説明

上部が揺れ動く枕

【課題】 ヒトは一生の三分の一を眠る、睡眠に依って疲労を回復し、健康を維持するが、熟睡中であっても身体は微妙に動いているので、寝具の優劣がその度合いを左右する、特に枕は身体の一番重要な器官を保持するので、従来から形状、芯の素材や表皮の感触などに、改良工夫を凝らしているが、結果は接触感覚の向上だけなので、物理的な機能を加味した、新機軸の快眠枕の発明を期待して居た。
【解決手段】 頭が微妙に傾くと、枕との間に僅かだが接触抵抗が生ずるが、それでも睡眠中の総抵抗値はかなりのエネルギーの消費になる。しかし頭が右に傾いた時、その分だけ枕が左に動けば、抵抗が起きない、反対の場合も同じである、ヒトの頭は体重の十分の一の重さがあるので、少しの傾きでも微動する為のエネルギーを保持している、それを接触抵抗値に変換せずに、相関関係の原理を利用して、枕を滑動させる構成の動力とする、物理的な構造を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ヒトは一生の三分の一を眠るが、睡眠状態の質によって疲労回復の度合いが、大きく左右される、それの要因の内で、枕の形態が重要になる、従来からこの為の改良、新機軸の開発が進められているが、本案はこの快眠を追求する枕への構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の枕は、生地や芯の素材に改良が加えられているが、その構想は頭部を如何にソフトに支えるかの工夫で、接触感覚の向上だけが目的の全てである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ヒトは生理的な意識喪失と云われる睡眠中でも、常に脳は活動しているので、身体は微妙に動く、枕と頭の接点には、動く度に擦れ抵抗が働いていると考えると、ヒトの頭は体重の約十分の一の重量がある、僅かの傾きでも睡眠中に受ける総抵抗値は、かなりのエネルギーの消費につながり、それが寝苦しい要因の一つになっている。そこでこの摩擦抵抗値を吸収するために、頭の傾き幅に同調する様な、枕を動かす装置を着ければ解決する、動力を持たない物理的な方法としては、頭が傾けばその反動で枕が動くと云う、相関メカニズムを利用すれば解決する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
頭が右に傾けば、枕が左に動く、反対の場合でも、同調する動きを相関メカニズムと謂う、本発明は、[図1]の従来の枕の使用略図と、[図2]の本発明の説明略図、[図3]の本発明の部分断面図、[図4]部分拡大図、[図5]上下の平滑板の溝の略示図、[図6]本発明の完成略図、によって説明する。
[図1]の、従来の頭(1)と枕(3)の使用状態を例として、僅かに傾く頭(1)は枕(3)の上を頭(2)の位置まで転がるが、枕(3)との接点(7)は殆ど移点しない、そのため頭(1)の傾きの中心である芯軸(5)は、芯軸′(6)まで引力を受ける、その様な左右への僅かな抵抗値の集積が、微妙に睡眠効果に影響してくる。
[図2]の、本発明の場合、従来の頭(1)と枕(3)の使用状態は同じであるが、枕(3)に滑動する相関メカニズムを組み入れて、左右に数Cmずつ摺動する機能を装着すれば、頭(1)が頭(2)まで芯軸(5)を中心に傾き、頭(1)の接点(7)の部位が、接点′(8)の位置まで移っても、枕(3)との接点(7)の部位が接点′(8)の位置まで枕′(4)と同時に移動するので、中心の芯軸(5)は引力抵抗を受けない、睡眠中の僅かな頭(1)の動きを吸収して、快眠の一助になる。
[図3]の、相関メカニズムを応用した、滑動する構造の一例を説明する、例は真円の固形ボール(11)を採用した場合とする、上下の平滑板(9)、(10)の四隅に固形ボール(11)を、摺動させる巾の寸法だけ彫り込んだ溝(12)に挟み接続する、以上の様に成型した摺動する機構により、固形ボール(11)は転がり運動によって、極く僅かな加力により左右に揺れる、この運動が本発明の追求した構造である。
固形ボール(11)以外にも様々なメカニズムが、応用される。
[図4]は、[図3]のA部分拡大図である、摺動する構造の説明をa、b、c、dに分割して図示した、a、cは矢印の方向へ揺れ動く様、bは中央に位置した状態である、dは上下の平滑板(9)、(10)の連結方式を略図示したものである。
[図5]上下の平滑板(9)、(10)の設置する溝(12)の状態を略示したものである。
[図6]相関メカニズムを基にした、摺動する平滑板(9)の上に芯材を加工した枕型(13)を、成型して接着し、表皮で覆った完成図。
【発明の効果】
【0005】
ヒトは人生の三分の一を寝て過ごす、当たり前の事だが、この空白の時間の生活環境の向上を思案することは、重要であり必要である、従って医学的な検証を得られたならば、この発明は実施例の結果を踏まえて、人々の健康思考への一助を担える効果が考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[図3]の、相関メカニズムを利用した本発明の構成を基本に、製作した試作枕は、400mm×150mm×10mmの木材の上下の平滑板(9)、(10)の四隅に、30mm×12mm深さ5mmの溝(12)を彫り込み0.5mmの金属を溝の(12)の底に張り、11mmの金属の固形ボール(11)を挟み、L字型の金具(14)を下部の平滑板(10)に取り付けて、上部の平滑板(9)が軽く摺動するように連結成型した、芯材は発泡ゴムスポンジを使用した枕型(13)を表皮の布で覆い、上部の平滑板(9)に接着して揺れ動く枕を製作し、数人が睡眠試験を実施した、常に使用している枕と変わらぬ状態で行い、科学的な考察は無いが、結果はそれぞれの感覚だけの申告ながら、全員の覚醒感が通常の枕に比べ、ソフトであり快眠であるとの実施例をえている、特に女性の試験者には、朝起きた時の首筋の渋みが無く、肩凝りにも効果があるとの報告がある。 摺動する構造を発展的に改良工夫して、バスや乗用車の椅子や、仮眠用の簡易ベットなど応用範囲は無数にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の枕の使用略図
【図2】本発明の説明略図
【図3】本発明の部分断面図
【図4】A部、部分拡大図 a 矢印の方向へ揺れ動く b 中央に位置 c 矢印の方向へ揺れ動く d 上下の平滑板の連結方式略図
【図5】上下の平滑板の溝の略示図
【図6】本発明ノ完成略図
【符号の説明】
(1)頭 (2)頭′ (3)枕 (4)枕′ (5)芯軸(脊柱)
(6)芯軸(脊柱) (7)頭と枕の接点 (8)頭と枕の接点′
(9)上部の平滑板 (10)下部の平滑板 (11)真円の固形ボール
(12)溝 (13)枕型 (14)L字型の金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部の平滑板(10)の上を、上部の平滑板(9)が左右に数センチづつ、滑らかに揺り動く様にする為、上下の平滑板(9)(10)の四隅に、数センチの長さに固形ボール(11)が滑動する溝(12)を彫り、固形ボール(11)の転がり運動が可能な構造に形成してから、それぞれの溝(12)に、固形ボール(11)を挟み入れ上下を連結する、その方法は上部の平滑板(9)の側面に、下部の平滑板(10)に取り付けるL字型の金具(14)の横方向が、噛み合って摺動する機構を加工し組み立てる、L字型の金具(14)を取り付け固定すれば、固形ボール(11)は外れない、この構造体の上部の平滑板(9)に枕型(13)を表皮で覆った枕(3)を装着し、下部の平滑板(10)は底板として定着させる、以上のごとく構成された上部が揺れ動く枕。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−50708(P2011−50708A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221542(P2009−221542)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(594108409)
【Fターム(参考)】