説明

丁合装置

【課題】複数配列された給紙部それぞれに用紙束を積載し、各給紙部から1枚ずつ取り出された用紙を重ね合わせて丁合束とする丁合装置において、作成する丁合束全束数を丁合装置に入力して丁合作業を行う際に、特定の用紙のみ丁合束全束数よりも少ない数の束にのみ含ませるようにする際の手間を軽減する。
【解決手段】丁合装置の任意の給紙部を指定し、この指定した給紙部固有の固有カウント数設定手段を設ける。固有カウント数を指定した給紙部では、固有カウント数分の給紙が終了すると給紙動作が停止し、その他の給紙部では給紙動作が継続するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の給紙部を丁合搬送路沿いに配置し、各給紙部より1枚ずつ給紙された用紙を丁合搬送路で重ね合わせ、1セットの用紙束を形成する丁合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
丁合搬送路沿いに配置された複数の給紙部に用紙の束を積載し、各給紙部より1枚ずつ用紙を取り出しながら丁合搬送路で重ね合わせ、1セットの用紙束を形成する丁合装置は、製本工程や新聞の折り込み広告束の作成に広く利用されている。
【0003】
図13はこのような丁合装置の一例として、背景技術の新聞広告用の丁合装置101を示す模式図である。
【0004】
図13に示すように、この背景技術の丁合装置101は、筐体2の図示左側において上下方向に並列して給紙部3a〜3jが、筐体2の図示右側において上下方向に並列して給紙部3k〜3tが設けられ、それぞれの給紙部3に広告Pの束が積載される。
【0005】
図14は、この背景技術の丁合装置101の給紙部3に広告Pを積載した状態を示す模式図である。給紙部3には固定された給紙板4と、最上位の広告Pの先端上面に圧接する給紙ローラ5と、この給紙ローラ5に下方から圧接するサバキ板6と、最上位の広告Pの先端を給紙ローラ5とサバキ板6との間に進入させるための補助給紙ローラ7とが設けられ、給紙ローラ5と補助給紙ローラ7が駆動回転することにより、最上位の広告Pを給送方向(矢印A方向)に前進させる。このとき、給紙ローラ5と広告P、広告Pとサバキ板6、広告P同士の、それぞれの摩擦係数の相違による作用によって、最上位の広告Pは、2枚目以下の広告Pと分離され、最上位の広告1枚のみが、給紙ローラ5とサバキ板6との間を通り抜けて給送方向に前進する。給送された広告Pはその先端が横搬送ローラ対8に挟持され、ガイド板9に導かれて縦搬送ローラ対10に挟持され、矢印B方向に搬送される。また、この給紙部3には、広告Pが積載されているか否かを検知する用紙有無検知手段であるセンサS1が設けられている。
【0006】
図13に示すように、並列配置された給紙部3それぞれに対応して設けられた縦搬送ローラ対10と複数のガイド板とによって、筐体2の図示中央部に上下方向に丁合搬送路11が形成されている。各給紙部3から供給された広告Pは、その先端が揃うように、この丁合搬送路11において重ね合わせられ、丁合束を形成しながら下方へ搬送される。
【0007】
図示左方の最下位の給紙部3aのさらに下方には、折給紙部12が設けられており、給紙部3と同様に給紙ローラ、サバキ板等が設けらている。この折給紙部12にも広告P1の束が積載されており、束の最上位の広告P1のみを、図示矢印C方向に給送する。すると広告P1は折込板13内に進入し、その先端がストッパ14に当接していったん停止するとともに、丁合搬送路11において重ね合わせられた広告Pの束が、広告P1の上面中央部に上方から当接する。このとき、ナイフ15を備えたフラップ16が、待機位置16aから折り込み位置16bに移動して、広告P1にナイフ15の先端を当接させることにより、当接した部分を折りローラ対17にくわえ込ませ、広告P1に折り目をつける。この時、広告P1の折り目の内側に丁合搬送路11より搬送されてきた広告Pが挟まれた状態となる。折ローラ対17を通過した広告束は排紙搬送路18を図示左方へ搬送され、排紙口19から機外に排出されてスタッカ20に積載される。
【0008】
このようにして、折り給紙部12から給送された広告P1が二つ折りにされ、その折り目の内側に各給紙部3から給送された広告Pの束が挿入された広告束が形成される(例えば、特許文献1参照)。丁合装置をスタートすると、この丁合動作が一定の時間間隔ごとに繰り返し行われる。すなわち、各給紙部3及び折り給紙部12においては、この一定の時間間隔をおいて給紙動作が行われ、その動作開始のタイミングは、広告Pが丁合搬送路11で重なった時にその先端が揃うように設定されている。
【0009】
丁合作業が進んで複数の給紙部3a〜3kのいずれかにおいて広告Pがなくなると、センサS1によって広告無しが検知され、丁合装置は停止する。停止後、広告Pがなくなった給紙部3に広告を積載して図示しないスタートボタンを押すと、丁合動作を再開することができる。
【特許文献1】特開2002−3075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし丁合作業においては、特定の用紙(広告)については合計部数のうちの一部のみに含ませるようにする、という作業が必要になることがある。特に新聞広告は、広告主が支払った広告料に応じた部数だけが配達されるので、その広告の配達部数が配達対象戸数に満たないことがある。例えば、配達対象戸数100戸の区域に対して70部の広告P2を作成した場合、広告P2を含む広告束を70部、広告P2を含まない広告束を30部作成し、合計100部の広告束として対象区域に配達することになる。
【0011】
このような広告束を背景技術の丁合装置で作成する場合、複数の給紙部3のひとつに広告P2の束を70枚積載し、他の給紙部に他の広告Pを積載して、合計部数を100部として丁合作業を行う。しかし、70部の丁合が終了した時点で広告P2を積載した給紙部3では用紙がなくなってしまうので、センサS1が紙無しを検知して丁合装置が停止してしまう。いったん停止すると、センサS1が紙無しを検知したままでは丁合作業が再開できないので、各給紙部に備えられたスイッチや操作パネルの操作等によって広告P2が積載されていたセンサS1の検知を無効としてから、再度丁合装置をスタートさせる必要があり、操作がわずらわしいという問題点があった。
【0012】
また、広告は予備も含めて多めに印刷されることがある。前記したように配達対象戸数100戸の区域に対して合計100部の広告束を作成し、そのうち広告P2を含む広告束は70部だけとしたい場合に、広告P2が予備10部を含めて80部用意されていたとする。この80部をそのまま給紙部に積載して丁合すると、この80部がすべて給紙されるまで丁合動作が継続されるので、作成した広告束は、配達対象戸数分である100部の中に、広告P2を含む束が所望数より10部多い80部存在することになってしまい、広告契約上当該区域に70部を超える広告P2を配達するわけにいかない場合等に不都合が生じる。このような場合は、先に合計部数を70部として設定しておき、70部の丁合が完了して丁合装置が停止すると、給紙部に残っている広告P2を取り除く。それから、給紙部に備えられたスイッチや操作パネルの操作等によってセンサS1の検知を無効とし、改めて合計部数を30部と設定しなおして丁合装置をスタートさせるという面倒な作業が必要だった。このような配達戸数に満たない部数の広告を複数含む場合はこのような作業を複数回繰り返すことになり、非常に煩雑であった。
【0013】
このような丁合部数再入力を避けるためには、丁合作業前に広告P2の枚数を計数して予備を取り除くことが必要になり、この取り除き作業も煩雑である。
【0014】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、丁合装置において設定した合計部数に満たない部数の用紙が含まれていても、丁合途中でのスイッチ操作や部数の再入力、計数による予備取り除きが不要で操作性の良い丁合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するための、本発明の第1の構成は、積載した用紙束から用紙を1枚ずつ取り出す給紙部を上下方向に複数並べて設け、この複数の給紙部から、各々用紙を1枚ずつ取り出して搬送しながら互いに重ね合わせることにより、各給紙部より取り出した用紙を1枚ずつ含む丁合束を形成する丁合装置において、各給紙部のうち少なくとも一つにおいて、該給紙部に積載された用紙を含む丁合束数の、丁合する全束数に占める割合を設定可能な割合設定手段を有することを特徴とする丁合装置である。
【0016】
本発明の第2の構成は、第1の構成における割合設定手段が、丁合される全部数を設定する全カウント数設定手段と、設定対象である給紙部について、全カウント数分の丁合作業中に該給紙部から給紙が行われる回数を給紙部単位で設定する固有カウント数設定手段と、を有することを特徴とする丁合装置である。
【0017】
本発明の第3の構成は、第1の構成における割合設定手段が、設定対象である給紙部について、全丁合束数のうち、該給紙部から給紙が行われる用紙を混入させる束数の率である給紙率を、給紙部単位で設定する給紙率設定手段を有することを特徴とする丁合装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のによれば、丁合装置において設定した合計部数に満たない部数の用紙が含まれていても、丁合途中でのスイッチ操作や部数の再入力、計数による予備取り除き等を行うことなく丁合できるので、丁合装置の操作性が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態の丁合装置1を示す模式正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の丁合装置1を示すブロック図である。
【図3】本発明の丁合装置における固有カウント数の設定の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態の丁合装置1におけるメイン画面61を示す図である。
【図5】本発明の丁合装置1における固有カウント数設定画面62を示す図である。
【図6】本発明の丁合装置1における固有カウント数設定画面62を示す図である。
【図7】本発明の丁合装置1における固有カウント数設定画面62を示す図である。
【図8】本発明の丁合装置1における固有カウント数設定画面62を示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態の丁合装置1の動作を示すフローチャートである。
【図10】給紙部3bの給紙動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態において、丁合区分αと、これに対応する区分カウント数C(α)を表示したメイン画面61を示す図である。
【図13】背景技術の新聞広告用の丁合装置101を示す模式図である。
【図14】背景技術の丁合装置101の給紙部3に広告Pを積載した状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。なお、背景技術と同一の形状・機能を有する部材・構成には同一の符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0021】
図1は本発明の第1実施形態の丁合装置1を示す模式正面図である。図1に示すように、この本発明の丁合装置1は、筐体2の図示左右にそれぞれ上下方向に並列して給紙部3a〜3j、給紙部3k〜3tが設けられ、それぞれの給紙部3に用紙(広告P)の束が積載される。それぞれの給紙部3の構成は、背景技術の給紙部(図16参照)と同一である。
【0022】
すなわち図16に示すように、給紙部3には固定された給紙板4と、最上位の用紙(広告P)の先端上面に圧接する給紙ローラ5と、この給紙ローラ5に下方から圧接するサバキ板6と、最上位の用紙の先端を給紙ローラ5とサバキ板6との間に進入させるための補助給紙ローラ7とが設けられている。この給紙ローラ5と補助給紙ローラ7が駆動回転することにより、最上位の用紙は2枚目以下の広告Pと分離されて給送方向(矢印A方向)に前進し、横搬送ローラ対8に挟持され、ガイド板9に導かれて縦搬送ローラ対10に挟持され、矢印B方向に搬送される。
【0023】
給紙ローラ5は、それぞれ個別に独立制御可能なモータM(図2参照)により制御される。各給紙部には用紙有無検知センサS1が設けられており、用紙の束が積載されていれば、このセンサS1の腕部S1aを用紙によって押し下げ、用紙が有ることを検知する。用紙がなくなると、適宜の付勢手段によって腕部S1の腕部S1aが、用紙積載面に適宜設けられた開口を通して用紙積載面よりも上方に突出し、用紙が無いと認識するようになっている。
【0024】
図1に示すように、図示中央部に上下方向に丁合搬送路11が形成されていて、各給紙部3から供給された用紙はこの丁合搬送路11において重ね合わせられ、丁合束を形成する。この丁合搬送路11の下方には、折ローラ対17、ナイフ15を備えたフラップ16、排紙搬送路18が設けられ、その図示左方には折給紙部12、図示右方には折込板13、折給紙部12の下方には排紙口19、スタッカ20が設けられている。これらの各部材の構成、機能は背景技術の丁合装置101と同一である。
【0025】
図2は本発明の第1実施形態の丁合装置1を示すブロック図である。丁合装置1にはCPU50(制御手段)が設けられ、このCPU50では一定周期での基準信号を発生させ、各給紙部3a〜3tに送信する。各給紙部3a〜3tにおいてはこの基準信号に応じ、必要に応じて給紙ローラを駆動するモータMa〜Mtを駆動開始し、用紙束のうち最上位の1枚を取り出す給紙動作を行う。このときモータMa〜Mtの駆動開始タイミングを、給紙部の高さ位置に応じた時間だけ基準信号から遅らせることにより、上方に位置する給紙部から下方に向かって順次給紙ローラが駆動開始するので、丁合搬送路11において先端が揃って合流するようになっている。
【0026】
また、各給紙部3a〜3tにそれぞれ設けられた用紙有無検知センサS1a〜S1tの検知信号が、CPU50(制御手段)に送信可能になっている。さらに丁合装置1の各種設定を行う操作パネル60が設けられ、この操作パネル60上において固有カウント数の設定を行う。すなわち、操作パネル60は固有カウント数設定手段60bを含み、これらの設定内容はCPU50に送信可能になっている。また、操作パネル60には、丁合装置1の丁合動作を開始させるスタートスイッチ60cが設けられている。
【0027】
続いて本発明の丁合装置1における固有カウント数の設定の流れについて説明する。図3は本発明の丁合装置における固有カウント数の設定の流れを示すフローチャートである。図3に示すように、まず操作パネル60の表示をメイン画面61から固有カウント数設定画面62へ切り替える(S101)。図4はこのメイン画面61を示す図である。メイン画面61は、丁合機装置全体の形状を模式化して描き、各給紙部の用紙積載状態やジャム表示等を行う丁合装置表示部61aと、カウント表示部61b、テンキー61c、タブ61d、スタートボタン60cにより構成される。このタブ61dのうち、「固有カウント数設定」と表示された部分に指で触れると、画面が固有カウント数設定画面62に切り替わる。
【0028】
図5ないし図8は固有カウント数設定画面62を示す図である。図5に示すように、この固有カウント数設定画面62は、丁合装置表示部62aと、モード選択部62b、テンキー62c、タブ62dにより構成されている。丁合装置表示部62aにおいては、丁合装置模式図の各給紙部に相当する部分が、それぞれ給紙部ボタン30a〜30tになっている。
【0029】
図3に示すように、画面を固有カウント数設定画面62に切り替えた後、部数を設定したい給紙部、すなわち合計部数に満たない用紙を積載する給紙部に対応する給紙部ボタン30を押す(S102)。すると押された給紙部ボタン30のボタン部分が数字表示に切り替わる(S103)。ここでテンキー62cによって設定したい固有カウント数を入力する。数字表示部には入力した固有カウント数が表示される(S104)。さらにその他にも部数を設定したい給紙部がある場合は、S102に戻ってその他の給紙部において固有カウント数設定を行う。
【0030】
他に固有カウント数を設定したい給紙部が無い場合は、タブ62dの「メイン」と表示された部分を押して、メイン画面61に戻る(S106)。このメイン画面61において、テンキー61cによって合計の丁合部数である全カウント数を入力する(S107)。この全カウント数はカウント表示部61bに表示される。以上で丁合作業前の固有カウント数の設定、全カウント数の設定が終了する。
【0031】
例えば、合計部数100部のうち、用紙P3を含む束は70部だけでよい場合は、まず用紙P3の束を複数の給紙部3のうちのひとつ、例えば給紙部3b(図1参照)に積載する。そして図3に示すように、画面を固有カウント数設定画面62に切り替えた後、給紙部3bに相当する給紙部ボタン30bを押す。すると図6に示すように、給紙部ボタン30bの部分が数字表示となる。ここでテンキー62bによって固有カウント数である「70」を入力すると、図7に示すように数字表示部に固有カウント数「70」が表示される。次にタブ62cの「メイン」部分を押してメイン画面61に戻り、テンキー61cによって合計部数の100を入力し、設定が完了する。
【0032】
モード選択部62bは、一旦停止モードボタン62b−1と継続給紙モードボタン62b−2を有し、このどちらかを押すことにより、一旦停止モードと継続給紙モードのどちらかを選択できるようになっている。この両モードの動作の詳細は後述する。このモード選択は固有カウント数設定画面62が表示されている間はいつでも可能である。
【0033】
図8は給紙部指定と固有カウント数設定を3回繰り返すことにより、給紙部3b、3f、3sの3箇所において固有カウント数が設定された状態での固有カウント数設定画面62の表示を示す。図8においては、給紙部3bに固有カウント数「70」、給紙部3fに固有カウント数「75」、給紙部3sに固有カウント数「65」が設定された状態を示す。
【0034】
次に、上記のように固有カウント数、全カウント数が設定された本発明の丁合装置1の動作について説明する。まず丁合作業の準備として、丁合装置1の各給紙部3にはそれぞれ用紙の束が積載される。積載する用紙束の種類数が丁合装置1の給紙部3の数よりも少ないために、使用しない給紙部3がある場合は、使用しない給紙部3をあらかじめ切換えスイッチ等により停止状態としておく。停止状態にある給紙部3はその機能を停止しているので、用紙有無検知センサS1の検知は無効とされ、用紙の取り出しも行われない。その後スタートボタン60cを押すと、丁合装置1が動作を開始する。
【0035】
図9は本発明の第1実施形態の丁合装置1の動作を示すフローチャートである。丁合装置1が動作開始すると、まずCPU50が基準信号を発生し(S201)、上方から順次、停止状態の給紙部を除く各給紙部において給紙動作が開始される。次に全カウント数Cを1だけ減じ(S202)、その結果C=0となったかどうかが判断される(S203)。C=0であれば、給紙動作が最下位まで終了してから(S206)丁合装置1は停止するとともに(S207)、固有カウント数の設定は全てクリアされる(S208)。C=0でなければ、次に用紙有無検知センサS1が用紙無しを検知した給紙部3があるかどうか判断される(S204)。用紙無しを検知した給紙台3が無い場合は、次回の基準信号発生タイミングまでステップS204,205を繰り返した後、ステップS201に戻って次回の基準信号を発生する。
【0036】
図10は各給紙部3の動作の一例として、給紙部3bの給紙動作の流れを示すフローチャートである。給紙部3bが停止状態であるかどうかが判断される(S301)。停止状態であれば給紙動作は行わない。停止状態でなければ、CPU50が発生した基準信号から、給紙部3bの高さに応じたタイミングで給紙ローラ5が回転し、用紙が1枚取り出される(S302)。
【0037】
次にこの給紙部3bに固有カウント数が設定されているかどうかが判断される(S303)。給紙部3bに固有カウント数が設定されていた場合は、給紙部3bに設定されている固有カウント数Cbを、1だけ減じる(S304)。その結果、固有カウント数Cb=0となった場合は(S305)、この給紙部3bは停止状態とされ(S306)る。
【0038】
すなわち、給紙部3bに用紙が残存していても、固有カウント数Cb分の給紙が完了していれば、給紙部3bは停止状態となるから、以後の給紙は行われないことになる。さらに一旦停止モードか継続給紙モードかが判断される(S307)。一旦停止モードであれば、給紙動作を最下位まで終了した後、丁合装置1を一旦停止させる(S308)。その後スタートスイッチ60cを押すと丁合装置1は再度動作開始し、CPU50が発生した次回の基準信号に応じて各給紙部3から給紙動作が行われるが、給紙部3bは停止状態とされているので、給紙動作は行われない。
【0039】
ステップS303で給紙部3bに固有カウント数が設定されていないと判断された場合、またはステップS305で固有カウント数Cb=0ではないと判断された場合はいずれも、丁合装置1は停止せず、所定のタイミングで次回の基準信号が発せられ、給紙部3bはこれに応じたタイミングで次回の給紙動作を行う。これに対してステップS307で一旦停止モードではない(継続給紙モードである)と判断された場合は、丁合装置1は停止せず、やはり所定のタイミングで次回の基準信号が発せられるが、給紙部3bではステップS306において既に停止状態とされているので、給紙部3bにおいては次回の給紙動作は行われない。
【0040】
以上の動作により、固有カウント数が設定されている給紙部では、設定されている固有カウント数分の給紙が終了すると停止状態とされるので、以後の給紙動作は行われなくなる。これに対し、固有カウント数が設定されていない給紙部では給紙が継続され、いずれかの給紙部において用紙無しが検知されるか、もしくは全カウント数C回分の給紙動作が完了すると丁合装置は停止する。停止した後は、固有カウント数の設定は全てクリアされるので、次回の丁合作業において操作者の意図に反して前回の固有カウント数設定のまま作業が行われることを防ぐことができる。
【0041】
次に第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態に係る丁合装置では、複数の丁合区分を設定可能な丁合区分設定手段と、各丁合区分それぞれに区分カウント数を設定する区分カウント数設定手段とを有している。丁合装置をスタートさせると、各丁合区分に設定された区分カウント数分の丁合が完了するごとに丁合装置はいったん停止し、次の丁合区分に設定された区分カウント数が自動的に呼び出される。再度丁合装置がスタートすると、次の丁合区分の区分カウント数分の丁合が行われ、これが完了すると丁合装置は停止し、さらにその次の丁合区分に設定された区分カウント数が呼び出される、というように、丁合動作をいったん停止しながら、順次各丁合区分の丁合作業を行うようなっている。
【0042】
そして固有カウント数の設定を各区分の丁合作業開始前に行うことを可能とし、各区分の丁合作業が完了するごとに固有カウント数の設定はクリアされる。
【0043】
この第2実施形態の動作を、丁合区分α、β、γの3種類の丁合区分と、それぞれの丁合区分に区分カウント数C(α)=100部、C(β)=80部、C(γ)=70部を設定した場合を例にとり説明する。図11は本発明の第2実施形態の動作を示すフローチャートである。図11に示すように、まず丁合区分と区分カウント数の設定を行う(S401)。この設定は、操作パネル60上の適宜の設定画面を用いて行い、設定後にメイン画面61に切り替える。図12は丁合区分αと、これに対応する区分カウント数C(α)を表示したメイン画面61xである。図12に示すように、メイン画面61xは、第1実施形態のメイン画面61に加えて丁合区分表示部61eを有し、次に丁合作業を行う丁合区分αが表示される。また、カウント表示部61bには、丁合区分αに設定されている区分カウント数C(α)=100部が表示されている。
【0044】
次に、画面を固有カウント数設定画面62に切り替え、固有かウント数の設定を行う(S403)。この設定手順は図3に示した第1実施形態の設定手順と、全カウント数入力(S107)が不要である点を除いて同一である。
【0045】
その後丁合装置1をスタートさせると、丁合区分αにおける区分カウント数C(α)=100部分の丁合作業が行われる(S404)。この丁合動作は図9に示した第1実施形態の動作と、全カウント数Cではなく区分カウント数C(α)がゼロになるまで丁合を行う点を除き同一であり、各給紙部での動作は図10に示した第1実施形態の動作と同一である。すなわち固有カウント数が設定されている給紙部に積載した用紙は、丁合区分αにおいて丁合した100部のうちの一部、すなわちその給紙部に設定された固有カウント数分の部数にのみ含まれる。
【0046】
区分カウント数C(α)がゼロになると丁合装置1は停止し、次の丁合区分βと、区分カウント数C(β)=80部が自動的に呼び出され、メイン画面61に表示されるとともに、ステップS403で設定された固有カウント数はすべてクリアされる(S412)。そして画面を固有カウント数設定画面62に切り替え、固有カウント数の設定を行う(S413)。
【0047】
その後丁合装置1をスタートさせると、丁合区分βにおける区分カウント数C(β)=80部分の丁合作業が行われる(S404)。ステップS413で固有カウント数を設定した給紙部に積載した用紙は、丁合区分βにおいて丁合した80部のうちの一部にのみ含まれる。区分カウント数C(β)がゼロになると丁合装置1は停止し、次の丁合区分γと、区分カウント数C(γ)=70部がメイン画面61に表示されるとともに、ステップS413で設定された固有カウント数はすべてクリアされる(S422)。
【0048】
その後同様に、丁合区分γについても、固有カウント数の設定が行われ(S423)、丁合作業が行われる(S424)。区分カウント数C(γ)がゼロになると丁合装置1は停止して、全ての丁合作業が終了する。この丁合区分γにおいても、固有カウント数を設定した給紙部に積載した用紙は、70部のうちの一部にのみ含まれる。
【0049】
この区分カウント数入力は、例えば新聞広告丁合機において、配達する地区を丁合区分として、その地区に必要な配達部数を区分カウント数として入力しておくと、各地区の丁合が終了するたびに部数入力する手間が省けて便利であるというメリットがある。さらにこれに加えて本発明の第2実施形態によれば、各地区の配達部数に満たない広告を任意部数混入することができる。
【0050】
なお、この第2実施形態において、必ずしも複数の丁合区分すべてにおいて固有カウント数の設定を行う必要はなく、省略することもできる。省略した場合は、停止状態の給紙部を除くすべての給紙部の用紙を含んだ丁合束が、区分カウント数分の部数形成される。したがって、地区の部数に満たない広告を混入したい地区にのみ固有カウント数を設定すればよい。
【0051】
本発明において、固有カウント数に代えて、給紙率を設定し、給紙率を設定した給紙部に積載されている用紙は、全カウント数のうち給紙率に応じた部数だけ混入させるようにしても良い。例えば、ある給紙部の給紙率を30%と設定した場合は、その給紙部に積載された用紙は、10部作成された丁合束のうち3部にのみ混入させるように制御する。
【符号の説明】
【0052】
1;丁合装置
2;筐体
3、3a〜3t;給紙部
4;給紙板
5;給紙ローラ
6;サバキ板
7;補助給紙ローラ
8;横搬送ローラ対
9;ガイド板
10;縦搬送ローラ対
11;丁合搬送路
12;折給紙部
13;折込板
14;ストッパ
15;ナイフ
16;フラップ
17;折ローラ対
18;排紙搬送路
19;排紙口
20;スタッカ
30,30a〜30t;給紙部ボタン
50;CPU
60;操作パネル
60b;固有カウント数設定手段
60c;スタートスイッチ
61,61x;メイン画面
61a;丁合装置表示部
61b;カウント表示部
61c;テンキー
61d;タブ
61e;丁合区分表示部
62;固有カウント数設定画面
62a;丁合装置表示部
62b;モード選択部
62c;テンキー
62d;タブ
101;背景技術の丁合装置

C,Cb,C(α),C(β),C(γ);固有カウント数
M,Ma〜Mt;モータ
P,P1,P2,;広告
S1,S1a〜S1t;用紙有無検知センサ
α,β,γ;丁合区分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載した用紙束から用紙を1枚ずつ取り出す給紙部を上下方向に複数並べて設け、この複数の給紙部から、各々用紙を1枚ずつ取り出して搬送しながら互いに重ね合わせることにより、各給紙部より取り出した用紙を1枚ずつ含む丁合束を形成する丁合装置において、
各給紙部のうち少なくとも一つにおいて、該給紙部に積載された用紙を含む丁合束数の、丁合する全束数に占める割合を設定可能な割合設定手段を有することを特徴とする丁合装置。
【請求項2】
前記割合設定手段は、
丁合される全部数を設定する全カウント数設定手段と、
設定対象である給紙部について、全カウント数分の丁合作業中に該給紙部から給紙が行われる回数を給紙部単位で設定する固有カウント数設定手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の丁合装置。
【請求項3】
前記割合設定手段は、
設定対象である給紙部について、全丁合束数のうち、該給紙部から給紙が行われる用紙を混入させる束数の率である給紙率を、給紙部単位で設定する給紙率設定手段
を有することを特徴とする請求項1に記載の丁合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−47151(P2013−47151A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−267809(P2012−267809)
【出願日】平成24年12月7日(2012.12.7)
【分割の表示】特願2011−159282(P2011−159282)の分割
【原出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【出願人】(000109727)株式会社デュプロ (195)
【Fターム(参考)】