説明

三次元放射線イメージング用交錯多開口コリメータ

三次元放射線イメージング用交錯多開口コリメータが開示される。このコリメータは、二次元格子状に配設された複数の開口を含むコリメータ本体を備える。コリメータ本体は、放射線源から放射される放射線ビームをコリメータの視野内で吸収及び平行化するように構成されている。コリメータ本体は、放射線源に最も近接して配設された表面を有する。二次元格子は、少なくとも第一及び第二の開口群に選択的に分割されており、これらの開口群は、イメージング対象の少なくとも第一の視界及び第二の視界をそれぞれ規定する。第一の開口群は、格子の複数の横列を交互に又は一つおきに配置することによって形成され、また、第二の開口群は、第一の群の横列に隣接する複数の横列の開口によって形成されている。第一の群の各開口は、コリメータ本体の表面に対して第一の方位角で配置されるとともに、第二の群の各開口は、第一の群の開口が第二の群の開口と交錯するように、コリメータ本体の前記表面に対して第二の方位角で配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2009年4月1日に出願された米国仮特許出願第61/165,653号に基づく米国特許法第119条(e)による優先権の利益を主張し、この出願の内容はその全体が本明細書中に援用される。
【0002】
政府の実施権の表明
本願は、米国エネルギー省から授与された契約番号DE−AC02−98CH10886号の下で政府支援のもとになされた。米国政府は本発明に対し一定の権利を有し得る。
【背景技術】
【0003】
I.発明の分野
本発明は放射線イメージングの分野に関する。特に、本発明は三次元放射線イメージング用交錯多開口コリメータに関する。
【0004】
II.関連分野の背景
X線及びガンマ線検出器が改良されたことによって、放射線イメージング用途の可能性に大変革がもたらされた。放射線イメージング用途は、天文学から国家安全保障のあらゆるところまで、とりわけ、核医学用途にまで及び得る。例えば、ガンマ線カメラは、人体内の異常組織(例えば、癌組織)の位置を特定することによって疾病を診断するために、核医学イメージングのために広く用いられてきた。
【0005】
一般的に、核医学イメージングでは20〜1500keV範囲の放射線放出体が用いられる。というのは、このエネルギー範囲であれば、たとえ放射線が患者体内の奥深くで発生しても、放射された放射線の多くが十分に患者を突き抜けて伝達するからである。イメージングされる対象の特定の部分から放射された放射線を検出するために、一個又は複数個の検出器が用いられ、そして、この検出器から集められた情報は処理され、放射された放射線の放射源の、研究対象である身体器官又は組織内における位置を計算する。核医学イメージングで通常用いられる放射性トレーサーは、全方向に放射線を放射する。従来の光学素子を用いたのでは非常に短い波長の放射線を集束することが現在のところは不可能なので、核医学イメージングにはコリメータが用いられている。コリメータは、シンチレーション結晶又は固体検出器の前に設置される、放射線を吸収するデバイスであり、特別に設計された開口に沿った放射線のみを検出器まで通過させることを可能にする。このような様式で、コリメータは、イメージングされる対象の特定の部分からの放射線を検出器の特定の領域に導く。多くの用途において、コリメータの選択は、本来相反する、感度(記録された放射線の量)と、分解能(放射線のうちの特定の射線の、対象から検出器までの軌跡の解像の度合い)と、視野のサイズ(イメージング対象の最大サイズ)との間の妥協点を表す。
【0006】
図1Aに従来の放射線イメージングシステム100の一例を示す。放射線イメージングシステム100は放射線検出装置40を備え、この放射線検出装置40は通信回路網50を介して信号処理ユニット60に、次いで画像解析及び表示ユニット70に連結されている。放射線検出装置40は、コリメータ42及び検出器モジュール45を備える。コリメータ42は、放射線吸収材料(通常鉛だが、タングステン又は金等の他の吸収材料を含んでもよい)から作られており、密に配置された複数の開口A(例えば、平行孔又はピンホール)を備える。検出器モジュール45は、コリメータ42に平行に配置され、複数の放射線検知素子44を備える。放射線検知素子44は、取付フレーム板46の上に一次元又は二次元アレイ状に配置されている。コリメータ42の開口Aの軸は、放射線検出器モジュール45の表面に対して垂直であり、開口Aの各開口が各放射線検知素子44に対応して整列するように、開口Aの軸を設計し配置する場合が多い。前記開口を各検知素子に対して正確に揃えなくてもよい場合もある。例えば、多数の開口を単一の検知素子に対して垂直に並べる場合や、単一の開口を多数の検知素子に対して垂直に整列させる場合等である。他の場合には、複数のコリメータのハニカム様の集合体を、検知素子の配列に対して垂直に、しかし、正確には一致しないような様式で、配置してもよい。上記の各場合においては、放射線検出装置の視野を有利に最大にするために、開口を検知素子に対して垂直に配向させることが選択されている。
【0007】
図1Aの従来のイメージングシステムにおいて、イメージングシステム100は、放射線検出装置から所定の距離pに設置された対象20のイメージングを可能にする。ある配置においては、放射線源(図示せず)と放射線検出装置40との間の1地点に対象20を置いてもよい。トレーサー分子中に化学的に含まれている放射性同位体は、関心対象の被験体(対象20)に投与される。放射性同位体は、標的領域10(例えば、損傷組織)で濃縮され、崩壊し、そして特徴的な固有のエネルギーを有する放射線ビーム30を放射する。放射された放射線ビーム30は、対象20を横切り、例えば身体組織によって吸収又は散乱されなければ、このビーム30は、直線状軌跡に沿って対象20から出る。コリメータ42は、開口Aの軸に対して平行でない放射線ビームを遮断/吸収する。開口Aに対して平行な放射線ビーム30は、放射線検出モジュール45の放射線検知素子44によって検出される。検出器モジュール45で検出された放射線は、既知の様式で通信回路網50を介して信号処理ユニット60に伝送される。信号処理部60は、検出された放射線に対応する情報を処理し、その処理された情報をデジタル方式で画像解析及び表示ユニット70に送る。イメージングシステム100を用いてイメージングされた画像は、対象20の検出器モジュール45の表面への投影図である。この従来のシステムの主な欠点は、任意の所定の時点において、イメージングされる対象内における放射線の単一の二次元(2−D)投影図しか得ることができないことである。
【0008】
この欠点を克服するために幾つかの技術が開発されている。例えば、コンピュータ断層撮影法(CT)、単一光子放射コンピュータ断層撮影法(SPECT)、ポジロトン(position)放出断層撮影法(PET)、及びシンチマンモグラフィー乳房X線撮影法等の業務用イメージング用途に用いられる第一の公知のアプローチは、計画的に目的の対象の周囲に配置された複数の検出器モジュールの使用、或いは、目的の対象の周囲を軌道を描いて回る単一の検出器モジュールの使用に依存している。
【0009】
図1Bは、対象20の周囲を軌道を描いて回る単一放射線検出装置40に対応する放射線源15を備える従来のCTシステムを示す。この場合、放射線検出装置40は、例えば、平行孔コリメータ42及び検出器モジュール45を備える。検出器が第一の位置(位置1)で静止している間に、放射線検出装置40が対象20の第一の2−D画像を記録する。その後、放射線検出装置40は、放射線源15に対応して数度ずつ回転して一連の連続位置に移動し、対応する一連の連続2−D画像を記録する。イメージング用途の種類にもよるが、図1Bの配置は、正確なイメージングのために必要である任意のn個の位置とそれに対応したn枚の2−D画像を要求する。
【0010】
図1Cは、従来のPETシステムを示し、このシステムにおいて、異なる角度から対応する複数の2−D画像a〜fを得るために、放射性同位体トレーサー10を含んでいる対象20(例えば、人体)の周囲に複数の放射線検出装置40α〜40fが配置されている。放射線検出装置40α〜40fは、図1A及び1Bの例と同様の様式で構成されていてもよく、その結果、各放射線検出装置は、例えば、平行孔コリメータ42及び対応する検出器モジュール45を備えていてもよい。図1Cの配置において、放射線検出器及び対応する取り込まれた2−D画像の数もまた、所要のイメージング用途の種類に応じて決定される。
【0011】
上記の何れの場合においても、一連の多数の2−D画像から得られるデータを用いて、三次元(3−D)画像を断層撮影によって再構築できる。しかし、これら両方のアプローチは、嵩高く且つ多量の処理が必要なシステムを生じ、これらは、身体の体外診断のためにしか用いることができない。例えば、前立腺癌を検出するための経直腸プローブ又は乳癌を検出するためのマンモグラフィーにおいて、これらのシステムを人体の極めて近くで、或いは人体内でその臓器の極めて近くで用いることはできない。というのは、経直腸プローブを用いて前立腺を見る場合に、一連の検出器を前立腺の周囲で回転させたり、前立腺の周囲に配置することは不可能だからである。
【0012】
他のアプローチは、非一様コリメータを用いることである。図1Dは、例えば、米国特許第4,659,935号、4,859,852号、及び6,424,693号に開示されているような非一様コリメータを用いた放射線イメージング装置の可能な構成の一つを示す。図1Dは、異なるがしかし同時である2−D画像を得るように構成された放射線検出器40を図示する。異なる2−D画像は、放射線ビーム30を放射線検出装置40の2つ以上の区画に同時に導くように設計された開口Hの群によって生成される。従って、この種の装置における基本概念は、コリメータを2つ以上の区画に分割すること、及びコリメータの各区画内の開口Hをコリメータの表面に対して異なる傾斜角度を与えることである。図1Dに図示するように、コリメータの区画42A上の開口Hは、コリメータの表面に対して右手への傾斜角を有していてもよく、一方、区画42Bの開口Hは左手への傾斜角を有していてもよい。図1Dに図示するようなコリメータを用いれば、単一放射線検出器40を用いて、しかも前記検出器を動かす必要なしに、所定の対象の異なる視界の2つ以上の同時画像が得られる。
【0013】
しかし、人体に用いる場合、非一様コリメータアプローチは少なくとも二つの欠点を提示する。第一の問題は、放射線検出装置40をイメージングされる対象の極めて近くで用いることができないことである。というのは、検出装置40が対象に近づくにつれ、図1Dの斜線範囲で図示されるように視野(FOV)が次第に小さくなるからである。対象が放射線検出器から更に遠い位置にあると、それにつれて対象の完全な画像を得るために必要な時間が大幅に長くなる。第二の問題は、対象全体の画像を一回で、すなわち、ワンショットで撮るためには、検出器の表面のサイズがイメージングされる対象のサイズの少なくとも二倍でなければならない点である。これによって放射線検出装置の全体サイズが大きくなる。その結果、例えば、直腸、膣又は食道等の体腔を介して対象を見る場合のように、作動領域が限定され、しかも放射線検出装置の寸法が小さいことが必要なイメージング用途のためには、前記非一様コリメータアプローチは実用的ではない。
【0014】
従来の放射線イメージングシステムが直面する前述の課題に鑑み、小型の検出器から可能な最も近い距離に目的の対象を維持しつつ、迅速な3−D放射線イメージングが可能な新規コリメータ及び集光技術を開発することが強く望まれている。
【発明の概要】
【0015】
本発明によれば、三次元放射線イメージング用交錯多開口コリメータが開示される。前記コリメータは、前記コリメータの視野内において放射線源から放射される放射線ビームを吸収及び平行化するように構成されたコリメータ本体を含む。前記コリメータ本体は、前記放射線源に最も近接して配設された表面(表面の平面)を有する。前記コリメータ本体の前記表面全体にわたって複数の開口が二次元格子状に配設されている。前記複数の開口は、各開口群がイメージングされる対象のそれぞれの視界を規定するように、群に分割されている。第一の開口群は、前記格子の横列を交互に或いは一つおきに配置することによって形成され;第二の開口群は、前記第一の群の横列に隣接する横列の開口によって形成されている。前記第一の群の開口は、前記表面に対する第一の方位角に沿って整列したそれぞれの長軸を有し;前記第一の群の開口が前記第二の群の開口と交錯するように、前記第二の群の開口は、前記表面に対する第二の方位角に沿って並んだそれぞれの長軸を有する。
【0016】
また、前記複数の開口は、第三の群に更に分割されていてもよい。前記第三の開口群は、イメージング対象の第三の視界をそれぞれ規定する。前記第三の開口群は、前記第一及び第二の群の開口の横列の間に位置する前記格子の横列を更に交互に又は一つおきに配置することによって形成される。前記第三の群の開口が前記第一及び第二の群の開口と交錯するように、前記第三の群内の開口は、前記表面に対する第三の方位角に沿って並んだ長軸を有する。
【0017】
また、前記複数の開口は、第四、第五、第六、第七、第八、第九等々の群に更に分割されていてもよい。各追加の開口群は、それぞれイメージング対象の追加の視界を規定する。各追加の開口群は、先行する群(例えば、第四の群に対しては、第一、第二及び第三の群)の開口の列の間に位置する前記格子の横列を更に交互に又は一つおきに配置することによって形成される。これらの群の開口が前記先行する群、例えば、第一、第二、及び第三の群の開口の列と交錯するように、前記その他の群内の開口は、前記表面に対する更に望ましい方位角にそって整列された長軸を有する。
【0018】
好ましくは、前記多開口コリメータにおいて、第一の群の開口が前記コリメータ本体の前記表面に対して垂直であり、一方、第二の群の開口が前記コリメータ本体の前記表面に対して所定の角度に傾斜している。或いは、第一の群の開口が前記表面に対して第一の方向に傾斜していてもよく、一方、第二の群の開口が前記表面に対して第二の方向に傾斜していてもよい。前記複数の開口が三つの群に分割されている場合、第一の群の開口が前記表面に対して第一の所定の角度に傾斜しており、第二の群の開口が前記表面に対して第二の所定の角度に傾斜しており、そして第三の群の開口が前記コリメータ本体の前記表面に対して垂直である。
【0019】
前記複数の開口は、好ましくは、ピンホール又は平行孔であってもよい。前記複数の開口は、放射線吸収材料の固体板を直接機械加工して孔を開けることによって、放射線吸収材料の隔壁を横方向に配置して放射線誘導導管又は通路の所定のパターンを形成するか、或いは、各層が所定の開口断面及び/又は開口分布パターンを有する放射線吸収材料の複数の層を上下方向に積層することによって形成されてもよい。前記複数の開口は、円、平行四辺形、六角形、多角形、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも一つで定義される幾何学的断面を有していてもよい。
【0020】
二次元格子状に配設された複数の開口は、前記格子の横列がその縦列に対して垂直になるように配置されてもよく、或いは、前記格子の横列が互いに食い違いに配置されてハニカム様構造を形成してもよい。
【0021】
本発明はまた、三次元放射線イメージングを行うように構成された放射線イメージング装置を開示する。前記放射線イメージング装置は、上記のような交錯多開口コリメータと、放射線検出モジュールとを含み、前記放射線検出モジュールは、画素化検出器デザイン、直交ストリップデザイン、又は単一の個々の検出器のモザイク状アレイ配列に従って設計がなされている。
【0022】
本発明の交錯多開口コリメータは、小型の放射線検出器が求められ、且つ、放射線検出装置の表面の近くに、或いは、更には接触してさえも目的の対象を配置し得るようなイメージング用途に取り組む。例えば、コリメータの表面からゼロ〜数インチの距離内に対象が配置され得る。本発明の交錯多開口コリメータの他の独特な態様は、これによって、目的の対象のサイズに匹敵するサイズを有する小型の放射線検出装置、例えば、ガンマ線カメラの設計が可能になり、また、優れた感度及び空間分解能で、迅速且つ効率的なイメージングを行うことが可能になることである。
【0023】
そのような小型設計が望まれ得る用途の一例は、前立腺癌検出用の放射線検出プローブの構築である。前立腺イメージングに用いられる場合、放射線検出装置のサイズが小さいことと、その放射線検出装置を目的の対象の極めて近くで使用できる能力とは、患者にとっての快適さのためだけでなく、損傷又は病的組織の位置をより正確に特定するためにも特に望ましい。更に、検出装置を目的の対象からゼロ乃至数インチの距離内に配置することによって、高画質の画像が有利に生成でき、また、患者の体外で用いる放射線検出装置に比べてより高い感度であることは、画像収集時間をより短くし、患者に注射する放射性トレーサーをより少なくする。
【0024】
本発明によれば、患者の放射線イメージング方法が開示される。前記方法は、(a)対象における所定の標的位置を規定する工程と、(b)前記標的位置の近傍に本発明の交錯多開口コリメータを配置する工程と、(c)前記標的位置からの放射線を、前記交錯多開口コリメータの視野内で交錯多開口コリメータによって平行化して前記標的位置の少なくとも二つの視界とし、ここで、前記標的位置の視界は、コリメータ本体全体にわたって二次元格子状に配設された複数の開口によって規定される工程、(d)前記交錯多開口コリメータを通過した放射線を放射線検出モジュールによって検出する工程、及び(e)前記放射線検出モジュールによって記録された情報を処理して、前記交錯多開口コリメータにおける開口の規定された角度に基づいて所望の画像を生成する工程を包含する。本発明の別の実施形態において、前記放射線イメージング方法は、前記標的位置からの放射線を、前記交錯多開口コリメータの視野内で交錯多開口コリメータによって平行化して、前記標的位置の第一及び第二の視界とすることを包含する。前記標的位置の第一及び第二の視界は、前記コリメータ本体全体にわたって配設された第一及び第二の開口群によってそれぞれ規定される。前記第一の開口群は、交互配置する横列の開口によって形成され、前記第二の開口群は、前記第一の群の横列に隣接する横列の開口によって形成される。前記第一の群内の開口は、前記表面に対する第一の方位角に沿って並んだそれぞれの長軸を有する。一方、前記第二の群内の開口は、前記第一の群の開口が前記第二の群の開口と交錯するように、前記表面に対する第二の方位角に沿って整列したそれぞれの長軸を有する。本発明の更に別の実施形態において、前記放射線イメージング方法は、前記放射線源から放射された放射線を前記交錯多開口コリメータによって平行化して、前記標的位置の第三の視界とすることを更に包含する。本発明のなお別の他の実施形態において、前記放射線イメージング方法は、前記放射線源から放射された放射線を前記交錯多開口コリメータによって平行化して、前記標的位置の第四、第五、第六等々の視界とすることを更に包含する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1Aは、従来の先行技術の放射線イメージングシステムを、そのイメージング原理を説明するために図示する。図1Bは、従来の先行技術のCTシステムの構成を図示し、このシステムにおいて、放射線源に対応して放射線検出装置がイメージング対象の周囲を回転する。図1Cは、従来の先行技術のPETシステムを図示する。このシステムにおいて、複数の放射線検出装置が対象の周囲に配置されている。図1Dは、従来の先行技術の非一様コリメータの構成を示す。
【図2】図2は、二つの開口群を備えた、本発明に従う交錯多開口コリメータの一実施形態を、隣接する横列の開口の中心に沿った断面図とともに図示する。
【図3】図3A及び図3Bは、交錯多開口コリメータの表面における開口の例示的な分布を図示する。
【図4】図4A及び図4Bは、互いに交錯する二つの開口群を有する、二つの異なる実施形態の交錯多開口コリメータにおいて、例示的な視野の配置を図示する。
【図5】図5A及び図5Bは、交錯多開口コリメータの更なる実施形態を図示する。
【図6】図6は、交錯多開口コリメータの更なる実施形態を図示する。
【図7】図7は、交錯多開口コリメータと直交ストリップ検出器とを用いた放射線イメージング装置の例示的な実施形態を示す。
【図8】図8は、交錯多開口コリメータを個々の検出器のアレイとともに使用する放射線イメージング装置エレメントの例示的な実施形態を図示する。
【図9】図9は、交錯多開口コリメータを画素化検出器(pixilated detector)とともに使用する放射線イメージング装置の例示的な実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明
本発明の実施形態を説明するにあたり、明瞭化の利益のために、下記用語及び頭字語を以下の通り定義する。
定義
2−D:二次元:通常2−Dイメージングに関する、
3−D:三次元:通常3−Dイメージングに関する、
開口:通常、目的の対象から検出エレメントへと放射線を誘導するためにコリメータの本体に作られ又は構築された導管又は通路をいう。従って、「開口」をピンホール、平行孔、放射線導波路等と称してもよい。
CT:コンピュータ断層撮影、
FOV:視野
keV:キロ電子ボルト(1000電子ボルトに相当するエネルギーの単位)、
対象:単数又は複数の何れかの意味である、物体、器官、身体の一部等をいう、
PET:陽電子放射断層撮影、
隔壁:放射線を誘導するための導管又は通路を形成する薄い壁又は仕切り、
SPECT:単一光子放射コンピュータ断層撮影。
【0027】
下記の種々の実施例の説明において添付図面が参照され、ここでは、同等の参照番号が同等の部分を参照する。図面は、3−D放射線イメージング適用のための交錯多開口コリメータが実施されてもよい種々の実施形態を図示する。しかし、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、他の構造的及び機能的改変を開発し得ることが理解されるべきである。
【0028】
I.交錯多開口コリメータの構造
図2は、本発明に基づく交錯多開口コリメータの一例示的実施形態を、隣接する開口の横列の中心を通る断面図とともに図示する。図2を参照すると、放射線検出装置200は、多開口コリメータ210及び検出器モジュール220を備える。多開口コリメータ210は、放射線源(図示せず)に近接して配設された表面205を有する放射線吸収コリメータ本体を備え、前記コリメータ本体全体にわたって配置された複数の開口Pを備える。
【0029】
図3Aは可能な配置の一つを図示し、ここでは、複数の開口Pは、横列と縦列の直交する二次元格子状にコリメータ本体の表面205上に配置されている。直交する二次元格子配列において、前記コリメータの前記開口は、横列及び縦列として編成されている。開口の或る横列の中心を貫く想像線Rが、開口の或る縦列の中心を貫く想像線Cに対して垂直になるように、これら横列及び縦列は互いに揃えられている。換言すれば、横列と縦列とは互いに直交する。或いは、図3Bに示すように、複数の開口がハニカム様構造を形成するように、一連の複数の開口が互いに隣接する横列の連続で配置されてもよいが、横列が互いに隣接するが、各横列は隣接する横列に対して所定の角度εで食い違いになる。ハニカム様構造においては、横列が互いに食い違いになっているので、直交する開口の縦列は形成されない。従って、食い違い配置においては、開口のある横列の中心を貫く想像線Rは、隣接する横列の対応する開口の中心を横方向に貫く想像線Xに対して角度εをなす。何れの場合も、前記複数の開口は少なくとも二つの群(L群及びR群)に選択的に分割される。
【0030】
図2を再び参照すると、第一の開口群201(L群)は、格子中の横列の開口を一つおきに配置する(交互配置する)ことによって形成される。第一の群の開口の或る横列の中心を貫く断面図I−Iは、図2の左上側に参照番号201aを付して図示される。この第一の群において、開口は、コリメータの表面205に対して(例えば、図2の左側に傾斜した)第一の方位角θで配置された長軸(縦軸)222を有する。
【0031】
同様に、第二の開口群202(R群)は、前記第一の群の横列に隣接する複数横列の開口を一つおきに配置する(交互配置する)ことによって形成される。第二の群の開口の或る横列の中心を貫く断面図II−IIは、図2の左下側に参照番号202aを付して示される。第二の群において、開口は、前記コリメータの表面205に対して(例えば、図2の右側に傾斜した)第二の方位角βで配置されたそれぞれの長軸222を有する。特定の用途の要件に応じて、角度βは角度θと同じであってもよく、同じでなくてもよい。
【0032】
上記配列の結果として、これら二つの群からの横列の開口は互いに交錯する。すなわち、第一の群の横列201の開口は全て第一の方位角θで配置され、一方、第二の群の横列の開口は全て第二の方位角βで配置され、且つ、第一の群の横列と第二の群の横列とは一つおきに交互に配置されている。第一の群201及び第二の群202内における開口Pは全て平行である。より詳細には、各群内において、複数の開口Pの軸222の各々は、他の全ての開口に対して平行である。
【0033】
好ましい実施形態において、コリメータ210の、表面205を有するコリメータ本体は、高い密度及び中程度乃至高い原子質量を有する「高原子番号」材料として知られる放射線吸収材料から作られていてもよい。このような材料の例としては、鉛(Pb)、タングステン(W)、金(Au)、モリブデン(Mo)及び銅(Cu)が挙げられるが、これらに限定されない。この放射線吸収材料の選択及び放射線吸収性材料の厚みは、入射放射線の効率的な吸収を提供するように定められるべきであり、通常は、これらの事項は、入射放射線の種類と、その放射線がコリメータの表面に達した時の放射線のエネルギーレベルとによって左右される。入射放射線の種類及び放射線のエネルギーレベルは、特定のイメージング用途、例えば医療用や工業用に左右され、或いは、汎用放射線吸収材料を用いることによって幾つかの異なる用途の何れにも用いられるように設計されてもよい。工業用及び/又は医療用用途に適用可能である一実施形態において、入射放射線は、X線を発生する外部放射線源又はデバイスによって放射される。医療用用途においては、例えば、一実施形態において、インジウム−111(111In;171keV及び245keV)及びテクネチウム−99m(99mTc;140keV)が前立腺癌又は脳腫瘍のイメージングのための放射性トレーサーとして用いられる。このような用途において、コリメータ210はタングステン、鉛又は金から作られ得ることが想定される。医療用用途に適用可能な他の実施形態においては、ヨウ素−131(131I;364keV)がイメージング用放射性トレーサー及び/又は甲状腺癌治療用放射性移植シードとして用いられる。このような用途において、コリメータ210は、タングステン、鉛、又は金から作られ得ることが想定される。医療用用途に適用可能な更に別の実施形態においては、ヨウ素125(125I;27〜36keV)及びパラジウム103(103Pd;21keV)が、早期前立腺癌、脳腫瘍、及び種々の黒色腫の治療用放射性移植シードとして用いられる。このような用途において、コリメータ210は、銅、モリブデン、タングステン、鉛又は金から作られ得ることが想定される。1つの好ましい実施形態において、コリメータ210は銅から作られる。別の好ましい実施形態において、コリメータ210はタングステンから作られる。更に別の好ましい実施形態において、コリメータ210は金から作られる。表面205を規定するコリメータ本体は、所定の厚みの放射線吸収材料の固体層で作られていてもよい。ここにおいて、複数の開口は、最適化仕様に応じた任意の既知の方法で機械加工されていてもよい。例えば、所定の厚みの放射線吸収材料の固体層を、既知の方法(例えば、精密レーザーを用いる方法)で機械加工されてもよく、適切な開口パラメータ及び開口分布パターンを有するコリメータが容易に達成できる。
【0034】
複数の開口を含有するコリメータ本体はまた、放射線吸収材料の隔壁を、放射線誘導導管又は通路の所定のパターンを形成するように横方向に配置することによって作られていてもよい。加えて、複数の開口を有するコリメータ本体は、各層が所定の開口断面及び分布パターンを有する放射線吸収材料の複数の層を垂直方向に積層することによって製造され、それらが集合的に放射線誘導導管又は通路を形成されてもよい。例えば、鉛、金、タングステン等の複数の層を垂直方向に積層して、迷放射線及び散乱放射線の吸収の促進を提供し、所定の波長の放射線のみが検出されることを確実にしてもよい。複数の層を垂直方向に積層する場合、コリメータは、同一の放射線吸収材料のそれぞれの層を積層することによって、又は異なる放射線吸収材料の層を積層することによって形成されてもよい。
【0035】
交錯多開口コリメータ210において、開口直径及び形状、開口の材料、開口配列、開口数、焦点距離及び受光角等の開口パラメータは、特定の値に限定されるものではないが、当業者によって理解されるように、設計される個々のシステムに必要なシステム性能仕様に基づいて最適なものとすることを前提として、決定されるべきである。ピンホールや平行孔等の開口について最適な構成をもたらす広範な特許及び非特許文献が容易に入手できる。そのような文献の例としては、Semiconductor Sensor for Gamma−Ray Tomographic Imaging Systemという標題のBarberらへの米国特許第5,245,191号、及び「Investigation of Spatial Resolution and Efficiency Using Pinholes with Small Pinhole Angle」という標題の非特許文献、M.B.Williams,A.V.Stolin and B.K.Kundu,IEEE TNS/MIC 2002が挙げられ、これらの各々はその全体が参照により本明細書に援用される。
【0036】
図2に戻って参照すると、放射線検出装置の全体サイズを減少するために、コリメータ210が好ましくは検出器モジュール220の近くに或いは更には接触さえして配置され得るように、コリメータ210を検出器モジュール220に対して実質的に平行に配置されるように適合させる。図2の断面図I−I及びII−IIに図示されるように、開口Pの各軸222を対応する検知素子225の中心と揃えるように、検出器モジュール220はコリメータ210に対して配置される。この様式で、検知素子225の二次元アレイを備える検出器モジュール220もまた二つの群に実質的に分割される。結果として、検知素子225の二つの群の横列も、コリメータ210の横列と同様の様式で交互配置される。
【0037】
図2に図示された交錯多開口コリメータには、それを従来公知のものと区別する特徴が幾つかある。例えば、このコリメータは、目的の対象を放射線検出装置200の極めて近くに或いは更には接触した状態に保ちつつ、少なくとも二つの異なる視界から対象を同時にイメージングすることを可能にする。このため、例えば、ガンマ線カメラ等の放射線検出装置の全体サイズを効果的に減少できる。この交錯多開口コリメータの前記特定の配列は、目的の対象に対して近接して放射線検出装置を配置することが必要とされ、且つ、検出器のサイズが小さいことが必要とされる放射線イメージング用途にとって特に有意義であると考えられる。さらに、本発明の交錯多開口コリメータの開口をピンホール状に設計した場合、交錯多ピンホールコリメータは、空間分解能を犠牲にすることなく、より感度の増加を示す。具体的には、ここに開示された交錯多開口コリメータは、比較的小型だが高分解能の放射線検出器を用いた大きなFOVのイメージングを可能にする。
【0038】
本発明の図2の上記実施形態は、とりわけ、放射線検出装置を目的の対象の近くに或いは接触さえして配置され得るように、対象及び放射線検出装置間の距離を減少することによってなされる、効率と空間分解能との交換条件のバランスをとることに向けられている。
【0039】
図4A及び4Bは、本発明の交錯多開口コリメータの異なる実施形態によって得られる平行化プロセス及びその利点を図示する。所望の用途に応じて、前記開口Aの群の交錯は完全であってもよく、部分的であってもよい。「完全に」交錯するとは、1つの開口群における孔の全てが、おそらく前記コリメータ本体の端部にある開口を除いて、他の開口群によってカバーされる領域に位置することを意味する。1つの群の開口の(全てではなく)幾つかが他の群によってカバーされる領域を越えて位置する場合、開口は「部分的に」交錯している。
【0040】
図4Aは、二つの開口群が完全に交錯している交錯多開口コリメータを備える放射線検出装置400を図示する。図4Aから理解できるように、第一の方位角に沿って配置された第一の開口群を第二の方位角に沿って配設された第二の開口群と「完全に」交錯させることによって、二つの異なる視野が規定される。すなわち、第一の開口群によってL視界が規定され、第二の開口群によってR視界が規定される。開口群を完全に交錯配列しているために、二つの視野は、前記コリメータの表面で互いに重なり合う。従って、前記コリメータの近くで比較的広いFOVが容易に達成され、これにより検出装置400を目的の対象の極めて近くに配置することが可能になり、また、対象20全体を少なくとも二つの異なる方位角から同時に画像化することが可能になる。この配列は、放射線検出装置400の感度及び効率を飛躍的に向上させる。
【0041】
図4Bは、放射線検出装置401を示す。ここにおいて、交錯多開口コリメータは、開口の一部のみが交錯するように設計されている。図4Bの実施形態において、たとえ二つの開口群が部分的にのみ交錯していても、対象20に対して実質的に近接する距離に設置された放射線検出装置401は、対象全体を最適なイメージング感度及び分解能でイメージングすることを可能にする。図4Bに示すような配列においては、開口の二つの群が部分的にのみ互いに交錯しているので、検出器モジュールに対して垂直方向にFOVが効果的に延長される。従って、この構成は、放射線検出装置における向上した感度及び効率をなおも維持しつつ、イメージング対象が、図4Aの「完全に」交錯する構成に比較して、検出器デバイスから更に離れて位置されることを可能にする。更に、二つの開口群を部分的にのみ交錯させることによって、異なるイメージング分解度を得ることができる。例えば、二つの開口群が交錯している(すなわち、第一の群のFOVが第二の群のFOVと重なり合っている)放射線検出装置401の区画では、前記二つの開口群が交錯していない区画よりも高いイメージング分解能を提供する。従って、選択的なイメージング分解能が達成され得る。
【0042】
図4A及び4Bの実施形態に示されるように、少なくとも二つの開口群を交互に交錯させることによって、前記検出器の全体サイズを、目的の対象又は領域のサイズに匹敵するサイズまで効果的に減少されてもよい。これに対して、図1Dの従来技術では、目的の対象のサイズの少なくとも二倍のサイズの検出器モジュールを必要とする。その結果、本発明の交錯多開口コリメータの少なくとも一つの実施形態が、小型の放射線検出器を目的の対象の極めて近くで、或いは接触さえして用い得る放射線イメージング用途での要求に応えることは、上記の記載から明らかである。
【0043】
図5A及び5Bは、図2に示された実施形態の改変に基づく、本発明の更なる実施形態を図示する。図2を参照して既に説明された要素及び構造はここでは省略する。図5Aは、表面505を有する多開口コリメータ500を図示する。ここでは、複数の開口Pは互いに食い違いの横列状に配置され、且つ、第一の群501(L群)と第二の群502(R群)とに分割されている。この二つの群は、図2のコリメータにおける開口群と同様の様式で交錯している。しかし、各開口の幾何学的断面が平行四辺形で定義されるように、図5Aの実施形態における開口Pが設計されている。例えば、図5Aの実施形態において、各開口の幾何学的断面は、矩形又は正方形で定義されてもよい。矩形又は正方形断面の開口は、各開口の対応する放射線検出エレメント又は画素(図示せず)への位置合わせを容易にし、それにより検出効率を向上するのに有利であり得る。例えば、通常、検知エレメントのアレイの横列及び縦列の格子状配列並びに断面形状に近似したパターンに設計された多開口コリメータ500において、各放射線検出エレメントの表面は、イメージングされる対象からの目的の所定の放射線領域から所望の経路に沿って通過した放射線のみに曝露されることが最適である。具体的には、各開口の幾何学的断面を各検出エレメントの幾何学的形状に合わせることによって、より効率的な放射線検出がもたらされる。各開口群の幾何学的断面は、上記構造に限定されるものではない。例えば、上記に加え、六角形若しくは他の多角形、又はそれらの組み合わせによって定義される幾何学的断面を有する開口は、本発明の範囲内であるとみなされる。
【0044】
図5Bは、図2に示される実施形態の別の改変を図示する。図5Bの実施形態において、第一及び第二の開口群は、第一の実施形態の場合と同様に交錯している。すなわち、第一の群511の横列の開口と、第二の群512のそれらとは互いに交互に交錯している。第一の群511における開口は、コリメータの前記表面に直交する第一の方位角ωで配置されており、一方、第二の群512における開口は、コリメータの前記表面に対して第二の方位角β(例えば、所定の角度に傾斜している)で配置されている。この特定の実施形態は、それぞれ異なるイメージング視界から異なる倍率を得る点で有利であり得る。例えば、放射線検出装置からの対象の距離に依存して、(前記対象に直交する)第一の群511によって得られる画像は実際のサイズの画像を生成し得る。一方、(所定の角度に傾斜している)第二の群512によって得られる画像は、所定の倍率レベルの画像を生成するように設計されていてもよい。
【0045】
図6は、図2に示す実施形態の更なる改変を図示する。図6の実施形態に従うと、放射線検出装置600は、多開口コリメータ610及び検出器モジュール620を備える。多開口コリメータ610は表面605を有する。複数の開口、例えばピンホール又は平行孔は、コリメータ本体の全体にわたって配設されている。複数の開口は選択的に三つの群に分割されており、各群は、図2の実施形態と同様の様式で他と交錯している。左側のイメージング視界を規定するように構築されている第一の群601(L群)の開口は、コリメータの表面605に対して第一の方位角θで配置されている。それぞれ、対応する中央及び右側イメージング視界を規定するように構築された第二の群602(M群)及び第三の群(R群)は、コリメータの表面605に対して対応する角度ω及びβを有していてもよい。第一、第二、及び第三の群の開口の或る横列を横切る断面図は、それぞれ参照番号601a、602a及び603aで表される。
【0046】
図6の実施形態において、第一の群601、第二の群602及び第三の群603内の全ての開口Pは平行である。より詳細には、各群内で、複数の開口Pの軸の各々は他の全ての開口に対して平行である。この特定の実施形態は、更なる視界及び/又は倍率レベルを得る点で有利であり得、これらは、検出器モジュールのサイズを小型に維持しつつ、より正確な画像再構成を行う際に有益であり得る。例えば、第一の群601を第一の所定の倍率レベルでのイメージングに用いてもよく、第二の群602を非拡大イメージング(例えば実物大イメージング)に利用してもよく、そして、第三の群603を異なる角度から及び別の所定の倍率レベルでのイメージングに用いてもよい。換言すれば、所定のシステムの最適化された感度及び分解能の要件に従って、前記群の各々を所定の倍率レベルでのイメージングのために設計してもよい。
【0047】
II.交錯多開口コリメータ適用の実施例
図7は、交錯多開口コリメータ710及び放射線検出器モジュール720を備える3−Dイメージング用放射線検出装置700の可能な一構成を図示する。表面705を有する前記多開口コリメータ710は、開口Pの2−D格子を備える。格子中の開口は、図3A及び3Bにそれぞれ図示されるように、直交状又はハニカム様配列に配置されていてもよい。格子は、上記実施形態の何れか又はその均等物に従って交錯及び配置された少なくとも二つの開口群に分割される。検出モジュール720は、対象(示さず)から入射して交錯多開口コリメータ710を介して伝送された放射線ビームを検出するように構成されている、固体検出器又はシンチレータ検出器を備えてもよい。
【0048】
シンチレータ検出器は、有効容積の発光物質(液体又は固体)を含み、前記発光物質は、ガンマ線誘起発光を検出するデバイス(通常、光電子増倍管(PMT)又はフォトダイオード)によって観測される。シンチレーション物質は有機物であってもよく無機物であってもよい。有機シンチレータの例はアントラセン及びp−ターフェニルであるが、これらに限定されない。いくつかの一般的な無機シンチレーション物質の例は、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化セシウム(CsI)、硫化亜鉛(ZnS)及びヨウ化リチウム(LiI)であるが、これらに限定されない。ゲルマニウム酸ビスマス(Bi4Ge312)(一般にBGOといわれる)は、高いガンマ線計数効率及び/又は低い中性子感度が要求される用途において広く普及している。臨床SPECTシステムの多くにおいて、タリウム活性化ヨウ化ナトリウム、NaI(Tl)が一般的に使用されるシンチレータである。
【0049】
固体検出器は、検出された放射線エネルギーの直接的な電子信号への変換を提供する半導体を備える。これらの検出器のガンマ線エネルギー分解能は、シンチレーション検出器のそれよりも劇的に優れている。固体検出器は、典型的には矩形又は円形断面のいずれかを有する結晶を含んでいてもよく、この結晶は、目的とする用途に関連する、放射線エネルギー領域に基づいて選択された有効厚みを有する。とりわけ、テルル化カドミウム亜鉛(CdZnTe又はCZT)、テルル化カドミウムマンガン(CdMnTe又はCMT)、Si、Ge、非晶質セレンなどの固体検出器が提唱されており、交錯多開口コリメータを適用し得る放射線イメージング用途のために十分に適している。
【0050】
図7の検出器モジュール720は、直交ストリップデザインに基づいていてもよい。直交ストリップ検出器は、J.C.Lundらによって、Sandia National Laboratories発行(1997年8月)「Miniature Gamma−Ray Camera for Tumor Localization」において提唱されたように、両面型であってもよい。この文献はその全体が参照により本明細書に援用される。或いは、検出器モジュール720は単一の検出器エレメントののアレイ又は画素化検出器に基づいていてもよい。
【0051】
図7の例において、検出器モジュール720は、両面型直交ストリップデザインの可能な一構成を表す。両面型直交ストリップデザインにおいては、平行な電気接点(ストリップ)の横列及び縦列が、一枚の半導体ウエハの反対側に互いに直角に設置されている。検出器表面での放射線検出は、縦列と横列の間での同時事象をスコア付けすることによって確認される。より詳細には、対象から放射された放射線ビームがコリメータ710の開口Pを横切る場合、開口Pの軸に対して実質的に平行な放射線ビームのみが縦列と横列との交差点に到達し、それにより信号を生成する。読み出し回路750は、受信した信号を既知の方法で処理及び解析装置に伝送する。
【0052】
直交ストリップデザインを用いることは、読み出し回路の複雑性が顕著に軽減する。一般的に、NxN個の個別画素のアレイのためには、N2個のチャンネルが必要であるのとは反対に、N2個の検出部のアレイを読み出すためには読み出し回路(図7の750)はわずか2xN個のチャンネル数を必要とする。片面型直交ストリップ検出器は、検出器の片面のみ、例えば、半導体検出器のアノード表面上に横列及び縦列に構成された収集接点を用いて、電荷共有原理に基づいて動作する。片面型ストリップ検出器は、両面型のそれよりも一層少ない電子チャンネル数を必要とする。例えば、両面型検出器は、電気接点が両面のストリップに形成する必要があるのに対し、片面型(共面型)のものは、検出器の片面にのみ配置された収集接点を用いる。デザインが簡潔であるとともに、読み出し回路の複雑性が軽減されていることにより、直交ストリップデザインの検出器モジュールは、本発明の交錯多開口コリメータの種々の実施形態の適用にとって特に有利であると考えられる。しかし、交錯多開口コリメータの適用はこれに限定されるものではない。
【0053】
図8は、交錯多開口コリメータの別の適用例を図示する。図8の実施形態において、放射線検出装置800は、交錯多開口コリメータ810及び検出器モジュール820を図示する。検出器モジュール820は、この実施形態においては、単一検出素子825のアレイを図示する。開口Pの軸に対して実質的に平行な放射線ビーム(示さず)は、コリメータ810を横切り、個々の検出素子825によって検出される。ここで、単一の検出素子825は、シンチレータ+種々の構成の光子検知装置又は半導体検出器に基づいていてもよく、これらの構成には、共面検出器、又は、参照によりその全体が本明細書に援用される、A.E.Bolotnikovら「Optimization of virtual Frisch− grid CdZnTe detector designs for imaging and spectroscopy of gamma rays」Proc.SPIE,6706,670603(2007)によって提案されているような、いわゆるFrischグリッド検出器デザインが含まれるが、これらに限定されない。読み出し回路850は、検出された信号を既知の方法で処理及び解析装置に伝送する。
【0054】
図9は、交錯多開口コリメータ910及び検出器モジュール920を備える放射線イメージング装置900の更なる例を図示する。交錯多開口コリメータは、本発明の図2〜6を参照して記載された実施形態の何れかに従って設計されていてもよい。検出器モジュール920は、コリメータ910の複数の開口Pに対応して配置されている、複数の検出電極925を有する画素化(pixilated)検出器を含む。ここで、画素化検出器は、一方の面に共通電極を有し、他方の面に検出電極のアレイを有する半導体検出器である。読み出し回路950は、検出された信号を図7又は8の例と同様の様式で処理及び解析装置に伝送する。
【0055】
本明細書中上記に言及した刊行物及び特許は全て参照により本明細書中に援用される。本発明の範囲及び技術思想を逸脱しない範囲で、記載された交錯多ピンホールコリメータの種々の改変及びバリエーションは、当業者にとって明らかである。本開示を特定の好ましい実施形態に関連して説明したが、特許請求の範囲に記載された発明をそのような特定の実施形態に不当に限定すべきでないことを理解すべきである。実際、当業者ならば、本明細書に記載の発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識し、または通常の実験だけを用いて確認することが可能である。このような均等物は下記特許請求の範囲に包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源から放射される放射線ビームをコリメータの視野内で吸収及び平行化するように構成され、前記放射線源に最も近接して配設された表面を有するコリメータ本体と;
前記コリメータ本体全体にわたって二次元格子状に配設され、イメージング対象の複数の視界をそれぞれ規定する複数の群に分割されている複数の開口とを備えるコリメータであって、前記開口群が前記コリメータ本体全体にわたって前記二次元格子状に交互配置又は交錯している、コリメータ。
【請求項2】
複数の開口が、イメージング対象の第一の視界及び第二の視界をそれぞれ規定する第一の群及び第二の群に分割されており、前記第一の開口群は横列の開口を交互配置することによって形成され、前記第二の開口群は前記第一の群の横列に隣接する横列の開口によって形成されており、且つ、前記第一の群内の開口は、前記表面に対する第一の方位角に沿って並んだそれぞれの長軸を有し、前記第二の群内の開口は、前記第一の群の開口が前記第二の群の開口と交錯するように、前記表面に対する第二の方位角に沿って並んだそれぞれの長軸を有する、請求項1に記載のコリメータ。
【請求項3】
複数の開口が、前記イメージング対象の第三の視界をそれぞれ更に規定する第三の群に更に分割されており、
前記第三の開口群は、前記第一及び第二の群の開口の横列の間に位置する横列の開口を更に交互配置することによって形成されており、且つ、
前記第三の群内の開口は、前記第三の群の開口が前記第一及び第二の群の開口と交錯するように、前記表面に対する第三の方位角に沿って並んだそれぞれの長軸を有する、請求項2に記載のコリメータ。
【請求項4】
複数の開口が、前記イメージング対象の追加の視界をそれぞれ更に規定する一つ以上の追加の群に更に分割されており、前記追加の開口群は、前記先行する群の開口の横列の間に位置する横列の開口を更に交互配置することによって形成され、且つ、
前記追加の群内の開口は、前記追加の群の開口が前記先行する群の開口と交錯するように、前記表面に対する追加の方位角に沿って並んだそれぞれの長軸を有する、請求項2又は3に記載のコリメータ。
【請求項5】
前記第一の群における前記開口が前記表面に対して垂直であり、且つ、前記第二の群における前記開口が前記コリメータ本体の前記表面に対して所定の角度に傾斜している、請求項2に記載のコリメータ。
【請求項6】
前記第一の群の開口が前記表面に対して第一の所定の角度に傾斜しており、前記第二の群の開口が前記表面に対して第二の所定の角度に傾斜しており、且つ、前記第三の群の開口が前記コリメータ本体の前記表面に対して垂直である、請求項3に記載のコリメータ。
【請求項7】
前記第一の群の開口が前記表面に対して第一の角度に傾斜しており、且つ、前記第二の群の開口が前記コリメータ本体の前記表面に対して第二の角度に傾斜している、請求項2に記載のコリメータ。
【請求項8】
格子の横列と縦列とが互いに垂直になるように、前記複数の開口が前記二次元格子状に配設されている、請求項1〜7の何れか一項に記載のコリメータ。
【請求項9】
前記複数の開口が前記コリメータ本体の前記表面上にハニカム様構造を形成するようにして前記格子の一連の横列が互いに食い違いに配置されるように、前記複数の開口が前記二次元格子状に配設されている、請求項1〜7の何れか一項に記載のコリメータ。
【請求項10】
前記開口がピンホールである、請求項1〜9の何れか一項に記載のコリメータ。
【請求項11】
前記開口が平行孔である、請求項1〜9の何れか一項に記載のコリメータ。
【請求項12】
前記複数の開口が、(a)放射線吸収材料の固体板を機械加工して孔を開けるか、(b)放射線誘導導管又は通路を形成するために放射線吸収材料の隔壁を横方向に配置するか、又は(c)各層が所定の開口断面を有する放射線吸収材料の多数の層を上下方向に積層することによって形成される、請求項1〜11の何れか一項に記載のコリメータ。
【請求項13】
前記開口が、円、平行四辺形、六角形、多角形、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも一つで定義される幾何学的断面を有する、請求項1〜12の何れか一項に記載のコリメータ。
【請求項14】
前記第一の開口群内において各開口が他の全ての開口に対して平行であり、且つ、前記第二の開口群内において各開口が他の全ての開口に対して平行である、請求項2〜13の何れか一項に記載のコリメータ。
【請求項15】
前記コリメータが放射線吸収材料によって作られている、請求項1〜14の何れか一項に記載のコリメータ。
【請求項16】
前記放射線吸収材料が、高い密度と中等度乃至高い原子質量とを有する、請求項15に記載のコリメータ。
【請求項17】
前記放射線吸収材料が、入射放射線の種類と、前記コリメータの前記表面への到達時の前記放射線のエネルギーレベルとに基づいて選択される、請求項14に記載のコリメータ。
【請求項18】
前記入射放射線が、125I、111In、99mTc、131I、103Pd又はそれらの組み合わせによって放射される、請求項17に記載のコリメータ。
【請求項19】
前記入射放射線が、X線を発生する外部放射線源又はデバイスによって放射される、請求項17に記載のコリメータ。
【請求項20】
前記放射線吸収材料が、鉛(Pb)、タングステン(W)、金(Au)、モリブデン(Mo)、及び銅(Cu)からなる群より選ばれる、請求項15に記載のコリメータ。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の交錯多開口コリメータと;放射線検出モジュールとを備える、三次元放射線イメージングを行うように構成された放射線イメージング装置であって、前記放射線検出モジュールが、画素化検出器、直交ストリップ検出器、及び個々の検出器のアレイのうち少なくとも一つを含む、放射線イメージング装置。
【請求項22】
前記放射線検出器には、シンチレーション検出器及び固体検出器が含まれる、請求項21に記載の放射線イメージング装置。
【請求項23】
放射線イメージング方法であって、
a)目的の対象における所定の標的位置をあらかじめ規定すること;
b)前記標的位置の近傍に交錯多開口コリメータを配置すること;
c)前記標的位置からの放射線を、前記交錯多開口コリメータの視野内で交錯多開口コリメータによって平行化して前記標的位置の少なくとも二つの視界とすることであって、ここで、前記標的位置の視界は、コリメータ本体全体にわたって二次元格子状に配設された複数の開口によって規定されること;
d)前記交錯多開口コリメータを通過した放射線を放射線検出モジュールによって検出すること;及び
e)前記放射線検出モジュールによって記録された情報を処理して、前記交錯多開口コリメータにおける前記開口の規定された角度に基づいて所望の画像を生成すること
を包含する、放射線イメージング方法。
【請求項24】
請求項23に記載の放射線イメージング方法であって、前記方法は、標的位置からの放射線を、交錯多開口コリメータの視野内で交錯多開口コリメータによって平行化して、前記コリメータ本体全体にわたって配設された第一及び第二の開口群によってそれぞれ規定される、前記標的位置の第一及び第二の視界とすることを包含し、
ここで、前記第一の開口群は横列の開口を交互配置することによって形成され、前記第二の開口群は前記第一の群の横列に隣接する横列の開口によって形成され、且つ、前記第一の群内の開口は、前記表面に対する第一の方位角に沿って並んだそれぞれの長軸を有し、前記第一の群の開口が前記第二の群の開口と交錯するように、前記第二の群内の開口は前記表面に対する第二の方位角に沿って並んだそれぞれの長軸を有する、方法。
【請求項25】
請求項24に記載の放射線イメージング方法であって、前記方法は、更に、前記標的位置から放射された前記放射線を、前記交錯多開口コリメータの視野内で前記交錯多開口コリメータによって平行化して、前記標的位置の第三の視界とすることを更に包含し、
ここで、前記複数の開口は、前記第一及び第二の群の開口の複数の横列の間に位置する横列の開口を更に交互配置することによって形成された第三の群に更に分割されており、並びに、前記第三の群内の前記開口は、前記第三の群の開口が前記第一及び第二の群の開口と交錯するように、前記表面に対する第三の方位角に沿って並んだそれぞれの長軸を有する、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の放射線イメージング方法であって、前記方法は、更に、前記標的位置から放射された前記放射線を、前記交錯多開口コリメータの視野内で前記交錯多開口コリメータによって平行化して、前記標的位置の追加の視界とすることを含む方法であって、前記複数の開口は、前記先行する群の開口の横列の間に位置する横列の開口を更に交互配置することによって形成された、追加の群に更に分割されており、並びに、前記追加の群内の開口は、前記追加他の群の開口が前記先行する群の開口と交錯するように、前記表面に対するその他の方位角に沿って並んだそれぞれの長軸を有する、方法。
【請求項27】
前記第一の群における前記開口が表面に対して垂直であり、且つ、前記第二の群における前記開口が前記コリメータ本体の前記表面に対して所定の角度に傾斜している、請求項24、25、又は26に記載の放射線イメージング方法。
【請求項28】
前記第一の群の開口が前記表面に対して第一の所定の角度に傾斜しており、前記第二の群の開口が前記表面に対して第二の所定の角度に傾斜しており、且つ、前記第三の群の開口が前記コリメータ本体の前記表面に対して垂直である、請求項25に記載の放射線イメージング方法。
【請求項29】
前記第一の群の開口が前記表面に対して第一の角度に傾斜しており、且つ、前記第二の群の開口が前記コリメータ本体の前記表面に対して第二の角度に傾斜している、請求項24、25又は26に記載の放射線イメージング方法。
【請求項30】
格子の横列と縦列とが互いに垂直になるように、前記複数の開口が前記二次元格子状に配設されている、請求項23〜29の何れか一項に記載の放射線イメージング方法。
【請求項31】
前記格子の一連の横列が互いに食い違いに配置されて、前記複数の開口が前記コリメータ本体の前記表面上にハニカム様構造を形成するように、前記複数の開口が前記二次元格子状に配設されている、請求項23〜29の何れか一項に記載の放射線イメージング方法。
【請求項32】
前記開口がピンホール、平行孔又はそれらの組み合わせである、請求項23〜31の何れか一項に記載の放射線イメージング方法。
【請求項33】
前記開口が、円、平行四辺形、六角形、多角形、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも一つによって定義される幾何学的断面を有する、請求項21〜30の何れか一項に記載の放射線イメージング方法。
【請求項34】
前記第一の開口群内において各開口が他の全ての開口に対して平行であり、且つ、前記第二の開口群内において各開口が他の全ての開口に対して平行である、請求項24〜33の何れか一項に記載の医療用放射線イメージング方法。
【請求項35】
前記コリメータが放射線吸収材料から作られている、請求項23〜34の何れか一項に記載の放射線イメージング方法。
【請求項36】
前記放射線吸収材料が、高い密度及び/又は高い原子質量を有する高原子番号材料である、請求項35に記載の放射線イメージング方法。
【請求項37】
前記放射線吸収材料が、入射放射線の種類と、前記コリメータの前記表面への到達時の前記放射線のエネルギーレベルと、に基づいて選択される、請求項35に記載の放射線イメージング方法。
【請求項38】
前記入射放射線が、125I、111In、99mTc、131I、103Pd又はそれらの組み合わせによって放射される、請求項37に記載の放射線イメージング方法。
【請求項39】
前記入射放射線が、X線を発生する外部放射線源又はデバイスによって放射される、請求項37に記載の放射線イメージング方法。
【請求項40】
前記放射線吸収材料が、鉛(Pb)、タングステン(W)、金(Au)、モリブデン(Mo)、及び銅(Cu)からなる群より選ばれる、請求項36に記載の放射線イメージング方法。
【請求項41】
前記放射線検出モジュールが、画素化(pixilated)検出器、直交ストリップ検出器、及び単一の個々の検出器のアレイのうち少なくとも一つから選択される、請求項23〜34の何れか一項に記載の放射線イメージング方法。
【請求項42】
前記放射線検出器には、シンチレーション検出器及び固体検出器が含まれる、請求項41に記載の放射線イメージング方法。
【請求項43】
人体の一部における前記対象及び前記放射線が、前記標的位置に濃縮された放射性トレーサーによって放射される、請求項23〜42の何れか一項に記載の放射線イメージング方法。
【請求項44】
前記目的の対象が無生物体であり、且つ、前記放射線が外部放射線源から前記標的位置を通過する、請求項23〜42の何れか一項に記載の放射線イメージング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−522990(P2012−522990A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503662(P2012−503662)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2010/029409
【国際公開番号】WO2010/120525
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(510337665)ブルックヘイヴン サイエンス アソシエイツ, エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】