説明

丁合機

【課題】 チラシ束を複数に分けて溜めておくことが可能な丁合機を提供する。
【解決手段】 多数のチラシaが積載される給紙台1及び該給紙台1からチラシaを1枚ずつ装置の下流側へと送り出す給紙装置32を備える複数の給紙部と、各給紙部から送り出されたチラシaを丁合してチラシ束cにするとともに、該チラシ束cを装置の下流側へと搬送する縦送り装置34を備える搬送部とを有する丁合機30は、搬送部によって搬送されたチラシ束cを受け取り、チラシ束cを積載して溜めておく第1トレー39及び第2トレー53を有するとともに、第1トレー39へチラシ束cを排出する第1排出ルートと、第2トレー53へチラシ束cを排出する第2排出ルートと、を切り換えるルート切換機構として排出コンベヤ52を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞の折込広告等といった複数種類のチラシを丁合してチラシ束とするための丁合機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、新聞の折込広告は複数種類のチラシを重ねて丁合することによりチラシ束とされ、このようなチラシ束を短時間で多数作成する装置として、特許文献1や特許文献2に示されるような丁合機が使用されている。
上記丁合機は、複数の給紙台と、1つの排出トレーと、を有しており、各給紙トレーにそれぞれ異なる種類のチラシを積載しておくことで、各給紙トレーから1枚ずつチラシを取り出して丁合し、多数のチラシの丁合物であるチラシ束を形成するとともに、出来上がったチラシ束を排紙トレー上に積み重ねて溜めておく構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−122508号公報
【特許文献2】特開2002−3075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来の丁合機においては、チラシ束を溜めておく排紙トレーが1つのみしか設けられていないため、例えばチラシの組み合わせが異なるチラシ束同士や、正常なチラシ束と丁合ミスしたチラシ束等のようにチラシ束を複数に分けて溜めておくことができず、またこのようにチラシ束を分けて溜めておくには、その都度丁合機を停止させる必要があるため、作業効率が悪いという問題があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、チラシ束を複数に分けて溜めておくことが可能な丁合機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の丁合機の発明は、多数のチラシが積載される給紙台及び該給紙台から該チラシを1枚ずつ装置の下流側へと送り出す給紙装置を備える複数の給紙部と、上記の各給紙部から送り出された上記チラシを丁合してチラシ束にするとともに、該チラシ束を装置の下流側へと搬送する搬送装置を備える搬送部と、上記搬送部によって搬送された上記チラシ束を受け取り、上記チラシ束を積載して溜めておく排出トレーへと排出する排出装置を備えるストッカー部と、を有する丁合機であって、上記排出トレーとして第1トレーと、第2トレーと、が設けられており、上記排出装置は、上記第1トレーへ上記チラシ束を排出する第1排出ルートと、上記第2トレーへ上記チラシ束を排出する第2排出ルートと、を切り換えるルート切換機構を有していることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の丁合機の発明において、上記排出装置は上記ルート切換機構として、第1プーリ、第2プーリ、及び該第1プーリと第2プーリの間に架け渡されたベルトからなる排出コンベヤを有しており、上記第1排出ルートと上記第2排出ルートとを切り換える場合には、上記第1プーリの回転軸を中心として上記排出コンベヤを上記第1トレーと上記第2トレーの間で回動させるように構成されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の丁合機の発明において、上記排出装置は、上記チラシ束を上記排出トレーへと搬出する搬出コンベヤを有しているとともに、上記ルート切換機構として該搬出コンベヤに対して接近及び離隔自在に構成された切換アームを有しており、通常時はチラシ束を上記第1排出ルートで上記第1トレーへ排出し、上記第1排出ルートから上記第2排出ルートに切り換える場合には、上記切換アームを上記搬出コンベヤに接近させて該切換アームで該搬出コンベヤ上のチラシ束をすくい上げて上記第2トレーへ排出するように構成されていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の丁合機の発明において、上記給紙装置及び上記搬送装置のうち少なくとも何れか一方には、給紙ミス、チラシの重送及び用紙の詰まりのうち少なくとも何れかの状態をセンサーで検出することによって給紙異常を検知する検知機構が設けられており、上記排出装置は、通常の場合に上記第1排出ルートで上記第1トレーへ上記チラシ束を排出し、上記検知機構によって給紙異常が検知された場合に上記ルート切換機構によって上記第1排出ルートから上記第2排出ルートへ切り換えて上記第2排出ルートで上記第2トレーへ上記チラシ束を排出することを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
〔作用〕
本発明の丁合機によれば、排出トレーとして第1トレー及び第2トレーの2つを設け、かつストッカー部の排出装置には第1トレー及び第2トレーの各トレーへチラシ束を排出する第1排出ルート及び第2排出ルートを切り換えるルート切換機構が設けられているので、チラシの組み合わせが異なるチラシ束や丁合ミスしたチラシ束を他のチラシ束と分けて溜めておくことが可能であり、作業効率の向上が図られている。
またルート切換機構として回動自在な排出コンベヤを設けたことにより、ルート切換を確実に行うことが出来るようになっており、さらに該排出コンベヤそのものが回動してルート切換を行うことから、ルート切換機構が設けられていない既存の丁合機に外部オプションとして該排出コンベヤを取り付けることが出来る。
またルート切換機構として、排出トレーへチラシ束を搬出する搬出コンベヤ上からチラシ束をすくい上げる切換アームを設けたことにより、ルート切換を確実に行うことが出来るようになっており、さらにルート切換機構の構成を小型化することができ、丁合機に内蔵可能となっている。
また給紙異常を検知する検知機構とルート切換機構とを連動させることにより、丁合ミスのチラシ束の回収を、作業を停止することなく、さらに自動で機械的に行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0007】
〔効果〕
本発明の丁合機によれば、チラシ束を複数に分けて溜めておくことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態における丁合機の縦断面図。
【図2】給紙装置の縦断面図。
【図3】給紙装置の要部断面図。
【図4】給紙ローラおよび搬送ローラの動作線図。
【図5】別形態における丁合機の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を具体化した一実施形態について説明する。
図1に示すように、丁合機30は、前後両面が開口した箱状のケーシング31内に、給紙台1と、該給紙台1の先端部付近に設けた給紙ローラ2と補助ローラ3と捌き板4および搬送ローラ5,5等から成る給紙装置32と、を備える給紙部が前後に2列、上下に複数組並設されている。各給紙台1上から給紙ローラ2により送り出された丁合前のチラシaは、搬送ローラ5を経て、搬送部へと送られる。
上記搬送部においてチラシaは、案内ローラ33を有する搬送装置を構成する縦送り装置34により順次積層されながら装置の下流側である下方へ送られる。該縦送り装置34の最下段には、搬送装置を構成する折込装置35が設けられており、該折込装置35では、最下段の給紙装置32から送出された二つ折り用のチラシbが上下動する折込刃36によってその中央部を折られ、この折られたチラシbに上方から送られてきたチラシaの一揃が折込ローラ37によってはさみ込まれて、チラシ束cとされる。
上記の丁合状態にあるチラシ束cは、ストッカー部において、排出装置を構成する搬出コンベヤ38により、排紙トレーである第1トレー39上へ排出されて、集積されるように構成されている。
【0010】
上記給紙部について詳述すると、給紙台1は、梁状のテーブル部1aと、ピン8により傾動自在に支持された傾斜板部1bとから成り、テーブル部1aの上面は、捌き板4が露出する穴部を除いてカバー1cによって覆われ、給紙対象であるちらしaは傾斜板部1bおよびカバー1c上に積層状態で載せられる。
給紙ローラ2および補助ローラ3は、外周部に鋸歯状の凹凸を有するゴムタイヤをそなえ、給紙ローラ2は、上段側のテーブル部1aに垂設固定したブラケット11に回転自在に支持されたローラ駆動軸12に、ワンウエイニードルベアリング13により一方向(矢印X方向)にのみ回転自在に取付けてある。また補助ローラ3は、ローラ駆動軸12に揺動自在に支持されたアーム14に回転自在に取付けた支軸15に、ワンウエイニードルベアリング16により一方向(矢印X方向)にのみ回転自在に取付けてあり、この支軸15およびローラ駆動軸12にそれぞれキー止めしたプーリ17,18に巻掛けたタイミングベルト19(ギヤ機構でもよい)により給紙ローラ2と連動して回転し、給紙時に最上層のちらしaを摩擦駆動するためのものである。
上記アーム14には、該アーム14とローラ駆動軸12との間に制動トルクを発生させるブレーキと、つまみ20の回動操作によりこの制動トルクを調整するトルク調整機構が設けられ、上記制動トルクの調整により補助ローラ3のチラシaに対する押圧付力、従ってチラシaに対する摩擦駆動力を調節できるようになっている。なお、ここでは上記アーム14と上記ローラ駆動軸12との間に摩擦力を付与したが、該アーム14と上記支軸15との間に摩擦力を付与しても同様の効果が得られる。
上記捌き板4は、テーブル部1aに固設したブラケット21により回動自在に支持された揺動軸22に固着した揺動台23の上面に取付けられ、この揺動台23を圧接力調節機構により、図示しないつまみの操作により回動させて、捌き板4および給紙ローラ2の外周のゴムタイヤ部の弾性変形量を調節することにより、捌き板4と給紙ローラ2との間の捌き圧(圧接力)Pを調節できるようになっている。また搬送ローラ5は、図示しない丁合機のフレームに回転自在に支持された搬送ローラ駆動軸24に固定取付されている。
【0011】
図2に示すように、上記給紙装置32は、検知機構を構成するセンサーとして、搬送ローラ5,5間にチラシが噛込まれたことを検出する検出器41を備えている。該検出器41は、搬送ローラ5,5の接触点よりも所定量だけちらし進行側の位置に、チラシaの先端部により押圧されるヒンジレバー42の駆動端部42aを位置させて、テーブル1aに取付けたマイクロスイッチ43から成る。
上記検出器41においては、チラシaによってヒンジレバー42が押圧されなかったり、マイクロスイッチ43が作動し続けたり、あるいはマイクロスイッチ43が作動しなかったり等の状態を検出することにより、給紙ミス、チラシの重送及び用紙の詰まりの給紙異常を検知する。
【0012】
図3に示すように、ケーシング31のフレーム44に回転自在に支持されたローラ駆動軸12と搬送ローラ駆動軸24とは、プーリ45,46とそれに巻掛けたタイミングベルト47により、給紙ローラ2と搬送ローラ5が同じ周速で回転するように連動駆動されるとともに、プーリ45とローラ駆動軸12との間に介装した電磁クラッチ48により、上記連動駆動が解除されるようになっている。また49は搬送ローラ駆動軸24の一端部側に設けた電磁ブレーキ、50は同じく他端部側に設けた電磁クラッチで、この電磁クラッチ50の駆動側に取付けたプーリ51と、図示しない駆動機により回転駆動される縦送り装置34の案内ローラ33の駆動軸端部に取付けたプーリ(図示しない)との間には、タイミングベルト52が巻掛けてある。
【0013】
次に上記構成の装置による給紙方法を、図4(c)も参照しつつ説明すると、先ず第1駆動工程として、搬送ローラ5回転駆動中に、電磁クラッチ48を接続状態として給紙ローラ2を起動し、搬送ローラ5と同じ周速で回転駆動する。これによって給紙台1上の最上層のちらしaは、補助ローラ3による摩擦駆動および給紙ローラ2と捌き板4による摩擦駆動と分離作用を受けて、矢印Y方向に送り出され、先端部が搬送ローラ5,5間に噛込まれたら、これを検出器41により検出し、その検出信号により電磁クラッチ50を切離し状態とするとともに電磁ブレーキ49により搬送ローラ駆動軸24を制動して、搬送ローラ5および給紙ローラ2を停止させる。
【0014】
次いで第2駆動工程として、丁合に必要なタイミング、すなわち各段の給紙装置32における上記噛込停止位置から縦送り装置34を経て折込装置35部のチラシb上の折込位置に至る距離とその間の搬送速度から算出した搬送所要時間にもとづき各ちらしの先端が揃うように各段毎に時間差を設けたタイミングでもって、電磁ブレーキ49の解除および電磁クラッチ50の接続をおこない、給紙ローラ2および搬送ローラ5を再起動して前記第1駆動工程と同じ周速でこれらのローラを回転駆動する。これによって搬送ローラ5,5に先端部が噛込まれた状態のチラシaは、給紙ローラ2および搬送ローラ5により駆動され矢印Y方向に送り出される。
【0015】
そして上記の起動時点から、チラシaの後端部が給紙ローラ2(と捌き板4の間)部を通過する時点(≒ちらし巾を搬送速度で除した時間の経過時点)よりも前に、電磁クラッチ48を切離し状態としローラ駆動軸12の駆動を停止する。この停止指令を受ける迄、給紙ローラ2は捌き板4と共にちらし分離動作をおこない、ローラ駆動軸12の停止後はワンウエイニードルベアリング13によりちらしが完全に引出される迄、給紙ローラ2は追従回転する。搬送ローラ5は回転を継続させて、前記分離したちらしを縦送り装置34部へ供給するとともに、その後は次のちらしの噛込にそなえて回転状態とし、1枚のちらしaの給紙(1サイクル)を完了する。上記の工程を繰返して、給紙台1上のちらしを最上層から順次1枚ずつ縦送り装置34部へ供給して丁合に供するのである。
【0016】
このように、先ず上記第1駆動工程後、検出器41によりチラシの先端部が搬送ローラ5に噛込まれた状態で一旦停止させるので、ちらしのサイズおよび紙質,紙厚,表面仕上状態などによる捌き板4部での分離(捌き)時間の長短に拘わらず、ちらしは上記噛込状態で先端が揃えられ、その後第2駆動工程で送り出されるため、捌き板4の捌き圧Pのばらつきは図4(a)の従来法よりも大きくてよく、捌き圧Pの調整は容易におこなうことができ、この調整のもとで、ちらしは給紙遅れや重送をおこすことなく確実に1枚ずつ送り出されて丁合部(折込装置35部)に先端部が揃った状態で到達する。
【0017】
また図4(b)に示す従来法における捌き時の低速に比べて、第1駆動工程(従って第2駆動工程)における給紙ローラ2および搬送ローラ5の回転速度は大きくとることができる(単位時間当りの丁合処理枚数同一の条件下では、上記回転速度は上記従来法の低速と高速の中間の値となる)ので、図4に示す検出器41による噛込検出時点のばらつき、すなわち図4に示す第1駆動工程の変動時間許容範囲Tは、上記従来法より大きくとることができ、捌き板4の捌き圧Pの調整許容範囲は図4(b)の従来法に比べてさらに広くてよく、捌き圧Pの調整はさらに容易となるのである。
【0018】
次に上記第2駆動工程では、第1駆動工程と同じ周速度で給紙ローラ2による捌きと摩擦駆動を行うので、チラシの分離および送り出しが確実に行われ、給紙ローラ2の駆動停止後も、搬送ローラ5による搬送速度は図4(b)に示す従来法の場合に比べて低速でよいため、この従来法におけるような高速引出しに伴うチラシの破れは発生しにくく、又搬送ローラ5の摩耗も少なく、この摩耗の急速進行に伴う給紙もれ(給紙ミス)や用紙の詰まりをほとんど起こすことがない。さらに上記従来法におけるような速度切替手段および速度差吸収のためのワンウエイクラッチなどは不要なので、装置は簡潔ですむ。
【0019】
上記丁合機30において、ケーシング31の下部であって搬出コンベヤ38の進行側端部にはアタッチメントケース51が取り付けられており、該アタッチメントケース51内には、ルート切換機構として排出コンベヤ52が内装されている。またアタッチメントケース51の外部で下部には、上記第1トレー39が配設されており、該第1トレー39よりも上方位置でアタッチメントケース51の外部で中間部には、排出トレーである第2トレー53が取り付けられている。
該排出コンベヤ52は、搬出コンベヤ38側に配置された第1プーリ54と、第1トレー39側に配置された第2プーリ55と、これら第1プーリ54と第2プーリ55の間に架け渡されたベルト56と、によって構成されている。
該排出コンベヤ52において、第1プーリ54及び第2プーリ55は、それぞれの回転軸がブラケット(図示略)によって支持されている。これらブラケットのうち、第1プーリ54側のブラケットは、アタッチメントケース51に固定されている。一方、第2プーリ55側のブラケットは、上記第1トレー39と上記第2トレー53の間で上下方向へ移動自在にアタッチメントケース51内に取り付けられている。さらに該第2プーリ55側のブラケットには、ソレノイド等の電磁的手段あるいはシリンダ等の機械的伸縮手段からなるアクチュエータ(図示略)が接続されており、該アクチュエータを作動させることにより、上記排出コンベヤ52は、上記第1プーリ54の回転軸を中心として上記第1トレー39と上記第2トレー53の間を上下方向に回動する。
【0020】
通常時において上記排出コンベヤ52は、下方へ回動された状態に保たれ、上記搬出コンベヤ38と上記第1トレー39とを繋ぐ第1排出ルートを構成し、チラシ束cを上記第1トレー39に排出する。
一方、上記検出器41等の検知機構によって給紙異常が検知された場合、上記排出コンベヤ52は、アクチュエータの作動によって迅速に上方へ回動し、上記搬出コンベヤ38と上記第2トレー53とを繋ぐ第2排出ルートを構成することにより、給紙異常時に作成されたチラシ束cを上記第2トレー53に排出する。そして、上記第2トレー53にチラシ束cを排出した後は、直ちに下方へ回動し、上記第1排出ルートを構成してチラシ束cを上記第1トレー39に排出する。
【0021】
ルート切換機構については、上記した構成の他、以下のような構成とすることも可能である。
図5に示すように、上記搬出コンベヤ38の上方位置には、切換アーム61が配設されている。該切換アーム61は、その基端部においてブラケット(図示略)により支持されている。また該切換アーム61の基端部には、ソレノイド等の電磁的手段あるいはシリンダ等の機械的伸縮手段からなるアクチュエータ(図示略)が接続されており、該アクチュエータを作動させることにより、該切換アーム61は、基端部を中心としてその先端部を略上下方向に回動自在に構成されている。
さらにケーシング31の外部で下部には、上記第1トレー39が配設されており、該第1トレー39よりも上方位置でケーシング31の外部には、排出トレーである第2トレー53が取り付けられている。また上記切換アーム61の基端部と、第2トレー53との間には、排出ベルト62が設けられている。
【0022】
通常時において上記切換アーム61は、上方へ回動されることにより、その先端部が搬出コンベヤ38から離隔された状態に保たれており、上記搬出コンベヤ38が上記第1トレー39に繋がる第1排出ルートが構成され、チラシ束cは上記第1トレー39に排出される。
一方、上記検出器41等の検知機構によって給紙異常が検知された場合、上記切換アーム61は、アクチュエータの作動によって迅速に下方へ回動し、その先端部が上記搬出コンベヤ38に接近することにより、上記搬出コンベヤ38と上記排出ベルト62とを繋ぐ第2排出ルートを構成する。その結果、給紙異常時に作成されたチラシ束cは、一旦搬出コンベヤ38に載せられた後、上記切換アーム61上に載せ替えられる。そして、上記切換アーム61は、チラシ束cが載せ替えられた後は、直ちに上方へ回動することにより第1排出ルートを解放するとともに、該チラシ束cをすくい上げ、第2排出ルートを介してチラシ束cを上記第2トレー53へ排出する。
【0023】
なお本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、下記のように変更してもよい。
例えば上記実施形態では給紙異常時にルート切換を行う構成としたが、丁合するチラシの種類が異なる場合や、チラシ束を所定数だけ選り分ける場合にルート切換を行ってもよい。
給紙異常を検知する検知機構は、上記した構成に限らず、公知のセンサーを使用してもよく、また搬送部に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の丁合機によれば、所望に応じてチラシ束を複数に分けて溜めておくことが可能であり、作業効率の向上を図ることが出来るため、産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0025】
1 給紙台
2 給紙ローラ
4 捌き板
5 搬送ローラ
30 丁合機
32 給紙装置
33 案内ローラ
34 縦送り装置
35 折込装置
38 搬送コンベヤ
39 第1トレー
41 検出器
52 排出コンベヤ
53 第2トレー
54 第1プーリ
55 第2プーリ
56 ベルト
61 切換アーム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のチラシが積載される給紙台及び該給紙台から該チラシを1枚ずつ装置の下流側へと送り出す給紙装置を備える複数の給紙部と、
上記の各給紙部から送り出された上記チラシを丁合してチラシ束にするとともに、該チラシ束を装置の下流側へと搬送する搬送装置を備える搬送部と、
上記搬送部によって搬送された上記チラシ束を受け取り、上記チラシ束を積載して溜めておく排出トレーへと排出する排出装置を備えるストッカー部と、
を有する丁合機であって、
上記排出トレーとして第1トレーと、第2トレーと、が設けられており、
上記排出装置は、上記第1トレーへ上記チラシ束を排出する第1排出ルートと、上記第2トレーへ上記チラシ束を排出する第2排出ルートと、を切り換えるルート切換機構を有している
ことを特徴とする丁合機。
【請求項2】
上記排出装置は上記ルート切換機構として、第1プーリ、第2プーリ、及び該第1プーリと第2プーリの間に架け渡されたベルトからなる排出コンベヤを有しており、
上記第1排出ルートと上記第2排出ルートとを切り換える場合には、上記第1プーリの回転軸を中心として上記排出コンベヤを上記第1トレーと上記第2トレーの間で回動させるように構成されている
請求項1に記載の丁合機。
【請求項3】
上記排出装置は、上記チラシ束を上記排出トレーへと搬出する搬出コンベヤを有しているとともに、上記ルート切換機構として該搬出コンベヤに対して接近及び離隔自在に構成された切換アームを有しており、
通常時はチラシ束を上記第1排出ルートで上記第1トレーへ排出し、上記第1排出ルートから上記第2排出ルートに切り換える場合には、上記切換アームを上記搬出コンベヤに接近させて該切換アームで該搬出コンベヤ上のチラシ束をすくい上げて上記第2トレーへ排出するように構成されている
請求項1に記載の丁合機。
【請求項4】
上記給紙装置及び上記搬送装置のうち少なくとも何れか一方には、給紙ミス、チラシの重送及び用紙の詰まりのうち少なくとも何れかの状態をセンサーで検出することによって給紙異常を検知する検知機構が設けられており、
上記排出装置は、通常の場合に上記第1排出ルートで上記第1トレーへ上記チラシ束を排出し、上記検知機構によって給紙異常が検知された場合に上記ルート切換機構によって上記第1排出ルートから上記第2排出ルートへ切り換えて上記第2排出ルートで上記第2トレーへ上記チラシ束を排出する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の丁合機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−86979(P2012−86979A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237534(P2010−237534)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000152125)株式会社プレッシオ (10)
【Fターム(参考)】