説明

一方向凝固による鋳造方法およびその装置

【課題】均一な冷却速度制御を提供する一方向凝固鋳造のための装置および方法を提供する。
【解決手段】溶融金属はモールド10に供給チャンバ34から水平または垂直に制御された速度で、既にモールド内にある金属の真上に均一に注入される。冷却媒体は基材の底面に、鋳造工程の間、冷却速度を制御するように多様な冷却媒体の種類と流量で供給される。溶融金属の導入速度および冷却媒体の流量は、どちらもモールド内に比較的均一な凝固速度をもたらすように制御され、それにより鋳物の均質なマイクロ構造と、鋳物の低い応力を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.関連出願の相互参照
この出願は、2005年7月12日に提出されたアメリカ国出願第11/179,835号の一部継続出願であり、その全ての開示内容を引用として援用する。
【0002】
2.発明の属する分野
本発明は鋳造方法に関する。特に、本発明は均一な凝固率を提供するために一方向に凝固する鋳造の装置および方法を提供し、それによる均一な微細構造であって低い内部応力を有するインゴット鋳造を提供する。
【0003】
3.関連技術の説明
モールド内の鋳造の一方向凝固の多様な方法が、鋳造の特性を改良するために試みられている。
【0004】
現在の利用可能な方向性凝固方法の一例として、アルミニウムシリコーン鋳物の製造方法を開示している1980年7月1日にM. Ruhleに付与された米国特許第 4,210,193号がある。溶解物質はブリキ板で形成された底部を備えたモールドに注がれる。水流がブリキ板の底部に供給され、ブリキ板を通じて鋳造内に挿入された熱電対が鋳造の温度を監視するのに使用され、その結果、適切に冷却流を制御する。冷却はモールドの底部分の温度が575°F(華氏)から475°Fに下がると停止し、周囲の溶解物からの熱によってこの領域の温度が540°Fに上昇するまで停止する。アルミニウムシリコーン合金がモールドから取り除かれると、ブリキ板は鋳物の一部となる。その結果、鋳物の下位部に微粒子構造をもたらす。この方法では低い応力を伴った均一な構造を生成することができず、最終鋳物の一部を形成しないならブリキ板を切り取る必要性のため廃棄物を派生することになるだろう。
【0005】
1986年4月29日にH. Kawai、他、に付与された米国特許第 4,585,047号では、モールド内の溶融合金を冷却する装置を開示している。この装置には冷却液が通るパイプがモールドの中に存在する。パイプはモールドの下位部に設置され、モールドの下部から上部へ金属の方向性凝固が起る。一度、鋳物が固化すると、鋳物の過剰部分は鋳物から取り除かれ、その後パイプから解けてなくなり、パイプは再使用できる。パイプ周囲の鋳物部分を取り除く必要性は製造工程の追加と廃棄物をもたらす。さらに、この装置では、方向性凝固に起因するであろう鋳物内の均質な構造または鋳物内の低い応力を実現(達成)できない。
【0006】
1990年11月13日にEric L. Mawerに付与された米国特許第 4,969,502号は、金属の鋳造装置を開示している。この装置は、垂直板に対して溶融金属を注入する構成の伸長鋳込み装置からなり、それにより、溶融金属中のエネルギーを放散させている。あるいは、一組の伸長鋳込み装置が、互いに流れる2つの金属の変形(ひずみ)の相互作用によって金属のエネルギーを放散するように、互いに向かって溶解金属を注入するように使用されている。結果として、モールド内の波の作用低下をもたらし、冷却された鋳物はより均一な厚さとなる。装置は鋳物内の均質な構造を提供することができない。また、鋳物内の低い応力も提供することができない。
【0007】
1991年6月4日にM. K. Aghajanian、他に付与された米国特許第 5,020,583号は、金属マトリックス複合材料の方向性凝固について記載している。その方法は、充填材の塊の上に金属インゴットを設置する工程と、その後、金属を充填材に浸透するように金属を溶かす工程とからなる。金属はマグネシウムのような浸透促進剤によって合金となり、さらに浸透を促進するために窒素ガス環境内で加熱される。浸透後、結果物である金属マトリックスは、冷却する金属マトリックスを囲んで設置された断熱材とともに、ヒートシンクの上に置かれて冷却され、それによって、溶融合金の方向性凝固をもたらす。この特許は凝固速度の制御、鋳物内の均質構造、または、鋳物内の低い応力を提供することができない。
【0008】
1991年12月24日にA. Ohnoに付与された米国特許第 5,074,353号は、金属の水平連続鋳造のための装置および方法を開示している。このシステムは、注入端部に開口部を有するホットモールドに連結された溶炉(火炉)を含むものである。ホットモールドの側面および底面を囲む加熱要素は、モールドを少なくとも鋳造金属の凝固温度に熱する。冷却スプレーがホットモールドの上端に供給される。上方と下方のつまみローラの間に固定されたダミー部材は、凝固する金属を引き伸ばすようにモールドの出口を出入して往復する。この特許の方法は、ダミー金属から鋳物を分離するために廃棄物を派生する可能性が高い。この装置では、さらに、方向性凝固に起因するであろう鋳物内の均一な構造または鋳物内の低い応力を提供することができない。
【0009】
従って、比較的均一な、冷却速度制御を提供する一方向凝固鋳造のための改良装置および方法が必要となる。また、そのような方法であれば、鋳物内のより低い応力とともに、鋳物の結晶構造内により優れた(大きな)均質性をもたらし、クラッキングの減少傾向をもたらすであろう。
【特許文献1】米国特許第 4,210,193号
【特許文献2】米国特許第 4,585,047号
【特許文献3】米国特許第 4,969,502号
【特許文献4】米国特許第 5,020,583号
【特許文献5】米国特許第 5,074,353号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
制御された凝固速度で、鋳物の層(厚さ)方向を通して鋳物を一方向に凝固する方法によって形成される複数層鋳造インゴットを提供する。この方法は特に、1XXX合金で被覆された2XXXシリーズアルミニウム合金と、4XXX合金で被覆された3XXX合金の商業サイズインゴットの鋳造に有用である。本説明において、層(厚さ)という記述は鋳物の最薄の次元(厚さ)と定義される。
【0011】
本発明によるモールドは、好ましくは、実質的に水平に形成され、4つの側面と底面とからなり、噴霧される冷却剤の効果を選択的に許容または阻止するように構成される。
また、底面を第一の面および第二の面とからなる少なくとも2つの面を有する底部の構造とするとともに、底部は、(a)十分な寸法と(b)複数の開口とを有する基材からなり、底部が、(1)冷却剤の流れがモールドキャビティ内の底部の第一の面の方向からとなるようにして、冷却剤が開口を通って流れて直接金属に接触可能にするとともに、(2)同時に、底部の第二の面の上に最初に注がれた金属が、開口を通って底部の第一の面に出ることを阻止するように構成される構造を含む。
1つの底面の構造として、冷却剤が入れられ、溶解金属の流出が阻止できるサイズの孔を有する基材であること。その孔は、好ましくは直径が少なくとも約1/64インチであるが、直径が約1インチ以上でないこと。他の底面構造としては、隙間のない固板部と網目部とを有するコンベアであること。他の底面構造としては、網目、織布、その他の鋳造を支援する浸透可能な構造で、モールド底面で溶融金属が凝固してからモールドの残余物から分離移動する構造を含むことである。
【0012】
溶解金属を溶炉から供給するための路(樋)は、1つのモールド側面に達し、金属を溶炉または他の容器から1つのモールド側面に沿って設置された溶解金属供給チャンバに供給するように構成されている。他の実施形態では、溶融供給チャンバは、1つのモールド側面の上端に沿って設置され、制御法のもとで溶融金属をモールドキャビティの上端に垂直に供給することを可能にする。溶融金属供給チャンバおよびモールドは、1つまたはそれ以上のゲートによってそれぞれ分離される。好ましいゲートは、円筒状の、回転可能に装備されたゲートであり、その中に螺旋形のスロットを形成し、ゲートが回転するときに、モールド内の溶融金属の上端の位置で溶融金属がモールド内に水平に放出される。他の好ましいゲートは、モールドと供給チャンバを分離する壁面内の異なる高さの単なるスロットであり、溶融金属が供給チャンバに添加される速度は溶融金属がモールドに流入する速度と高さで決定する。他の好ましいゲートは、モールドと各端部に垂直滑動部を有する供給チャンバ間の流路であり、垂直滑動部は、チャンネルを通して溶融金属の流れを許容する一方で、モールドおよび供給チャンバの両方のスロットを通じて溶融金属の流れを阻止する。溶融金属の流量は、その結果、チャンネルの高さにより設定され、モールド内の所望の高さに制限される。
【0013】
幾つかの実施形態では、第二の路(樋)および溶融金属供給チャンバを他方のモールド側面に備えることができ、それにより、第二合金が第一の合金の鋳造の間にモールド内に導入されるのを許容し、例えば鋳造品に被覆加工を施す。この処理は、少なくとも2つの異なる合金層を有する多重層インゴット生成物の製造に拡張できる。モールドの側面は好ましくは断熱される。複数の冷却噴流、例えば空気/水の噴流、はモールドの下方に位置し、モールドの底表面に接触して冷却剤を噴霧するように構成される。
【0014】
溶融金属は実質的に均一にゲートを通して導入される。同時に、冷却媒体はモールドの下方領域一面に均一に供給される。溶融金属がモールド内に流入する量、および、冷却剤がモールドに供給される量は、どちらも比較的一定な凝固速度を維持するように制御される。冷却剤は空気から開始され、次第に空気から空気−水の噴霧に変わり、そして、水へと変わる。モールドの底面の溶融金属が凝固した後、基材の底面は移動され、モールドの下の固板部は開口を有する部位に置換される。それによって、冷却剤が凝固金属に直接接触することができ、好ましい冷却速度を維持する。穿孔板基材の場合、モールド底面を移動させる必要はない。
【0015】
よって、本発明の1つの目的は冷却間の方向性凝固鋳造の改良方法を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、鋳造において凝固する間を比較的一定な凝固速度に維持する方法を提供することである。
【0017】
さらに、本発明の目的は、廃棄物を最低限に抑えた鋳造方法を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、材料内に均一な結晶構造をもたらす鋳造方法を提供することにある。
【0019】
さらに、本発明の目的は、鋳物内の低い応力とクラッキングおよび/または鋳引け空隙の可能性の減少をもたらす鋳造方法を提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は、より均質な構造をもつ鋳物を提供することにある。
【0021】
さらに、本発明の目的は、従来の被覆加工より溶着のよい鋳物の周囲に被覆加工を施すための装置および方法を提供することにある。
【0022】
本発明の他の目的は、少なくとも2層以上の多重層インゴット生成物を製造する装置および方法を提供することにある。
【0023】
本発明のこれらおよび他の目的は、下記の記述および図面を通じてより明らかになるだろう。
【0024】
図面の簡単な説明
本件特許または出願書類は、少なくとも1つの色付で作成された図面を含んでいる。カラー図面付きの特許または公開特許公報は申請および必要な料金の支払いがあれば特許庁より提供される。
【0025】
図1は、本発明に係るモールドの上面からの等角図であり、モールド下方のコンベアの固板部を示す。
【0026】
図2は、図1の2−2切断線における、本発明に係るモールドの部分断面等角上面図である。
【0027】
図3は、本発明に係るモールドの等角上面図であり、モールド下方のコンベアの網目部を示す。
【0028】
図4は、図3の4−4切断線における、本発明に係るモールドの部分断面等角上面図である。
【0029】
図5は、本発明に係るゲートの平面図である。
【0030】
図6は、本発明に係るゲートの正面図である。
【0031】
図7は、本発明に係るゲートの側面図である。
【0032】
図8は、本発明に係るモールドの他の実施形態における一部切欠の側面等角図である。
【0033】
図9は、本発明に係るモールドの他の実施形態における切欠側面等角図である。
【0034】
図10は、図9によるモールドの側面等角図である。
【0035】
図11は、1つの凝固工程の実施例における時間に対する鋳物の温度を示すグラフである。
【0036】
図12は、本発明によって製造されたインゴットを横断した断面応力分布を示すグラフである。
【0037】
図13は、従来技術に係る方法を使用したインゴット鋳造物内の多様な位置での応力を示すグラフである。
【0038】
図14は、本発明によるモールドおよび移送チャンバのさらにもう1つの実施形態における切欠等角図である。
【0039】
図15は、本発明に係るモールドのモールドキャビティの切欠正面等角図である。
【0040】
図16は、本発明に係る他の実施形態におけるモールドの上面等角図であり、モールドの下方のコンベアの穿孔部分を示す。
【0041】
図17は、図16の16−16切断線における、図16に示されたモールドの部分断面等角上面図である。
【0042】
図18は、モールドの下方のコンベアの網目部における、図16に示されたモールドの部分断面等角上面図である。
【0043】
図19Aは、1050合金の2層間に挟まれた2024合金を有する薄皮シート製品(skin sheet product)の3層多重層インゴットの透視図である。
【0044】
図19Bは、2024合金と1050合金間の接触面を示す図19Aの囲み部分の顕微鏡写真である。
【0045】
図20Aは、4343合金の2層間に挟まれた3003合金を有する、ろう付シート製品(brazing sheet product)の3層多重層インゴットの透視図である。
【0046】
図20Bは、3003合金と4343合金間の接触面を示す図20Aの囲み部分の顕微鏡写真である。
【0047】
図面中の参照符号は同種の要素を表わす。
【0048】
発明の詳細な説明
本発明は、制御された、均一な凝固速度をともなう一方向凝固鋳造のための装置および方法を提供する。
【0049】
図1〜図4に示すように、モールド10は、モールドキャビティ19を形成する4つの側面12、14、16、18からなる。側面12、14、16、18は断熱されていることが望ましい。底部20は、隙間のない固板部22と網目部24とからなるコンベアに形成されている。コンベアーは連続的であり、固板部22または網目部24のどちらかが選択的に側面12、14、16、18の下に設置されるように、ローラ26、28、30、32の周囲に装着されている。コンベアは、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、およびインコネル(Inconal)を含む高い熱伝導性を有する剛体材料で形成することができる。網目部24には開口が存在していることに留意する。
【0050】
側面36、38、40によって形成される溶融金属供給チャンバ34は、側面12に沿って形成される。同様に、類似の溶融金属供給チャンバ42は、側面16に沿って側面44、46、48によって形成される。本発明の実施形態では、1つの溶融金属供給チャンバのみを備えることも可能であり、複数の溶融金属供給チャンバを備えることも可能である。溶融金属溶鉱炉(図示しないが鋳造技術においてはよく知られている)からの供給路(樋)50、52は各溶融金属供給チャンバ34、42の真上の位置へそれぞれ伸びている。放出口54は供給路(樋)50から溶融金属供給チャンバ34へ伸びている。同様に、放出口56は供給路(樋)52から溶融金属供給チャンバ42へ伸びている。
【0051】
側面12には、供給チャンバ34からモールドキャビティ19への溶融金属の流量を制御するように構成された1つまたはそれ以上のゲート58、60が装備されている。同様に、側面16には、供給チャンバ42からモールドキャビティ19への溶融金属の流量を制御するように構成されたゲート62、64が装備されている。ゲート58、60、62、64は実質的に同じであり、最良のものが図5〜図7に図示されている。ゲート58は、中に実質的に円筒状のチャンネル70が形成される一対の壁66、68からなる。チャンネル70の対向する壁66、68の側面上には開口側面72、74が設けられている。円筒状ゲート部材76はチャンネル70の中に設置される。円筒状ゲート部材76は実質的に固体であり、外周に螺旋状スロット78が形成されている。チャンネル70、円筒状ゲート部材76、および、螺旋状スロット78は、溶融金属が壁66、68の1つに近接した螺旋状スロット78の一部を通過して流れるように構成されており、溶融金属がゲート58の他の部分を通過するのを阻止する。駆動機構80は、円筒状ゲート部材76の回転を制御するために円筒状ゲート部材76に作動可能に結合される。適切な駆動機構80は当業者によく知られているため、ここでは詳細に記載しない。駆動機構80は、例えば、鋳造工程を監視しているオペレータによる手動スイッチング、または、適当なマイクロプロセッサを通して制御される、ギアシステムを通じて円筒状ゲート部材76に連結された電気モータとすることが可能である。
【0052】
図1−4に戻って参照すると、冷却剤マニホールド82は、コンベア20の内側に設置され、モールドキャビティ19の底部面22、24に接触して冷却剤を噴霧するように構成される。好ましい冷却剤マニホールド82は、空気、水、またはそれらの混合を所望の冷却速度で噴霧するように構成される。
【0053】
使用状態では、コンベア20は固板部22がモールドキャビティ19の真下にある図1−2に記載された位置にある。溶融金属は、放出口54を通って、供給チャンバ34の中に供給路(樋)50から導入される。ゲート58、60は、螺旋状スロット78の最下部が壁66または壁68に近接するように回転される円筒状ゲート部材76を有し、溶融金属がコンベア表面22上を実質的に水平に流れることによってモールドキャビティ19に入ることを可能にする。同時に、空気が冷却剤マニホールド82から表面22の裏面上へ噴霧される。モールドキャビティ19が溶融金属で満たされる間、円筒状ゲート部材76は、次第に螺旋状スロット78の隆起部分が壁66、68のどちらかに近接するように回転し、モールドキャビティ19内の金属のレベルが上昇する間、溶融金属が通過可能な螺旋状スロット78の一部がチャンバ34からモールドキャビティ19への溶融金属の流れが常に水平に、かつ、常にモールドキャビティ19内にある金属の上部に流れる量をもたらすように回転する。モールドキャビティ19中の金属の水平な流れは、溶融金属が適切な水準に落ち着くことを可能にし、モールド空洞19内の溶融金属の実質的に均一な層(厚さ)を確実にする。
【0054】
添加金属がモールドキャビティ19に添加されるにつれて、モールドキャビティ19内の金属の冷却速度は減速する。実質的に一定な冷却速度を維持するために、冷却剤マニホールド82からの冷却剤の混合物は、空気から水量が増加する空気−水の噴霧に変更され、最終的には全て水となる。さらに、モールドキャビティ19の下部の金属が凝固するにつれて、コンベア20は、固板部22の代わりに網目24がモールド10の底部を形成するように促進され、図3から図4に図示されるように、冷却剤が凝固金属に直接接触できるようになる。さらに、モールドキャビティ19の中への金属添加速度は、ゲート58、60の円筒状ゲート部材76の回転および/または供給路(樋)50からの供給チャンバ34への金属の導入速度を制御することにより減速することができる。冷却速度は鋳造の開始時に3°F/sec.で鋳造の完了に向けて約0.5°F/sec.に減少され、通常、冷却速度は約0.5°F/sec.から約3°F/sec.の間となる。同様に、溶融金属がモールドキャビティ19の中へ導入される速度は、鋳造が進むにつれて、通常、初期速度4in./min.から最終速度0.5in./min.に減少される。
【0055】
必要に応じて、第二合金を供給路(樋)52から放出口56を通って供給チャンバ42の中に導入することができる。第二合金は第一合金を覆う被覆加工を形成するのに使用できる。例えば、被覆加工は耐腐食層とすることができる。被覆加工の一例では、金属がゲート内の螺旋状チャンネル78の下部からモールドキャビティ19の中へ流れた後にゲート62、64を閉じるように、ゲート62、64を通って供給チャンバ42からモールドキャビティ19へ合金を最初に導入することによって形成される。ゲート58、60の円筒状ゲート部材76は、モールドキャビティ19が頂点に近いゲートの封鎖点に満たされるまで、供給チャンバ34からモールドキャビティ19へ金属の流れを許容するように、螺旋状スロット78の隆起部分で回転する。ゲート62、64の円筒状ゲート部材76は、ゲート62、64の円筒状ゲート部材76内のスロット78の最高部で、供給チャンバ42からモールドキャビティ19への金属の流れを許容するように回転し、この溶融金属が既にモールド内にある金属の上部に流れるようにする。その結果、供給チャンバ34内の合金により形成された基材は、全体に、供給チャンバ42内の合金からできた被覆加工を有する。
【0056】
2つの連続層の全ての接触面で適切な結合形成を確実にするために、下記の工程に従う;基層と異なる構成の新しい次層を導入した後の基層の表面の温度は、液相線温度(Tliq)以下であり、共晶温度(Teut)(50℃以上)となる。ここでTliqは基層の液相線温度であり、Teutは基層の共晶温度である。この手段は被覆加工のみに限定されない。この手段は多重層インゴット製品を連続的に生成する多種合金の鋳造を可能にする。
【0057】
他の実施形態によるモールド84は、図8に図示される。モールド84は図示された3つの側面86、88、90を伴う4つの側面を含む。側面86、88、90、および実質的に同一で図示されていない4番目の側面は断熱することが可能である。モールド84の底部は織布92によって形成されており、前の実施形態10の下方コンベア20のように同じ材料で形成することができる。底部基材94は、織布92を支持する図8の実線で図示された上方位置から、基材が織布92からスプレーボックス96、98がその間に位置できるような十分な距離に移動する図8に破線で図示された下方位置との間を移動するように構成される。スプレーボックス96、98は、織布92の下方の位置から、基材94の上方位置から下方位置間の移動が許容される位置まで移動するように構成される。スプレーボックス96、98は、基材94がスプレーボックス96、98の上方または下方にあるかにより、空気、水、または両方の混合、または可能な他の冷却剤を、基材94の底部または織布92の底部のいずれかに噴霧する。
【0058】
使用状態では、基材94は上方位置にあり、織布92を支持する。溶融金属はモールド84の中に導入され、空気が基材94の底部を冷却するように当てられる。モールド84が溶融金属で満たされ、そして底部上の溶融金属が凝固する時に、スプレーボックス96、98は一時的に基材94の下の位置から引込められ、基材94が織布92の下の位置から移動できるようになる。スプレーボックス96、98は、空気、空気/水の混合、または水を、鋳造が進むにつれて織布92の底に供給する水の量を増加して、織布92の底に供給するために、その後、織布92の下に戻される。
【0059】
図9および10は、本発明の方法を使用したモールド100のさらに他の実施形態を図示している。モールド100は断熱可能な側壁102、104、106、および108を含む。底部は壁102、104、106、108の下方に、開口を形成する固定底板110を含むとともに、可動底板112が挿入可能である。可動底板112は銅のような材料から作られる。固定底板110は、いくつかの実施形態では、可動底板112の縁を受けるように構成されたスロット114を形成し、それによって可動底板112を支持する。壁102、103、106、108および可動底板112は、その中にモールドキャビティ116を形成する。
【0060】
溶融金属供給チャンバ118は、壁108および固定底面110とともに、壁120、122および124により形成される。ゲート126は壁108内に形成され、図の実施例では、壁108内に形成された一対のスロットに形成される。供給路(樋)128は溶融金属溶鉱炉から溶融金属供給チャンバ118の真上位置の間にある。放出口130は供給路(樋)128と溶融金属供給チャンバ118の間にある。
【0061】
冷却剤マニホールド132は可動底板112の下方に設置される。冷却剤マニホールド132は、好ましくは可動底板112に接触して、空気、水、または空気と水の混合を選択的に噴霧するように構成される。図示された実施形態では、さらに、供給チャンバ118の下方に設置された排水枡(排出枡)134を含む。モールド100全体はベース136上に支持されている。
【0062】
使用状態では、可動底板112はスロット114内に収容されている。溶融金属は、供給チャンバ118内の溶融金属のレベルがスロット126の下部に届くまで、供給路(樋)128から供給チャンバ118に導入される。供給チャンバ118の中の適切に選択された供給速度を備えたスロット126は、モールドキャビティ116への溶融金属供給速度の制御を確実にする。モールドキャビティ116内の溶融金属のレベルが上がるにつれて、供給チャンバ118内への溶融金属供給速度は、溶融金属がスロット126から離れて、モールドキャビティ116内の溶融金属の上面に直接流れるように調節され、それにより、モールドキャビティ116内の溶融金属の実質的に水平な流れを確保する。冷却剤は、冷却剤マニホールド132を通じて、空気から開始され、次に空気/水の混合に切り替わり、最後には全て水となるように、可動底板112に接触して噴霧される。モールドキャビティ116の下方の溶融金属が凝固する間、可動底板112は移動され、それにより、冷却剤がモールドキャビティ116内のインゴットの下面に直接に接触できるようになる。
【0063】
本発明による鋳造工程の一例では、図9から図10に示すように、7085アルミニウム工程がモールド100を使用して9インチx13インチx7インチインゴットに鋳造された。最初の金属温度は1,280°Fであった。可動底板112は0.5インチ厚みのステンレス鋼板で作られた。熱電対がインゴットの中央線に沿って可動底板112から0.25インチ、0.75インチ、2インチ、および4インチで置かれた。モールドキャビティ116は最初は30秒毎に2インチの速度で、鋳造が進むにつれて充填速度が遅くなるように充填された。最初の水量は、空気/水の混合の形で0.25ガロン毎秒であった。可動底板112は、可動底板112から0.25インチに置かれた熱電対が1,080°Fを示したときに移動された。この時点で、水量は1ガロン毎秒に増加された。
【0064】
図11は、4つの熱電対それぞれの冷却速度を示す。この図からわかるように、1.5から2.12°F/sec.の範囲の冷却速度は実質的に同型の冷却速度である。
【0065】
図12は、インゴット断面の残留応力を示すグラフである。このデータは、9インチ方向に半分にインゴットを切断し、最終表面変形を応力緩和材料として測定して集められた。図12の左側隅部の下方の1つの引張応力と、図12の中央下方部の1つの圧縮応力を除いて、インゴットの応力の大きさは0.6から3ksi.(キロポンド毎平方インチ)の間である。インゴット下方中央のより大きな圧縮応力はほとんど影響ない。なぜなら、圧縮応力は一般的にクラッキングにならないからである。この位置での高い圧縮応力および左角下方の高い引張応力は、おそらく、この位置での基材上に溶融金属が最初に衝突する結果であり、結果的にコールドショット(cold shot)の形成および他の欠陥の可能性をもたらす。最大の引張応力は+6e+02PSI(ポンド毎平方インチ)であった。
【0066】
図13を参照すると、13インチ7085アルミニウム合金DC鋳造インゴットによる、4インチの断面の残留応力が図示されている。図が示すように、実行されたDC鋳造に起因する残留応力は10ksi.と同程度の高さにできる。しかしながら、このインゴット内の応力は、応力を測定したとき既にインゴットは長手方向の欠けがあり、これらの応力を緩和しているので、おそらくより高くなったのだろう。図中で使用したように、シグマは引張または圧縮応力を指す。タウは垂直応力を指す。LTは長さに実質的に平行な方向を指す。そしてSTは厚さに実質的に平行な方向を指す。
【0067】
モールドの下方の冷却装置は、いくつかの好ましい実施形態では、側面12、14、16、18上の断熱材とともに、モールドキャビティ19の下方から上方への鋳造の方向性凝固をもたらす。好ましくは、冷却速度と連係された、モールドキャビティ19への溶融金属の導入速度は、モールドキャビティ19内で常に約0.1インチ(2.54mm)から約1インチ(25.4mm)の間の溶融金属を保つように制御される。いくつかの実施形態では、溶融金属と凝固金属の間の柔らかな領域も実質的に均一な層(厚さ)に保つことが出来る。
この方向性凝固、均一な温度および溶融金属と柔らかな領域の薄片の結果、マクロ偏析は実質的に減少または除去される。
【0068】
図14を参照すると、他のモールドアセンブリ138が図示されている。モールドアセンブリ138は、140、142、144そして断面図に図示されていない142の反対側の第四の側面を含む。全ての4つの壁140、142、144、および図示されない壁は、望ましい黒鉛断熱材で断熱することができる。モールド138はさらに、好ましくは、空気または水などの典型的な冷却剤の通過を許容するほどに十分に大きな直径であるとともに、溶融金属の通り抜けを阻止するほどに十分に小さい直径である多数の間隙148(最良のものが図15に図示されている)を有する底部146を含む。間隙148の好ましい直径は約1/64インチから約1インチの間の範囲である。モールドキャビティ150は壁140、142、144、第四の壁、および底部146によって形成される。壁144はその中にスロットを形成し、図14にスロットの角152が認識できる。
【0069】
溶融金属供給チャンバ154は壁156、158、160、第四の図示しない壁、および底部162によって形成される。供給路(樋)164は、溶融金属溶鉱炉から溶融金属供給チャンバ154の真上の位置の間にある。放出口166は供給路(樋)164から溶融金属供給チャンバ154の間にある。
【0070】
ゲート168は、一対の垂直スロット封鎖部材170、172をもち、チャンネル176を中に形成する水平部材174によって結合されたH形の構造である。スロット封鎖部材170はモールドキャビティ150の壁144の中のスロットを実質的に封鎖するように構成され、封鎖部材172は溶融金属供給チャンバ154の壁156内に形成されたスロットを実質的に封鎖するように構成される。ゲート168は、チャンネル176がモールドキャビティ150の底部146に隣接して位置する下端位置から、モールドキャビティ150の上端に一致する上端位置の間をスライドするように構成される。スロット封鎖部材170、172は、ゲート168の位置に関わらず、チャンネル176を除いた全ての位置で、壁144、156の中に形成されたスロットを通る溶融金属の流れを阻止するように構成される。
【0071】
冷却剤マニホールド178は底部146の下方に設置される。冷却剤マニホールド178は、好ましくは、空気、水、または空気と水の混合を底部に接触して選択的に噴霧するように構成される。
【0072】
レーザーセンサ180はモールドキャビティ150の上方に設置され、好ましくモールドキャビティ150内の溶融金属のレベルを監視するように構成される。
【0073】
使用状態では、溶融金属は供給路(樋)164を通って供給チャンバ154の中に導入される。溶融金属は次にチャンネル176を通ってモールドキャビティ150の中に流れる。モールドキャビティ150内の溶融金属のレベルが上昇するにつれて、ゲート168は、溶融金属が供給チャンバ154から直接モールドキャビティ150内の溶融金属の上面に常に水平に流れるように上昇する。モールドキャビティ150内への溶融金属の供給速度は、冷却速度を制御するように冷却が進むにつれて遅くすることができる。さらに、冷却剤マニホールド178から流れる冷却剤は、鋳造がモールドキャビティ150内の溶融金属の冷却速度を制御するように進むように、空気から空気/水の混合、そして全て水へと変化する。冷却剤は供給チャンバ150内で金属上に直接作用するので、鋳造工程の間、底部146を移動する必要がない。
【0074】
図16は、モールド下方のコンベアの穿孔部を示す、本発明の他の実施形態におけるモールドの等角上面図を示す。図16の全ての要素は、図1に示された同じ参照符号によって表され同一視される。モールド10は、それぞれ中にモールドキャビティ19を形成する4つの側面12、14、16、18を含む。側面12、14、16、18は断熱されることが好ましい。底部20は穿孔部22および網目部24を備えるコンベアによって形成される。コンベアは、穿孔部22または網目部24の一方が選択的に側面12、14、16、18の下に置かれるように、連続的でローラ26、28、30、32を包み込んでいる。コンベアは、例えば、黒鉛、アルミニウム、ステンレス鋼、おおよびインコネル(Inconal)を含む高い熱伝導性を有する全ての剛体材料から作ることができる。
【0075】
図17は、図16の切断線16−16における、図16に示されたモールドの部分断面等角上面図である。
【0076】
図18は、モールドの下方のコンベアの網目部における、図16に示されたモールドの部分断面等角上面図である。
【0077】
図16、17および18は図1、2および4に類似する。2組の図面間における主な違いは、図1、2および4はモールド下方のコンベアの固板部および網目部を示し、図16、17および18はモールド下方のコンベアの穿孔および網目部をそれぞれ示すことである。
【0078】
図19Aは、1050合金の2層間に挟まれた2024合金を有する皮膚シート製品(skin sheet product)の3層多重層インゴットを示す。ここで、2024合金は液相線温度1180°Fで、935°Fの共晶温度であり、1050合金は液相温度1198°Fで、1189°Fの共晶温度である。
この実施例では、0.5インチ厚さ層の1050合金による第一の被覆加工層の鋳物の上に、3.5インチ厚さ層のコア合金2024が0.7ipm(inches per minute)の制御速度で、接合部分温度が1148°Fから1189°Fの間の値に上昇するようにして注がれた。コア金属の鋳造の後、0.75インチ厚さの合金による第二の被覆加工層が接合部分温度を885°Fから1180°Fの間の値に上昇するようにして注がれた。
【0079】
図19Bは、図19Aの3層多重層インゴットの囲み部分における2024合金と1050合金間の接合面を示す顕微鏡写真を示す。これは2024合金および1050合金の間の接合部分が十分に接合されていることを示す。
【0080】
図20Aは、4343合金の2層間に挟まれた3003合金を有するろう付けシート製品(brazing sheet product)の3層多重層インゴットを示す。ここで、3003合金は液相線温度1211°Fで、1173°Fの共晶温度であり、4343合金は液相線温度1133°Fで、1068°Fの共晶温度である。この実施例では、0.75インチ厚さ層の4343合金による第一の被覆加工層の鋳物上に、5.5インチ厚さ層のコア合金3003が0.7ipm(inches per minute)の制御速度で接合部分温度が1018°Fから1083°Fの間の値に上昇するようにして注がれた。コア金属の鋳造の後、0.75インチ厚さの合金による第二の被覆加工層が接触部分温度を1123°Fから1211°Fの間の値に上昇するようにして注がれた。
【0081】
図20Bは、図20Aにおける3層多重層インゴットの囲み部分における3003合金と4343合金間の接合部分を示す顕微鏡写真を示す。これは3003合金と4343合金間の接合部分が十分に接合されていることを示す。
【0082】
本発明では、多重層インゴット製品は2または3層の合金層に限られない。多重層インゴット製品は3層以上の合金層とすることができる。
【0083】
本発明は、その結果、方向性凝固インゴットを製造する装置および方法、および、これらのインゴットを制御された比較的一定な冷却速度で冷却する装置および方法を提供する。本発明は、応力除去の必要性がない、クラックの無いインゴットの鋳造を可能にする。その方法はマクロ偏析を減少または除去し、インゴット全体の均一なミクロ構造をもたらす。その方法はさらに、他の方法で使用されているインゴット鋳物より薄い、実質的に均一な層(厚さ)をもつインゴットを産生する。広い表面積が冷却剤と接触することで、高速冷却と、高い生産性をもたす。
【0084】
本発明の具体的な実施例は詳細に説明されるとともに、これらの詳細の様々な変更および代替が公開の全技術に照らして発展できることは、当業者によって十分に理解される。それ故、開示された特定の配置は一例にすぎず、添付のクレームおよび関連する全ての均等な発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係るモールドの上面からの等角図であり、モールド下方のコンベアの固板部を示す
【図2】図1の2−2切断線における、本発明に係るモールドの部分断面等角上面図
【図3】本発明に係るモールドの等角上面図であり、モールド下方のコンベアの網目部を示す
【図4】図3の4−4切断線における、本発明に係るモールドの部分断面等角上面図
【図5】本発明に係るゲートの平面図
【図6】本発明に係るゲートの正面図
【図7】本発明に係るゲートの側面図
【図8】本発明に係るモールドの他の実施形態における一部切欠の側面等角図
【図9】本発明に係るモールドの他の実施形態における切欠側面等角図
【図10】図9によるモールドの側面等角図
【図11】1つの凝固工程の実施例における時間に対する鋳物の温度を示すグラフ
【図12】本発明によって製造されたインゴットを横断した断面応力分布を示すグラフ
【図13】従来技術に係る方法を使用したインゴット鋳造物内の多様な位置での応力を示すグラフ
【図14】本発明によるモールドおよび移送チャンバのさらにもう1つの実施形態における切欠等角図
【図15】本発明に係るモールドのモールドキャビティの切欠正面等角図
【図16】本発明に係る他の実施形態におけるモールドの上面等角図であり、モールドの下方のコンベアの穿孔部分を示す
【図17】図16の16−16切断線における、図16に示されたモールドの部分断面等角上面図
【図18】モールドの下方のコンベアの網目部における、図16に示されたモールドの部分断面等角上面図
【図19】図19A:1050合金の2層間に挟まれた2024合金を有する薄皮シート製品(skin sheet product)の3層多重層インゴットの透視図 図19B:2024合金と1050合金間の接触面を示す図19Aの囲み部分の顕微鏡写真
【図20】図20A:4343合金の2層間に挟まれた3003合金を有する、ろう付シート製品(brazing sheet product)の3層多重層インゴットの透視図 図20B:3003合金と4343合金間の接触面を示す図20Aの囲み部分の顕微鏡写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造金属の鋳造装置において、
モールドキャビティを形成する複数の側面および底部と、
前記モールドキャビティに隣接して設置された少なくとも1つの金属供給チャンバと、
前記モールドキャビティに導入される溶融金属の流量を制御するように構成され供給チャンバとモールドキャビティ間に設けられた少なくとも1つの制御装置と、からなり、
前記底部は、約1/64インチから1インチの範囲の直径である多数の開口の設けられた部分と網目部とを有するコンベアによって形成されることを特徴とする鋳造金属の鋳造装置。
【請求項2】
鋳造金属の鋳造装置において、
モールドキャビティを形成する複数の側面および底部と、からなるとともに、前記底部は、第一の面および第二の面とからなる少なくとも2つの面を有し、
前記モールドキャビティの側面に隣接した少なくとも1つの金属供給チャンバと、
前記モールドキャビティに導入される溶融金属の流量を制御するように構成され供給チャンバとモールドキャビティの間に設けられた少なくとも1つの制御装置と、からなり、
前記底部は、(a)十分な寸法と(b)複数の開口とを有する基材からなり、
前記底部が、
(1)冷却剤の流れがモールドキャビティ内の底部の第一の面の方向からとなるようにして、冷却剤が前記開口を通って流れて直接金属に接触可能にするとともに、
(2)同時に、底部の第二の面の上に最初に注がれた金属が、前記開口を通って底部の第一の面に出ることを阻止するように構成されることを特徴とする鋳造金属の鋳造装置。
【請求項3】
前記開口は、網目の開口の形状に等しい形状を有することを特徴とする請求項記載の鋳造装置。
【請求項4】
前記開口は、約1/64インチから1インチの範囲の直径の孔に等しい形状を有することを特徴とする請求項記載の鋳造装置。
【請求項5】
前記底部は、第二面の複数の開口の少なくとも一部の上が、網目であることを特徴とする請求項記載の鋳造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図12】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−27928(P2013−27928A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−209923(P2012−209923)
【出願日】平成24年9月24日(2012.9.24)
【分割の表示】特願2008−521636(P2008−521636)の分割
【原出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(507357759)アルコア インク. (8)