説明

不定形耐火物の吹付け施工方法、及び吹付け施工装置

【課題】不定形耐火物の気流搬送経路を構成する混練器を用いるにも関らず、施工水量を低減する操作から、その低減が反映された混練物がノズルから放出するまでのタイムラグを短縮することができる吹付け施工技術を提供する。
【解決手段】混練器4の上流の第1の注水器3に加えて混練器4の下流に第2の注水器7を設け、第1及び第2の双方の注水器3,7から注水を行う。そして全施工水量の減少を、第1及び第2の注水器3,7のうち少なくとも第2の注水器7を用いて行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、転炉や取鍋等の溶融金属容器のライニングの補修等に用いることができる不定形耐火物の吹付け施工方法と、この方法の実施に用いることができる吹付け施工装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
不定形耐火物の吹付け施工方法は、湿式吹付け法と乾式吹付け法とに大別される。湿式吹付け法は、予め不定形耐火物を施工水と共にミキサーで混練したものを、ポンプで搬送管を通じてノズルに圧送し、ノズルで急結剤を加えて吹付ける方法である。一方、乾式吹付け法は、不定形耐火物を乾粉状態のまま搬送管内に送り込んで気流搬送し、搬送管の先端に接続したノズルで施工水を加えて吹付ける方法である。
【0003】
乾式吹付け法では、ミキサーによる不定形耐火物の事前混練が不要である反面、施工水をノズルで添加するため、不定形耐火物と施工水との接触時間が短く、両者が充分に混ざり合いにくい。このため、事前に充分な混練時間を確保できる湿式吹付け法に比べると、吹付けて得られる施工体の組織が不均一になりやすい。
【0004】
そこで、乾式吹付け法をベースとして不定形耐火物と施工水との混練効果の改善を図った技術が種々検討されており、下記特許文献1〜3に開示される技術が知られている。
【0005】
特許文献1は、不定形耐火物を気流搬送する搬送管の途中で施工水を添加する技術を開示している。この技術によると、不定形耐火物に施工水を添加後、搬送管内を流れる過程で両者が混ざり合うため、ノズルで施工水を添加する場合に比べると、両者の接触時間を長くとることができ、混練効果を改善することができる。
【0006】
特許文献2は、不定形耐火物を気流搬送する搬送管に1次注水器を設け、ノズル近傍に2次注水器を設けた装置を用い、1次注水器から全施工水の10〜50質量%を微粒化して添加し、2次注水器から施工水の残部を微粒化して添加する方法を開示している。この技術によると、施工水を2段階に分けて微粒化して添加するため、不定形耐火物を均一に湿潤させることができ、特許文献1の技術よりも高い混練効果が得られうる。
【0007】
特許文献3は、特許文献2よりさらに高い混練効果が得られうる技術を開示している。
【0008】
図6に、特許文献3に開示された吹付け施工装置を再現する。この装置は、第1の搬送管30と、第1の搬送管30内に不定形耐火物を気流によって送り込む気流搬入器31と、第1の搬送管30に接続されて第1の搬送管30と共に不定形耐火物の気流搬送経路を構成する混練器32と、第1の搬送管30内で不定形耐火物に施工水を添加する注水器33と、混練器32に接続された第2の搬送管34と、第2の搬送管34に接続されたノズル35と、ノズル35内で不定形耐火物と施工水との混練物に急結剤を加える急結剤供給器36とを備える。
【0009】
この装置によると、不定形耐火物を気流搬送する過程で、混練器32で強制的な練り混ぜを行うため、特許文献2の技術に比べると、混練効果を改善する確実性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−220288号公報
【特許文献2】特許4377913号明細書
【特許文献3】特開2009−47317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1〜3はいずれも、所望の混練効果を得るために必要な施工水量の低減を目的としている。しかし、吹付け施工中、施工水量を意図的に増大させたい場合がある。
【0012】
例えば、500℃以上の被施工面に対して行う吹付け施工(以下、熱間施工という。)において、施工初期は、被施工面の冷却等を行うために、施工水量を一時的に過剰状態にできると便利である。被施工面の温度が低下するに伴い、被施工面からの混練物のだれ落ちを防止するため、施工水量を絞る。
【0013】
常温〜500℃未満の被施工面に対して行う吹付け施工(以下、冷温間施工という。)においても、施工途中に施工水量を調整できると便利な場合がある。即ち、施工水量によって混練物の軟度を調整できる。施工初期は、施工水量を一時的に過剰状態とし、混練物の軟度を高めることで、これを被施工面の凹凸に隙間無く入り込ませることができる。被施工面の凹凸が均された後に、施工水量を絞る。
【0014】
仮に、図6の装置で施工水量の調整を行う場合、以下の問題が生じうる。
【0015】
第1の問題は、注水器33からの注水量を調整する操作を行ったとしても、その操作から注水量の調整が反映された混練物がノズル35から放出するまでに、タイムラグが生じることである。
【0016】
例えば、特許文献1及び2の装置のように、施工水の添加位置からノズル先端までに混練器32が介在しない場合は、さほど上記タイムラグは生じない。しかし、図6の装置では、混練器32にて不定形耐火物と施工水の流れが僅かながら滞り、混練器32における不定形耐火物の通過速度が、搬送管30及び34における通過速度よりも遅いため、例えば十数秒間程度の上記タイムラグが生じる。このため、施工水を意図的に増大した状態から、施工水を絞る操作を行っても、十数秒間程度は施工水を過剰に含む混練物がノズル35から放出し続け、その分の混練物は被施工面からだれ落ちることになる。
【0017】
第2の問題は、注水器33からの注水量を増大させた場合、混練器32による強制混練といえども、充分な混練効果が得られにくい場合があることである。この問題は、特に熱間施工で被施工面の冷却等のために、施工水を増大させる場合に生じやすい。
【0018】
この問題が生じる理由は、主として、混練器32が不定形耐火物の気流搬送経路を構成していることによると考えられる。即ち、混練器32内は気流が流れているため、多量の施工水が一度に混練器32に流入すると、不定形耐火物が、みかけはスラリー状でも微粉が充分にほぐされておらず、凝集体、即ちいわゆるだまを内包したまま、混練器32を通過するものと考えられる。
【0019】
本発明の目的は、不定形耐火物の気流搬送経路を構成する混練器を用いるにも関らず、施工水量を低減する操作から、その低減が反映された混練物がノズルから放出するまでのタイムラグを短縮することができるか、又はそのタイムラグの間に放出される混練物中の施工水量を低減することができ、かつ施工水量を増大させた場合でも混練器における混練効果が損なわれにくい吹付け施工技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本願発明者らは研究の結果、上記課題は、図6の混練器32の下流にさらに注水器を設けることに基づいて解決しうることを見出した。特許文献2にみられるように、2つの注水器を用い、施工水を2段階に分けて添加する技術自体は知られている。しかし、図6の装置においては、不定形耐火物を施工水と強制的に練り混ぜる混練器32を設けた以上、これを有効活用する観点から、あえて混練器32より下流で施工水を添加することは想定されていない。
【0021】
本発明の一観点によれば、第1の搬送管と、第1の搬送管内に不定形耐火物を気流によって送り込む気流搬入器と、第1の搬送管に接続されて第1の搬送管と共に不定形耐火物の気流搬送経路を構成する混練器であって、第1の搬送管と接続される導入口から不定形耐火物を導入し、気密容器内で攪拌して吐出口から吐出する混練器と、第1の搬送管内及び/又は混練器の気密容器内で、不定形耐火物に施工水を添加する第1の注水器と、混練器の吐出口に接続された第2の搬送管と、第2の搬送管に接続されたノズルとを備えた吹付け施工装置を用いる吹付け施工方法において、吹付け施工装置が、第2の搬送管内及び/又はノズル内で、混練器を通過した不定形耐火物と施工水との混練物にさらに施工水を添加する第2の注水器を備えており、(a)不定形耐火物に対し、第1及び第2の双方の注水器から注水を行いながら吹付け施工を行う工程と、(b)第1及び第2の注水器のうち少なくとも第2の注水器における注水量を絞ることにより、不定形耐火物に対する全施工水の添加量を減少させる工程とを含むことを特徴とする不定形耐火物の吹付け施工方法が提供される。
【0022】
本発明の他の観点によれば、第1の搬送管と、第1の搬送管内に不定形耐火物を気流によって送り込む気流搬入器と、第1の搬送管に接続されて第1の搬送管と共に不定形耐火物の気流搬送経路を構成する混練器であって、第1の搬送管と接続される導入口から不定形耐火物を導入し、気密容器内で攪拌して吐出口から吐出する混練器と、第1の搬送管内及び/又は混練器の気密容器内で、不定形耐火物に施工水を添加する第1の注水器と、混練器の吐出口に接続された第2の搬送管と、第2の搬送管に接続されたノズルとを備えた吹付け施工装置において、第2の搬送管内及び/又はノズル内で、混練器を通過した不定形耐火物と施工水との混練物にさらに施工水を添加し、かつその添加量を調整することができる第2の注水器を備えたことを特徴とする吹付け施工装置も提供される。
【発明の効果】
【0023】
施工水の添加を第2の注水器にも担わせ、第1及び第2の双方の注水器から注水を行うことで、第1の注水器のみから全施工水を注水する従来技術に比べると、第1の注水器からの注水量を減らしうる。このため、一度に多量の施工水が混練器に流入することに起因して混練器での混練が不充分となる問題を生じにくくすることができる。
【0024】
第2の注水器の注水位置は混練器より下流であるため、第2の注水器における注水量の調整は、第1の注水器における注水量の調整より早く反映される。そこで、全施工水量の減少を、第1及び第2の注水器のうち第2の注水器のみを用いて行うことで、全施工水量の減少を第1の注水器だけで行う場合に比べ、全施工水量の減少が反映されるまでのタイムラグを短縮できる。全施工水量の減少を、第1及び第2の双方の注水器を用いて行うことで、全施工水量の減少を第1の注水器だけで行う場合に比べ、全施工水量の減少が反映されるまでのタイムラグの間に放出される混練物中の施工水量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態による吹付け施工装置の概略図である。
【図2】混練器の部分断面図である。
【図3】第1及び第2の注水器として用いることができる注水器の部分断面図である。
【図4】施工水の添加量の時間変化を模式的に例示したグラフである。
【図5】本発明の他の実施形態による吹付け施工装置の概略図である。
【図6】従来の吹付け施工装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1に、本発明の一実施形態による吹付け施工装置の概略図を示す。気流搬入器1が、ホッパから不定形耐火物を切り出し、切り出した不定形耐火物を気流によって第1の搬送管2内に送り込む。
【0027】
第1の注水器3が、第1の搬送管2内で、不定形耐火物に施工水を添加する。以下、第1の注水器が添加する施工水を1次水と呼ぶ。1次水は、ミスト状に微粒化されていることが好ましい。
【0028】
なお、第1の注水器3は、バルブ3aを備え、バルブ3aの操作によって1次水の添加量を調整することができる。1次水が添加された不定形耐火物は、第1の搬送管2を通じて混練器4に流入する。
【0029】
図2は、混練器4の部分断面図である。モータ12によって回転駆動される回転軸13が、気密容器10内に収容されている。回転軸13の外周面に、棒状の撹拌子14が複数植設されている。
【0030】
気密容器10に、図1にも示す第1の搬送管2が接続される導入口11が形成されている。導入口11から導入された不定形耐火物と1次水とが、撹拌子14で攪拌され、混練物と成る。気密容器10には、その混練物を吐出する吐出口15も形成されており、吐出口15に第2の搬送管5が接続されている。
【0031】
気密容器10は、第1及び第2の搬送管2及び5と共に不定形耐火物の気流搬送経路を構成する。このため、気密容器10内では、図1の気流搬入器1が不定形耐火物と共に送り込む気流によって、不定形耐火物及び1次水の通過が促進される。
【0032】
図1に戻って説明を続ける。混練器4を通過した不定形耐火物と1次水との混練物は、第2の搬送管5内を気流搬送される。
【0033】
第2の注水器7が、第2の搬送管5内で混練物にさらに施工水を添加する。以下、第2の注水器7が添加する施工水を2次水と呼ぶ。2次水も、1次水と同様、ミスト状に微粒化されていることが好ましい。第2の注水器7は、バルブ7aを備え、バルブ7aの操作によって2次水の添加量を調整することができる。
【0034】
第2の搬送管5の先端にノズル6が接続されている。気流搬送による2次水と混練物との混練効果を高めるために、第2の注水器7による2次水の添加位置からノズル6先端までの気流搬送経路長は、1m以上であることが好ましい。2次水が添加された混練物が、気流搬入器1によって送りこまれた気流と共に、ノズル6から放出し、図示しない被施工面に付着する。
【0035】
図3は、図1の第1及び第2の注水器3及び7として用いることができる注水器の横断面図である。第1及び第2の注水器3及び7に共通のものを用いることができる。
【0036】
この注水器20は、上記不定形耐火物又は混練物が通過する気流搬送経路21を画定する内管22と、内管22の外周を覆い、内管22との間に均圧室23を画定する外管24とからなる2重管構造をもつ。
【0037】
施工水を供給する水供給管25と、圧縮エアーを供給する圧縮エアー供給管26とが合流し、その合流管がバルブ27を介して、均圧室23に接続されている。バルブ27が、図1のバルブ3a又は7aに相当する。
【0038】
均圧室23に、施工水及び圧縮エアーが供給される。内管22には、均圧室23から気流搬送経路21に通じる注水孔28が複数形成されていて、各注水孔28から気流搬送経路21に、施工水が圧縮エアーと共に供給される。圧縮エアーを用いることで、各注水孔28からミスト状に微粒化された状態で施工水を噴出させることができる。
【0039】
水供給管25が水バルブ25aを備え、圧縮エアー供給管26がエアーバルブ26aを備えていることにより、施工水と圧縮エアーとの混合比を任意に調節することができる。混合比の調節により、施工水を平均粒径100μm以下に微粒化して添加することができる。施工水の微粒化は、不定形耐火物と施工水との混練効果を高めることに貢献する。なお、微粒化水の平均粒径は、レーザドップラー法で測定することができる。
【0040】
なお、図1の第1及び第2の注水器3及び7の具体例は、図3の注水器に限られない。例えば、特許文献2に開示された注水器を用いることで、施工水を平均粒径100μm以下に微粒化することを容易に実現できる。
【0041】
以下、図4を参照し、不定形耐火物の吹付け施工方法について説明する。
【0042】
図4(a)〜(d)は、施工初期のある期間T1は、施工水量を相対的に多い値W1に設定して施工を行い、期間T1の終わりの時刻aで施工水量を相対的に少ない値(以下、定常値という。)W2に絞る操作を行い、その操作の反映に移行期間Tsを要して、のちの期間T2は施工水量を定常値W2として施工を行うことを示している。
【0043】
熱間施工の場合、ノズルから放出した混練物が被施工面に到達する前に混練物中の施工水が多量に蒸発することを見越し、被施工面を冷却する目的も兼ねて、W1の値を不定形耐火物に対する外かけで、例えば40質量%以上、具体的には50〜60質量%とする。期間T1では、施工水が瞬時に蒸発するため、施工水量W1が多くても混練物のだれ落ちが生じにくい。熱間施工の場合の施工水量の定常値W2は、不定形耐火物に対する外かけで、例えば20〜30質量%であり、全施工水の絞り量(W1−W2)は、例えば10〜30質量%程度である。
【0044】
冷温間施工の場合は、混練物が被施工面の凹凸に隙間無く入り込むことができるようにするために、W1の値を不定形耐火物に対する外かけで、例えば10〜20質量%とする。期間T1では、混練物が被施工面の凹凸に充填されるため、施工水量W1が多くても混練物のだれ落ちが生じにくい。冷温間施工の場合の施工水量の定常値W2は、不定形耐火物に対する外かけで、例えば7〜15質量%程度であり、混練物の軟度を調整するために必要な全施工水の調整幅(W1−W2)は、例えば1〜5質量%程度である。
【0045】
時刻aにおける絞りの操作は、熱間施工の場合は、被施工面の冷却が完了した旨の施工者の判断を契機として行われ、冷温間施工の場合は、混練物によって被施工面の凹凸が均された旨の施工者の判断を契機として行われる。
【0046】
図4(a)は、図6の従来装置を用いる場合の比較例を示す。図6の従来装置では全施工水を注水器33のみから添加するため、以下の問題が生じる。
【0047】
第1の問題は、施工水量がW1からW2に減少するように注水器33を操作した時点aから、施工水量がW2に絞られた混練物がノズルから放出し始める時点bまでの移行期間Tsが、例えば十数秒程度と長いことである。これは、既述のように、混練器32において不定形耐火物と施工水の流れが滞ることに起因する。移行期間Tsは、既に被施工面の冷却又は凹凸の均しが完了しているにも関らず、吹付けられる混練物が施工水を過剰に含むため、これが被施工面からだれ落ちやすい。
【0048】
第2の問題は、熱間施工の場合、期間T1で注水器33から多量の注水を行うと、混練器32で充分な混練効果が得られがたいことである。これは、既述のように、混練器32が不定形耐火物の気流搬送経路を構成していることに起因する。
【0049】
図4(b)は、図1の装置を用いる吹付け施工方法の一実施形態を示す。
【0050】
本実施形態では、施工初期の期間T1は、第1及び第2の双方の注水器3及び7から注水を行う。このため、期間T1は、第1の注水器3からの注水量を定常値W2に抑さえておくことができる。このため、多量の施工水(1次水)が一度に混練器4に流入することに起因して混練器4での混練が不充分となる問題を生じにくくすることができる。
【0051】
また、本実施形態では、W1からW2への全施工水の絞りを、第2の注水器7で行う。第2の注水器7の注水位置は混練器4より下流であるため、第2の注水器7での注水量の調整は、第1の注水器3での注水量の調整より早く反映される。このため、全施工水の減少が反映されるまでの移行期間Tsを、図4(a)の場合より短縮させることができる。
【0052】
なお、第2の注水器7のバルブ7aを施工者の手元に配置することで、施工水の調整作業も容易となる。第1の注水器3はノズル6から遠いためバルブ3aを施工者の手元に配置することが設計上難しいが、第2の注水器7は第1の注水器3よりもノズル6に近いため、バルブ7aを施工者の手元に配置することが設計上容易である。
【0053】
本実施形態では、期間T2は2次水の添加量をゼロとする。2次水の添加量をゼロとする期間中は、第2の注水器7から圧縮エアーを供給することが好ましい。具体的には、第2の注水器7として図3に示すものを用いる場合は、図3において、水バルブ25aは閉じるが、エアーバルブ26aは開いておき、各注水孔28から気流搬送経路21内に、圧縮エアーのみ供給し続けることが好ましい。これにより、気流搬送経路21を流れる混練物が注水孔28から均圧室23に逆流することを防止できる。
【0054】
なお、本実施形態では1次水の添加量はゼロにしないため、第1の注水器3は、施工水を必ずしも圧縮エアーと共に供給する構造を有していなくてもよい。
【0055】
図4(c)は、図1の装置を用いる吹付け施工方法の他の実施形態を示す。本実施形態によっても、図4(b)の場合と同様の効果が得られる。また、本実施形態のように、期間T2に2次水の添加量をゼロとしない場合は、上述した逆流の問題が生じないため、第2の注水器7は、施工水を圧縮エアーと共に供給する構造を有していなくてもよい。
【0056】
図4(d)は、図1の装置を用いる吹付け施工方法のさらに他の実施形態を示す。
【0057】
本実施形態では、W1からW2への全施工水の絞りを、第1及び第2の注水器3及び7の双方を用いて行う。便宜上、時刻aで第1の注水器3と第2の注水器7とを同時に操作したとする。
【0058】
全施工水の低減に第1の注水器3の操作が含まれる以上、全施工水の添加量がW1からW2に移行するまでのタイムラグ、即ち移行期間Tsの長さは、図4(a)の場合と同じである。しかし、第2の注水器7における2次水の絞りが、第1の注水器3における1次水の絞りより早く反映されるため、移行期間Tsに放出される混練物中の施工水量を低減することができる。
【0059】
図4中、斜線を付した領域の面積は、移行期間Tsに放出される混練物中の施工水量のうち定常値W2を上回る余剰量を示す。この余剰量を図4(a)の場合より低減する効果をより確実なものとするためには、1次水の絞り量Δ1が、2次水の絞り量Δ2より小さいことが好ましい。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限られない。
【0061】
例えば、図1で、第2の注水器7による注水箇所は、第2の搬送管5内に限らず、ノズル6内であってもよい。また、2次水の注水箇所は一箇所に限らず、2次水を第2の搬送管5とノズル6とで構成される気流搬送経路上の複数個所に分けて添加してもよい。具体的には、第2の搬送管5内及びノズル6内の2箇所に分けて2次水を添加してもよい。
【0062】
但し、2次水の添加による背圧が混練器4の気密容器10に加わることで、混練器4内における不定形耐火物の流れが不安定化し混練効果が損なわれることを防止するために、第2の注水器7による2次水の注水箇所は、混練器4の吐出口15より1m以上下流であることが好ましい。
【0063】
第1の注水器3による注水箇所も、第1の搬送管2内に限らず、混練器4内であってもよい。また、1次水の注水箇所は一箇所に限らず、1次水を第1の搬送管2と混練器4とで構成される気流搬送経路上の複数個所に分けて添加してもよい。具体的には、第1の搬送管2内及び混練器4内の2箇所に分けて1次水を添加してもよい。ここで、混練器4内とは、図2の導入口11から吐出口15までの間をいうものとする。
【0064】
また、図1は、あくまでも装置の構成を示したにすぎない。本装置は、ノズル6の取り回しを人手により行う手吹きタイプであってもよいし、自動走行台車に搭載された自動吹きタイプであってもよい。熱間施工の場合は自動吹きタイプが好ましく、冷温間施工の場合は手吹きタイプが好ましい。ノズル6は、例えば鉄パイプで構成することができる。熱間施工の場合、ノズル6の長さは例えば5〜15m程度であり、冷間施工の場合、ノズル6の長さは例えば1〜5m程度である。
【0065】
また、図4(b)〜(d)において、期間T2の後に、第1及び第2の注水器3及び7のうち少なくとも第2の注水器7における注水量を増大させることにより、全施工水の添加量を再び増大させる工程を含んでもよい。全施工水を増大させる場合も、第2の注水器7を用いることで、増大が反映されるまでのタイムラグを短縮することができるか、又はそのタイムラグの間に放出される混練物中の施工水量のうち増大後の施工水量を下回る不足量を低減することができる。
【0066】
また、吹付けに供する不定形耐火物の構成は、特に限定されない。不定形耐火物は、耐火性粉体と結合剤とを含み、必要に応じて、分散剤や硬化調整剤等を添加してもよい。
【0067】
耐火性粉体としては、例えば、アルミナ質、シリカ質、アルミナ−シリカ質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ‐カーボン質、アルミナ‐炭化珪素質、アルミナ‐炭化珪素‐カーボン質、マグネシア質、マグネシア‐カーボン質等、カーボン質、炭化系素質、窒化珪素素質、ジルコニア質、カルシア質、ドロマイト質、クロム、クロム-マグネシア質、マグネシア‐ライム質、マグネシア-アルミナ質及びこれらの組み合わせからなる材質を用いることができる。
【0068】
結合剤は、熱間施工の場合は、例えば、燐酸塩、珪酸塩、樹脂、ピッチ等を用いることができ、冷温間施工の場合は、例えば、アルミナセメント、水硬性遷移アルミナ、マグネシアセメント、燐酸塩、珪酸塩等を用いることができる。
【0069】
分散剤としては、例えば、トリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ウルトラポリリン酸ソーダ等のアルカリ金属リン酸塩、ポリカルボン酸ソーダ等のポリカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、芳香族スルホン酸塩、ポリアクリル酸ソーダ、及びスルホン酸ソーダ等から選択される一種以上を用いることができる。
【0070】
硬化調整剤には、硬化促進剤と硬化遅延剤とがあり、硬化促進剤として、例えば、消石灰、塩化カルシウム、アルミン酸ソーダ、及び炭酸リチウム等から選択される一種以上を用いることができ、硬化遅延剤として、例えば、硼酸、クエン酸、炭酸ソーダ、及び砂糖等から選択される一種以上を用いることができる。
【0071】
また、不定形耐火物に急結剤を添加して吹付けてもよい。急結剤としては、例えば、消石灰や塩化カルシウム等のカルシウム塩、珪酸塩、アルミン酸塩、炭酸塩、及び硫酸塩等から選択される一種以上の粉体又は液体を用いることができる。
【0072】
図5は、本発明の吹付け施工方法に用いうる吹付け施工装置の他の例を示す。図1と同じ構成については同じ符号を付した。図1との相違は、ノズル6内で、不定形耐火物と施工水との混練物に、上記急結剤を添加する急結剤添加器8を備えた点である。急結剤添加器8は、急結剤を貯留する急結剤槽8aと、急結剤槽8a内の急結剤をノズル6まで搬送するための圧搾空気を供給するエアーコンプレッサ8bとにより構成される。
【実施例】
【0073】
以下、図5の装置を用いて行った冷温間施工の実施例を説明する。
【0074】
表1に、吹付けに供した不定形耐火物及び急結剤の構成を示す。
【0075】
【表1】

【0076】
表2に、表1の不定形耐火物及び急結剤の吹付け条件と評価結果とを示す。図5で、第1の搬送管2は5m、第2の搬送管5は17m、ノズル6は2m、第1の注水器3よる注水位置から混練器4までの経路長は0.5m、混練器4の吐出口15から第2の注水器7の注水位置までの経路長は16.5m、第2の注水器7の注水位置からノズル6先端までの経路長は2.5mとした。また、気流搬入器1による不定形耐火物の搬入量は30kg/分とした。
【0077】
付着率指数は、次の要領で求めた。表1の不定形耐火物及び急結剤を、図4の期間T1及びT2をそれぞれ5秒間保持する条件で、表面が凹凸状の被施工面に常温状態で吹付ける。吹付け後、被施工面からだれ落ちたものを回収し、「付着率=(吹付けた量−だれ落ちた量)/吹付けた量」なる式に従って、期間T1〜T2にわたる付着率を求める。各例の付着率を実施例1の付着率で割って100倍した値が付着率指数である。
【0078】
また、移行期間Tsの長さは、1次注水器3のバルブ3a及び/又は2次注水器7のバルブ7aの操作から、その操作が反映された混練物がノズル6から放出され始めたと施工者が判断した時点までの期間を、ストップウォッチで測定することにより求めた。なお、実施例3では、複数の操作者により、1次注水器3のバルブ3aと2次注水器7のバルブ7aを同時に操作した。
【0079】
【表2】

【0080】
比較例1は、図4(a)の条件で吹付けを行ったもので、2次水は使用せず、期間T1から期間T2への移行に際しての全施工水の低減を、1次水の低減のみにより行ったため、全施工水の低減が反映されるまでのタイムラグ、即ち移行期間Tsが14秒と長く、その分、付着率指数も相対的に低い。
【0081】
実施例1は、図4(b)の条件で吹付けを行ったもので、期間T1から期間T2への移行に際しての全施工水の低減を2次水の低減により行ったため、移行期間Tsを1秒未満に短縮することができ、かつ付着率指数も相対的に高い。
【0082】
実施例2は、図4(c)の条件で吹付けを行ったもので、実施例1と同様、移行期間Tsを1秒未満に短縮することができ、かつ付着率指数も相対的に高い。
【0083】
実施例3は、図4(d)の条件で吹付けを行ったもので、期間T1から期間T2への移行に際しての全施工水の低減を、1次水及び2次水の双方を低減することにより行ったものである。全施工水の低減に1次水の低減が含まれるため、移行期間Tsの長さは、比較例1と同じく14秒と長い。しかし、2次水の低減が、1次水の低減より早く、具体的には1秒未満で反映されるため、移行期間Tsに放出される混練物中の施工水量を、比較例1の場合よりも低減することができる。このため、比較例1よりも優れた付着率指数を達成した。
【0084】
以下、図1の装置を用いて行った熱間施工の実施例を説明する。
【0085】
表3に、吹付けに供した不定形耐火物の構成を示す。
【0086】
【表3】

【0087】
表4に、表3の不定形耐火物の吹付け条件と評価結果とを示す。図1で、第1の搬送管2は5m、第2の搬送管5は30m、ノズル6は4m、第1の注水器3よる注水位置から混練器4までの経路長は0.5m、混練器4の吐出口15から第2の注水器7の注水位置までの経路長は26m、第2の注水器7の注水位置からノズル6先端までの経路長は8mとした。また、気流搬入器1による不定形耐火物の搬入量は100kg/分とした。
【0088】
期間T1及びT2をそれぞれ5秒間保持する条件で、約800℃の被施工面に吹付けを行った。付着率指数は、既述の式に従って付着率を求め、各例の付着率を実施例4の付着率で割って100倍した値とした。移行期間Tsの長さも既述の要領で求めた。
【0089】
【表4】

【0090】
比較例2は、図4(a)の条件で吹付けを行ったもので、2次水は使用せず、期間T1から期間T2への移行に際しての全施工水の低減を、1次水の低減のみにより行ったため、移行期間Tsが19秒と長く、その分、付着率指数も相対的に低い。
【0091】
実施例4は、図4(b)の条件で吹付けを行ったもので、期間T1から期間T2への移行に際しての全施工水の低減を2次水の低減により行ったため、移行期間Tsを2秒に短縮することができ、かつ付着率指数も相対的に高い。
【0092】
実施例5は、図4(c)の条件で吹付けを行ったもので、実施例4と同様、移行期間Tsを2秒に短縮することができ、かつ付着率指数も相対的に高い。
【0093】
実施例6は、図4(d)の条件で吹付けを行ったもので、期間T1から期間T2への移行に際しての全施工水の低減を、1次水及び2次水の双方を低減することにより行ったものである。全施工水の低減に1次水の低減が含まれるため、移行期間Tsの長さは、比較例2と同じく19秒と長い。しかし、2次水の低減が、1次水の低減より早く、具体的には2秒で反映されるため、移行期間Tsに放出される混練物中の施工水量を、比較例2の場合よりも低減することができる。このため、比較例2よりもはるかに優れた付着率指数を達成した。
【0094】
次に、熱間施工を行う場合の図4(b)〜(d)の期間T1を想定し、図1の装置を用いて行った実施例を説明する。
【0095】
表5に、吹付けに供した不定形耐火物の構成を示す。Aは粒径75μm未満の微粉を比較的多く含み、Bは微粉の含有量が比較的少ない。
【0096】
【表5】

【0097】
表6に、表5の不定形耐火物A及びBの吹付け条件と、混練度の評価結果とを示す。全施工水の添加量を不定形耐火物に対する外かけ50質量%として、1次水と2次水の比率を種々変更した。なお、第2の搬送管5の長さは30m、気流搬入器1からの不定形耐火物の搬入量は100kg/分とした。
【0098】
混練度は、次の要領で評価した。ノズル6から放出した混練物を回収し、直ちに目開き10mmの篩に流し込み、自重でこの篩を通過させる。篩に流し込んだ混練物の総重量をL、篩上に残ったものの重量をMとしたとき、((L−M)/L)×100で定義される通過率を求める。混練が不充分だと、得られる混練物が見かけ上スラリーでも凝集体や粘度の高い塊を内包し、これらが篩上に残るため、通過率が低下する。一方、混練が良好だと、凝集体がほぐされ、粘度の均一な混練物が得られるため、通過率が向上する。そこで、通過率は混練度を評価する指標となる。通過率の値によって、◎…99%以上、○…95%以上99%未満、△…90%以上95%未満、×…90%未満の3段階で相対評価した。
【0099】
【表6】

【0100】
比較例3が示すように、熱間施工における期間T1で、全施工水を第1の注水器3から注水すると、充分な混練効果が得られにくい。これは、多量の施工水(1次水)が混練器4に流入すると、不定形耐火物中の粒径75μm未満の微粉が充分にほぐされない状態のまま、混練器4を通過してしまうことに起因する。
【0101】
実施例7〜18に示すように、施工水の添加を第2の注水器7にも担わせ、第1及び第2の双方の注水器3及び7から注水を行うことで、混練度が改善される。実施例11〜14に示すように、混練度の改善効果を高めるためには、1次水は35質量%以下に抑えることが好ましい。
【0102】
また、実施例15〜18に示すように、2次水の添加量が1次水の添加量以上だと、混練度が低下する傾向がみられる。施工水の添加を第2の注水器7にも担わせるとはいえ、2次水の添加量が1次水の添加量以上だと、混練器4を有効活用することができず、良好な混練度が得られがたい。このため、第1の注水器3からの注水量が、第2の注水器7からの注水量より多いことが好ましい。
【0103】
次に、冷温間施工を行う場合の図4(b)〜(d)の期間T1を想定し、図5の装置を用いて、表1の不定形耐火物及び急結剤を吹付けた実施例を説明する。
【0104】
表7に、施工水の添加条件と混練度の評価結果とを示す。全施工水の添加量を不定形耐火物に対する外かけ15質量%として、1次水と2次水の比率を種々変更した。なお、第2の搬送管5の長さは17m、気流搬入器1からの不定形耐火物の搬入量は30kg/分とした。混練度の評価方法は、表6の場合と同様であるが、混練度の評価には、目開き20mmの篩を用いた。
【0105】
【表7】

【0106】
表7の結果から、冷温間施工における期間T1でも、良好な混練度を得るためには、第1の注水器3からの注水量が、第2の注水器7からの注水量より多いことが好ましいことが分かる。
【0107】
表6及び表7の結果から判るように、本発明においては、第1の注水器3と第2の注水器7の両方を使用することで、課題の1つである施工水量が多い場合でも混練器4における混練効果が損なわれにくい吹付け施工技術とすることが実現できている。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、例えば、転炉、取鍋、高炉、樋、混銑車、電気炉、2次精錬炉、タンディッシュ、ロータリーキルン、廃棄物溶融炉、廃棄物灰溶融炉、焼却炉、セメントプラント炉、均熱炉、加熱炉といった溶融金属容器のライニングの補修又はイニシャルライニングの形成に広く利用することができる。また、本発明は、熱間施工及び冷温間施工の双方に利用することができる。
【符号の説明】
【0109】
1…気流搬入器、2…第1の搬送管、3…第1の注水器、3a…バルブ、4…混練器、5…第2の搬送管、6…ノズル、7…第2の注水器、7a…バルブ、8…急結剤添加器、8a…急結剤槽、8b…エアーコンプレッサ、10…気密容器、11…導入口、12…モータ、13…回転軸、14…撹拌子、15…吐出口、20…注水器、21…気流搬送経路、22…内管、23…均圧室、24…外管、25…水供給管、25a…水バルブ、26…圧縮エアー供給管、26a…エアーバルブ、27…バルブ、30…第1の搬送管、31…気流搬入器、32…混練器、33…第1の注水器、34…第2の搬送管、35…ノズル、36…急結剤添加器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の搬送管と、前記第1の搬送管内に不定形耐火物を気流によって送り込む気流搬入器と、前記第1の搬送管に接続されて前記第1の搬送管と共に前記不定形耐火物の気流搬送経路を構成する混練器であって、前記第1の搬送管と接続される導入口から前記不定形耐火物を導入し、気密容器内で攪拌して吐出口から吐出する前記混練器と、前記第1の搬送管内及び/又は前記混練器の気密容器内で、前記不定形耐火物に施工水を添加する第1の注水器と、前記混練器の吐出口に接続された第2の搬送管と、前記第2の搬送管に接続されたノズルとを備えた吹付け施工装置を用いる吹付け施工方法において、
前記吹付け施工装置が、前記第2の搬送管内及び/又は前記ノズル内で、前記混練器を通過した前記不定形耐火物と施工水との混練物にさらに施工水を添加する第2の注水器を備えており、(a)前記不定形耐火物に対し、前記第1及び第2の双方の注水器から注水を行いながら吹付け施工を行う工程と、(b)前記第1及び第2の注水器のうち少なくとも第2の注水器における注水量を絞ることにより、前記不定形耐火物に対する全施工水の添加量を減少させる工程とを含むことを特徴とする不定形耐火物の吹付け施工方法。
【請求項2】
前記工程(a)では、前記第1の注水器からの注水量を前記不定形耐火物に対する外かけ35質量%以下に抑えつつ、前記不定形耐火物に対して外かけ40質量%以上の全施工水を添加する請求項1に記載の吹付け施工方法。
【請求項3】
前記工程(b)では、前記第1及び第2の注水器のうち第2の注水器における注水量のみを絞る請求項1又は2に記載の吹付け施工方法。
【請求項4】
前記工程(b)では、前記第2の注水器における注水量をゼロに絞ったのち、前記第2の注水器から圧縮エアーを供給する請求項1〜3のいずれかに記載の吹付け施工方法。
【請求項5】
前記工程(a)及び(b)の双方において、前記第1の注水器からの注水量が、前記第2の注水器からの注水量よりも多い請求項1〜4のいずれかに記載の吹付け施工方法。
【請求項6】
第1の搬送管と、前記第1の搬送管内に不定形耐火物を気流によって送り込む気流搬入器と、前記第1の搬送管に接続されて前記第1の搬送管と共に前記不定形耐火物の気流搬送経路を構成する混練器であって、前記第1の搬送管と接続される導入口から前記不定形耐火物を導入し、気密容器内で攪拌して吐出口から吐出する前記混練器と、前記第1の搬送管内及び/又は前記混練器の気密容器内で、前記不定形耐火物に施工水を添加する第1の注水器と、前記混練器の吐出口に接続された第2の搬送管と、前記第2の搬送管に接続されたノズルとを備えた吹付け施工装置において、
前記第2の搬送管内及び/又は前記ノズル内で、前記混練器を通過した前記不定形耐火物と施工水との混練物にさらに施工水を添加し、かつその添加量を調整することができる第2の注水器を備えたことを特徴とする吹付け施工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−214762(P2011−214762A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81981(P2010−81981)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000170716)黒崎播磨株式会社 (314)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】