説明

不溶性物質を水性溶液中に分散させる方法および農業用製剤

【課題】不溶性物質を水性溶液中に分散させる方法および農業用組成物を提供する。
【解決手段】不溶性物質を水性溶液中に分散させる方法は、下記工程:
(i)少なくとも1種の不溶性物質および少なくとも1種の分散剤を含有する配合物を用意する工程;
(ii)この配合物を水性媒質中に分散させる工程、
を包含し、上記分散剤は、コポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、および上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、また少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有しており、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、および上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよびその他の求電子反応剤との反応から誘導される置換基を有していてもよい側鎖の芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される方法である。上記第二コモノマーは、リモネンおよび類似テルペン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、ビニルピリジン、ビニルチオフェン、ビニルナフタレン、ビニルフラン、ビニルピランおよびビニルピロリドンからなる群から選択することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、農業用途で使用するための分散剤に関し、特に本発明は、改良された分散能力(dispersibility)を有し、また改良された浮動能力(suspensibility)を示す分散液を形成するコポリマー分散剤を用いる不溶性物質の分散方法に関する。本発明はまた、分散性組成物の製造方法、このような組成物それ自体およびこのような組成物から製造された分散液による基体の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの農業用途における有効成分は、ほとんど疎水性であるか、または水不溶性の特徴を有し、従ってやむを得ず、多くの場合に水性媒体に懸濁された微粉砕された固形物として施用される。これらの有効成分の大部分は、別の不溶性不活性充填剤が添加されていてもよい濃縮物の形態で製造され、また市販されている。このような濃縮物は施用に先立ち稀釈される。一例として、有効成分は代表的に、懸濁濃縮物(SC)、湿潤性粉末(WP)または水分散性顆粒(WG)の形態で入手することができる。しかしながら、有効成分の一般的疎水性物性によって、例えば手により、または最低の機械的混合により達成することができるような最低の撹拌下に均一な分散液を得るためには、適当な分散剤の添加が必須である。
さらにまた、均一な分散液を得た後、生成する懸濁液は、少なくとも噴霧などの慣用の手段による施用が可能であるのに充分な時間、安定なままでなければならない。微粉砕された固形物のいずれかの固化、凝集または綿状固形物の生成は、好ましくなく、また無効の施用をもたらすことがあり、また噴霧装置を詰まらせることもある。従って、均一な分散液を容易に提供し、また水性分散液の施用期間中、その安定性を維持する懸濁液をもたらす分散剤を提供することが要求されている。
これらの用途で使用するのに有効な分散剤は、理想的には、許容される分散能力、浮動能力、および無凝集性を有する懸濁液を提供するものである。Collaborative International Pesticides Analytical Council(CIPAC Handbook Volume 1)は、許容される浮動能力(MT 15.1 )および凝集の程度(MT 59.3 )の測定に使用することができる方法を定めている。
【0003】
一例として、SC組成物と称される懸濁濃縮物(suspension concentrates)の場合、これは、標準的分散剤を約3〜5w/w%の量で添加することによって得ることができる。湿潤篩保有試験(wet sieve retentiontest)(MT 59.3)により測定して、許容される浮動能力および凝集程度を得るためには、湿潤性粉末(WP)組成物および水分散性顆粒(WG)組成物には一般に、6〜7w/w%程度の標準的分散剤の添加が必要である。
SC組成物用に現在使用されている分散剤は、疎水性基およびエチレンオキサイドを基材とするエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロックコポリマー界面活性剤を包含する。また、非イオン性界面活性剤、特にトリスチリルフェノールエトキシレートのエーテルホスフェート誘導体が使用されている。使用されている慣用のアニオン性界面活性剤は、アリールホルムアルデヒド縮合体のスルホネート化誘導体、ポリアクリレート類およびリグノスルホネート類を包含する。
【0004】
WPおよびWG組成物用の分散剤は通常、この分散剤が周辺温度で固形であり、非ゲル化性であり、また有効成分を溶解しないという要件により制限される。これらの理由で、慣用の非イオン性界面活性剤はしばしば、不適であり、アニオン性界面活性剤が好まれる。WPおよびWG組成物用の公知の有効分散剤は、スルホネート化アルキルナフタレン/ホルムアルデヒド縮合体塩およびリグノスルホネート塩を包含する。
α−オレフィン−ポリカルボキシレートコポリマーは、顔料分散液、エマルジョン重合、化粧品および殺虫組成物を包含する広範囲の用途で、分散剤としてよく知られている。1972年にさかのぼって、無水マレイン酸のナトリウム塩とジイソブチレンとのコポリマーが、United States Environmental Protection Authorityにより、殺虫組成物に使用するために、許容免除が与えられ、次いでRohm and Haas Co.から申請された。FR2545325には、無水マレイン酸のアンモニウム塩およびアルカリ金属塩−ジイソブチレンコポリマーを殺虫剤顆粒中に使用することが記載されている。
【0005】
同様に、EP201417は、エトキシル化フェノール誘導体の硫酸塩およびリン酸塩から選択される界面活性剤と無水マレイン酸とのコポリマーのWPおよびWG組成物における使用を開示している。JP62036302は、5000〜20000の分子量範囲を有するコポリマーを、顆粒状農芸化学組成物に使用することを開示している。無水マレイン酸とジイソブチレンとのコポリマー誘導体を、CaCO3およびMg塩と組み合わせて、SC組成物に使用することは、JP0609,302に記載されている。無水マレイン酸のコポリマーのスルホネート化誘導体を、水分散性顆粒に使用することはまた、JP58-131903 に記載されている。
フランス国特許No.2,397,444は、無ダスト性粉末または顆粒物質から調製することができる有効成分の安定で、濃縮された分散液を開示している。酸性樹脂、例えば無水マレイン酸とα−オレフィン化合物とのコポリマーの塩を存在させて有効成分を分離し、水性媒体とともに2相系を形成する有機溶剤を添加し、担体基体をそこに添加することによって、このような2相系を処理し、次いで水の添加により有機溶剤を水中に徐々に移し、有機相の容積を減少させることによって、生成物を分離することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
我々はここに、オレフィンモノマーおよびα,β−不飽和オキシ酸モノマーを包含する或る範囲の誘導体化コポリマーを使用すると、驚くべきことに、元のコポリマーを使用した場合に比較して、WG組成物の分散能力および分散された農業用活性成分の浮動能力が改良されることを見出した。この改良はまた、驚くべきことに、交互コポリマーばかりでなく、またランダムおよびブロックコポリマーを包含する別種のコポリマーの範囲でも見出される。
我々は、農業用組成物の分散剤として使用するための、交互コポリマーの農業上で許容される塩または水溶性誘導体が、スルホネート化アルキルナフタレン/ホルムアルデヒド縮合体塩などの慣用の分散剤に比較して、改良された、一定の分散性能を提供することを見出した。しかしながら、我々はさらにまた、これらのコポリマーばかりでなく、また非交互コポリマーが、より大きくさえある改良をもたらすことを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に記載されている、このようなコポリマーの製造方法および誘導体化は、ポリマー合成技術にかかわる当業者にとって周知である。
本発明の第一の態様に従い、不溶性物質を水性媒質中に分散させる方法が提供され、この方法は、下記工程:
(i)少なくとも1種の不溶性物質および少なくとも1種の分散剤を含有する配合物を用意する工程、および
(ii)この配合物を水性媒質中に分散させる工程、
を包含し、上記分散剤は、コポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、そして上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、また少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有しており、
ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、そして上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよびその他の求電子反応剤との反応から誘導される置換基を有していてもよい側鎖芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、方法である。
【0008】
本発明の第二の態様に従い、農業用組成物の製造方法が提供され、この方法は、下記工程:
(i)少なくとも1種の不溶性物質および少なくとも1種の分散剤を配合する工程;
(ii)この配合物を、所望の粒子サイズに微粉砕し、安定で容易に懸濁させることができる水性分散液を生成する工程;および
(iii)この水性分散液を、安定化し、農業用に水で稀釈するのに適するSC組成物を得る工程;
を包含し、上記分散剤は、コポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、そして上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、また少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有しており、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、そして上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよびその他の求電子反応剤との反応から誘導される置換基を有していてもよい、側鎖芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、方法である。
【0009】
本発明の第三の態様に従い、農業用組成物の製造方法が提供され、この方法は、下記工程:
(i)少なくとも1種の不溶性物質を、少なくとも1種の分散剤と配合する工程:および
(ii)この配合物を、所望の粒子サイズに微粉砕し、均一の湿潤性粉末(WP)組成物を生成する工程;
を包含し、上記分散剤は、コポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基および第二コモノマーの残基を含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、そして上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、また少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有しており、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、そして上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよびその他の求電子反応剤との反応から誘導される置換基を有していてもよい、側鎖芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、方法である。
【0010】
本発明の第四の態様に従い、農業用組成物の製造方法が提供され、この方法は、下記工程:
(i)農業用途で使用するのに適する少なくとも1種の不溶性物質を、少なくとも1種の分散剤と配合する工程;および
(ii)この配合物を混合し、均一の湿潤性粉末(WP)組成物を生成する工程;
を包含し、上記分散剤は、コポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、そして上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、また少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有しており、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、および上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよびその他の求電子反応剤との反応から誘導される置換基を有していてもよい、側鎖芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、方法である。
【0011】
本発明の第五の態様に従い、農業用組成物の製造方法が提供され、この方法は、下記工程:
(i)農業用途で使用するのに適する少なくとも1種の不溶性物質を、少なくとも1種の分散剤と配合する工程;
(ii)この配合物を凝集させ、分離した顆粒材料を生成する工程;および
(iii)この顆粒材料を乾燥させ、水分散性顆粒(WG)組成物を得る工程;を包含し、上記分散剤は、コポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、そして上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、また少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有しており、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、および上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよびその他の求電子反応剤との反応から誘導される置換基を有していてもよい側鎖芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、方法である。
【0012】
本発明の第六の態様に従い、第二、第三、第四および第五の態様の方法によって製造される組成物が提供される。
【0013】
本発明の第七の態様に従い、農業用組成物が提供され、この農業用組成物は、少なくとも1種の不溶性物質および少なくとも1種の分散剤を含有し、上記分散剤は、コポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、そして上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、また少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有しており、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、および上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよびその他の求電子反応剤との反応から誘導される置換基を有していてもよい側鎖芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、組成物である。
【0014】
本発明の第八の態様に従い、基体を不溶性物質により処理する方法が提供され、この方法は、下記工程:
(i)少なくとも1種の不溶性物質および少なくとも1種の分散剤を含有する配合物を製造する工程、
(ii)この配合物を水性媒質中に分散させる工程、および
(iii)この分散された配合物を基体に適用する工程、
を包含し、上記分散剤は、コポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、および上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、また少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有しており、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、そして上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよびその他の求電子反応剤との反応から誘導される置換基を有していてもよい側鎖芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、方法である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
コポリマーの誘導体化は、本明細書に記載されている発明にとって中心的に重要である。理論によって拘束されることを望むものではないが、水中における溶解性の増強に加えて、分散液に追加の極性または電荷密度を付与することができ、これによりその性能を増強することができるものと見做される。さらにまた、コポリマーの良好な形状上の配列を導くことができ、従ってこのコポリマーは、さらに容易に溶解し、またそれ自体で表面に容易に配列することができる。我々は、アルカリ金属塩または四級アンモニウム塩誘導体として使用した場合、分散剤として使用するには不適である非交互コポリマーを、本発明に従い誘導体化すると、それらの分散剤としての性能が格別に改良されることを見出した。
本発明で使用する第一コモノマーは、第二コモノマーと重合させることができる全部のコモノマーであることができる。
【0016】
本発明の好適な第一コモノマーは、フマール酸、マレイン酸およびその無水物、およびこれらから誘導されるエステル、アミドおよびイミド、イタコン酸およびその無水物、およびこれらから誘導される対応するエステル、アミドおよびイミド、アクリル酸およびメタアクリル酸、エステルおよびアミド、ビニルホスホン酸およびこれから誘導される対応するエステルおよびアミド、ならびにエチレンスルホン酸およびこれから誘導されるエステルおよびアミドを包含する。
本発明で使用する第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、本明細書に記載されているとおりに置換基を有することができる。
本発明の第二の態様で使用する第二コモノマーは、重合性エキソ−環状二重結合を有する脂環族モノマーである。脂環族モノマーの用語は、環状アルキル、環状アルケニルまたはヘテロ環状基などの基を有する脂肪族環状モノマーを意味し、このモノマーは、1個または2個以上の炭素環状環またはヘテロ環状環を有することができるものであると理解されるべきである。
【0017】
エキソ−環状(exo-cyclic)の用語は、アルキリデン置換環状構造基を意味するものと理解されるべきである。重合性エキソ−環状二重結合を有する脂環族モノマーは、置換基を有していてもよい。本発明の重合性エキソ−環状二重結合を有する脂環族モノマーは、例えばβ−ピネン、5−エチリデン−2−ノルボーネン、メチレンシクロヘキサンおよびメチレンシクロペンタンを包含する。最も好適な脂環族モノマーは、重合性エキソ−環状二重結合を有する。
本発明の第二の態様で使用する第二コモノマーは、重合性エンド−環状(endo-cyclic)二重結合を有する環状脂肪族モノマーであることができる。脂環族モノマーの用語の意味は、上記定義のとおりである。エンド−環状の用語は、重合性二重結合を、脂環族モノマーの環構造の両端(または一端)に有することを意味する。重合性エンド−環状二重結合を有する脂環族モノマーは、置換基を有することができる。重合性エンド−環状二重結合を有する脂環族モノマーは、置換基を有するおよび未置換のノルボーネン、シクロペンタジエンおよび置換基を有するシクロペンタジエン、置換基を有するおよび未置換のジシクロペンタジエン、シクロヘキセン、フランおよびインデンを包含することができる。
【0018】
最も好適なエンド−環状二重結合を有する上記モノマーは、ジシクロペンタジエンおよびジメチルジシクロペンタジエンである。
本発明の第二の態様で使用する第二コモノマーは、少なくとも1個の環状置換基を有するα−オレフィンであることができる。α−オレフィンの用語は、末端二重結合を有するオレフィン化合物を意味するものと理解されるべきである。適当な環状置換基は、ベンゼンおよび置換ベンゼン、シクロペンタン、シクロヘキサンおよびその他の脂環族基、ヘテロ環状基、ヘテロ芳香族基および多芳香族基を包含する。適当なα−オレフィン環状化合物の例は、リモネンおよび類似のテルペン類、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、ビニルピリジン、ビニルチオフェン、ビニルナフタレン、ビニルフラン、ビニルピランおよびビニルピロリドンを包含する。最も好適なα−オレフィン環状モノマーは、リモネン、ビニルナフタレン、ビニルピロリドン、アリルグリシジルエーテルおよびビニルシクロヘキセンを包含する。
【0019】
本発明の第二の態様で使用する第二コモノマーは、ジイソブチレン、イソブチレン、n−オクテン、n−デセン、アリグリシジルエーテルまたはビニルイソブチルエーテルからなる群から選択されるアルキル基を有するα−オレフィンであることができる。第二のコモノマーはまた、内部オレフィン(internal olefin)であることができる。
第一コモノマーの好適例は、下記構造Iを有するものとして説明することができる:
【化1】

【0020】
(式中、R1は、M金属、四級アンモニウム、ホスホニウムまたはスルホニウム残基であり、R2は、水素またはC1〜C4アルキルは炭素原子であり、Yは、炭素O=SまたはPOR1、水素原子または炭素原子1〜10個を有するアルキル基(またはカルボキシル化されたこのような基)であり、およびR4は、H、アルキル基または式IIで表わされるカルボン酸誘導体である:
【化2】


(式中、R5は、OR6、NR67、SR6であり、ここでR6,R7は、H、アルキル、O−アルキル、またはヘテロ原子置換基を有するアルキル基である)。
【0021】
この第二コモノマーは、別様には、式IIIを有する残基:
【化3】


(式中、R8は、水素を表わすか、もしくは炭素原子1〜4個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキルを表わし、R9は、水素を表わすか、もしくは炭素原子1〜12個を有する分枝鎖状アルキル基またはシクロアルキル基を表わす)、
【0022】
および/または式IVで表わされるビニル化合物:
【化4】


(式中、R10は、炭素原子1〜4個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキル基であり、およびR11は、式V、VIまたはVIIで表わされる基である:
【化5】


各式中、R12は、1種または2種以上のアルキル基、もしくは1種または2種以上のH、Cl、ORおよびSO31、NO2、PO31を表わし、およびXは、炭素以外のヘテロ原子である)、
【0023】
および/または式VIIIで表わされるオレフィン:
【化6】


(式中、R13は、ClまたはSO31、アルキル、O−アルキル、O−アリールであり、およびR14は、Hを環状または多環状アルカンまたはポリアルケニル化合物にするような、4〜20個の炭素原子を表わし、R15は、R14を包含する環の不飽和部分と反応されるSO31またはエポキシドである)、
【0024】
および/または式IXで表わされるエキソ環状オレフィン:
【化7】


および/または式Xで表わされる内部オレフィン:
【化8】


(式中、R9は、同一または相違しており、上記定義のとおりである)
であると説明することができる。
【0025】
本発明の分散剤コポリマーはまた、不飽和α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物、ならびにオレフィン系モノマーの組合わせの水溶性誘導体であるコポリマー(このコポリマーは、交互構造体に制限されない)をまた包含することができ、このコポリマーは、当該ポリマーの電荷または極性の調整し、また水溶性を強化することができるのに必要な置換基を備えているように、共重合後に誘導体化されていることができる。このような誘導体化は、酸および酸誘導体などのコポリマー側鎖基をアルコール、アミンおよびチオールなどと反応させ、それぞれエステル、アミドおよびチオエステルを生成する反応を包含する。
もう一つの誘導体化方式では、残留反応性不飽和を有するコポリマーを、ペルオキサイドまたはスルフィンなどの求電子反応剤またはラディカル反応剤と反応させ、それぞれエポキシドおよびスルホネートを生成する反応を包含する。
上記の特別の場合、側鎖にアリールまたはヘテロアリール基を有するコポリマーを、スルホネート化剤、ナイトレート化剤およびホスホネート化剤による求電子正芳香族置換に付すことができる。
【0026】
理論に拘束されることを望むものではないが、ヒドロキシル基を有するコポリマーは、カルボン酸、硫酸およびリン酸を包含する酸化合物によりエステル化することができる。別様に、または反復して、この単位は、好ましくはモノマーであるが、またダイマー、トリマーまたは小型オリゴマーであることもできる。
理論に拘束されることを望むものではないが、ポリマー分子の剛性が、分散剤としてのその性能に関連するものと考えられる。改良された分散剤性能は、立体干渉およびコモノマーの自由回転に対する抵抗性に関連するものと考えられる。
コポリマーは、追加のコモノマー残基を含有することができる。例えば、10%よりも少ない量でメチルメタアクリレートを添加しても、誘導体化されたコポリマーの特性は、実質的に変化しない。このコポリマーは、誘導体化されているか、または誘導体化されていない、追加のオレフィンコモノマーの残基を含有することができる。本発明で使用するのに適するコモノマーはまた、3種または4種以上のコモノマーのコポリマーを包含する。追加のコモノマーはまた、当該ポリマーの特性を変更させることなく、誘導体化コポリマー中に組み入れることができる。
【0027】
理論に拘束されることを望むものではないが、不変の疎水性を有するポリマー幹鎖に、当該ポリマーに沿って一定の間隔をあけてアニオン電荷または立体干渉が存在すると、改良された分散剤性能が保有されるものと見做される。
本発明のコポリマーの好適分子量は、1000〜90000ダルトンの範囲にある。我々は、或る種の高分子量コポリマーが、溶液中で或る程度の制御困難性を示すことを見出した。我々のさらに好適な範囲は、1000〜30000ダルトン、特にさらに好適な範囲は、1000〜10000ダルトンである。
我々は、本明細書に記載のコポリマーの農業上で許容される塩を農業用組成物に分散剤として使用すると、スルホネート化アルキルナフタレンホルムアルデヒド縮合体塩などの慣用の分散剤に比較して、改良された、不変の分散剤性能が得られることを見出した。
【0028】
本明細書に記載のとおりのコポリマーが、例えば無水マレイン酸とのジイソブチレン、イソブチレンおよびスチレンコポリマーなどの従来技術で以前に開示された分散剤構造に比較して、増強された性能を示すのに対して、同一刊行物に記載されているその他の誘導体が、農業用途で分散剤として妥当に使用することは全くできないということは、驚くべきことである。一例として、我々は、スチレン−無水マレイン酸コポリマー誘導体が、ほとんど安定ではなく、また時には、不安定な分散液をもたらすことを見出している。さらにまた、メチレンビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー誘導体はまた、不安定な分散液をもたらす。同様に、数種の線状α−オレフィン無水マレイン酸誘導体、例えばn−オクテンおよびn−デセンから誘導される誘導体はまた、不安定な分散液を生成し、貧弱な浮動能力を生じる。本発明による上記コポリマーの置換された、または誘導体化されたコポリマーは、コポリマーの性能を制限するものと見做される分子量および/または分子形態による可能な作用によって、制限されない改良された性能を示すことを見出した。
【0029】
本明細書に記載のコポリマーの性能は、WPおよびWG組成物において、種々の分散剤濃度で見出すことができ、改良された保存安定性を示す。我々はまた、多くの場合に、分散剤濃度を、通常許容されるレベルから低下させることができ、また許容される浮動能力を保有することができ、これにより分散剤の表面被覆力をさらに充分なものとすることができることを見出した。実際に、このことは、この分散剤が最終使用者にとってさらに価格的効果を有することを意味する。このコポリマーの使用率を、類似の分子量を有するジイソブチレン/無水マレイン酸ナトリウム塩コポリマーの使用率と比較した場合、我々は、本発明のコポリマーが、対応するジイソブチレン誘導体よりも低濃度で、許容される安定性が得られることを見出した。さらにまた、この組成物は代表的に、改良された分散能力を示す。スルホネート化アルキルナフタレン/ホルムアルデヒド共縮合体に比較して、低濃度においてさえも、浮動能力は充分に改良される。
【0030】
本発明の第二の態様のコポリマーの第一コモノマーおよび第二コモノマーからの製造方法は、ポリマー合成技術の当業者によく知られている。本発明のコモノマーは、重合前または重合後、置換することができ、この置換方法は、当業者にとって明白である。
本発明の態様で用いられる分散剤系は、本明細書に記載のコポリマーと当業者に公知の分散剤との混合物であることができる。このような公知分散剤は、アルキル置換および未置換スルホネート化ナフタレン/ホルムアルデヒド縮合体塩、アルキル置換および未置換フェノール/ホルムアルデヒド縮合体塩、リグノスルホネート塩、ポリアクリレート塩、および従来開示されているα−オレフィン不飽和ジカルボン酸コポリマー誘導体を包含する。
農業用途では、有効成分などの広く種々の不溶性物質を、水性懸濁液に分散させる。WP、WGおよびSC組成物に使用されるものなどの有効成分は一般に、大気温度で不溶性である。
【0031】
WP、WGおよびSC組成物に有利に使用することができる水不溶性物質は、除草剤、殺虫剤、カビ殺傷剤、生物殺傷剤、軟体動物駆除剤、アルジサイド、植物成長調整剤、駆虫剤、殺鼠剤、線虫駆除剤、ダニ駆除剤、アメーバ駆除剤、原虫駆除剤、肥料、作物無毒性賦形剤ならびに担体およびその他の助剤を包含する。このような活性剤の例は通常、顆粒にされているか、または粉末として製造されており、農業分野で、シマジン(simazine)、アトラジン(atrazine)、ターブチラジン(terbuthylazine)、ターブトリン(terbutryn)、プロメトリン(prometryn)およびアメトリン(ametryn)などのトリアジン系除草剤、ジウロン(diuron)およびフルオメトロン(fluometron)などの尿素系除草剤、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron mehtyl)、ニコスルフロン(nicosulfuron)およびトリアスルフロン(triasulfuron)などのスルホニル尿素系除草剤、
【0032】
フルメトサラム(flumetsulam)などのスルホンアニリド系除草剤、アジンホスメチル(azinphos mehtyl)、クリピリホス(chlopyrifos)、スルプロホス(sulprofos)およびアザメチホス(azamethiphos)などの有機ホスフェート系除草剤、アルジカルブ(aldicarb)、ベンジオカルブ(bendiocarb)およびBPMCなどのカルバメート系除草剤、ビフェンチリン(bifenthrin)などの合成ピレトリン類似化合物、ならびにジメトモルフ(dimethomorph)、ベノミル(benomyl)、カルベンダジン(carbendazin)、マンコゼブ(mancozeb)、トリアゾール類[例えばヘキサコナゾール(hexaconazole)およびジニコナゾール(diniconazole)を包含する]などの各種タイプのカビ駆除剤、プロパルギン(propargine)などのダニ駆除剤を包含する。
このような製品のリストは、Pesticide Dictionary(Farm Chemicals Handbook に含まれる)またはBritish Crop Protection Society:Pesticides Manualから引き出すことができる。
【0033】
さらに、或る種の肥料およびまた水溶性活性成分は、取り扱いを容易にする不活性担体または制御放出組成物用の助剤を添加することによって、水分散性組成物に使用することができる。
充填剤および担体(例えば、これらに制限されないものとして、天然および合成ケイ酸塩類およびケイ酸塩鉱物、鉱物酸化物および水酸化物、およびまた天然および合成により誘導される有機物質)を包含する広く種々のその他の不溶性物質を、農業用途に使用することができる。このような物質は、多孔質担体として、除湿剤として、添加することができ、これにより組成物の結合または凝集物性を補助することができ、または単純に、組成物を都合のよい重量にすることができる。このような充填剤の例は、ケイソウ土などの天然ケイ酸塩類、合成沈降シリカ類、クレイ(例えば、カオリン、アタパルガイトおよびベントナイト)、ゼオライト、二酸化チタン、鉄酸化物および水酸化物、アルミニウム酸化物および水酸化物、またはバガス、木炭などの有機材料、もしくは合成有機ポリマーを包含する。これら別種の不溶性物質は、本発明に従い容易に分散させることができる。
【0034】
上記組成物中に使用される分散剤と組合わせて用いられる慣用の追加の助剤には、界面活性湿潤剤(surfactant wetting agent)がある。SC組成物の場合の湿潤剤の役割は、製造中の粒子表面からの空気の分離を助け、また水中への稀釈を助けることにある。WP組成物の場合、水の役割は、水中への固形物の浸透を助けることにあり、一方、WG組成物の場合、水中への顆粒の浸透を助けることができ、また顆粒を初めの粒子サイズに戻す崩壊を助けることができることにある。或る種の場合、分散剤はそれ自体で、界面活性湿潤剤として機能することができ、また別の点で、分散剤はまた、水に対する拮抗作用を示すことができる。本発明の追加の態様として、少なくとも1種の界面活性湿潤剤は、アルキル多糖類、ジまたはモノアルキルスルホスクシネート誘導体、不活性ケイ酸塩担体上に付加されている非イオン性界面活性剤、および尿素界面活性剤錯体の形態で放出される非イオン性界面活性剤からなる群から選択することができる。
【0035】
組成物を水性媒質中に分散させる工程は、組成物の性質に応じて、いずれか慣用の手段により行うことができる。組成物の水性媒質中における分散は、手によるか、または最低の機械的撹拌により行うことができる。機械的撹拌は、撹拌、混合、配合およびその他類似の処理を包含することができる。
水性媒質中の不溶性物質の懸濁液は、代表的に、植物などの基体またはその他の農業上の媒質の処理に使用することができる。基体上への懸濁液の適用は、噴霧などを包含する慣用の手段により達成することができる。顆粒は一般に、水に溶解した後、農業従事者により噴霧される。農場の噴霧は、小型背負い式ハンドスプレイまたは大型のブームスプレイ、もしくはその他慣用の手段であることができる。空中噴霧もまた、時には使用される。
本発明による組成物はまた、分散前に、基体に直接に適用することもできる。雨またはその他の水性媒質の引き続く施用は、粒子状物質の懸濁液の形成に充分である。
【0036】
本発明を、WP、PGおよびSC組成物にかかわり説明する。それぞれの場合、これらの組成物は、微粉砕された不溶性で疎水性の粒子の安定な水性分散液を提供する。この分散液の安定性物性および分散液の効力は、CIPAC 試験 MT15.1により記載されている浮動能力試験によって測定することができる。
この試験では、懸濁された物質の容積分率を、30分後に、比重により析出した容積分率と比較する。代表的に、WGおよびWP組成物の場合の有効分散剤としては、約80%の浮動能力パーセンテージが報告されており、またSC組成物の場合は、90%よりも大きいことが予想される。分散液の安定性にかかわるもう一つの尺度は、粒子が凝集しないまま残される程度である。これは、組成物中の分散剤の均一分布性を表わすことができる。粒子が凝集することができる程度は、多くの場合、CIPAC試験 MT59.3に記載されている湿潤篩保有試験により測定される。この試験では、分散された固形物を、細かい篩目の篩を通して注入し、保有された物質を、分散された物質の総量の関数として測定する。このような凝集物の生成は、WG組成物に見出される主要問題であり、WP組成物では、あまり問題ではない。
【0037】
一般に、WP組成物は、活性成分を単独で、または充填剤、分散剤および/または界面活性湿潤剤と組み合わせて、代表的に5〜15μm範囲の適当な粒子サイズに微粉砕することによって製造される。この微粉砕された物質を次いで、すでに存在していない場合には、界面活性湿潤剤および/または分散剤と配合し、または追加の界面活性湿潤剤および/または分散剤と配合し、均質組成物を生成する。粉末状組成物は、CIPAC MT53.5.1などの方法に従い湿潤能力について、またCIPAC MT15.1により浮動能力について評価する。組成物は、1分間よりも短い湿潤能力および80%以上の浮動能力を有することが望ましい。60%以下は一般に、許容されないものと考えられる。市場で許容されるか否かの結果は、組成物それら自体による標準値により、または局地承認機関により決定される。
WG組成物の場合、代表的に5〜15μm範囲の粒子サイズを有する別種の充填剤を用いて、または用いることなく、適当に微粉砕された有効成分を、1種または2種以上の界面活性湿潤剤および1種または2種以上の分散剤と混合することができる。代表的には、過剰の水を添加し、粒子を一緒に凝集物に結合させる。過剰の水は、後刻に、適当な空気乾燥技術により最適レベルに減少させる。
【0038】
この凝集物を、代表的に当業者に周知である、パン式顆粒形成、ドラム式顆粒形成、流動床式顆粒形成、噴霧乾燥、錠剤形成または押出し技法を包含する多くの技法の1種を用いて顆粒に形成する。
湿潤剤および分散剤は、有効成分と粉末配合するか、または別法として、凝集の補助に使用される水中の水性溶液として配合することができる。有効成分、充填剤、湿潤剤および分散剤はまた、水の添加に先立ち、1回の操作で一緒に微粉砕することができる。
許容されるWG組成物の場合、顆粒が水中で容易に分散し、短期間内に、初期の分散粒子サイズに戻るという、追加の要件を有する。この性質は、分散能力として知られており、本発明の説明においては、顆粒が標準的撹拌下に、水中で初めの粒子サイズに戻って分散するのに要する時間を測定する。1分間よりも短い分散時間が望ましく、20秒間は優れており、また2分間では貧弱である。
【0039】
好ましくは、これらの顆粒はまた、良好な浮動能力を有していなければならない。この浮動能力は代表的に、CIPAC MT15.1を用いて試験する。80%以上が好ましい結果であり、60%よりも少ないと、一般に望ましくないものと見做される。顆粒を試験するかなりの場合、いわゆる最高表面被覆力の結果が、しばしば得られる。これは、この浮動能力の結果が最高レベルに達し、次いで平らになる場合である。追加の分散剤を添加しても、一般に、結果は改良されない。この現象は、物質の粒子サイズ分布によるものであると考えられる。通常、分散剤の種類および濃度に関係なく、粒子が固化するサイズの粒子が一定数で存在する。
望ましくは、これらの顆粒は、低い湿潤篩保有率を有するべきである。湿潤篩保有率は、代表的に、CIPAC MT59.3を用いて試験される。150μmの篩の場合、0.1%よりも少ない物質が保有されると好ましい。0.02%よりも少ないと、さらに好ましい。同様に、53μmの篩の場合、0.6%よりも少ないと、好ましく、これよりもいずれかの程度で少ないと、さらに好ましい。
【0040】
WG組成物のもう一つの好ましい性質は、顆粒がダストを形成せず、また摩擦耐性であることである。これはしばしば、使用される顆粒形成方法およびそこで得られる圧縮程度に固有の性質である。多くの場合、WG組成物の分散性物性と圧縮レベルおよび摩擦耐性との間に釣り合いが見出される。摩擦耐性は、顆粒を一定の程度の撹拌に付し、種々のサイズの篩に通すことによって、顆粒形成された粒子の小さい方の粒子のレベルを測定することにより測定することができる。
保存安定性は、摂氏50度で保存することによって試験することができ、また1ヶ月および3ヶ月以上試験して、いずれかの性質に相当な変化が生じるか否かを測定する。
好ましくは、顆粒は、保存中に、これらの性質を保持すべきである。驚くべきことに、延長された保存期間において、本明細書に記載されているような分散剤を含有するWPおよびWG組成物などの固形組成物は、従来の組成物のような分散能力および浮動能力に対する有害な作用を受けないことが見出された。
【0041】
我々はまた、本明細書に記載されているような分散剤が配合されているWPおよびWG組成物が代表的に、現時点で公知のWPおよびWG組成物に比較して、少量の分散剤を必要とすることを見出した。
本発明のもう一つの態様として、WPおよびWG組成物の場合、本明細書に記載の分散剤は、アルキル多糖類、ジアルキルおよびモノアルキルスルホスクシネート塩、多孔質担体上に負荷されている非イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤の尿素界面活性剤錯体を包含する群から選択される界面活性湿潤剤と組み合わせることができる。この湿潤剤は、1%w/wよりも過剰に、好ましくは3%w/wよりも少ない量で、このような組成物に配合することができる。最も好適な形態のアルキル多糖類の群の湿潤剤は、グルコースと一級炭化水素アルコールとの反応によって誘導されるアルキルポリグルコシドである。エコテリック(ECOTERIC)AS 20およびエコテリック(ECOTERIC)AS 10(Orica Australia Pty Ltd.)から得られるものなどの高結晶誘導体は、さらに好適でさえある。
【0042】
モノアルキルスルホスクシネート群の最も好適なものは、シクロヘキシル、イソオクチルおよびn−オクチルスルホスクシネートのナトリウム塩またはカリウム塩である。ジアルキルスルホスクシネート群の最も好適なものは、ジシクロヘキシル、ジイソオクチルおよびジ−n−オクチルスルホスクシネートのナトリウム塩またはカリウム塩である。多孔質担体上に付加されている非イオン性界面活性剤群の最も好適なものは、テリック(TERIC)157(Orica Australia Pty Ltd.)のような担体上に付加されているエトキシレート化界面活性剤である。尿素界面活性剤錯体群の最も好適なものは、テルベット(TERWET)7050(Orica Australia Pty Ltd.)のようなアルコールエトキシレート界面活性剤の尿素付加化合物である。本明細書に記載の湿潤剤は、組成物に対して良好な湿潤能力および分散能力を示し、また開示されているコポリマー分散剤と組み合わせて、保存安定性を示すという追加の利点を有する。
【0043】
本発明のSC組成物の場合、活性成分は代表的に、好ましくは慣用の非イオン性分散剤と組み合わされている界面活性湿潤剤とともに、分散剤を含有する水中に添加する。保湿剤をまた、含有させることができる。高剪断混合を用いて、分散液を生成する。この分散液を次いで、数種の湿式粉砕手段のいずれかを用いて、微粉砕し、分散された固形物の平均粒子サイズを、5μm以下、さらに代表的には1〜3μmの範囲にする。生成する生成物は、ミルベース(millbase)として知られており、これは凍結防止剤、増粘剤および固化防止剤などの添加剤により変性することができ、次いで生物殺傷剤および着色剤を添加することができる。許容されるSC組成物の場合、この組成物は、経過時間にわたる高度の増粘、固化または凝集物の成長を示してはならない。これらの物理学的性質は、目で観察することによって評価することができる。
SCには一般に、良好な粘度および保存安定性が要求される。保存安定性は通常、上部固化または離液、沈降または底部粘着性層の形成傾向を有する「クレー化」(claying )および必ずしも固化は示さないが分散液を分離する傾向を有する「ブリード」(bleeding)により評価することができる。再分散能力はまた、重要である。これらはまた、目で見て評価することができる。
【0044】
SC組成物にかかわり、本明細書に記載の分散剤の場合、或る種の分散剤コポリマーのみが適当である。単独で使用する場合、数種の分散剤コポリマーは、微粉砕に不適のスラリー状プレミックスの粘度を付与する。従って、このような分散剤は、もう一種の迅速作用性の周知の分散剤、例えばEP/POブロックコポリマー型分散剤と組み合わせる。理論に拘束されることを望むものではないが、このような分散剤は、分散された粒子の表面に移動する時間を必要とするものと見做される。いくつかの場合、この分散剤コポリマーは、別種の公知分散剤とともに使用する。
本発明を、農業用組成物にかかわり説明したが、分散能力および浮動能力にかかわる改良が本発明を別の用途にも有用なものにすることは明白である。ここで、本発明を、下記の非制限的例および表によりさらに説明する。別段の記載がないかぎり、本明細書に記載のパーセンテージは全部が、総組成物の重量によるものである。
【実施例】
【0045】
例1
下記組成を有するシマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を製造した:
シマジン テク.
(Simazine tech.)
(98%w/w) 91.8%w/w
モルウエット EFW
(MORWET EFW)
(Witco Co. ) 1.5
分散剤 6.2
水 0.5%
【0046】
使用された分散剤は、アルキルナフタレンホルムアルデヒド縮合体塩、SCS2258(ICI Surfactants)であった。固形物を約15重量%の水と混合し、可塑性プレミックスを生成し、次いでこのプレミックスを、Fuji-Paudal実験室規模押出し顆粒形成機を用いて、顆粒を押出し形成した。生成する顆粒を次いで、流動床ドライヤーを用いて乾燥させ、約0.5%w/wの水含有量に戻した。
均一撹拌下に全崩壊に要する時間を秒単位で記録することによって、生成するWGを分散能力について試験した。浮動能力は、CIPAC MT15.1に従い試験し、また湿潤篩保有率は、CIPAC MT59.3に従い、150ミクロンおよび53ミクロンの篩を用いて試験した。これらの結果を表1に記録する。
【0047】
例2
シマジン(Simazine)900g/kgWGを、例1に記載のとおりに製造し、また試験した。使用した分散剤は、ポリホン(POLYFON )H(Westvaco Corp.)、リグノスルホネート塩であった。これらの結果を表1に記録する。
例3
下記組成を有するシマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を製造した:
シマジン テク.
(Simazine tech.)
(98%w/w) 91.8%w/w
アトプラス G7350
(ATPLUS G73050 )
(現在、商品名TERWET7050として販売されている、
Orica Australia Pty Ltd.) 1.5
分散剤 3.1
カオリン 3.1
水 0.5%
【0048】
使用された分散剤は、見掛け上の分子量20,000〜30,000を有する、n−オクテンと無水マレイン酸との交互コポリマーのナトリウム塩であった。この顆粒は、例1に記載の方法で製造し、また試験した。これらの結果を表1に示す。
例4
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例3に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、n−デセンと無水マレイン酸とのコポリマーのナトリウム塩であった。これらの結果を表1に示す。
例5
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例3に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、見掛け上の分子量20,000〜30,000を有する、ジイソブチレンと無水マレイン酸とのコポリマーのナトリウム塩であった。これらの結果を表1に示す。
【0049】
例6
WG組成物を、例3に記載のとおりに製造し、また試験した。分散剤は、スチレンと無水マレイン酸との1:1モル比のコポリマーであるSMA1000 (Atochem Inc.)のナトリウム塩であった。これらの結果を表1に示す。
例7
WG組成物を、例3に記載のとおりに製造し、また試験した。分散剤は、スチレンと無水マレイン酸との3:1モル比のコポリマーであるSMA3000(Atochem Inc.)のナトリウム塩であった。これらの結果を表1に示す。
例8
WG組成物を、例3に記載のとおりに製造し、また試験した。分散剤は、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマーであるガントレズ(GANTREZ)AN119樹脂(Rhodia Inc.)のナトリウム塩であった。これらの結果を表1に示す。
【0050】
例9
下記組成を有するシマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を製造した:
シマジン テク.
(Simazine tech.)
(98%w/w) 91.8%w/w
アトプラス G7350
(ATPLUS G73050)
(現在、商品名TERWET7050として販売されている、
Orica Australia Pty Ltd. ) 1.5
分散剤 3.1
カオリン 3.1
水 0.5%
【0051】
使用された分散剤は、モルホリンアミド誘導体を生成するモルホリンとの反応により誘導体化されている、n−オクテンと無水マレイン酸とのコポリマーのナトリウム塩であった。この顆粒は、例1に記載の方法で製造し、また試験した。これらの結果を表2に示す。
例10
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例9に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、n−デセンと無水マレイン酸とのコポリマーのモルホリンアミド誘導体のナトリウム塩であった。これらの結果を表2に示す。
例11
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例9に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、スチレンと無水マレイン酸との1:1モル比コポリマーであるSMA1000 (Atochem Inc.)のモルホリンアミド誘導体のナトリウム塩であった。これらの結果を表2に示す。
【0052】
例12
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例9に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、スチレンと無水マレイン酸との3:1モル比コポリマーであるSMA3000 (Atochem Inc.)のモルホリンアミド誘導体のナトリウム塩であった。これらの結果を表2に示す。
例13
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例9に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、スチレンと無水マレイン酸との1:1モル比コポリマーであるSMA1000 (Atochem Inc.)の芳香族スルホネート化誘導体のナトリウム塩であった。これらの結果を表2に示す。
例14
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例9に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、対応するモノアミドを生成するアンモニアにより誘導体化されている、アルファメチルスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーのナトリウム塩であった。これらの結果を表2に示す。
【0053】
例15
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例9に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、対応するエタノールアミドを生成するエタノールアミンにより誘導体化されている、アルファメチルスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーのナトリウム塩であった。これらの結果を表2に示す。
例16
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例9に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、対応するn−ブチルアミドを生成するn−ブチルアミンにより誘導体化されている、アルファメチルスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーのナトリウム塩であった。これらの結果を表2に示す。
例17
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例9に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、対応するモルホリンアミドを生成するモルホリンにより誘導体化されている、アルファメチルスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーのナトリウム塩であった。これらの結果を表2に示す。
【0054】
例18
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例9に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、対応するアミドを生成するモルホリンにより誘導体化されている、ジシクロペンタジエンと無水マレイン酸とのコポリマーのナトリウム塩であった。これらの結果を表2に示す。
例19
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例9に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、ジシクロペンタジエンと無水マレイン酸とのコポリマーのナトリウム塩のスルホネート化誘導体であった。これらの結果を表2に示す。
例20
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例9に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、ジメチルジシクロペンタジエンと無水マレイン酸とのコポリマーのナトリウム塩のスルホネート化誘導体であった。これらの結果を表2に示す。
【0055】
例21
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例9に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、対応するモルホリンアミドを生成するモルホリンにより誘導体化されている、ジメチルジシクロペンタジエンと無水マレイン酸とのコポリマーのナトリウム塩であった。これらの結果を表2に示す。
例22
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例9に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマーである、ガントレズ(Gantrez)AN119(Rhodia Corp.)のモルホリンアミド誘導体のナトリウム塩であった。これらの結果を表2に示す。
例23
シマジン(Simazine)900g/kgWG組成物を、例9に記載の方法で製造し、また試験した。分散剤は、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマーである、ガントレズ(Gantrez)AN119(Rhodia Corp.)のシクロヘキシルアミド誘導体のナトリウム塩であった。これらの結果を表2に示す。
【0056】
例24
下記組成を有するアトラジン(Atrazine)900g/kgSC組成物を製造した:
アトラジン テク.
(Atrazine tech.)(97%w/w) 51.5%w/w
モノエチレングリコール 4.0
分散剤 4
シリコーン発泡防止剤 0.2
ロードポール23
(Rhodopol 23 )(Rhodia Inc. ) 0.2
プロキセル GXL20
(Proxel GXL20)(Zeneca plc) 0.1
水 55.0%
【0057】
使用された分散剤は、ジシクロペンタジエンと無水マレイン酸とのスルホネート化コポリマーのナトリウム塩であった。SCは、モノエチレングリコール、アトロックス(ATLOX)4896Aおよび分散剤を水85%中に溶解し、次いでアトラジン テク.および発泡防止剤を、激しく混合しながら添加し、スラリーまたはミルベースのプレミックスを生成した。このプレミックスを次いで、ダイノミル(Dynomill)実験室規模ビーズミルを用いて、微粉砕し、5ミクロン以下の粒子が>98%である適当な粒子サイズ分布を得た。このようにして得られたミルベースを、プレミックス中のプロキセル GXL20(Zeneca plc)およびロードポール23(Rhodia Inc.)と配合し、次いで残りの水により所望容積にし、次いで混合し、均一混合物を得た。このようにして得られたSCは、使用可能な粘度を有しており、また摂氏2度および摂氏50度において1か月間保存した後、保存安定性であるとともに、最低の離液現象および増粘を示し、またクレー化、沈降または凝集は見出されない。
【0058】
【表1】

【0059】
0 初期結果
1 50℃で1ヶ月保存した後
3 50℃で3ヶ月保存した後
【0060】
【表2】

【0061】
0 初期結果
1 50℃で1ヶ月保存した後
* データはまだ、入手できないことを示す
− 試験を中断したことを示す
【0062】
本明細書に記載の発明が、詳細には記載されているもの以外の変更および修正を受けることができることは、当業者にとって明白である。本発明は、その精神および範囲内に入る、このような変更および修正の全部を包含するものと理解されるべきである。本発明はまた、本明細書に、個別に、または集合的に記載されているか、または引用されている、その工程、特徴、組成および化合物の全部を包含し、またこれらの工程または特徴のいずれか2または3以上の組合わせの全部を包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不溶性物質を水性溶液中に分散させる方法であって、下記工程:
(i)少なくとも1種の不溶性物質および少なくとも1種の分散剤を含有する配合物を用意する工程、および
(ii)この配合物を水性媒質中に分散する工程、
を包含し、上記分散剤はコポリマーを含有しており、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、また上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、および少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有し、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、また上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよび求電子反応剤との反応から誘導されるその他の置換基を有していてもよい側鎖の芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、分散方法。
【請求項2】
第一コモノマーが、フマール酸、マレイン酸およびその無水物、およびこれらから誘導されるエステル、アミドおよびイミド、イタコン酸およびその無水物、およびこれらから誘導される対応するエステル、アミドおよびイミド、アクリル酸およびメタアクリル酸、エステルおよびアミド、ビニルホスホン酸およびこれから誘導される対応するエステルおよびアミド、ならびにエチレンスルホン酸およびこれから誘導されるエステルおよびアミドからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第二コモノマーが、β−ピネン、5−エチリデン−2−ノルボーネン、メチレンシクロヘキサンおよびメチレンシクロペンタンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第二コモノマーが、置換基を有するおよび未置換の、ノルボーネン、シクロペンタジエンおよび置換基を有するシクロペンタジエン、置換基を有するおよび未置換の、ジシクロペンタジエン、シクロヘキセン、フランおよびインデンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第二コモノマーが、リモネンおよび類似のテルペン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、ビニルピリジン、ビニルチオフェン、ビニルナフタレン、ビニルフラン、ビニルピランおよびビニルピロリドンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第二コモノマーが、ジイソブチレン、イソブチレン、n−オクテン、n−デセン、アリグリシジルエーテルまたはビニルイソブチルエーテルからなる群から選択される、アルキル基を有するα−オレフィンである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第一コモノマーが、構造Iを有する、請求項1に記載の方法:
【化1】


式中、R1は、M金属、四級アンモニウム、ホスホニウムまたはスルホニウム残基であり、R2は、水素またはC1〜C4アルキルであり、Yは、炭素原子、O=SまたはPOR1、水素原子または炭素原子1〜10個を有するアルキル基(またはカルボキシル化されたこのような基)であり、およびR4は、H、アルキル基または下記式IIで表されるカルボン酸誘導体である:
【化2】


(式中、R5は、OR6、NR67、SR6であり、ここでR6、R7は、H、アルキル、O−アルキル、またはヘテロ原子置換基を有するアルキル基である)。
【請求項8】
第二コモノマーが、構造IIIを有し:
【化3】


(式中、R8は、水素を表わすか、もしくは炭素原子1〜4個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキルを表わし、R9は、水素を表わすか、もしくは炭素原子1〜12個を有する分枝鎖状アルキル基またはシクロアルキル基を表わす)
および/または式IVで表わされるビニル化合物:
【化4】


(式中、R10は、炭素原子1〜4個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキル基であり、およびR11は、式V、VIまたはVIIで表わされる基である:
【化5】


各式中、R12は、1種または2種以上のアルキル基、もしくは1種または2種以上のH、Cl、ORおよびSO31、NO2、PO31を表わし、およびXは、炭素以外のヘテロ原子である)、
および/または式VIIIで表わされるオレフィン:
【化6】


(式中、R13は、ClまたはSO31、アルキル、O−アルキル、O−アリールであり、およびR14は、Hを環状または多環状アルカンまたはポリアルケニル化合物にするような、4〜20個の炭素原子を表わし、R15は、R14を包含する環の不飽和部分と反応されるSO31またはエポキシドである)、
および/または式IXで表わされるエキソ環状オレフィン:
【化7】


および/または式Xで表わされる内部オレフィン:
【化8】


(式中、R9は、同一または相違しており、上記定義のとおりである)
である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
コポリマーが、当該コポリマーの特性を実質的に変更しない追加のコモノマー残基をさらに含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1種の不溶性物質および少なくとも1種の分散剤を含有する農業用組成物であって、上記分散剤は、コポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、また上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、および少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有し、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、また上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよび求電子反応剤との反応から誘導されるその他の置換基を有していてもよい側鎖芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、農業用組成物。
【請求項11】
組成物が、懸濁濃縮物(SC)、湿潤性粉末(WP)または水分散性顆粒(WG)の形態である、請求項10に記載の農業用組成物。
【請求項12】
第一コモノマーが、フマール酸、マレイン酸およびその無水物、およびこれらから誘導されるエステル、アミドおよびイミド、イタコン酸およびその無水物、およびこれらから誘導される対応するエステル、アミドおよびイミド、アクリル酸およびメタアクリル酸、エステルおよびアミド、ビニルホスホン酸およびこれから誘導される対応するエステルおよびアミド、ならびにエチレンスルホン酸およびこれから誘導されるエステルおよびアミドからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
第二コモノマーが、β−ピネン、5−エチリデン−2−ノルボーネン、メチレンシクロヘキサンおよびメチレンシクロペンタンからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
第二コモノマーが、置換基を有するおよび未置換の、ノルボーネン、シクロペンタジエンおよび置換基を有するシクロペンタジエン、置換基を有するおよび未置換の、ジシクロペンタジエン、シクロヘキセン、フランおよびインデンからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
第二コモノマーが、リモネンおよび類似テルペン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、ビニルピリジン、ビニルチオフェン、ビニルナフタレン、ビニルフラン、ビニルピランおよびビニルピロリドンからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
第一コモノマーが、ジイソブチレン、イソブチレン、n−オクテン、n−デセン、アリグリシジルエーテルまたはビニルイソブチルエーテルからなる群から選択されるアルキル基を有するα−オレフィンからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
第一コモノマーが、下記構造Iからなる群から選択される、請求項10に記載の方法:
【化9】


(式中、R1は、M金属、四級アンモニウム、ホスホニウムまたはスルホニウム残基であり、R2は、水素またはC1〜C4アルキルであり、Yは、炭素原子、O=SまたはPOR1、水素原子または炭素原子1〜10個を有するアルキル基(またはカルボキシル化されたこのような基)であり、およびR4は、H、アルキル基または下記式IIで表わされるカルボン酸誘導体である:
【化10】


(式中、R5は、OR6、NR67、SR6であり、ここでR6、R7は、H、アルキル、O−アルキル、またはヘテロ原子置換基を有するアルキル基である)。
【請求項18】
第一コモノマーが、III:
【化11】


(式中、R8は、水素を表わすか、もしくは炭素原子1〜4個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキルを表わし、R9は、水素を表わすか、もしくは炭素原子1〜12個を有する分枝鎖状アルキル基またはシクロアルキル基を表わす)、
および/または式IVで表わされるビニル化合物:
【化12】


(式中、R10は、炭素原子1〜4個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキル基であり、およびR11は、式V、VIまたはVIIで表わされる基である:
【化13】


各式中、R12は、1種または2種以上のアルキル基、もしくは1種または2種以上のH、Cl、ORおよびSO31、NO2、PO31を表わし、およびXは、炭素以外のヘテロ原子である)、
および/または式VIIIで表わされるオレフィン:
【化14】


(式中、R13は、ClまたはSO31、アルキル、O−アルキル、O−アリールであり、およびR14は、Hを環状または多環状アルカンまたはポリアルケニル化合物にするような、4〜20個の炭素原子を表わし、R15は、R14を包含する環の不飽和部分と反応されるSO31またはエポキシドである)、
および/または式IXで表わされるエキソ環状オレフィン:
【化15】


および/または式Xで表わされる内部オレフィン:
【化16】


(式中、R9は、同一または相違しており、上記定義のとおりである)
からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
コポリマーが、当該コポリマーの特性を実質的に変更しない追加のコモノマー残基をさらに含有する、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
分散剤が、水に容易に溶解する、請求項10に記載の農業用組成物。
【請求項21】
分散剤が、コポリマーの農業上で許容される塩であり、ここでこの塩は、ナトリウム、カリウムおよび/またはアンモニウムイオンを包含する、請求項10に記載の農業用組成物。
【請求項22】
コポリマーが、多アニオン性である、請求項10に記載の農業用組成物。
【請求項23】
コポリマーが、その遊離塩の形態である、請求項10に記載の農業用組成物。
【請求項24】
分散剤が、コポリマーの水溶性の農業上で許容される誘導体であり、この誘導体は、ポアルキレンオキシ誘導体、ポリエチレングリコール誘導体、ポリアミド誘導体およびポリビニルアルコール誘導体からなる群から選択される、請求項10に記載の農業用組成物。
【請求項25】
コポリマーが、1000〜90000ダルトンの範囲である、請求項10に記載の農業用組成物。
【請求項26】
コポリマーが、1,000〜30,000ダルトンの範囲である、請求項10に記載の農業用組成物。
【請求項27】
コポリマーが、10,000〜30,000ダルトンの範囲である、請求項10に記載の農業用組成物。
【請求項28】
水不溶性物質が、除草剤、殺虫剤、カビ殺傷剤、生物殺傷剤、軟体動物駆除剤、アルジサイド、植物成長調整剤、駆虫剤、殺鼠剤、線虫駆除剤、ダニ駆除剤、アメーバ駆除剤、原虫駆除剤、肥料、作物無毒性賦形剤および担体、ならびにその他の助剤からなる群から選択される、請求項10に記載の農業用組成物。
【請求項29】
組成物が、界面活性湿潤剤をさらに含有する、請求項10に記載の農業用組成物。
【請求項30】
農業用組成物の製造方法であって、下記工程:
(i)少なくとも1種の不溶性物質および少なくとも1種の分散剤を配合する工程;
を包含し、上記分散剤はコポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、また上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、および少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有し、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、また上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよび求電子反応剤との反応から誘導されるその他の置換基を有していてもよい側鎖の芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、農業用組成物の製造方法。
【請求項31】
下記工程:
(i)少なくとも1種の不溶性物質および少なくとも1種の分散剤を配合する工程;
(ii)この配合物を、安定で容易に懸濁させることができる水性分散液を生成する、粒子サイズ範囲に微粉砕する工程;および
(iii)この水性分散液を、安定化し、農業用途に水で稀釈するのに適するSC組成物を得る工程;
を包含し、上記分散剤はコポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、また上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、および少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有し、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、また上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよび求電子反応剤との反応から誘導されるその他の置換基を有していてもよい側鎖芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
下記工程:
(i)少なくとも1種の不溶性物質を、少なくとも1種の分散剤と配合する工程;および
(ii)この配合物を、所望の粒子サイズに微粉砕し、均一の湿潤性粉末(WP)組成物を生成する工程;
を包含し、上記分散剤はコポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、また上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、および少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有し、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、また上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよび求電子反応剤との反応から誘導されるその他の置換基を有していてもよい側鎖の芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
下記工程:
(i)農業用途で使用するのに適する少なくとも1種の不溶性物質を、少なくとも1種の分散剤と配合する工程;および
(ii)この配合物を混合し、均一の湿潤性粉末(WP)組成物を生成する工程;
を包含し、上記分散剤はコポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、また上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、および少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有し、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、また上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよび求電子反応剤との反応から誘導されるその他の置換基を有していてもよい側鎖の芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
下記工程:
(i)農業用途で使用するのに適する少なくとも1種の不溶性物質を、少なくとも1種の分散剤と配合する工程;
(ii)この配合物を凝集させ、分離した顆粒材料を生成する工程;および
(iii)この顆粒材料を乾燥させ、水分散性顆粒(WG)組成物を得る工程;を包含し、上記分散剤はコポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、また上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、および少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有し、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、また上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよび求電子反応剤との反応から誘導されるその他の置換基を有していてもよい側鎖の芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
第一コモノマーが、フマール酸、マレイン酸およびその無水物、およびこれらから誘導されるエステル、アミドおよびイミド、イタコン酸およびその無水物、およびこれらから誘導される対応するエステル、アミドおよびイミド、アクリル酸およびメタアクリル酸、エステルおよびアミド、ビニルホスホン酸およびこれから誘導される対応するエステルおよびアミド、ならびにエチレンスルホン酸およびこれから誘導されるエステルおよびアミドからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
第二コモノマーが、β−ピネン、5−エチリデン−2−ノルボーネン、メチレンシクロヘキサンおよびメチレンシクロペンタンからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
第二コモノマーが、置換基を有するおよび未置換の、ノルボーネン、シクロペンタジエンおよび置換基を有するシクロペンタジエン、置換基を有するおよび未置換の、ジシクロペンタジエン、シクロヘキセン、フランおよびインデンからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
第二コモノマーが、リモネンおよび類似テルペン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、ビニルピリジン、ビニルチオフェン、ビニルナフタレン、ビニルフラン、ビニルピランおよびビニルピロリドンからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
第二コモノマーが、ジイソブチレン、イソブチレン、n−オクテン、n−デセン、アリグリシジルエーテルまたはビニルイソブチルエーテルからなる群から選択されるアルキル基を有するα−オレフィンである、請求項30に記載の方法。
【請求項40】
第一コモノマーが、下記構造Iを有する、請求項30に記載の方法:
【化17】


式中、R1は、M金属、四級アンモニウム、ホスホニウムまたはスルホニウム残基であり、R2は、水素またはC1〜C4アルキルであり、Yは、炭素原子、O=SまたはPOR1、水素原子または炭素原子1〜10個を有するアルキル基(またはカルボキシル化されたこのような基)であり、およびR4は、H、アルキル基または下記式IIで表わされるカルボン酸誘導体である:
【化18】


(式中、R5は、OR6、NR67、SR6であり、ここでR6、R7は、H、アルキル、O−アルキル、またはヘテロ原子置換基を有するアルキル基である)。
【請求項41】
第二コモノマーが、構造IIIを有する:
【化19】


(式中、R8は、水素を表わすか、もしくは炭素原子1〜4個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキルを表わし、R9は、水素を表わすか、もしくは炭素原子1〜12個を有する分枝鎖状アルキル基またはシクロアルキル基を表わす)、
および/または式IVで表わされるビニル化合物:
【化20】


(式中、R10は、炭素原子1〜4個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキル基であり、およびR11は、式V、VIまたはVIIで表わされる基である:
【化21】


各式中、R12は、1種または2種以上のアルキル基、もしくは1種または2種以上のH、Cl、ORおよびSO31、NO2、PO31を表わし、およびXは、炭素以外のヘテロ原子である)、
および/または式VIIIで表わされるオレフィン:
【化22】


(式中、R13は、ClまたはSO31、アルキル、O−アルキル、O−アリールであり、およびR14は、Hを環状または多環状アルカンまたはポリアルケニル化合物にするような、4〜20個の炭素原子を表わし、R15は、R14を包含する環の不飽和部分と反応されるSO31またはエポキシドである)、
および/または式IXで表わされるエキソ環状オレフィン:
【化23】


および/または式Xで表わされる内部オレフィン:
【化24】


(式中、R9は、同一または相違しており、上記定義のとおりである)
である、請求項30に記載の方法。
【請求項42】
コポリマーが、当該コポリマーの特性を実質的に変更しない追加のコモノマー残基をさらに含有する、請求項30に記載の方法。
【請求項43】
分散剤が、水に容易に溶解する、請求項30に記載の農業用組成物。
【請求項44】
分散剤が、コポリマーの農業上で許容される塩であり、ここでこの塩は、ナトリウム、カリウムおよび/またはアンモニウムイオンを包含する、請求項30に記載の農業用組成物。
【請求項45】
コポリマーが、多アニオン性である、請求項30に記載の農業用組成物。
【請求項46】
コポリマーが、その遊離塩の形態である、請求項30に記載の農業用組成物。
【請求項47】
分散剤が、コポリマーの水溶性の農業上で許容される誘導体であり、この誘導体は、ポリアルキレンオキシ誘導体、ポリエチレングリコール誘導体、ポリアミド誘導体およびポリビニルアルコール誘導体からなる群から選択される、請求項30に記載の農業用組成物。
【請求項48】
コポリマーが、1000〜90000ダルトンの範囲である、請求項30に記載の農業用組成物。
【請求項49】
コポリマーが、1,000〜30,000ダルトンの範囲である、請求項30に記載の農業用組成物。
【請求項50】
コポリマーが、1,000〜10,000ダルトンの範囲である、請求項30に記載の農業用組成物。
【請求項51】
水不溶性物質が、除草剤、殺虫剤、カビ殺傷剤、生物殺傷剤、軟体動物駆除剤、アルジサイド、植物成長調整剤、駆虫剤、殺鼠剤、線虫駆除剤、ダニ駆除剤、アメーバ駆除剤、原虫駆除剤、肥料、作物無毒性賦形剤および担体、ならびにその他の助剤からなる群から選択される、請求項30に記載の農業用組成物。
【請求項52】
組成物が、界面活性湿潤剤をさらに含有する、請求項30に記載の農業用組成物。
【請求項53】
上記分散剤が、80%よりも大きい浮動能力パーセンテージをもたらす、請求項32〜34のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
上記分散剤が、90%よりも大きい浮動能力パーセンテージをもたらす、請求項31に記載の方法。
【請求項55】
微粉砕工程が、5〜15μmの範囲の平均粒子サイズをもたらす、請求項32または請求項33のどちらかに記載の方法。
【請求項56】
湿潤性粉末が、1分間よりも短い湿潤能力および80%以上の浮動能力を有する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
微粉砕工程が、5〜15μmの範囲の平均粒子サイズをもたらす、請求項34に記載の方法。
【請求項58】
組成物が、1分間よりも短い分散時間を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項59】
組成物が、20秒間よりも短い分散時間を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項60】
組成物が、80%以上の浮動能力を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項61】
組成物が、150μmの篩に対して0.1%よりも少ない保有物質および53μmの篩に対して0.6%よりも少ない保有物質である、湿潤篩保有率を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項62】
微粉砕工程が、5μmよりも小さい平均粒子サイズをもたらす、請求項31に記載の方法。
【請求項63】
微粉砕工程が、1〜3μmの範囲の平均粒子サイズをもたらす、請求項31に記載の方法。
【請求項64】
請求項31〜34のいずれかに記載の方法によって製造される農業用組成物。
【請求項65】
基体を不溶性物質により処理する方法であって、下記工程:
(i)少なくとも1種の不溶性物質および少なくとも1種の分散剤を含有する配合物を製造する工程、
(ii)この配合物を水性媒質中に分散させる工程、および
(iii)この分散組成物を基体に適用する工程、
を包含し、上記分散剤は、コポリマーを含有し、このコポリマーは、第一コモノマーの残基と第二コモノマーの残基とを含有し、上記第一コモノマーは、α,β−不飽和オキシ酸またはその無水物であり、また上記第二コモノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオレフィンであり、および少なくとも1種の上記第一コモノマーおよび上記第二コモノマーは、置換基を有し、ここで上記第一コモノマーの置換基は、エステル、アミド、チオエステルおよび求核反応剤との反応から誘導される官能性基からなる群から選択され、また上記第二コモノマーの置換基は、エポキシド、スルホネート、エステル、アミドおよび置換基としてスルホネート、ニトレート、ホスフェートおよび求電子反応剤との反応から誘導されるその他の置換基を有していてもよい側鎖の芳香族およびヘテロ芳香族基からなる群から選択される、基体の処理方法。
【請求項66】
第一コモノマーが、フマール酸、マレイン酸およびその無水物、およびこれらから誘導されるエステル、アミドおよびイミド、イタコン酸およびその無水物、およびこれらから誘導される対応するエステル、アミドおよびイミド、アクリル酸およびメタアクリル酸、エステルおよびアミド、ビニルホスホン酸およびこれから誘導される対応するエステルおよびアミド、ならびにエチレンスルホン酸およびこれから誘導されるエステルおよびアミドからなる群から選択される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
第二コモノマーが、β−ピネン、5−エチリデン−2−ノルボーネン、メチレンシクロヘキサンおよびメチレンシクロペンタンからなる群から選択される、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
第二コモノマーが、置換基を有するおよび未置換の、ノルボーネン、シクロペンタジエンおよび置換基を有するシクロペンタジエン、置換基を有するおよび未置換の、ジシクロペンタジエン、シクロヘキセン、フランおよびインデンからなる群から選択される、請求項65に記載の方法。
【請求項69】
第二コモノマーが、リモネンおよび類似テルペン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、ビニルピリジン、ビニルチオフェン、ビニルナフタレン、ビニルフラン、ビニルピランおよびビニルピロリドンからなる群から選択される、請求項65に記載の方法。
【請求項70】
第二コモノマーが、ジイソブチレン、イソブチレン、n−オクテン、n−デセン、アリグリシジルエーテルまたはビニルイソブチルエーテルからなる群から選択されるアルキル基を有するα−オレフィンである、請求項65に記載の方法。
【請求項71】
第一コモノマーが、下記構造Iを有する、請求項65に記載の方法:
【化25】


(式中、R1は、M金属、四級アンモニウム、ホスホニウムまたはスルホニウム残基であり、R2は、水素またはC1〜C4アルキルであり、Yは、炭素原子、O=SまたはPOR1、水素原子または炭素原子1〜10個を有するアルキル基(またはカルボキシル化されたこのような基)であり、およびR4は、H、アルキル基または下記式IIで表わされるカルボン酸誘導体である:
【化26】


(式中、R5は、OR6、NR67、SR6であり、ここでR6、R7は、H、アルキル、O−アルキル、またはヘテロ原子置換基を有するアルキル基である)。
【請求項72】
第二コモノマーが、構造IIIを有する:
【化27】


(式中、R8は、水素を表わすか、もしくは炭素原子1〜4個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキルを表わし、R9は、水素を表わすか、もしくは炭素原子1〜12個を有する分枝鎖状アルキル基またはシクロアルキル基を表わす)、
および/または式IVで表わされるビニル化合物:
【化28】


(式中、R10は、炭素原子1〜4個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキル基であり、およびR11は、式V、VIまたはVIIで表わされる基である:
【化29】


各式中、R12は、1種または2種以上のアルキル基、もしくは1種または2種以上のH、Cl、ORおよびSO31、NO2、PO31を表わし、およびXは、炭素以外のヘテロ原子である)、
および/または式VIIIで表わされるオレフィン:
【化30】


(式中、R13は、ClまたはSO31、アルキル、O−アルキル、O−アリールであり、およびR14は、Hを環状または多環状アルカンまたはポリアルケニル化合物にするような、4〜20個の炭素原子を表わし、R15は、R14を包含する環の不飽和部分と反応されるSO31またはエポキシドである)、
および/または式IXで表わされるエキソ環状オレフィン:
【化31】


および/または式Xで表わされる内部オレフィン:
【化32】


(式中、R9は、同一または相違しており、上記定義のとおりである)
である、請求項65に記載の方法。
【請求項73】
コポリマーが、当該コポリマーの特性を実質的に変更しない追加のコモノマー残基をさらに含有する、請求項65に記載の方法。
【請求項74】
分散剤が、水に容易に溶解する、請求項65に記載の農業用組成物。
【請求項75】
分散剤が、コポリマーの農業上で許容される塩であり、またこの塩が、ナトリウム、カリウムおよび/またはアンモニウムイオンを包含する、請求項65に記載の農業用組成物。
【請求項76】
コポリマーが、多アニオン性である、請求項65に記載の農業用組成物。
【請求項77】
コポリマーが、その遊離塩の形態である、請求項65に記載の農業用組成物。
【請求項78】
分散剤が、コポリマーの水溶性の農業上で許容される誘導体であり、この誘導体は、ポアルキレンオキシ誘導体、ポリエチレングリコール誘導体、ポリアミド誘導体およびポリビニルアルコール誘導体からなる群から選択される、請求項65に記載の農業用組成物。
【請求項79】
コポリマーが、1000〜90000ダルトンの範囲である、請求項65に記載の農業用組成物。
【請求項80】
コポリマーが、1000〜30000ダルトンの範囲である、請求項65に記載の農業用組成物。
【請求項81】
コポリマーが、1000〜10000ダルトンの範囲である、請求項65に記載の農業用組成物。
【請求項82】
水不溶性物質が、除草剤、殺虫剤、カビ殺傷剤、生物殺傷剤、軟体動物駆除剤、アルジサイド、植物成長調整剤、駆虫剤、殺鼠剤、線虫駆除剤、ダニ駆除剤、アメーバ駆除剤、原虫駆除剤、肥料、作物無毒性賦形剤および担体、ならびにその他の助剤からなる群から選択される、請求項65に記載の農業用組成物。
【請求項83】
組成物が、界面活性湿潤剤をさらに含有する、請求項65に記載の農業用組成物。

【公開番号】特開2011−137041(P2011−137041A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−84197(P2011−84197)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【分割の表示】特願2000−515432(P2000−515432)の分割
【原出願日】平成10年10月14日(1998.10.14)
【出願人】(500171523)ハンツマン サーファクタンツ テクノロジー コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】