれ固定される。更に、第1及び第2上下可動体37・39は後述する同期上下駆動手段49により同期回転する第1及び第2上下送りねじ45・47により昇降される。
【0019】
上記取付けステー17・19には第1及び第2水平フレーム13・15の水平方向長さに応じた長さで、水平方向に延出する同期上下駆動手段49の収容ケース50が固定される。該収容ケース50の上面には上記第1及び第2上下送りねじ45・47の軸端部に応じた位置にて水平方向へ所定幅で延出する長孔50aが形成され、該長孔50aを介して第1及び第2回転体41・43が収容ケース50内に収容される。
【0020】
また、上記第1及び第2上下可動体37・39の上部には水平側方へ延出するアーム部37a・39aがそれぞれ設けられ、各アーム部37a・39aには支持されるワーク51下面の支持個所にそれぞれ設けられた突部(図示せず)を把持したり、吸着したり又は当接して支持するワーク支持部材53・55がそれぞれ設けられる。
【0021】
上記ワーク支持部材53・55は、例えばアーム部37a・39aの先端部に側面が上開放コ字形の取付けフレームを取付け、該取付けフレームの一方側壁を押当て部とすると共に該押当て部に相対するロッドの先端部に押圧部が設けられたエアーシリンダ等の作動部材を取付け、後述するワーク51の下面における支持個所に予め形成された突片を挟持して保持する構成又はアーム部37a・39aの先端部に摩擦係数が高い当接部材(いずれも図示せず。)を取付け、ワーク51の下面における支持個所に当接して支持する構成の何れであってもよい。
【0022】
上記本体フレーム3の後方には本体フレーム3の中間部が水平方向外側へそれぞれ延出する第3及び第4水平フレーム57・59が設けられ、各第3及び第4水平フレーム57・59には第3及び第4水平可動体61・63が水平方向へ移動可能に支持される。各第3及び第4水平可動体61・63には水平方向に軸線を有し、軸両端部が上記第3及び第4水平フレーム57・59にそれぞれ軸支された第3及び第4水平送りねじ69・71がそれぞれのナット(図示せず)に噛合わされる。
【0023】
第3及び第4水平送りねじ69・71の各一方軸端部はサーボモータ等の数値制御可能な第4及び第5電動モータ65・67にそれぞれ連結され、第4及び第5電動モータ65・67の駆動に伴って回転する第3及び第4水平送りねじ69・71により第3及び第4水平可動体61・63が水平方向へそれぞれ移動される。
【0024】
図示する左方の第3水平可動体61には前後方向へ延出する前後フレーム73が設けられ、該前後フレーム73には前後可動体75が前後方向へ移動可能に支持される。該前後走行体75は前後方向に軸線を有し、軸両端部が前後フレーム73に軸支された第2前後送りねじ79がナット(図示せず)に噛合わされる。第2前後送りねじ79の一方軸端部にはサーボモータ等の数値制御可能な第6電動モータ77が連結され、第6電動モータ77の駆動に伴って回転する第2前後送りねじ79の回転により前後可動体75が前後方向へ移動される。
【0025】
前後走行体75における起立部75aの先端部(上端部)にはワーク51下面の支持個所にそれぞれ設けられた突部(図示せず)を把持したり、吸着したり又は当接して支持するワーク支持部材81が設けられる。該ワーク支持部材81は上記したワーク支持部材53・55と同様の構成とすればよい。
【0026】
また、図示する右方の第4水平可動体63には上下フレーム83が設けられ、該上下フレーム83には昇降体85が昇降可能に支持される。該昇降体85には上下方向に軸線を有し、軸両端部が上下フレーム83に軸支された第3上下送りねじ89がナット(図示せず)に噛合わされる。第3上下送りねじ89の一方軸端部にはサーボモータ等の数値制御可能な第7電動モータ87が連結され、第7電動モータ87の駆動に伴って回転する第3上下送りねじ89の回転により昇降体85が昇降される。
【0027】
上記昇降体85の上部にはワーク51下面の支持個所にそれぞれ設けられた突部(図示せず)を把持したり、吸着したり又は当接して支持するワーク支持部材91が設けられる。該ワーク支持部材91は上記したワーク支持部材53・55と同様の構成とすればよい。
【0028】
上記同期上下駆動手段49は収容ケース50の水平方向中間部に固定されたサーボモータ等の数値制御可能な第8電動モータ93と、該第8電動モータ93の出力軸と第1及び第2上下送りねじ45・47の間に配置され、各端部が支持軸95により揺動可能に軸支された複数個のリンクアーム97と、上記第8電動モータ93の出力軸に固定された歯付きプーリ等の駆動回転体99と、上記支持軸95の軸端部にそれぞれ固定される歯付きプーリ等の従動回転体101と、上記駆動回転体99を中心に隣接する従動回転体101及び従動回転体101と第1及び第2回転体41・43にそれぞれ掛渡される歯付きベルト等の駆動力伝達部材103から構成される。
【0029】
なお、駆動回転体99及びこれに隣接する従動回転体101の間には1個の駆動力伝達部材103が一体に掛渡されて駆動力を伝達するように構成される。このため、第8電動モータ93の出力軸に支持された隣接するリンクアーム97が互いに近づく方向へ揺動された際に、駆動回転体99に対する駆動力伝達部材103の噛合いが解除されて外れる恐れが生じる。これを防止するため、駆動力伝達部材103が掛渡された駆動回転体99に対して押圧回転体105を圧接して駆動力回転体99に掛渡された駆動力伝達部材103が外れるのを規制する。
【0030】
なお、上記したワーク支持装置1の近傍又は上方には該ワーク支持装置1にセットされたワーク51に対して穴開け加工する穴開け加工装置(図示せず)やワーク51周縁のバリを切断除去するバリ取り装置(図示せず)が配置される。
【0031】
次に、上記のように構成されたワーク支持装置1によるワーク51の支持作用に付いて説明すると、ワーク51下面に予め設定された支持個所の左右幅、前後幅や支持高さに応じて各ワーク支持部材53・55、81・91の相互間隔及び高さを以下のように調整する。
【0032】
先ず、前方に位置するワーク支持部材53・55と後方に位置するワーク支持部材81・91の前後幅(相互間隔)を調整するには、上記前後幅に応じて駆動制御される第1電動モータ9により第1前後送りねじ11を回転して基台7を前方または後方へ移動し、ワーク51前方における支持前方位置に対して対応するワーク支持部材53・55を、またワーク51後方における支持後方位置に対して対応するワーク支持部材81・91をそれぞれ一致させる。(図5参照)
【0033】
また、上記状態にて後方に位置する一方のワーク支持部材81と他方のワーク支持部材91の前後間隔を調整するには、上記前後間隔に応じて駆動制御される第6電動モータ77により第2前後送りねじ79を回転して前後可動体75を前方または後方へ移動し、ワーク51後方における図示する左側の支持後方位置に対して対応するワーク支持部材81を一致させる。(図6参照)
【0034】
次に、前方に位置するワーク支持部材53・55の左右方向幅をそれぞれ調整するには、先ず、前方における図示する左方のワーク支持部材53の図示する左方位置に応じた駆動量で第2電動モータ25を駆動制御して第1水平可動体を図示する左方へ移動してワーク支持部材53をワーク51前方における図示する左側の所定支持位置に一致させる。同様に前方における図示する右方のワーク支持部材55の図示する右方位置に応じた駆動量で第3電動モータ27を駆動制御して第2水平可動体を図示する右方へ移動してワーク支持部材55をワーク51前方における図示する右側の所定支持位置に一致させる。(図7参照)
【0035】
上記のように前方に位置するワーク支持部材53・55の左右方向位置を調整する際、収容ケース50内に収容された同期上下駆動手段49の各リンクアーム97が回動軸95を中心に互いに揺動し、第1及び第2水平可動体の移動を可能にさせる。
【0036】
また、後方に位置するワーク支持部材81・91の左右方向幅をそれぞれ調整するには、先ず、後方における図示する左方のワーク支持部材81の図示する左方位置に応じた駆動量で第4電動モータ65を駆動制御して第3水平可動体61を図示する左方へ移動してワーク支持部材81をワーク51後方における図示する左側の所定支持位置に一致させる。同様に後方における図示する右方のワーク支持部材91の図示する右方位置に応じた駆動量で第5電動モータ67を駆動制御して第4水平可動体63を図示する右方へ移動してワーク支持部材91をワーク51後方における図示する右側の所定支持位置に一致させる。(図8参照)
【0037】
次に、後方右側に位置するワーク支持部材91の高さ位置を調整するには、該ワーク支持部材91の高さ位置に応じた駆動量で第7電動モータ87を駆動制御して昇降体85を上下方向へ移動し、該ワーク支持部材91をワーク51後方における図示する右側の所定高さ位置に一致させる。(図9参照)
【0038】
なお、本例においては、後方における図示する左方のワーク支持部材81は、上下方向に対して昇降不能で一定の高さに位置するように構成され、該ワーク支持部材81の支持高さがワーク51支持の高さ原点になるように設定される。
【0039】
次に、前方に位置するワーク支持部材53・55が左右方向の任意位置に移動した状態(図10はワーク支持部材53・55が互いに離間した位置における高さ調整作用を、また図11はワーク支持部材53・55が互いに近づいた位置における高さ調整作用を示す。)の高さ位置調整作用に付いて説明する。これらワーク支持部材53・55はワーク51に対する支持高さ位置が同一であるため、同期して昇降させる必要がある。
【0040】
本例においては、ワーク51に対するワーク支持部材53・55の支持高さ位置に応じた駆動量で第8電動モータ93を回転駆動すると、該第8電動モータ93による回転駆動力が駆動回転体99の図示する左側及び右側にそれぞれ位置する駆動力伝達部材103及び従動回転体101を介して第1及び第2回転体41・43へそれぞれ伝達され、対応する第1及び第2上下送りねじ45・47を同期した回転量で回転させる。
【0041】
上記したワーク支持部材53・55の支持高さ位置を調整する際に、第1及び第2水平フレーム13・15の各原点(ワーク支持装置1の機械中心)から第1水平可動体と第2水平可動体の位置がそれぞれ異なる場合には、駆動回転体66から図示左方に配置されるリンクアーム97相互が第1水平可動体の移動量に応じた揺動角度に、駆動回転体66から図示右方に配置されるリンクアーム97相互が第2水平可動体の移動量に応じた揺動角度になった状態で従動回転体101及び駆動力伝達部材103を介して第8電動モータ93の回転駆動力をそれぞれの第1及び第2回転体41・43へ伝達して第1及び第2上下送りねじ45・47を同期回転してそれぞれのワーク支持部材53・55を等しい移動量で昇降させる。これにより前方に位置する左右一対のワーク支持部材53・55は、常に同一の高さになるように設定される。(図10及び図11参照)
【0042】
本実施例は、前方に位置するワーク支持部材53・55と後方に位置するワーク支持部材81・91を前後方向及び水平方向、上下方向へ移動してワーク51の大きさに応じて予め設けられた支持個所に一致させてワーク51を安定した状態で支持することができ、該ワーク51に対して位置ずれが発生することなく所定の下降や処理を行うことができる。
【0043】
また、前方に位置するワーク支持部材53・55にあっては、単一の第8電動モータ93により対応する第1及び第2上下送りねじ45・47を同期回転して常に同一の高さになるように移動させることができると共に電動モータ数を低減して低コスト化することができる。
【0044】
上記説明は、第8電動モータ93の出力軸に1個の駆動回転体99を取付け、該駆動回転体99と図示する左方及び右方に隣設されたリンクアーム97に設けられた従動回転体101に1本の駆動力伝達部材103を掛渡すと共に該駆動力伝達部材103が掛渡された駆動力回転体99に押圧回転体105を圧接して設けて駆動回転体99から駆動力伝達部材103が外れるのを規制する構成としたが、上記出力軸に2個の駆動回転体99を同軸に取付け、一方の駆動回転体99と図示する左方に隣設されたリンクアーム97の従動回転体101に駆動力伝達部材103を、また他方の駆動回転体99と図示する右方に隣設されたリンクアーム97の従動回転体101に駆動力伝達部材103をそれぞれ掛渡して第1及び第2上下送りねじ45・47を同期回転する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 ワーク支持装置
3 本体フレーム
5 レール
7 基台
9 第1電動モータ
11 第1前後送りねじ
13 第1水平フレーム
15 第2水平フレーム
17・19 取付けステー
25 第2電動モータ
27 第3電動モータ
29 第1水平送りねじ
31 第2水平送りねじ
33 第1上下フレーム
35 第2上下フレーム
37 第1上下可動体
37a アーム部
39 第2上下可動体
39a アーム部
41 第1回転体
43 第2回転体
45 第1上下送りねじ
47 第2上下送りねじ
49 同期上下駆動手段
50 収容ケース
50a 長孔
51 ワーク
53 ワーク支持部材
55 ワーク支持部材
57 第3水平フレーム
59 第4水平フレーム
61 第3水平可動体
63 第4水平可動体
65 第4電動モータ
67 第5電動モータ
69 第3水平送りねじ
71 第4水平送りねじ
73 前後フレーム
75 前後可動体
75a 起立部
77 第6電動モータ
79 第2前後送りねじ
81 ワーク支持部材
83 上下フレーム
85 昇降体
87 第7電動モータ
89 第3上下送りねじ
91 ワーク支持部材
93 第8電動モータ
95 支持軸
97 リンクアーム
99 駆動回転体
101 従動回転体
103 駆動力伝達部材
105 押圧回転体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3個のワーク支持部材によりワーク下面を支持するワーク支持装置において、
ワークの長手方向に隣設された2個のワーク支持部材は、残りのワーク支持部材に対して上記長手方向と直交する前後方向及び上記長手方向と一致する左右方向へそれぞれ移動して位置調整可能に設けると共に同期上下駆動手段により上下方向へ同一の移動量で昇降可能に設けたワーク支持装置。
【請求項2】
請求項1において、ワーク支持部材は、上記長手方向と直交する前後方向の一方側に2個、配置すると共に上記長手方向と直交する前後方向の他方側に少なくとも1個、配置し、上記長手方向と直交する前後方向の一方側に配置された2個のワーク支持部材を上記長手方向と一致する左右方向、上記長手方向と直交する前後方向及び上下方向へ移動可能に設けて位置調整可能としたワーク支持装置。
【請求項3】
請求項1において、ワーク支持部材は、上記長手方向と直交する前後方向の一方側及び他方側にそれぞれ2個、配置し、上記長手方向と直交する前後方向の一方側に配置された2個のワーク支持部材及び上記長手方向と直交する前後方向の他方側に配置された少なくとも1個のワーク支持部材を上記長手方向と一致する左右方向、上記長手方向と直交する前後方向及び上下方向へ移動可能に設けて位置調整可能としたワーク支持装置。
【請求項4】
請求項1において、各ワーク支持部材は、ワーク下面に予め設定された支持個所に当接して該ワークを支持可能としたワーク支持装置。
【請求項5】
請求項1において、各ワーク支持部材は、ワーク下面に予め設定された支持個所を保持して該ワークを支持可能としたワーク支持装置。
【請求項6】
請求項1において、上記長手方向と直交する前後方向の一方側に配置された2個のワーク支持部材は、上下方向に軸線を有して回転可能に支持された送りねじの回転によりそれぞれ昇降可能に設けられると共に各送りねじの軸端部に同期上下駆動手段を連結し、単一の駆動源により各送りねじを同期回転可能としたワーク支持装置。
【請求項7】
請求項6において、同期上下駆動手段は出力軸に駆動回転体が設けられた電動モータと、上記出力軸と各送りねじの軸端部間にて回動軸により揺動可能に軸支された複数個のリンクアームと、各送りねじの軸端部に固定された回転体と、各リンクアーム相互を揺動可能に軸支する回動軸に固定される従動回転体と、駆動回転体と従動回転体、従動回転体相互間及び従動回転体と回転体の間にそれぞれ掛渡される駆動力伝達部材とからなるワーク支持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−52468(P2013−52468A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191425(P2011−191425)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(506329292)スターテクノ株式会社 (45)
【Fターム(参考)】