説明

三角錐型キューブコーナー再帰反射物品

【課題】優れた広角特性をもつ再帰反射物品の提供に有り、優れた入射角特性、観測角特性および、回転角特性の改善。
【解決手段】三角錐型再帰反射素子と、四面型再帰反射素子を具備する複合再帰反射物品において、該素子対の共有底辺(A‐B)と他の2つの底辺(B−C、C−A)となす2つの侠角(α=∠BAC、β=∠ABC)が異なり、該素子対が共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている第1の素子対群と、該素子対の底面の頂点(C1、C2)に対して線対称な第2の素子対群により形成すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は交通標識、工事標識あるいは車両マーキングなどに好ましく用いることの出来る再帰反射物品に関し、優れた入射角特性、観測角特性および回転角特性に優れた再帰反射物品に関する。
【0002】
詳しくは、再帰反射物品をいかなる方位に設置しても均一な回転角特性を示す三角錐型キューブコーナー再帰反射物品に関する。
【0003】
さらに詳しくは、交通標識などに好ましく用いることが出来る再帰反射シートであって、改善された入射角特性、観測角特性および回転角特性を有する再帰反射シートに関する。

【背景技術】
【0004】
優れた入射角特性、観測角特性および回転角特性を有する再帰反射シートの提供に関しては従来からいくつかの提案がなされている。
【0005】
例えば、ユンゲルセン(Jungersen)の米国特許第2,310,790号(特許文献1)においては傾斜された光学軸を有する再帰反射物品が提案されており、このような傾斜した光学軸を有するキューブコーナー再帰反射物品は入射角特性が改善されることが記載されている。
【0006】
さらに、ホープマン(Hoopman)のヨーロッパ特許第137,736B1(特許文献2)においても、同様に傾斜した光学軸を有する三角錐型キューブコーナー再帰反射物品が開示されており、その光学軸の傾斜方向はユンゲルセンに開示された素子とは反対の方向(マイナス傾斜)であることが示されている。また、光学軸の傾斜した方位とそれに対して直角な方位に再帰反射性能が改善されることが示されているが、それ以外の方位においては再帰反射性能の改善は得られない。
【0007】
さらにまた、スチェッチ(Szczech)の米国特許第5,138,488号(特許文献3)においても、同様に傾斜した光学軸を有する三角錐型キューブコーナー再帰反射物品が開示されている。ホープマンの発明と同様に、光学軸の傾斜した方位とそれに対して直角な方位に再帰反射性能が改善されることが示されているが、それ以外の方位においては再帰反射性能の改善は得られない。
【0008】
三村(Mimura)の国際公開公報WO03/014779A1号(特許文献4)にも、第1および第2の三角錐型再帰反射素子、および少なくとも1個の四面型再帰反射素子を具備する複合キューブコーナー再帰反射素子が最密充填状に多数配置されている再帰反射物品を用いて、入射角特性を改善することが開示されている。
【0009】
上記の4つのいずれの発明においても、光学軸を傾斜した方向に再帰反射性能が改善される光学原理を利用して入射角特性を改善しているが、光学軸の傾斜した方位とそれに対して直角な方位以外においては再帰反射性能の改善は得られない。
【0010】
また、観測角特性の改善に関しても様々な提案がなされている。
【0011】
アッペルドーン(Appeldorn)の米国特許第4,775,219号(特許文献5)には,様々な頂角偏差を有したいくつかの再帰反射素子を繰返しのパターンで配置することにより、再帰反射光ビームを僅かに拡散して観測角特性の改善を試みている。
【0012】
ネステガード(Nestgarde)の米国特許第5,706,132号(特許文献6)においては、直角に交差する2つの方向に光学軸の傾斜方向を振り分けた三角錐型キューブコーナー素子群を用いて、シートを縦方向または横方向に設置しても同じ再帰反射性能が得られるような三角錐型キューブコーナー再帰反射シートが開示されている。しかしながら、互に直角に交差する素子群はそれぞれ独立した領域を形成しておりシートの外観を著しく阻害するものであった。
【0013】
さらに、三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の三つの底辺の長さが異なる再帰反射素子(不等辺素子とも言う)も知られている。
【0014】
スミス(Smith)らの米国特許第5,926,316号(特許文献7)には三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の三つの底辺の長さが異なる不等辺再帰反射素子が開示されているが、形成されている素子はいずれも回転対称形状を有している。
【0015】
三村(Mimura)らの日本特許公開公報99−305017号(特許文献8)にも三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の三つの底辺の長さが異なる再帰反射素子であって、素子の底辺の深さが異なっているような不等辺再帰反射素子が開示されている。しかしながら、この素子も形成されている素子はいずれも回転対称形状を有している。

【0016】
【特許文献1】米国特許第2,310,790号
【特許文献2】ヨーロッパ特許第137736B1号
【特許文献3】米国特許第5,138,488号
【特許文献4】国際公開WO03/014779A1号
【特許文献5】米国特許第4,775,219号
【特許文献6】米国特許第5,706,132号
【特許文献7】米国特許第5,926,316号
【特許文献8】日本特許公開公報99−305017号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明が解決しようとしている課題は、再帰反射物品における入射角特性、観測角特性および回転角特性の改善にある。
【0018】
特に、外観の均一性に優れた三角錐型キューブコーナー再帰反射物品であって、併せて、特に優れた回転角特性を有する再帰反射物品を提供することである。
【0019】
具体的な用途としては、交通標識、工事標識、商業標識、車両ナンバープレート、車両反射テープ、路側反射体、光学センサーの反射体、安全衣料用品などに用いることのできる再帰反射物品を供給することにある。
【0020】
さらに、交通標識、工事標識、商業標識、車両ナンバープレートなどに用いることのできる薄くて柔軟な再帰反射シートであって、優れた回転角特性を所有しているために自由な方位でシートを裁断して標識に用いることが出来る再帰反射シートを供給することにある。

【課題を解決するための手段】
【0021】
以下に、本発明の課題を解決するための具体的な手段に関して詳細に説明を行なう。
【0022】
本発明における三角錐型キューブコーナー再帰反射物品は、第1および第2の三角錐型再帰反射素子、および少なくとも1個の四面型再帰反射素子を具備する複合キューブコーナー再帰反射素子が最密充填状に多数配置されている再帰反射物品であって、
該第1および第2の三角錐型再帰反射素子の各々の3つの反射側面(a1,b1,c1およびa2,b2,c2)は、互いに垂直なキューブコーナー反射面を形成しており、
少なくとも1個の該四面型再帰反射素子の第1の反射側面、第2の反射側面および第3の反射側面は、互いに垂直なキューブコーナー反射面を形成しており、
該第1の三角錐型再帰反射素子の第1の反射側面は、該四面型再帰反射素子の第1の側面と同一平面にあり、
第1の三角錐型再帰反射素子の第2の反射側面は、該四面型再帰反射素子の第2の側面と同一平面にあり、
該複合キューブコーナー再帰反射素子は、互いに平行なy線と互いに平行なz線とによって区画された四角形の外周を有し、
該複合キューブコーナー再帰反射素子は、互いに平行なy線と互いに平行なz線との交点を通過するx−x’線を中心線とする実質的に対称形のV字形状の溝を有し、
該第1の三角錐型再帰反射素子の第3の反射側面が、該V字状形の溝を形成する2つの面の一方の面に平行な面であり、
該第2の三角錐型再帰反射素子の第3の反射側面が、該V字状形の溝を形成する2つの面の他方の面と同一面またはこの面に平行な面であり、
該四面型再帰反射素子の第3の反射側面が、該V字状形の溝を形成する2つの面の一方の面と同一面である再帰反射物品において、該素子対の共有底辺(A‐B)と他の2つの底辺(B−C、C−A)となす2つの侠角(α=∠BAC、β=∠ABC)が異なり、該素子対が共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている第1の素子対群と、該素子対の底面の頂点(C1、C2)に対して線対称な形状の第2の素子対群により形成されていることを特徴とするものである。
【0023】
本発明における三角錐型キューブコーナー再帰反射物品は、第1および第2の三角錐型再帰反射素子、および少なくとも1個の四面型再帰反射素子を具備する複合キューブコーナー再帰反射素子が最密充填状に多数配置されているものである。
【0024】
本発明の複合キューブコーナー再帰反射素子は、入射角特性の改善を意図したものである。
【0025】
従来より、再帰反射素子の持つ光学軸を傾斜させることにより達成され、光学軸を傾けた方向への入射角特が改善されることが知られていたが、過度の光学軸の傾斜は素子を構成する各反射側面の面積比率を大きくするために、3面反射して光源の方向へ再帰反射する効率を低下させるという問題点が有った。
【0026】
本発明の複合キューブコーナー再帰反射素子は、第1および第2の三角錐型再帰反射素子、および少なくとも1個の四面型再帰反射素子を具備するもので、再帰反射に寄与する有効範囲を大きくし、再帰反射する効率の低下を防止することができるものである。
【0027】
基準平面(S面)は多数の再帰反射素子対群の3つの底辺群(A−B、B−C1、C1−A、またはA−B、B−C2、C2−A)によって定められる基準底面であり、再帰反射素子の底面(ABC)は該基準底面上にある。
【0028】
従来公知の三角錐型キューブコーナー再帰素子対は、共通の底辺(A−B)の中点を中心とした回転対称である。したがって、対を形成する2つの反射素子の光学軸はお互いに180度回転した方向に向かって対を成している。二等辺三角形の底面を有する三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(二等辺素子)においては光学軸の傾斜方向は共通の底辺(A−B)に垂直な方向に傾斜し、三つの底辺の長さが等しくないような三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(不等辺素子)においては共通の底辺(A−B)に垂直ではなくなるが、いずれの素子対においても、光学軸の傾きの角度が同じで傾斜方向が180度逆の方向である2方向の方位に形成されている。
【0029】
キューブコーナー再帰反射素子における再帰反射理論に基づけば再帰反射効率は光学軸が傾斜した方位に対して改善がなされる。従って、回転対称形の素子対においては光学軸の傾斜の方位は常に180度回転した方向であるために、傾斜方位に対してのみ再帰反射効率が改善されるが、他の方位に対しての改善は小さい。
【0030】
一方、本発明における再帰反射素子対は線対称の対を成しているために、素子対が持つ二つの光学軸の傾斜方位も対象形をなす。光学軸の方位が異なる2種類の素子対が組み合わされて形成されて光学軸が4方向の方位に形成されているために、広範な範囲の方位に対して再帰反射性の改善を達成することが可能である。
【0031】
本発明に用いることのできる三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、2種類の反射素子対、即ち、該素子対が共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている素子対群と、該素子対の底面の頂点(C1、C2)に対して線対称な形状に合同な他の素子対群とによって構成されており、いずれの素子対も不等辺素子により構成され、線対称の素子対を形成している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明による多方向性再帰反射物品の好ましい形態を、図を引用しつつ以下に説明を行う。
【0033】
図1は従来技術による再帰反射素子対を示す。従来技術における素子対は第1の素子対(A1)と線対称な形状を有する第2の素子対(A2)により形成されている。いずれの素子対も底面の形状が不等辺三角形である不等辺素子であり、共有の底辺(A-B)に対して線対称な形状の対を成している。また、いずれの底辺(A-B、B-C、およびC-A)も基準平面(S面)の上にある。
【0034】
図1における素子の光学軸の方位角(θa)は5〜85度、好ましくは25〜65度、より好ましくは40〜50度、さらに好ましくは43〜47度の角度であり共有の底辺(A-B)から離れる方向に傾斜している。また光学軸の傾斜角度(θ)は0.5〜25度、好ましくは3〜15度、より好ましくは4〜8度である。
【0035】
図2は図1に示された従来技術による二つの素子対が底辺を共有して配置されていることを示している。図2に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
【0036】
図3は図1及び図2に示された従来技術による再帰反射素子対の集合図を示している。図3に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
【0037】
図4は本発明による再帰反射素子対を示す。本発明における素子対は第1の素子対(A1)と線対称な形状を有する第2の素子対(A2)により形成されている。いずれの素子対も底面の形状が不等辺三角形である不等辺素子であり、共有の底辺(A-B)に対して線対称な形状の対を成している。また、いずれの底辺(A-B、B-C、およびC-A)も基準平面(S面)の上にある。
【0038】
図4に示されている再帰反射素子対は、図1に示されている再帰反射素子対をx溝間にw1溝が設置されたH12及びH22を頂点とする三角錐型再帰反射素子と、H11及びH21を頂点とする四面型再帰反射素子を具備する複合キューブコーナー再帰反射素子である。
【0039】
図4に示されている複合再帰反射素子は、入射角特性を改善するだけでなく、正面の輝度も改善することができて、本発明に好適に用いることができる。
【0040】
図5は図4に示された本発明による二つの素子対が底辺を共有して配置されていることを示している。図5に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
【0041】
図6は図4及び図5に示された本発明による再帰反射素子対の集合図を示している。図6に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示しているために、いずれの方位に対しても均一な再帰反射性能を示し回転角特性が優れる。
【0042】
図7は、本発明による再帰反射素子対を示す。図7に示されている再帰反射素子対は、図1に示されている再帰反射素子対をx溝間にw1溝及びw2溝が設置されたH13及びH23を頂点とする三角錐型再帰反射素子と、H11、H12及びH21、H22を頂点とする四面型再帰反射素子を具備する複合キューブコーナー再帰反射素子である。
【0043】
図7に示されている複合再帰反射素子は、入射角特性を改善するだけでなく、正面の輝度も改善することができて、本発明に好適に用いることができる。素子の光学軸の傾斜が大きいときにはw1溝だけでなく、w2溝を設置することが、正面の輝度を改善することができるので好ましい。
【0044】
図8は図7に示された本発明による二つの素子対が底辺を共有して配置されていることを示している。図8に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
【0045】
図9は図7及び図8に示された本発明による再帰反射素子対の集合図を示している。図9に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示しているために、いずれの方位に対しても均一な再帰反射性能を示し回転角特性が優れる。
【0046】
図10は、本発明による再帰反射素子対を示す。図10は、図7の両端のH13及びH23を頂点とする三角錐型キューブコーナー型再帰反射素子部分を切り取った素子であり、四面型再帰反射素子のみで形成されている。
【0047】
図10に示されている複合再帰反射素子は、入射角特性を改善するだけでなく、正面の輝度も改善することができて、本発明に好適に用いることができる。素子の光学軸の傾斜が大きいときには両端の三角錐型キューブコーナー型再帰反射素子部分を切り取った方が、正面の輝度を改善することができるので好ましい。
【0048】
図11は図10に示された本発明による二つの素子対が底辺を共有して配置されていることを示している。図11に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示している。
【0049】
図12は図10及び図11に示された本発明による再帰反射素子対の集合図を示している。図12に示されるように4つの光学軸は互いに異なる方向に配置されており、その方位は互いに線対称な方向を示しているために、いずれの方位に対しても均一な再帰反射性能を示し回転角特性が優れる。
【実施例】
【0050】
以下に、実施例により本発明の詳細を更に具体的に説明する。
【0051】
実施例をはじめ本明細書に記載の再帰反射性能は、3次元光学シミュレーションによる計算結果より求めた。該光学シミュレーションは、モンテカルロ光線追跡法により、三次元空間内における光の挙動を求めるものである。光源は白色平行光とし、再帰反射物品の大きさを100mm2と設定して計算した。入射角(β)を5º、15º、30ººに、回転角(ε)を0º、45º、90ºに設定し、各入射角および回転角において再帰反射物品から10mの位置に設定した評価面の照度分布の合計値を基に再帰反射性能を数値化し、実施例と比較例で再帰反射性能を比較した。

【0052】
<比較例1>図1〜3に示されるような形状であって、∠C1ABが66.659゜、∠C1BAが54.918゜、素子高さが81.066μmである三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群を3D CADにより作図し、この図を用いて光学シミュレーションを実施した。
【0053】
<実施例1>図1〜3に示されるような形状であって、∠C1ABが66.659゜、∠C1BAが54.918゜、素子高さが81.066μmである三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対群において、図4〜6に示されるようにx溝間にw1溝が設置された四面型再帰反射素子を具備する複合キューブコーナー再帰反射素子対群を3D CADにより作図し、この図を用いて光学シミュレーションを実施した。
【0054】
実施例および比較例により得られた光学シミュレーションによる計算結果を、[表1]に示す。
【0055】
【表1】



【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明における再帰反射物品の具体的な用途としては、交通標識、工事標識、商業標識、車両ナンバープレートなどに用いることのできる再帰反射物品および再帰反射シートであって、優れた回転角特性を所有しているために自由な方位でシートを切断して標識に用いることが出来る。

【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】従来技術における多方向性素子対。
【図2】従来技術における多方向性素子群。
【図3】従来技術における多方向性素子群。
【図4】本発明における多方向性素子対。
【図5】本発明における多方向性素子群。
【図6】本発明における多方向性素子群。
【図7】本発明における多方向性素子対。
【図8】本発明における多方向性素子群。
【図9】本発明における多方向性素子群。
【図10】本発明における多方向性素子対。
【図11】本発明における多方向性素子群。
【図12】本発明における多方向性素子群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の三角錐型再帰反射素子、および少なくとも1個の四面型再帰反射素子を具備する複合キューブコーナー再帰反射素子が最密充填状に多数配置されている再帰反射物品であって、
該第1および第2の三角錐型再帰反射素子の各々の3つの反射側面(a1,b1,c1およびa2,b2,c2)は、互いに垂直なキューブコーナー反射面を形成しており、
少なくとも1個の該四面型再帰反射素子の第1の反射側面、第2の反射側面および第3の反射側面は、互いに垂直なキューブコーナー反射面を形成しており、
該第1の三角錐型再帰反射素子の第1の反射側面は、該四面型再帰反射素子の第1の側面と同一平面にあり、
第1の三角錐型再帰反射素子の第2の反射側面は、該四面型再帰反射素子の第2の側面と同一平面にあり、
該複合キューブコーナー再帰反射素子は、互いに平行なy線と互いに平行なz線とによって区画された四角形の外周を有し、
該複合キューブコーナー再帰反射素子は、互いに平行なy線と互いに平行なz線との交点を通過するx−x’線を中心線とする実質的に対称形のV字形状の溝を有し、
該第1の三角錐型再帰反射素子の第3の反射側面が、該V字状形の溝を形成する2つの面の一方の面に平行な面であり、
該第2の三角錐型再帰反射素子の第3の反射側面が、該V字状形の溝を形成する2つの面の他方の面と同一面またはこの面に平行な面であり、
該四面型再帰反射素子の第3の反射側面が、該V字状形の溝を形成する2つの面の一方の面と同一面である再帰反射物品において、素子対の共有底辺(A‐B)と他の2つの底辺(B−C、C−A)となす2つの侠角(α=∠BAC、β=∠ABC)が異なり、該素子対が共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている第1の素子対群と、該素子対の底面の頂点(C1、C2)に対して線対称な形状の第2の素子対群により形成されていることを特徴とする三角錘型キューブコーナー再帰反射物品。
【請求項2】
該複合キューブコーナー型式反射素子の両端が切り取られた素子の該素子対の共有底辺(A‐B)と他の2つの底辺(B−C、C−A)となす2つの侠角(α=∠BAC、β=∠ABC)が異なり、該素子対が共有底辺(A‐B)に対して線対称で配置されている第1の素子対群と、該素子対の底面の頂点(C1、C2)に対して線対称な形状の第2の素子対群により形成されていることを特徴とする請求項1記載の三角錘型キューブコーナー再帰反射物品

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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