説明

不良品選別器および不良品選別方法

【課題】 二種類の開口不良の選別を合理的に実行可能な不良品選別器を提供する。
【解決手段】 平板部(10a)から立設させた四方の立面が方形をなす箱体支持部(11)と、その箱体支持部(11)における少なくとも一面(13)に設けられた可動片(14)と、を備える。 その可動片(14)は、箱体(30)の内面の形状に合わせて動くことができ、可動片(14)が所定以上に拡開しないようにするための拡開ストッパ(17)と、可動片(14)を予め拡開させておくための支持突起(16)とを備える。 拡開された可動片(14)は、箱体(30)の開口寸法が許容範囲よりも小さい場合には可動片(14)またはそれに設けられた接触片(15)が接した箱体(30)の内面によって可動片(14)が押圧されて支持突起(16)を箱体支持部(11)内側に押し込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外開きおよび内反りという不良品が発生しうる箱体の製造工程において、不良品を後工程に送らないための不良品選別を、例えば運搬用パレットによって行うことができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
有底か無底かを問わない筒状体、あるいは蓋の無い箱体を製造する場合において、開口した部位が歪んで所定の形状や寸法をなさない場合には「不良品」となる。図8を用いて説明する。
この不良品には、開口した部位が所定の寸法よりも大きくなってしまう、あるいは部分的に大きくなってしまう「外開き(30a)」と、所定寸法よりも小さくなってしまう、あるいは部分的に小さくなってしまう「内反り(30b)」という二種類がほとんどである。
【0003】
さて、携帯情報機器、電気自動車またはハイブリッド車とも、電池の収納スペースが限られているため、限られた収納スペースを有効活用するため、角形電池が主流となっている。この角形電池は、方形をなす複数の正極板および負極板を、セパレータを介して互いに反対側の側縁部を両極板の対向部分から突出させて極板群を形成する。そして、その極板群の突出部(リード部)に集電板を配置し、その集電板の両端を折り曲げて折曲部として溶接する。また、その折曲部に挟まれた正極板および負極板の最外表面は、後述する電槽との絶縁のため、外周絶縁テープを貼付する。
その後、その極板群を電槽と呼ばれる金属ケース(電槽缶)に収納するが、この電槽の製造工程における不良品には、「外開き」および「内反り」という二種類がある。
上記の金属ケース90に関する不良品は、「外開き」をしていないかどうかの検査工程と、「内反り」をしていないかどうかの検査工程の二種類が必要であった。
【0004】
金属ケース90(電槽缶)は図9(a)に示すような製造ラインにおけるパレット70によって、外開きの不良については選別することができた。すなわち、開口を上に向けた状態で複数の金属ケース90を支持する支持体80に対して底面寸法が所定の開口寸法に等しく、四方の立面が先細りの台形をなす箱体支持部71を複数備えたパレット70を合わせる。すると、所定寸法の金属ケース90は箱体支持部71に嵌め合わされて図9(b)に示すようにパレット70に係合して次工程に回される。一方、所定寸法よりも大きくなっている外開きの金属ケース90は、箱体支持部71に嵌め合わされることがないので、次の工程に進めない。この段階で外開きの金属ケース90が選別できる。
しかし、「内反り」の金属ケース90は選別できない。
【0005】
なお、製造工程における不良品の検出に際して、製品の運搬のためのパレットを用いる技術としては、たとえば特許文献1に記載された技術、すなわち『ICパッケージの外観検査を確実に且つ効率良く行う』ための技術が発見された。
【0006】
【特許文献1】特開平8−26373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したように、現状では、「外開き」をしていないかどうかの検査工程と、「内反り」をしていないかどうかの検査工程の二種類が必要である。この検査工程の時間を短縮できれば、あるいは工程数を減らせれば好ましい。
しかし、特許文献1に記載された技術など、従来の技術では達成できない。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、開口した箱体の開口不良を、現状よりも合理的に選別可能な技術を提供することにある。
請求項1から請求項5の目的は、不良品選別を合理的に実行可能な選別器を提供することにある。
また、請求項6から請求項9の目的は、不良品選別を合理的に実行可能な不良品選別方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する手段として、本願発明では、以下の発明を提供する。
【0010】
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、 平板部(10a)と、 その平板部(10a)から立設させた立面を有する箱体支持部(11)とからなり、 その箱体支持部(11)は可動片(14)を備え、 前記箱体支持部(11)を開口した箱体(30)に挿入することによって当該箱体(30)の開口不良を選別可能な不良品選別器に係る。
前記可動片(14)は、 可動片(14)が所定以上に拡開しないようにするための拡開ストッパ(17)と、 可動片(14)を予め拡開させておくための支持突起(16)とを備える。
前記箱体(30)の開口寸法が許容範囲よりも小さい場合には前記箱体(30)の内面によって可動片(14)が押圧されて前記支持突起(16)を箱体支持部(11)内側に押し込まれることを特徴とする。
【0011】
(作用)
箱体(30)の開口寸法が許容範囲よりも大きい、すなわち外開き状態であるとする。この場合、可動片(14)が当該箱体(30)の内面に接しない。したがって、本請求項に係る不良品選別器に係合することがない。
開口した箱体(30)の開口寸法が許容範囲よりも小さい場合(すなわち内反り状態の場合)には、可動片(14)が接した前記箱体(30)の内面によって可動片(14)が押圧されて前記支持突起(16)を箱体支持部(11)内側に押し込んだ状態となり、可動片(14))が当該箱体(30)の内面に接しない。そのため、本請求項に係る不良品選別器に係合することがない。
以上により、外開き、内反りのいずれの場合も、本請求項に係る不良品選別器に係合することがなく、良品のみを係合し、ピックアップすることができる。すなわち、単独の不良品選別器によって、二種類の不良品を選り分けることができる。
【0012】
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載する不良品選別器を限定したものである。
すなわち、前記可動片(14)は、箱体支持部(11)における向かい合う二面(13)に設けたことを特徴とする。
向かい合う二面(13)とは、一般的に、外開きや内反りが発生しやすい箇所に対応した面である。
【0013】
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載する不良品選別器を限定したものである。
すなわち、 前記箱体支持部(11)は、四方の立面を台形とすることによって先細り形状としたことを特徴とする。
【0014】
(作用)
箱体支持部(11)が先細り形状をなしていることによって、選別対象となる箱体(30)の開口との位置合わせについて、高精度が要求されない。
【0015】
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載する不良品選別器を限定したものであり、
前記可動片(14)には、前記箱体(30)の内面に接する接触片(15)を備えることを特徴とする。
【0016】
箱体支持部(11)の立面に形成された可動片(14)とは別に、前記箱体(30)の内面に接する接触片(15)を備えることで、抽出すべき「良品の程度」を調整しやすくなる。たとえば、接触片(15)を大きくしたり、表面摩擦の大きな材質で形成したりすれば、「良品とされる許容範囲」を広げることができるし、逆に接触片(15)を小さくしたり、表面摩擦の小さな材質で形成したりすれば、「良品とされる許容範囲」を狭めることができる。
【0017】
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載する不良品選別器を限定したものである。
すなわち、前記箱体支持部(11)を複数備えた選別パレット(10)として形成したことを特徴とする。
【0018】
(作用)
箱体支持部(11)を複数備えた選別パレット(10)であるので、一度の工程で複数の不良品選別を実行することができる。
【0019】
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、開口した箱体(30)に前記箱体支持部(11)を挿入することによって当該箱体(30)の開口不良を選別可能な不良品選別器を用いて箱体(30)の開口不良を選別する方法に係る。
その不良品選別器は、平板部(10a)と、その平板部(10a)から立設させた立面を有する箱体支持部(11)とからなり、 その箱体支持部(11)には可動片(14)を備える。
その可動片(14)は、前記箱体(30)の内面の形状に合わせて動くことができるように形成されており、 その可動片(14)には、可動片(14)が所定以上に拡開しないようにするための拡開ストッパ(17)と、可動片(14)を予め拡開させておくための支持突起(16)とを備える。
その支持突起(16)によって拡開された可動片(14)は、前記箱体(30)の開口寸法が許容範囲よりも小さい場合には前記可動片(14)が接した前記箱体(30)の内面によって可動片(14)が押圧されて前記支持突起(16)が箱体支持部(11)内側に押し込まれるとともに、 前記箱体(30)の開口寸法が許容範囲よりも大きい場合には、前記支持突起(16)によって拡開された可動片(14)が当該箱体(30)の内面に接しないように形成されている。
そして、本請求項に係る不良品選別方法は、選別対象となる箱体(30)をその開口側に前記箱体支持部(11)を挿入可能であるように箱体支持パレット(20)によって支持する箱体支持工程と、 前記箱体支持パレット(20)に支持された当該箱体(30)の開口側から前記箱体支持部(11)を挿入する挿入工程と、 当該箱体(30)の開口に挿入した箱体支持部(11)を前記箱体支持パレット(20)から離す離脱工程と、 その離脱工程にて前記箱体支持部(11)へ係合せずに前記箱体支持パレット(20)へ残った箱体(30a,30b)を不良品として処理する不良品処理工程とを備えたことを特徴とする。
単独の不良品選別器によって、二種類の不良品を選り分けることができるので、不良品選別方法としては非常に合理的である。
【0020】
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の不良品選別方法を限定したものであり、
前記可動片(14)には、前記箱体(30)の内面に接する接触片(15)を備えることを特徴とする。
【0021】
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、請求項6または請求項7のいずれかに記載の不良品選別方法を限定したものである。
すなわち、前記不良品選別器は、前記箱体支持部(11)を複数備えた選別パレット(10)として形成するとともに、 前記箱体支持パレット(20)は、前記選別パレット(10)における箱体支持部(11)に対応した箱体(30)を支持するように形成されることを特徴とする。
【0022】
(用語説明)
箱体支持パレット(20)について、「選別パレット(10)における箱体支持部(11)に対応した箱体(30)を支持する」とは、選別パレット(10)が縦×横=m×n個の箱体支持部(11)を備えるのであれば、箱体支持パレット(20)もまたm×n個の箱体(30)を支持するパレットとして形成される、という趣旨である。
【0023】
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項6から請求項8のいずれかに記載の不良品選別方法を限定したものである。
すなわち、前記不良品処理工程にて不良品とされた箱体(30a,30b)を、整形する整形工程を備えるとともに、 その整形工程によって整形された箱体について前記箱体支持工程からの不良品選別を再度実行することとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1から請求項5に記載の発明によれば、不良品選別を合理的に実行可能な選別器を提供することができた。
また、請求項6から請求項9によれば、不良品選別を合理的に実行可能な不良品選別方法を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の実施の形態について、図面を参照させながら説明する。
ここで用いるのは図1から図7である。図1は、第一の実施形態に係る不良品選別器を用いた、検査を兼ねた生産ラインの一部を示す。図2は、第一の実施形態の主要部を示す斜視図である。図3は、第一の実施形態の主要部を示す断面図である。図4から図6は第二の実施形態の主要部を示す断面図を示す。図7は、第三および第四の実施形態における主要部を示す斜視図である。なお、図2および図7は、図示の都合上、上下を逆転させている。
【0026】
(第一の実施形態)
図1(a)には、不良品選別の対象となる開口箱体たる金属ケース30の開口を上に向けて支持する箱体支持パレット20と、その箱体支持パレット20に支持された前記金属ケース30の開口に挿入する箱体支持部11を備えた選別パレット10とを示す。選別パレット10は、平板部10aと、その平板部10aから立設させた複数の箱体支持部11とからなる。なお、本実施形態では、選別パレット10が本願発明に係る不良品選別器に相当する。
図1(b)には、前記選別パレット10の箱体支持部11を挿入されたことによって箱体支持パレット20から離脱してその箱体支持部11に係合し、当該選別パレット10を反転させた状態を示す。
【0027】
(図2)
図2は、前記選別パレット10の箱体支持部11と、その箱体支持部11に挿入される直前の金属ケース30とを示す。図2(a)は金属ケース30が挿入される直前を、図2(b)は金属ケース30が挿入され、後述する可動片14が内側に押し込まれた状態を、それぞれ想像線で示している。
箱体支持部11は、四方の立面を台形とすることによって先細り形状であり、短側板12と長側板13とをそれぞれ二面備えている。
【0028】
箱体支持部11は、両方の長側板13に設けられた可動片14を備える。この可動片14は、先細り側を根本とするとともに反先細り側端に達する二本の溝13a,13aによって切り出されることで、前記金属ケース30の内面の形状に合わせて動くことができるように形成されている。
更にその可動片14には、前記金属ケース30の内面に接する接触片15と、 可動片14が所定以上に拡開しないようにするための拡開ストッパ17と、 可動片14を予め拡開させておくための支持突起16と、を備えている。
拡開ストッパ17と支持突起16により、良品の金属ケース30が箱体支持部11に係合される所定位置に可動片14が拡開される。
【0029】
その支持突起16によって拡開された状態においては、前記金属ケース30の開口寸法が許容範囲よりも大きい場合には前記接触片15が当該金属ケース30の内面に接しないように形成されている。
また、前記金属ケース30の開口寸法が許容範囲よりも小さい場合には前記接触片15が接した前記金属ケース30の内面によって可動片14が押圧されて前記支持突起16を箱体支持部11の内側に押し込んだ状態となるように形成されている。
【0030】
(図3)
図3を用いて、更に詳しく説明する。
図3(a)は、金属ケース30の開口に箱体支持部11が挿入されても可動片14が動かない場合、すなわち、金属ケース30が不良品ではない場合および外開きの場合の箱体支持部11を示している。
可動片の接触片15,15の端部から端部までの距離をLとすると、金属ケース30における内寸がLと等しくて、接触片15,15と金属ケース30の内面とが接触して生じる摩擦力が金属ケース30の自重を支えられる場合には、金属ケース30が良品として選別される。
金属ケース30における内寸がLよりも大きい場合には、接触片15,15と金属ケース30の内面とが接触しない。そのため、金属ケース30は持ち上げられず、不良品として前記箱体支持パレット20に残ることとなる。
【0031】
金属ケース30における内寸がLよりも僅かに小さい場合において、後述する図3(b)の状態とはならない程度であれば、同じく金属ケース30が良品として選別される。
図3(b)は、金属ケース30における内寸がLよりも小さく、箱体支持部11を挿入した時に接触片15,15と金属ケース30の内面とが接触し、支持突起16,16を乗り越えて可動片14,14を内側に押し込んだ場合である。この場合、長側板13の根本部分の外寸をSとする。金属ケース30における内寸がLよりも小さくて且つSよりも大きい場合には、支持突起16,16は、長側板13の内側面に接触し、可動片14を内側に倒した状態で保持することとなるので、接触片15,15と金属ケース30の内面とが接触しない。そのため、金属ケース30は持ち上げられず、不良品として前記支持パレット20に残ることとなる。
【0032】
(第二の実施形態)
図4から図6に示す第二の実施形態では、箱体支持部11の形状が先細りの台方形をなしていた第一の実施形態と異なり、直方体をなしている。
図4では、外開きも内反りもしていない、標準サイズの金属ケース30について、どのようになるかを示している。すなわち、図4(a)に示すように、接触片15,15と金属ケース30の内面とが接触し、そこで生じる摩擦力が金属ケース30の自重を支えることができる。したがって、図4(b)に示すように、選別パレット10を持ち上げると金属ケース30も同時に持ち上げられ、支持パレット20から持ち上げられ、当該金属ケース30は良品として選別される。
なお、図4には図示できないが、短側板12が長方形をなし、長側板13は先細りの台形をなしていても良い。
【0033】
(図5)
図5では、外開きをした金属ケース30aの場合を示している。この場合、接触片15,15と金属ケース30の内面とが接触しないので、選別パレット10を持ち上げると、金属ケース30aは支持パレット20に残り、当該金属ケース30aは不良品として選別される。
【0034】
(図6)
図6では、内反りをした金属ケース30bの場合を示している。図6(a)が主要部を示す断面図であり、その図中に示すb−b断面を図6(b)に示す。また図6(c)には、可動片が押し込まれる前の状態を示す。
図6(c)に示すように、内反りをした金属ケース30bの開口に箱体支持部11を挿入する前は、長側板13は、拡開ストッパ17と可動片14を予め拡開させておくための支持突起16との間で静止している。
図6(a)および図6(b)に示すように、内反りをした金属ケース30bの開口に箱体支持部11を挿入し始めると、接触片15,15と金属ケース30bの内面とが接触する。更に金属ケース30bを挿入すると、可動片14,14に対しては接触片15,15を介して内側に力が加わり、支持突起16,16を乗り越えて可動片14,14を内側に押し込む。すると、支持突起16,16は、長側板13の内側面に接触し、可動片14を内側に倒した状態で保持することとなる。この状態になると、接触片15,15と金属ケース30bの内面とが接触しなくなる。したがって、選別パレット10を持ち上げると、金属ケース30bは支持パレット20に残り、当該金属ケース30bは不良品として選別されることとなる。
【0035】
(第三の実施形態)
図7(a)は、本発明の第三の実施形態の主要部を示す斜視図である。また、図7(b)は、第四の実施形態の主要部を示す斜視図である。
第三の実施形態は、第一の実施形態と異なり、箱体支持部11aが短側板12と長側板13のみからなり、底板を省略し、接触片15の幅を大きく形成している。接触片15の幅寸法を変更することで、両不良の選別基準を調整することができる。
なお、支持突起16の位置を図中の上下方向に変更することによっても、両不良の選別基準を調整することができる。
【0036】
(第四の実施形態)
第四の実施形態は、第一の実施形態と異なり、箱体支持部11bは短側板や長側板を用いず、曲側板12aのみからなる。水平断面形状が円形、楕円形、長円形をなす箱体である場合に用いることができる。ただし、選別対象となる箱体が方形であっても、用いることが可能な場合もある。
【0037】
図示は省略するが、実施形態のバリエーションとして、可動片14を両方の長側板13に設けず、一方の長側板13に設けるとしても、本願発明は機能させることができる。
なお、上記の各実施形態では、可動片14に接触片15を別途設けることとしているが、可動片14全体が接触片15の機能となるように形成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、開口を備えた箱体の製造業、たとえば、角形電池の製造分野や検査分野において利用することができる。
また、開口を備えた箱体が製造された場合の検査業、開口を備えた箱体のリユース、リサイクル業においても利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本願発明に係る開口箱体たる金属ケースの生産ラインの一部を示す斜視図である。
【図2】本願発明の主要部を示す斜視図である。
【図3】本願発明の主要部を示す断面図である。
【図4】本願発明の第二の実施形態の主要部を示す断面図であって、金属ケースが良品の場合を示す。
【図5】本願発明の第二の実施形態の主要部を示す断面図であって、金属ケースが外開きの場合を示す。
【図6】本願発明の第二の実施形態の主要部を示す断面図であって、金属ケースが内反りの場合を示す。
【図7】本発明の第三の実施形態、第四の実施形態の主要部を示す斜視図である。
【図8】開口箱体の不良の態様を示す斜視図である。
【図9】従来の開口箱体たる金属ケースの生産ラインの一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
10 選別パレット 10a 平板部
11 箱体支持部 11a 箱体支持部
11b 箱体支持部
12 短側板 12a 曲側面
13 長側板 13a 溝
14 可動片 15 接触片
16 支持突起 17 拡開ストッパ
20 箱体支持パレット
30 箱体(金属ケース)
30a 箱体(外開き不良) 30b 箱体(内反り不良)
70 箱体輸送パレット 80 箱体支持パレット
90 箱体(金属ケース)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板部と、 その平板部から立設させた立面を有する箱体支持部とからなり、 その箱体支持部は可動片を備え、 前記箱体支持部を開口した箱体に挿入することによって当該箱体の開口不良を選別可能な不良品選別器であって、
前記可動片は、 可動片が所定以上に拡開しないようにするための拡開ストッパと、
可動片を予め拡開させておくための支持突起と、を備え、
前記箱体の開口寸法が許容範囲よりも小さい場合には、前記箱体の内面によって可動片が押圧されて前記支持突起が箱体支持部内側に押し込まれることを特徴とする不良品選別器。
【請求項2】
前記可動片は、箱体支持部における向かい合う二面に設けたことを特徴とする請求項1に記載の不良品選別器。
【請求項3】
前記箱体支持部は、四方の立面を台形とすることによって先細り形状としたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の不良品選別器。
【請求項4】
前記可動片は、前記箱体の内面に接する接触片を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の不良品選別器。
【請求項5】
前記箱体支持部を複数備えた選別パレットとして形成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の不良品選別器。
【請求項6】
不良品選別器を用いて開口した箱体の開口不良を選別する方法であって、
その不良品選別器は、 平板部と、その平板部から立設させた立面を有する箱体支持部とからなり、 その箱体支持部は可動片を備え、 その可動片は、前記箱体の内面の形状に合わせて動くことができるように形成されるとともに、
その可動片には、 可動片が所定以上に拡開しないようにするための拡開ストッパと、 可動片を予め拡開させておくための支持突起と、を備え、
その支持突起によって拡開された状態においては、前記箱体の開口寸法が許容範囲よりも大きい場合には前記可動片が当該箱体の内面に接しないように形成されているとともに、 前記箱体の開口寸法が許容範囲よりも小さい場合には前記可動片が接した前記箱体の内面によって可動片が押圧されて前記支持突起を箱体支持部内側に押し込んだ状態となるように形成されており、
選別対象となる箱体をその開口側に前記箱体支持部を挿入可能であるように箱体支持パレットによって支持する箱体支持工程と、
前記箱体支持パレットに支持された当該箱体の開口側から前記箱体支持部を挿入する挿入工程と、
当該箱体の開口に挿入した箱体支持部を前記箱体支持パレットから離す離脱工程と、
その離脱工程にて前記箱体支持部へ係合せずに前記箱体支持パレットへ残った箱体を不良品として処理する不良品処理工程とを備えたことを特徴とする不良品選別方法。
【請求項7】
前記可動片は、前記箱体の内面に接する接触片を備えることを特徴とする請求項6に記載の不良品選別方法。
【請求項8】
前記不良品選別器は、前記箱体支持部を複数備えた選別パレットとして形成されるとともに、
前記箱体支持パレットは、前記選別パレットにおける箱体支持部に対応した箱体を支持するように形成されることを特徴とする請求項6または請求項7のいずれかに記載の不良品選別方法。
【請求項9】
前記不良品処理工程にて不良品とされた箱体を、整形する整形工程を備えるとともに、
その整形工程によって整形された箱体について前記箱体支持工程からの不良品選別を再度実行することとした請求項6から請求項8のいずれかに記載の不良品選別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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