説明

万華鏡

【課題】覗き窓が設けられた鏡体収容部の筒体と、連接可能な容器形式としたオブジェクトケースを構成して、オブジェクトの選択自由度を極大化することにより多種多彩な映像を実現させる万華鏡を提供する。
【解決手段】 鏡面が内側に向けて三角形に配置された三角鏡体を収容する筒状の筒体を設け、該筒体の後端部に覗き窓が形成されると共に、透明な筒状のオブジェクトケースを設け、該オブジェクトケースの端部と該筒体の前端部が接合可能な接合手段により接合し、さらに該オブジェクトケースの前端部および後端部が接合可能な接合手段を形成して、該オブジェクトケースの連接および分離する複数の該オブジェクトケースにより、段数変化自在の該オブジェクトケース部を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鏡体が収容された筒体とオブジェクトケースが着脱自在であると共に、段数変化自在で連接可能なオブジェクトケースにより、収容するオブジェクトの選択自由度が大となり、多種多彩な映像を見ることができるようにした万華鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
より綺麗な色彩の映像美を追求して、近年ではオブジェクトやオブジェクトケースに、新技術を実施した万華鏡が開発されている。
【0003】
その例として、特許文献1の万華鏡は、オブジェクトケース内のオブジェクトの厚みをチャンバー内寸の1/2以上として、オブジェクトどうしが重ならないようにしたり、オブジェクトの幅をチャンバー内寸より大とさせオブジェクトが反転しないようにして、オブジェクトが持つ色彩美を損なうことなく表現したものである。
【0004】
ところが、このような特許文献1の万華鏡において、複数のオブジェクトが重なったり詰まったりすることはないが、オブジェクトケースに密閉されて収納されている限りオブジェクトの数や種類は有限であり、それによって形成される色彩模様も巨視的な視点からみれば、有限といわざるをえない。
【0005】
したがって、限界のある色彩模様では、オブジェクトケース内で成立する映像には一定の配色パターンや色彩傾向の偏りがあり、万華鏡から映像化させる色彩美を十二分に発揮するには限界が見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特開2008−176251公報
【発明の概要】
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、オブジェクトケース内のオブジェクトを該オブジェクトケースに収納できる大きさに限定される制約はあるが、該オブジェクトの対象物には、あらゆるものを簡単に収納および交換できるように選択自由度を極大化する。
【0008】
よって、無限にあるとも考えられる数や種類のオブジェクトの組み合わせやオブジェクトケースの連接により、多種多彩な映像が見られる万華鏡を提供することを目的とする。
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1の万華鏡は、鏡面が内側に向けて配置された三角鏡体を収容する筒状の筒体を設け、該筒体の後端部には覗き窓が形成されたことを備えた万華鏡において、透明材の筒状のオブジェクトケースの前端部および後端部に接合可能な接合手段による構造を設け、該オブジェクトケースの端部と該筒体の前端部が接合可能な接合手段によって着脱自在に接合されることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の請求項2の万華鏡は、請求項1において、該オブジェクトケースの端部が前記接合可能な接合手段によって、複数の該オブジェクトケースの連接により該オブジェクトケースの段数変化自在に接合してなる、複数の該オブジェクトケースが設けられたことを特徴とする。
【0011】
従来の万華鏡のオブジェクトに使われている対象物には、彩色ガラス片や彩色プラスチック片の無機物がほとんどであり、これらの組み合わせからなる幾何学的な彩色美を見て楽しんでいるのが現状である。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、オブジェクトケースが容器の形式を取っているので、オブジェクトの対象物の一つである従来の彩色ガラス片や彩色プラスチック片を、自由にかつ容易に、収容および交換して組み合わせることができる利便性がある。
【0013】
従来のチェンバー式万華鏡やオイルワンド式万華鏡のように、密閉されたオブジェクトケースからオブジェクトが交換不可能であったが、本発明では、オブジェクトケース内のオブジェクトを、その場でオブジェクトケース外に取り出して、自由に組み合わせたり除去したりすることによって、これまでの万華鏡の映像では考えられなかった、より多彩でより深深とした彩色美を楽しむことができ、さらに自由に選択したオブジェクトで、空の状態であるオブジェクトケース収容後の映像を推測することによって、とくに成長過程の子どもの想像力、発想力を高める効力もある。
【0014】
オブジェクトケースに収容でき、該オブジェクトケース内で動かせる大きさの物品であること以外の制約を本発明のオブジェクトは受けないので、考えられる彩色ガラス片や彩色プラスチック片の無機物、有機物など全ての物品をオブジェクトケースに収容して、従来では考えられなかった無限に近い彩色美を楽しむことが可能となる。
【0015】
有機物の一例の植物を挙げると、四季ごとに咲く、赤、青、紫、橙、ピンク色の花びらや青や緑の葉などの適切な小片を、配色を考慮しながら取捨選択してオブジェクトケースに収納し万華鏡を覗けば、従来では体験できなかった有機物独特の、幾何学的ではあるが目に優しくやわらかな極彩色の世界が展開される。
【0016】
上記の使用法をすると、視神経を通して脳細胞にやわらかな刺激を与えることができるので、現代人のストレス緩和によって脳細胞の癒し効果やうつ、老齢者の認知症防止に役立てることが考えられる。
【0017】
本発明の請求項2の万華鏡では、透明なオブジェクトケースの段数変化自在の連接ができるので、個々のオブジェクトケースに収納したオブジェクトの一方向からの連なりで形成される映像が視覚的に可能であり、重なることも詰まることもなく、より複雑でより緻密な彩色美を見て楽しむことができるが、オブジェクトケースの側面からの採光の加減によって、オブジェクトの陰影の変化も見られるので、万華鏡の楽しみ方に新たな展開を見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 本発明による実施例1の万華鏡の分解斜視図
【図2】 同実施例1の万華鏡の組立てた状態の全体斜視図
【図3】 同実施例1の万華鏡の図2におけるA−A線断面図
【図4】 同実施例2の万華鏡の分解斜視図
【図5】 同実施例2の万華鏡の組立てた状態の全体斜視図
【図6】 同実施例3の万華鏡の分解斜視図
【図7】 同実施例3の万華鏡の組立てた状態の全体斜視図
【図8】 同実施例3の万華鏡の図7におけるB−B線断面図
【図9】 同実施例4の万華鏡の分解斜視図
【図10】 同実施例4の万華鏡の組立てた状態の全体斜視図
【図11】 同実施例5の万華鏡のオブジェクトケース部の分解斜視図
【図12】 同実施例6の万華鏡のオブジェクトケース部の分解斜視図
【図13】 同実施例6の万華鏡の組立てた状態の全体斜視図
【図14】 同実施例7の万華鏡の分解斜視図
【図15】 同実施例7の万華鏡の組立てた状態の全体斜視図
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0019】
本発明の実施例1の形態を図1、図2、図3に基づいて説明する。
【0020】
本発明による万華鏡1aは、図1に示すように、キャップ3、筒体4、三角鏡体5、オブジェクトケースアダプター6aにより形成される鏡体収容部と、オブジェクトケース7a、蓋8aにより形成されるオブジェクトケース部を、接合することによって構成されている。
【0021】
ここで実施例1では、容器状であるオブジェクトケース7aの開口部のある側を上端部とし、オブジェクトケース7aの凹型形状の底部のある側を下端部と定義する。
【0022】
さらに実施例1では、筒状であるオブジェクトケースアダプター6aが筒体4に嵌合される側を下端部とし、オブジェクトケース7aの下端部と接合する側を上端部と定義する。
【0023】
オブジェクトケースアダプター6aの上端部には、オブジェクトケース7aの下端部と接合可能な接合手段によるネジ式構造が形成されているが、オブジェクトケースアダプター6aの下端部には筒体4とほぼ同程度に穴が開けられていると共に、内面に段差がつけられているのでオブジェクトケースアダプター6aの下端部より差し込んだ筒体4の前端部は定位で固定できるようになっている。
【0024】
該鏡体収容部は、覗き窓2が設けられたキャップ3に筒体4の後端部を差し込み、鏡面が内側に向けて三角形状に配置された三角鏡体5を筒体4に収容し、さらに筒体4の前端部をオブジェクトケースアダプター6aに差し込んで形成される。
【0025】
上記の三角鏡体5は、幅の狭い長尺の板状鏡面の3枚を長辺側が夫々接するように、内側に向けて三角形状に配置させ、該三角形状を保持できるように固定したものである。
【0026】
該オブジェクトケース部は、オブジェクトケース7aに蓋8aを接合可能な接合手段により接合することによって構成されるが、実施例1ではネジ式構造とする。
【0027】
図2は、本発明の実施例1の万華鏡の組立てた状態の全体斜視図であるが、そのA−A線断面図の図3で示すように、本発明の万華鏡1aの映像を見て楽しむためには、透明材によるオブジェクトケース7aの、蓋8aを開けてオブジェクト9a、9bを収容して後、蓋8aを閉めて使用する。
【0028】
従来のチェンバー式万華鏡では、覗き窓のある端面と反対方向からの採光により、オブジェクトケースに光が取り入れられ鮮明な映像を見ていたが、その採光方向からの実施形態は、オブジェクトケースの厚さが5〜10mm相当に限られると考えられる。
【0029】
実施される本発明の万華鏡1aのオブジェクトケースの筒面の長さは20〜30mm前後あるので、オブジェクトケースの端面のみの採光では光量不十分で鮮明な映像を楽しむことができないため、鮮明な映像を獲得するには、少なくともオブジェクトケースの筒面を透明材にして、万華鏡1aの軸方向に対して直角方向から採光する形態をとらなければならない。
【0030】
蓋8aは、より明るく鮮明な映像を希望するなら透明材を用いるが、使用時に蓋8aから透かして見られる背景が映像美を損なうようであれば半透明材を用いてもよい。
【0031】
図3で示すように、オブジェクトケース部を構成しているオブジェクトケース7a、蓋8aは、オブジェクト9a、9bを収容した容器状なので、オブジェクトケース7aに収容され、かつ万華鏡1aを回動させてオブジェクト9a、9bが動くことが可能な大きさであれば、彩色プラスチック片や彩色ガラス片などの無機物のみならず、花びら片や葉片などの有機物を含めてあらゆる物品がオブジェクトの対象となることが可能である。
【0032】
本発明の実施において、オブジェクトの対象となる花びら片や葉片などの有機物を長らくオブジェクトケース内に収容しておくと、変質、腐敗、劣化などの経時変化が起こるが、その際は除去するか若しくは新鮮な有機物と交換すればよい。
【0033】
屋外で採集した花びら片や葉片などの有機物を、本発明の万華鏡1で映像化した場合、従来の万華鏡のオブジェクト対象物である彩色プラスチック片や彩色ガラス片などの無機物の映像と比べると、自然採光による、より天然色の美しくて濃厚な彩りの映像を見ることが可能である。
【0034】
図3で示すように、オブジェクトケース部のオブジェクトケース7a、蓋8aは、オブジェクトケースアダプター6aと着脱自在な構造となっているので、予め、別々のオブジェクトを収容した夫々のオブジェクトケース部のオブジェクトケース7a、蓋8aをワンタッチで交換しながら万華鏡1aの鏡体収容部と接合し、別々の配色パターンや色彩模様の映像美を楽しむことも可能である。
【実施例2】
【0035】
次に図4、図5に基づいて、本発明の実施例2の説明をする。
【0036】
図4に示すように実施例2の説明に使用されるオブジェクトケース7a、7b、7cは、実施例1で使用されたオブジェクトケース7aと全く同一サイズ、同一構造、同一材質の同じ物品である。
【0037】
また、上記オブジェクトケース7a、7b、7cの上端部は蓋8aとも接合可能であると共に、各々、別のオブジェクトケース7a、7b、7cの下端部やオブジェクトケースアダプター6aとも接合可能な接合手段が設けられていて、ネジ式構造に互換性がある。
【0038】
換言すれば、図5で示すように同一のオブジェクトケース7a、7b、7cを連接することも可能であり、オブジェクトケースどうしは夫々、密閉されたチャンバーとなりうると共に、連接されたオブジェクトケース7a、7b、7cの最上段のオブジェクトケースには、蓋8aを接合して、新たな密閉された容器状のチャンバーを形成するので、オブジェクトケースを段数変化自在に接合できる。
【0039】
さらに、連接した複数のオブジェクトケース7a、7b、7cには、夫々、任意に選択したオブジェクトを自由形式で収容することができる。
【0040】
上記の実施例2の場合、夫々のオブジェクトケース7a、7b、7cに収容したオブジェクトの一方向からの視点による連なりで形成される映像や、夫々のオブジェクトケース7a、7b、7cの接合する順序を入れ替えることによる異なった連なりで形成される映像を、個々のオブジェクトの重なりや詰まりを問題にすることなく、万華鏡1bを回動させて実施例1よりさらに複雑で多種多彩な映像美を見て楽しむことが可能である。
【実施例3】
【0041】
図6、図7、図8に基づいて、実施例3の説明をする。
【0042】
図6で示すように、本発明の万華鏡1cを組立てるには、鏡体収容部は実施例1と同様であるが、オブジェクトケースアダプター6bが内部に段差を設けられた筒体であり、透明材である内蓋10が該段差まで差し込んで定位し、その後、三角鏡体5を収容した筒体4を嵌合させて固着する。
【0043】
内蓋10は、オブジェクトケースアダプター6bのネジ式構造となっている穴部とは反対側から差し込まれることによって、オブジェクトがオブジェクトケース7bから筒体4へ移動しないようにチャンバーの仕切りの役目をするが、内蓋10とオブジェクトケースアダプター6bは透明材を用いた一体構造としても良い。
【0044】
ここで実施例3では、容器状であるオブジェクトケース7dの開口部のある側を下端部とし、オブジェクトケース7dの凹型形状の底部のある側を上端部と定義する。
【0045】
図7、図8で示すように、筒体4が差し込まれた側と反対の側がネジ式構造となっているオブジェクトケースアダプター6bの上端部には、実施例1のときの接合の向きとは反対の向きになっている透明材のオブジェクトケース7dの下端部がネジ式構造で接合されるので、実施例3では蓋8aを必要としない。
【0046】
よって、各種のオブジェクトが収容された複数のオブジェクトケース7dを予め用意しておき、ネジ式構造で接合されているオブジェクトケースアダプター6bから、ネジを緩めることにより短時間で着脱自在となり、該複数のオブジェクトケース7dの交換により、万華鏡1cを回動させていろいろな色彩模様の映像を見て楽しむことができる。
【実施例4】
【0047】
図9、図10に基づいて、実施例4の説明をする。
【0048】
図9で示すように、本発明の万華鏡1を組立てるには、鏡体収容部は実施例1と同様であるが、オブジェクトケースアダプター6bが内部に段差を設けられた筒体であり、透明材である内蓋10を該段差まで差し込んで定位し、その後、三角鏡体5を収容した筒体4を嵌合させて固着する。
【0049】
内蓋10は、オブジェクトケースアダプター6bのネジ式構造となっている穴部とは反対側から差し込まれることによって、オブジェクトがオブジェクトケース7dから筒体4へ移動しないようにチャンバーの仕切りの役目をするが、内蓋10とオブジェクトケースアダプター6bは透明材を用いた一体構造としても良い。
【0050】
ここで実施例4では、容器状であるオブジェクトケース7dの開口部のある側を下端部とし、オブジェクトケース7dの凹型形状の底部のある側を上端部と定義する。
【0051】
実施例4に使用されるオブジェクトケース7d、7e、7fは、実施例3で使用されたオブジェクトケース7dと全く同一サイズ、同一構造、同一材質の同じ物品である。
【0052】
よって図10で示すように、本発明の実施例4の万華鏡1dにおいて、オブジェクトケースアダプター6bの上端部は、全体が同一構造であるオブジェクトケース7d、7e、7fの下端部に設けられた接合可能な接合手段の同一のネジ式構造を有しているので、オブジェクトケースアダプター6aは、オブジェクトケース7d、7e、7fのいずれとも接合可能である。
【0053】
オブジェクトケース7d、7e、7fを連接させる構造は、実施例2の図4と同様であるが、図9にあるように、鏡体収容部から見たオブジェクトケース7dの開口部の向きが実施例3と同様の向きであるオブジェクトケース7dに、同一オブジェクトケースの7e、7fを夫々、ネジ式構造により連接させる。
【0054】
したがって、図10で示すように、連接されたオブジェクトケース7d、7e、7fの上部にある底板によって仕切りができ、3つのチェンバーが構成される。
【0055】
上記の実施例4の場合、夫々のオブジェクトケース7d、7e、7fに収容したオブジェクトの、一方向からの視点による連なりで形成される映像や夫々のオブジェクトケース7d、7e、7fの接合される順序を入れ替えることによって形成される映像を、個々のオブジェクトの重なりや詰まりを問題にすることなく、万華鏡1dを回動させて、実施例3の図7で示す単一チェンバー仕様よりさらに複雑で多種多彩な映像美を見て楽しむことが可能である。
【実施例5】
【0056】
図11に基づいて、実施例5の説明をする。
【0057】
これまでは接合可能な接合手段の具体例として、ネジ式構造を挙げてきたが、図11のようなツイストロック式構造も実施できる。
【0058】
オブジェクトケースアダプター6cは、上端部がツイストロック構造のカギ形フックが設けられた筒体の形状をしているが、内面には段差が設けられていて、三角鏡体5が収容された筒体4をオブジェクトケースアダプター6cの下端部に差し込んだ後、段差の位置で固着される。
【0059】
オブジェクトケース7gは、透明材による容器状の形状であり、開口部のある上端部にはオブジェクトケースアダプター6cと同様にツイストロック構造のカギ形フックが設けられ、底の下端部は凹型形状をしていて、その内面にはツイストロック構造の突起が設けられ、ツイストロック構造のカギ形フックに対応するように形成される。
【0060】
蓋8bの凹部には、オブジェクトケース7gの上端部にあるツイストロック構造のカギ形フックに対応する、ツイストロック構造の突起が設けられていて、実施時には、オブジェクトをオブジェクトケース7gに収容した後、蓋8bを押し込んでから、ツイストロック構造の突起がツイストロック構造のカギ形フックに当たるまで若干、回すことによって蓋8bは固定され、オブジェクトケース7gにツイストロックされる。
【0061】
同様の動作によって、オブジェクトケース7gの下端部もオブジェクトケースアダプター6cの上端部に差し込んで、ロックされるまで回すことによってツイストロックされる。
【0062】
本発明の万華鏡1において接合可能な接合手段として、ネジ式構造とツイストロック式構造を挙げるが、本発明実施では両者に互換性があり、ネジ式構造の図1のオブジェクトケースアダプター6a、オブジェクトケース7a、蓋8aと、ツイストロック式構造である図11のオブジェクトケースアダプター6c、オブジェクトケース7g、蓋8bとも互いに接合可能な接合構造とする。
【0063】
したがって、本発明の万華鏡1の実施において、ネジ式構造の図1のオブジェクトケースアダプター6a、オブジェクトケース7a、蓋8aと、ツイストロック式構造である図11のオブジェクトケースアダプター6c、オブジェクトケース7g、蓋8bが混在した使用が可能であり、ワンタッチでオブジェクトケース部着脱ができるメリットが考えられる。
【実施例6】
【0064】
図12、図13に基づいて、実施例6の説明をする。
【0065】
図12で示すように、実施例6では、接合可能な接合構造を実施例5と同様、ツイストロック式構造を採用しているが、オブジェクトケース7gが筒体4に対して、実施例5の場合の反対の向きで接合できるように、オブジェクトケースアダプター6dの接合される側の内面にツイストロック式構造の突起が形成される。
【0066】
上記の実施例では、オブジェクトケース7gの蓋8bを必要としないので部品数を削減できるメリットがある。
【0067】
オブジェクトケースアダプター6dは、筒状をしていて内面に若干の段差が設けられ、オブジェクトケースアダプター6dの下端部から入る透明材の中蓋10がその段差で定位するが、それによって、ツイストロック式構造によってオブジェクトケースアダプター6dの上端部から差し込まれるオブジェクトケース7gとの仕切りによってチェンバーが形成されるので、オブジェクトケース7g内のオブジェクトが筒体側に移動することを防止する。
【0068】
内蓋10とオブジェクトケースアダプター6dは、透明材を用いた一体構造としてもよい。
【0069】
図13は、実施例6の本発明の万華鏡の組立てた状態の全体斜視図であるが、透明材のオブジェクトケース7gと筒体部3,4、6dとは、ツイストロック式構造によって、着脱自在となっている。
【0070】
上記の組立てた状態のオブジェクトケース7gをロックされている回転方向と反対の方向に回してロック状態を解除させ、オブジェクトケース7gを外してから、実施者の希望するオブジェクトをオブジェクトケース7gに入れ、筒体部3,4、6dにツイストロックさせて、万華鏡1eを組立てる。
【0071】
図13の本発明の万華鏡1eを実施するときの採光は、万華鏡1eの軸方向とは直角方向からの光源によって採光するのが、より鮮明な映像を見て楽しむことができる。
【実施例7】
【0072】
図14、図15に基づいて、実施例7の説明をする。
【0073】
図14のオブジェクトケースアダプター6dは筒状であるが、内面に若干の段差が設けられているので、透明材の中蓋10を入れたとき定位で固定されるが、オブジェクトケースアダプター6dと中蓋10を透明材による一体構造で実施してもよい。
【0074】
上記のオブジェクトケースアダプター6dに筒体が差し込まれるとは反対方向の端部には、内面にツイストロック式構造の突起が設けられ、オブジェクトケース7gに設けてあるツイストロック式構造のカギ形フックと合致することにより、オブジェクトケースアダプター6dとオブジェクトケース7gは接合する。
【0075】
図14で示すように、オブジェクトケース7g、7h、7iは、3者とも全く同一であり、上端部の凹部にはツイストロック式構造の突起が設けられ、下端部は開口した筒面の外面にはツイストロック式構造のカギ形フックが設けられている。
【0076】
よって、図15のように組立て時にはオブジェクトケース7g、7h、7iは、順序や相手を問わず、お互いにツイストロックされ、段積み形式で連接の接合が可能である。
【0077】
上記のオブジェクトケース7g、7h、7iが連接されたときは、3つのチャンバーが形成されていて、夫々のチャンバー内に各々、各種の組み合わせで自由に選択したオブジェクトを入れ、万華鏡1fを回動させて、覗き窓2からの映像を見る。
【0078】
個々のオブジェクトケース7g、7h、7iは、ツイストロック式構造となっているので、回してロックを外す簡単な操作で、着脱自在に連接ができるメリットがある。
【0079】
上記の実施例7の場合、夫々の順不同のオブジェクトケース7g、7h、7iに収容したオブジェクトの、一方向からの視点による連なりで形成される映像を、個々のオブジェクトの重なりや詰まりを問題にすることなく、万華鏡1fを回動させて、実施例1、実施例3、実施例5よりさらに複雑で多種多彩な映像美を見て楽しむことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
従来の万華鏡では製作時にオブジェクトを密閉収容するので、有機物は酸化、腐敗などの品質劣化の問題があり使用できなかったが、本発明ではオブジェクトを容易に収容および交換ができるので、植物などの有機物のオブジェクトも使用可能になった。よって、従来では見られない未体験であった映像の世界が容易かつ飛躍的に広がり、年代層を問わずより多くの人々が楽しめることによって万華鏡の進歩が期待できる。
【符号の説明】
【0081】
1a 万華鏡
1b 万華鏡
1c 万華鏡
1d 万華鏡
1e 万華鏡
1f 万華鏡
2 覗き窓
3 キャップ
4 筒体
5 三角鏡体
6a オブジェクトケースアダプター
6b オブジェクトケースアダプター
6c オブジェクトケースアダプター
6d オブジェクトケースアダプター
7a オブジェクトケース
7b オブジェクトケース
7c オブジェクトケース
7d オブジェクトケース
7e オブジェクトケース
7f オブジェクトケース
7g オブジェクトケース
7h オブジェクトケース
7i オブジェクトケース
8a 蓋
8b 蓋
9a オブジェクト
9b オブジェクト
9c オブジェクト
9d オブジェクト
10 中蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡面が内側に向けて三角形状に配置された三角鏡体を収容する筒状の筒体を設け、該筒体の後端部には覗き窓が形成されることを備えた万華鏡において、透明材で筒状のオブジェクトケースの前端部および後端部に接合可能な接合手段による構造を設け、該オブジェクトケースの端部と該筒体の前端部が、接合可能な接合手段によって着脱自在に接合されることを特徴とする万華鏡。
【請求項2】
該オブジェクトケースの前端部および後端部が接合可能な接合手段によって、複数の該オブジェクトケースの連接および分離により該オブジェクトケースの段数変化自在に接合してなる、複数の該オブジェクトケースが設けられたことを特徴とする請求項1記載の万華鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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