説明

一体型の波面補正モジュール

本発明による一体型の波面補正モジュールは、光学的表面と;光学的表面を変形させ、これにより、光学的表面の入射波面における時空周波数的なフェーズエラーを補正するための、高精度で時空周波数的に補正するシステムと;光学的表面を調整し、これにより、入射波面におけるチップチルトエラーを補償するための、チップチルト補正システムと;を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体型の波面補正モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
典型的な適応光学システムにおいては、変形可能なミラーを必要としており、これにより、波面を時空周波数的に高精度で補正し得るような個別のチップチルトミラーを提供している。これにより、変形可能なミラーのダイナミックレンジは、低次数の収差では使い尽くされることがない。2つの補正デバイスを備えている場合には、システム内に、追加的な光学的リレーを組み込む必要がある。このことは、コストやサイズや複雑さを増大させる。
【特許文献1】米国特許出願シリアル番号第10/730,514号明細書
【特許文献2】米国特許出願シリアル番号第10/914,450号明細書
【非特許文献1】M.N. Rahamen 氏による Ceramic Processing and Sintering
【非特許文献2】James S. Reed 氏による Principles of Ceramic Processing
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
したがって、本発明の目的は、一体型の波面補正モジュールを提供することである。
【0004】
本発明のさらなる目的は、単一のデバイスでもって時空周波数的な補正とチップチルト補正との双方を行い得るような、そのような一体型の波面補正モジュールを提供することである。
【0005】
本発明のさらなる目的は、より小さくかつより単純でありかつより安価であるような、そのような一体型の波面補正モジュールを提供することである。
【0006】
本発明は、真に改良されたかつより小型化されたかつよりコンパクトなものとされたより安価なものとされた波面補正モジュールを提供するものであり、このようなモジュールは、チップチルト機能と高精度で時空周波数的に補正する機能とを単一デバイス内に集積化することによって得ることができる。高精度で時空周波数的に波面エラーを補正する変形可能なミラーは、チップチルトエラーを補正するチップチルトメカニズムに付設される。
【0007】
本発明は、一体型波面補正モジュールに関するものであって、光学的表面と;光学的表面を変形させ、これにより、光学的表面の入射波面における時空周波数的なフェーズエラーを補正するための、高精度で時空周波数的に補正するシステムと;を具備している。さらに、光学的表面を調整し、これにより、入射波面におけるチップチルトエラーを補償するための、チップチルト補正システムが設けられる。
【0008】
好ましい実施形態においては、高精度で時空周波数的に補正するシステムは、チップチルト補正システムに対して直列とされているとともに、光学的表面と高精度で時空周波数的に補正するシステムとの双方を調整する。高精度で時空周波数的に補正するシステムとチップチルト補正システムとの各々は、光学的表面に対して連結することができる。チップチルト補正システムは、複数のアクチュエータを備えることができ、これらアクチュエータは、光学的表面の中心の近傍へと互いに寄せ集められたそれぞれのフォーストレイン印加ポイントを有することができる。チップチルトアクチュエータは、チルト運動を増幅し得るようなチップチルトマルチプライヤを備えることができる。チップチルトマルチプライヤは、チップチルトアクチュエータから光学的表面の中心に向けて延在するアームを備えることができる。光学的表面は、連続的なものとされたフェースシートを備えることができる。高精度で時空周波数的に補正するシステムは、横方向電気変位アクチュエータアレイを備えることができ、この横方向電気変位アクチュエータアレイは、支持構造と;支持構造の近傍の基端部から先端部までにわたって延在する複数のフェロイック電気変位アクチュエータ部材と;を備えることができる。アクチュエータ部材の各々は、少なくとも1つのアドレッシング用電極と;このアドレッシング用電極から離間して配置されるとともに横方向歪み軸線d31に沿いつつ基端部と先端部との間の方向に沿って延在する1つの共通電極と;を備えることができる。反射面と、アクチュエータ部材を取り付けるための取付面と、を有した反射部材を設けることができる。アドレッシング用電極および共通電極に対して電圧を印加するための複数のアドレッシング用コンタクトおよび少なくとも1つの共通コンタクトを設けることができ、これにより、アドレッシングされたアクチュエータ部材に対して横方向歪みが誘起することができ、これにより、アドレッシングされたアクチュエータ部材のところにおいて反射面の光学的フェーズを変更することができる。支持構造とアクチュエータ部材とは、一体的なものとすることができる。チップチルト補正システムは、積層体からなるマルチ軸線トランスデューサを備えることができ、積層体は、複数の強誘電性層と;これら強誘電性層の間に交互配置された複数の共通電極お
よび複数のアドレッシング用電極と;を備えることができる。複数のアドレッシング用電極の各々は、互いに電気的に絶縁された複数の部分を備えることができ、各部分は、アドレッシング用電極によって関連づけられた他の部分と一緒に組を形成することができる。共通導体が、共通電極に対して電気的に接続される。複数のアドレッシング用導体が設けられる。これらアドレッシング用導体の各々は、アドレッシング電極の複数の部分のうちの、それぞれ対応する組に属する部分に対して電気的に接続される。高精度で時空周波数的に補正するシステムは、複数のミラーアクチュエータを備えることができる。高精度で時空周波数的に補正するシステムは、少なくとも3つのミラーアクチュエータを備えることができる。チップチルト補正システムは、複数のチップチルトアクチュエータを備えることができ、少なくとも3つのチップチルトアクチュエータを備えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の他の目的や特徴点や利点は、添付図面を参照しつつ、好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことにより、当業者には明瞭となるであろう。
【0010】
後述するような1つまたは複数の好ましい実施形態とは別に、本発明は、様々な他の態様でもって実施することができる。よって、本発明が、以下の説明および添付図面に例示された構成の詳細に限定されないことは、理解されるであろう。
【0011】
図1に図示された適応型の望遠鏡システム10は、一次的なセグメント化ミラー12と、二次的なセグメント化ミラー14と、三次的なセグメント化ミラー16と、を備えている。これらミラーのすべては、基台22に設置されたヨーク20上の上部構造18によって、取り付けられている。器具プラットホーム24,26は、計測機器や、制御機器や、各種センサや、各種回路、を備えている。一次ミラー12、二次ミラー14、および、三次ミラー16、の各々は、本発明による一体型の波面補正モジュール30によって具現されたフェーズドセグメントから形成されている。モジュールのいくつかが図2に示されている。図示のように、モジュールは、六角形という形状を有している。よって、モジュールどうしを容易にネスト化することができる。モジュール30’は、他のモジュールの表面よりもわずかに下方に位置した活性位置において、図示されている。一方、モジュール30”は、わずかに隆起した位置において駆動されるものとして、図示されている。各々のモジュール30は、モジュール30''' の場合には取り外した状態で図示されているフェースシートを備えている。フェースシートを取り外した状態で図示していることにより、高精度で時空周波数的に補正するシステム34を、より容易に見ることができる。
【0012】
モジュール30は、図3において、より詳細に図示されている。図3により、フェースシート32が、ベースまたは反応質量体40上に取り付けられたミラーアクチュエータ38によって駆動される屈曲部材36上に配置されていることがわかる。フェースプレート(あるいは、フェースシート)32は、連続的なものとすることができる。しかしながら、連続的なものであることは、必須ではない。高精度で時空周波数的に補正するシステム34は、チップチルト補正システム42上に取り付けられている。チップチルト補正システム42は、互いに近接して配置された3つのチップチルトアクチュエータ44を備えている。チップチルトアクチュエータ46の一部が破断して図示されており、これにより、第3のアクチュエータ48を見ることができる。この第3のアクチュエータ48も、また、ベース50上に取り付けることができる。すべてのアクチュエータは、より大きなベース52に取り付けることができる。上記においては、本発明による一体型の波面補正モジュール30は、六角形という形状のものとして例示されたけれども、本発明においては、これは必須ではない。モジュールは、図4に示すように、正方形とすることができる。あるいは、モジュールは、八角形や、あるいは、長方形や、あるいは、全体として適切なミラー表面を形成するのに必要とされた他の任意の規則的なまたは不規則的な形状、とすることができる。ミラーアクチュエータ38は、XIRE4016(登録商標)とすることができる。また、チップチルトアクチュエータ44,46,48は、XIRE0750(登録商標)とすることができる。これらは、米国マサチューセッツ州 Devans 所在の Xinetics Inc. 社から入手することができる。そのようなチップチルトアクチュエータは、典型的には、10〜40ミクロンというストロークを有している。一方、ミラーアクチュエータは、3〜6ミクロンというストロークを有している。チップチルト補正システム42は、大きなチップチルト動作を有しかつ小さな解像度を有しかつ小さな動作周波数を有したビームステアラーとして機能することができる、あるいは、小さなチップチルト動作を有しかつ大きな解像度を有しかつ広いバンド幅を有した高速ステアリングミラーとして機能することができる。ミラーアクチュエータ38の数は、所望の空間的解像度に応じて、より多いものともまたより少ないものとも、することができる。チップチルト補正システム42は、これに代えて、任意の適切な駆動システムとすることができる。例えば、音声コイルのような電磁アクチュエータや、ステップモータや、圧電アクチュエータ、などとすることができる。
【0013】
1つの好ましい実施形態においては、高精度で時空周波数的に補正するシステムは、本出願人である Mark A. Ealey による“Transverse Electrodisplacive Actuator Array”と題する米国特許出願シリアル番号第10/730,514号明細書に記載された横方向電気変位アクチュエータを備えることができる。この文献の記載内容は、参考のため、その全体がここに組み込まれる。Photonex #49S3, 144S3, 1024S1 (登録商標)といったようなそのようなデバイスは、米国マサチューセッツ州 Devans 所在の Xinetics Inc. 社から入手することができる。
【0014】
好ましい実施形態においては、チップチルト補正システムは、本出願人である Mark A. Ealey による“Improved Multi-Axis Transducer ”と題して2004年8月9日付けで出願された米国特許出願シリアル番号第10/914,450号明細書に記載されたマルチ軸線トランスデューサを備えることができる。この文献の記載内容は、参考のため、その全体がここに組み込まれる。X13DOF0510 #X13DOF01020 (登録商標)といったようなそのようなデバイスは、米国マサチューセッツ州 Devans 所在の Xinetics Inc. 社から入手することができる。それぞれについて、以下において説明する。
【0015】
本発明による一体型の波面補正モジュール30において高精度で時空周波数的に補正するシステム34を具現し得る横方向電気変位アクチュエータアレイ148は、図5に示すように、複数のアクチュエータ150,152を備えている。各アクチュエータは、支持構造154上に取り付けられている。アクチュエータは、長手方向軸線d33に沿った歪みではなく、アクチュエータ150を伸縮させ得るような、横方向軸線d31に沿って歪みを利用している。この場合、各々のアクチュエータは、少なくとも2つの電極を備えている。すなわち、アドレッシング用電極156と、共通電極158と、を備えている。アドレッシング用電極156は、支持構造154の表面162上においてコンタクト160に対して接続されている。一方、共通電極158は、表面166上においてコンタクト164に対して接続されている。構成に関し、本発明においては、複数の電極は、電極の伸縮方向に対する横方向ではなく、電極の伸縮方向に対して全体的に平行なものとされている。1つの利点は、起こり得るすべての分離やクラックが力または変位に対して直列ではなくむしろ横方向であることにより、界面応力が、デバイスの動作を妨害する要因とはなり得ないことである。加えて、得られるストロークは、もはや、電極の数およびラミネート積層体内におけるセラミック層の数に依存するものではなく、図5に示すように、アクチュエータ150の長さに依存する。
【0016】
図5のアクチュエータ150,152は、図6に示すようなより大きなアレイ148aの一部とすることができる。このアレイ148aは、複数のアクチュエータ150a,152a,172,174を備えている。アクチュエータ150a,152a,172,174は、支持構造154a上に取り付けられている。支持構造154aは、それらアクチュエータと一体的なものとすることができる。アクチュエータどうしの分離は、切り溝すなわちソーカット176によって行うことができる。切り溝176は、それらアクチュエータどうしを2次元的に分離する。これにより、それらアクチュエータは、互いに独立な部材として機能することができる。また、図示のように、各アクチュエータ部材は、2つ以上のアドレッシング用電極と、2つ以上の共通電極と、を備えることができる。例えば、アクチュエータ150aに関しては、図6に示すように、3つのアドレッシング用電極180,182,184が存在する。これらは、アドレッシング用コンタクト186に対してユニットとして接続されている。複数の共通電極が存在することができる。例えば、4つの共通電極188,190,192,194が存在することができ、これらは、反射部材200の取付面198においてメッキ付けによって形成された共通コンタクト196に対して、ユニットとして接続される。反射部材200は、反対側の面上に、反射面202を備えている。反射面202は、典型的には、連続的な表面である。よって、アドレッシング用コンタクト186を選択的にアドレッシングすることにより、アクチュエータ150aを伸張または収縮させることができ、これにより、アクチュエータ150aが位置している場所において局所的に表面202を膨出または陥没させることができる。同様に、アドレッシング用コンタクト204,206,208を選択した場合には、表面202は、それぞれ関連するアクチュエータ152a,172,174の局所的位置に対応した領域において、駆動されることとなる。これにより、表面202は、印加された電圧に応じて膨出または陥没を引き起こす。これにより、表面202から反射される光学波面をの形状を整形することができる。典型的には、印加される電圧は、70ボルトという静止レベルを有することができる。これにより、30ボルトの増大によって、一方向においてア
クチュエータを伸縮させることができ、また、30ボルトの低減によって、他の方向においてアクチュエータを伸縮させることができる。取付面298の戻り止め(あるいは、デテント)297は、任意の適切な接着剤によってあるいは任意の適切な接着技術によって、アクチュエータ152a,154a,172,174に対して連結されている。アクチュエータ部材は、支持構造によって支持された基端部を備えている。先端部は、反射部材を支持している。アドレッシング電極および共通電極は、互いに離間しているとともに、全体的に互いに平行なものとされている。電極は、横方向歪み軸線d31に沿って、アクチュエータ部材の基端部と先端部とがなす方向に沿って、延在している。
【0017】
横方向電気変位アクチュエータアレイは、低電圧で動作しさらに293°K(室温)において良好に動作するような大きなストロークの伸縮式のマイクロアクチュエータを構成し得るよう、例えば強誘電性材料または強磁性材料のようなフェロイック(ferroic) 材料の横方向歪みを利用する。例え電歪セラミックや鉛マグネシウムニオブ酸塩(PMN)といったような材料の横方向歪みを利用する。例えばタングステンベースの材料やストロンチウムベースの材料といったような他の材料を使用することにより、それぞれ、125K〜200Kおよび30K〜65Kという温度範囲で動作させることができる。横方向歪み部材を利用することにより、セラミックと電極との間の界面応力が低減され、稠密にパッケージングされた構造の電気相互接続が、単純化される。電極インタフェース構造は、機械加工の許容度に敏感ではなく、性能および再現性に関してよりモジュール的なものであり、さらに、費用効果がよい。アクチュエータを形成するに際して要求されるラミネートの数は、より少なく、長さは、ストローク必要条件を満たすものとされる。電気相互接続は、共通背面にプリント回路基板技術を適用することにより、達成される。横方向電気変位アクチュエータ構成は、最大で10 個という動作チャネルに適合したような、伸縮式の構成を提供する。長手方向の多層アクチュエータに関連した問題点(電気的な相互接続、界面応力、および、製造時の機械加工精度)は、動作モードを横方向モードとすることによって、解決される。アレイ148は、共同焼成されたかつ互いに交互配置された複数のセラミックおよび複数の電極層から形成することができる、あるいは、限定するものではないけれども鉛マグネシウムニトレートや鉛ジルコネートニトレートといったような単結晶材料から形成することができる。
【0018】
横方向電気変位アクチュエータアレイは、PMNやあるいは他のフェロイック材料や強誘電性材料や強磁性材料の横方向電気歪みを利用する。これにより、応力に敏感な多層構成プロセスを必要とすることなく、大きなストロークを有した低電圧動作型のマイクロアクチュエータを形成することができる。横方向という向きであることのために、構造的負荷経路は、完全にセラミックを通過し、電極/セラミック界面を通過しない。さらに、界面応力が、大幅に低減する。なぜなら、長手方向における寸法変化が小さいからであり、また、不活性材料を使用した機械的なクランプ止めまたはピン止めが除去されるからである。ストロークは、追加的な層を追加することによってではなく、長さを調節することによって、得られる。
【0019】
セラミックからなる一体的ブロックを複数の個別アクチュエータへと分離することは、標準的なマイクロソーイング技術によって達成される。横方向の構成は、耐故障性を有した構成(フォールトトレラントな構成)であって、精度が要求されない。これにより、製造時の電極の損傷や短絡を防止することができる。電極の電気的相互接続は、大幅に単純化される。個々のアクチュエータに対しての電気的アドレッシングは、一体的ブロックを使用して行われる。この一体的ブロックは、研磨されているとともに、露出された電極を備えている。プリント回路技術を使用することにより、個別のアドレッシング用アクチュエータチャネルと電子ドライバとの間における電気的相互接続を提供することができる。この結果、マイクロアクチュエータ技術によって、アクチュエータどうしの間の間隔が非常に小さい場合であってさえも、多層構成を使用する必要もなくまた微視的な電気的相互接続を使用する必要もなく、十分なストロークを提供することができる。この構成は、高精度の機械加工を行う必要なく容易に製造されるとともに、電気的活性状態においては、応力に対して極度の耐力を有している。さらに、この構成は、本質的に、低電圧に適合したものである。このことは、ハイブリッド型のマイクロエレクトロニクスのドライバ技術に適合している。電気的なアドレッシングのための相互接続は、それ自体が横方向に伸縮させる共通背面のところで行われる。この概念は、従来技術による電子セラミック製造技術およびプロセッシング技術を使用したような、高性能の伸縮式のマイクロアクチュエータ技術を提供する。
【0020】
図6においては、本発明による横方向電気変位アクチュエータアレイが、反射部材200の取付面198に形成された共通電極196を有するものとして図示されているけれども、本発明においては、これは必須ではない。図7に示すように、アレイ148bにおいては、反射部材200aは、取付面198a上にコンタクトを設けることなく、構成することができる。その代わりに、共通電極のための共通コンタクト196aを、表面199に形成することができる。このようにして、アクチュエータ150a,152a,172,174を備えているアレイに対して、十分に電力を供給することができ、反射部材200aを接着する前にまたは接着剤によって取り付ける前に、テストすることができる。
【0021】
支持構造154aとアクチュエータ150a,152a,172,174との双方を含めたアレイの全体に対して、互いに直交する2つの方向において、カットを行うことができる。カットすなわち切り溝が、複数のアクチュエータを個々の部材へと分離することによって、適切な材料のフェリックセラミックからなるブロックを形成することができる。数個のカット210を行うことができる。これにより、図8においてアレイ148cに関して図示しているように、複数のアクチュエータ212を得ることができる。あるいは、多数のカット214を行うことができる。これにより、図9においてアレイ148dに関して図示しているように、多数のアクチュエータ216を得ることができる。支持構造222に支持された多数のアクチュエータ220を備えた図10の横方向電気変位アクチュエータアレイ148eの相互接続は、図10の底面223上の半田パッド224を使用して、図7のコンタクト186a,196aを形成することによって、行うことができる。底面223上には、ソケットグリッドアレイ226が配置される。ソケットグリッドアレイ226は、フレキシブルケーブル230に付設されたピングリッドアレイ228を受領することができる。
【0022】
本発明による横方向電気変位アクチュエータアレイの有利なモジュール性は、図11に示されている。図11においては、図10の多数の小さな横方向電気変位アクチュエータアレイ220が、図11に組み込まれていて、より大きなアセンブリ232を形成している様子を見ることができる。これにより、連続的な表面とすることができるずっと大きな反射部材234に適合することができる。個々で、単一のケーブル236として図示されているようなすべてのフレキシブルケーブルは、ドライバ回路140bに対して接続されており、ドライバ回路140bは、マイクロプロセッサ142bに対して接続されている。選択されたプログラムを使用してマイクロプロセッサ142bによってドライバ回路140bを制御することにより、図12Aに示すように、励起された活性開口が存在しない状態とすることができ、また、図12Bに示すように、およそ250nmにまで単一のアクチュエータを励起することができ、また、図12Cに示すように、3分の1のアクチュエータを励起することができ、また、図12Dに示すように、すべてのアクチュエータを励起させることさえできる。441個のアクチュエータを備えているモジュールが例示されている。すなわち、1ミリメートル間隔でもって21×21配列とされた441個のアクチュエータを備えているモジュールが例示されている。ミラー変形は、100ボルトにおいて0.25ミクロンとして得られ、λ/1000rmsにまで繰返し可能である。各アクチュエータに関し、平均キャパシタンスは、30nfとすることができ、平均ストロークは、250nmとすることができる。
【0023】
本発明による一体型の波面補正モジュール30のチップチルト補正システム42を具現し得る図13のマルチ軸線トランスデューサ310は、アドレッシング用導体312,314,316と、共通導体318と、を備えている。トランスデューサ310は、典型的には数十個〜数百個といったような数の複数の層から形成されている。層どうしは、電極によって分離されており、共通電極とアドレッシング用電極とによって交互に分離されている。層320は、強誘電性の電気変位可能な材料から形成されており、例えば電歪材料や圧電抵抗材料や圧電材料や、あるいは、鉛マグネシウム硝酸塩や鉛ジルコネートニトレートのようなパイロ抵抗性材料、から形成されている。層どうしの間には、アドレッシング用電極322と、共通電極324とが、交互的に介装されている。層と電極とのこのような組合せは、複数のキャパシタを形成する。これらキャパシタは、機械的には直列に見えるけれども、電気的には、互いに並列である。層320は、例えば0.1mm(4ミリインチ)といったように、1.0mm〜2.54mm(40〜100ミリインチ)といったような従来技術と比較して、非常に薄いものとすることができる。従来技術によるデバイスにおいては、1000V〜2500Vという電圧供給を必要とした。これに対し、0.1mm(4mil)という厚さの複数の層を使用したこの構造においては、わずかおよそ100ボルトしか必要としない。さらに、このトランスデューサがアクチュエータとして動作する場合には、より大きな変位を有することとなる。なぜなら、より多くの層を有しているからであり、変位が、層数の2乗と、電界強度と、の積の関数であるからである。
【0024】
【数1】

【0025】
ここで、電界強度Eは、次式によって表される。
【0026】
【数2】

【0027】
ここで、Vは、電圧であり、tは、厚さである。
【0028】
センサとして動作する場合には、トランスデューサ310の性能は、また、改良される。なぜなら、モノリシックな一体構造を形成する際の共同焼成が、デバイスの硬さを増大させ、これにより、印加された力に対しての感度を増大させるからである。
【0029】
【数3】

【0030】
ここで、pは、密度であり、Aは、面積であり、そして、Yは、ヤング率である。ヤングが大きくなればなるほど、デバイスは、より硬くなり、したがって、センサとしての感度が向上するとともに、アクチュエータとして動作する場合には、より大きな力を伝達することができる。共同焼成は、さらに、一体構造を形成する。この一体構造は、電極と、層とを、さらにはアドレッシング用導体および共通導体さえをも、一体的なパッケージとする。また、以下のように、トランスデューサのバンド幅も増大する。
【0031】
【数4】

【0032】
ここで、kは、硬さであり、mは、質量であり、そして、f は、固有振動数である。kは、次式で与えられる。
【0033】
【数5】

【0034】
ここで、lは、トランスデューサの長さである。共同焼成は、周知の製造プロセスであって、本発明の一部を構成するものではない。共同焼成においては、バインダの焼成時にグリーンボディからカーボンを除去し、焼成時にセラミックを稠密化する。これにより、モノリシックな多層積層体が得られる。さらなる詳細については、上記非特許文献1,2を参照されたい。
【0035】
各々のアドレッシング用電極322は、2つあるいはそれ以上の部分を備えている。図13においては、アドレッシング用電極322は、3つの部分328,330,332を備えている。しかしながら、アドレッシング用電極322は、これよりも少ない数の、すなわち、2つの、部分を備えることができる。あるいは、アドレッシング用電極322は、それよりも多い数の、すなわち、6個や、10個や、50個や、100個や、500個、の部分を備えることができる。任意の数を使用することができる。限定事項となるのは、製造の許容条件と、所望の解像度と、だけである。トランスデューサ310は、典型的には円筒形状のものであり、センターラインC/Lまわりに円形でもって対称であり、さらに、その性能を向上させるための中心穴326を有することができる。各アドレッシング用電極322の各部分328,330,332は、それぞれ対応するアドレッシング用電極に関連する部分どうしが、一組を形成している。すなわち、アドレッシング用導体312によって接続されたすべてのアドレッシング用電極322に関連するすべての部分328が、一組を形成する。同様に、アドレッシング用導体318によって相互接続されたすべての部分330が、他の組を形成し、アドレッシング用導体316によって相互接続されたすべての部分332が、さらなる組を形成する。これら複数の組は、それぞれ、組334、組336、および、組338と称される。
【0036】
トランスデューサ310がアクチュエータとして動作する場合には、アドレッシング用導体312,314,316および共通導体318を介して、各対をなすアドレッシング用電極および共通電極に対して電圧を印加することにより、層320内に電界が形成される。すべての印加電圧が互いに同じであれば、変位は、Z軸方向において長手方向に生成される。互いに異なる電圧が印加された場合には、部分328,330,332からなる組334,336,338は、互いに異なる変位を受けることとなり、チルト(傾斜)が発生し、X軸およびY軸方向において移動を引き起こす。アドレッシング用電極322上の各部分328,330,332は、例えば絶縁部分340,342,344といったようなものによって、互いに電気的に絶縁される。
【0037】
アドレッシング用導体312,314,316が、共通電極ではなくアドレッシング用電極だけに対して接触することを確実なものとし得るよう、なおかつ、共通導体318が、アドレッシング用電極ではなく共通電極だけに対して接触することを確実なものとし得るよう、アドレッシング用電極および共通電極は、凹所によってあるいは離間によって、適切に構成される。例えば、図14に示すように、共通電極324の各々は、複数の層320からなる積層体のエッジ352から離間されている。これにより、共通電極324の各々は、例えばターミナル354のところにおいて各アドレッシング用電極322に対して電気的に相互接続されたアドレッシング用導体316に対して、電気的に接続され得ない。同様の離間は、アドレッシング用電極に関しても適用される。これにより、共通導体との接触を防止することができる。
【0038】
この構成は、図15においてさらに詳細に示されている。図15においては、3つの層320a,320b,320cが、分解斜視図で示されている。アドレッシング用電極322aは、絶縁体340a,342a,344aによって電気的に絶縁された3つの部分328a,330a,332aを備えている。部分330aの一部は、凹所360を有している。実際、典型的に1つだけの共通導体が存在する場合には、1つの凹所だけが必要とされる。しかしながら、製造の容易さのためにおよび組立の容易さのために、凹所は、多くの場合、仮想線362,364によって示されているように、各々の部分に設けられる。共通電極324aは、3つの凹所366,368,370を備えている。これにより、アドレッシング用導体312,314,316のそれぞれに対して接触しないことを、確保することができる。次なる層320cは、絶縁体340c,342c,344cおよび凹所360c,362c,364cを有した3つの部分328c,330c,332cを備えたアドレッシング用電極322cを具備している。
【0039】
本発明によるトランスデューサは、図16に示すように、複数の共通電極402が配置された多数の強誘電性層400を形成することによって、また、図17に示すように、多数のアドレッシング用電極406が配置された多数の強誘電性層404を形成することによって、容易に形成することができる。その後、数百個というこれら層400,404を、互いに位置合わせしつつ交互に積層する。その後、アドレッシング用電極および共通電極の個々の積層体を、基板からカットして共同焼成する。これにより、本発明による多数のトランスデューサを形成する。
【0040】
上記においては、トランスデューサを、センサまたはアクチュエータのいずれかとして動作するものとして説明したけれども、トランスデューサは、同じ位置に配置されたセンサおよびアクチュエータの組合せとして機能することができる。図18に示すように、そのような同じ位置に配置されたセンサアクチュエータ410は、図13,図14,図15に図示されたトランスデューサと同様に構成されるものの、相違点は、1つのグループをなす複数のアドレッシング用電極が、センサグループ412と称されていること、および、他のグループをなす複数のアドレッシング用電極が、アクチュエータグループ414と称されていること、である。この場合でも、共通電極は、1つの共通導体416である。これに対し、この場合、センサグループ412内のアドレッシング用電極の各々のために、それぞれ、アドレッシング用導体418,420,422が設けられているとともに、アクチュエータグループ414内の各アドレッシング用電極のために、それぞれ個別のアドレッシング用導体424,426,428が設けられている。
【0041】
同じ位置でのセンサ−アクチュエータ機能は、図19に示すように、異なる構成を使用しても、得ることができる。図19においては、トランスデューサ430は、複数の部分へと分離された各アドレッシング用電極432を有したものとして図示されている。各部分は、同じ層上において交互配置された複数のアクチュエータ部分434および複数のセンサ部分436を備えている。これにより、アドレッシング用電極の各々は、アクチュエータ部分とセンサ部分とからなる交互パターンを備えており、交互配置された3組のセンサ部分と3組のアクチュエータ部分とを形成している。図18および図19におけるトランスデューサ410,430の双方においては、同じ位置に配置された一体的でモノリシックで共同焼成されたトランスデューサが得られる。このようなトランスデューサは、センサおよびアクチュエータの双方として動作することができ、これにより、変位を引き起こし得るとともに、力の検出を行うことができる。これに代えて、図18のデバイスは、図示のような互いに個別の2つのグループに代えて、アクチュエータとして機能するキャパシタプレートどうしの間に、センサとして機能するキャパシタプレートが介装された構成を有することができる。
【0042】
上記に例示した構成においては、トランスデューサは、図20に示すように、長尺の円筒形状のものとされ、長さLは、直径Dよりもずっと大きなものとされ、良好な性能は、長手方向アクセス軸線すなわち軸線d33に沿うものである。しかしながら、本発明によるトランスデューサは、図21に示すように直径Dが長さLよりもずっと大きなものとなるようにしてアスペクト比が逆とされている場合であっても、軸線d31を好ましい軸線として、同様に良好に動作する。
【0043】
当該技術分野においては周知なように、例えば図1において器具と制御回路とのためのパッケージ28内に配置されているものといったような、検出制御回路は、センサおよび回路を備えており、望遠鏡システム上における例えばフェースプレート32上における入射波面に関しての、大きな時空周波数的エラーおよびとチップチルトエラーを検出することができる。これら回路は、本発明の一部を構成するものではなく、補償信号を生成する。補償信号は、高精度で時空周波数的に補正するシステム内のチップチルト補正システムに対して適用される。これにより、それらエラーを修正することができる。それら回路の相互接続は、様々な態様で行うことができる。図22のベースまたは反応質量体40bは、フレームワーク500を備えることができる。フレームワーク500は、スペース502を有している。スペース502は、高精度で時空周波数的に補正するシステム34bからの相互接続ワイヤ504を受領することができる。ワイヤは、その後、複数の個別のアクチュエータであるかマルチ軸線トランスデューサであるかにかかわらず、チップチルト補正システム42bの中心穴506を通過する。そして、その後、ベース52b内の同様の穴508を通過する。相互接続ワイヤ510は、ケーブル512内においてまとめられ、貫通孔508を通過する。これに代えて、図23に示すような一体型の波面補正モジュール30cは、フラットケーブル514を備えることができる。フラットケーブル514は、ベース40c上の各コンタクトと各アクチュエータ38とを相互接続しているとともに、チップチルト補正システム42cに対して取り付けられる場所においては、保護絶縁層516によって被覆されている。この場合にも、ワイヤ接続510aを行うことができ、貫通穴508aを通してケーブル512aを通過させることができる。
【0044】
図24のチップチルト補正システム42dは、図3に示すような例えば44,46,48といったような複数の個別のチップチルトアクチュエータであるかあるいは図13に示すような単一のマルチアクセスアクチュエータであるかに関係なく、有利には、チップチルト動作の支柱をなす光学的表面の中心の近傍へと互いに寄せ集められているような複数のフォーストレイン印加ポイントを備えている。これにより、ミラーのチップチルト動作のための大部分の運動増幅を得ることができる。図3においては、アクチュエータ44,46のフォーストレイン印加ポイント軸線45,47と、アクチュエータ48の図示していない軸線とは、ミラー表面32の回転軸線49の中心に近い。図13のマルチ軸線トランスデューサを使用した場合には、フォーストレイン印加ポイント軸線は、互いに接近するとともに、光学的表面の中心の近くにもなる。しかしながら、本発明においては、これは必須ではない。例えば、図24に示すように、一体型の波面補正モジュール30dは、3つの個別のチップチルトアクチュエータ44d,46d,48dを備えている。これらチップチルトアクチュエータ44d,46d,48dは、回転中心軸線49dから十分に離間している。ここで、回転中心軸線49dは、ベース52d上の穴508dの中心を通過するとともに、ミラー表面32dの回転中心53dを通過する。しかしながら、これらチップチルトアクチュエータ44d,46d,48dの各々は、アーム518,520,522を備えている。アーム518,520,522は、それぞれ関連するアクチュエータの上部から中心軸線49dに向けて延在している。この場合、フォーストレイン印加ポイント524,526,528は、中心軸線49dの近傍へと互いに寄せ集められた軸線45,47,51を有している。これにより、回転中心53dをなす支柱ポイントの近傍に位置しているという機械的利点を生成している。これにより、チップチルト運動に関する運動増幅をもたらすことができる。この構成例は、この目的のために使用されるような機械的利点を有した様々な多くのシステムに関しての一例に過ぎない。
【0045】
上記においては、本発明による一体型の波面補正モジュールを、高精度で時空周波数的に補正するシステムがチップチルト補正システム上に取り付けられたものとして例示し、チップチルト補正システムが、実際に、高精度で時空周波数的に補正するシステムの全体を駆動することができ、これにより、ミラー表面32dに対してチップチルト補正を行い得るものとして例示した。しかしながら、本発明においては、これは必須ではない。2つの補正システムは、図25に示すように、並列的に適用することができる。図25においては、一体型の波面補正モジュール30eは、光学的表面またはフェースプレート32eを支持する互いに離間した3つの個別のチップチルトアクチュエータ44e,46e,48eを有したチップチルト補正システム42eを備えている。フェースプレートからは、高精度で時空周波数的に補正するシステム34eが懸架されている。これにより、高精度で時空周波数的に補正するシステム34eは、実際に、なおも、チップチルト補正システム42eによって駆動されるものではあるけれども、チップチルト補正システム42eに対して直列的ではない。チップチルト補正システム42eは、高精度で時空周波数的に補正するシステム34eを介してフェースプレート32eを駆動するものではなく、独立して、高精度で時空周波数的に補正するシステム34eを駆動する。このためには、フェースプレート32eに付設される高精度で時空周波数的に補正するシステム34eを、極めて軽量のものとする必要がある。あるいは、必要な硬さをもたらし得るよう、仮想線33eで示すような補強層を設ける必要がある。
【0046】
本発明のいくつかの特定の特徴点がいくつかの図面におよび他の図面に図示されているけれども、これは、便宜的なものに過ぎない。なぜなら、本発明においては、各特徴点を、他の任意のあるいは他のすべての特徴点に対して組み合わせ得るからである。本明細書においては、『を具備している』、『を備えている』、『を有している』、『を含有している』、という用語は、広義にかつ包括的に解釈されるべきものであり、特定の物理的相互関係に限定されるものではない。さらに、本発明において開示されたすべての実施形態が、可能な実施形態を例示したものに過ぎないことは、理解されるであろう。
【0047】
他の実施形態は、当業者には明らかであり、特許請求の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】1つまたは複数の適応ミラーシステムを使用した適応望遠鏡システムを示す斜視図である。
【図2】本発明による複数の一体型波面補正モジュールから構成された図1の一次ミラーシステムまたは二次ミラーシステムまたは三次ミラーシステムの一部を拡大して詳細に示す斜視図である。
【図3】図2における1つの一体型波面補正モジュールを拡大して詳細に示す斜視図であって、チップチルト補正システムの一部が、破断によって図示されている。
【図4】図3と同様の図であって、一体型波面補正モジュールの他の実施形態を示す斜視図である。
【図5】本発明による一体型波面補正モジュールにおいて使用されている横方向電気変位アクチュエータを簡略化して示す図である。
【図6】図5の横方向電気変位アクチュエータを使用した横方向電気変位アクチュエータアレイを簡略化して示す図である。
【図7】図6と同様の横方向電気変位アクチュエータを簡略化して示す図であるものの、共通電極が支持構造を通して引き出されている。
【図8】アクチュエータ部材の数を増大させたような横方向電気変位アクチュエータアレイを示す斜視図である。
【図9】アクチュエータ部材の数を増大させたような横方向電気変位アクチュエータアレイを示す斜視図である。
【図10】図9の横方向電気変位アクチュエータアレイと、このアレイに関する電気的相互接続状況と、を示す分解斜視図である。
【図11】ドライバ回路を備えたモジュール構成でもって図9のアレイを示す斜視図である。
【図12A】横方向電気変位アクチュエータアレイによるミラー表面の局所的変形の様子を示す図である。
【図12B】横方向電気変位アクチュエータアレイによるミラー表面の局所的変形の様子を示す図である。
【図12C】横方向電気変位アクチュエータアレイによるミラー表面の局所的変形の様子を示す図である。
【図12D】横方向電気変位アクチュエータアレイによるミラー表面の局所的変形の様子を示す図である。
【図13】本発明による一体型波面補正モジュールの好ましい実施形態において使用されるマルチ軸線トランスデューサを概略的に示す斜視図である。
【図14】図13の14−14線に沿って示す概略的な側断面図である。
【図15】図13のトランスデューサのうちの複数の層を備えてなる一部を拡大して示す分解斜視図である。
【図16】図15と同様の1つの層を拡大して概略的に示す図であって、複数の共通電極からなる1つのパターンが、内部に配置されている。
【図17】図15と同様の1つの層を拡大して概略的に示す図であって、複数のアドレッシング電極からなる1つのパターンが、内部に配置されている。
【図18】図13と同様のトランスデューサを概略的に示す側面図であって、トランスデューサが、一体型のセンサ−アクチュエータ構成として構成されており、複数のセンサ部分と複数のアクチュエータ部分とが、積層方向に沿って長手方向に配置されている。
【図19】図13と同様のトランスデューサを概略的に示す平面図であって、トランスデューサが、一体型のセンサ−アクチュエータ構成として構成されており、複数のセンサ部分と複数のアクチュエータ部分とが、積層体の周縁まわりにおいて交互配置されている。
【図20】図13と同様のトランスデューサを概略的に示す図であって、d33軸線に沿った構成を示している。
【図21】図13と同様のトランスデューサを概略的に示す図であって、d31軸線に沿った構成を示している。
【図22】図3または図4と同様の一体型波面補正モジュールを概略的に示す側面図であって、電気的相互接続を図示している。
【図23】図22と同様の概略的な側面図であって、電気的相互接続に関する代替可能な技術を示している。
【図24】一体型波面補正モジュールのチップチルトアクチュエータの一実施形態を概略的に示す斜視図であって、複数のフォーストレイン印加ポイントが光学的表面の中心近傍へと互いに寄せ集められているようなチップチルトマルチプライヤを備えている。
【図25】一体型波面補正モジュールを概略的に示す側面図であって、チップチルト補正システムと、高精度の時空周波数的補正システムとが、互いに独立に光学的表面を駆動している。
【符号の説明】
【0049】
30 一体型の波面補正モジュール
32 フェースプレート、フェースシート
34 高精度で時空周波数的に補正するシステム
38 ミラーアクチュエータ
42 チップチルト補正システム42
44 チップチルトアクチュエータ
46 チップチルトアクチュエータ
48 チップチルトアクチュエータ
148 横方向電気変位アクチュエータアレイ
150 アクチュエータ
152 アクチュエータ
154 支持構造
310 マルチ軸線トランスデューサ
312 アドレッシング用導体
314 アドレッシング用導体
316 アドレッシング用導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型波面補正モジュールであって、
光学的表面と;
前記光学的表面を変形させ、これにより、前記光学的表面の入射波面における時空周波数的なフェーズエラーを補正するための、高精度で時空周波数的に補正するシステムと;
前記光学的表面を調整し、これにより、前記入射波面におけるチップチルトエラーを補償するための、チップチルト補正システムと;
を具備していることを特徴とする一体型波面補正モジュール。
【請求項2】
請求項1記載の一体型波面補正モジュールにおいて、
前記高精度で時空周波数的に補正するシステムが、前記チップチルト補正システムに対して直列とされているとともに、前記光学的表面と前記高精度で時空周波数的に補正するシステムとの双方を調整することを特徴とする一体型波面補正モジュール。
【請求項3】
請求項1記載の一体型波面補正モジュールにおいて、
前記高精度で時空周波数的に補正するシステムと前記チップチルト補正システムとの各々が、前記光学的表面に対して連結されていることを特徴とする一体型波面補正モジュール。
【請求項4】
請求項1記載の一体型波面補正モジュールにおいて、
前記チップチルト補正システムが、複数のアクチュエータを備え、
これらアクチュエータが、前記光学的表面の中心の近傍へと互いに寄せ集められたそれぞれのフォーストレイン印加ポイントを有していることを特徴とする一体型波面補正モジュール。
【請求項5】
請求項1記載の一体型波面補正モジュールにおいて、
前記チップチルトアクチュエータが、前記チルト運動を増幅し得るようなチップチルトマルチプライヤを備えていることを特徴とする一体型波面補正モジュール。
【請求項6】
請求項5記載の一体型波面補正モジュールにおいて、
前記チップチルトマルチプライヤが、前記チップチルトアクチュエータから前記光学的表面の前記中心に向けて延在するアームを備えていることを特徴とする一体型波面補正モジュール。
【請求項7】
請求項1記載の一体型波面補正モジュールにおいて、
前記光学的表面が、連続的なものとされたフェースシートを備えていることを特徴とする一体型波面補正モジュール。
【請求項8】
請求項1記載の一体型波面補正モジュールにおいて、
前記高精度で時空周波数的に補正するシステムが、横方向電気変位アクチュエータアレイを備え、
この横方向電気変位アクチュエータアレイが、支持構造と;前記支持構造の近傍の基端部から先端部までにわたって延在する複数のフェロイック電気変位アクチュエータ部材と;を備え、
前記アクチュエータ部材の各々が、少なくとも1つのアドレッシング用電極と;このアドレッシング用電極から離間して配置されるとともに横方向歪み軸線d31に沿いつつ前記基端部と前記先端部との間の方向に沿って延在する1つの共通電極と;を備え、
反射面と、前記アクチュエータ部材を取り付けるための取付面と、を有した反射部材が設けられ、
前記アドレッシング用電極および前記共通電極に対して電圧を印加するための複数のアドレッシング用コンタクトおよび少なくとも1つの共通コンタクトが設けられ、これにより、アドレッシングされたアクチュエータ部材に対して横方向歪みが誘起され、これにより、前記アドレッシングされたアクチュエータ部材のところにおいて前記反射面の光学的フェーズを変更し得るものとされていることを特徴とする一体型波面補正モジュール。
【請求項9】
請求項8記載の一体型波面補正モジュールにおいて、
前記支持構造と前記アクチュエータ部材とが、一体的なものとされていることを特徴とする一体型波面補正モジュール。
【請求項10】
請求項1記載の一体型波面補正モジュールにおいて、
前記チップチルト補正システムが、積層体からなるマルチ軸線トランスデューサを備え、
前記積層体が、複数の強誘電性層と;これら強誘電性層の間に交互配置された複数の共通電極および複数のアドレッシング用電極と;を備え、
前記複数のアドレッシング用電極の各々が、互いに電気的に絶縁された複数の部分を備え、
各部分が、前記アドレッシング用電極によって関連づけられた他の部分と一緒に組を形成し、
前記共通電極に対して電気的に接続された共通導体が設けられ、
さらに、複数のアドレッシング用導体が設けられ、
これらアドレッシング用導体の各々が、前記アドレッシング電極の前記複数の部分のうちの、それぞれ対応する組に属する部分に対して電気的に接続されていることを特徴とする一体型波面補正モジュール。
【請求項11】
請求項1記載の一体型波面補正モジュールにおいて、
前記高精度で時空周波数的に補正するシステムが、複数のミラーアクチュエータを備えていることを特徴とする一体型波面補正モジュール。
【請求項12】
請求項11記載の一体型波面補正モジュールにおいて、
前記高精度で時空周波数的に補正するシステムが、少なくとも3つのミラーアクチュエータを備えていることを特徴とする一体型波面補正モジュール。
【請求項13】
請求項1記載の一体型波面補正モジュールにおいて、
前記チップチルト補正システムが、複数のチップチルトアクチュエータを備えていることを特徴とする一体型波面補正モジュール。
【請求項14】
請求項13記載の一体型波面補正モジュールにおいて、
前記チップチルト補正システムが、少なくとも3つのチップチルトアクチュエータを備えていることを特徴とする一体型波面補正モジュール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図12C】
image rotate

【図12D】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公表番号】特表2008−512722(P2008−512722A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531209(P2007−531209)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/030781
【国際公開番号】WO2006/028795
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(507075598)ザイネティクス・インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】