説明

不燃性繊維製品

【課題】繊維製品において、従来は、「難燃性である」と呼ばれるレベルを超えた不燃特性を有する新規な各種の繊維製品を提供すること
【解決手段】少なくとも硼酸化合物を透過性物質で被覆してなる内包物質を多孔質微粒子に担持してなるとともに、平均カプセル粒径が50μm以下であるマイクロカプセルからなるパウダーを繊維製品の表面に付着させてなることを特徴とする不燃性繊維製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不燃性繊維製品に関する。
【0002】
さらに詳しくは、従来、繊維業界で、繊維製品における燃焼・非燃焼特性に関して「難燃性」という表現・技術用語で評価してきているが、そのような難燃性評価法では合格というレベルよりも更に格段と高いレベルでの燃焼特性、具体的には、そもそも燃焼しないという特性を持つ繊維製品に関する。
【0003】
本発明のかかる、燃焼しないという特性を持つ繊維製品(以下、「不燃性繊維製品」という)は、たとえば、衣類であれば、消防服、耐火服、耐炎服、ガソリンスタンド従事者、溶鉱炉などの特殊な作業服、あるいは、各種交通機関に従事する職種、たとえば、操縦士、運転士、機関士、スチュワーデス等の乗務員の制服(ユニフォーム)等に用いることができるものである。
【0004】
また、本発明の不燃性繊維製品の衣類以外での代表的な他の用途例としては、以下のようなものがあるものである。
(1) シーツ、ベッドカバー、布団カバー、枕カバー、ふとん側地、ふとん中綿などの寝装具。
(2) カーテン、壁紙、カーペット、障子紙、シャワーカーテンなどの建装具。
(3) ソファ、椅子などの家具類の表皮材。
(4) 自動車・車輌・飛行機・船舶などの座席シートの表皮材の表皮材。
(5) 自動車・車輌・飛行機・船舶等の天井材、カーマットなどの内装材。
(6) 防湿シート、防水シート、断熱材、アコーディオンカーテン、換気フィルターなどの建材(建築材料)。
(7) タオル、バスタオル、パジャマ、寝間着などの繊維製の身の回り品。
【背景技術】
【0005】
従来から繊維製品についての燃焼特性についての研究開発がなされてきており、繊維製品が容易には燃えない、燃え出さないようにするためのさまざまな提案がされている(例えば、特許文献1−4)。しかし、これらのものは、本発明の希望する不燃レベルにはまだ到達しているとは言えないものであった。
【0006】
特に、かかる不燃特性を実現するもの(薬剤)として、高濃度硼酸化合物を用いること、そして、該高濃度硼酸化合物を木材、木質材料や天然繊維製品に含浸や塗布をして防火・耐火剤とする提案がされている(特許文献5、6)。かかる高濃度硼酸化合物は不燃化技術を達する薬剤として優れたものであるが、一般に、衣料用から各種分野に用途がわたる繊維製品においては、該薬剤を含有させること、付着させることが難しく、該技術による高度な不燃特性を有する繊維製品は実現されていなかったのが実状である。
【特許文献1】特開2003−147682号公報
【特許文献2】特開2003−20596号公報
【特許文献3】特開平9−310272号公報
【特許文献4】国際公開第97/43474
【特許文献5】特開平8−73212号公報
【特許文献6】特開2003−291110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、繊維製品において、従来は、難燃性であると呼ばれるレベルを超えた不燃特性を有する新規な各種の繊維製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成する本発明の不燃性繊維製品は、以下の構成からなる。
(1)少なくとも硼酸化合物を透過性物質で被覆してなる内包物質を多孔質微粒子に担持してなるとともに、平均カプセル粒径が50μm以下であるマイクロカプセルからなるパウダーを繊維製品の表面に付着させてなることを特徴とする不燃性繊維製品。
【0009】
また、かかる本発明の不燃性繊維製品は、好ましくは、以下の(2) 〜(8) の具体的構成を有するものである。
(2)該マイクロカプセルパウダーの付着量が、繊維製品の単位面積当たりで10〜200g/m2 であることを特徴とする上記(1) 記載の不燃性繊維製品。
(3)マイクロカプセルパウダーの付着量が、対繊維重量比で2〜200%であることを特徴とする上記(1) または(2) 記載の不燃性繊維製品。
(4)マイクロカプセルの大きさが、平均粒子径10μm以下であることを特徴とする上記(1) 、(2) または(3) 記載の不燃性繊維製品。
(5)マイクロカプセルの大きさが、平均粒子径で2μm以上、5μm以下であることを特徴とする上記(4) 記載の不燃性繊維製品。
(6) 繊維製品が、繊維横断面形状が非円形中実である非円形断面繊維が用いられて形成されてなるものであることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) または(5) 記載の不燃性繊維製品。
(7)非円形断面繊維が、三角断面、四角断面、五角断面、六角断面、八角断面、C型断面、T型断面、Y型断面、H型断面、多葉型断面、まゆ型断面の異形断面繊維のうちの1つもしくは2つ以上のものであることことを特徴とする上記(6) 記載の不燃性繊維製品。
(8)繊維製品を構成する繊維が、合成繊維または化学繊維であることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) 、(6) または(7) 記載の不燃性繊維製品。
(9)繊維製品を構成する繊維が、天然繊維であることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) 、(6) または(7) 記載の不燃性繊維製品。
【0010】
また、本発明の不燃性繊維製品は、好ましくは、以下の(10) 〜(17)の具体的構成を有するものである。
(10)不燃性繊維製品が、制服、作業服などの衣類であることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) 、(6) 、(7) 、(8) または(9) 記載の不燃性繊維製品。
(11)不燃性繊維製品が、寝装具であることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) 、(6) 、(7) 、(8) または(9) 記載の不燃性繊維製品。
(12)不燃性繊維製品が、建装具であることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) 、(6) 、(7) 、(8) または(9) 記載の不燃性繊維製品。
(13)不燃性繊維製品が、家具類の表皮材であることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) 、(6) 、(7) 、(8) または(9) 記載の不燃性繊維製品。
(14)不燃性繊維製品が、自動車、車輌、飛行機あるいは船舶等の座席シートの表皮材であることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) 、(6) 、(7) 、(8) または(9) 記載の不燃性繊維製品。
(15)不燃性繊維製品が、自動車、車輌、飛行機あるいは船舶等の内装材であることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) 、(6) 、(7) 、(8) または(9) 記載の不燃性繊維製品。
(16)不燃性繊維製品が、防湿シート、防水シートあるいは断熱材などの建材(建築材料)であることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) 、(6) 、(7) 、(8) または(9) 記載の不燃性繊維製品。
(17)不燃性繊維製品が、タオル、バスタオル、パジャマあるいは寝間着などの繊維製の身の回り品であることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) 、(6) 、(7) 、(8) または(9) 記載の不燃性繊維製品。
【発明の効果】
【0011】
請求項1−9にかかる本発明の不燃性繊維製品によれば、各種の繊維製品において、従来は、難燃性であると呼ばれるレベルを超えた不燃特性を有する新規な繊維製品を提供することができる。
【0012】
請求項10−17にかかる本発明によれば、それぞれの用途分野においての優れた不燃特性を有する繊維製品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、更に詳しく本発明の不燃性繊維製品について、説明する。
【0014】
本発明にかかる不燃性繊維製品は、少なくとも硼酸化合物を透過性物質で被覆してなる内包物質を多孔質微粒子に担持してなるとともに、平均カプセル粒径が50μm以下であるマイクロカプセルからなるパウダーを繊維製品の表面に付着させてなるものである。
【0015】
本発明において繊維製品とは、繊維のいわゆる高次加工品を言うものであり、具体的には、織物、編物、不織布、糸、マット類、あるいは繊維シートにポリウレタンなどの高分子弾性体が含浸された人造皮革シート等の繊維構造物製品の全般をいい、さらに、それらのものが最終商品・製品として加工された、前述のような、衣類、例えば、制服のような衣類、寝装具類、建装具類、家具類の表皮材、自動車等の座席シートの表皮材の表皮材、自動車等の天井材、カーマットなどの内装材、防湿シート、防水シート、断熱材、アコーディオンカーテンなどの建材(建築材料)、タオル、バスタオル、パジャマ、あるいは寝間着などの繊維製の身の回り品などをいうものである。
【0016】
本発明において用いられるマイクロカプセルは、マイクロカプセル状の形態を呈してなる不燃化剤であり、該マイクロカプセルは、その大きさは平均カプセル粒径で50μm以下のものであり、かつ、少なくとも硼酸化合物を透過性物質で被覆してなる内包物質を多孔質微粒子に担持してなるものである。
【0017】
ここで、マイクロカプセル状の形態とは、その立体的外形が、ほぼ真球形状かあるいは不定形状の微粒子状態であることをいい、該微粒子構造を形成している表面殻や該微粒子の骨格に囲まれた内部に、マトリックス樹脂と、該マイクロカプセルの内包物質たるケイ酸ナトリウム重合体が充填されているものである。
【0018】
該マイクロカプセルの大きさは、平均粒子径(平均カプセル粒径)が50μm以下であることが重要であり、そのような微粒子であることにより、パウダー状の不燃化剤として、各種の繊維製品や合成樹脂成形品などに、より効果的に付与することが可能になる。
【0019】
特に、好ましい本発明のマイクロカプセル状不燃化剤は、さらに平均カプセル粒径で10μm以下のものであり、このような微細な不燃化剤は、繊維製品に付与しても風合いを損ねることがなく、また、付与された後は脱落がしにくいものであり、該マイクロカプセル状不燃化剤が有する特徴を十分に発揮することができるものである。
【0020】
より具体的に、特に好ましい該マイクロカプセル状不燃化剤の大きさは、平均カプセル粒径で2μm以上、2.5μm以下のものである。このように微細なマイクロカプセル状不燃化剤であれば、該マイクロカプセルを、より薄く万遍なく、被処理物に付与しておくことが可能となり、被処理物が繊維製品である場合等でも風合いを悪化させることがほとんどないという利点がある。
【0021】
マイクロカプセルの平均カプセル粒径が50μmよりも大きいとマイクロカプセルが脱落しやすくなり、また、風合いとしてもザラザラ感が出てきて悪くなる方向である。
【0022】
この平均カプセル粒径50μm以下であるということは、非常に微細なものであるが、これを実現するには、マイクロカプセルを形成する骨格(核)である多孔質構造の微粒子を、該多孔質微粒子の平均カプセル粒径が50μm以下になるようにして形成し、該骨格(核)中の孔構造部分に上述の内包物質を充填させることにより達成することができる。具体的には、内包物質を溶解させた溶液中に、該平均粒子径が50μm以下の多孔質構造微粒子を浸漬させ、該多孔質微粒子中の孔構造部分に該溶液を浸入させた後に、溶媒を除去することにより得ることができる。
【0023】
本発明のマイクロカプセル状不燃化剤の大きさは、本発明者らの知見によれば、平均カプセル粒径でその下限値は、0.5〜1μm程度までである。
【0024】
また、本発明においてマイクロカプセルパウダーの付着量は、10〜200g/m2 の範囲内とするのが好ましく、より好ましくは、20〜100g/m2 の範囲内である。また、繊維製品の対繊維重量比で言えば、2〜200重量%であることが好ましく、より好ましくは、10〜80重量%の範囲内である。
【0025】
本発明において用いられるマイクロカプセル状の不燃化剤において、少なくとも硼酸化合物を透過性物質で被覆してなる内包物質を担持する多孔質微粒子は、無機質のものであっても、あるいは有機質のものであってもよい。
【0026】
該多孔質微粒子が無機質のものからなる場合には、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、アパタイト、アルミナおよびリン酸ジルコニウムのいずれか1種であることが好ましく、あるいは、該多孔質微粒子が有機質のものからなる場合には、ポリエチレン、ポリウレタン、セルロース、ポリビニルホルマール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂および天然繊維物質のいずれか1種であることが好ましい。
【0027】
また、該マイクロカプセル状の不燃化剤において、内包物中に、少なくとも含まれる硼酸化合物は、いわゆるガラス質の発泡体として知られているものであり、100℃前後に加熱されると激しく発泡して発泡スチロール様のガラス発泡体(概して、比重0.1〜0.2)となるものである。本発明においては、本発明にかかる繊維製品が、100℃前後に加熱されると、激しく発泡した該発泡スチロール様のガラス発泡体が該繊維製品の表面を覆いつくし、空気を完全に遮断し不燃化が達成できるものである。
【0028】
該硼酸化合物は、既にその溶液が市販されているものであって(例えば、「ファイアレスB」((株)トラストライフ社登録商標)、本発明では、例えば、該硼酸化合物溶液を使用して、本発明に用いるマイクカプセル状不燃化剤を製造することができる。
【0029】
パウダー状であるマイクロカプセルを繊維製品に付着させるには、該マイクロカプセルパウダーと、例えばバインダー液としてウレタンバインダー液を混合し、必要に応じて、触媒、帯電防止剤、分散性向上剤あるいは浸透剤などを入れて、該混合液に、織布や編物、不織布などを反物の状態で浸漬させて、その後に、風乾により乾燥することなどによって付着させることができる。
【0030】
本発明の繊維製品において、構成する繊維の一本一本の単繊維は、その横断面形状(繊維の長さ方向に直角な方向の断面形状)は、特に限定されるものではなく、通常の円形断面のものでもよく、あるいは、非円形中実断面の繊維であってもよいものである。
【0031】
ここで、非円形中実とは、非「円形中実」という意味であり、「断面が真円でかつ中実のもの」ではないことを意味している。
【0032】
特に、マイクロカプセル状の不燃化剤を、繊維表面から脱落させることなく付着させるには、繊維断面形状は、単なる円形断面の繊維でなく、非円形中実断面を有する繊維を用いることが好ましいものである。
【0033】
すなわち、具体的には、繊維断面形状は、断面が非真円の異形断面繊維であるか、あるいは、断面が真円でも内部に空洞部を有する中空繊維などであることが好ましく、要素構造的には、繊維横断面の輪郭線上において凹み、あるいは窪み等が明確に形成されて存在しているものであればよく、該凹みあるいは窪み部分等に、微細なマイクロカプセルが付着することになる。
【0034】
したがって、繊維横断面形状において、不規則な凹みが多数存在していることが認められるアルカリ減量加工処理を施された、いわゆるクレーター構造を多数を有するようなポリエステル繊維等でもよいものであり、本発明の横断面形状(繊維の長さ方向に直角な方向の断面形状)が非円形中実の繊維であるとは、そのようなクレーター構造を多数を有するような繊維も含むものである。
【0035】
このような異形の断面繊維を用いること、あるいは中空繊維を用いることにより、横断面形状の窪み部分などにおいてバインダーによって付着しているマイクロカプセルが脱落しにくいものとなり、本発明の効果をより永続的な効果のあるものとして使用することを可能にならしめる。
【0036】
異形断面繊維の場合、例えば、三角断面、四角断面、五角断面、六角断面、八角断面、C型断面、T型断面、Y型断面、H型断面、多葉型断面、まゆ型断面の異形断面繊維のうちの1つもしくは2つ以上のものである繊維を用いるのも好ましい。特に、H型断面繊維などは、自動車等の座席シートや内装品にパイル品として使用されることも多く、不燃化効果を奏することは意義がある。さらになお、「断面が真円でない」とは、円形がつぶれたような楕円状のものでもよいという意味である。そのような形状でも真円形に比較して、多少強いマイクロカプセルの保持力(担持力)を実現できるからであり、本発明者らの各種知見によれば、楕円である場合は、長径と短径の比は、長径/短径比Rが、1<R≦4の範囲内を満足するものであることが好ましい。
【0037】
本発明の繊維製品において用いられる繊維は、ポリエステル、ナイロン、ポリアクリルなどの合成繊維、またはレーヨン、テンセルなどの化学繊維であることが好ましい。また、綿(コットン)、麻、ウールなどの天然繊維であることも好ましい。これらの繊維は、衣類をはじめとして、各種用途に使用されているが、非燃焼特性が要請される用途も多いからである。
【0038】
内包物質を被覆する透過性物質は、硝酸セルロース、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル、スチレン系オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂、メラミン樹脂、有機ケイ素化合物、シェラック、ポリフェノール化合物の金属錯体、ポリカルボン酸のアルカリ土類金属塩、セルロース系誘導体、高分子凝集剤、ロウおよび天然高分子化合物の少なくとも1種または2種以上であることが好ましく、ポリフェノール化合物はタンニンであることが、特に好ましい。
【0039】
ここで、有機ケイ素化合物としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、プロピルシリケート、ブチルシリケート、メトキシポリシロキサン、エトキシポリシロキサン、C1 からC4 のアルキル基を有するアルコキシシランおよびC1 からC4 のアルキル基を有するポリアルコキシシラン、の少なくとも1種または2種以上であることが好ましい。
【0040】
本発明において用いられるマイクロカプセル状の不燃化剤を製造する方法は、特に限定されるものではないが、代表的には、以下に述べる2つの方法がある。
【0041】
まず、第一の方法は、硼酸化合物および透過性物質を溶解した溶液に多孔質微粒子を浸漬した後、溶媒を除去することによって前記ケイ酸ナトリウム重合体を透過性物質で被覆してなる内包物質を多孔質微粒子に担持させるマイクロカプセル状の不燃化剤の製造方法である。
【0042】
中でも、多孔質微粒子が、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、アパタイト、アルミナ、リン酸ジルコニウム、ポリエチレン、ポリウレタン、セルロース、ポリビニルホルマール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂および天然繊維物質のいずれか1種であることが好ましい。
【0043】
内包物質を被覆する透過性物質は、硝酸セルロース、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル、スチレン系オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂、メラミン樹脂、有機ケイ素化合物、シェラック、ポリフェノール化合物の金属錯体、ポリカルボン酸のアルカリ土類金属塩、セルロース系誘導体、高分子凝集剤、ロウおよび天然高分子化合物の少なくとも1種または2種以上であることが好ましく、有機ケイ素化合物としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、ポロピルシリケート、ブチルシリケート、メトキシポリシロキサン、エトキシポリシロキサン、C1 からC4 のアルキル基を有するアルコキシシランおよびC1 からC4 のアルキル基を有するポリアルコキシシランの少なくとも1種または2種以上であることが特に好ましい。
【0044】
また、第二の方法は、硼酸化合物を溶解した溶液に多孔質微粒子を浸漬した後、溶媒を除去することによって前記硼酸化合物を多孔質微粒子に担持させた後、透過性物質を溶解した溶液に硼酸化合物を担持した多孔質微粒子を浸漬し、溶媒を除去させることによって前記硼酸化合物を担持した多孔質微粒子を透過性物質で被覆するマイクロカプセル状の不燃化剤の製造方法である。中でも、多孔質微粒子が、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、アパタイト、アルミナ、リン酸ジル中でも、コニウム、ポリエチレン、ポリウレタン、セルロース、ポリビニルホルマール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂および天然繊維物質のいずれか1種であることが好ましい。
【0045】
透過性物質は、硝酸セルロース、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル、スチレン系オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂、メラミン樹脂、有機ケイ素化合物、シェラック、ポリフェノール化合物の金属錯体、ポリカルボン酸のアルカリ土類金属塩、セルロース系誘導体、高分子凝集剤、ロウおよび天然高分子化合物の少なくとも1種または2種以上であることが好ましく、有機ケイ素化合物としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、ポロピルシリケート、ブチルシリケート、メトキシポリシロキサン、エトキシポリシロキサン、C1 からC4 のアルキル基を有するアルコキシシランおよびC1 からC4 のアルキル基を有するポリアルコキシシランの少なくとも1種または2種以上であることが好ましい。
【0046】
本発明でいう透過性物質とは、被担持物質を被覆し、内包物質を形成する物質をいい、被担持物質の拡散を抑制する効果を有する物質であって、その被膜より被担持物質を徐々に放出する。透過性物質としては、硝酸セルロース、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル、スチレン系オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂、メラミン樹脂、有機ケイ素化合物、シェラック、タンニン、セルロース系誘導体、高分子凝集剤、ロウおよび天然高分子化合物などを用いることができ、有機ケイ素化合物としてはテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、プロピルシリケート、ブチルシリケート、メトキシポリシロキサン、エトキシポリシロキサン、C1 からC4 のアルキル基を有するアルコキシシランおよびC1 からC4 のアルキル基を有するポリアルコキシシラン、ポリシロキサンオリゴマーなどを、セルロース系誘導体としてはヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどを、天然高分子化合物としてはゼラチン、キトサン、アラビアゴムなどを用いることができる。
【0047】
本発明にいうC1 からC4 のアルキル基を有するアルコキシシランとは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラブトキシシランなどを例示することができ、C1 からC4 のアルキル基を有するポリアルコキシシランとは、ポリテトラエトキシシラン、ポリテトラメトキシシランなどを用いることができる。
【0048】
本発明でいうシェラックとは、昆虫より採取される天然の樹脂であって、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのアルコール類に溶解し、熱硬化性であるためワニスとして利用されてきたものである。
【0049】
また、ロウとは、脂肪酸と水に不溶性な高級一価アルコール類または二価アルコール類とのエステルをいうが、炭化水素やポリエチレンであってもよく、30℃から150℃の範囲に融点をもつ化合物で、起源としては動植物、鉱物系、石油系または合成系を問わない。動物系としては、蜜蝋、ラノリンなどを用いることができ、植物系ではカルナバワックスやキャンデリアワックスなど、鉱物系ではセレシンワックスやモンタンワックスなど、石油系ではパラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックスなど、合成系ではポリエチレンワックスや高級脂肪酸エステルなどを用いることができる。
【0050】
本発明でいう透過性物質には、ポリフェノール化合物およびポリカルボン酸などのように溶媒に溶解した後、金属錯体またはアルカリ土類金属塩をその溶液に添加し、溶媒中で溶質を物理的あるいは化学的に不溶体化して透過性物質とする場合も含むものである。
【0051】
本発明でいう高分子凝集剤とは、コロイド溶液中の微細粒子を凝集させるために加える物質であって、ポリアクリル酸系やポリアクリルアミド系の化合物を用いることができる。
【0052】
本発明で用いられるマイクロカプセル状の不燃化剤が有する構造の一例について、断面構造モデル図を用いて説明する。
【0053】
図1と図2は、いずれも本発明に用いられるマイクロカプセル状の不燃化剤の有する構造の一例をモデル的に示した断面構造モデル図であり、図1は上述した第一のマイクロカプセル状の不燃化剤の製造方法により得られる本発明に用い得るマイクロカプセル状の不燃化剤についてのもの、図2は上述した第二のマイクロカプセル状の不燃化剤の製造方法により得られる本発明に用い得るマイクロカプセル状の不燃化剤についてのものである。
【0054】
図1、図2において、1はマイクロカプセル状の不燃化剤であり、2は内包物質、3は透過性高分子、4は多孔質微粒子、5は粒子骨格であり、Dはマイクロカプセルの直径を示したものである。
【0055】
本発明でいう内包物質2とは、被担持物質(硼酸化合物など)が透過性高分子物質3により直接的または間接的に被覆された物質をいい、該内包物質2は、多孔質微粒子4に担持されている。また、粒子骨格5がほぼ万遍なく存在することによって、該マイクロカプセル状の不燃化剤の形態が維持されている。
【0056】
本発明でいう多孔質微粒子4とは、図1のモデル図に示したように、無機質または有機質の粒子骨格5からなり、多孔質微粒子4が無機質からなる場合には、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩を、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウムなどのケイ酸塩を、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸マグネシウム、リン酸ジルコニウム、アパタイトなどのリン酸塩を、金属酸化物として二酸化ケイ素、アルミナなどを、例示することができる。一方、多孔質微粒子4が有機質からなる場合には、ポリエチレン、ポリウレタン、セルロース、ポリビニルホルマール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂および天然繊維物質などを例示することができる。なお、天然繊維物質としては、各種木材の粉砕チップを挙げることができるものである。
【0057】
本発明で用いられ得るマイクロカプセル状の不燃化剤1は、図1のモデル図に示したように、被担持物質が透過性物質3に直接的に被覆された内包物質2として多孔質微粒子4の粒子骨格5に吸着等により担持されてなる構造のもの、あるいは、図2のモデル図に示したように、被担持物質が多孔質微粒子4の粒子骨格5に吸着されて、透過性物質3に間接的に被覆された内包物質2として担持されてなる構造のものがある。
【0058】
この構造の相違は、図1のものは、内包物が粒子状にあって、それらの粒子が個々に微細に透過性高分子に被覆された形であること、これに対して、図2のものは、内部に内包物が集団状態で存在する中で、その集団の周囲を全体的に透過性高分子にて被覆した形であることである。
【0059】
本発明で用いられるマイクロカプセル状の不燃化剤の製造において、被担持物質(硼酸化合物など)を被覆する透過性高分子物質は、被担持物質の物理的、化学的性質に応じて選択するが、溶媒に可溶であり、溶媒除去後において被膜を形成する性質をもつ透過性物質が、被担持物質と同一の溶媒に溶解する場合には、透過性物質と被担持物質を同一溶媒に溶解し、多孔質微粒子を浸漬した後、溶媒を除去することによって、被担持物質を透過性物質で被覆してなる内包物質を多孔質微粒子に担持させることができるものであり、これが前述した第一の製造方法である。
【0060】
一方、被担持物質と透過性物質が同一溶媒に溶解しない場合には、被担持物質を被担持物質可溶な溶媒に溶解し、先に多孔質微粒子に担持させ、該溶媒を除去した後、透過性物質を別の溶媒を用いて、被担持物質を担持した多孔質微粒子を被覆することができるものであり、これが前述した第二の製造方法である。
【0061】
また、同一溶媒に被担持物質と透過性物質が溶解する場合であっても、別々に担持させることもできる。溶媒中で、溶質が物理的、化学的作用により不溶体化して形成する物質を透過性物質として用いる場合には、上記と同様な方法で本発明に用いることのできるマイクロカプセル状の不燃化剤を製造することができる。
【0062】
本発明に用いられるマイクロカプセル状の不燃化剤を製造する場合、被担持物質の溶液、透過性物質の溶液または被担持物質および透過性物質の溶液に多孔質微粒子を浸漬するに際して、減圧下で行うことが好ましい。すなわち、多孔質微粒子を減圧下で浸漬することにより、内包物質が速やかに多孔質微粒子に吸着されることになるものである。
【0063】
ここで、減圧下とは、大気圧未満の圧力であればよいが、室温における水溶液の場合には、0.5atg以下であることが好ましい。この場合には、被内包物質が蒸発揮散しない温度と圧力の範囲内、使用する溶媒の物理化学的性質および多孔質微粒子の細孔径に応じて適切な減圧環境において行うのが好ましい。
【0064】
硼酸化合物を溶解した溶液は、特開平8−73212号公報に記載された方法などにより製造することができる。溶媒の除去は、溶媒蒸発や気化させることにより行うことができる。
【0065】
本発明にかかる不燃性繊維製品は、制服、作業服などの衣類である場合、前述した消防服、耐火服、耐炎服、ガソリンスタンド従事者、溶鉱炉などの特殊な作業服、あるいは、各種交通機関に従事する職種、たとえば、操縦士、運転士、機関士、スチュワーデス等の乗務員の制服(ユニフォーム)等に用いることができる。
【0066】
この他にも、前述した寝装具、建装具、家具類の表皮材、自動車・車輌・飛行機・船舶等の座席シートの表皮材、自動車・車輌・飛行機・船舶等の内装材、防湿シート、防水シート、断熱材などの建材(建築材料)、タオル、バスタオル、パジャマ、寝間着などの繊維製身の回り品などの分野で好適に用いることができる。
【0067】
したがって、より高度な非燃焼特性が要求される、例えば、ホテル、旅館、各種宿泊施設などにおける建物関係や備品関係、また、各種車輌などの座席シートや内装関係で、繊維製品で構成されているものに対して、広く採用することができるものである。
【0068】
本発明にかかる不燃性繊維製品は、繊維の製品(中間製品、最終製品のいずれでも良い)とされてからマイクロカプセルの付着処理を行えばよいので、繊維種類などを特に制限されるものではなく、それぞれ所望に応じた不燃化処理ができるものである。
【実施例】
【0069】
以下、実施例により、本発明の不燃性繊維製品の具体的構成、効果について説明をする。
【0070】
なお、本発明において、平均カプセル粒径の測定は、マイクロカプセル状不燃化剤が実質的に真球状のものであるときには、電子顕微鏡写真を用いて、無作為に100個のマイクロカプセル状不燃化剤の直径を測り、平均するものである。マイクロカプセル状不燃化剤が不定形のもののときには、無作為に100個のマイクロカプセル状不燃化剤の体積を測り、1個当たりの体積の平均値を求めて、その体積と同一の体積を持つ真球の直径を求めたものである。
【0071】
マイクロカプセル粒子径の測定は、レザー回折/散乱式粒度分布測定装置(型式:HORIBA LA−920)を使用して行った。
【0072】
また、不燃性についての評価は、従来の難燃性の評価手法では、合格レベルにあるという結論になるだけであり、それ以上の評価は不可能であるので、独自の簡易的な評価手法として、以下に記載のものを採用した。
【0073】
(1)不燃性の評価方法:
不燃性についての評価をする繊維製品を幅10cmにカットし、該繊維製品一片を垂直に垂らし、その下からガスライターで火を真下から燃焼させる。そのときに燃えないことが「不燃性合格」とした。
【0074】
実施例1
綿糸30/1sの100%使い平組織織物(190本/in平方当たり糸本数)を用いて、硼酸ナトリウム重合体を含んでなる平均カプセル粒径2μmのマイクロカプセルパウダーをウレタンバインダーと水で溶解した水溶液を染色仕上げセット機の浴槽に入れた。次いで、該綿織物をこの浴槽に浸漬させ、一対のロールで絞り、その後に180℃乾熱セット、速度30m/分の速度でパッディング加工処理をして、本発明の不燃性繊維製品を得た。
【0075】
このときの該マイクロカプセルパウダーの付着量は30g/m2 であった。
【0076】
この本発明にかかる不燃性繊維製品を、上述の不燃性の評価方法による不燃性試験に供したところ、燃えなかった。
【0077】
また、この本発明にかかる不燃性繊維製品を家庭での洗濯20回を施した後、再度、上述の不燃性の評価方法による不燃性試験に供したが、やはり燃えなかった。
【0078】
実施例2
三角断面ポリエステルフィラメント加工糸167T−48F−ブライト糸100%使いツイル組織織物(190本/in平方当たり糸本数)を用いて、
硼酸ナトリウム重合体を含んでなる平均カプセル粒径5μmのマイクロカプセルパウダーを、ウレタンバインダーと混合攪拌し、該織物表面にコーティング加工をした。
このときの該マイクロカプセルパウダーの付着量は60g/m2 であった。
【0079】
この本発明にかかる不燃性繊維製品を、上述の不燃性の評価方法による不燃性試験に供したところ、燃えなかった。
【0080】
また、この本発明にかかる不燃性繊維製品を家庭での洗濯20回を施した後、再度、上述の不燃性の評価方法による不燃性試験に供したが、やはり燃えなかった。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は、本発明に用いられるマイクロカプセル状の不燃化剤の有する構造の一例をモデル的に示した断面構造モデル図であり、本文中で説明したマイクロカプセル状の不燃化剤の第一の製造方法により得られるマイクロカプセル状の不燃化剤についてのものである。
【図2】図2は、本発明に用いられるマイクロカプセル状の不燃化剤の有する構造の他の一例をモデル的に示した断面構造モデル図であり本文中で説明したマイクロカプセル状の不燃化剤の第二の製造方法により得られるマイクロカプセル状の不燃化剤についてのものである。
【符号の説明】
【0082】
1:マイクロカプセル状の不燃化剤
2:内包物質
3:透過性高分子
4:多孔質微粒子
5:粒子骨格
D:マイクロカプセルの直径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも硼酸化合物を透過性物質で被覆してなる内包物質を多孔質微粒子に担持してなるとともに、平均カプセル粒径が50μm以下であるマイクロカプセルからなるパウダーを繊維製品の表面に付着させてなることを特徴とする不燃性繊維製品。
【請求項2】
該マイクロカプセルパウダーの付着量が、繊維製品の単位面積当たりで10〜200g/m2 であることを特徴とする請求項1記載の不燃性繊維製品。
【請求項3】
マイクロカプセルパウダーの付着量が、対繊維重量比で2〜200%であることを特徴とする請求項1または2記載の不燃性繊維製品。
【請求項4】
マイクロカプセルの大きさが、平均粒子径10μm以下であることを特徴とする請求項1、2または3記載の不燃性繊維製品。
【請求項5】
マイクロカプセルの大きさが、平均粒子径で2μm以上、5μm以下であることを特徴とする請求項4記載の不燃性繊維製品。
【請求項6】
繊維製品が、繊維横断面形状が非円形中実である非円形断面繊維が用いられて形成されてなるものであることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の不燃性繊維製品。
【請求項7】
非円形断面繊維が、三角断面、四角断面、五角断面、六角断面、八角断面、C型断面、T型断面、Y型断面、H型断面、多葉型断面、まゆ型断面の異形断面繊維のうちの1つもしくは2つ以上のものであることを特徴とする請求項6記載の不燃性繊維製品。
【請求項8】
繊維製品を構成する繊維が、合成繊維または化学繊維であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の不燃性繊維製品。
【請求項9】
繊維製品を構成する繊維が、天然繊維であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の不燃性繊維製品。
【請求項10】
不燃性繊維製品が、制服、作業服などの衣類であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の不燃性繊維製品。
【請求項11】
不燃性繊維製品が、寝装具であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の不燃性繊維製品。
【請求項12】
不燃性繊維製品が、建装具であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の不燃性繊維製品。
【請求項13】
不燃性繊維製品が、家具類の表皮材であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の不燃性繊維製品。
【請求項14】
不燃性繊維製品が、自動車、車輌、飛行機あるいは船舶等の座席シートの表皮材であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の不燃性繊維製品。
【請求項15】
不燃性繊維製品が、自動車、車輌、飛行機あるいは船舶等の内装材であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の不燃性繊維製品。
【請求項16】
不燃性繊維製品が、防湿シート、防水シートあるいは断熱材などの建材(建築材料)であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の不燃性繊維製品。
【請求項17】
不燃性繊維製品が、タオル、バスタオル、パジャマあるいは寝間着などの繊維製の身の回り品であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の不燃性繊維製品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−214063(P2006−214063A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−30676(P2005−30676)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(500282427)東レインターナショナル株式会社 (27)
【出願人】(505005359)株式会社トラストライフ関西 (3)
【Fターム(参考)】