説明

三量体である大環状で置換されたベンゼン誘導体

一般式(I)[式中、Halは臭素又はヨウ素を表し、かつA及びAは異なる意味を有する]の金属錯体は造影剤として適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲において特徴付けられている対象:新規の三量体である大環状で置換されたトリヨード及びトリブロモベンゼン誘導体、それらの製造及びレントゲン診断及びMRT診断における造影剤としての使用に関する。
【0002】
ここ10年の間に画像診断学において印象的な進歩が達成された。DAS、CT及びMRTのような撮像技術は、診断学及びインターベンショナルラジオロジーにおいて標準で放棄できない道具へと発展し、かつ今日、1mm未満の空間分解能を提供する。これらの技術の応用の可能性はさらに造影剤の使用により決定的に高められる。レントゲン診断における造影剤のこの今日の幅広い普及及び受け入れは、80年代における非イオン性のモノマートリヨード芳香族化合物の導入に、並びに90年代において導入された等浸透圧の二量体ヨウ素芳香族化合物に起因されうる。これらの双方の化合物の種類により、造影剤性副作用の頻度は2〜4%に低下された(Bush W.H., Swanson D.P.: Acute reactions to intravascular contrast media: Types, risk factors, recognition and specific treatment. AJR 157, 1153-1161, 1991. Rydberg J., Charles J., Aspelin P.: Frequency of late allergy-like adverse reactions following injection of intravascular non-ionic contrast media. Acta Radiologica 39, 219-222, 1998)。最新の撮像技術と組み合わせた造影剤の使用は今日、腫瘍の検出から、高分解能の血管描出のため、器官の透過性又は潅流のような生理学的因子の定量測定までに達している。コントラスト及び検出感度にとって決定的であるのはX線造影剤の(ここではヨウ素原子の)濃度である。技術のさらなる発展にもかかわらず、医学的診断に必要な濃度もしくは適用すべき用量は減少されることができなかった。例えば古典的なCT検査において患者当たり物質100g又はそれ以上が注射される。
【0003】
X線造影剤の適合性が非イオン性トリヨードベンゼンの導入により改善されているにもかかわらず、副作用は依然として高い。レントゲン診断における年間数百万の極めて高い検査数に基づき、それゆえ1万人の患者が該当される。これらの造影剤性副作用は、悪心、めまい感、嘔吐、じんま疹のような軽い反応から気管支痙攣、腎不全のような重篤な反応まで、ショック又はそれどころか死のような反応までに達している。幸い、これらの重篤な場合は極めてまれであり、かつ1/200000に過ぎない頻度で観察される(Morcos S.K., Thomsen H.S.: Adverse reactions to iodinated contrast media. Eur Radiol 11, 1267-1275, 2001)。
【0004】
偽性アレルギー性の造影剤性副作用としても観察されるこれらの副作用の頻度はしかしアトピー患者の場合に約3倍に、及び造影剤性副作用の前歴を有する患者の場合に5倍に高められる。喘息は重篤な造影剤性副作用のリスクを非イオン性造影剤の場合に6倍に高める(Thomsen H.S., Morcos S.K.: Radiographic contrast media. BJU 86 (Suppl1), 1-10, 2000. Thomsen H.S., Dorph S.: High-osmolar and low-osmolar contrast media. An update on frequency of adverse drug reactions. Acta Radiol 34, 205-209, 1993. Katayama H, Yamaguchi K., Kozuka T., Takashima T., Seez P., Matsuura K.: Adverse reactions to ionic and nonionic contrast media. Radiology 175, 621-628, 1990. Thomsen H.S., Bush Jr W.H.: Adverse effects on contrast media. Incidence, prevention and management. Drug Safety 19: 313-324, 1998)。これらの状況において、レントゲン診断の検査員は最近ますます頻繁に、コンピュータ断層撮影法において、しかしまたインターベンショナルラジオロジー並びにDSAにおいても、古典的なトリヨード芳香族化合物の代わりにヨウ素を含有しないGd−キレートを使用する(Gierada D.S., Bae K.T.: Gadolinium as CT contrast agent: Assessment in a porcine model. Radiology 210, 829-834, 1999. Spinosa D.J., Matsumoto A.H., Hagspiel K.D., Angle J.F., Hartwell G.D.: Gadolinium-based contrast agents in angiography and interventional radiology. AJR 173; 1403-1409, 1999. Spinosa D.J., Kaufmann J.A., Hartwell G.D.: Gadolinium chelates in angiography and interventional radiology: A useful alternative to iodinated contrast media for angiography. Radiology 223, 319-325, 2002)。このことは一方ではMRTにおいて使用される金属キレートの極めて良好な適合性により、しかしまたランタニドが同様にX線を通さないという公知の事実により裏付けられている。ガドリニウム及び他のランタニドはヨウ素に比較して特にX線のより高い電圧/エネルギーでヨウ素よりも大きな吸収を示すので、これらは原則的にコントラストを与える元素としてレントゲン診断に適している(Schmitz S., Wagner S., Schuhmann-Giampieri G., Wolf K.J.: Evaluation of gadobutrol in an rabbit model as a new lanthanide contrast agent for computer tomography. Invest. Radiol. 30(11): 644-649, 1995)。
【0005】
挙げられたMRTにおいて本来使用されるGd含有キレート化合物は同様に十分に水溶性であり、かつ卓越した適合性に傑出している。ヨウ素含有/非イオン性の造影剤に比較して、軽い偽性アレルギー性反応の割合は著しく低下されており、致命的な反応の割合は極度にまれであり、かつ1/1000000で示される(Runge V.M.: Safety of approved MR contrast media for intravenous injection. J. Magn Reson Imaging 12, 205-213, 2000)。偽性アレルギー性反応は他の造影剤性副作用とは異なり、例えば腎臓適合性は、むしろ投与される用量から独立している。それに応じて最も少ない用量も既に偽性アレルギー性反応を引き起こしうる。
【0006】
化学的に完全に異なる双方の化合物の種類の利点を兼ね備える物質が望ましい。
【0007】
金属キレートの異常に高い親水性は不適合性の僅かな割合を支持する。ヨード芳香族化合物は金属キレートよりも100〜200倍だけ高い親油性(ブタノール/水の間のより大きな分配係数)を有する。
【0008】
僅かな物質濃度及び全分子の撮像金属の僅かな比含分に基づき、これまで公知の金属キレートはレントゲン診断に最適ではない(Albrecht T., Dawson P.: Gadolinium-DTPA as X-ray contrast medium in clinical studies. BJR 73, 878-882, 2000)。この問題を解決するためのより新しい手掛かりは複合金属錯体の製造を記載し、前記複合金属錯体中で開鎖の又は大環状の金属錯体にトリヨード芳香族化合物が共有結合されている(US 5,324,503、US 5,403,576、WO 93/16375、WO 00/75141、WO 97/01359、WO 00/71526、US 5,660,814)。それらの僅かな親水性及び高い粘度のためにこれらはしかしながら十分な濃度及び是認できる体積で適用されることができない。
【0009】
目的は、十分な親水性−Gdキレートのそれに匹敵しうる−を有し、かつ付加的にコントラストを与える元素の高い濃度を有する化合物を製造することである。約25%(g/g)である金属キレートよりも明らかにより高い値が望ましいであろう。さらにより高い濃度で極めて良好な水溶性が与えられていなければならない。高度に濃厚な溶液はそれらの良好な薬理学的性質に加えて同様に実施可能な粘度及び低い浸透圧を示さなければならない。
【0010】
この課題は本発明により解決される。
【0011】
一般式I
【0012】
【化1】

[式中、
Halは臭素又はヨウ素を表し、
は基
−CONR−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−K、
−CONR−(CH−(CONRCH−CHOH−CH−K、
−CHO−(CH−CHOH−CH−K、
−CHO−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−K、
−CH−NR−CO−(CHZ−NH−CO)−CHZ−K
を表し、
はAと同じ意味を有するか、又はAが一番最初に挙げた意味を有する場合には基−NR−CO−(NR−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−Kも表してよく、
ここで、R及びRは独立して水素原子、C〜C−アルキル基又はモノヒドロキシ−C〜C−アルキル基を表し、
及びZは互いに独立して水素原子又はメチル基を表し、
nは2〜4の数を表し、
mは0又は1の数を表し、かつ
pは1〜4の数を表し、
Kは式I
【0013】
【化2】

{式中、Xは水素原子又は原子番号20〜29、39、42、44又は57〜83の金属イオン等価物(Metallionenaequivalents)の意味である}で示される大環状化合物を表し、但し、少なくとも2つのXは金属イオン等価物を表し、かつ場合により存在している遊離カルボキシ基は場合により有機及び/又は無機の塩基又はアミノ酸又はアミノ酸アミドの塩として存在する]で示される本発明による金属錯体は、極めて良好な溶解度及びGdキレートの分配係数に匹敵しうる分配係数を示す。さらに新規化合物はコントラストを与える元素の高い比含量、低い粘度及び浸透圧重量モル濃度、ひいては良好なトレランス/適合性を有するので、これらはレントゲン−及びMR−撮像用の造影剤として卓越して適している。
【0014】
好ましくはHalはヨウ素を表し、R及びRは水素及びメチル基を表し、nは2の数を表し、かつpは1の数を表す。
【0015】
例示的に挙げられる基Aは次のものである:
−CONH(CH2;3NHCOCHNHCOCH(CH)−、
−CONH(CH2;3NHCOCHNHCOCH−、
−CONH(CH2;3NHCOCH−、
−CONH(CH2;3NHCOCH(CH)−、
−CONHCHCH(OH)CH−、
−CON(CH)CHCH(OH)CH−、
−CHOCHCH(OH)CH−、
−CONHCHCONHCHCH(OH)CH−、
−CHNHCOCH−、
−CHNHCOCH(CH)−、
−CHNHCOCHNHCOCH−、
−CHNHCOCHNHCOCH(CH)−、
−CHO(CHNHCOCH−、
−CON(CHCHOH(CHNHCOCH−、
−CHO(CHN(CHCHOH)COCH−。
【0016】
例示的に挙げられる基Aは次のものである:
−NHCOCHNHCOCHNHCOCH(CH)−、
−NHCOCHNHCOCHNHCOCH−、
−NHCOCHNHCOCH−、
−NHCOCHNHCOCH(CH)−、
−N(CH)COCHNHCOCH−、
−NHCONH(CHNHCONH−、
−NHCOCHN(CHCHOH)COCH−、
−N(CH)COCHN(CHCHOH)COCH−。
【0017】
一般式Iの本発明による化合物は当業者に公知の方法により、例えば
a)一般式II
【0018】
【化3】

で示されるトリヨード−又はトリブロモ芳香族化合物を本来公知の方法で一般式III
【0019】
【化4】

[式中、
Oは−COOH−又は活性化されたカルボキシル基を表し、
Wは保護基又は−CHCOOX′−基{式中、X′はX又は保護基の意味である}を表し、かつ−Y−NR−CO−B−は−CO−NR−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−又は−CH−O−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−の意味の基Aを表し、かつY−NR−CO−BはY−NR−CO−Bを表すか又はY−NR−CO−Bが一番最初に挙げた意味を有する場合には−NR−CO−(NR(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−も表し、ここでBは−CO−とKとの間の1番目又は2番目の(Kから見て)カルボニル基上にある基を意味し、かつYもしくはYはイミノ基が1つだけ減少されたリンカー基の不足する基を表す]で示される大環状化合物と反応させ、引き続いて場合により保護基Wを除去し、かつ基CHCOOXを本来公知の方法で導入するか、もしくはX′を場合により表す保護基を除去し、引き続いて本来公知の方法で原子番号20〜29、39、42、44又は57〜83の元素の金属酸化物又は金属塩と反応させることによるか、又は
b)一般式IV
【0020】
【化5】

で示されるトリヨード−又はトリブロモ芳香族化合物を本来公知の方法で一般式V
【0021】
【化6】

[式中、−CO及びX′は前記の意味を表し、かつ−CO−NR−Yは−CONR−(CH−(CONRCH−CH(OH)CH−の意味の基Aを表し、それゆえYは−NR−(CH−(CONRCH−CH(OH)CH−の意味を表す]で示される大環状化合物と反応させ、引き続いてX′を場合により表す保護基を除去し、その後本来公知の方法で原子番号20〜29、39、42、44又は57〜83の元素の金属酸化物又は金属塩と反応させることによるか、又は
c)一般式VI
【0022】
【化7】

[式中、
は基
【0023】
【化8】

を表す]で示されるトリヨード−又はトリブロモ芳香族化合物を本来公知の方法で一般式VII
【0024】
【化9】

[式中、W′は水素原子又は保護基を表す]で示される環状化合物と反応させて、(場合により存在している保護基を除去し、引き続いて本来公知の方法で基−CHCOOXを導入した後で)一般式Iの金属錯体{ここでAは基−CH−O−(CH−CHOH−CH−の意味である}に変換させることによるか、又は
d)一般式VIII
【0025】
【化10】

[式中、Nucleofugは脱離基(nucleofuge Gruppe)を表す]で示されるトリヨード−又はトリブロモ芳香族化合物を本来公知の方法で一般式IX
【0026】
【化11】

[式中、
及びWは前記の意味を表し、かつBは基−(CHZ−NHCO)−CHZ−を表す]で示される大環状化合物と反応させ、引き続いてa)のもとに記載されたようにさらに行い、その結果、一般式Iの金属錯体{その際にAは基−CH−NR−CO−(CHZ−NHCO)−CHZの意味である}が得られ、その際に引き続いて場合によりこうしてa)〜d)により得られる一般式Iの金属錯体中に依然として存在している酸性水素原子が無機又は有機の塩基、アミノ酸又はアミノ酸アミドのカチオンにより置換されることによって製造されうる。
【0027】
アミノ保護基Wとして、当業者によく知られたベンジルオキシカルボニル−、t−ブトキシカルボニル−、トリフルオロアセチル−、フルオレニルメトキシカルボニル−、ベンジル−、ホルミル−、4−メトキシベンジル−、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル−、フタロイル−、1,2−オキサゾリン−、トシル−、ジチアスクシノイル−、アリルオキシカルボニル−、スルフェート−、ペント−4−エンカルボニル−、2−クロロアセトキシメチル(もしくは−エチル)ベンゾイル−、テトラクロロフタロイル−、アルキルオキシカルボニル基を挙げることができる[Th. W. Greene, P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Syntheses, 第2版, John Wiley and Sons (1991), 30-385頁; E. Meinjohanns他, J. Chem. Soc. Pekin Trans 1, 1995, 405; U. Ellensik他, Carbohydrate Research 280, 1996, 251; R. Madsen他, J. Org. Chem. 60, 1995, 7920; R.R. Schmidt, Tetrahedron Letters 1995, 5343]。
【0028】
保護基の開裂は当業者に公知の方法(例えばE. Wuensch, Methoden der Org. Chemie, Houben-Weyl, XV/1巻, 第4版 1974, 315頁参照)により、例えば加水分解、水素化分解、0℃〜50℃の温度での水性−アルコール性溶液中でのアルカリでのエステルのアルカリけん化、鉱酸での又はBoc−基の場合のトリフルオロ酢酸を用いる酸けん化により行われる。
【0029】
活性化されたカルボキシル基は、アミンとの反応を容易にするように誘導体化されているような前記のカルボキシル基であると理解される。どの基が活性化に使用されることができるかは公知であり、かつ例えばM.及びA. Bodanszky, "The Practice of Peptide Synthesis", Springerverlag 1984が参照されることができる。例は、カルボン酸とカルボジイミドとの付加物又は活性化されたエステル、例えばヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、酸塩化物、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、
【0030】
【化12】

である。好ましくは4−ニトロフェニルエステル及びN−ヒドロキシスクシンイミドエステルである。
【0031】
前記の化合物の活性化されたエステルは当業者に公知のように製造される。またN−ヒドロキシスクシンイミド、例えば:
【0032】
【化13】

の相応して誘導体化されたエステルとの反応も可能である(Hal=ハロゲン)。
【0033】
一般的に、技術水準において公知であるカルボン酸のためのこのために全ての常用の活性化法が使用されることができる。カルボン酸の活性化は常法により行われる。適している活性化試薬の例は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド−塩酸塩(EDC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)及びO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、好ましくはDCCである。O−求核性触媒、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)又はN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの添加も可能である。
【0034】
脱離基(Nucleofug)として、有利には基:
F、Cl、Br、I、−OTs、−OMs、OH、
【0035】
【化14】

が利用される。
【0036】
X′が酸保護基を表す場合には、低級アルキル基、アリール基及びアラルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、ビス−(p−ニトロフェニル)−メチル基、並びにトリアルキルシリル基が当てはまる。
【0037】
t−ブチル基及びベンジル基が好ましい。
【0038】
保護基の開裂は、当業者に公知の方法(例えば E. Wuensch, Methoden der Org. Chemie, Houben-Weyl, XV/1巻, 第4版 1974、315頁参照)により、例えば加水分解、水素化分解、水性−アルコール性溶液中での0℃〜50℃の温度でのエステルのアルカリけん化、鉱酸での又はt−ブチルエステルの場合のトリフルオロ酢酸を用いる酸けん化(Protective Groups in Organic Synthesis, 第2版, T.W. Greene及びP.G.M. Wuts, John Wiley and Sons Inc., New York, 1991)により行われる。
【0039】
所望の金属イオンの導入は、特許明細書EP 71564、EP 130934及びドイツ連邦共和国特許出願公開(DE-OS)第34 01 052号明細書に開示されているようにして行われることができる。そのためには所望の元素の金属酸化物又は金属塩(例えば塩化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩又は硫酸塩)は水及び/又は低級アルコール(例えばメタノール、エタノール又はイソプロパノール)中に溶解又は懸濁され、錯化剤の等モル量の溶液又は懸濁液と反応される。
【0040】
場合により依然として存在している遊離カルボキシ基の中和は、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム又はカルシウムの無機塩基(例えば水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩)及び/又は有機塩基、例えばとりわけ第一、第二及び第三アミン、例えばエタノールアミン、モルホリン、グルカミン、N−メチル−及びN,N−ジメチルグルカミン、並びに塩基性アミノ酸、例えばリシン、アルギニン及びオルニチン又は本来は中性又は酸性のアミノ酸のアミドを用いて行われる。
【0041】
中性錯化合物の製造のためには、例えば水溶液又は懸濁液中の酸性錯塩中で、中性点が達成されるだけ所望の塩基に添加されることができる。得られた溶液は引き続いて真空中で濃縮乾固されることができる。しばしば、形成される中性塩を水と混和性の溶剤、例えば低級アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、低級ケトン(アセトン等)、極性エーテル(テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)の添加により沈殿させ、こうして容易に単離されうる及び良好に精製されうる結晶を得ることが有利である。所望の塩基を既に錯化の間に反応混合物に添加し、それにより処理工程を削減することは特に有利であることが判明している。
【0042】
こうして得られた錯体の精製は、場合により酸又は塩基の添加によるpH 6〜8、好ましくは約7にpH値を調節した後に、好ましくは適している孔径の膜(例えばAmicon(R)YM1、Amicon(R)YM3)での限外ろ過、例えば適当なSephadex(R)−ゲルでのゲルろ過により又はシリカゲル又は逆相材料でのHPLCにより行われる。
【0043】
精製はメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン又はそれらと水との混合物のような溶剤からの結晶化によっても行われることができる。
【0044】
中性の錯化合物の場合には、しばしば、オリゴマー錯体を、イオン成分の分離のために、アニオン交換体、例えばIRA 67(OH−形)を経て及び場合により付加的にカチオン交換体、例えばIRC 50(H−形)を経て添加することが有利である。
【0045】
一般式Iの本発明による化合物の製造は前記のように行われることができる:
a)一般式IIのトリヨード−又はトリブロモ芳香族化合物と一般式IIIの化合物との反応は、当業者に公知のアミド形成の方法により行われる。
【0046】
この際にIIIの遊離酸とIIの遊離アミンとの直接カップリングはジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、EDC、EEDQ、TBTU、HATUのような脱水試薬を用いてDMF、DMA、THF、ジオキサン、トルエン、クロロホルム又は塩化メチレンのような非プロトン性溶剤中で0゜〜50℃の温度で実施されることができるか、又はしかし一般式IIIの化合物中の酸基を、まず最初に活性エステルへ変換される(11頁参照)ことによって活性化し、ついでこのエステルを溶剤、例えばDMF、DMA、THF、ジオキサン、ジクロロメタン、i−ProOH、トルエン中で、場合によりNEt、ピリジン、DMAP、Huenig塩基、NaCO、CaCOのような有機又は無機の塩基の添加下に、−10゜〜+70℃の温度で一般式IIのアミンと反応させる。
【0047】
幾つかの場合に、一般式IIIの金属錯体を直接製造し、かつその末端カルボン酸をWO 98/24775に挙げられた方法のもとでカップリングすることが有利であることが判明している。
【0048】
金属錯体の製造はWO 98/24774に記載されている。
【0049】
一般式IIの化合物の製造は、YがYを表す場合には、一般式IV
【0050】
【化15】

で示される化合物を一般式A
HNR−(CH−NRH (A)
[式中、Hal、CO、R、R、mは前記の意味を表す]で示されるジアミンと、当業者に公知のアミド形成の方法(上記参照)によりDMF、DMA、THF、ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタン又はトルエンのような非プロトン性溶剤中で場合によりNEt、ピリジン、DMAP、Huenig塩基、NaCO、KCO、CaCOのような有機又は無機の塩基の添加下に0℃〜100℃の温度で反応させることにより行われる。
【0051】
かなりの場合に、ジアミン自体を溶剤として使用することが有利であることが判明している。時には、双方の末端アミノ基の一つを保護された形で使用し(例えばモノ−Boc、モノ−Z)、かつカップリングが行われた後にこの保護基を当業者に公知の方法により開裂させることが有利でありうる(T.W. Greene、上記参照)。
【0052】
ジアミンもしくはモノ保護されたジアミンは文献から公知であり、かつ購入可能である(例えばAldrich、Fluka)。好ましくは一般式IVの化合物の酸塩化物が使用される。
【0053】
化合物
【0054】
【化16】

の製造はDE 3001292に記載されている。
【0055】
相応するトリ−臭素化合物の製造は、トリブロモアミノイソフタル酸からEP 0073715に記載されたようにSandmeyer−反応(CNの導入及び引き続きけん化)により類似して行われる。
【0056】
がYに等しくない場合には、次の手順が有用であることが分かっている:
一般式B
【0057】
【化17】

[式中、CO、Halは前記の意味を表す]で示される化合物はまず最初に一般式C
CO−(CHZ)−NH−Sg (C)
[式中、CO、Zは前記の意味を表し、かつSgはアミノ保護基を表す]で示されるの化合物と反応される。
【0058】
反応は既に前記のアミド形成の方法(Neher他 Helv. Chim. Acta, 1946, 1815.)により行われる。
【0059】
引き続いて既に前記のように一般式Aの化合物と反応され、引き続いて場合により存在しているアミノ保護基が開裂される(T.W. Greene参照)。
【0060】
一般式Cの酸塩化物を使用することが有利であることが判明している。
【0061】
Sgがトリフルオロアセチル−保護基を表す場合には、これはワンポット法において直接に一般式Aの過剰量のジアミンを用いて開裂される。
【0062】
一般式Cの化合物は文献から公知の方法により得ることができる。
【0063】
尿素誘導体の製造のためには、一般式Bの化合物はまず最初に一般式D
【0064】
【化18】

で示されるイソシアナートと反応され、ついで前記のように一般式のジアミンとさらに反応される。
【0065】
イソシアナートの反応は非プロトン性溶剤中で上記でアミド形成に記載されたように行われる。反応温度は0℃〜100℃である。
【0066】
イソシアナート(D)は、例えばGuichard他, J. Org. Chem., 1999, 8702に記載されたように製造される。
【0067】
一般式Bの化合物はDE 3001292に記載されている。
【0068】
b)一般式IVの化合物と一般式Vの化合物との反応は当業者に公知のアミド形成の方法により、既に前もってa)のもとに詳細に記載されたように行われる。
【0069】
ここでも好ましくは化合物IVの酸塩化物が使用される。
【0070】
一般式Vの化合物は一般式E
【0071】
【化19】

[式中、X′は前記の意味を表す]で示される化合物から、一般式F
【0072】
【化20】

[式中、R、Sg、p、m、Rは前記の意味を表す]で示される第一エポキシドとの反応により得られる。反応はプロトン性又は非プロトン性溶剤、例えばメタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、DMF、トルエン、CHCl、DMA中で(場合によりその都度水の添加下に)0℃〜15℃の温度で行われる。幾つかの場合にLiCl、LiBr、LiI、LiClO又はY(トリフレート)のようなルイス酸の添加が有用であることが分かっている。
【0073】
一般式Fの化合物は文献から公知の方法により入手可能であるか(Krawiecka他、J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1, 2001, 1086)、又は購入可能である。
【0074】
一般式Eの化合物はいわゆるDO3A−誘導体であり、かつ文献に記載されている(Chatal他, Tetrahedron Lett., 1996, 7515)。
【0075】
c)一般式VIのエポキシドと一般式VIIの化合物との反応は、b)のもとに記載されたエポキシドとアミンとの反応の方法により行われる。
【0076】
幾つかの場合に、化合物
【0077】
【化21】

の使用下にEP 0545511に記載された経路を利用することが有利であることが判明している。しかしまたEP 0643705により進められることができるか又はWO 98/55467のもとに記載されたリチウム法が利用されることができる。
【0078】
W′−保護基の場合の化合物VIIの製造、b)参照、は文献から公知である。
【0079】
トリBoc−環状化合物はKimura他, J. Am. Chem. Soc., 1997, 3068に、トリZ−環状化合物はDelaney他, J. Chem. Soc., Perkin Trans., 1991, 3329に記載されている。
【0080】
一般式VIの化合物は、一般式G
【0081】
【化22】

で示されるトリオールを一般式H
【0082】
【化23】

[ここでpは前記の意味であり、かつ式中、ZはCl、Br、I、OTを表す]で示されるエポキシドとの反応により入手可能である。
【0083】
反応は文献から公知のグリシドエーテル形成(p=1)もしくはエーテル化の方法、Mouzin他, Synthesis, 1983, 117により行われる。
【0084】
一般式Hの化合物は、文献、例えばSharpless他, J. Org. Chem., 及びDE 935433から公知であるかもしくは商業的に入手可能である(例えばエピクロロヒドリン、Fluka、Aldrich)。
【0085】
Hal=ヨウ素の場合の一般式Gの化合物はUS 6,310,243に記載されている。臭素化合物の製造は類似して行われる。
【0086】
d)反応は、まず最初に一般式IXの化合物のアミドを当業者に公知の方法により、例えばDMF、THF、DMA、ジオキサン、トルエン中のNaH(温度0℃〜100℃)又は−70゜〜0℃の温度でTHf、MTB中のBuLi、LDA、Li−HMDS、Na−HMDSを用いて脱プロトン化し、引き続いて一般式VIIIの化合物と反応させる(好ましい温度−70〜70℃)ことによってそのように行われる。
【0087】
一般式VIIIの化合物は一般式G
【0088】
【化24】

で示される化合物から、当業者に公知の第一OH−基をハロゲン化物もしくはトシレート、トリフレート等に変換するための方法により得られる。
【0089】
一般式IXの化合物は一般式IXa
【0090】
【化25】

で示される化合物から、式RNHのアミンとのアミド形成により(前記式のアミドは購入できるかもしくは文献から公知である)、既にa)のもとで述べられたアミドカップリングの方法により得られる。
【0091】
一般式IXaの化合物は例えばWO 97/02051、WO 99/16757に記載されているか又は文献から公知の方法により単純にトリ−Boc環状化合物、もしくはトリ−Z−環状化合物から製造されることができる。
【0092】
本発明による化合物はレントゲン診断並びにMR診断において使用可能である。
【0093】
ヨード化されたX線造影剤のそれらの良好な水溶性と結びついた高いレントゲン密度は、分子中で金属−キレートの際立った親水性及びそれらの固有の良好な適合性と一緒になっている。新規化合物の極めて高い親水性は、副作用プロフィールが、MR−撮像において使用されるような極めて良好に適合性のGd化合物に相当する結果となる。この性質は故に、ヨード化された化合物に対して検出されたアレルギーを有する患者の場合又は存在しているアトピーの場合の使用に特に適するものにする。特に、気管支痙攣及びショック又はそれどころか死のような重篤な副作用の発生率はMR造影剤の低い水準に低下される。
【0094】
製剤の僅かな浸透圧重量モル濃度は新規化合物の一般的な極めて良好な適合性の指数である。これらは故に特に脈管内の(非経口的な)適用に適している。
【0095】
薬剤学的製剤に依存して、造影剤は専らレントゲン診断(反磁性金属を有するトリヨード錯体)にしかしまたレントゲン−及びMRT診断(常磁性原子、好ましくはGdを有するトリヨード錯体)に同時に使用されることができる。極めて有利には化合物は例えば尿路造影法、コンピュータ断層撮影法、血管造影法、胃造影法(Gastrographie)、マンモグラフィ、心臓学及び神経放射線学において使用可能である。放射線療法の場合にも、使用される錯体は有利である。化合物は全ての潅流測定に適している。血液が良好に供給される領域と虚血領域との鑑別は血管内注射後に可能である。かなり一般的にこれらの化合物は、従来の造影剤がレントゲン診断もしくはMR診断において使用される全ての適応症において使用されることができる。
【0096】
新規造影剤はさらに、移動性プロトンがそれらの化学構造中に含まれている限り、励磁−移動−技術(例えばJourn. Chem.Phys. 39(11). 2892(1963)、並びにWO 03/013616参照)に使用されることができる。これは例えば、例5(41頁)、例6(44頁)、例7(47頁)及び例8(50頁)に記載されているような、ヒドロキシル基を有する化合物の場合である。本出願明細書はそれゆえ原則的にこの特別なMRI−技術に適している造影剤も含んでいる。
【0097】
診断上特に有益であるのは、脳梗塞及び肝臓の腫瘍もしくは肝臓における空間占拠性経過並びに腹部(腎臓を含めて)及び筋−骨格−系の腫瘍のコントラストづけである。低い浸透圧に基づいて、特に有利には血管は動脈内注射しかしまた静脈内注射後に描出可能である。
【0098】
本発明による化合物がMR診断において使用するように定められている場合には、信号を送る基の金属イオンは常磁性でなければならない。これらは特に原子番号21〜29、42、44及び58〜70の元素の二価及び三価のイオンである。適しているイオンは例えばクロム(III)−、鉄(II)−、コバルト(II)−、ニッケル(II)−、銅(II)−、プラセオジム(III)−、ネオジム(III)−、サマリウム(III)−及びイッテルビウム(III)−イオンである。それらの強い磁気モーメントのために、ガドリニウム(III)−、テルビウム(III)−、ジスプロシウム(III)−、ホルミウム(III)−、エルビウム(III)−、鉄(III)−及びマンガン(II)−イオンが好ましく、ガドリニウム(III)−及びマンガン(II)−イオンが特に好ましい。
【0099】
本発明による化合物がレントゲン診断において使用するように定められている場合には、金属イオンは好ましくは、X線の十分な吸収を達成するために、より高い原子番号の元素から誘導される。このためには原子番号25、26及び39並びに57〜83の元素の金属イオンを有する生理学的に適合性の錯塩を含有する診断薬が適していることが見出された。
【0100】
マンガン(II)−、鉄(II)−、鉄(III)−、プラセオジム(III)−、ネオジム(III)−、サマリウム(III)−、ガドリニウム(III)−、イッテルビウム(III)−又はビスマス(III)−イオン、特にジスプロシウム(III)イオン及びイットリウム(III)イオンが好ましい。
【0101】
本発明による医薬(pharmazeutischen Mittel)の製造は本来公知の方法で、本発明による錯化合物を−場合によりガレン製薬(Galenik)において常用の添加剤を添加しながら−水性媒体中に懸濁又は溶解させ、引き続いて懸濁液又は溶液を場合により滅菌することによって行われる。適している添加剤は例えば生理学的に無害な緩衝液(例えばトロメタミン)、錯化剤又は弱い錯体(例えばジエチレントリアミンペンタ酢酸又は本発明による金属錯体に相応するCa錯体)の添加剤又は−必要な場合には−電解質、例えば塩化ナトリウム又は−必要な場合には−酸化防止剤、例えばアスコルビン酸である。
【0102】
腸内投与もしくは非経口投与又は他の目的のために水又は生理的塩溶液中の本発明による薬剤の懸濁液又は溶液が望ましい場合には、これらはガレン製薬において常用の1つ又はそれ以上の助剤[例えばメチルセルロース、ラクトース、マンニトール]及び/又は界面活性剤[例えばレシチン、Tween(R)、Myrj(R)]及び/又は味覚矯正のための芳香物質[例えば精油]と混合される。
【0103】
原則的に本発明による医薬は錯体を単離せずに製造することも可能である。いずれにせよ、本発明による錯体が錯化されていない毒性作用を有する金属イオンを事実上含まないようにキレート化を行うことに特別な注意を払わなければならない。
【0104】
このことは例えばキシレノールオレンジのような色指示薬を用いて製造プロセスの間のコントロール滴定により保証されることができる。本発明は故に錯化合物及びそれらの塩の製造方法にも関する。最後の用心のために単離された錯体の精製が残る。
【0105】
本発明による薬剤の生体内適用の際に、これらは適しているキャリヤー、例えば血清又は生理的食塩水と一緒に及び他のタンパク質、例えばヒト血清アルブミン(HSA)と一緒に投与されることができる。
【0106】
本発明による薬剤は通常、非経口的に、好ましくは静脈内に適用される。これらは、血管/器官に選択的にコントラストをつける(例えば動脈内注射後の冠動脈の描出)又は組織もしくは病理学(例えば静脈内注射後の脳腫瘍の診断)を描出すべきであるかに依存して、動脈内に又は間質に/皮内にも適用されることができる。
【0107】
本発明による医薬は好ましくは前記の化合物0.001〜1mol/lを含有し、かつ通例0.001〜5mmol/kgの量で配量される。
【0108】
本発明による薬剤は磁気共鳴断層撮影用の造影剤としての適性のいろいろな必要条件を満たす。例えば、これらは、経口又は非経口的な適用後に信号強度の増大によりMR断層撮影機を用いて得られた画像をその表現力において改善するために卓越して適している。さらにこれらは、身体にできるだけ僅かな量の異物で負荷をかけるために必要である高い有効性及び検査の非観血的な特徴を維持するために必要である良好な適合性を示す。磁気共鳴断層撮影における使用にとって大きく有利であるのは、本発明による常磁性化合物の高い有効性(緩和状態(Relaxivity))である。例えば、ガドリニウム含有化合物の緩和状態(L/mmol−1*sec−1)は通例、従来のGd錯体(例えばGadobutrol)の場合よりも2倍ないし4倍大きい。
【0109】
本発明による薬剤の良好な水溶性及び僅かな浸透圧重量モル濃度は、高濃厚溶液を製造し、そのために循環系の体積負荷を是認できる限界内で維持し、かつ体液による希釈を補償することを可能にする。さらに本発明による薬剤は試験管内で高い安定性を有するだけでなく、生体内で意外に高い安定性も有するので、錯体中で結合された−本来有毒の−イオンの遊離又は交換は、新規造影剤が完全に再び排泄される時間以内で極めてゆっくりと行われるに過ぎない。
【0110】
一般的に本発明による薬剤はMRT診断薬としての使用のために0.001〜5mmol Gd/kg、好ましくは0.005〜0.5mmol Gd/kgの量で配量される。
【0111】
本発明による薬剤はX線造影剤として卓越して適しており、その際に、それらを用いてヨウ素含有造影剤から公知のアナフィラキシー様反応の徴候が生化学−薬理学的な検査において検出されることができないことが特に強調されうる。強いレントゲン吸収の場合にこれらはより高い管電圧の範囲内で特に有効である(例えばCT及びDSA)。
【0112】
一般的に本発明による薬剤はX線造影剤としての使用のために例えばメグルミン−ジアトリゾエートと同様に、0.01〜5mmol/kg、好ましくは0.02〜1mmol物質/kgの量で配量され、これは例えばヨウ素−Dy化合物の場合には0.06〜6mmol(I+Dy)/kgに相当する。
【0113】
診断上の問題提起に応じて、レントゲン診断並びにMR診断において使用可能である製剤が選択されることができる。双方のイメージングモダリティーにとって最適な結果を達成するために、常磁性イオンの含分が低下されている製剤を選択することが有利でありうる、それというのもMR診断の多くの使用には常磁性イオンの高すぎる含分は別の付加的な利益を提供しないからである。
【0114】
二重利用のためには、常磁性物質(例えばGd)の百分率の含分が0.05〜50、好ましくは2〜20%に低下されている製剤が使用されることができる。例として心臓診断学における使用を挙げることができる。検査のためには本発明による物質からなる製剤は例えば0.25mol/Lの全濃度で使用される。Gd含有錯体の含分は20%であり、金属の残りの80%は例えばDy原子である。動脈内又は静脈内の投与後のレントゲン冠血管造影法の場合に例えば50mL、すなわち70kgの重さの患者の場合に体重1kg当たり0.18mmol物質が使用される。心臓冠血管のレントゲン描出が行われた直後に、生きている心筋区域を壊死性の心筋区域から区別することができるように心臓のMR診断が続けられる。検査のために前もって適用される約110μmol Gd/kgの量はこのために最適である。
【0115】
実施例
例1
a)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−アミノエチル)アミド
テトラヒドロフラン100ml中の1,3,5−トリヨードトリメシン酸トリクロリド10g(15.5mmol)(DE 3001292、Schering AG、優先権: 1980年01月11日)の溶液をエチレンジアミン24g(400mmol)に室温で1hに亘り滴加し、14h後撹拌する。沈殿する固体をろ別し、エタノールで後洗浄し、水100ml中に取り、生じる溶液を1M水酸化リチウム溶液を用いて8.0のpH値に調節する。真空中での蒸発後にエタノールから再結晶させる。
収量:無色固体7.8g(理論の70%)
元素分析:
計算値:C 25.23 H 2.96 N 11.77 I 53.31
実測値:C 25.46 H 2.99 N 11.68 I 52.98。
【0116】
b)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3,6−ジアザ−4,7−ジオキソ−8−メチルオクタン−1,8−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})アミド
10−[4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ酢酸のGd錯体48.5g(77.09mmol)(WO 98/24775、Schering AG、(例1))をDMSO 400ml中に懸濁させ、N−ヒドロキシスクシンイミド9.8g(84.8mmol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド16.7g(81mmol)と混合し、1時間予備活性化する。引き続いて1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−アミノエチル)−アミド12.3g(17.12mmol)と混合し、窒素下に室温で3日間撹拌する。不溶性成分をろ別し、溶液をアセトン2000ml中へ注ぐ。その際に沈殿する固体をろ別し、アセトン1000mlで及びジエチルエーテル500mlで少しずつ洗浄する。残留物を水500ml中に取り、イオン交換体100g(IRA 67 OH−形)で2h吸収沈殿させ(ausgeruehrt)、ろ別する。引き続いてイオン交換体30g(IR 267 H−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、溶液を100mlに濃縮する。残りのジメチルスルホキシドを除去するために、溶液をアセトン1000ml中へ注ぎ、沈殿する沈殿物をろ別する。残留物を水250ml中に溶解させ、僅かなイオン交換体(H−形及びOH−形)を用いて伝導率を0.005mS(pH=7.0)の値に調節し、ろ別し、真空中で蒸発させる。
収量:無色固体33.9g(理論の73%)
含水量(Karl-Fischer):5.9%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 33.92 H 4.15 N 11.54 I 14.93 Gd 18.51
実測値:C 33.99 H 4.17 N 11.49 I 14.88 Gd 18.37。
【0117】
例2
1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3,6−ジアザ−4,7−ジオキソオクタン−1,8−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})アミド
10−[4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸のGd錯体9.4g(15.3mmol)(WO 98/24775、Schering AG、(例11))をDMSO 100ml中に懸濁させ、N−ヒドロキシスクシンイミド1.96g(17mmol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド3.3g(16mmol)と混合し、1時間予備活性化する。引き続いて1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−アミノエチル)−アミド2.4g(3.36mmol)と混合し、窒素下に室温で3日間撹拌する。不溶性成分をろ別し、溶液をアセトン1000ml中へ注ぐ。その際に沈殿する固体をろ別し、アセトン300mlで及びジエチルエーテル100mlで少しずつ洗浄する。残留物を水200ml中に取り、イオン交換体30g(IRA 67 OH−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別する。引き続いてイオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、溶液を100mlに濃縮する。残りのジメチルスルホキシドを除去するために、溶液をアセトン1000ml中へ注ぎ、沈殿する沈殿物をろ別する。残留物を水250ml中に溶解させ、僅かなイオン交換体(H−形及びOH−形)を用いて伝導率を0.005mS(pH=7.0)の値に調節し、ろ別し、真空中で蒸発させる。
収量:無色固体6.0g(理論の68%)
含水量(Karl-Fischer):5.4%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 33.06 H 3.98 N 11.73 I 15.18 Gd 18.82
実測値:C 33.31 H 4.02 N 11.70 I 15.09 Gd 18.74。
【0118】
例3
a)1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(エトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロ−ドデカン
1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン68.2g(118.6mmol)(Delaney他, J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1991, 3329)をアセトニトリル700ml中に溶解させ、炭酸ナトリウム75.4g(545.5mmol)と混合する。引き続いて激しく撹拌しながらブロモ酢酸エチルエステル39.6g(355.5mmol)を添加し、20時間40℃に加熱する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 酢酸エチル/ヘキサン 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色油状物72.3g(理論の92%)
元素分析:
計算値:C 65.44 H 6.71 N 8.48
実測値:C 65.51 H 6.78 N 8.43。
【0119】
b)1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(エトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン34g(51.4mmol)をジオキサン300ml中に溶解させ、5% NaOH水溶液144mlと混合し、室温で24h撹拌する。濃HClでの中和後、濃縮乾固させる。残留物を酢酸エチル250ml中に取り、1N HCl溶液各250mlで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させる。
収量 無色固体27.8g(理論の85%)
元素分析:
計算値:C 64.54 H 6.37 N 8.86
実測値:C 64.47 H 6.41 N 8.79。
【0120】
c)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド
DMF 446ml中の1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−アミノエチル)アミド16.8g(23.5mmol)の懸濁液に1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン44.6g(70.6mmol)、トリエチルアミン21ml(164mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド14.6g(70.5mmol)及びN−ヒドロキシスクシンイミド8.1g(70.5mmol)を添加し、室温で20h撹拌する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させる。残留物を酢酸エチル500ml中に取り、水各500mlで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体23.3g(理論の39%)
元素分析:
計算値:C 54.93 H 5.32 N 9.86 I 14.88
実測値:C 55.11 H 5.37 N 9.81 I 14.76。
【0121】
d)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{1−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド
1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド20g(7.8mmol)を0〜5℃で慎重にHBr/AcOH (33%) 140mlと混合し、室温で3h撹拌する。引き続いて反応混合物をジエチルエーテル800ml中へ注ぎ、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄する。残留物を水100ml及びジクロロメタン100ml中に溶解させ、激しく撹拌しながら10のpH値に達するまで32% NaOH溶液を添加する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各50mlで3回抽出し、合一した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。
収量 無色固体10.3g(理論の97%)
元素分析:
計算値:C 40.01 H 6.04 N 18.66 I 28.18
実測値:C 40.19 H 6.07 N 18.60 I 28.11。
【0122】
e)2,4,6−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド
1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{1−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド18.6g(13.7mmol)を水75ml中に溶解させ、クロロ酢酸19.5g(206.5mmol)を添加し、60℃で32% NaOHを用いて9.5のpH値に調節する。10時間70℃に加熱し、その際に反応混合物のpH値を9.5に連続的に後調節する。室温へ冷却した後に濃HClを用いて1のpH値に調節し、溶液を真空中で蒸発させる。残留物をメタノール250mlで吸収沈殿させ、不溶性成分をろ別し、ろ液を蒸発させる。残留物を水100ml中に溶解させ、イオン交換体−カラム(600ml、IR 120、H−形)上に添加する。引き続いて水2 lで洗浄し、酸性溶出液を蒸発させる。残留物をメタノール70ml中に溶解させ、ジエチルエーテル900ml中へ滴加し、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体13.8g(理論の54%)
元素分析:
計算値:C 40.39 H 5.33 N 13.46 I 20.32
実測値:C 40.51 H 5.39 N 13.38 I 20.36。
【0123】
f)2,4,6−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})アミド
2,4,6−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド13g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体6.2g(理論の36%)
含水量(Karl-Fischer):6.2%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 32.39 H 3.88 N 10.79 I 16.30 Gd 20.20
実測値:C 32.44 H 3.89 N 10.71 I 16.33 Gd 20.07。
【0124】
g)2,4,6−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Dy錯体]})アミド
2,4,6−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド13g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。酸化ジスプロシウム3.88g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体7.0g(理論の41%)
含水量 (Karl-Fischer):5.9%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 32.18 H 3.86 N 10.72 I 16.19 Dy 20.73
実測値:C 32.32 H 3.91 N 10.67 I 16.11 Dy 20.68。
【0125】
h)2,4,6−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Y錯体]})アミド
2,4,6−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド13g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。炭酸イットリウム3.72g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体6.5g(理論の42%)
含水量(Karl-Fischer):4.8%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 35.51 H 4.26 N 11.38 I 17.87 Y 12.52
実測値:C 35.73 H 4.31 N 11.31 I 17.79 Y 12.60。
【0126】
例4
a)1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(1−エトキシカルボニルエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロ−ドデカン
1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン50.1g(87.0mmol)(Delaney他, J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1991, 3329)をアセトニトリル500ml中に溶解させ、炭酸ナトリウム55.5g(400mmol)と混合する。引き続いて激しく撹拌しながら1−ブロモプロピオン酸エチルエステル54.3g(300mmol)を添加し、20時間60℃に加熱する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 酢酸エチル/ヘキサン 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色油状物46g(理論の78%)。
元素分析:
計算値:C 65.86 H 6.87 N 8.30
実測値:C 65.99 H 6.88 N 8.23。
【0127】
b)1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(1−カルボキシエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(1−エトキシカルボニルエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン33.7g(50mmol)をジオキサン300ml中に溶解させ、5% NaOH水溶液140mlと混合し、室温で24h撹拌する。濃HClでの中和後、濃縮乾固させる。残留物を酢酸エチル250ml中に取り、1N HCl溶液各250mlで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させる。
収量 無色固体28.2g(理論の87%)
元素分析:
計算値:C 65.00 H 6.55 N 8.66
実測値:C 65.22 H 6.59 N 8.60。
【0128】
c)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−1−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド
DMF 450ml中の1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−アミノエチル)アミド16.8g(23.5mmol)の懸濁液に1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(1−カルボキシエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン45.6g(70.6mmol)、トリエチルアミン21ml(164mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド14.6g(70.5mmol)及びN−ヒドロキシスクシンイミド8.1g(70.5mmol)を添加し、室温で20h撹拌する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させる。残留物を酢酸エチル500ml中に取り、水各500mlで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体24.5g(理論の40%)
元素分析:
計算値:C 55.43 H 5.47 N 9.70 I 14.64
実測値:C 55.49 H 5.43 N 9.66 I 14.60。
【0129】
d)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−1−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{1−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド
1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド23g(8.85mmol)を0〜5℃で慎重にHBr/AcOH (33%) 140mlと混合し、室温で3h撹拌する。引き続いて反応混合物をジエチルエーテル800ml中へ注ぎ、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄する。残留物を水100ml及びジクロロメタン100ml中に溶解させ、激しく撹拌しながら10のpH値に達するまで32% NaOH溶液を添加する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各50mlで3回抽出し、合一した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。
収量 無色固体11.7g(理論の95%)
元素分析:
計算値:C 41.39 H 6.29 N 18.10 I 27.33
実測値:C 41.51 H 6.32 N 18.01 I 27.26。
【0130】
e)2,4,6−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−1−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド
1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−1−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{1−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド18.8g(13.5mmol)を水75ml中に溶解させ、クロロ酢酸19.5g(206.5mmol)を添加し、60℃で32% NaOHを用いて9.5のpH値に調節する。10時間70℃に加熱し、その際に反応混合物のpH値を9.5に連続的に後調節する。室温へ冷却した後に濃HClを用いて1のpH値に調節し、溶液を真空中で蒸発させる。残留物をメタノール250mlで吸収沈殿させ、不溶性成分をろ別し、ろ液を蒸発させる。残留物を水100ml中に溶解させ、イオン交換体−カラム(600ml、IR 120、H−形)上に添加する。引き続いて水2 lで洗浄し、酸性溶出液を蒸発させる。残留物をメタノール70ml中に溶解させ、ジエチルエーテル900ml中へ滴加し、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体15.0g(理論の58%)
元素分析:
計算値:C 41.39 H 5.53 N 13.16 I 19.88
実測値:C 41.46 H 5.537 N 13.11 I 19.79。
【0131】
f)2,4,6−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−1−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})アミド
2,4,6−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−1−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド13.2g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体7.1g(理論の41%)
含水量(Karl-Fischer):5.6%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 33.34 H 4.07 N 10.60 I 16.01 Gd 19.84
実測値:C 33.51 H 4.14 N 10.53 I 15.98 Gd 19.76。
【0132】
例5
a)ジベンジルオキシラニルメチルアミン
ジベンジルアミン98.6g(0.5mol)及びエピクロロヒドリン55.5g(0.6mol)をメタノール500ml中に溶解させ、6時間80℃に加熱する。溶液を蒸発乾固させ、t−ブタノール500mlと混合する。撹拌しながら水50ml中の水酸化カリウム36.4g(0.65mol)の溶液を目下添加し、2時間80℃に加熱する。室温へ冷却した後に、形成される塩化カリウムをろ別し、ろ液を濃縮乾固させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ヘキサン/酢酸エチル 10:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色油状物126g(理論の99%)
元素分析:
計算値:C 80.60 H 7.56 N 5.53
実測値:C 80.72 H 7.59 N 5.51。
【0133】
b)[1−(3−ジベンジルアミノ−2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン]五塩酸塩
トルエン700ml中に溶解させた1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン100g(580.48mmol)にN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール100ml(752.77mmol)を添加し、窒素下に120℃に2h加熱する。その際にメタノール/トルエン−共沸混合物を連続的に留去する。引き続いて反応混合物を70℃で真空中で濃縮し、ジベンジルオキシラニルメチルアミン157g(620mmol)を添加し、窒素下に110℃に24h加熱する。室温へ冷却した後に水500mlと混合し、酢酸エチル各200mlで2回抽出する。水相を濃HCl 250mlと混合し、引き続いて12時間80℃に加熱する。蒸発乾固させ、エタノール200ml及びメタノール200mlと混合し、新たに蒸発乾固させる。残留物をエタノール600ml中に熱時溶解させ、引き続いてゆっくりと0℃に冷却し、その際に白色固体が晶出する。固体をろ別し、エタノールで洗浄し、引き続いて50℃で真空中で乾燥させる。
収量:無色固体280g(理論の79%)
元素分析:
計算値:C 49.39 H 7.29 N 11.52 Cl 29.16
実測値:C 49.67 H 7.44 N 11.56 Cl 28.22。
【0134】
c)10−(3−ジベンジルアミノ−2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
水500ml及びジクロロメタン500ml中に溶解させた[1−(3−ジベンジルアミノ−2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン]五塩酸塩250g(411.2mmol)に激しく撹拌しながら、10のpH値に達するまで32% NaOH溶液を添加する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各250mlで3回抽出し、合一した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。残留物をアセトニトリル1200ml中に溶解させ、炭酸カリウム176.2g(1.275mol)と混合する。引き続いて激しく撹拌しながらブロモ酢酸−t−ブチルエステル248.7g(1.275mol)を添加し、3時間60℃に加熱する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体262g(理論の83%)
元素分析:
計算値:C 67.25 H 9.05 N 9.12
実測値:C 67.33 H 9.02 N 9.15。
【0135】
d)10−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
10−(3−ジベンジルアミノ−2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン76.8g(100mmol)をメタノール500ml中に溶解させ、水40mlと混合し、パラジウム触媒10g(20% Pd/C)を添加する。常圧下に50℃で8時間水素化する。触媒をろ別し、ろ液を真空中で蒸発乾固させる。
収量:無色粉末58.5g(定量)
元素分析:
計算値:C 59.26 H 9.77 N 11.91
実測値:C 59.48 H 9.86 N 11.67。
【0136】
e)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−ヒドロキシプロパン−1,3−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド
テトラヒドロフラン400ml中に溶解させた1,3,5−トリヨードトリメシン酸トリスクロリド12.86g(20mmol)(DE 3001292、Schering AG、優先権: 1980年01月11日)にトリエチルアミン12.2g(120mmol)及び引き続いて10−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン38.8g(66mmol)を添加し、室温で6h撹拌する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体32.7g(理論の71%)
元素分析:
計算値:C 50.19 H 7.37 N 9.15 I 16.57
実測値:C 50.33 H 7.40 N 9.11 I 16.43。
【0137】
f)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−ヒドロキシプロパン−1,3−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド
1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−ヒドロキシプロパン−1,3−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド34.5g(15mmol)をジクロロメタン100ml中に溶解させ、0℃でトリフルオロ酢酸100mlと混合し、0℃で3時間撹拌する。バッチをジエチルエーテル500ml中へ注ぎ、沈殿する固体をろ別し、ジエチルエーテル各100mlで3回後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体25.3g(理論の94%)
元素分析:
計算値:C 40.21 H 5.40 N 11.72 I 21.24
実測値:C 40.44 H 5.49 N 11.67 I 21.11。
【0138】
g)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−ヒドロキシプロパン−1,3−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}、Gd錯体)アミド
1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−ヒドロキシプロパン−1,3−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド21.5g(12mmol)を水250ml中に溶解させ、酢酸5mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム13g(36.2mmol)を添加し、3h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量:無色固体19.4g(理論の68%)
含水量(Karl-Fischer):5.3%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 31.96 H 3.89 N 9.32 I 16.88 Gd 20.92
実測値:C 32.11 H 3.94 N 9.28 I 16.77 Gd 20.79。
【0139】
例6
a)1−ベンジル−1−メチル(オキシラニルメチル)アミン
ベンジルメチルアミン60.6g(0.5mol)及びエピクロロヒドリン55.5g(0.6mol)をメタノール500ml中に溶解させ、6時間80℃に加熱する。溶液を蒸発乾固させ、t−ブタノール500mlと混合する。撹拌しながら水50ml中の水酸化カリウム36.4g(0.65mol)の溶液を目下添加し、2時間80℃に加熱する。室温へ冷却した後に、形成される塩化カリウムをろ別し、ろ液を濃縮乾固させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ヘキサン/酢酸エチル 10:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色油状物85g(理論の96%)
元素分析:
計算値:C 74.54 H 8.53 N 7.90
実測値:C 74.68 H 8.55 N 7.82。
【0140】
b)[1−(3−ベンジルメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン]五塩酸塩
トルエン700ml中に溶解させた1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン100g(580.48mmol)にN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール100ml(752.77mmol)を添加し、窒素下に120℃に2h加熱する。その際にメタノール/トルエン−共沸混合物を連続的に留去する。引き続いて反応混合物を70℃で真空中で濃縮し、1−ベンジル−1−メチル(オキシラニルメチル)アミン110g(620mmol)を添加し、窒素下に110℃に24h加熱する。室温へ冷却した後に水500mlと混合し、酢酸エチル各200mlで2回抽出する。水相を濃HCl 250mlと混合し、引き続いて12時間80℃に加熱する。蒸発乾固させ、エタノール200ml及びメタノール200mlと混合し、新たに蒸発乾固させる。残留物をエタノール600ml中に熱時溶解させ、引き続いてゆっくりと0℃に冷却し、その際に白色固体が晶出する。固体をろ別し、エタノールで洗浄し、引き続いて50℃で真空中で乾燥させる。
収量:無色固体235g(理論の76%)
元素分析:
計算値:C 42.91 H 7.58 N 13.17 Cl 33.33
実測値:C 43.34 H 7.60 N 13.29 Cl 32.78。
【0141】
c)10−(3−ベンジルメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
水500ml及びジクロロメタン500ml中に溶解させた[1−(3−ベンジルメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン]五塩酸塩212.7g(400mmol)に激しく撹拌しながら、10のpH値に達するまで32% NaOH溶液を添加する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各250mlで3回抽出し、合一した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。残留物をアセトニトリル1200ml中に溶解させ、炭酸カリウム176.2g(1.275mol)と混合する。引き続いて激しく撹拌しながらブロモ酢酸−t−ブチルエステル248.7g(1.275mol)を添加し、3時間60℃に加熱する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体219g(理論の79%)
元素分析:
計算値:C 64.23 H 9.47 N 10.12
実測値:C 64.38 H 9.50 N 10.07。
【0142】
d)10−(3−メチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
10−(3−ベンジルメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン69.2g(100mmol)をメタノール500ml中に溶解させ、水40mlと混合し、パラジウム触媒10g(20% Pd/C)を添加する。常圧下に50℃で8時間水素化する。触媒をろ別し、ろ液を真空中で蒸発乾固させる。
収量:無色粉末60g(定量)
元素分析:
計算値:C 59.67 H 9.88 N 11.64
実測値:C 59.89 H 9.81 N 11.52。
【0143】
e)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−ヒドロキシプロパン−1,3−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})メチルアミド
テトラヒドロフラン400ml中に溶解させた1,3,5−トリヨードトリメシン酸トリスクロリド12.86g(20mmol)(DE 3001292、Schering AG、優先権: 1980年01月11日)にトリエチルアミン12.2g(120mmol)及び引き続いて10−(3−メチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン39.7g(66mmol)を添加し、室温で18h撹拌する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体31.4g(理論の67%)
元素分析:
計算値:C 50.83 H 7.50 N 8.98 I 16.41
実測値:C 50.99 H 7.57 N 8.90 I 16.22。
【0144】
f)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−ヒドロキシプロパン−1,3−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})メチルアミド
1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−ヒドロキシプロパン−1,3−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})メチルアミド35.1g(15mmol)をジクロロメタン100ml中に溶解させ、0℃でトリフルオロ酢酸100mlと混合し、0℃で3時間撹拌する。バッチをジエチルエーテル500ml中へ注ぎ、沈殿する固体をろ別し、ジエチルエーテル各100mlで3回後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体26.4g(理論の96%)
元素分析:
計算値:C 40.25 H 5.60 N 11.45 I 20.75
実測値:C 40.17 H 5.69 N 11.51 I 20.58。
【0145】
g)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−ヒドロキシプロパン−1,3−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}、Gd錯体)メチルアミド
1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(2−ヒドロキシプロパン−1,3−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})メチルアミド22g(12mmol)を水250ml中に溶解させ、酢酸5mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム13g(36.2mmol)を添加し、3h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量:無色固体18.2g(理論の62%)
含水量(Karl-Fischer):6.1%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 32.94 H 4.08 N 9.15 I 16.57 Gd 20.54
実測値:C 33.21 H 4.13 N 9.10 I 16.43 Gd 20.22。
【0146】
例7
a)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(オキシラニルメトキシメチル)ベンゼン
1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリスヒドロキシメチルベンゼン11.0g(20.1mmol)、エピクロロヒドリン55.5g(0.6mol)及び硫酸水素テトラブチルアンモニウム1.1g(3.2mmol)からなる混合物に1hかけて32% NaOH溶液55mlを室温で滴加し、引き続いて12h撹拌する。水150mlと混合し、トルエン各200mlで2回抽出する。合一した有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ヘキサン/酢酸エチル 10:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体10.5g(理論の73%)
元素分析:
計算値:C 30.28 H 2.96 I 53.32
実測値:C 30.44 H 2.99 I 53.21。
【0147】
b)1,3,5−トリヨード−{2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−3−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)プロピルオキシ−メチル]}ベンゼン
トルエン100ml中に溶解させた1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン10g(58.05mmol)にN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール10ml(75.28mmol)を添加し、窒素下に120℃に2h加熱する。その際にメタノール/トルエン−共沸混合物を連続的に留去する。引き続いて反応混合物を70℃で真空中で濃縮し、1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(オキシラニルメトキシメチル)ベンゼン13.6g(19.1mmol)を添加し、窒素下に110℃に24h加熱する。室温へ冷却した後に2N HCl 100mlと混合し、引き続いて12時間80℃に加熱する。蒸発乾固させ、エタノール50ml及びメタノール50mlと混合し、新たに蒸発乾固させる。残留物をエタノール100ml中に熱時溶解させ、引き続いてゆっくりと0℃に冷却し、その際に白色固体が晶出する。固体をろ別し、エタノールで洗浄し、引き続いて50℃で真空中で乾燥させる。固体を水100ml及びジクロロメタン100ml中に溶解させ、激しく撹拌しながら10のpH値に達するまで32% NaOH溶液を添加する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各100mlで3回抽出し、合一した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。
収量:無色固体19.0g(理論の81%)
元素分析:
計算値:C 40.98 H 6.63 N 13.66 I 30.93
実測値:C 41.32 H 6.71 N 13.54 I 30.77。
【0148】
c)1,3,5−トリヨード−{2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−3−(1,4,7−トリスカルボキシメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)プロピルオキシメチル]}ベンゼン
1,3,5−トリヨード−{2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−3−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)プロピルオキシ−メチル]}ベンゼン16.6g(13.5mmol)を水75ml中に溶解させ、クロロ酢酸19.5g(206.5mmol)を添加し、60℃で32% NaOHを用いて9.5のpH値に調節する。10時間70℃に加熱し、その際に反応混合物のpH値を9.5に連続的に後調節する。室温へ冷却した後に濃HClを用いて1のpH値に調節し、溶液を真空中で蒸発させる。残留物をメタノール250mlで吸収沈殿させ、不溶性成分をろ別し、ろ液を蒸発させる。残留物を水100ml中に溶解させ、イオン交換体−カラム(600ml、IR 120、H−形)上へ添加する。引き続いて水2 lで洗浄し、酸性溶出液を蒸発させる。残留物をメタノール70ml中に溶解させ、ジエチルエーテル900ml中へ滴加し、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体14.4g(理論の61%)
元素分析:
計算値:C 41.11 H 5.69 N 9.59 I 21.71
実測値:C 41.34 H 5.56 N 9.62 I 21.45。
【0149】
d)1,3,5−トリヨード−{2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−3−(1,4,7−トリスカルボキシラトメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)プロピルオキシメチル]Gd錯体}ベンゼン
1,3,5−トリヨード−{2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−3−(1,4,7−トリスカルボキシメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)プロピルオキシメチル]}ベンゼン12.1g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体7.0g(理論の43%)
含水量(Karl-Fischer):5.4%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 32.52 H 4.09 N 7.59 I 17.18 Gd 21.29
実測値:C 32.88 H 4.19 N 7.62 I 17.00 Gd 20.99。
【0150】
例8
a)10−[4−アザ−6−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5−オキソ−2−ヒドロキシヘキシル]−1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
Z−グリシン21.97g(105mmol)をDMF 400ml中に溶解させ、氷冷下にN−ヒドロキシスクシンイミド12.1g(105mmol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド21.7g(105mmol)と混合し、氷中で1時間、予備活性化する。引き続いて10−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン58.8g(100mmol)及びトリエチルアミン15.4ml(120mmol)を添加し、一晩に亘り室温で撹拌する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させる。残留物を酢酸エチル500ml中に取り、水各500mlで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量:無色固体63.2g(理論の81%)
元素分析:
計算値:C 60.13 H 8.54 N 10.79
実測値:C 60.32 H 8.561 N 10.59。
【0151】
b)10−(4−アザ−6−アミノ−5−オキソ−2−ヒドロキシヘキシル)−1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
10−[4−アザ−6−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5−オキソ−2−ヒドロキシヘキシル]−1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン60g(77mmol)をメタノール500ml中に溶解させ、水40mlと混合し、パラジウム触媒(10% Pd/C)10gを添加する。常圧下に50℃で8時間水素化する。触媒をろ別し、ろ液を真空中で蒸発乾固させる。
収量:無色固体48.8g(理論の98%)
元素分析:
計算値:C 57.74 H 9.38 N 13.03
実測値:C 57.68 H 9.44 N 13.11。
【0152】
c)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−2−オキソ−5−ヒドロキシヘキサン−1,6−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド
テトラヒドロフラン400ml中に溶解させた1,3,5−トリヨードトリメシン酸トリスクロリド12.86g(20mmol)(DE 3001292、Schering AG、優先権: 1980年01月11日)にトリエチルアミン12.2g(120mmol)及び引き続いて10−(4−アザ−6−アミノ−5−オキソ−2−ヒドロキシヘキシル)−1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン42.6g(66mmol)を添加し、室温で6h撹拌する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体36.5g(理論の74%)
元素分析:
計算値:C 49.63 H 7.23 N 10.21 I 15.42
実測値:C 49.97 H 7.31 N 10.12 I 15.26。
【0153】
d)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−2−オキソ−5−ヒドロキシヘキサン−1,6−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド
1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−2−オキソ−5−ヒドロキシヘキサン−1,6−ジイル−{10−(1,4,7−トリス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド34.6g(14mmol)をジクロロメタン100ml中に溶解させ、0℃でトリフルオロ酢酸100mlと混合し、0℃で3時間撹拌する。バッチをジエチルエーテル500ml中へ注ぎ、沈殿する固体をろ別し、ジエチルエーテル各100mlで3回後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体26.0g(理論の95%)
元素分析:
計算値:C 40.38 H 5.39 N 12.84 I 19.39
実測値:C 40.56 H 5.45 N 12.78 I 19.17。
【0154】
e)1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−2−オキソ−5−ヒドロキシヘキサン−1,6−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}、Gd錯体)アミド
1,3,5−トリヨードトリメシン酸−N,N,N−トリス−(3−アザ−2−オキソ−5−ヒドロキシヘキサン−1,6−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド23.6g(12mmol)を水250ml中に溶解させ、酢酸5mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム13g(36.2mmol)を添加し、3h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いて新たにpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量:無色固体20.8g(理論の67%)
含水量(Karl-Fischer):6.4%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 32.68 H 3.99 N 10.39 I 15.69 Gd 19.45
実測値:C 32.99 H 4.07 N 10.35 I 15.53 Gd 19.22。
【0155】
例9
a)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(トルエンスルホニルオキシ)メチルベンゼン
32% のNaOH溶液200ml及びトルエン300ml中の1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリスヒドロキシメチルベンゼン50.0g(91.4mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム3g(8.7mmol)からなる混合物に室温でトルエンスルホン酸クロリド76.3g(400mmol)を滴加し、引き続いて12h撹拌する。水300mlと混合し、トルエン各200mlで2回抽出する。合一した有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ヘキサン/酢酸エチル 10:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体47.2g(理論の51%)
元素分析:
計算値:C 35.73 H 2.70 I 37.75
実測値:C 36.03 H 2.77 I 37.56。
【0156】
b)1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(カルバミドメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
THF 500ml中の1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン75g(118.7mmol)及びジイソプロピルエチルアミン16.9g(130.5mmol)の溶液に−20℃でイソブチルクロロホルメート17.8g(130.5mmol)を滴加する。引き続いて−20℃で1時間撹拌し、慎重に25%アンモニア水溶液20mlと混合する。0℃で2h後撹拌し、引き続いて溶剤を真空中で留去し、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 酢酸エチル/ヘキサン 10:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体60.7g(理論の81%)
元素分析:
計算値:C 64.64 H 6.54 N 11.09
実測値:C 64.81 H 6.549 N 11.00。
【0157】
c)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2−アザ−3−オキソブタン−1,4−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン
1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(カルバミドメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン44.6g(70.6mmol)をTHF 500ml中に溶解させ、0℃でアルゴン下に水素化ナトリウム1.71g(71mmol)と混合し、室温で1h撹拌する。引き続いてTHF 150ml中の1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(トルエンスルホニルオキシ)メチルベンゼン20.2g(20mmol)の溶液を滴加し、還流下に20h撹拌する。冷却した後に不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させる。残留物を酢酸エチル500ml中に取り、水各500mlで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体29.4g(理論の62%)
元素分析:
計算値:C 55.85 H 5.32 N 8.80 I 15.95
実測値:C 56.07 H 5.39 N 8.67 I 15.76。
【0158】
d)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−{2−アザ−3−オキソブタン−1,4−ジイル−[10−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)]}ベンゼン
1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2−アザ−3−オキソブタン−1,4−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン20g(8.4mmol)を0〜5℃で慎重にHBr/AcOH (33%) 140mlと混合し、室温で3h撹拌する。引き続いて反応混合物をジエチルエーテル800ml中へ注ぎ、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄する。残留物を水100ml及びジクロロメタン100ml中に溶解させ、激しく撹拌しながら10のpH値に達するまで32% NaOH溶液を添加する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各50mlで3回抽出し、合一した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。
収量 無色固体9.1g(理論の91%)
元素分析:
計算値:C 39.70 H 6.15 N 17.81 I 32.27
実測値:C 39.91 H 6.22 N 17.75 I 32.09。
【0159】
e)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2−アザ−3−オキソブタン−1,4−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン
1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−{2−アザ−3−オキソブタン−1,4−ジイル−[10−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)]}ベンゼン17.7g(15mmol)を水75ml中に溶解させ、クロロ酢酸19.5g(206.5mmol)を添加し、60℃で32% NaOHを用いて9.5のpH値に調節する。10時間70℃に加熱し、その際に反応混合物のpH値を9.5に連続的に後調節する。室温へ冷却した後に濃HClを用いて1のpH値に調節し、溶液を真空中で蒸発させる。残留物をメタノール250mlで吸収沈殿させ、不溶性成分をろ別し、ろ液を蒸発させる。残留物を水100ml中に溶解させ、イオン交換体−カラム(600ml、IR 120、H−形)上へ添加する。引き続いて水2 lで洗浄し、酸性溶出液を蒸発させる。残留物をメタノール70ml中に溶解させ、ジエチルエーテル900ml中に滴加し、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体13.8g(理論の54%)
元素分析:
計算値:C 40.22 H 5.33 N 12.34 I 22.37
実測値:C 40.43 H 5.37 N 12.25 I 22.19。
【0160】
f)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2−アザ−3−オキソブタン−1,4−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}、Gd錯体)ベンゼン
1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2−アザ−3−オキソブタン−1,4−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン11.7g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h吸収沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体8.4g(理論の53%)
含水量(Karl-Fischer):6.1%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 31.63 H 3.77 N 9.71 I 17.59 Gd 21.79
実測値:C 31.77 H 3.72 N 9.76 I 17.45 Gd 21.63。
【0161】
g)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2−アザ−3−オキソブタン−1,4−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}、Dy錯体)ベンゼン
1,3,5−トリヨード−{2,4,6−トリス−[2−(4,7,10−トリスカルボキシメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イルアセチルアミノ)メチル]}ベンゼン11.7g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。酸化ジスプロシウム3.88g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体7.5g(理論の47%)
含水量 (Karl-Fischer):5.9%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 31.40 H 3.74 N 9.64 I 17.46 Dy 22.36
実測値:C 31.65 H 3.79 N 9.67 I 17.25 Dy 22.11。
【0162】
h)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2−アザ−3−オキソブタン−1,4−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}、Y錯体)ベンゼン
1,3,5−トリヨード−{2,4,6−トリス−[2−(4,7,10−トリスカルボキシメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イルアセチルアミノ)メチル]}ベンゼン11.7g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。炭酸イットリウム3.72g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体8.7g(理論の61%)
含水量(Karl-Fischer):5.4%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 34.93 H 4.17 N 10.72 I 19.43 Y 13.61
実測値:C 35.12 H 4.11 N 10.79 I 19.34 Y 13.52。
【0163】
例10
a)1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(1−カルバミドエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
THF 500ml中の1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(1−カルボキシエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン76.8g(118.7mmol)及びジイソプロピルエチルアミン16.9g(130.5mmol)の溶液に−20℃でイソブチルクロロホルメート17.8g(130.5mmol)を滴加する。引き続いて−20℃で1時間撹拌し、慎重に25%アンモニア水溶液20mlと混合する。0℃で2h後撹拌し、引き続いて溶剤を真空中で留去し、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 酢酸エチル/ヘキサン 10:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体59.8g(理論の78%)
元素分析:
計算値:C 65.10 H 6.71 N 10.85
実測値:C 65.34 H 6.86 N 10.67。
【0164】
b)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2−アザ−4−メチル−3−オキソブタン−1,4−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン
1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(1−カルバミドエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン45.6g(70.6mmol)をTHF 500ml中に溶解させ、0℃でアルゴン下に水素化ナトリウム1.71g(71mmol)と混合し、室温で1h撹拌する。引き続いてTHF 150ml中の1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(トルエンスルホニルオキシ)メチルベンゼン20.2g(20mmol)の溶液を滴加し、還流下に20h撹拌する。冷却した後に不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させる。残留物を酢酸エチル500ml中に取り、水各500mlで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体27.7g(理論の57%)
元素分析:
計算値:C 56.37 H 5.48 N 8.65 I 15.67
実測値:C 56.56 H 5.39 N 8.73 I 15.46。
【0165】
c)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−{2−アザ−4−メチル−3−オキソブタン−1,4−ジイル−[10−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)]}ベンゼン
1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2−アザ−4−メチル−3−オキソブタン−1,4−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン25g(10.3mmol)を0〜5℃で慎重にHBr/AcOH (33%) 150mlと混合し、室温で3h撹拌する。引き続いて反応混合物をジエチルエーテル800ml中へ注ぎ、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄する。残留物を水100ml及びジクロロメタン100ml中に溶解させ、激しく撹拌しながら10のpH値に達するまで32% NaOH溶液を添加する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各50mlで3回抽出し、合一した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。
収量 無色固体11.4g(理論の90%)
元素分析:
計算値:C 41.29 H 6.43 N 17.19 I 31.16
実測値:C 41.44 H 6.49 N 17.07 I 31.00。
【0166】
d)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2−アザ−4−メチル−3−オキソブタン−1,4−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン
1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−{2−アザ−4−メチル−3−オキソブタン−1,4−ジイル−[10−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)]}ベンゼン18.3g(15mmol)を水75ml中に溶解させ、クロロ酢酸19.5g(206.5mmol)を添加し、60℃で32% NaOHを用いて9.5のpH値に調節する。10時間70℃に加熱し、その際に反応混合物のpH値を9.5に連続的に後調節する。室温へ冷却した後に濃HClを用いて1のpH値に調節し、溶液を真空中で蒸発させる。残留物をメタノール250mlで撹拌沈殿させ、不溶性成分をろ別し、ろ液を蒸発させる。残留物を水100ml中に溶解させ、イオン交換体−カラム(600ml、IR 120、H−形)上へ添加する。引き続いて水2 lで洗浄し、酸性溶出液を蒸発させる。残留物をメタノール70ml中に溶解させ、ジエチルエーテル900ml中へ滴加し、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体15.5g(理論の59%)
元素分析:
計算値:C 41.32 H 5.55 N 12.05 I 21.83
実測値:C 41.56 H 5.62 N 12.01 I 21.73。
【0167】
e)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2−アザ−4−メチル−3−オキソブタン−1,4−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}、Gd錯体)ベンゼン
1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2−アザ−4−メチル−3−オキソブタン−1,4−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン12.0g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体7.6g(理論の47%)
含水量(Karl-Fischer):5.2%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 32.66 H 3.97 N 9.52 I 17.25 Gd 21.38
実測値:C 32.78 H 3.99 N 9.45 I 17.21 Gd 21.19。
【0168】
例11
a)10−[4−カルバミド−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−t−ブチルエステル
THF 500ml中の10−[4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−t−ブチルエステル76.5g(118.7mmol)(DE 19549286 A1、Schering AG、(例2d))及びジイソプロピルエチルアミン16.9g(130.5mmol)の溶液に−20℃でイソブチルクロロホルメート17.8g(130.5mmol)を滴加する。引き続いて−20℃で1時間撹拌し、慎重に25%アンモニア水溶液20mlと混合する。0℃で2h後撹拌し、引き続いて溶剤を真空中で留去し、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体61.1g(理論の80%)
元素分析:
計算値:C 57.92 H 9.09 N 13.07
実測値:C 58.11 H 9.12 N 12.99。
【0169】
b)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2,5−ジアザ−3,6−ジオキソ−7−メチルヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン
10−[4−カルバミド−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−t−ブチルエステル44.6g(70.6mmol)をTHF 500ml中に溶解させ、0℃でアルゴン下に水素化ナトリウム1.71g(71mmol)と混合し、室温で1h撹拌する。引き続いてTHF 150ml中の1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(トルエンスルホニルオキシ)メチルベンゼン20.2g(20mmol)の溶液を滴加し、還流下に20h撹拌する。冷却した後に不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させる。残留物を酢酸エチル500ml中に取り、水各500mlで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体15.1g(理論の31%)
元素分析:
計算値:C 50.62 H 7.37 N 10.42 I 15:73
実測値:C 50.79 H 7.41 N 10.44 I 15.64。
【0170】
c)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2,5−ジアザ−3,6−ジオキソ−7−メチルヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン
1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2,5−ジアザ−3,6−ジオキソ−7−メチルヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン18.2g(7.5mmol)をジクロロメタン75ml中に溶解させ、0℃でトリフルオロ酢酸75mlと混合し、0℃で3時間撹拌する。バッチをジエチルエーテル500ml中へ注ぎ、沈殿する固体をろ別し、ジエチルエーテル各100mlで3回後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体14.1g(理論の98%)
元素分析:
計算値:C 41.39 H 5.53 N 13.16 I 19.88
実測値:C 41.51 H 5.57 N 13.11 I 19.67。
【0171】
d)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2,5−ジアザ−3,6−ジオキソ−7−メチルヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}、Gd錯体)ベンゼン
1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2,5−ジアザ−3,6−ジオキソ−7−メチルヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン13.2g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体10.2g(理論の58%)
含水量(Karl-Fischer):6.2%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 33.34 H 4.07 N 10.60 I 16.01 Gd 19.84
実測値:C 33.52 H 4.12 N 10.63 I 15.89 Gd 19.72。
【0172】
例12
a)10−(4−カルバミド−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−t−ブチルエステル
THF 500ml中の10−(4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−t−ブチルエステル74.8g(118.7mmol)(DE 19549286 A1、Schering AG、(例1i))及びジイソプロピルエチルアミン16.9g(130.5mmol)の溶液に−20℃でイソブチルクロロホルメート17.8g(130.5mmol)を滴加する。引き続いて−20℃で1時間撹拌し、慎重に25%アンモニア水溶液20mlと混合する。0℃で2h後撹拌し、引き続いて溶剤を真空中で留去し、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体55.9g(理論の75%)
元素分析:
計算値:C 57.30 H 8.98 N 13.36
実測値:C 57.45 H 8.99 N 13.31。
【0173】
b)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2,5−ジアザ−3,6−ジオキソヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン
10−(4−カルバミド−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−t−ブチルエステル44.4g(70.6mmol)をTHF 500ml中に溶解させ、0℃でアルゴン下に水素化ナトリウム1.71g(71mmol)と混合し、室温で1h撹拌する。引き続いてTHF 150ml中の1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(トルエンスルホニルオキシ)メチルベンゼン20.2g(20mmol)の溶液を滴加し、還流下に20h撹拌する。冷却した後に不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させる。残留物を酢酸エチル500ml中に取り、水各500mlで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体16.2g(理論の34%)
元素分析:
計算値:C 50.00 H 7.25 N 10.60 I 16.01
実測値:C 50.17 H 7.28 N 10.55 I 15.89。
【0174】
c)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2,5−ジアザ−3,6−ジオキソヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン
1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2,5−ジアザ−3,6−ジオキソヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン17.9g(7.5mmol)をジクロロメタン75ml中に溶解させ、0℃でトリフルオロ酢酸75mlと混合し、0℃で3時間撹拌する。バッチをジエチルエーテル500ml中へ注ぎ、沈殿する固体をろ別し、ジエチルエーテル各100mlで3回後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体13.5g(理論の96%)
元素分析:
計算値:C 40.39 H 5.33 N 13.46 I 20.32
実測値:C 40.21 H 5.27 N 13.57 I 20.22。
【0175】
d)1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2,5−ジアザ−3,6−ジオキソヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}、Gd錯体)ベンゼン
1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリス−(2,5−ジアザ−3,6−ジオキソヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})ベンゼン12.9g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体10.6g(理論の61%)
含水量(Karl-Fischer):6.5%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 32.39 H 3.88 N 10.79 I 16.30 Gd 20.19。
実測値:C 32.51 H 3.91 N 10.75 I 16.16 Gd 20.01。
【0176】
例13
a)2,4,6−トリヨード−1,3,5−トリス−(2−t−ブトキシカルボニルアミノエトキシメチル)ベンゼン
1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリスヒドロキシメチルベンゼン50.0g(91.4mmol)、及び32% NaOH溶液200ml及びトルエン300ml中の硫酸水素テトラブチルアンモニウム3g(8.7mmol)からなる混合物に室温で、トルエン250ml中に溶解させたトルエンスルホン酸−2−t−ブトキシカルボニルアミノエチルエステル142g(450mmol)(Canne他, Tetrahedron Letters, 38, 1997, 3361)を滴加し、引き続いて12h撹拌する。水300mlと混合し、トルエン各300mlで2回抽出する。合一した有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ヘキサン/酢酸エチル 10:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体28.6g(理論の32%)
元素分析:
計算値:C 36.94 H 4.96 N 4.31 I 37.75
実測値:C 36.98 H 4.90 N 4.27 I 37.64。
【0177】
b)2,4,6−トリヨード−1,3,5−トリス−(アミノエトキシメチル)ベンゼン
2,4,6−トリヨード−1,3,5−トリス−(2−t−ブトキシカルボニルアミノエトキシメチル)ベンゼン24.4g(25mmol)をジクロロメタン100ml中に溶解させ、0℃でトリフルオロ酢酸100mlと混合し、0℃で3時間撹拌する。バッチをジエチルエーテル500ml中へ注ぎ、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄する。残留物を水100ml及びジクロロメタン100ml中に溶解させ、激しく撹拌しながら10のpH値に達するまで32% NaOH溶液を添加する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各50mlで3回抽出し、合一した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。
収量 無色固体14.7g(理論の87%)
元素分析:
計算値:C 26.69 H 3.58 N 6.22 I 56.39
実測値:C 26.78 H 3.55 N 6.16 I 56.27。
【0178】
c)2,4,6−トリヨード−1,3,5−トリス−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]アミノエトキシメチル}ベンゼン
DMF 400ml中の2,4,6−トリヨード−1,3,5−トリス−(アミノエトキシメチル)ベンゼン15.9g(23.5mmol)の溶液に1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン44.6g(70.6mmol)、トリエチルアミン21ml(164mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド14.6g(70.5mmol)及びN−ヒドロキシスクシンイミド8.1g(70.5mmol)を添加し、室温で20h撹拌する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させる。残留物を酢酸エチル500ml中に取り、水各500mlで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体29g(理論の49%)
元素分析:
計算値:C 55.78 H 5.52 N 9.34 I 15.11
実測値:C 55.91 H 5.62 N 9.26 I 14.89。
【0179】
d)2,4,6−トリヨード−1,3,5−トリス−[10−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)アミノエトキシメチル]ベンゼン
2,4,6−トリヨード−1,3,5−トリス−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]アミノエトキシメチル}ベンゼン20g(7.9mmol)を0〜5℃で慎重にHBr/AcOH (33%) 140mlと混合し、室温で3h撹拌する。引き続いて反応混合物をジエチルエーテル800ml中へ注ぎ、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄する。残留物を水100ml及びジクロロメタン100ml中に溶解させ、激しく撹拌しながら10のpH値に達するまで32% NaOH溶液を添加する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各50mlで3回抽出し、合一した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。
収量 無色固体10.1g(理論の97%)
元素分析:
計算値:C 41.20 H 6.45 N 16.01 I 29.02
実測値:C 41.09 H 6.42 N 15.98 I 28.87。
【0180】
e)2,4,6−トリヨード−1,3,5−トリス−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]アミノエトキシメチル}ベンゼン
2,4,6−トリヨード−1,3,5−トリス−[10−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)アミノエトキシメチル]ベンゼン17.7g(13.5mmol)を水75ml中に溶解させ、クロロ酢酸19.5g(206.5mmol)を添加し、60℃で32% NaOHを用いて9.5のpH値に調節する。10時間70℃に加熱し、その際に反応混合物のpH値を9.5に連続的に後調節する。室温へ冷却した後に濃HClを用いて1のpH値に調節し、溶液を真空中で蒸発させる。残留物をメタノール250mlで撹拌沈殿させ、不溶性成分をろ別し、ろ液を蒸発させる。残留物を水100ml中に溶解させ、イオン交換体−カラム(600ml、IR 120、H−形)上へ添加する。引き続いて水2 lで洗浄し、酸性溶出液を蒸発させる。残留物をメタノール70ml中に溶解させ、ジエチルエーテル900ml中へ滴加し、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体14.4g(理論の58%)
元素分析:
計算値:C 41.25 H 5.60 N 11.45 I 20.76
実測値:C 41.20 H 5.48 N 11.51 I 20.59。
【0181】
f)2,4,6−トリヨード−1,3,5−トリス−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]アミノエトキシメチル}ベンゼン
2,4,6−トリヨード−1,3,5−トリス−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]アミノエトキシメチル}ベンゼン12.7g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体7.4g(理論の44%)
含水量(Karl-Fischer):5.9%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 32.94 H 4.08 N 9.15 I 16.57 Gd 20.54
実測値:C 33.21 H 4.12 N 9.17 I 16.35 Gd 20.31。
【0182】
例14
a)2,4,6−トリヨード−5−[2−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)−アセチルアミノ]−イソフタル酸ジクロリド
塩化チオニル14.5ml(200mmol)を0℃で1時間かけてジメチルアセトアミド200ml中のトリフルオロ酢酸グリシン34.2g(200mmol)の溶液に滴加する。引き続いて0℃で5−アミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸ジクロリド23.8g(40mmol)(DE 2943777、Schering AG、(優先権: 1979年10月26日))を添加し、室温で4日間撹拌する。反応混合物を氷水5 l中へ注ぎ、沈殿する固体をろ別する。さらに精製するために、フィルター残留物を酢酸エチル1000ml中に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回振とう抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を真空中で蒸発させる。
収量:無色固体29.3g(理論の97%)
元素分析:
計算値:C 19.25 H 0.54 N 3.74
実測値:C 19.39 H 0.57 N 3.72。
【0183】
b)5−(2−アミノアセチルアミノ)−N,N−ビス−(2−アミノエチル)−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド
テトラヒドロフラン100ml中の2,4,6−トリヨード−5−[2−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)−アセチルアミノ]−イソフタル酸ジクロリド10g(13.3mmol)の溶液をエチレンジアミン26.7ml(399mmol)に1hに亘り室温で滴加し、14h後撹拌する。沈殿する固体をろ別し、エタノールで後洗浄し、水100ml中に取り、1M水酸化リチウム溶液を用いて8.0のpH値に調節する。真空中での蒸発後に、エタノールから再結晶させる。
収量:無色固体6.4g(理論の68%)
元素分析:
計算値:C 24.02 H 2.74 N 12.01 I 54.38
実測値:C 24.276 H 2.79 N 11.98 I 54.25。
【0184】
c)2,4,6−トリヨード−5−(3,6−ジアザ−1,4,7−トリオキソ−8−メチルオクタン−1,8−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3,6−ジアザ−4,7−ジオキソ−8−メチルオクタン−1,8−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})アミド
10−[4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザ−1−メチルブチル]1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸のGd錯体9.6g(15.2mmol)(WO 98/24775、Schering AG、(例1))をDMSO 100ml中に懸濁させ、N−ヒドロキシスクシンイミド1.96g(17mmol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド3.3g(16mmol)と混合し、1時間予備活性化する。引き続いて5−(2−アミノアセチルアミノ)−N,N−ビス−(2−アミノエチル)−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド2.4g(3.4mmol)と混合し、室温で3日間窒素下に撹拌する。不溶性成分をろ別し、溶液をアセトン1000ml中へ注ぐ。その際に沈殿する固体をろ別し、アセトン300mlで及びジエチルエーテル100mlで少しずつ洗浄する。残留物を水200ml中に取り、イオン交換体30g(IRA 67 OH−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別する。引き続いてイオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、溶液を100mlに濃縮する。残りのジメチルスルホキシドを除去するために、溶液をアセトン1000ml中へ注ぎ、沈殿する沈殿物をろ別する。残留物を水250ml中に溶解させ、僅かなイオン交換体(H−形及びOH−形)を用いて伝導率を0.005mSの値(pH=7.0)に調節し、ろ別し、真空中で蒸発させる。
収量:無色固体5.7g(理論の62%)
含水量(Karl-Fischer):5.7%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 33.64 H 4.09 N 11.60 I 15.02 Gd 18.61
実測値:C 33.77 H 4.13 N 11.54 I 15.00 Gd 18.53。
【0185】
例15
a)2,4,6−トリヨード−5−(3,6−ジアザ−1,4,7−トリオキソオクタン−1,8−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3,6−ジアザ−4,7−ジオキソオクタン−1,8−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})アミド
10−[4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸のGd錯体9.4g(15.2mmol)(WO 98/24775、Schering AG、(例11))をDMSO 100ml中に懸濁させ、N−ヒドロキシスクシンイミド1.96g(17mmol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド3.3g(16mmol)と混合し、1時間予備活性化する。引き続いて5−(2−アミノアセチルアミノ)−N,N−ビス−(2−アミノエチル)−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド2.4g(3.4mmol)と混合し、室温で3日間窒素下に撹拌する。不溶性成分をろ別し、溶液をアセトン1000ml中へ注ぐ。その際に沈殿する固体をろ別し、アセトン300mlで及びジエチルエーテル100mlで少しずつ洗浄する。残留物を水200ml中に取り、イオン交換体30g(IRA 67 OH−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別する。引き続いてイオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、溶液を100mlに濃縮する。残りのジメチルスルホキシドを除去するために、溶液をアセトン1000ml中へ注ぎ、沈殿する沈殿物をろ別する。残留物を水250ml中に溶解させ、僅かなイオン交換体(H−形及びOH−形)を用いて伝導率を0.005mS(pH=7.0)の値に調節し、ろ別し、真空中で蒸発させる。
収量:無色固体6.1g(理論の67%)
含水量(Karl-Fischer):6.4%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 32.76 H 3.92 N 11.80 I 15.27 Gd 18.92
実測値:C 32.91 H 3.98 N 11.81 I 15.11 Gd 18.67。
【0186】
例16
a)2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド
DMF 446ml中の5−(2−アミノアセチルアミノ)−N,N−ビス−(2−アミノエチル)−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド16.5g(23.5mmol)の懸濁液に1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン44.6g(70.6mmol)、トリエチルアミン21ml(164mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド14.6g(70.5mmol)及びN−ヒドロキシスクシンイミド8.1g(70.5mmol)を添加し、室温で20h撹拌する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させる。残留物を酢酸エチル500ml中に取り、水各500mlで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体30.5g(理論の51%)
元素分析:
計算値:C 54.76 H 5.27 N 9.91 I 14.96
実測値:C 54.99 H 5.35 N 9.87 I 14.65。
【0187】
b)2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド
2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド20g(7.9mmol)を0〜5℃で慎重にHBr/AcOH (33%)140mlと混合し、室温で3h撹拌する。引き続いて反応混合物をジエチルエーテル800ml中へ注ぎ、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄する。残留物を水100ml及びジクロロメタン100ml中に溶解させ、激しく撹拌しながら10のpH値に達するまで32% NaOH溶液を添加する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各50mlで3回抽出し、合一した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。
収量 無色固体10.1g(理論の96%)
元素分析:
計算値:C 39.53 H 5.96 N 18.86 I 28.48
実測値:C 39.44 H 5.99 N 18.91 I 28.51。
【0188】
c)2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド
2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド18.0g(13.5mmol)を水75ml中に溶解させ、クロロ酢酸19.5g(206.5mmol)を添加し、60℃で32% NaOHを用いて9.5のpH値に調節する。10時間70℃に加熱し、その際に反応混合物のpH値を9.5に連続的に後調節する。室温へ冷却した後に濃HClを用いて1のpH値に調節し、溶液を真空中で蒸発させる。残留物をメタノール250mlで撹拌沈殿させ、不溶性成分をろ別し、ろ液を蒸発させる。残留物を水100ml中に溶解させ、イオン交換体−カラム(600ml、IR 120、H−形)上へ添加する。引き続いて水2 lで洗浄し、酸性溶出液を蒸発させる。残留物をメタノール70ml中に溶解させ、ジエチルエーテル900ml中へ滴加し、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体15.3g(理論の61%)
元素分析:
計算値:C 40.05 H 5.26 N 13.56 I 20.65
実測値:C 40.22 H 5.29 N 13.49 I 20.56。
【0189】
d)2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})アミド
2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド12.8g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体8.3g(理論の48%)
含水量(Karl-Fischer):6.9%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 32.07 H 3.82 N 10.86 I 16.40 Gd 20.32
実測値:C 32.21 H 3.85 N 10.89 I 16.25 Gd 20.19。
【0190】
例17
a)2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソ−5−メチルペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド
DMF 446ml中の5−(2−アミノアセチルアミノ)−N,N−ビス−(2−アミノエチル)−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド16.5g(23.5mmol)の懸濁液に、1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(1−カルボキシエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン45.7g(70.6mmol)、トリエチルアミン21ml(164mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド14.6g(70.5mmol)及びN−ヒドロキシスクシンイミド8.1g(70.5mmol)を添加し、室温で20h撹拌する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させる。残留物を酢酸エチル500ml中に取り、水各500mlで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体28.6g(理論の47%)
元素分析:
計算値:C 55.27 H 5.42 N 9.75 I 14.72
実測値:C 55.34 H 5.44 N 9.79 I 14.65。
【0191】
b)2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソ−5−メチルペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド
2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソ−5−メチルペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド20g(7.7mmol)を0〜5℃で慎重にHBr/AcOH (33%) 140mlと混合し、室温で3h撹拌する。引き続いて反応混合物をジエチルエーテル800ml中へ注ぎ、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄する。残留物を水100ml及びジクロロメタン100ml中に溶解させ、激しく撹拌しながら10のpH値に達するまで32% NaOH溶液を添加する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各50mlで3回抽出し、合一した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。
収量 無色固体10.2g(理論の96%)
元素分析:
計算値:C 40.94 H 6.21 N 18.28 I 27.61
実測値:C 41.13 H 6.17 N 18.32 I 27.47。
【0192】
c)2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソ−5−メチルペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド
2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソ−5−メチルペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド18.6g(13.5mmol)を水75ml中に溶解させ、クロロ酢酸19.5g(206.5mmol)を添加し、60℃で32% NaOHを用いて9.5のpH値に調節する。10時間70℃に加熱し、その際に反応混合物のpH値を9.5に連続的に後調節する。室温へ冷却した後に濃HClを用いて1のpH値に調節し、溶液を真空中で蒸発させる。残留物をメタノール250mlで撹拌沈殿させ、不溶性成分をろ別し、ろ液を蒸発させる。残留物を水100ml中に溶解させ、イオン交換体−カラム(600ml、IR 120、H−形)上へ添加する。引き続いて水2 lで洗浄し、酸性溶出液を蒸発させる。残留物をメタノール70ml中に溶解させ、ジエチルエーテル900ml中へ滴加し、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体14.1g(理論の55%)
元素分析:
計算値:C 41.06 H 5.46 N 13.26 I 20.02
実測値:C 41.34 H 5.52 N 13.31 I 19.69。
【0193】
d)2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソ−5−メチルペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})アミド
2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソ−5−メチルペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})アミド13.1g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体7.6g(理論の44%)
含水量(Karl-Fischer):5.3%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 33.02 H 4.01 N 10.66 I 16.10 Gd 19.96
実測値:C 33.34 H 4.08 N 10.62 I 16.01 Gd 19.82。
【0194】
例18
a)2,4,6−トリヨード−5−{メチル[2−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)−アセチル]アミノ}−イソフタル酸ジクロリド
塩化チオニル14.5ml(200mmol)を0℃で1時間かけてジメチルアセトアミド200ml中のトリフルオロ酢酸グリシン34.2g(200mmol)の溶液に滴加する。引き続いて0℃で5−アミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸ジクロリド24.4g(40mmol)(EP 0033426、Sovak、1/80 US)を添加し、室温で4日間撹拌する。反応混合物を氷水5 l中へ注ぎ、沈殿する固体をろ別する。さらに精製するために、フィルター残留物を酢酸エチル1000ml中に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回振とう抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を真空中で蒸発させる。
収量:無色固体28.7g(理論の94%)
元素分析:
計算値:C 20.47 H 0.79 N 3.67
実測値:C 20.52 H 0.77 N 3.71。
【0195】
b)5−[(2−アミノアセチル)−メチルアミノ]−N,N−ビス−(2−アミノエチル)−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド
テトラヒドロフラン100ml中の2,4,6−トリヨード−5−{メチル−[2−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)−アセチル]−アミノ}−イソフタル酸ジクロリド10g(13.1mmol)の溶液をエチレンジアミン26.7ml(399mmol)に1hに亘り室温で滴加し、14h後撹拌する。沈殿する固体をろ別し、エタノールで後洗浄し、水100ml中に取り、1M水酸化リチウム溶液を用いて8.0のpH値に調節する。真空中での蒸発後に、エタノールから再結晶させる。
収量:無色固体7.3g(理論の78%)
元素分析:
計算値:C 25.23 H 2.96 N 11.77 I 53.31
実測値:C 25.44 H 2.98 N 11.81 I 53.09。
【0196】
c)2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド
DMF 446ml中の5−[(2−アミノアセチル)−メチルアミノ]−N,N−ビス−(2−アミノエチル)−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド16.8g(23.5mmol)の懸濁液に1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン44.6g(70.6mmol)、トリエチルアミン21ml(164mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド14.6g(70.5mmol)及びN−ヒドロキシスクシンイミド8.1g(70.5mmol)を添加し、室温で20h撹拌する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させる。残留物を酢酸エチル500ml中に取り、水各500mlで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体34.9g(理論の58%)
元素分析:
計算値:C 54.93 H 5.32 N 9.86 I 14.88
実測値:C 55.12 H 5.39 N 9.81 I 14.72。
【0197】
d)2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド
2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド20g(7.8mmol)を0〜5℃で慎重にHBr/AcOH (33%) 140mlと混合し、室温で3h撹拌する。引き続いて反応混合物をジエチルエーテル800ml中へ注ぎ、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄する。残留物を水100ml及びジクロロメタン100ml中に溶解させ、激しく撹拌しながら10のpH値に達するまで32% NaOH溶液を添加する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各50mlで3回抽出し、合一した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。
収量 無色固体10.0g(理論の95%)
元素分析:
計算値:C 40.01 H 6.04 N 18.66 I 28.18
実測値:C 40.19 H 6.07 N 18.62 I 28.03。
【0198】
e)2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド
2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド18.2g(13.5mmol)を水75ml中に溶解させ、クロロ酢酸19.5g(206.5mmol)を添加し、60℃で32% NaOHを用いて9.5のpH値に調節する。10時間70℃に加熱し、その際に反応混合物のpH値を9.5に連続的に後調節する。室温へ冷却した後に濃HClを用いて1のpH値に調節し、溶液を真空中で蒸発させる。残留物をメタノール250mlで撹拌沈殿させ、不溶性成分をろ別し、ろ液を蒸発させる。残留物を水100ml中に溶解させ、イオン交換体−カラム(600ml、IR 120、H−形)上へ添加する。引き続いて水2 lで洗浄し、酸性溶出液を蒸発させる。残留物をメタノール70ml中に溶解させ、ジエチルエーテル900ml中へ滴加し、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体15.0g(理論の59%)
元素分析:
計算値:C 40.39 H 5.33 N 13.46 I 20.32
実測値:C 40.53 H 5.37 N 13.41 I 20.17。
【0199】
f)2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})−メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})−アミド
2,4,6−トリヨード−5−(3−アザ−1,4−ジオキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド12.9g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体8.7g(理論の51%)
含水量(Karl-Fischer):5.8%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 32.39 H 3.88 N 10.79 I 16.30 Gd 20.19
実測値:C 32.48 H 3.91 N 10.76 I 16.21 Gd 20.08。
【0200】
例19
a)5−[3−(2−アミノエチル)−ウレイド]−N,N−ビス−(2−アミノエチル)−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド
ジオキサン250ml中の5−アミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸ジクロリド29.8g(50mmol)(DE 2943777、Schering AG、(優先権: 1979年10月26日))の溶液に慎重にトルエン中のホスゲンの2M溶液100mlを添加し、24時間60℃に加熱する。引き続いて溶液を真空中で80℃で蒸発させ、その際にガスを20% NaOH水溶液に導通させる。残留物をテトラヒドロフラン200ml中に溶解させ、エチレンジアミン66.9ml(1.0mol)に1hに亘り室温で滴加し、24h後撹拌する。沈殿する固体をろ別し、エタノールで後洗浄し、水200ml中に取り、1M水酸化リチウム溶液を用いて8.0のpH値に調節する。真空中での蒸発後に、エタノールから再結晶させる。
収量:無色固体19.4g(理論の53%)
元素分析:
計算値:C 24.71 H 3.04 N 13.45 I 52.22
実測値:C 24.91 H 3.09 N 13.36 I 51.97。
【0201】
b)2,4,6−トリヨード−5−(2,5−ジアザ−1,6−ジオキソヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド
DMF 446ml中の5−[3−(2−アミノエチル)−ウレイド]−N,N−ビス−(2−アミノエチル)−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド17.1g(23.5mmol)の懸濁液に1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−10−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン44.6g(70.6mmol)、トリエチルアミン21ml(164mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド14.6g(70.5mmol)及びN−ヒドロキシスクシンイミド8.1g(70.5mmol)を添加し、室温で20h撹拌する。不溶性成分をろ別し、濃縮乾固させる。残留物を酢酸エチル500ml中に取り、水各500mlで2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を濃縮乾固させ、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤 ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含有する画分を合一し、蒸発させる。
収量 無色固体32.7g(理論の54%)
元素分析:
計算値:C 54.61 H 5.33 N 10.24 I 14.80
実測値:C 54.81 H 5.35 N 10.13 I 14.72。
【0202】
c)2,4,6−トリヨード−5−(2,5−ジアザ−1,6−ジオキソヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド
2,4,6−トリヨード−5−(2,5−ジアザ−1,6−ジオキソヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド25.7g(10mmol)を0〜5℃で慎重にHBr/AcOH (33%) 140mlと混合し、室温で3h撹拌する。引き続いて反応混合物をジエチルエーテル800ml中へ注ぎ、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄する。残留物を水100ml及びジクロロメタン100ml中に溶解させ、激しく撹拌しながら10のpH値に達するまで32% NaOH溶液を添加する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各50mlで3回抽出し、合一した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。
収量 無色固体12.8g(理論の94%)
元素分析:
計算値:C 39.57 H 6.05 N 19.48 I 27.87
実測値:C 39.71 H 5.99 N 19.56 I 27.61。
【0203】
d)2,4,6−トリヨード−5−(2,5−ジアザ−1,6−ジオキソヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド
2,4,6−トリヨード−5−(2,5−ジアザ−1,6−ジオキソヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド18.4g(13.5mmol)を水75ml中に溶解させ、クロロ酢酸19.5g(206.5mmol)を添加し、60℃で32% NaOHを用いて9.5のpH値に調節する。10時間70℃に加熱し、その際に反応混合物のpH値を9.5に連続的に後調節する。室温へ冷却した後に濃HClで1のpH値に調節し、溶液を真空中で蒸発させる。残留物をメタノール250mlで撹拌沈殿させ、不溶性成分をろ別し、ろ液を蒸発させる。残留物を水100ml中に溶解させ、イオン交換体−カラム(600ml、IR 120、H−形)上へ添加する。引き続いて水2 lで洗浄し、酸性溶出液を蒸発させる。残留物をメタノール70ml中に溶解させ、ジエチルエーテル900ml中へ滴加し、その際に生じる固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで何度も後洗浄し、真空中で乾燥させる。
収量 無色固体14.3g(理論の56%)
元素分析:
計算値:C 40.07 H 5.34 N 14.09 I 20.16
実測値:C 40.24 H 5.31 N 13.99 I 19.98。
【0204】
e)2,4,6−トリヨード−5−(2,5−ジアザ−1,6−ジオキソヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})−アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシラトメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル、Gd錯体]})−アミド
2,4,6−トリヨード−5−(2,5−ジアザ−1,6−ジオキソヘプタン−1,7−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]})−アミド13.0g(6.9mmol)を水100ml中に溶解させ、酢酸3mlの添加により酸性化させる。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6h還流加熱する。錯化が完了した後にアンモニアを用いてpH 7.4に調節し、シリカゲルのクロマトグラフィーにかける(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含有する画分を合一し、イオン交換体10g(IR 267 H−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、ついでイオン交換体10g(IRA 67 OH−形)で2h撹拌沈殿させ、ろ別し、活性炭2gと混合し、2時間60℃に加温し、ろ別し、凍結乾燥させる。
収量 無色固体7.1g(理論の41%)
含水量(Karl-Fischer):6.3%
元素分析(水不含の物質に対して):
計算値:C 32.19 H 3.90 N 11.32 I 16.19 Gd 20.07
実測値:C 32.34 H 3.91 N 11.28 I 16.07 Gd 19.96。
【0205】
薬理学的な例
例1Bを用いるCT検査
前記の化合物の種類の適性を、例1Bについて例示的にラットのコンピューター断層撮影(CT)を用いて検査した。CT検査のためにSiemens Somatom CRが利用可能であった。5秒間の画像を2mmの層厚及び125kVの管電圧を用いて作成した。物質1Bを0.17mol/Lの濃度(145mg(I+Gd)/mLに相当する)の水溶液として処方した。
【0206】
オスのWistarラット(体重400g)を静脈内注射の前(図1a)及び0.15mmol/kg(127mg(I+Gd)/kgに相当する)の用量の1Bの静脈内注射の後(図1)にスキャンした。
【0207】
被検動物の小さなサイズにもかかわらず、127mg(I+Gd)の僅かな用量を用いてでさえ、血液を運ぶ血管(A)及び腎臓皮質(N)の極めてはっきりしたコントラストづけが観察されることができた。この早期の段階は腎臓皮質の血液潅流を反映する。実質相において既に15分後に腎盂はコントラストづけされており、これは物質の迅速な腎性排出に起因されうる(図2)。
【0208】
例1Bを用いるMRT検査
同じ物質(1B)を造影剤として磁気共鳴断層撮影(MRT)を用いて検査した。
【0209】
MRT検査を1.5 T装置(40mT/m勾配を有するSiemens Symphonie)で実施した。400gの重さのWistarラットを、T1の秤量の画像シーケンス(血管造影法 TR 2.54ms、TE 1.12ms及びα=40゜もしくは器官描出 TR 54ms、TE 4.8ms及びα=40゜)を用いて検査した。血管造影法(MRA、図3)を注射0−60sec後(p.i.)及び器官描出(図4a及び図b)を注射15min後に作成した。物質1Bを0.17mol/Lの濃度(0.5mol Gd/Lに相当する)の水溶液として処方し、かつ物質0.03mmolもしくは0.1mmol Gd/kgの用量で静脈内に注射した。
【0210】
MRAは大動脈(Aorta、大腿動脈)並びに心臓を抜群に描出する。
【0211】
全体画像(図4b)において、肝臓(L)並びに腎臓(腎盂=N)のはっきりしたコントラストづけが識別されることができる。同様に尿管(U)が描出されることができ、これは同様に物質の迅速な腎性排出を強調する。
【0212】
この組み合わされたCT及びMR検査はこれらの新規の化合物の種類の二重利用を証明する。卓越したコントラスト増強がCT並びにMRにおいて証明された。例えば高解像度MultiSlice CTにおけるこれらの化合物の臨床使用(心臓冠血管の描出)が可能である。それに引き続いて心筋の活力度の評価のために遅発のMRTを実施する。このためには造影剤の第二の注射は不必要である。
【0213】
Gadovist及びIopromidと比較した例3Fを用いるファントム研究
例3Fの相対的なX線減衰を、Iopromid及びGadobutrolの等モル濃度に比較して、コントラストを与える元素(Gd+ヨウ素)0.3、0.6及び1.2mol/Lに等価に、物質0.05、0.1及び0.2mol/Lの濃度で測定した。そのためには、蒸留水中の出発製剤(例3F−0.27M、0.788mol/L Iopromid及びGadobutrol 1mol/Lに等価なUltravist(R) 300mg l/mL)の希釈物をウェルプレート(Oster 3524)中へピペットで移したファントムを使用した。各希釈物1mlをその都度1つのウェル−プレート中へピペットで移し、これは0.5cmの高さに相当した。生体内での状況におけるようなX線の軟部組織吸収及び放射線硬化をシミュレーションするために、完成したピペットで移したウェルプレートを、C−アーム レントゲン装置(Stenoskop D6、General Electrics)の水平な患者台上でビームパス中へポジショニングし、その上へ17cmの水柱を有するプラスチック容器をウェルプレート上に置いた。
【0214】
レントゲン画像を、X線の多様な電圧で16cmのセシウムフィルター/ヨウ素増幅器及び2mmアルミニウムフィルターを有するDSAレントゲン装置Stenoskop D6(General Electrics)を用いて"High Puls"モダリティーにおいて記録した。
【0215】
画像コントラストをそれぞれのアノード電圧で最適にするために、全ての画像をレントゲン管のアノード電圧の手動選択及びmAの変更後に記録した。
【0216】
Stenoskop D6の画像をその後画像分析装置(Quantimet 500+、Leica)へ転送し、256グレー値のスケールにおいて描出させた。定量的なグレー値の決定のためには、各ウェルについて円形のROI(関心領域)を分析し、それぞれのアノード電圧でのバックグラウンドを減数した。
【0217】
例3F、Iopromid及びGabobutrolの測定されたグレー値をそれぞれの濃度に対して適用し、線形の領域分析を実施した。補償直線の増大をその際に算出し、多様な造影剤の間の直線の比を決定した。
【0218】
前記のファントムの代表的なレントゲン画像は図5に描出されている。
【0219】
例3F、Iopromid及びGadobutrolの濃度の間の比は全ての場合に線形であった。評価は等モル濃度でIopromid及びGadobutrolよりも例3Fの著しくより高いレントゲン吸収を示した(図5)。
【0220】
レントゲン画像の評価において、110kV及び等モル濃度で例3FはIopromidよりも3.08倍高いレントゲン吸収及びGadobutrolよりも3.77倍高いレントゲン吸収を示した。例3Fのレントゲン吸収におけるさらにより高い差は、現代のレントゲンCT法(ヘリコーダル−及びマルチライン−CT)において使用されるようなより高いアノード電圧について予測されることができる。生体内での状況における付加的に生じる放射線硬化は付加的に元素、例えばGd、Dy、Yb又はBiを優遇する。
【0221】
ファントム研究は、例3Fが卓越したレントゲン吸収を有し、かつ現代のDSA及びCT、特にマルチライン−CTにおける使用に適していることを証明している。
【0222】
分配係数
例3Fの分配係数を、Gadovist、Iopromid及びIotrolanと比較して、1−ブタノール及びpH 7.6でのトリス−HCl緩衝液中で決定した。造影剤を緩衝液中に0.1mmol Gd/Lの最終濃度で溶解させ、ヨウ素含有造影剤を1mg I/mLの出発濃度で使用した。
【0223】
第1表:市販のMR造影剤及びX線造影剤と比較した例3Fの分配係数
【0224】
【表1】

【0225】
第1表中のデータは、例3Fがブタノール/水の僅かな分配係数を有する極めて親水性の物質であり、かつそれどころか、極めて良適合性のMR造影剤Gadovistよりも良好な値を有することを証明している。それに比較して市販のヨウ素含有化合物Iopromidは255倍までのより高いブタノール/水の分配係数を有するはるかにより僅かな親水性を有する(0.051対0.0002)。
【0226】
IC−50/LD−50相関
IC-50の決定のために、遠位腎細管の上皮細胞におけるニュートラルレッド試験を使用した。この試験はそのうえ、新規の合成された化合物のLD−50値を高い精度で予測するために極めて助けとなる。
【0227】
イヌ腎臓の腎性の遠位腎細管の上皮細胞株MDCK(ECACC No. 85011435)を、10000個細胞/ウェルからAlpha MEM Eagle(10%ウシ胎仔血清)中で37℃及び5% CO、95%大気湿度で20hに亘り多様な例1B、3F及び5Fと共にインキュベートした。ニュートラルレッドを指示薬として細胞活量のため及びリソソーム完全性の測定に使用し、かつ細胞活量の50%減少(IC−50)が24h後に生じたそれらの造影剤濃度を決定するために利用した。
【0228】
独立した4個の反復試験を造影剤の各濃度について試験した。結果は第2表にまとめられている。MR造影剤についての参照化合物Gadovistに比べて適合性の強い上昇を示した。後者は臨床における参照化合物であり、かつ立証された卓越した適合性を有する造影剤である。最も高い適合性は例3Fについて1170μmol Ieq/mLで見出された。
【0229】
第2表:本発明による多様な例とGadobutrolとのIC50値の比較並びにマウスにおける予測されうるLD50
【0230】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0231】
【図1】オスのWistarラット(体重400g)を静脈内注射の前(a)及び0.15mmol/kg(127mg(I+Gd)/kgに相当する)の用量の1Bの静脈内注射の後のCT画像。
【図2】1Bの静脈内注射15min後のラットのCT画像。
【図3】ラットの場合の1Bの静脈内注射7.5sec後のMRA。
【図4】注射15min後の器官描出。
【図5】例3F、Gadobutrol及びIopromidのレントゲン吸収の比較を示す、60及び110kVアノード電圧でC−アーム 装置Stenoskop D6(General Electrics)を用いて記録した、ファントムのレントゲン画像。
【図6】レントゲン管(Stenoskop D6、General Electrics)の多様なアノード電圧でのGadobutrol及びIopromidと比較した例3Fの相対的なレントゲン吸収。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

[式中、
Halは臭素又はヨウ素を表し、
は基
−CONR−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−K、
−CONR−(CH−(CONRCH−CHOH−CH−K、
−CHO−(CH−CHOH−CH−K、
−CH−O−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−K、
−CH−NR−CO−(CHZ−NH−CO)−CHZ−K
を表し、
はAと同じ意味を有するか、又はAが一番最初に挙げた意味を有する場合には基−NR−CO−(NR−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−Kも表してよく、
ここで、R及びRは独立して水素原子、C〜C−アルキル基又はモノヒドロキシ−C〜C−アルキル基を表し、
及びZは互いに独立して水素原子又はメチル基を表し、
nは2〜4の数を表し、
mは0又は1の数を表し、かつ
pは1〜4の数を表し、
Kは式I
【化2】

{式中、Xは水素原子又は原子番号20〜29、39、42、44又は57〜83の金属イオン等価物の意味である}で示される大環状化合物を表し、但し、少なくとも2つのXは金属イオン等価物を表し、かつ場合により存在している遊離カルボキシ基は場合により有機及び/又は無機の塩基又はアミノ酸又はアミノ酸アミドの塩として存在する]で示される金属錯体。
【請求項2】
が、
−CONH(CH2;3NHCOCHNHCOCH(CH)−、
−CONH(CH2;3NHCOCHNHCOCH−、
−CONH(CH2;3NHCOCH−、
−CONH(CH2;3NHCOCH(CH)−、
−CONHCHCH(OH)CH−、
−CON(CH)CHCH(OH)CH−、
−CHOCHCH(OH)CH−、
−CONHCHCONHCHCH(OH)CH−、
−CHNHCOCH−、
−CHNHCOCH(CH)−、
−CHNHCOCHNHCOCH−、
−CHNHCOCHNHCOCH(CH)−、
−CHO(CHNHCOCH−、
−CON(CHCHOH(CHNHCOCH−、
−CHO(CHN(CHCHOH)COCH
の基を表す、請求項1記載の金属錯体。
【請求項3】
が、
−NHCOCHNHCOCHNHCOCH(CH)−、
−NHCOCHNHCOCHNHCOCH−、
−NHCOCHNHCOCH−、
−NHCOCHNHCOCH(CH)−、
−N(CH)COCHNHCOCH−、
−NHCONH(CHNHCONH−、
−NHCOCHN(CHCHOH)COCH−、
−N(CH)COCHN(CHCHOH)COCH
を表す、請求項1記載の金属錯体。
【請求項4】
Xが原子番号21〜29、42、44、58〜70の金属イオン等価物を表す、請求項1記載の金属錯体。
【請求項5】
Xが、イオンであるガドリニウム(III)、ジスプロシウム(III)、ユウロピウム(III)、鉄(III)又はマンガン(II)の金属イオン等価物を表す、請求項4記載の金属錯体。
【請求項6】
請求項1記載の一般式Iの少なくとも1つの金属錯体を、場合によりガレン製薬において常用の添加剤と共に含有している医薬。
【請求項7】
レントゲン診断用の薬剤を製造するための、請求項1記載の少なくとも1つの金属錯体の使用。
【請求項8】
MRT診断用の薬剤を製造するための、請求項4記載の少なくとも1つの金属錯体の使用。
【請求項9】
2000:1〜1:1、好ましくは49:1〜4:1のモル比で、請求項1及び4記載の金属錯体をそれぞれ含有している医薬。
【請求項10】
水又は生理的塩溶液中に溶解又は懸濁された金属錯体が0.001〜1mol/lの濃度で存在している、請求項6記載の医薬。
【請求項11】
脳梗塞及び肝臓の腫瘍もしくは肝臓における空間占拠性経過並びに腹部(腎臓を含めて)及び筋−骨格−系の腫瘍のレントゲン及びMR診断用の、及び特に有利には化合物が動脈内注射しかしまた静脈内注射後に血管の描出用に使用されることができる、薬剤を製造するための請求項1記載の少なくとも1つの金属錯体の使用。
【請求項12】
請求項1記載の一般式Iの金属錯体を製造する方法において、
a)一般式II
【化3】

で示されるトリヨード−又はトリブロモ芳香族化合物を本来公知の方法で一般式III
【化4】

[式中、
Oは−COOH−又は活性化されたカルボキシル基を表し、
Wは保護基又は−CHCOOX′−基{式中、X′はX又は保護基の意味である}を表し、かつ−Y−NR−CO−B−は−CO−NR−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−又は−CH−O−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−の意味の基Aを表し、かつY−NR−CO−BはY−NR−CO−Bを表すか又はY−NR−CO−Bが一番最初に挙げた意味を有する場合には−NR−CO−(NR(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−も表し、その際にBは−CO−とKとの間の1番目又は2番目の(Kから見て)カルボニル基上にある基を意味し、かつYもしくはYはイミノ基が1つだけ減少されたリンカー基の不足する基を表す]で示される大環状化合物と反応させ、引き続いて場合により保護基Wを除去し、基CHCOOXを本来公知の方法で導入し、もしくはX′を場合により表す保護基を除去し、引き続いて本来公知の方法で原子番号20〜29、39、42、44又は57〜83の元素の金属酸化物又は金属塩と反応させるか、又は
b)一般式IV
【化5】

で示されるトリヨード−又はトリブロモ芳香族化合物を本来公知の方法で一般式V
【化6】

[式中、−CO及びX′は前記の意味を表し、かつ−CO−NR−Yは−CONR−(CH−(CONRCH−CH(OH)CH−の基Aの意味を表し、それゆえYは−NR−(CH−(CONRCH−CH(OH)CH−の意味を表す]で示される大環状化合物と反応させ、引き続いてX′を場合により表す保護基を除去し、その後本来公知の方法で原子番号20〜29、39、42、44又は57〜83の元素の金属酸化物又は金属塩と反応させるか、又は
c)一般式VI
【化7】

[式中、
は基
【化8】

を表す]で示されるトリヨード−又はトリブロモ芳香族化合物を本来公知の方法で一般式VII
【化9】

[式中、W′は水素原子又は保護基を表す]で示される環状化合物と反応させて、(場合により存在している保護基を除去し、引き続いて本来公知の方法で基−CHCOOXを導入した後で)一般式Iの金属錯体{その際にAは基−CH−O−(CH−CHOH−CH−の意味である}に変換させるか、又は
d)一般式VIII
【化10】

[式中、Nucleofugは脱離基を表す]で示されるトリヨード−又はトリブロモ芳香族化合物を本来公知の方法で一般式IX
【化11】

[式中、
及びWは前記の意味を表し、かつBは基−(CHZ−NHCO)−CHZ−を表す]で示される大環状化合物と反応させ、引き続いてa)のもとに記載されたようにさらに行い、その結果、一般式Iの金属錯体{その際にAは基−CH−NR−CO−(CHZ−NHCO)−CHZの意味である}が得られ、その際に引き続いて場合によりこうしてa)〜d)により得られる一般式Iの金属錯体中に依然として存在している酸性水素原子を無機又は有機の塩基、アミノ酸又はアミノ酸アミドのカチオンにより置換する
ことを特徴とする、請求項1記載の一般式Iの金属錯体の製造方法。
【請求項13】
請求項6記載の医薬を製造する方法において、水又は生理的塩溶液中に溶解又は懸濁される錯化合物を、場合によりガレン製薬において常用の添加剤と共に腸内投与又は非経口的投与に適している形にする、請求項6記載の医薬の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−514664(P2006−514664A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568408(P2004−568408)
【出願日】平成15年12月12日(2003.12.12)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014149
【国際公開番号】WO2004/074267
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(390014166)シエーリング アクチエンゲゼルシヤフト (12)
【氏名又は名称原語表記】Schering Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】