不断流穿孔用の装置
【課題】既設管の流体の流れを止める仕切弁体を挿入し、この挿入した仕切弁体を撤去するのに適した不断流穿孔用の装置を提供する。
【解決手段】既設管1の一部を囲繞する分割ケース21,22と、既設管1の上方に突出する枝管部27に接合された弁蓋部92とを有する密閉ケース9と、弁蓋部92と枝管部27とで収容され既設管1内に侵入して既設管1内の流体の流れを止める仕切弁体90と、既設管1の周方向に沿って回転することにより、枝管部27に形成された分岐孔28を開閉する横断面円弧状の作業用弁体5と、作業用弁体5を回転させるための回転機構6とを備え、回転機構6は操作部67と、回転する駆動ギヤ装置63と、駆動ギヤ装置63の回転で作業用弁体5を既設管1の周方向に回転させる従動ギヤ51とを備えている。
【解決手段】既設管1の一部を囲繞する分割ケース21,22と、既設管1の上方に突出する枝管部27に接合された弁蓋部92とを有する密閉ケース9と、弁蓋部92と枝管部27とで収容され既設管1内に侵入して既設管1内の流体の流れを止める仕切弁体90と、既設管1の周方向に沿って回転することにより、枝管部27に形成された分岐孔28を開閉する横断面円弧状の作業用弁体5と、作業用弁体5を回転させるための回転機構6とを備え、回転機構6は操作部67と、回転する駆動ギヤ装置63と、駆動ギヤ装置63の回転で作業用弁体5を既設管1の周方向に回転させる従動ギヤ51とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は不断流穿孔用の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、既設管内の流体の流れを止めずに開孔を形成し、当該既設管のラインに仕切弁体を挿入する工法は周知である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭48−102317号(第1図〜第4図)
【0004】
特許文献1に開示されている作業手順等について簡単に説明する。
まず、図13Aに示すように、既設管1の一部を分割ケース221で覆う。前記分割ケース221には作業用弁100が設けられている。その後、図13Bに示すように、前記作業用弁100に穿孔機3を接続する。
【0005】
この状態で、穿孔機3を運転し、主軸を回しながら先端のホールソー4で既設管1に円形の開孔11をあける。
その後、ホールソー4を後退させた後、図13Cに示すように、作業用弁100を閉弁した後に、穿孔機3を取り外す。
【0006】
その後、図13Dに示すように、作業用弁100に仕切弁設置装置102を取り付ける。仕切弁設置装置102内には、仕切弁体101および仕切弁用弁蓋103が収容されている。
前記作業用弁100を開弁した後、図14Aに示すように、仕切弁設置装置102内の前記弁蓋103および仕切弁体101を下降させ、前記弁蓋103と分割ケース221とを固定する。その後、仕切弁体101を下降させて閉弁すると、下流側の既設管1内の流体の流が止まる。かかる状態で下流側の配管の修理などの作業を行う。
【0007】
前記作業終了後、図14Bに示すように、仕切弁体101を上方に向って引き上げて既設管1内に流体を流す。
【発明の概要】
【0008】
ここで、水道工事などでは、既設管内の止水工事は1回で終了する場合がある。
しかし、特許文献1には、仕切弁体を撤去する方法が開示されておらず、前記下流の工事後には、仕切弁体が収容された弁蓋が既設管に取り付けられたままの状態になる。そのため、不要な止水弁を取り付けた状態のまま工事が完了することになる。また、前記工事で用いた止水弁を取り外して他の工事に再利用することができないため、止水工事ごとに仕切弁体を用意する必要がありコストダウンを図り得ない。
【0009】
したがって、本発明の主目的は既設管の流体の流れを止める仕切弁体を挿入し、この挿入した仕切弁体を撤去するのに適した不断流穿孔用の装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、仕切弁体の挿入および撤去を簡便な方法で行い得る不断流穿孔用の装置を提供することである。
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の装置は、穿孔機で既設管の管壁の一部を穿孔して前記管壁に開孔を形成し、当該既設管のラインに当該既設管の流体の流れを止める仕切弁体を挿入し、この挿入した仕切弁体を撤去するのに適した不断流穿孔用の装置であって、既設管の周方向に分割され既設管の一部を囲繞する第1および第2分割ケースと、前記第1分割ケースに一体に形成され既設管の径方向の上方に突出する枝管部に接合された弁蓋部とを有する密閉ケースと、前記弁蓋部と前記枝管部とで収容され既設管内に侵入して既設管内の流体の流れを止める仕切弁体と、前記密閉ケースの内周面と既設管の外周面との間において、既設管の周方向に沿って回転することにより、前記枝管部に形成された分岐孔を開閉する横断面円弧状の部分を有する作業用弁体と、前記第1分割ケースにおける前記内周面に設けられ前記作業用弁体が閉弁時に接触する弁座と、前記作業用弁体を回転させるための回転機構とを備え、前記回転機構は、前記密閉ケースの外において回転操作される操作部と、前記操作部の回転により回転する駆動ギヤ装置と、前記作業用弁体に設けられ前記駆動ギヤ装置の回転で前記作業用弁体を前記既設管の前記周方向に回転させる従動ギヤとを備えている。
【0011】
本発明によれば、不断流下において既設管の管壁の一部を穿孔して開孔を形成し、当該開孔から既設管内に仕切弁体を挿入してラインの流れを止めて下流での作業を行うことができる。また、前記作業後に仕切弁体を既設管内から枝管部に引き上げて通水することができる。
特に、この状態で作業用弁体を閉じ、仕切弁体を撤去することができる。
そのため、撤去した仕切弁体を他の工事に再利用することが可能となる。
【0012】
また、作業用弁体の横断面円弧状の部分が密閉ケースと既設管との隙間を、既設管に沿って回転するから、弁箱や弁蓋などの作業用弁体を収容する部分を別途設ける必要がない。そのため、装置が安価で小型になる。
また、円弧状の弁体は平板状の作業用弁体に比べ曲げ強度も大きくなる。そのため、作業用弁体を薄くすることが可能となる。
また、前記作業用弁体を収容する部分を別途設ける必要がないので、穿孔のストロークが短くなる。
【0013】
一方、仕切弁体を用いて既設管内の流体の流れを止める際には、作業用弁体を収容する部分を別途設ける必要がないので、仕切弁体を上下させるストロークが短くなる。
また、作業用弁体は管路にそのまま残るので、弁設置装置を用いる必要がなく、仕切弁体の撤去作業が極めて簡単になる。
【0014】
本発明の好ましい態様において、前記装置は、既設管に向かう水平の第1方向に向って開口し前記駆動ギヤ装置の一部が前記従動ギヤに歯合するのを可能とする内開口部と、前記第1方向とは逆の第2方向に向って開口する外開口部とを有し、前記駆動ギヤ装置の一部を収容する凹所を形成すると共に、前記外開口部から前記駆動ギヤ装置を挿入して組み立てることを可能とするギヤケース部が前記第1分割ケースに一体に設けられ、前記ギヤケース部の外開口部を閉塞するカバーが前記ギヤケース部に締結され、前記カバーを水平方向に貫通する貫通孔から前記操作部が第2方向に突出しており、前記カバーを前記ギヤケース部から取り外すことで、前記駆動ギヤ装置を前記ギヤケース部から前記外開口部を通して取り出すことが可能とされている。
【0015】
本態様によれば、前記凹所を形成するギヤケース部を設けることにより、前記ギヤケース部の外開口部から駆動ギヤ装置を挿入しカバーで前記ギヤケース部を閉塞することで装置を組み立てることができる。そのため、重い分割ケースの裏面側から駆動ギヤ装置を挿入して組み立てを行う必要がなくなる。すなわち、外開口部から駆動ギヤ装置の組み付けを行うことができる。そのため、装置の組み立て作業が著しく容易になる。
【0016】
本発明の好ましい態様において、前記駆動ギヤ装置は前記操作部と一体に回転するウオームと、前記ウオームの回転により回転するウオームホイールとを備えている。
ここで、組付作業中に作業用弁体が円周方向に動くと、組付の作業性が低下する。また、穿孔工事の完了後に、路面を車両が通過するのに伴い振動が発生するが、この振動により作業用弁体が円周方向に移動すると分岐孔が不用意に閉塞される。
本態様によれば、可逆性のないウオームとウオームホイールからなる歯車対を用いることにより、作業用弁体が不用意に動くおそれがない。
【0017】
本発明の好ましい態様において、前記カバーには前記ウオームホイールを回転自在に支持する軸受け部が一体に形成されている。
本態様によれば、ウオームホイールを予めカバーに形成した軸受け部に取り付けることで、カバーの取り付けとウオームホイールの組み付けとを同時に行うことができるから、組み立て時の作業性が著しく向上する。また、別途、ウオームホイールを回転自在に支持する支持部材等を設ける必要がなくなり、構造がシンプルになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の一実施例にかかる不断流穿孔用の装置を示す分解斜視図である。
【図2】図2は同装置を示す概略断面図である。
【図3】図3は第1分割ケースを示す分解された概略断面図である。
【図4】図4はウオームホイールのカバーへの取り付け構造を示す分解された概略側面図である。
【図5】図5は第1分割ケースを示す概略側面図である。
【図6】図6は作業用弁体を示す概略側面図である。
【図7】図7Aおよび図7Bは、それぞれ、不断流穿孔方法を示す装置等の概略断面図である。
【図8】図8Aおよび図8Bは、それぞれ、不断流穿孔方法を示す装置等の概略断面図である。
【図9】図9Aおよび図9Bは、それぞれ、不断流穿孔方法を示す装置等の概略断面図である。
【図10】図10は仕切弁体を取り付けた状態の装置等を示す概略断面図である。
【図11】図11は仕切弁体を取り付けた状態の装置等を示す概略断面図である。
【図12】図12は変形例を示す装置を示す概略断面図である。
【図13】図13A〜図13Dは従来の不断流穿孔方法を示す装置等の概略断面図である。
【図14】図14従来の不断流穿孔方法を示す装置等の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、添付の書類を参考にした以下の好的な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲のみによって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
【0020】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
実施例1:
まず、本装置の全体構成について説明する。
【0021】
不断流穿孔用の装置2:
図1および図2に示す本装置2は、既設管1の管内に流体(たとえば、水等)が流れている状態で、既設管1を囲繞し、不断流穿孔や仕切弁体の挿入・撤去等を行うためのものである。
すなわち、本装置2は、図8Aに示すように、ホールソー4を備えた穿孔機3で、既設管1の管壁12の一部を穿孔すると共に、図10に示すように、既設管1内に仕切弁体90を挿入して既設管1内の止水や、前記仕切弁体90の撤去を行うためのものである。
【0022】
図2に示すように、本装置2の密閉ケース20は、既設管1の周方向Rに分割された第1および第2分割ケース21,22を備えている。第1分割ケース21には、既設管1の管径方向Cに突出して分岐する枝管部27が一体に形成されている。
【0023】
分割ケース21,22:
前記第1および第2分割ケース21,22は、枝管部27の軸線27Lに略直交する仮想平面Hに沿って分割されている。一対の前記分割ケース21,22は、既設管1に対して既設管1の管径方向Cの上下から外嵌装着され、結合部25が図示しない組立ボルトにより互いに締結されて組み立てられる。
【0024】
図1および図2に示すように、各分割ケース21,22は、既設管1の外周面13に概ね沿って湾曲した内周面29をそれぞれ備えている。図1,図2および図5に示すように、各分割ケース21,22の結合部25と内周面29における前記既設管1の管軸方向Lの両端部とには、それぞれ、溝状のパッキン装着部24が形成されている。前記パッキン装着部24にはゴムパッキン26が装着され、既設管1と密閉ケース20との間や、第1分割ケース21と第2分割ケース22との間がシールされる。
なお、各分割ケース21,22の管軸方向Lの両端部に図示しないボルト挿通孔を更に設け、両端部を組立ボルトで締結してもよい。
【0025】
枝管部27:
図7A、図9および図10に示すように、前記枝管部27のたとえば板状フランジのような継手部81には、穿孔機3や弁蓋部92、蓋板95が取り付けられる。
たとえば、既設管1を穿孔するには、図7Aに示すホールソー4が回転しながら枝管部27の分岐孔28を通って、既設管1の管径方向Cに向って送り込まれることで、図8Aに示すように、既設管1の管壁12が切削されて、図8Bに示すように、該既設管1に開孔11が穿孔される。なお、図7Bに示すように、ホールソー4の回転中心には、該ホールソー4の位置決めを行うためのセンタードリル41が既設管1に向って突出して設けられている。
【0026】
作業用弁体5:
図2に示すように、前記既設管1と第1および第2分割ケース21、22との間には、それぞれ、第1および第2空間S1、S2が設けられている。前記第1空間S1と前記第2空間S2とは周方向Rに互いに連通しており、横断面円弧状の作業用弁体5を2つの分割ケース21,22にわたって移動できるように収容している。前記作業用弁体5は、分割ケース21,22の内周面29と既設管1の外周面13に沿って、かつ、既設管1の周方向Rに回転することにより、前記枝管部27の分岐孔28を開閉する。
【0027】
すなわち、図7Aの開弁時および図8Aの穿孔時において、作業用弁体5は前記第2空間S2に大半部分が収容されており、回転機構6により回転されて、図9Aおよび図9Bの閉弁時に大半部分が前記第1空間S1に収容されて分岐孔28を閉塞する。
両分割ケース21,22には、前記円弧状の作業用弁体5の回転を案内する案内部55(図5参照)が一体に設けられている。
【0028】
前記作業用弁体5を既設管1の周方向Rに回転させることにより、該作業用弁体5を図7Aに示す開弁位置と、図9Aに示す閉弁位置に回転移動させることが可能である。
【0029】
図2に示す枝管部27を有する第1分割ケース21には、前記枝管部27の分岐孔28および後述するギヤケース部70の周りに沿って略円周状にシール用のゴムリング(弁座の一例)56がゴムリング装着溝57に装着されている。
【0030】
作業用弁体5が図9Aに示す閉弁位置に回転移動されると、図6の作業用弁体5における網点で示す第1接触部5fが、図5の網点で示すゴムリング56の第2接触部56fに密着する。これにより、図9Aに示すように、前記分岐孔28が閉塞され、分割ケース21,22および作業用弁体5によって既設管1の開孔11の周囲が密閉される。
【0031】
なお、図6に示す作業用弁体5の両端部には図示しない貫通孔が形成されている。作業用弁体5に貫通孔を設けることにより、貫通孔にフックなどを通して作業用弁体5を吊り上げて粉体塗装を行うことが可能となると共に、作業用弁体5の軽量化が図られる。
【0032】
つぎに、本発明の要部について更に詳しく説明する。
回転機構6:
図2に示す前記第1分割ケース21には、作業用弁体5を回転させるための回転機構6が設けられている。
前記回転機構6は、第1分割ケース21の外において回転操作される操作部67と、前記操作部67の回転により回転する駆動ギヤ装置63と、前記作業用弁体5に形成され駆動ギヤ装置63の回転で該作業用弁体5を既設管1の周方向Rに沿って回転させる従動ギヤ51とを備えている。
【0033】
前記駆動ギヤ装置63は、前記操作部67と一体に回転するウオーム61と、ウオーム61の回転により回転するウオームホイール62からなる。前記ウオーム61とウオームホイール62とは歯合しており、ウオームホイール62には従動ギヤ51が歯合している。なお、ウオーム61の軸線方向は水平方向に設定されている。
【0034】
一方、図6に示すように、作業用弁体5の管軸方向Lの略中央には、従動ギヤ51が設けられている。図2に示すように、後述する凹所73(図3)から第1空間S1に向かってウオームホイール62が突出している。従動ギヤ51は、前記ウオームホイール62に歯合し、該ウオームホイール62の回転で前記周方向Rに回転することにより作業用弁体5を回転させる。
【0035】
すなわち、作業者が操作部67を回転させると、ウオーム61およびウオームホイール62を介して従動ギヤ51が回転されることで、作業用弁体5が回転される。
したがって、操作部67、駆動ギヤ装置63(ウオーム61,ウオームホイール62)および従動ギヤ51は作業用弁体5を回転させるための回転機構6を構成している。
【0036】
ギヤケース部70:
第1分割ケース21には、ギヤケース部70が該第1分割ケース21に一体に形成されている。ギヤケース部70は、図3に示すように、水平の第1方向Z1に向って開口し、前記ウオームホイール62が前記従動ギヤ51に歯合するのを可能とする内開口部74dと、前記第1方向Z1とは逆の第2方向Z2に向って開口する外開口部74uとを有する。前記ギヤケース部70は、前記駆動ギヤ装置63の一部を収容する凹所73を形成する。前記外開口部74uから前記駆動ギヤ装置63を挿入して組み立てることが可能である。
【0037】
図1および図2に示すように、前記第1および第2分割ケース21,22はそれぞれ前記既設管1に沿った曲面部30を有している。図1に示すように、前記ギヤケース部70は、第1分割ケース21の曲面部30から水平方向に延びる側壁71と、前記側壁71の前記第2方向Z2の端部に一体に形成され前記カバー66が締結されるフランジ72とを備えている。
したがって、カバー66はフランジ72を介して図示しないボルトによりギヤケース部70に締結され、該ギヤケース部70の外開口部74uを閉塞する。なお、カバー66とフランジ72との間にはゴムパッキン(図示せず)が介挿される。
【0038】
駆動ギヤ装置63のカバー66への取り付け;
図3に示すように、前記操作部67はウオーム61の前記第2方向Z2の端部に一体に形成されている。
一方、図4に示すように、カバー66の前記第1方向Z1の端部には支持部66bが一体に形成されており、該支持部66bには軸受け部(孔)65が形成されている。前記軸受け部65には、ウオームホイール62を回転自在に支持するための回転軸64が挿通される。
前記回転軸64がウオームホイール62および軸受け部65に挿通されることにより、図2に示すように、ウオームホイール62がカバー66に対して回転自在に取り付けられる。
【0039】
一方、図3に示すカバー66には、該カバー66を水平方向に貫通する貫通孔66aが形成されている。前記ウオーム61は、図2に示すように、前記ウオームホイール62に歯合するように、カバー66の貫通孔66aに回転自在に取り付けられる。ウオーム61をカバー66に取り付けると、ウオーム61の前記第1方向Z1の端部に形成された操作部67が前記貫通孔66aから第2方向Z2に突出する。
【0040】
したがって、カバー66に、ウオーム61およびウオームホイール62からなる駆動ギヤ装置63と、操作部67とを予め取り付けることができる。当該取り付けは、工場出荷時に行われるが、工事現場で行われることもある。
【0041】
カバー66の組み付け;
図3に示すように、前記凹所73には、第1方向Z1に向って開口する内開口部74dが形成されている。図2に示すように、前記外開口部74uから駆動ギヤ装置63を凹所73に挿入して組み立てると、前記内開口部74dからウオームホイール62の一部が作業用弁体5に向って突出し、ウオームホイール62と作業用弁体5の従動ギヤ51とが歯合される。
【0042】
一方、図2および図3に示すように、前記ギヤケース部70には、ウオーム61の第1方向Z1の端部61dを回転自在に支持する底壁部75が一体形成されている。
したがって、カバー66をギヤケース部70に組み付けると、ウオームホイール62に従動ギヤ51が歯合されると共に、ウオーム61の端部61dが第1分割ケース21の底壁部75に回転自在に支持される。
【0043】
本態様においては、ウオームホイール62は軸受け部65に挿通された回転軸64によって回転自在に支持されており、ウオーム61の端部61dは第1分割ケース21の軸受け部65に回転自在に支持されている。したがって、内開口部74dから駆動ギヤ装置63(ウオーム61,ウオームホイール62)が内部に侵入しない。
【0044】
一方、図2に示す駆動ギヤ装置63(ウオーム61,ウオームホイール62)を第1分割ケース21から取り外す際には、カバー66を第2方向Z2に向って取り外す。前述したように、前記カバー66には、駆動ギヤ装置63が取り付けられているので、該カバー66をギヤケース部70から取り外すと、駆動ギヤ装置63がギヤケース部70から前記外開口部74uを通して取り出される。
【0045】
作業用弁体5およびゴムリング56:
前記作業用弁体5は、既設管1の外周面13に沿って湾曲した凹面53と、図9Aおよび図9Bに示す閉弁位置において前記分岐孔28に対向する凸面52とを備えている。
前記作業用弁体5は、図2に示す閉弁位置において、凸面52における前記ゴムリング56の第2接触部56fに接触する第1接触部5fが前記従動ギヤ51の表面よりも既設管1の管径方向Cに突出している。
【0046】
図6に示すように、前記閉弁位置(図2)において、前記ゴムリング56(図5)が接触する第1接触部5f(網点で示した部分)はループ状に形成されている。前記ループ状の第1接触部5f(網点で示した部分)の内側の領域5aにおいて、前記作業用弁体5に従動ギヤ51が形成されている。
【0047】
図4に示すように、前記ウオームホイール62はウオーム61(図3)に歯合するように、既設管1(図2)の管軸方向Lに対して斜めに形成されたヘリカルギヤ62aで構成されている。一方、図6に示すように、前記作業用弁体5の従動ギヤ51はウオームホイール62(図4)に歯合するようにヘリカルギヤで形成されている。
【0048】
作業用弁体5に形成された従動ギヤ51は、斜め方向に形成されている。そのため、従動ギヤ51がウオームホイール62に歯合することにより、カバー66に回転力が作用する。このカバー66の回転を防止するにはカバー66の支持部66b等が凹所73(図3)に係合するのが好ましい。
【0049】
従動ギヤ51の表面には、たとえばタールエポキシ樹脂などが塗布されており、かつ、従動ギヤ51を除く作業用弁体5の部位には粉体塗装が施されている。
【0050】
不断流穿孔方法:
まず、図10の仕切弁体90を挿入するための開孔11を穿孔する方法について説明する。
図2の既設管1内に流体が流れている状態で、該既設管1の外周面13を囲繞するように両分割ケース21,22を取り付ける。この取り付け後、作業者は、前記組立ボルトにより両分割ケース21,22を組み立てる。
なお、前記作業用弁体5は、まず、枝管部27の分岐孔28を塞いだ閉弁位置に設定される。前記閉弁状態の分割ケース21,22と既設管1との間に水を注入して、水漏れがないことを確認するための水密試験を行ってもよい。
【0051】
その後、図7Aに示すように、開弁し、更に、作業者は、枝管部27の継手部81に、穿孔機3の継手部31をボルトを用いて取り付ける。こうして、本装置2は、既設管1の一部を気密状態で囲繞する。
【0052】
前記囲繞後、図7Bに示すように、ホールソー4を回転させながら既設管1に向って穿孔方向C1に移動させると、センタードリル41が既設管1の管壁12を切削し、該センタードリル41を中心に回転するホールソー4が既設管1に対して位置決めされる。その後、図8Aに示すように、ホールソー4によって既設管1の管壁12の一部が切り取られ開孔11が形成される。
前記センタードリル41およびホールソー4による穿孔後、図8Bに示すように、ホールソー4を退避方向C2に移動させる。
【0053】
その後、作業者が操作部67を回転させると、ウオーム61に歯合するウオームホイール62が回転し、ウオームホイール62に歯合する従動ギヤ51によって、作業用弁体5が案内部55(図5)に案内されて、前記分岐孔28の閉弁方向R1に回転され、開弁位置の作業用弁体5が、図9Aに示す閉弁位置に移動される。前記作業用弁体5の閉弁位置への移動により、作業用弁体5がゴムリング56の表面に密着し、分岐孔28が閉塞される。
この閉塞後、穿孔機3を図9Bに示すように装置2から取り外す。
【0054】
仕切弁体90の挿入および撤去方法:
その後、図10に示すように、第1分割ケース21の継手部81に弁蓋部92の継手部91を図示しないボルトを用いて取り付け、密閉ケース20を形成する。弁蓋部92内には仕切弁体90の一部が収容されている。仕切弁体90は、弁蓋部92と枝管部27とで収容され、既設管1の開孔11内に侵入して既設管1の水の流れを止めるものである。
【0055】
作業者が操作部67を逆回転させると、作業用弁体5が開弁方向R2に回動されて開弁位置(図7A)に移動される。
その後、周知のように、仕切弁体90を下方向C1に移動させて既設管1内に侵入させることで、既設管1内の水の流れを止める。止水された既設管1の下流で種々の作業が行われる。
【0056】
前記作業後、仕切弁体90を上方向C2に移動させると、既設管1の下流に水が流れる。
その後、作業者が操作部67を回転させると、作業用弁体5が閉弁方向R1に回動されて閉弁位置に移動される。
【0057】
前記作業用弁体5の閉弁位置への移動後、つまり図10の状態から継手部91および弁蓋部92を第1分割ケース21から取り外す。
その後、図11に示すように、第1分割ケース21の継手部81に蓋板95の継手部96を図示しないボルトを用いて取り付けて密閉する。
したがって、回収された仕切弁体90および弁蓋部92は他の工事に用いることができる。
【0058】
なお、万一、駆動ギヤ装置63に不具合が生じ、作業用弁体5を開弁方向R2に回転させることができない場合には、カバー66を取り外して駆動ギヤ装置63を取り出すことができる。
【0059】
変形例:
図12は変形例を示す。
図12に示す変形例では、回転機構6のウオーム61の軸線が上下方向Cに設定されている。そのため、凹所73は上方向C2に向って開口していると共に、該開口をカバー66が閉塞している。
その他の構成は、実施例1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0060】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
前述した実施例では、既設管を囲繞するケースは第1および第2分割ケースの2分割としたが3分割以上であってもよい。
また、既設管を囲繞するケースは鋳造品であってもよいし、鋼板で形成されてもよい。鋼板で形成した場合には、第1および第2分割ケースを仮に組み立てた状態で溶接することにより2つの分割ケースを一体に形成してもよい。
さらに、ゴムパッキンは分割ケースに設けられる必要はなく、ゴムパッキンは弁体に設けられてもよい。
また、ギヤケース部は第2分割ケース側に設けられていてもよい。
したがって、以上のような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の不断流穿孔用の装置は、水道やガスなどの既設管のラインに当該既設管の仕切弁体を挿入し、この挿入した仕切弁体を撤去するのに用いることができる。
【符号の説明】
【0062】
1:既設管
2:装置
3:穿孔機
5:作業用弁体
6:回転機構
20:密閉ケース
21:第1分割ケース
22:第2分割ケース
27:枝管部
51:従動ギヤ
56:ゴムリング(弁座の一例)
61:ウオーム
62:ウオームホイール
63:駆動ギヤ装置
65:軸受け部
67:操作部
74u:外開口部
75d:内開口部
90:仕切弁体
92:弁蓋部
R:周方向
Z1:第1方向
Z2:第2方向
【技術分野】
【0001】
本発明は不断流穿孔用の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、既設管内の流体の流れを止めずに開孔を形成し、当該既設管のラインに仕切弁体を挿入する工法は周知である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭48−102317号(第1図〜第4図)
【0004】
特許文献1に開示されている作業手順等について簡単に説明する。
まず、図13Aに示すように、既設管1の一部を分割ケース221で覆う。前記分割ケース221には作業用弁100が設けられている。その後、図13Bに示すように、前記作業用弁100に穿孔機3を接続する。
【0005】
この状態で、穿孔機3を運転し、主軸を回しながら先端のホールソー4で既設管1に円形の開孔11をあける。
その後、ホールソー4を後退させた後、図13Cに示すように、作業用弁100を閉弁した後に、穿孔機3を取り外す。
【0006】
その後、図13Dに示すように、作業用弁100に仕切弁設置装置102を取り付ける。仕切弁設置装置102内には、仕切弁体101および仕切弁用弁蓋103が収容されている。
前記作業用弁100を開弁した後、図14Aに示すように、仕切弁設置装置102内の前記弁蓋103および仕切弁体101を下降させ、前記弁蓋103と分割ケース221とを固定する。その後、仕切弁体101を下降させて閉弁すると、下流側の既設管1内の流体の流が止まる。かかる状態で下流側の配管の修理などの作業を行う。
【0007】
前記作業終了後、図14Bに示すように、仕切弁体101を上方に向って引き上げて既設管1内に流体を流す。
【発明の概要】
【0008】
ここで、水道工事などでは、既設管内の止水工事は1回で終了する場合がある。
しかし、特許文献1には、仕切弁体を撤去する方法が開示されておらず、前記下流の工事後には、仕切弁体が収容された弁蓋が既設管に取り付けられたままの状態になる。そのため、不要な止水弁を取り付けた状態のまま工事が完了することになる。また、前記工事で用いた止水弁を取り外して他の工事に再利用することができないため、止水工事ごとに仕切弁体を用意する必要がありコストダウンを図り得ない。
【0009】
したがって、本発明の主目的は既設管の流体の流れを止める仕切弁体を挿入し、この挿入した仕切弁体を撤去するのに適した不断流穿孔用の装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、仕切弁体の挿入および撤去を簡便な方法で行い得る不断流穿孔用の装置を提供することである。
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の装置は、穿孔機で既設管の管壁の一部を穿孔して前記管壁に開孔を形成し、当該既設管のラインに当該既設管の流体の流れを止める仕切弁体を挿入し、この挿入した仕切弁体を撤去するのに適した不断流穿孔用の装置であって、既設管の周方向に分割され既設管の一部を囲繞する第1および第2分割ケースと、前記第1分割ケースに一体に形成され既設管の径方向の上方に突出する枝管部に接合された弁蓋部とを有する密閉ケースと、前記弁蓋部と前記枝管部とで収容され既設管内に侵入して既設管内の流体の流れを止める仕切弁体と、前記密閉ケースの内周面と既設管の外周面との間において、既設管の周方向に沿って回転することにより、前記枝管部に形成された分岐孔を開閉する横断面円弧状の部分を有する作業用弁体と、前記第1分割ケースにおける前記内周面に設けられ前記作業用弁体が閉弁時に接触する弁座と、前記作業用弁体を回転させるための回転機構とを備え、前記回転機構は、前記密閉ケースの外において回転操作される操作部と、前記操作部の回転により回転する駆動ギヤ装置と、前記作業用弁体に設けられ前記駆動ギヤ装置の回転で前記作業用弁体を前記既設管の前記周方向に回転させる従動ギヤとを備えている。
【0011】
本発明によれば、不断流下において既設管の管壁の一部を穿孔して開孔を形成し、当該開孔から既設管内に仕切弁体を挿入してラインの流れを止めて下流での作業を行うことができる。また、前記作業後に仕切弁体を既設管内から枝管部に引き上げて通水することができる。
特に、この状態で作業用弁体を閉じ、仕切弁体を撤去することができる。
そのため、撤去した仕切弁体を他の工事に再利用することが可能となる。
【0012】
また、作業用弁体の横断面円弧状の部分が密閉ケースと既設管との隙間を、既設管に沿って回転するから、弁箱や弁蓋などの作業用弁体を収容する部分を別途設ける必要がない。そのため、装置が安価で小型になる。
また、円弧状の弁体は平板状の作業用弁体に比べ曲げ強度も大きくなる。そのため、作業用弁体を薄くすることが可能となる。
また、前記作業用弁体を収容する部分を別途設ける必要がないので、穿孔のストロークが短くなる。
【0013】
一方、仕切弁体を用いて既設管内の流体の流れを止める際には、作業用弁体を収容する部分を別途設ける必要がないので、仕切弁体を上下させるストロークが短くなる。
また、作業用弁体は管路にそのまま残るので、弁設置装置を用いる必要がなく、仕切弁体の撤去作業が極めて簡単になる。
【0014】
本発明の好ましい態様において、前記装置は、既設管に向かう水平の第1方向に向って開口し前記駆動ギヤ装置の一部が前記従動ギヤに歯合するのを可能とする内開口部と、前記第1方向とは逆の第2方向に向って開口する外開口部とを有し、前記駆動ギヤ装置の一部を収容する凹所を形成すると共に、前記外開口部から前記駆動ギヤ装置を挿入して組み立てることを可能とするギヤケース部が前記第1分割ケースに一体に設けられ、前記ギヤケース部の外開口部を閉塞するカバーが前記ギヤケース部に締結され、前記カバーを水平方向に貫通する貫通孔から前記操作部が第2方向に突出しており、前記カバーを前記ギヤケース部から取り外すことで、前記駆動ギヤ装置を前記ギヤケース部から前記外開口部を通して取り出すことが可能とされている。
【0015】
本態様によれば、前記凹所を形成するギヤケース部を設けることにより、前記ギヤケース部の外開口部から駆動ギヤ装置を挿入しカバーで前記ギヤケース部を閉塞することで装置を組み立てることができる。そのため、重い分割ケースの裏面側から駆動ギヤ装置を挿入して組み立てを行う必要がなくなる。すなわち、外開口部から駆動ギヤ装置の組み付けを行うことができる。そのため、装置の組み立て作業が著しく容易になる。
【0016】
本発明の好ましい態様において、前記駆動ギヤ装置は前記操作部と一体に回転するウオームと、前記ウオームの回転により回転するウオームホイールとを備えている。
ここで、組付作業中に作業用弁体が円周方向に動くと、組付の作業性が低下する。また、穿孔工事の完了後に、路面を車両が通過するのに伴い振動が発生するが、この振動により作業用弁体が円周方向に移動すると分岐孔が不用意に閉塞される。
本態様によれば、可逆性のないウオームとウオームホイールからなる歯車対を用いることにより、作業用弁体が不用意に動くおそれがない。
【0017】
本発明の好ましい態様において、前記カバーには前記ウオームホイールを回転自在に支持する軸受け部が一体に形成されている。
本態様によれば、ウオームホイールを予めカバーに形成した軸受け部に取り付けることで、カバーの取り付けとウオームホイールの組み付けとを同時に行うことができるから、組み立て時の作業性が著しく向上する。また、別途、ウオームホイールを回転自在に支持する支持部材等を設ける必要がなくなり、構造がシンプルになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の一実施例にかかる不断流穿孔用の装置を示す分解斜視図である。
【図2】図2は同装置を示す概略断面図である。
【図3】図3は第1分割ケースを示す分解された概略断面図である。
【図4】図4はウオームホイールのカバーへの取り付け構造を示す分解された概略側面図である。
【図5】図5は第1分割ケースを示す概略側面図である。
【図6】図6は作業用弁体を示す概略側面図である。
【図7】図7Aおよび図7Bは、それぞれ、不断流穿孔方法を示す装置等の概略断面図である。
【図8】図8Aおよび図8Bは、それぞれ、不断流穿孔方法を示す装置等の概略断面図である。
【図9】図9Aおよび図9Bは、それぞれ、不断流穿孔方法を示す装置等の概略断面図である。
【図10】図10は仕切弁体を取り付けた状態の装置等を示す概略断面図である。
【図11】図11は仕切弁体を取り付けた状態の装置等を示す概略断面図である。
【図12】図12は変形例を示す装置を示す概略断面図である。
【図13】図13A〜図13Dは従来の不断流穿孔方法を示す装置等の概略断面図である。
【図14】図14従来の不断流穿孔方法を示す装置等の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、添付の書類を参考にした以下の好的な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲のみによって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
【0020】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
実施例1:
まず、本装置の全体構成について説明する。
【0021】
不断流穿孔用の装置2:
図1および図2に示す本装置2は、既設管1の管内に流体(たとえば、水等)が流れている状態で、既設管1を囲繞し、不断流穿孔や仕切弁体の挿入・撤去等を行うためのものである。
すなわち、本装置2は、図8Aに示すように、ホールソー4を備えた穿孔機3で、既設管1の管壁12の一部を穿孔すると共に、図10に示すように、既設管1内に仕切弁体90を挿入して既設管1内の止水や、前記仕切弁体90の撤去を行うためのものである。
【0022】
図2に示すように、本装置2の密閉ケース20は、既設管1の周方向Rに分割された第1および第2分割ケース21,22を備えている。第1分割ケース21には、既設管1の管径方向Cに突出して分岐する枝管部27が一体に形成されている。
【0023】
分割ケース21,22:
前記第1および第2分割ケース21,22は、枝管部27の軸線27Lに略直交する仮想平面Hに沿って分割されている。一対の前記分割ケース21,22は、既設管1に対して既設管1の管径方向Cの上下から外嵌装着され、結合部25が図示しない組立ボルトにより互いに締結されて組み立てられる。
【0024】
図1および図2に示すように、各分割ケース21,22は、既設管1の外周面13に概ね沿って湾曲した内周面29をそれぞれ備えている。図1,図2および図5に示すように、各分割ケース21,22の結合部25と内周面29における前記既設管1の管軸方向Lの両端部とには、それぞれ、溝状のパッキン装着部24が形成されている。前記パッキン装着部24にはゴムパッキン26が装着され、既設管1と密閉ケース20との間や、第1分割ケース21と第2分割ケース22との間がシールされる。
なお、各分割ケース21,22の管軸方向Lの両端部に図示しないボルト挿通孔を更に設け、両端部を組立ボルトで締結してもよい。
【0025】
枝管部27:
図7A、図9および図10に示すように、前記枝管部27のたとえば板状フランジのような継手部81には、穿孔機3や弁蓋部92、蓋板95が取り付けられる。
たとえば、既設管1を穿孔するには、図7Aに示すホールソー4が回転しながら枝管部27の分岐孔28を通って、既設管1の管径方向Cに向って送り込まれることで、図8Aに示すように、既設管1の管壁12が切削されて、図8Bに示すように、該既設管1に開孔11が穿孔される。なお、図7Bに示すように、ホールソー4の回転中心には、該ホールソー4の位置決めを行うためのセンタードリル41が既設管1に向って突出して設けられている。
【0026】
作業用弁体5:
図2に示すように、前記既設管1と第1および第2分割ケース21、22との間には、それぞれ、第1および第2空間S1、S2が設けられている。前記第1空間S1と前記第2空間S2とは周方向Rに互いに連通しており、横断面円弧状の作業用弁体5を2つの分割ケース21,22にわたって移動できるように収容している。前記作業用弁体5は、分割ケース21,22の内周面29と既設管1の外周面13に沿って、かつ、既設管1の周方向Rに回転することにより、前記枝管部27の分岐孔28を開閉する。
【0027】
すなわち、図7Aの開弁時および図8Aの穿孔時において、作業用弁体5は前記第2空間S2に大半部分が収容されており、回転機構6により回転されて、図9Aおよび図9Bの閉弁時に大半部分が前記第1空間S1に収容されて分岐孔28を閉塞する。
両分割ケース21,22には、前記円弧状の作業用弁体5の回転を案内する案内部55(図5参照)が一体に設けられている。
【0028】
前記作業用弁体5を既設管1の周方向Rに回転させることにより、該作業用弁体5を図7Aに示す開弁位置と、図9Aに示す閉弁位置に回転移動させることが可能である。
【0029】
図2に示す枝管部27を有する第1分割ケース21には、前記枝管部27の分岐孔28および後述するギヤケース部70の周りに沿って略円周状にシール用のゴムリング(弁座の一例)56がゴムリング装着溝57に装着されている。
【0030】
作業用弁体5が図9Aに示す閉弁位置に回転移動されると、図6の作業用弁体5における網点で示す第1接触部5fが、図5の網点で示すゴムリング56の第2接触部56fに密着する。これにより、図9Aに示すように、前記分岐孔28が閉塞され、分割ケース21,22および作業用弁体5によって既設管1の開孔11の周囲が密閉される。
【0031】
なお、図6に示す作業用弁体5の両端部には図示しない貫通孔が形成されている。作業用弁体5に貫通孔を設けることにより、貫通孔にフックなどを通して作業用弁体5を吊り上げて粉体塗装を行うことが可能となると共に、作業用弁体5の軽量化が図られる。
【0032】
つぎに、本発明の要部について更に詳しく説明する。
回転機構6:
図2に示す前記第1分割ケース21には、作業用弁体5を回転させるための回転機構6が設けられている。
前記回転機構6は、第1分割ケース21の外において回転操作される操作部67と、前記操作部67の回転により回転する駆動ギヤ装置63と、前記作業用弁体5に形成され駆動ギヤ装置63の回転で該作業用弁体5を既設管1の周方向Rに沿って回転させる従動ギヤ51とを備えている。
【0033】
前記駆動ギヤ装置63は、前記操作部67と一体に回転するウオーム61と、ウオーム61の回転により回転するウオームホイール62からなる。前記ウオーム61とウオームホイール62とは歯合しており、ウオームホイール62には従動ギヤ51が歯合している。なお、ウオーム61の軸線方向は水平方向に設定されている。
【0034】
一方、図6に示すように、作業用弁体5の管軸方向Lの略中央には、従動ギヤ51が設けられている。図2に示すように、後述する凹所73(図3)から第1空間S1に向かってウオームホイール62が突出している。従動ギヤ51は、前記ウオームホイール62に歯合し、該ウオームホイール62の回転で前記周方向Rに回転することにより作業用弁体5を回転させる。
【0035】
すなわち、作業者が操作部67を回転させると、ウオーム61およびウオームホイール62を介して従動ギヤ51が回転されることで、作業用弁体5が回転される。
したがって、操作部67、駆動ギヤ装置63(ウオーム61,ウオームホイール62)および従動ギヤ51は作業用弁体5を回転させるための回転機構6を構成している。
【0036】
ギヤケース部70:
第1分割ケース21には、ギヤケース部70が該第1分割ケース21に一体に形成されている。ギヤケース部70は、図3に示すように、水平の第1方向Z1に向って開口し、前記ウオームホイール62が前記従動ギヤ51に歯合するのを可能とする内開口部74dと、前記第1方向Z1とは逆の第2方向Z2に向って開口する外開口部74uとを有する。前記ギヤケース部70は、前記駆動ギヤ装置63の一部を収容する凹所73を形成する。前記外開口部74uから前記駆動ギヤ装置63を挿入して組み立てることが可能である。
【0037】
図1および図2に示すように、前記第1および第2分割ケース21,22はそれぞれ前記既設管1に沿った曲面部30を有している。図1に示すように、前記ギヤケース部70は、第1分割ケース21の曲面部30から水平方向に延びる側壁71と、前記側壁71の前記第2方向Z2の端部に一体に形成され前記カバー66が締結されるフランジ72とを備えている。
したがって、カバー66はフランジ72を介して図示しないボルトによりギヤケース部70に締結され、該ギヤケース部70の外開口部74uを閉塞する。なお、カバー66とフランジ72との間にはゴムパッキン(図示せず)が介挿される。
【0038】
駆動ギヤ装置63のカバー66への取り付け;
図3に示すように、前記操作部67はウオーム61の前記第2方向Z2の端部に一体に形成されている。
一方、図4に示すように、カバー66の前記第1方向Z1の端部には支持部66bが一体に形成されており、該支持部66bには軸受け部(孔)65が形成されている。前記軸受け部65には、ウオームホイール62を回転自在に支持するための回転軸64が挿通される。
前記回転軸64がウオームホイール62および軸受け部65に挿通されることにより、図2に示すように、ウオームホイール62がカバー66に対して回転自在に取り付けられる。
【0039】
一方、図3に示すカバー66には、該カバー66を水平方向に貫通する貫通孔66aが形成されている。前記ウオーム61は、図2に示すように、前記ウオームホイール62に歯合するように、カバー66の貫通孔66aに回転自在に取り付けられる。ウオーム61をカバー66に取り付けると、ウオーム61の前記第1方向Z1の端部に形成された操作部67が前記貫通孔66aから第2方向Z2に突出する。
【0040】
したがって、カバー66に、ウオーム61およびウオームホイール62からなる駆動ギヤ装置63と、操作部67とを予め取り付けることができる。当該取り付けは、工場出荷時に行われるが、工事現場で行われることもある。
【0041】
カバー66の組み付け;
図3に示すように、前記凹所73には、第1方向Z1に向って開口する内開口部74dが形成されている。図2に示すように、前記外開口部74uから駆動ギヤ装置63を凹所73に挿入して組み立てると、前記内開口部74dからウオームホイール62の一部が作業用弁体5に向って突出し、ウオームホイール62と作業用弁体5の従動ギヤ51とが歯合される。
【0042】
一方、図2および図3に示すように、前記ギヤケース部70には、ウオーム61の第1方向Z1の端部61dを回転自在に支持する底壁部75が一体形成されている。
したがって、カバー66をギヤケース部70に組み付けると、ウオームホイール62に従動ギヤ51が歯合されると共に、ウオーム61の端部61dが第1分割ケース21の底壁部75に回転自在に支持される。
【0043】
本態様においては、ウオームホイール62は軸受け部65に挿通された回転軸64によって回転自在に支持されており、ウオーム61の端部61dは第1分割ケース21の軸受け部65に回転自在に支持されている。したがって、内開口部74dから駆動ギヤ装置63(ウオーム61,ウオームホイール62)が内部に侵入しない。
【0044】
一方、図2に示す駆動ギヤ装置63(ウオーム61,ウオームホイール62)を第1分割ケース21から取り外す際には、カバー66を第2方向Z2に向って取り外す。前述したように、前記カバー66には、駆動ギヤ装置63が取り付けられているので、該カバー66をギヤケース部70から取り外すと、駆動ギヤ装置63がギヤケース部70から前記外開口部74uを通して取り出される。
【0045】
作業用弁体5およびゴムリング56:
前記作業用弁体5は、既設管1の外周面13に沿って湾曲した凹面53と、図9Aおよび図9Bに示す閉弁位置において前記分岐孔28に対向する凸面52とを備えている。
前記作業用弁体5は、図2に示す閉弁位置において、凸面52における前記ゴムリング56の第2接触部56fに接触する第1接触部5fが前記従動ギヤ51の表面よりも既設管1の管径方向Cに突出している。
【0046】
図6に示すように、前記閉弁位置(図2)において、前記ゴムリング56(図5)が接触する第1接触部5f(網点で示した部分)はループ状に形成されている。前記ループ状の第1接触部5f(網点で示した部分)の内側の領域5aにおいて、前記作業用弁体5に従動ギヤ51が形成されている。
【0047】
図4に示すように、前記ウオームホイール62はウオーム61(図3)に歯合するように、既設管1(図2)の管軸方向Lに対して斜めに形成されたヘリカルギヤ62aで構成されている。一方、図6に示すように、前記作業用弁体5の従動ギヤ51はウオームホイール62(図4)に歯合するようにヘリカルギヤで形成されている。
【0048】
作業用弁体5に形成された従動ギヤ51は、斜め方向に形成されている。そのため、従動ギヤ51がウオームホイール62に歯合することにより、カバー66に回転力が作用する。このカバー66の回転を防止するにはカバー66の支持部66b等が凹所73(図3)に係合するのが好ましい。
【0049】
従動ギヤ51の表面には、たとえばタールエポキシ樹脂などが塗布されており、かつ、従動ギヤ51を除く作業用弁体5の部位には粉体塗装が施されている。
【0050】
不断流穿孔方法:
まず、図10の仕切弁体90を挿入するための開孔11を穿孔する方法について説明する。
図2の既設管1内に流体が流れている状態で、該既設管1の外周面13を囲繞するように両分割ケース21,22を取り付ける。この取り付け後、作業者は、前記組立ボルトにより両分割ケース21,22を組み立てる。
なお、前記作業用弁体5は、まず、枝管部27の分岐孔28を塞いだ閉弁位置に設定される。前記閉弁状態の分割ケース21,22と既設管1との間に水を注入して、水漏れがないことを確認するための水密試験を行ってもよい。
【0051】
その後、図7Aに示すように、開弁し、更に、作業者は、枝管部27の継手部81に、穿孔機3の継手部31をボルトを用いて取り付ける。こうして、本装置2は、既設管1の一部を気密状態で囲繞する。
【0052】
前記囲繞後、図7Bに示すように、ホールソー4を回転させながら既設管1に向って穿孔方向C1に移動させると、センタードリル41が既設管1の管壁12を切削し、該センタードリル41を中心に回転するホールソー4が既設管1に対して位置決めされる。その後、図8Aに示すように、ホールソー4によって既設管1の管壁12の一部が切り取られ開孔11が形成される。
前記センタードリル41およびホールソー4による穿孔後、図8Bに示すように、ホールソー4を退避方向C2に移動させる。
【0053】
その後、作業者が操作部67を回転させると、ウオーム61に歯合するウオームホイール62が回転し、ウオームホイール62に歯合する従動ギヤ51によって、作業用弁体5が案内部55(図5)に案内されて、前記分岐孔28の閉弁方向R1に回転され、開弁位置の作業用弁体5が、図9Aに示す閉弁位置に移動される。前記作業用弁体5の閉弁位置への移動により、作業用弁体5がゴムリング56の表面に密着し、分岐孔28が閉塞される。
この閉塞後、穿孔機3を図9Bに示すように装置2から取り外す。
【0054】
仕切弁体90の挿入および撤去方法:
その後、図10に示すように、第1分割ケース21の継手部81に弁蓋部92の継手部91を図示しないボルトを用いて取り付け、密閉ケース20を形成する。弁蓋部92内には仕切弁体90の一部が収容されている。仕切弁体90は、弁蓋部92と枝管部27とで収容され、既設管1の開孔11内に侵入して既設管1の水の流れを止めるものである。
【0055】
作業者が操作部67を逆回転させると、作業用弁体5が開弁方向R2に回動されて開弁位置(図7A)に移動される。
その後、周知のように、仕切弁体90を下方向C1に移動させて既設管1内に侵入させることで、既設管1内の水の流れを止める。止水された既設管1の下流で種々の作業が行われる。
【0056】
前記作業後、仕切弁体90を上方向C2に移動させると、既設管1の下流に水が流れる。
その後、作業者が操作部67を回転させると、作業用弁体5が閉弁方向R1に回動されて閉弁位置に移動される。
【0057】
前記作業用弁体5の閉弁位置への移動後、つまり図10の状態から継手部91および弁蓋部92を第1分割ケース21から取り外す。
その後、図11に示すように、第1分割ケース21の継手部81に蓋板95の継手部96を図示しないボルトを用いて取り付けて密閉する。
したがって、回収された仕切弁体90および弁蓋部92は他の工事に用いることができる。
【0058】
なお、万一、駆動ギヤ装置63に不具合が生じ、作業用弁体5を開弁方向R2に回転させることができない場合には、カバー66を取り外して駆動ギヤ装置63を取り出すことができる。
【0059】
変形例:
図12は変形例を示す。
図12に示す変形例では、回転機構6のウオーム61の軸線が上下方向Cに設定されている。そのため、凹所73は上方向C2に向って開口していると共に、該開口をカバー66が閉塞している。
その他の構成は、実施例1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0060】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
前述した実施例では、既設管を囲繞するケースは第1および第2分割ケースの2分割としたが3分割以上であってもよい。
また、既設管を囲繞するケースは鋳造品であってもよいし、鋼板で形成されてもよい。鋼板で形成した場合には、第1および第2分割ケースを仮に組み立てた状態で溶接することにより2つの分割ケースを一体に形成してもよい。
さらに、ゴムパッキンは分割ケースに設けられる必要はなく、ゴムパッキンは弁体に設けられてもよい。
また、ギヤケース部は第2分割ケース側に設けられていてもよい。
したがって、以上のような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の不断流穿孔用の装置は、水道やガスなどの既設管のラインに当該既設管の仕切弁体を挿入し、この挿入した仕切弁体を撤去するのに用いることができる。
【符号の説明】
【0062】
1:既設管
2:装置
3:穿孔機
5:作業用弁体
6:回転機構
20:密閉ケース
21:第1分割ケース
22:第2分割ケース
27:枝管部
51:従動ギヤ
56:ゴムリング(弁座の一例)
61:ウオーム
62:ウオームホイール
63:駆動ギヤ装置
65:軸受け部
67:操作部
74u:外開口部
75d:内開口部
90:仕切弁体
92:弁蓋部
R:周方向
Z1:第1方向
Z2:第2方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿孔機で既設管の管壁の一部を穿孔して前記管壁に開孔を形成し、当該既設管のラインに当該既設管の流体の流れを止める仕切弁体を挿入し、この挿入した仕切弁体を撤去するのに適した不断流穿孔用の装置であって、
既設管の周方向に分割され既設管の一部を囲繞する第1および第2分割ケースと、前記第1分割ケースに一体に形成され既設管の径方向の上方に突出する枝管部に接合された弁蓋部とを有する密閉ケースと、
前記弁蓋部と前記枝管部とで収容され既設管内に侵入して既設管内の流体の流れを止める仕切弁体と、
前記密閉ケースの内周面と既設管の外周面との間において、既設管の周方向に沿って回転することにより、前記枝管部に形成された分岐孔を開閉する横断面円弧状の部分を有する作業用弁体と、
前記第1分割ケースにおける前記内周面に設けられ前記作業用弁体が閉弁時に接触する弁座と、
前記作業用弁体を回転させるための回転機構とを備え、前記回転機構は、
前記密閉ケースの外において回転操作される操作部と、
前記操作部の回転により回転する駆動ギヤ装置と、
前記作業用弁体に設けられ前記駆動ギヤ装置の回転で前記作業用弁体を前記既設管の前記周方向に回転させる従動ギヤとを備えた不断流穿孔用の装置。
【請求項2】
請求項1において、既設管に向かう水平の第1方向に向って開口し前記駆動ギヤ装置の一部が前記従動ギヤに歯合するのを可能とする内開口部と、前記第1方向とは逆の第2方向に向って開口する外開口部とを有し、前記駆動ギヤ装置の一部を収容する凹所を形成すると共に、前記外開口部から前記駆動ギヤ装置を挿入して組み立てることを可能とするギヤケース部が前記第1分割ケースに一体に設けられ、
前記ギヤケース部の外開口部を閉塞するカバーが前記ギヤケース部に締結され、
前記カバーを水平方向に貫通する貫通孔から前記操作部が第2方向に突出しており、
前記カバーを前記ギヤケース部から取り外すことで、前記駆動ギヤ装置を前記ギヤケース部から前記外開口部を通して取り出すことが可能とされた不断流穿孔用の装置。
【請求項3】
請求項2において、前記駆動ギヤ装置は前記操作部と一体に回転するウオームと、前記ウオームの回転により回転するウオームホイールとを備える不断流穿孔用の装置。
【請求項4】
請求項3において、前記カバーには前記ウオームホイールを回転自在に支持する軸受け部が一体に形成されている不断流穿孔用の装置。
【請求項1】
穿孔機で既設管の管壁の一部を穿孔して前記管壁に開孔を形成し、当該既設管のラインに当該既設管の流体の流れを止める仕切弁体を挿入し、この挿入した仕切弁体を撤去するのに適した不断流穿孔用の装置であって、
既設管の周方向に分割され既設管の一部を囲繞する第1および第2分割ケースと、前記第1分割ケースに一体に形成され既設管の径方向の上方に突出する枝管部に接合された弁蓋部とを有する密閉ケースと、
前記弁蓋部と前記枝管部とで収容され既設管内に侵入して既設管内の流体の流れを止める仕切弁体と、
前記密閉ケースの内周面と既設管の外周面との間において、既設管の周方向に沿って回転することにより、前記枝管部に形成された分岐孔を開閉する横断面円弧状の部分を有する作業用弁体と、
前記第1分割ケースにおける前記内周面に設けられ前記作業用弁体が閉弁時に接触する弁座と、
前記作業用弁体を回転させるための回転機構とを備え、前記回転機構は、
前記密閉ケースの外において回転操作される操作部と、
前記操作部の回転により回転する駆動ギヤ装置と、
前記作業用弁体に設けられ前記駆動ギヤ装置の回転で前記作業用弁体を前記既設管の前記周方向に回転させる従動ギヤとを備えた不断流穿孔用の装置。
【請求項2】
請求項1において、既設管に向かう水平の第1方向に向って開口し前記駆動ギヤ装置の一部が前記従動ギヤに歯合するのを可能とする内開口部と、前記第1方向とは逆の第2方向に向って開口する外開口部とを有し、前記駆動ギヤ装置の一部を収容する凹所を形成すると共に、前記外開口部から前記駆動ギヤ装置を挿入して組み立てることを可能とするギヤケース部が前記第1分割ケースに一体に設けられ、
前記ギヤケース部の外開口部を閉塞するカバーが前記ギヤケース部に締結され、
前記カバーを水平方向に貫通する貫通孔から前記操作部が第2方向に突出しており、
前記カバーを前記ギヤケース部から取り外すことで、前記駆動ギヤ装置を前記ギヤケース部から前記外開口部を通して取り出すことが可能とされた不断流穿孔用の装置。
【請求項3】
請求項2において、前記駆動ギヤ装置は前記操作部と一体に回転するウオームと、前記ウオームの回転により回転するウオームホイールとを備える不断流穿孔用の装置。
【請求項4】
請求項3において、前記カバーには前記ウオームホイールを回転自在に支持する軸受け部が一体に形成されている不断流穿孔用の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−132969(P2011−132969A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−290193(P2009−290193)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(399130348)株式会社水研 (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(399130348)株式会社水研 (19)
【Fターム(参考)】
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