説明

一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーン

【課題】一般電力給電(商用電力)利用のタイヤ式門型コンテナクレーンを提供する。
【解決手段】ガントリーと、全機械給電回路と、ガントリーに設置され、RTG(タイヤ式門型コンテナクレーン)の全機械給電回路から給電される複数のモーター142,143を備える一般電力給電利用のRTGを提供するものであり、全機械給電回路がケーブルにより一般電力の電気回路網と接続される。上述ガントリー側に設置され、上述ケーブルが巻き回され、ケーブルの一端がRTGの全機械給電回路と接続され、もう一端がその下のガントリー桁に設置されるケーブルガイド装置に沿い地面のケーブルスロットに入り、そしてケーブルスロットに沿い延伸し、ケーブルスロット端部の一般電力接続盤までに接続されるケーブルリールを更に備える。RTGが走行する時、ケーブルリール16はRTGと一般電力接続盤との距離によりケーブルを収納/取出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテナの積卸及び運輸設備に関し、特に一般電力(または商用電力)の電気回路網からの給電を動力源とするタイヤ式門型コンテナクレーン(またはトランスファークレーン)に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、世の中のタイヤ式門型コンテナクレーンは全て重油内燃機関を動力源としている。一方、世界中の燃油価額の連続向上に連れて、マーケットの燃油供給も日増しに減少している。その同時に、グローバルマーケットの国際貿易取引量の更なる増大で、コンテナ運輸の業務を扱うターミナルの数と規模が大きくなっているから、ターミナル運営コストでの燃油費用の比率も高まっている。集計データから見ると、ディーゼル発電ユニットを動力源とするタイヤ式門型コンテナクレーン(RTG)のディーゼル消耗費用は、大きな割合を占めていると分かる。毎年何億元の燃油費用も超えているターミナルも現れた。燃油の多量消耗は経済性も良くないし、環境への影響も大きい。そのため、燃油の代わりに、経済性のより良いエネルギーである一般電力を動力に使うタイヤ式門型コンテナクレーンを研究・開発することが重要な課題となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述問題を解決するために、本発明は一般電力給電(商用電力)利用のタイヤ式門型コンテナクレーン(以下RTGと称する)を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述問題を解決するために提供する本発明は、ガントリーと、全機械給電回路(配電回路)と、ガントリーの適当な位置に設置され、上述全機械給電回路から給電される複数のモーターを備える一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーンであって、上述全機械給電回路がケーブルにより一般電力と接続されることを特徴とする。
【0005】
更に、上述一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーンは、上述ガントリー側に設置され、上述ケーブルが巻き回され(巻かれ)、ケーブルの一端が上述全機械給電回路と接続され、もう一端(他端)にプラグが接続されるケーブルリールを備える。
【0006】
上述一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーンは、その上述ガントリー側にケーブルリールの装着プラットフォームが設置される。
【0007】
上述一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーンは、端部に一般電力接続盤が設置され、その一般電力接続盤に上述ケーブルプラグと相応しい(相応する)ソケットが設置され、上述ケーブルがケーブルリールから垂れケーブルスロットに入り、そしてケーブルスロットに沿いケーブルスロット端部にある一般電力接続盤までに接続されるケーブルスロット式溝が、クレーンの上述ケーブルリールの真下の走行レールに設置される。
【0008】
更に、上述一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーンは、ガントリーの底部に設置され、ケーブルスロットの上方に位置し、ケーブルがケーブルリールから垂れた後それをケーブルスロットに導くチョック(chock)を備える。
【0009】
本発明のRTGが走行する時、ケーブルリールはRTGと一般電力接続盤との距離により、ケーブルを収納/取出するので、RTGの作業エリアでの電力供給を確保する。このような一般電力利用のRTGは、従来のディーゼル発電ユニットを動力源とするRTGに比べ、簡素化、高安全性、保守簡易、高効率、高経済性、無汚染という特徴を持ち、環境にやさしいグリーンRTGである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1と図2のように、本発明の一般電力給電利用のRTG100はガントリー10と、全機械給電回路と、トロリー駆動モーター141と台車駆動モーター142とリフトアップモーター143からなる複数のモーターを備える。本RTGは、全機械給電回路がケーブル18により一般電力の電気回路網と接続され、一般電力からの給電を動力源に利用できることを特徴とする。RTG走行の時、ケーブル18はRTGと電気回路網との距離により収納/取出するので、ケーブルの収納/取出機構の利用が必要である。以下、一つの実施例で説明するが、それは本発明を限るものではない。
【0011】
図1は本発明の一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーンの一つの実施例の正面図である。図面のように、RTG100はケーブルリール16とチョック19を備える。ケーブルリール16は、ケーブル18を収納/取出するように、ガントリー10側のアウトリガーにある、必要に応じて高さが調整できるプラットフォーム17に設置される。チョック19はガントリー10側の底部のフレーム鋼構造13に設置される。ケーブル18はケーブルリール16に巻き回され、その一端が全機械給電回路により複数のモーターに給電できるように、RTG100の全機械給電回路と接続されるが、もう一端に一般電力の接続盤20と接続するための急速プラグ(またはプラグ)が接続される。
【0012】
図3のように、ケーブルリール16の真下に相応する走行レールが設置され、図3は走行レール1と走行レール2の二本の走行レールの場合だけを例にするが、それぞれの上に相応するケーブルスロット22が設置され、当該ケーブルスロット22の延伸方向がRTG100の走行方向である走行レールの方向と一致する(図3での矢印Cの方向)。ケーブルスロット22の端末に、給電できるように一般電力の電気回路網と接続され、上にケーブルプラグと相応しいソケットが設置される一般電力接続盤20が設置される。ケーブル18のもう一端はケーブルリール16の中から引出され、垂れ、地面高さのチョック19を介して地面にあるケーブルスロット22に入り、そしてケーブルスロット22に沿いケーブルスロット22の端末に設置される一般電力接続盤20と接続される。ケーブル18の地面部分は全てケーブルスロット22の中に入っている。
【0013】
ケーブルリール16の存在する面は、ケーブル18を自由に収納/取出できるようにRTG100の走行方向(図2での矢印Bの方向)と平行する。RTG100のタイヤか他交通車両に踏まれなく、ケーブル18をストレートに地面にあるケーブルスロット22に導くように、チョック19の高さは地面に近い。それでケーブル18の安全性を保つ。但し、ケーブルリールの装着高さが低い場合、ケーブルの自重で地面のケーブルスロットに位置正しく入れるので、チョック19は必須のものではない。
【0014】
図1で示した本発明のケーブルリール16とケーブル18とチョック19はガントリー10の内側に設置されるが、ターミナルの配置に応じてケーブルリール16とケーブル18とチョック19をガントリー10の外側に設置しても良い。
【0015】
図3はターミナルヤードの走行レールの図である。図3には二つのRTG100走行レールがあり、それぞれ走行レール1と走行レール2である。RTG100が走行レール1の上で作業する時、ケーブル18の急速プラグは走行レール端末の一般電力接続盤20のソケットに差込まれ、その地面部分はケーブルスロット22の中に入っている。RTG100がヤードの走行レール1に沿い各コンテナまで移動し作業する時は、ケーブルリール16がRTG100と一般電力接続盤20との距離によりケーブル18を収納/取出することにより、電力の連続供給を実現する。また、ケーブルの安全性を保つために、チョック19により、動力であるケーブル18がストレートに地面のケーブルスロット22に導くことを保証する。
【0016】
RTG100がトロリーによりもう一本の走行レール2に移動する場合は、RTG100のケーブル18を走行レール1の一般電力接続盤から抜出し、走行レール2の一般電力接続盤に差込み、走行レール2の一般電力接続盤からの給電で走行レール2で作業を行う。
【0017】
上述方案により、RTG100の給電方式を一般電力の電気回路網による給電に変換することができる。このような一般電力利用のRTGは、従来のディーゼル発電ユニットを動力源とするRTGに比べ、簡素化、高安全性、保守簡易、高効率、高経済性、無汚染という特徴を持ち、環境にやさしいグリーンRTGである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーンの第一実施例の正面図である。
【図2】図2は本発明の一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーンの一つの実施例のA方向沿いの(図1のA方向から見た)図である。
【図3】図3は本発明の一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーンの走行する、ターミナルヤードの走行レールの図である。
【符号の説明】
【0019】
10 ガントリー、16 ケーブルリール、17 プラットフォーム、18 ケーブル、19 チョック、100 タイヤ式門型コンテナクレーン(RTG)、141 トロリー駆動モーター、142 台車駆動モーター、143 リフトアップモーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガントリーと、全機械給電回路と、ガントリーの相応する位置に設置され、該全機械給電回路から給電される複数のモーターを備える一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーンであって、該全機械給電回路がケーブルにより一般電力と接続されることを特徴とする一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーン。
【請求項2】
前記ガントリー側に設置され、前記ケーブルが巻き回され、ケーブルの一端が前記全機械給電回路と接続され、もう一端にプラグが接続されるケーブルリールを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーン。
【請求項3】
端部に一般電力接続盤が設置され、該一般電力接続盤に前記ケーブルプラグと相応するソケットが設置され、前記ケーブルがケーブルリールから垂れケーブルスロットに入り、そしてそのもう一端がケーブルスロットに沿いケーブルスロット端部にある一般電力接続盤までに接続されるケーブルスロット式溝が、前記ケーブルリールの真下の走行レールに設置されることを特徴とする請求項1に記載の一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーン。
【請求項4】
ガントリーの底部に設置され、ケーブルスロットの上方に位置し、ケーブルがケーブルリールから垂れた後それをケーブルスロットに導くチョックを更に備えることを特徴とする請求項3に記載の一般電力給電利用のタイヤ式門型コンテナクレーン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−223805(P2007−223805A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40305(P2007−40305)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(506013472)上海振華港口机械(集団)股▲分▼有限公司 (9)