説明

上塗り塗料用硬化性樹脂組成物

【課題】加熱硬化条件でえられる塗膜の光沢および表面状態がきわめて良好であり、すぐれた耐候性および耐汚染性をも同時に有する塗膜を形成することができる上塗り塗料用硬化性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】特定のアルコキシシリル基および水酸基を含有するアクリル系共重合体(A)100部に対して、特定のシリコン化合物および(または)その部分加水分解縮合物(B)2〜70部と、硬化触媒(C)0.1〜20部とを混合してなる上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上塗り塗料用硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、たとえば金属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系成形物、プラスチック、木材、紙、繊維などからなる建築物、家電用品、産業機器などの塗装に好適に使用しうる上塗り塗料用硬化性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、窯業系素材、鉄鋼などからなる建築物、建材などの産業製品などの表面を、たとえばフッ素樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料、アクリルシリコン樹脂塗料などの塗料で被覆することによって、建築物などに意匠効果を付与したり、その耐候性などを向上させているが、近年、都市部を中心とする環境の悪化にともない、さらに耐汚染性の向上が要求されている。
【0003】
前記塗料のなかでは、アクリルシリコン樹脂塗料はある程度の耐汚染性を有するものではあるが、さらにその耐汚染性を向上させるために、テトラアルコキシシラン、メチルトリアルコキシシランなどを配合することが提案されている。
【0004】
しかし、従来の塗料系では汚染環境の厳しい所では十分な耐汚染性がえられない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明者らは、前記従来技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、アルコール性水酸基および特定のアルコキシシリル基を含有するアクリル系共重合体、シリコン化合物および硬化触媒を特定の配合割合で混合した樹脂組成物が加熱での硬化性を有し、該樹脂組成物から、従来のアクリルシリコン樹脂からなる塗料と同様にすぐれた耐候性を有するとともに、さらにすぐれた耐汚染性をも同時に有する塗膜を形成することができることをようやく見出し、本発明を完成するにいたった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、一般式(I):
【0007】
【化1】

(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表わされるアルコキシシリル基およびアルコール性水酸基を含有するアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、一般式(II):
【0008】
【化2】

(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基または炭素数1〜10のアルコキシル基、bは0または1を示す)で表わされるシリコン化合物および(または)その部分加水分解縮合物(B)2〜70重量部と、硬化触媒(C)0.1〜20重量部とを混合してなる上塗り塗料用硬化性樹脂組成物に関するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物は、加熱硬化条件でえられる塗膜の光沢および表面状態がきわめて良好であり、すぐれた耐候性を有するとともに、さらにすぐれた耐汚染性をも同時に有する塗膜を形成することができる。
【0010】
したがって、本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物は、建築物、家電用品、産業機器などの塗装に好適に使用しうるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に用いられる一般式(I):
【0012】
【化3】

(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表わされるアルコキシシリル基およびε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系モノマー由来のアルコール性水酸基を含有するアクリル系共重合体(A)(以下、成分(A)という)は、その主鎖が実質的にアクリル共重合鎖からなるため、えられる硬化性樹脂組成物を用いて形成された塗膜が耐候性、耐薬品性などにすぐれており、またアルコキシシリル基が炭素原子に結合しているため、塗膜が耐水性、耐アルカリ性、耐酸性などにすぐれ、さらにε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系モノマー由来のアルコール性水酸基を有しているため加熱硬化条件下での硬化性などにすぐれている。
【0013】
前記成分(A)において、一般式(I)で表わされるアルコキシシリル基は2個以上であることが、えられる硬化性樹脂組成物を用いて形成された塗膜の耐溶剤性がすぐれるという点から好ましい。また一般式(I)で表わされるアルコキシシリル基は、成分(A)の主鎖の末端および(または)側鎖に含有されていてよい。
【0014】
前記一般式(I)において、R1は炭素数1〜10、好ましくはたとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基である。かかるアルキル基の炭素数が10をこえるばあいには、シリル基の反応性が低下するようになる。また、前記R1がたとえばフェニル基、ベンジル基などのアルキル基以外の基であるばあいにも、シリル基の反応性が低下するようになるので好ましくない。
【0015】
また前記一般式(I)において、R2は炭素数1〜10、好ましくはたとえば前記R1において例示された炭素数1〜4のアルキル基、たとえばフェニル基などの好ましくは炭素数6〜25のアリール基およびたとえばベンジル基などの好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、これらのなかでは、えられる樹脂組成物が硬化性にすぐれるという点からアルキル基が好ましい。
【0016】
前記一般式(I)で表わされるアルコキシシリル基の具体例としては、たとえば後述するアルコキシシリル基を含有するモノマーに基づく基があげられる。
【0017】
本発明においては、成分(A)としては、合成の容易さの点からその分子内に一般式(I)で表わされるアルコキシシリル基を含有するモノマー単位を含有したものが好ましい。
【0018】
前記成分(A)の分子量は本発明の組成物からえられる塗膜の耐久性などの物性の点から1,000〜30,000が好ましく、3,000から25,000がさらに好ましい。
【0019】
前記アルコール性水酸基とアルコキシシリル基の当量比(アルコール性水酸基/アルコキシシリル基)は、加熱硬化性、耐酸性、耐候性などの物性の点から0.02〜0.5が好ましく、さらに0.05〜0.3が好ましい。
【0020】
成分(A)のガラス転移温度(計算上、以下Tgという)は0〜70℃であるのが好ましく、0℃未満ではえられる塗膜の硬度が充分でなく、70℃をこえるとえられる塗膜が脆くなる傾向がある。Tgが10℃以上、さらには15℃以上であるのが硬化性、耐酸性、耐候性の点から好ましく、同様に60℃以下、さらには50℃以下であるのが好ましい。
【0021】
前記成分(A)は、たとえば重合性二重結合およびアルコキシシリル基を含有するモノマー(以下、モノマー(A−1)という)、重合性二重結合および前記アルコール性水酸基を含有するモノマー(以下モノマー(A−2)および(メタ)アクリル酸および(または)その誘導体(以下、モノマー(A−3)という)を含有する重合成分を重合することによって製造することができる。
【0022】
前記モノマー(A−1)は重合性二重結合および一般式(I)で表わされる炭素原子に結合したアルコキシシリル基を含む限りとくに限定がなく、その具体例としては、たとえば
【0023】
【化4】

などの一般式(III):
【0024】
【化5】

(式中、R1、R2、aは前記と同じ、R5は水素原子またはメチル基を示す)で表わされる化合物;
【0025】
【化6】

などの一般式(IV):
【0026】
【化7】

(式中、R1、R2、R5およびaは前記と同じ、nは1〜12の整数を示す)で表わされる化合物;
【0027】
【化8】

などの一般式(V):
【0028】
【化9】

(式中、R1、R2、R5、aおよびnは前記と同じ)で表わされる化合物;
【0029】
【化10】

などの一般式(VI):
【0030】
【化11】

(式中、R1、R2、R5およびaは前記と同じ、mは1〜14の整数を示す)で表わされる化合物;
【0031】
【化12】

(式中、pは0〜20の整数を示す)などの一般式(VII):
【0032】
【化13】

(式中、R1、R2、R5およびaは前記と同じ、qは0〜22の整数を示す)で表わされる化合物や、炭素原子と結合したアルコキシシリル基をウレタン結合またはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。これらのなかでは、共重合性および重合安定性、ならびにえられる樹脂組成物の硬化性および保存安定性がすぐれるという点から、前記一般式(IV)で表わされる化合物が好ましい。
【0033】
前記モノマー(A−1)の配合量は、えられる硬化性樹脂組成物を用いて形成された塗膜の耐久性がすぐれる点および強度が大きいという点から5〜90%(重量%、以下同様)、なかんづく11〜70%を含有したものとなるように調整することが好ましい。
【0034】
前記アルコール性水酸基含有ビニル重合体化合物(A−2)としては、水酸基含有ビニル化合物とε−カプロラクトンとの反応によってえられるε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系モノマー、具体的にはPlaccel FA−1、Placcel FA−2、Placcel FA−3、Placcel FA−4、Placcel FA−5、Placcel FM−1、Placcel FM−2、Placcel FM−3、Placcel FM−4、Placcel FM−5、Placcel FM−6(ダイセル化学工業(株)製)などがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。前記分子内にε−カプロラクトン鎖を含有した変性ヒドロキシアルキルビニル系モノマーは、塗膜の耐衝撃性および可とう性の改善をはかることができる点から好ましい。また、さらに塗膜の耐薬品性、耐候性の点からε−カプロラクトン鎖を含有したメタクリル系のモノマーが好ましい。
【0035】
前記アルコール性水酸基含有ビニル重合体化合物(A−2)とともに、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、東亜合成化学工業(株)製のアニクス5700、4−ヒドロキシエチレン、日本触媒化学工業(株)製のHE−10、HE−20、HP−10およびHP−20(以上、いずれも末端に水酸基を有するアクリル酸エステルオリゴマー)、日本油脂(株)製のブレンマーPPシリーズ(ポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーPEシリーズ(ポリエチレングリコールモノメタクリレート)、ブレンマーPEPシリーズ(ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーAE350(ポリエチレングリコールモノアクリレート)、ブレンマーNKH−5050(ポリプロピレングリコールポリトリメチレンモノアクリレート)およびブレンマーGLM(グリセロールモノメタクリレート)の1種以上を併用してもよい。
【0036】
前記モノマー(A−2)の配合量は、共重合成分全量の5〜90%なかんづく10〜50%であることが塗膜の硬化性、可撓性および耐衝撃性の点から好ましい。
【0037】
前記モノマー(A−3)にはとくに限定がなく、その具体例としては、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、アロニクスM−5700、マクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5などの化合物(以上、東亜合成化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸またはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エステル基含有ビニル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、これらのなかでは、えられる成分(A)が後述する一般式(II)で表わされるシリコン化合物および(または)その部分加水分解縮合物(B)との相溶性にすぐれるという点から、n−ブチルメタクリレートが好ましい。
【0038】
前記モノマー(A−3)の配合量は、用いるモノマー(A−1)および(A−2)の種類および配合量に応じて適宜調整すればよいが、通常用いる重合成分全量の5〜90%、なかんづく30〜85%であることが好ましい。なお、モノマー(A−3)としてn−ブチルメタクリレートを用いるばあいには、その配合量は、用いる重合成分全量の20〜50%であることが後述する一般式(II)で表わされるシリコン化合物および(または)その部分加水分解縮合物(B)との相溶性およびえられる硬化性樹脂組成物を用いて形成された塗膜の各種物性のバランスがすぐれるという点から好ましい。
【0039】
さらに、本発明の樹脂組成物において主成分である(A)アクリル系共重合体には、アルコキシシリル基含有共重合体を分散安定剤樹脂として用い、非水系ディスパージョン重合でえられる非水系重合体粒子(NAD)を添加することができる。この成分は、極少量の添加で塗料組成物の低粘度化、ハイソリッド化を達成でき、更に硬化塗膜の耐衝撃性を向上させることができる。
【0040】
上記添加成分である非常水系重合体粒子(NAD)の製造において用いられる単量体はアクリル系共重合体(A)に使用される単量体を用いることができる。
【0041】
また、本発明においては、えられる硬化性樹脂組成物を用いて形成された塗膜の耐候性をさらに向上させる目的で、たとえば主鎖にウレタン結合やシロキサン結合により形成されたセグメント、モノマー(A−3)以外のモノマーに由来するセグメントなどを、50%をこえない範囲で成分(A)に含有させることができる。
【0042】
前記モノマー(A−3)以外のモノマーにはとくに限定がなく、その具体例としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル系化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの塩;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水物、これら酸無水物と炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有するアルコールとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトンアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他のビニル系化合物などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0043】
さらに、硬化性にすぐれた樹脂組成物をえようとするばあいには、カルボキシル基含有モノマーまたはその酸無水物を用いることが好ましい。
【0044】
前記成分(A)は、前記モノマー(A−1)、モノマー(A−2)、モノマー(A−3)そのほかのモノマーなどを含有した重合成分を、たとえば重合開始剤、溶剤と混合し、加温した重合機に追加し、重合するなど(特開昭54−36395号公報、特開昭57−36109号公報、特開昭58−157810号公報などに記載)の方法によって製造することができるが、合成の容易さなどの点からアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によって製造することがとくに好ましい。
【0045】
前記溶液重合法に用いられる重合溶剤は、非反応性のものであればよく、とくに限定がないが、たとえばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのエーテル類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、アセトンなどのケトン類などがあげられる。
【0046】
また、前記溶液重合の際には、必要に応じて、たとえばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、(CH3O)3Si−S−S−Si(OCH33、(CH3O)3Si−S8 −Si(OCH33などの連鎖移動剤を単独でまたは2種以上を混合して用いることにより、えられる成分(A)の分子量を調整することができる。とくに、たとえばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いたばあいには、成分(A)の末端にアルコキシシリル基を導入することができるので好ましい。かかる連鎖移動剤の使用量は、用いる重合成分全量の0.05〜10%、なかんづく0.1〜8%であることが好ましい。
【0047】
本発明に用いられる前記一般式(II)で表わされるシリコン化合物および(または)その部分加水分解縮合物(B)(以下、成分(B)という)は、えられる硬化性樹脂組成物を用いて形成される塗膜の耐汚染性および該塗膜と被塗物との密着性を向上せしめる成分である。
【0048】
前記一般式(II)において、R3は炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、好ましくは炭素数6〜9のアリール基および好ましくは炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、R4は炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、好ましくは炭素数6〜9のアリール基および好ましくは炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基または炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシル基である。
【0049】
前記成分(B)であるシリコン化合物としては、たとえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケート、テトラt−ブチルシリケートなどのテトラアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリsec−オクチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシランなどのトリアルコキシシランなどがあげられる。
【0050】
また、前記シリコン化合物の部分加水分解縮合物としては、たとえば通常の方法で前記テトラアルキルシリケートやトリアルコキシシランに水を添加し、縮合させてえられるものがあげられ、またたとえばMSI51、ESI28、ESI40、HAS−1、HAS−10(以上、コルコート(株)製)などのテトラアルキルシリケート縮合物や、たとえばAFP−1(信越化学工業(株)製)などのトリアルコキシシラン縮合物などがあげられる。
【0051】
なお、MSI51およびESI40の化学組成を以下に示す。
【0052】
【化14】

【0053】
【化15】

【0054】
本発明において、前記成分(B)は単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、前記(A)成分との相溶性、えられる樹脂組成物の硬化性および該樹脂組成物を用いて形成された塗膜の硬度にすぐれるという点からMSI51やESI40などの前記縮合物が好ましい。
【0055】
本発明に用いられる硬化触媒(C)は、前記成分(A)と成分(B)の混合物を硬化させるものであり、通常のシラノール縮合触媒が用いられる。えられる塗膜の硬化性とポットライフや耐汚染性の点から具体的には有機カルボン酸類または有機リン酸エステル類と有機アミン類との併用系硬化触媒(C−1)または有機金属系硬化触媒(C−2)(以下、成分(C−1)または成分(C−2)ともいう)が好ましい。さらに、(C−1)と(C−2)との組合せも硬化性とポットライフや耐汚染性の点から好ましい。かかる成分(C)と、成分(A)および成分(B)とを混合するとすぐれた加熱硬化性を有する樹脂組成物となる。該樹脂組成物を用いて形成された塗膜がすぐれた耐汚染性を有する理由は、定かではないが、おそらく成分(A)と成分(B)との相対的な縮合反応速度に起因し、形成された塗膜の表面の硬化が向上しているものと考えられる。
【0056】
前記成分(C−1)の有機リン酸エステル類としては、例えば、リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジドデシルホスフェートなどのリン酸またはリン酸エステルがある。
【0057】
前記成分(C−1)の有機カルボン酸類としては、たとえばブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸などの飽和または不飽和1価カルボン酸;マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イタコン酸、クエン酸、コハク酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの飽和または不飽和多価カルボン酸;これら飽和または不飽和1価カルボン酸や飽和または不飽和多価カルボン酸の酸無水物;これら飽和または不飽和1価カルボン酸や飽和または不飽和多価カルボン酸の金属塩などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0058】
前記成分(C−1)の有機アミン類としては、たとえばヘキシルアミン、ミリスチルアミン、ジステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルドデシルアミン、ドデシルアミン、トリエチルアミン、トリエチルジアミン、トリオクチルアミン、ピペラジン、ヘキサメチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N´,N´´−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロS−トリアジン、トリメチルアミノエチルピペラジン、テトラメチルヘキサジアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、N−トリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、トリエチレンジアミンなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0059】
前記成分(C−2)の有機金属系硬化触媒としては、たとえばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫ビスアセチルアセテート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ビスエチルマレート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシル)マレート、ジブチル錫ビスオレイルマレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジブチル錫ジラウレート/エチルシリケートの1/1反応物、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレート、オクチル酸錫などの有機錫化合物;更にはチタン酸塩、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物;テトラブチルジルコネート、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトライソブチルジルコネート、ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジルコニウムのような有機ジルコニウム化合物がある。
【0060】
前記の有機リン酸エステル類または有機カルボン酸類と有機アミン類との併用系硬化触媒は、有機金属系硬化触媒と併用して使用することもできる。たとえば2−エチルヘキサン酸とジメチルラウリルアミンの系に有機金属系硬化触媒としてジブチル錫系化合物との併用が好ましい。
【0061】
前記以外の触媒としては、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イタコン酸、クエン酸、コハク酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの飽和または不飽和の多価カルボン酸およびこれらの酸無水物、パラトルエンスルホン酸などの酸性化合物、ヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、ドデシルアミンなどの有機アミン類単独でも使用することが可能である。
【0062】
また、本発明において、えられる樹脂組成物を、たとえば一般に工業用に用いられるエポキシ系プライマー上に塗布しようとするばあいには、硬化性を低下させることなくエポキシ樹脂層との密着性を向上させることができることから、たとえばアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジエトキシシランなどのアミノシラン化合物;これらアミノシラン化合物とエピコート828、エピコート1001(以上、油化シェルエポキシ(株)製)などのエポキシ化合物との反応物などのアミノシランの反応物などの1種または2種以上を、成分(A)100部に対して0.3〜10部程度の割合で有機アミン類に含有させることが好ましい。
【0063】
前記有機カルボン酸類と有機アミン類とは、混合物として用いてもよく、あるいは反応物として用いてもよく、とくに限定がない。また、有機カルボン酸類と有機アミン類との組み合わせとしては、2−エチルヘキサン酸、ヘキサン酸などの飽和または不飽和1価カルボン酸とジメチルドデシルアミン、ドデシルアミンなどの3級アミンとの組み合わせが、相溶性にすぐれ、えられる樹脂組成物を用いて形成された塗膜が耐水性にすぐれるという点から好ましい。
【0064】
また、前記有機リン酸エステル類または有機カルボン酸類と有機アミン類との配合割合は、有機リン酸エステル類のリン酸性OH基または有機カルボン酸類のカルボキシル基と有機アミン類のアミノ基との当量比(アミノ基/リン酸性OH基またはカルボキシル基)の値が0.2〜3、なかんづく0.5〜2.5であることが好ましい。かかる配合割合が前記範囲外であるばあいには、成分(A)および成分(B)の硬化速度が遅くなったり、成分(C)の有効な使用時間が短くなるようになる傾向がある。
【0065】
前記成分(A)、成分(B)および成分(C)を、たとえば撹拌機などを用いて均一な組成となるように撹拌、混合することによって、本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物をうることができる。
【0066】
前記成分(A)、成分(B)および成分(C)の配合割合は、成分(A)100部(重量部、以下同様)に対して、成分(B)が2〜70部、好ましくは5〜60部、成分(C)が0.1〜20部、好ましくは0.1〜10部となるように調整することが望ましい。
【0067】
前記成分(B)の配合量が2部未満であるばあいには、えられる樹脂組成物を用いて形成された塗膜の耐汚染性の改良効果が不充分となるようになり、また70部をこえるばあいには、塗膜の表面光沢などの外観性が低下したり、クラックなどが発生したりするようになる。
【0068】
また前記成分(C)の配合量が0.1部未満であるばあいには、えられる樹脂組成物の硬化性が低下するようになり、また20部をこえるばあいには、樹脂組成物を用いて形成された塗膜の表面光沢などの外観性が低下するようになる。
【0069】
本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物は、前記したように、成分(A)、成分(B)および成分(C)を混合してえられるものであるが、成分(C)が(C−1)のばあいさらに脱水剤およびアルキルアルコールを配合することによって、長期間にわたって樹脂組成物がきわめてすぐれた保存安定性を有するようにすることができる。
【0070】
前記脱水剤としては、たとえばオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、メチルシリケート、エチルシリケートなどの加水分解性エステル化合物などがあげられ、また前記アルキルアルコールとしては、たとえばメタノール、エタノールなどの低級アルコールなどがあげられる。
【0071】
前記脱水剤およびアルキルアルコールの配合は、たとえば前記成分(A)を重合する前の重合成分中であってもよく、成分(A)の重合中であってもよく、またえられた成分(A)とそのほかの成分との混合時であってもよく、とくに限定はない。
【0072】
前記脱水剤およびアルキルアルコールの配合量は、とくに限定がないが、通常成分(A)の樹脂固形分100部に対して0.5〜20部程度、なかんづく2〜10部程度であることが好ましい。
【0073】
また、本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物には、通常塗料に用いられる、たとえば酸化チタン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有機顔料などの顔料;希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチラール、ポリシロキサンなどの樹脂などを、必要に応じて適宜配合することができる。
【0074】
本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物を、たとえば浸漬、吹付け、刷毛などを用いた塗布などの通常の方法によって被塗物に塗布し、30℃程度以上で焼付けて硬化させ、塗膜をうることができる。
【0075】
本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物は、たとえば金属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系成形物、プラスチック、木材、紙、繊維などからなる建築物、家電用品、産業機器などの上塗り用の塗料として好適に使用しうるものである。
【0076】
つぎに本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0077】
製造例1(成分(A)−1の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却器、チッ素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応容器にキシレン16部、酢酸ブチル9部、2−エチルヘキシルアルコール17部を仕込み、チッ素ガスを導入しつつ110℃に昇温したのち、PlaccelFM−4 17部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン15部、メチルメタクリレート26部、n−ブチルアクリレート20部、アクリルアミド1.2部、スチレン20部および2,2´−アゾビスイソブチロニトリル0.8部からなる混合物(a)を滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。
【0078】
混合物の滴下終了後、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル0.08部をトルエン5部に溶解したものを、1時間かけて等速滴下したのち、110℃で2時間熟成してから冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて樹脂固形分濃度が50%の成分(A)−1をえた。えられた成分(A)−1の数平均分子量は20,000、Tgは20℃であった。
【0079】
製造例2(成分(A)−2の製造)
製造例1において、混合物(a)中のメチルメタクリレート26部を、n−ブチルメタクリレート26部に変更したほかは製造例1と同様にして樹脂固形分濃度が50%の成分(A)−2をえた。えられた成分(A)−2の数平均分子量は20,000、Tgは20℃であった。
【0080】
製造例3(成分(A)−3の製造)
製造例1において、混合物(a)中に、さらにメチルシリケート51(MSI51)を20部およびエチルシリケート40(ESI40)を20部を含有させたほかは製造例1と同様にして樹脂固形分濃度が50%の成分(A)−3をえた。えられた成分(A)−3の数平均分子量は18,000、Tgは18℃であった。
【0081】
実施例1〜7および比較例1
製造例でえられた表1記載の成分(A)の樹脂固形分100部に対して表1記載の成分(B)を表1記載量配合した樹脂溶液に、顔料として全樹脂固形分の40%の酸化チタン(CR−90、石原産業(株)製)を添加し、ガラスビーズを用いてペイントコンディショナーで2時間分散させ、固形分濃度が60%の白エナメルをえた。
【0082】
つぎにえられた白エナメルに、表1記載の成分(C)を表1記載量添加して、さらにシンナーを添加して撹拌機を用いて5分間撹拌し、固形分濃度が45%の樹脂組成物をえた。
【0083】
えられた樹脂組成物を、アルミニウム板(A5052P)上に乾燥膜厚が約30μmとなるようにエアースプレーで塗布し、表1記載の硬化条件で硬化させて塗膜を形成した。
【0084】
形成された塗膜の物性として、表面状態、光沢、耐汚染性、耐候性および硬度を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表2に示す。
【0085】
(イ)表面状態
塗膜表面を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0086】
(評価基準)
A:ひび割れがまったく認められず、表面状態が良好である。
B:部分的にひび割れが認められる。
C:全体的にひび割れがかなり認められる。
【0087】
(ロ)光沢
塗膜表面の光沢をJIS K 5400に準拠してCDX−101色差光沢計((株)村上色彩研究所製)を用いて測定した(60°光沢)。
【0088】
(ハ)耐汚染性(ΔL値)
形成直後の塗膜表面および大阪府摂津市の屋外で3カ月間放置(屋外曝露)後の塗膜表面の色彩をCDX−101色差光沢計を用いてそれぞれ測定し、えられたL値(明度)からその差(ΔL値)を求めた。
【0089】
(ニ)耐候性(光沢保持率)
サンシャインウェザオメーターを用い、形成直後の塗膜表面および2000時間経過後の塗膜表面の光沢をそれぞれ測定し、2000時間経過後の光沢保持率(%)を求めた。
【0090】
(ホ)硬度
形成後の塗膜表面の振り子式硬度をERICHSEN社製MODEL299/300硬度計を用いて測定した。
【0091】
【表1】

【0092】
【表2】

【0093】
表2に示された結果から、実施例1〜7でえられた樹脂組成物を用いて加熱硬化条件で形成された塗膜は、ひび割れがまったくなく、光沢および表面状態がきわめて良好であり、すぐれた耐候性を有するだけでなく、同時にすぐれた耐汚染性をも有するものであることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表わされるアルコキシシリル基およびアルコール性水酸基を含有するアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、一般式(II):
【化2】

(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基または炭素数1〜10のアルコキシル基、bは0または1を示す)で表わされるシリコン化合物および(または)その部分加水分解縮合物(B)2〜70重量部と、硬化触媒(C)0.1〜20重量部とを混合してなる上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
一般式(II)で示されるシリコン化合物および(または)その部分加水分解縮合物がテトラメチルシリケートおよび(または)テトラエチルシリケートの部分加水分解縮合物である請求項1記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
アクリル系共重合体(A)が、分子内にトリメトキシシリル基を含有するモノマー単位5〜90重量%を含有したものである請求項1記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
アクリル系共重合体(A)が、重合成分としてn−ブチルメタクリレートを含有してなるものである請求項1または2記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
硬化触媒(C)が、有機カルボン酸類または有機リン酸エステル類と有機アミン類との併用系硬化触媒、または有機金属系硬化触媒である請求項1、2、3または4記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
硬化触媒(C)が、アミノシラン化合物および(または)アミノシランの反応物を含有したものである請求項1、2、3、4または5記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。

【公開番号】特開2008−13779(P2008−13779A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247850(P2007−247850)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【分割の表示】特願平6−89737の分割
【原出願日】平成6年4月27日(1994.4.27)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】