説明

不要品判断方法及び物品管理システム

【課題】 不要品を自動的に検出することができる不要品判断方法を提供するとともに、ユーザが不要品を入手しようとしているときに不要品を購入しないように直ちに警告することができる物品管理システムを提供する。
【解決手段】 物品の残有効期間を検出し、もし物品の有効期限が切れている場合には、物品の残量を計測する。このときの残量が、物品データベース803の物品の不必要度の判断基準と比較して多い場合には、前記物品が有効期限が切れるまでに殆ど若しくは全く使われなかったものと判断し、前記物品を不要品と決める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭内などにある物品を管理する物品管理システムに係り、特に過去に入手した物品に関して、前記物品の使用の度合いに応じた必要の度合いを判断する不要品判断方法に関する。また、本発明は、前記物品を再度入手しようとした時には前記物品の必要の度合いに応じて、前記物品を入手すべきかどうかをアドバイスする物品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク技術や情報処理技術、また物品を自動で管理するためのRFIDタグ技術開発により、物流などの業務分野を中心に物品在庫管理の自動化の技術開発が進んでいる。典型的な例としては、倉庫に管理する物品にはRFIDタグ(以下、タグ)を、また倉庫の物品入出庫部にRFIDタグの読み取り装置(以下、タグリーダ)を置いておき、物品の入出庫が行われる際に、物品のタグを前記タグリーダで読むことで倉庫内の物品在庫が自動で計算できる。これにより、例えば不足している物品があれば、すぐさまネットワークを介してそれらを自動で発注することなども可能となってきている。
【0003】
この例で示したように物品の在庫量を管理し、それが無くなること若しくは無くなりそうになることを自動で検知することにより、自動的に補充するための技術は、一般家庭にも応用可能である。例えば特許文献1や特許文献2では、一般家庭において使われる消耗品の残量の度合いに応じて、前記消耗品を自動発注する技術が開示されている。また、特許文献3では、消耗品が減ってきたため自動的に発注する際に、気象条件や社会動向なども加味して最適な発注量を予測するという考え方が開示されている。前記特許文献3ではさらに、現在所有している消耗品の賞味期限についても管理しており、これにより賞味期限が近づいた物品についてはそれを使い切るためのプランを提示するなどして、前記物品が無駄に捨てられることのないような工夫についても開示されている。
【0004】
以上のことをまとめると、先ほど示した従来の技術は、物品管理においてユーザが忘れがちになる下記の2つの物品管理作業、すなわち、
・必要物品の補充
・期限切れになる物品の消費
をサポートすることを目的としているといえる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−296904号公報
【特許文献2】特開2002−117298号公報
【特許文献3】特開2003−030421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで普段の生活において物品管理に関して我々の抱える他の大きな問題の一つは、多くの不要品に関するものである。ここでいう不要品とは、殆ど若しくは全く使われていない、又は使う予定のない物品のことであり、いわゆる趣味やコレクションとして保有している物品とは異なる。このような不要品が必需品に加えて存在することは、結果的に家庭内の物品の総数が増えることになるため、片づけが面倒になる、片づけ場所が逼迫される、などといった生活空間の問題に加え、ある調査によると一世帯で一年間に賞味期限が切れる食品の総額は平均で15万円にも上るという報告例にもあるように、コスト面でも大きな問題となっている。
【0007】
従って、不要品を減らす若しくは無くすための技術開発が大きな課題となるが、先ほど示した従来技術のうち、特許文献1及び特許文献2に関しては、前記問題意識に関しての記載がされておらず、従って、前記課題に対する対策については全く開示されていない。
【0008】
一方、前記特許文献3では前記課題を事後的に解決する対策の例が開示されている。事後的な対策とは、すでに入手してしまった不要品を消費又は処分することで不要品を減らす対策である。具体的には特許文献3では、期限切れになる物品の消費を促す技術が開示されている。消費の促進対象になった食品がいつも食べている食品であれば、たまたま何かの原因でその消費ペースが若干遅くなり、賞味期限間近になっても使用が完了しないケースはよくあることであり、こういった場合に早く消費し終えることを警告してくれるとう点で本技術は有用であると思われる。しかしながら、消費促進の対象になった食品が普段あまり食さないようなものであれば、ユーザは食べたくもないものを食べさせられるというような、いわば脅迫されているように感じられてしまい、精神的な苦痛を受けることになる。さらには、実際に食べるとなるとそれら食品を使うようなメニューにしなければならないという制約も受けてしまうということになるという問題が生じる。他の事後対策の案としては不要品をリユースさせることも考えられるが、そのためには、ユーザが不要品の引き取り手を探すという行動を積極的に取らねばならないという面倒さが問題となる。
【0009】
この問題を解決する他の有効な対策が事前対策、すなわち不要品を入手しないように前もって手を打つという対策である。そのためには、なぜ不要品が増えてしまうかということを考察する必要がある。
【0010】
物品を入手する場合に冷静さを保っていれば不要品を入手することなどあり得ないと考えるのが普通である。それにも関わらず、気が付いたら多くの不要品がたまっているという状況が起こる原因は多々考えられるが、代表的な原因の一つが衝動買いであろう。値段に惹かれて衝動的に物品を購入する行為は、人によって程度の差はあるものの多くの人間が持ち合わせている性質である。例えば、店舗に買い物に行った際、若しくはインターネットのショッピングサイト閲覧の際に特売品として売られていると、安いからといってついつい買ってしまうことは、多くの人が一度や二度は経験することであると思われる。
【0011】
このような考察から、家庭に不要品持ち込まない事前対策の一つとしてユーザの衝動買いを防ぐことは有効であり、こういった衝動買いを防ぐためには、もし不要品が事前に何らかの方法で分かり、しかもそれを入手しようとする状況が検出できた場合に、前記不要品を購入しないように警告できる技術が必要となる。
【0012】
従って、本発明の目的は、前記問題を解決することであって、不要品を自動的に検出することができる不要品判断方法を提供するとともに、該不要品判断方法を利用して、さらにユーザが不要品を入手しようとしているときに不要品を購入しないようにただちにユーザに警告することができる物品管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0014】
本発明の1つの態様によれば、物品の残有効期間を検出する残有効期間検出工程と、
前記物品の残量を計測する物品残量計測工程と、
前記残有効期間検出工程で検出された前記物品の前記残有効期間及び前記物品残量計測工程で検出された前記物品の前記残量を、物品データベースに蓄積された前記物品の不必要度の判断基準にそれぞれ照らし合わせて、その結果により前記物品の不必要度を判断又は予測する物品不必要度判断工程と、を備えたことを特徴とする、不要品判断方法を提供する。
【0015】
本発明の不要品判断方法によれば、物品データベースには物品の不必要度の判断基準が予め蓄積されている。そして、まず、残有効期間検出工程によって物品の有効期間がどのくらい残っているかを検出する。例えば、もし物品の有効期限が切れていると分かった場合には、続いて前記物品の残量を計測する。このときの残量が前記判断基準と比較して多い場合には、前記物品が有効期限が切れるまでに殆ど若しくは全く使われなかったものと判断し、前記物品を不要品と決める。なお、もし物品の有効期限が切れていないと分かった場合には、その物品は必要品であると仮定されるが、この場合でも、続いて前記物品の残量を計測するようにしてもよい。
【0016】
また、本発明の不要品判断方法によれば、物品データベースには物品の機能及び物品の不必要度の判断基準が予め蓄積されるようにしてもよい。そして、物品機能類似度計算工程は、前記データベースに登録されている物品の各々に対して、ユーザが提示した物品と、どのくらい機能が似ているかの類似度を計算するようにしてもよい。もし前記計算された類似度が前記判断基準以下である場合には、前記ユーザ提示物品の持つ機能を代替する物品がすでにあるものと判断し、前記ユーザ提示物品を不要品と決めるようにしてもよい。
【0017】
本発明の別の態様によれば、少なくとも物品の不必要度を記憶する物品データベースと、
ユーザの物品入手行為又は前記ユーザの物品入手意志を検出する物品入手検出部と、
前記物品の不必要度に応じて前記ユーザに警告を行う警告部と、
前記物品入手検出部が前記ユーザの物品入手行為又は前記ユーザの物品入手意志を検出した情報を受けて、前記ユーザの入手しようとしている前記物品の不必要度を、前記物品データベースを参照して取得し、前記取得した不必要度に応じて前記警告部により前記ユーザに警告をするように制御する制御部とを備えたことを特徴とする物品管理システムを提供する。
【0018】
本発明の物品管理システムによれば、物品データベースには物品の不必要度が予め蓄積されている。まず、物品入手検出部はユーザが物品を入手しようとしている行為を検出する。そして、ユーザが物品を入手しようとしていたら、警告部は、前記物品データベースの不必要度を参照することにより、前記物品が前記ユーザにとって不必要なものかどうかを調べる。もし、前記物品が不必要であると分かったら、ただちにその旨をユーザに伝え、ユーザの物品入手中止を促す。
【発明の効果】
【0019】
本発明の不要品判断方法により不要品を自動的に検出することができ、また、本発明の物品管理システムにより、ユーザが不要品を入手しようとしていることを検出し、不要品を購入しないようにただちに警告することができる。これら2つの発明の組み合わせにより、商店における買い物時やパソコンとインターネットを使って通信販売の商品を買おうとしているときに、手に入れようとしている物品が本当に必要かどうかの判断結果を適切なタイミングで警告することができる。この警告により、ユーザは値段につられた衝動買いかどうかを冷静に考え直す気持ちの余裕を持てるようになり、結果的に不要品を入手する意志を抑制できる。これによって、ユーザは不要品入手による無駄な出費が抑えられ経済的にゆとりができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
【0021】
本発明の第1態様によれば、物品の残有効期間を検出する残有効期間検出工程と、
前記物品の残量を計測する物品残量計測工程と、
前記残有効期間検出工程で検出された前記物品の前記残有効期間及び前記物品残量計測工程で検出された前記物品の前記残量を、物品データベースに蓄積された前記物品の不必要度の判断基準にそれぞれ照らし合わせて、その結果により前記物品の不必要度を判断又は予測する物品不必要度判断工程と、を備えたことを特徴とする、不要品判断方法を提供する。
【0022】
本発明の第2態様によれば、前記物品に対するユーザの物品操作を検出する物品操作検出工程をさらに備え、
前記残有効期間検出工程は、前記物品操作検出工程で検出した前記ユーザの前記物品操作に応じて前記物品の前記残有効期間を検出することを特徴とする、第1の態様に記載の不要品判断方法を提供する。
【0023】
本発明の第3態様によれば、前記残有効期間検出工程で検出された前記物品の前記残有効期間及び前記物品残量計測工程で検出された前記物品の前記残量を基に、前記物品データベースに蓄積された前記物品の最適量を計算する物品最適量計算工程をさらに備えることを特徴とする、第1の態様に記載の不要品判断方法を提供する。
【0024】
本発明の第4態様によれば、少なくとも物品の機能及び不必要度の判断基準を蓄積する物品データベースに蓄積された異なる前記物品のそれぞれの機能を比較することにより前記異なる物品間の類似度を計算する物品機能類似度計算工程と、
前記物品機能類似度計算工程で計算された前記物品の類似度と、前記物品データベースに蓄積された前記物品の不必要度の判断基準に照らし合わせて、前記物品の不必要度を判断又は予測する物品不必要度判断工程と、を備えたことを特徴とする、不要品判断方法を提供する。
【0025】
本発明の第5態様によれば、少なくとも物品の不必要度を記憶する物品データベースと、
ユーザの物品入手行為又は前記ユーザの物品入手意志を検出する物品入手検出部と、
前記物品の不必要度に応じて前記ユーザに警告を行う警告部と、
前記物品入手検出部が前記ユーザの物品入手行為又は前記ユーザの物品入手意志を検出した情報を受けて、前記ユーザの入手しようとしている前記物品の不必要度を、前記物品データベースを参照して取得し、前記取得した不必要度に応じて前記警告部により前記ユーザに警告をするように制御する制御部とを備えたことを特徴とする物品管理システムを提供する。
【0026】
本発明の第6態様によれば、前記物品を一時的に収納する構造をなし、前記物品が収納されたこと及び前記物品の種類を区別する一時収納部を備え、
前記物品入手検出部は、前記一時収納部が前記物品の収納を検出したことを、前記ユーザの物品入手行為又は前記ユーザの物品入手意志を検出したこととみなすことを特徴とする、第5の態様に記載の物品管理システムを提供する。
【0027】
本発明の第7態様によれば、物品の入手を予約する操作を行う物品入手予約部を備え、
前記物品入手検出部は、前記物品の入手を予約する操作を行う前記物品入手予約部が物品入手の予約操作を検出したことを、前記ユーザの物品入手行為又は前記ユーザの物品入手意志を検出したこととみなすことを特徴とする、第5の態様に記載の物品管理システムを提供する。
【0028】
本発明の第8態様によれば、前記物品入手検出部は、前記ユーザが前記物品を入手する領域に備えられてかつ前記物品を入手する領域であることを示す情報を有するタグと、前記タグの前記情報を読み取り可能な物品入手領域検出装置とより構成し、前記ユーザが前記物品入手領域検出装置を携帯して、前記物品を入手する領域に入ったときに、前記物品入手領域検出装置により前記タグの前記情報を読み取ることにより、前記ユーザの物品入手行為又は前記ユーザの物品入手意志を検出することを特徴とする、第5の態様に記載の物品管理システムを提供する。
【0029】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
まず、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明するが、以下の説明では、最初に不要品を判断する方法について述べ、続いて不要品判断結果を用いてユーザが不要品を入手しようとしている行為を抑制する物品管理システムについて詳述する。
【0031】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態にかかる不要品判断方法の考え方は極めて単純で、対象となる物品の有効期限が切れた時に、その物品が殆ど若しくは全く使われていなければ不要品とするものである。この考え方に従い、本発明の第1実施形態による不要品判断方法は、対象となる物品の有効期限が切れているかどうかを判断し、有効期限に達していない場合は有効期間がどの程度残っているかを検出する残有効期間検出工程と、物品が殆ど若しくは全く使われていないことを物品の残量によって判断するために物品の残量を計測する物品残量計測工程と、そして前記残有効期間検出工程で検出された物品の残有効期間及び前記物品残量計測工程で検出された物品の残量を、判断基準に照らし合わせて、物品の不必要度を判断又は予測する物品不必要度判断工程と、を含む構成を有している。
【0032】
これら3つの工程によって不要品を判断する方法をフローチャートの形式で示したのが図1Aである。前記3工程と図1Aのフローチャートにおける各処理との対応関係は下記の通りである。
【0033】
・残有効期間検出工程はステップS101、
・物品残量計測工程はステップS103、
・物品不必要度判断工程はステップS102、ステップS104〜ステップS109
である。
【0034】
図1Aのフローチャートにおける各処理を実施するための不要品判断装置の構成を、図1Bにブロック図として示す。図1Bにおいて、不要品判断装置は、ユーザが不必要度や類似度などの情報又はその情報の修正を必要に応じて入力可能なキーボードやマウスなどの入力装置55と、不必要度や類似度などの情報などを表示など出力可能なディスプレイなどの出力装置54と、各物品の詳細を表す属性情報などの物品の様々な情報が記憶されている物品データベース803と、物品の重量を検出する重量センサW(W1〜W6,W10など)と、物品に付与されたタグTを自動的に読み込むタグリーダR(R1〜R6,R10など)と、入力装置55から情報が入力されるとともに重量センサW(W1〜W6,W10など)で検出された物品の重量の情報とタグリーダR(R1〜R6,R10など)で検出された物品のタグTの情報とがそれぞれ入力され、必要に応じて物品データベース803内に記憶された情報を検索して抽出するとともに、必要な計算や比較動作などを行い、出力装置54に情報を出力するとともに、必要な情報を物品データベース803内に記憶させるように制御する制御部50とを備えて構成している。制御部50は、残量比計算部や残有効期間検出部などとして機能を発揮可能となっている。
【0035】
以下、図1A及び図1Bに従って不要品判断方法の処理手順を説明する。
【0036】
まず、ステップS101では、不要品かどうかを判断したい物品(対象となる物品)について、残有効期間検出工程にて前記物品の有効期限が切れていないかどうかを残有効期間検出部として機能する制御部50により検出する。すなわち、まず、前記物品の有効期限を残有効期間検出部として機能する制御部50により検出する。検出情報に基づき、物品データベース803に記憶された前記物品の有効期間情報を基に、制御部50により前記物品の有効期限が切れていないかどうかを判断する。前記検出方法については後述する。
【0037】
次いで、ステップS102では、もし有効期限が切れていない場合は、当該物品はまだ使う可能性が残っているため必要であると判断し、ステップS109に進む。一方、有効期限が切れている場合は、当該物品が殆ど若しくは全く使われていないかどうかの判断のためにステップS103に進む。
【0038】
次いで、ステップS103では、制御部50により対象物品の新品時の重量を物品データベース803から取得するとともに、現在の残量を重量センサWにより計測する。
【0039】
次いで、ステップS104では、対象物品の不必要度の判断基準を物品データベース803から制御部50により取得し、制御部50により対象物品の新品重量と残量との関係を不必要度の判断基準と照らし合わせ、前記物品の不必要度を制御部50により判断する。具体的には、前記新品重量に対する前記残量の比を、残量比計算部として機能する制御部50により計算し、この残量の比の値が予め物品毎に決められた前記不必要度の値を超えているか否かを制御部50により判断する。前記残量の比の値が不必要度の値を超えていると制御部50により判断されれば、不必要と判断し、超えていないと制御部50により判断されれば不必要でない、と制御部50により判断する。
【0040】
次いで、ステップS105では、前記の判断方法によって対象物品が不必要品かどうかを制御部50により判断する。もし不必要であると制御部50により判断されればステップS106に進み、もし不必要でないと制御部50により判断されればステップS107に進む。
【0041】
次いで、ステップS106では、対象物品が不要品であると分かったので、その情報を本発明の第1実施形態による物品管理システムで利用するために、制御部50により物品データベース803に対象物品が不要品であることを書き加え、処理を終了する。但し、すでに対象物品が不要品であることが書き込まれていたら、このステップは省略して次のステップに進む。これは、制御部50により物品データベース803に対象物品が不要品であることを書き加える前に、制御部50により物品データベース803において対象物品が不要品であると書き込まれているか否かを検出すればよい。
【0042】
次いで、ステップS107では、対象物品の残量が十分に少ないか否かを制御部50により判断する。具体的には、制御部50が物品データベース803から、対象物品の残量が十分に少ないと判断すべき基準となる基準残量の値を取得し、取得した基準残量と対象物品の残量とを制御部50により比較する。対象物品の残量が、前記取得した基準残量より少ないと制御部50により判断されれば、ステップS109に進み、そうでなければステップS108に進む。この分岐ステップは、次回に同じ物品を入手する際に、現在所有している分量と同じだけ必要か、そうでないかをアドバイスする情報を物品データベース803に蓄積するために行われている。よって、分岐結果情報は制御部50により物品データベース803に記憶される。
【0043】
次いで、ステップS108では、対象物品は必要品であるが、現在所有している分量と同じだけ必要ではないので、ユーザにとって最適な量として、対象物品の新品重量から残量を差し引いた値を物品データベース803に書き加え、ステップを終了する。
【0044】
次いで、ステップS109では、対象物品が必要品であることを物品データベース803に書き加え、ステップを終了する。但し、すでに対象物品が必要品であることが書き込まれていたらこのステップは省略する。これは、制御部50により物品データベース803に対象物品が必要品であることを書き加える前に、制御部50により物品データベース803において対象物品が必要品であると書き込まれているか否かを検出すればよい。
【0045】
以上、不要品判断方法の処理手順の概要を説明した。
【0046】
以下では、本フローチャートのステップS104及びステップS108について補足説明するが、それに先立ち、これら2つのステップを実行するために必要な情報を格納する物品データベース803の概要、前記データベースに含まれる各物品の属性情報の取得方法について説明し、続いて前記2つのステップの説明を詳述する。
【0047】
図2Aは本発明の第1実施形態の不要品判断方法による物品データベース803の構成例を示した表である。図2Aの表は、各列に管理対象物品を配置し、各行には各物品の詳細を表す属性情報が格納される構成をなす。本構成例では前記詳細な属性情報として、
・ID(ID番号)
・品名
・現在位置
・製造日
・有効期間
・新品時の重量
・有効期限切れ時基準残量
・要不要判断基準
・不必要度
を少なくとも含むようになっている。このうち、有効期限が切れたかどうかの判定に必要な属性情報は製造日と有効期間の2つ、また、物品が殆ど若しくは全く使われていないことの判断基準に必要な属性情報は新品時の重量、有効期限切れ時基準残量、そして、要不要の判断基準(詳細は後ほど説明)の3つ、である。そして、これらを使うことで前記ステップS104が行われ、その結果として計算されたそれぞれの物品の不必要度が、前記データベース803の属性情報である不必要度に書き込まれる。物品の不必要度の判断結果をデータベース803に蓄えておくことで、本発明の第1実施形態による物品管理システムにおいて、制御部50が対象物品が不必要かどうかを判断する際に、不要品判断方法を実装した不要品判断プログラムを呼び出して実行する手間が省け、前記システムがシンプルな構成で構築できるようになる。詳細は後で説明する。
【0048】
また、図2Aの物品データベース803に記載されるその他の属性情報として、ID、品名、現在位置の3つを含んでいる。それぞれ、IDは当該物品を他の物品と区別するための情報、品名は当該物品を表す名称、現在位置は当該物品が格納されている場所を表す。これらのID、品名、現在位置の3つ情報は、実空間において物品を管理するために使われる一般的な属性情報であり、本発明の第1実施形態に直接関連する属性情報ではない。
【0049】
次に、このような物品の属性情報をどのようにして取得するかについての例を説明する。
【0050】
まず、最初に不変の属性情報について、続いて可変の属性情報について説明する。
【0051】
不変の属性情報とは、物品そのものが持つ属性情報のうち、値が変化することのない属性情報のことで、図2Aの物品データベース803で用意してある属性情報では、ID、品名、製造日、有効期間、新品時の重量、要不要判断基準、がそれに相当する。有効期間については状況によって有効期間が変わったり、もともと有効期間が不明であったり決められていない場合もあるが、便宜上、この第1実施形態では有効期間は不変の属性情報とする。
【0052】
不変属性情報を物品データベース803に取り込む有効な方法の一つが、タグシステムを利用する方法である。昨今、商品にタグをつけて在庫管理の手間を省くなどの業務効率化の実証実験があちこちで実施されている状況を鑑みるに、商品にタグを付けて販売する状況が遠い未来ではなく、にわかに現実味を帯びてきている。もし、こういった状況を想定した場合は、物品に付与されたタグTに前記物品の属性情報を記載し、一方で物品を管理する空間内での物品持ち込み部(例えば、食料の場合には冷蔵庫若しくは食品保管用ラック若しくは電子レンジ若しくはオーブン若しくはごみ箱など、食器や調理器具などの場合には食器棚など、食料や食器や調理器具などの場にはキッチンのシンク若しくは食卓若しくは調理台若しくはガスコンロなど)に前記タグリーダRを設置しておくことで、物品を持ち込んだ時に、タグリーダRで前記持ち込み物品に付与されたタグTを自動的に読み込むことにより、前記持ち込み物品の属性情報を自動的に簡単に取り込むことができる。この際、物品に付与するタグTへの属性情報の保持の仕方として、タグ内部に情報を書き込むためのメモリを格納しているタイプ、タグの内部には他のタグとの区別用番号のみを格納し、前記番号に関する情報を他に格納することで間接的にタグの情報を得るタイプ、の2通りがあるが、どちらを用いてもかまわない。
【0053】
図3は、物品の不変属性情報をタグTを使って取り込むための設備の例を示した概念図である。図3の例では、物品を管理する空間例として冷蔵庫30の例を示している。そして、本例では、冷蔵庫30に物品を入れることをトリガーにして物品の不変属性情報を物品データベース803に取り込めるように、冷蔵庫30の各収納場所(すなわち、冷蔵室の上段の棚30a、中段の棚30b、下段の棚30c、ドア30gの内側の上段のポケット30d、ドア30gの内側の中段のポケット30e、ドア30gの内側の下段のポケット30fなど)に、冷蔵庫30に入れられる物品のICタグTを読み込み可能なタグリーダR1〜R6をそれぞれ設けている。タグリーダR1〜R6は常に動作させていると消費電力が増加してしまうため、冷蔵庫30のドア30gが閉められた時にのみ動作させるなどすればよい。
【0054】
可変の属性情報とは、物品そのものが持つ属性のうち、使われることで値が変化する属性情報のことで、図2Aの物品データベース803で用意してある属性情報では、現在位置、有効期限切れ時残量、不必要度がそれに相当する。
【0055】
可変属性情報に関してはそれぞれ独自の情報取得手段が必要となるので、以下でその詳細を説明するが、このうち、現在位置については、本発明の第1実施形態には必要な情報ではないので説明を省略する。また、不必要度は、前述の図1AのフローチャートのステップS106、ステップS108又はステップS109の処理結果を格納する属性情報なので、これについても説明を省略する。
【0056】
従って、ここでは、有効期限切れ時を含めた物品の残量の取得方法についてのみ説明する。物品の残量を計測する最も簡単な方法は、物品の重量を計測することである。そのためには、物品を保管したり廃棄する場所に、物品の重量を計測する重量センサW1〜W6を設置することが必要となる。先ほど説明した図3の冷蔵庫30の例では、物品の不変属性情報を取り込むために物品に付されたタグTを読み込み可能なタグリーダR1〜R6に加え、物品の残量を計測するための重量センサW1〜W6も、冷蔵庫30の各収納場所(すなわち、上段の棚30aの底面、中段の棚30bの底面、下段の棚30cの底面、ドア30gの内側の上段のポケット30dの底面、ドア30gの内側の中段のポケット30eの底面、ドア30gの内側の下段のポケット30fの底面など)に設置されている。これにより、それぞれの物品の残量を細かく計測することが可能となる。
【0057】
以上、物品の属性情報をなるべく物品データベース803に自動的に取得できる方法を紹介した。いうまでもないが、ここで紹介した方法はあくまで一例であり、他の方法を利用してもかまわない。また、環境によってはこれらの属性情報取得が自動ではできない場合もあるので、そのような場合は、オーソドックスで手間のかかる方法であるが、キーボードやマウスなどの入力装置55を使用して人手による入力でももちろんかまわない。
【0058】
続いて、図1AのフローチャートのステップS104及びステップS108について説明する。
【0059】
ステップS104は、本発明の第1実施形態の不要品判断方法で最も重要な処理を担う物品不必要度判断工程に相当する。繰り返しになるが、ここでいう不要品とは、趣味やコレクションとして保有している物品を除き、殆ど若しくは全く使われていない物品とする。この場合に問題となるのは、
1)殆ど若しくは全く使われていないことを判断する基準、
2)殆ど若しくは全く使われていない状況を計測する方法、
の2つである。
【0060】
まず、前記不必要度を判断する基準の決め方であるが、当然、様々な方法が考えられるが、ここではそのうちの一つの方法を説明する。それは物品の新品時(すなわち購入時)の量と前記物品の有効期限が切れた際の残量の比を基準とするもので、残量を新品時の量で除したときの値(以下、残量割合)が、所定値より大きい場合は不要品、前記所定値以下であれば必要品と判断する。
【0061】
前記所定値は、全ての物品に対して同じ値を用いてもよいし、物品毎に別々に設定しても良い。また、物品によっては季節などの環境条件によって有効期間や使用量が異なる場合もあるので、環境条件毎に別々に設定することも、もちろん可能である。図2Aの物品データベース803では、要不要の判断基準として2通りの例を示している。まず、ID番号000323の醤油,000425の豆板醤については、最も単純な例であり、時期に関係なく残量80%を要不要の判断基準としている。次に、ID番号000555の牛乳、000558のなすについては、時期によって要不要の判断基準を分けており、いずれも10〜4月は残量60%、5〜9月は残量70%を要不要の判断基準としている。これは、暖かい夏は腐敗が早いため要不要の判断基準を甘くしたいという意図を反映したものである。
【0062】
物品の有効期限が切れたかどうかの判断方法について2通り紹介する。まず一つめであるが、有効期限を、属性情報の製造日に属性情報の有効期間を加えたものと定義すると、前記定義によって算出された有効期限が、現在より後かどうかで有効期限切れかどうかを容易に判断できる。例えば、現在が2004年6月17日と仮定すると、図2Aの表に登録されている4つの物品の有効期限はそれぞれ下記の通りとなるので、下記4つの物品はいずれも有効期限切れではない、と判断できる。
【0063】
・牛乳 :2004年6月10日(製造日)に、製造日当日を含めて10日(有効期間)後であるから、有効期限は2004年6月19日。
・なす :2004年6月15日(製造日)に、製造日当日を含めて5日(有効期間)後であるから、有効期限は2004年6月19日。
・醤油 :2004年6月1日(製造日)に、製造日当日を含めて30日(有効期間)後であるから、有効期限は2004年6月30日。
・豆板醤:2004年5月1日(製造日)に、製造日当日を含めて6ヶ月(有効期間)後であるから、有効期限は2004年11月30日。
【0064】
もう一つの方法は、有効期限が明示されていない場合、もしくは明示されているが物品データベース803に取り込むことが困難な場合である。この場合は、ユーザの物品操作対象の物品のタグTを、操作対象となる箇所に設けられたタグリーダRで検出することによりユーザの物品操作を検出する物品操作検出工程を備え、前記物品操作検出工程で検出したユーザの物品操作に応じて物品の残有効期間が無くなった(すなわち有効期限が切れた)ことを検出するようにしてもよい。より具体的には、ユーザの物品操作とは当該物品の廃棄の操作であり、前記物品廃棄の操作を検出することで、有効期限が切れたと判断する。この方法では、当該物品の廃棄をどのようにして検出するかが課題となるが、一つの方法としては、タグ技術及び廃棄場所の工夫(例えば廃棄箇所のゴミ箱に設けたタグリーダRにより、ゴミ箱に内に物品が入れられたことを検出すること)によって実現可能である。
【0065】
図4は工夫をこらした物品廃棄場所の例としてのゴミ箱を示した概念図である。図4の例では、前記工夫としてゴミ箱31にタグリーダR10並びに重さセンサW10が付けられている。もし仮に物品にタグTが付与されているとすると、前記物品を当該ゴミ箱31に廃棄した際には、前記物品に付与されたタグTを前記タグリーダR10で読み取ることで何が廃棄されたかが分かる。さらには、重さセンサW10で廃棄された物品の重さが計測できるので、それによって残量も計算できるようになる。もちろんここで示した例は物品廃棄の検出方法の一例であり、もちろん他の方法を用いてもかまわない。例えば物品検出の他の方法としては、廃棄場所を観測できるようなカメラを設置しておき、廃棄場所に物品が廃棄されると、前記カメラで廃棄された物品を識別してもよい。
【0066】
ステップS108は、現在所有している物品が必要品ではあるが、所有量に対して実際に使った実績がもっと少ない場合に、ユーザが使う最適な量をこのステップによって計算し、同じ種類の物品を次に買うときにアドバイスするためのものである。例えば食品の例では、ある特別な料理を作るために普段は殆ど使われない調味料を購入する場合を考えてみる。その調味料の買い方の例として「もしかしたら、いつか他の料理で使うかもしれない」ことを想定し、新品時の容量が前記料理に必要な量以上の調味料を選ぶ。しかし、前記想定は結果的に外れ、その調味料が前記料理以外に殆ど使われないまま賞味期限切れになり捨てられる。これは、結局、必要以上のものを買って、使い切れず捨てるという典型的なパターンであるが、振り返ってみるとこのようなケースは意外と多いことは、先ほどの賞味期限切れの食品の総額が年間15万円にも上るという例からも裏付けられる。
【0067】
このステップS108は、こういった失敗を糧に、次に同じ商品を買うときには、使った実績に見合った内容量の商品をユーザに勧めることでムダを無くすためのものであり非常に有用な機能である。そして、この機能を実現するために、本発明の第1実施形態では、物品データベース803に記憶されていた物品の残有効期間及び物品の残量を基に前記物品の最適量を制御部50により計算する物品最適量計算工程を備え、物品データベース803に、新たに物品の属性情報「適量判断基準」の情報を追加する。
【0068】
図2Bは物品の属性情報として適量判断基準を追加した物品データベース803を表形式で示している。図2Bの物品データベース803では、ID番号000425の豆板醤のみに、適量判断基準50%が設定されている。これは、言い換えると、不要品とは言えないものの必需品と言えるほどには使われていないと判断する基準が、残量割合50%であることを示している。すなわち、賞味期限切れ時の残量割合が、適量判断基準である50%を超えており、かつ、要不要判断基準である80%を下回っていれば、このステップS108によって最適な量が制御部50により計算される。前記最適な量の計算は、例えば、新品時の重量から残量を差し引いた値にすれば簡単に計算できる。こうして計算された最適量は、物品データベース803の不必要度に制御部50により書き込んで利用すればよい。
【0069】
なお、図1Aのフローチャートによれば、ステップS106、ステップS108、ステップS109は、いずれか一つのみが実行されるため、物品データベース803の不必要度の項目には、
ステップS106が実行されれば「不要品」が、
ステップS108が実行されれば最適量が、
ステップS109が実行されれば「必需品」が、
それぞれ、制御部50により書き込まれることになる。
【0070】
もちろんこのようなステップを行わず、物品を必要又は不必要の2種類で単純に分類してもよい。その際には、図1Aのフローチャートの変更として、ステップS107、ステップS108を取り除き、ステップS105でNoの場合の分岐先をステップS109にすればよい。
【0071】
以上、物品の賞味期限が切れた状態になってから物品が不必要かどうかを判断する方法について述べた。しかしながら、物品を入手する場合に、前記物品を現在所有していて且つ賞味期限が切れていなくても、それが不要品かどうかを判断して欲しいというニーズは当然あると考えられる。そのような場合には、前記物品の現在の消費ペースによって、不要品か必需品でないかを判断すればよい。そのためには、有効期限切れ前の物品消費量と物品の要不要の判断基準との関連を表したデータを予め保持しておく。
【0072】
図5は前記データをグラフの形式で表した図である。図5のグラフでは、横軸の新鮮度と縦軸の物品残量とを軸にした平面を、物品が不要品となりうる部分(斜線で示された領域A)とそうでない部分(領域B)の2つの領域に分けている。そして、現時点での当該物品の新鮮度として、
(現在−製造日)/(賞味期限−製造日)
で計算して得られた値をグラフにプロットし、前記AとBのいずれの領域に含まれるかを見ることで、賞味期限が切れていない物品が不要品か必需品かを判断する。例えば図5の例では、物品Aなら将来不要品になる、物品Bなら将来も必需品である、と判断すればよい。なお、横軸の新鮮度は、製造日から始まり、右側に向かうに従い、時間が経過して新鮮度が落ちることを意味する。縦軸の物品残量は、未使用時の物品の残量(例えば重量)を最大とし、下に向かうに従い、残量が減ることを意味している。 本発明の第1実施形態による不要品判断方法の実行形態としては、前記不変属性情報(ID、品名、製造日、有効期間、新品時の重量、要不要判断基準)が、すでに説明したような方法で物品入手時に取得できるようになっているという前提で、二次記憶装置(図示せず)に記憶されかつ図1Aのフローチャートを実装したプログラムが、CPU(図示せず)により主記憶装置(図示せず)に読み出されて、前記プログラムを常時繰り返しCPUにより動作させておくのが最も単純な簡単な形態である。前記プログラムは物品を管理しているそれぞれの場所(例えば図3の冷蔵庫30の冷蔵動作制御装置の記憶部など)に実装する。しかしながら、プログラムを常時実行させていると無駄にエネルギーを消費してしまうという問題がある。これに関しては、物品データベース803に記載された製造日、有効期間から、物品の有効期限が切れそうな時を予め予測できるので、そのときのみプログラムを実行させたり、また有効期限が示されていない物品については、物品廃棄行為を検出した時に前記プログラムを実行させたりするとよい。
【0073】
以上、本発明の第1実施形態の不要品判断方法についての詳細を説明した。
【0074】
本発明の第1実施形態の不要品判断方法によれば、物品データベース803には物品の不必要度の判断基準が予め蓄積されており、まず、残有効期間検出工程によって物品の有効期間がどのくらい残っているかを検出する。もし物品の有効期限が切れていると分かった場合には、続いて前記物品の残量を計測する。このときの残量が前記判断基準と比較して多い場合には、前記物品が有効期限が切れるまでに殆ど若しくは全く使われなかったものと判断し、前記物品を不要品と決める。このようにすれば、不要品を自動的に検出することができる。
【0075】
なお、前記説明した不要品判断方法は、特に賞味期限などの有効期限が存在し、しかも使うたびに量が減っていく性質を持つ物品に対して有効な手段である。前記物品の典型例としては、食料、調味料、飲料、などが挙げられるが、もちろん飲食に関連する物品以外のものでもよい。
【0076】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態の不要品判断方法について説明する。第2実施形態の不要品判断方法の考え方も極めて単純で、物品を入手する際に、その物品と同じ若しくは同等の機能を持つ物品がすでに存在していれば、前記入手予定物品は不要品とするものである。この考え方に従い、第2実施形態による不要品判断方法は、少なくとも物品の機能及び不必要度の判断基準を蓄積する物品データベース803を備え、前記物品の機能を制御部50により比較することにより物品間の類似度を制御部50により計算する物品機能類似度計算工程と、前記物品機能類似度計算工程で制御部50により計算された物品の類似度と、前記判断基準に照らし合わせて、物品の不必要度を制御部50により判断又は予測する物品不必要度判断工程と、を含む構成を有している。
【0077】
物品機能類似度計算工程にて物品の機能を比較することにより物品間の類似度を計算するためには、物品の機能を物品データベース803に記述し、記述した前記機能を使って類似度を計算する仕組みが必要となる。
【0078】
そこで、まず最初に、本発明の第2実施形態の不要品判断方法を実現するための物品データベース803の構成例を説明し、それを使って物品の類似度の計算方法を示し、最後に、第2実施形態の不要品判断方法による処理の流れを説明する。
【0079】
図6A及び図6Bは本発明の第2実施形態の不要品判断方法による物品データベース803の構成例を表形式で示す図で、図6Aは、物品の機能の類似度を計算する基準となる、物品機能を体系的にコード化した表、図6Bは各物品に対して、当該物品が持つ前記機能コード及び機能の類似度合いを判断する基準を格納した表を示している。
【0080】
以下では、まず、図6Aの例に示された物品機能を体系化するコードについて説明し、そのコードを用いて本発明の第2実施形態による物品機能類似度計算工程が機能類似度を計算する方法を説明し、次に、図6Bの詳細を説明する。
【0081】
図6Aの物品機能コード表は大きく2つの部分に分かれており、一つは機能を体系化するための部分、もう一つは前記体系化された機能に固有のコードを割り振る部分である。前記機能の体系化に関しては、本例では各種機能を階層的に表現しており、左に向かう程、上位の概念を表し、右に向かう程、下位の概念を表す。以下では、各階層の概念機能の呼び方として、最左の概念を1段目の概念機能とし、一つ右に行くにつれて、2段目の概念機能、3段目の概念機能のように段数を上げていくことにする。従って、例えば図6Aの例では、
・1段目の概念機能:「掴む」、「調理する」
・2段目の概念機能:前記1段目の概念機能の「調理する」の下位概念すなわち、2段目の概念機能として、「泡立てる」、「切る」、「味付けする」
・3段目の概念機能:前記2段目の概念機能の「切る」の下位概念すなわち、3段目の概念機能として、「みじん切り」、「千切り」
・3段目の概念機能:前記2段目の概念機能の「味付けする」の下位概念すなわち、3段目の概念機能として、「醤油」、「味噌」
・4段目の概念機能:前記3段目の概念機能の「味噌」の下位概念すなわち、4段目の概念機能として、「赤だし」、「白だし」、「辛子」
が記述されていることが分かる。
【0082】
続いて、これら階層化された機能に固有のコードを割り振る必要があるが、ここではコードを数値で表すことにする。その数値の決め方は、各層は数値の各桁に対応させ、各層での機能の違いを、前記桁に各数値の違いで区別する。そして、最下位層の区別を1の位で表し、一つ上位の層に上がる毎に位を一つ上げていくようにする。例えば、「掴む」の機能のコードは1000、「調理する」の機能のコードは2000、「泡立てる」の機能のコードは2010、「切る」の機能のコードは2020、「みじん切り」の機能のコードは2021、「千切り」の機能のコードは2022、「味付けする」の機能のコードは2700、「醤油」の機能のコードは2710、「味噌」の機能のコードは2720、「赤だし」の機能のコードは2721、「白だし」の機能のコードは2722、「辛子」の機能のコードは2723である。ここで、各層に使われる数値は特に算用数字である必要はない。なぜなら、算用数字を使うと10種類以上の機能の区別ができないからである。従って、数値は違いが表現できるものであれば数字とアルファベットを組み合わせてもよいし、他の方法を用いてもよい。
【0083】
前記した図6Aの機能コードはこの考え方に基づいて割り振られており、この機能コードを使って各機能の類似度を計算すると例えば下記のようなことが言える。
【0084】
・「掴む」と「調理する」は、1段目の概念機能なので、これら2つの類似度(つまり機能コードの差の絶対値)は、1000と2000であるため、その差の絶対値は|1000−2000|=1000と小さくなっている
・「赤だし」と「白だし」は、4段目の概念機能なので、これら2つの類似度(つまり機能コードの差の絶対値)は、2721と2722であるため、その差の絶対値は|2721−2722|=1と大きくなっている
・「みじん切り」と「味噌」は、3段目の概念機能であるが、上位の機能が異なるため、これら2つの類似度(つまり機能コードの差の絶対値)は、2021と2720であるため、その差の絶対値は|2021−2720|=699と小さくなっている。
【0085】
このような決め方によって機能コードを数値で表現することで、本発明の第2実施形態による物品機能類似度計算工程での機能類似度の計算を簡単に行うことができる。なぜならこれら数値の引き算計算によって、
・上位階層が同じである機能同士の差は小さく、逆に上位階層が異なる機能同士の差は大きくなる、
・機能同士の差の大きさは、機能がより具体化される下位層になるほど小さくなる、
という結果が得られるからである。なお、前記計算を行うために、ある機能コードを表す数値と別の機能コードを表す数値との差を引き算して求めるルールを予め決めておく。もし算用数字のみで機能コードを決めているならば、普通の引き算でよいし、算用数字に別の文字を加えているなら、その文字を含めた引き算の方法を決めればよい。
【0086】
以上、物品機能類似度計算工程での具体的な処理例を、物品の機能のコード化の方法も踏まえて説明した。もちろん、これはあくまで一例であり、他の手法によって物品の機能の類似度を計算しても構わない。
【0087】
図6Bは、各物品に対して、当該物品が持つ前記機能コード、機能の類似度合いを判断する基準、前記物品を所有しているかどうか、の3つの情報を格納した表を示している。例えば泡立て器では、機能コードとして2010が記述されていることから、図6Aを参照することで泡立て器は「泡立てる」機能(機能コード2010)を持っていることが分かる。また、本泡立て器では、要不要判断基準として±10と書かれているので、泡立て器との類似度が10以下の物品を所有していれば前記泡立て器を不要品と判断できることが分かる。この要不要判断基準を用いて本発明の第2実施形態による物品不必要度判断工程は、ある物品が必要か不要かを判断する方法については後で詳細を述べる。さらに、本泡立て器の所有の有無を表す部分には記載がないので、泡立て器を持っていないことが分かる。なお、この所有の欄(所有の有無を表す部分)において、前記部分に○と記載されている物品は所有していることを、未記載の場合は所有していないことを表す。
【0088】
前記説明した図6Aの物品機能コード表及び図6Bの物品データベース803は、全ての物品についてデータが揃っていることが望ましいが、もちろん必要な部分のみが用意されていても構わない。
【0089】
次に、本発明の第2実施形態の不要品判断方法によって不要品を判断する処理の流れを図7を用いて説明する。図7は、図6A及び図6Bで説明した物品データベース803及び、物品機能類似度計算工程、物品不必要度判断工程によって不要品を判断する方法をフローチャートの形式で示した図である。前記2つの工程と図7のフローチャートにおける各処理との対応関係は下記の通りである。
【0090】
・物品機能類似度計算工程:ステップS701、ステップS702
・物品不必要度判断工程:ステップS703〜ステップS706
【0091】
以下、図7に従って処理手順を説明する。
【0092】
まず、ステップS701では、物品機能類似度計算工程にて不要品かどうかを判断したい物品を、例えば入力装置55から制御部50に入力する。前記物品入力の方法としては、後で説明する物品管理システムにおける物品入手検出部801を用いてもよい。
【0093】
次いで、ステップS702の物品機能類似度計算工程では、まず、ステップS701で入力された、不要品かどうかを判断したい対象物品の機能を物品データベース803から制御部50により検索する。具体的には、例えば、対象物品のIDを基に物品データベース803から対象物品の機能を制御部50により検索する。次に、すでに所有している物品を物品データベース803から制御部50により検索してその機能も読み出し、入力された対象物品の機能と前記所有物品の機能との類似度を制御部50により計算する。なお、一例として、すでに所有している物品から比較対象となる物品を決めるとき、すでに所有している全ての物品の機能との類似度を計算させて、前記比較対象となる物品を検出することができる。
【0094】
このとき、もし、ある所有物品が複数の機能を持っておりかつ当該物品と他の物品との機能の類似度を計算する場合、前記複数の機能のそれぞれについて類似度を制御部50により計算し、それらの最大のもの(計算結果の値としては最小の値)を制御部50により類似度とすればよい。例えば図6Bの例では、2つの機能コード2021と2022を持つチョッパーに対して包丁の類似度を制御部50により計算する場合、前記2つの機能コード2021と2022のそれぞれについて包丁の機能コード2020との類似度を制御部50によりそれぞれ計算する。その結果は、それぞれ1(=|2021−2020|)と2(=|2022−2020|)になるが、制御部50により、このうち、小さい方の値である1を、チョッパーと包丁の類似度とする。同様に比較する物品にもされる物品にも複数の機能があれば、すべての機能の組み合わせで類似度を制御部50により計算し、その結果、最小の値、言い換えれば、類似度が最大の物品を制御部50により選べばよい。
【0095】
次いで、ステップS703では、ステップS702にて計算された入力物品の機能と前記所有物品の機能との類似度のうち、類似度が最大のものを制御部50により抽出し、制御部50により物品データベース803から前記所有物品の要不要判断基準を取得する。
【0096】
次いで、ステップS704では、前記最大類似度の値が、前記要不要判断基準以上であるかどうかを制御部50により判断する。もし判断基準以上であればステップS705に進み、そうでなければステップS706に進む。
【0097】
次いで、ステップS705では、ステップS704の判断によって対象物品が必要品であると制御部50により判断されたので、その結果(すなわち、対象物品が必要品であること)を制御部50により物品データベース803に書き込んでステップを終了する。
【0098】
次いで、ステップS706では、ステップS704の判断によって対象物品が不必要品であると制御部50により判断されたので、その結果(すなわち、対象物品が不必要品であること)を制御部50により物品データベース803に書き込んで処理を終了する。
【0099】
以上、本発明の第2実施形態の不要品判断方法についての詳細を説明した。
【0100】
なお、前記説明した不要品判断方法は、当該物品がある種の機能を有する場合について、前記物品の要不要を判断する際に有効である。例えば、泡立て器を入手しようとした場合には、ステップS702にて泡立て器の機能「泡立てる」との類似度が0である他の物品として菜箸が検出され、ステップS703にて当該泡立て器の要不要判断基準±10が取得され、ステップS704にて前記類似度が前記基準内であると判断されるので、ステップS706に進んで当該泡立て器を不要品と判断できる。ここで、それぞれの物品に対する機能コードの付け方の一例としては、ここに記載したような機能コード体系の場合は、概念的な機能から具体化された機能に分類していくような構成としているため、機能が異なれば異なるほど、その差は自動的に大きくなるようになっている。より具体的な例として、大きく機能の異なる物品間は少なくとも10以上の差を付けるのが望ましい。また、要不要判断基準の幅の決め方の一例としては、不要品としてもよい物品には幅を少なくとも±10以上とし、必要品である物品に対しては幅を少なくとも±2以下にするのが望ましい。
【0101】
前記物品の典型例としては調理器具などといった道具が挙げられるが、もちろん道具以外のものでもよい。
【0102】
また、前記で示した例のように機能は何か作業を行うための機能に限る必要はない。例えば味付けなども機能の一つと捉えることで、ある調味料が無くても類似の調味料があることが分かるようになることで無駄を省くことが可能になる。より具体的には、例えば豆板醤を使う料理を作るときに、図6A及び図6Bで説明した物品データベース803及びこの物品機能類似度計算工程を用いることで、豆板醤を持っていなくても、既に所有している物品としてコチュジャンが、豆板醤と同一の機能コード2723を有しているため代替品となることが分かり、わざわざ豆板醤を新たに入手しなくても済むようになる。
【0103】
<第3実施形態>
次に、ユーザが不要品を入手するしよう行為を抑制することを目的として発明された、本発明の第3実施形態の物品管理システムについて説明する。当該物品管理システムは、不要品を自動的に検出する物品管理システムを利用して、さらにユーザが不要品を入手しようとしているときに不要品を購入しないようにただちにユーザに警告することができるようになされた発明であり、本発明の第1又は第2実施形態による不要品判断方法を用いた応用システムである。
【0104】
本発明の第3実施形態による物品管理システムは、図8に示すように、物品の不必要度を蓄積する物品データベース803と、ユーザの物品入手行為又はユーザの物品入手意志を検出するとともにユーザの入手しようとしている物品の属性情報などの物品検出情報を入手する物品入手検出部801と、入手しようとしている物品が不必要な場合に前記ユーザに警告をする警告部802と、前記物品入手検出部801がユーザの物品入手行為又はユーザの物品入手意志を検出した情報を受けて(物品入手検出部801からの物品検出情報と物品入手検出情報が入力されて)、入力された物品検出情報と物品入手検出情報に基づき、前記ユーザの入手しようとしている物品の不必要度を前記物品データベース803を参照(検索)して取得し、検索結果に基づき前記取得した不必要度に応じて前記ユーザに警告部802で警告をするように制御して、ユーザが不要品を入手するしよう行為を抑制するとともに、必要に応じて前記物品入手検出情報などを物品データベース803内に記憶させるように制御する制御部50とを備えている。なお、ここでは、図1Bのように、ユーザが不必要度や類似度などの情報又はその情報の修正を必要に応じて入力可能なキーボードやマウスなどの入力装置55と、不必要度や類似度などの情報などを表示など出力可能なディスプレイなどの出力装置54とを、さらに備えるようにしてもよい。出力装置54が必要な場合は、警告部802が警告表示を行うディスプレイであるときには、出力装置54としても機能させるようにしてもよいし、当該ディスプレイとは別に出力装置54を備えるようにしてもよい。
【0105】
従って、物品入手検出部801によりユーザの物品入手行為又はユーザの物品入手意志を検出すると、制御部50により、物品入手検出部801により検出された物品の物品検出情報と物品入手検出情報に基づき、前記ユーザの入手しようとしている物品の不必要度を前記物品データベース803を参照して取得する。次いで、制御部50により、前記取得した不必要度に応じて警告部802で前記ユーザに、入手しようとしている物品が不必要であることを警告をすることにより、ユーザが不要品を入手するしよう行為を抑制することができる。
【0106】
図8は本発明の第3実施形態による物品管理システムの前記構成例を示したブロック図である。
【0107】
以下、図8を用いて前記物品管理システムを構成する各手段を説明する。
【0108】
物品データベース803の構成は、すでに説明済みであるのでここでは省略する。また、この物品管理システムの物品データベース803には、図1A又は図7のフローチャートの処理を実行することによって、各物品の可変属性情報の一つである不必要度が予め蓄積されているものと仮定する。
【0109】
物品入手検出部801はユーザが物品を入手しようとしている行為を検出する。ここで、物品入手をどのように検出するかが課題となるが、本発明の第3実施形態では場面に応じて2つの方法を開示する。
【0110】
1つ目の物品入手検出方法は、本発明の第3実施形態に係るものである。具体的には、物品を一時的に収納する構造をなし、前記物品が収納されたこと及び前記物品の種類を区別する物品収納検出センサ804Aを備えた一時収納部804を備えることにより、実世界でユーザが物品を入手しようとしている状況を一時収納部804の前記物品収納検出センサ804Aにより検出する。
【0111】
本発明の第3実施形態による物品管理システムの一つの構成例を示したブロック図を図9Aに示す。図9Aでは、物品管理システムは、一時収納部804の前記物品収納検出センサ804Aと、物品入手検出部801と、前記物品データベース803と、前記警告部802と、制御部50とより構成されている。
【0112】
前記一時収納部804の前記物品収納検出センサ804Aは、物品が収納されたことを検出して物品のIDなどの属性情報を含む物品検出情報を出力する。
【0113】
前記物品入手検出部801は、前記物品収納検出センサ804Aからの物品検出情報が入力されかつ該物品検出情報が入力されたことからユーザが物品を入手しようとしていると判断して物品検出情報と物品入手検出情報を出力する。
【0114】
前記制御部50は、物品入手検出部801からの物品検出情報と物品入手検出情報が入力されかつ入力された物品検出情報と物品入手検出情報とに基づき入手された物品を物品データベース803から検索するように制御し、検索結果の物品の不必要度に基づき警告部802の動作を制御して、ユーザが不要品を入手するしよう行為を抑制するとともに、必要に応じて前記物品入手検出情報などを物品データベース803内に記憶させるように制御する。
【0115】
従って、上記構成によれば、一時収納部804の前記物品収納検出センサ804Aにより、物品が一時収納部804に収納されたこと及び前記収納された物品の種類を検出したことを示す物品検出情報を物品入手検出部801に出力する。次いで、物品収納検出センサ804Aから物品検出情報が物品入手検出部801に入力されると、物品入手検出部801は、ユーザが物品を入手しようとしていると判断して、物品検出情報とともに物品入手検出情報を出力する。次いで、物品入手検出部801から物品検出情報と物品入手検出情報が制御部50に入力されると、制御部50は、入力された物品検出情報と物品入手検出情報に基づき、入手された物品の不必要度を物品データベース803から検索して取得する。次いで、制御部50により、前記取得した不必要度に応じて(言い換えれば、入手しようとしている物品が不必要であれば)、警告部802で前記ユーザに、入手しようとしている物品が不必要であることを警告をすることにより、ユーザが不要品を入手するしよう行為を抑制することができる。
【0116】
図9Bは、本発明の第3実施形態による物品管理システムの前記構成例において、一時収納部804の実現形態を示した概念図である。本構成例は、店舗で売られている物品にタグTがそれぞれ付いていることを想定し、前記タグT付き物品69を購入しようとした瞬間を検出するために、一時収納部804の一例としてのカート804Cには、物品収納検出センサ804Aの一例としてのタグリーダ804Rが付けられた構成をなしている。そして、当該カート804CにタグT付きの物品69が入れられると、前記タグリーダ804Rは前記タグTの情報を読み込み、前記物品69に関する前記属性情報の全部もしくは一部を、タグTから取得する。また、前記カート804Cには、前記取得された属性情報を物品入手検出部801に無線などで送るためのデータ送信機能を有するデータ送信部804Tが付いている。すなわち、この図9Bの物品管理システムは、タグリーダ804Rと、データ送信部804Tと、物品入手検出部801と、前記物品データベース803と、前記警告部802と、制御部50とより構成されている。
【0117】
前記タグリーダ804Rは、物品69が収納されたことを検出して物品69のIDなどの属性情報を含む物品検出情報を出力する。
【0118】
前記データ送信部804Tは、タグリーダ804Rに接続されてタグリーダ804Rからの物品検出情報が入力されて、物品検出情報を無線などで送信する。
【0119】
前記物品入手検出部801は、データ送信部804Tと無線などで接続可能でかつデータ送信部804Tを介してタグリーダ804Rからの物品検出情報が入力され、かつ該物品検出情報が入力されたことからユーザが物品を入手しようとしていると判断して物品検出情報と物品入手検出情報を出力する。
【0120】
前記制御部50は、物品入手検出部801からの物品検出情報と物品入手検出情報が入力されかつ入力された物品検出情報と物品入手検出情報に基づき入手された物品69を物品データベース803から検索するように制御し、検索結果の物品69の不必要度に基づき警告部802の動作を制御して、ユーザが不要品を入手するしよう行為を抑制するとともに、必要に応じて前記物品入手検出情報などを物品データベース803内に記憶させるように制御する。
【0121】
従って、上記構成によれば、カート804CにタグT付きの物品69が入れられると、前記タグリーダ804Rは前記タグTの情報を読み込み、前記物品69に関する前記属性情報の全部もしくは一部を、物品検出情報としてタグTから取得する。次いで、前記カート804Cに設けられたデータ送信部804Tに、タグリーダ804Rから取得された前記属性情報などの物品検出情報が入力されると、データ送信部804Tは、その物品検出情報を物品入手検出部801に無線などで送る。次いで、データ送信部804Tから無線などでタグリーダ804Rからの物品検出情報が物品入手検出部801に入力されると、物品入手検出部801は、ユーザが物品を入手しようとしていると判断して、物品検出情報とともに物品入手検出情報を出力する。次いで、物品入手検出部801から物品検出情報と物品入手検出情報が制御部50に入力されると、制御部50は、入力された物品検出情報と物品入手検出情報に基づき、入手された物品69の不必要度を物品データベース803から検索して取得する。次いで、制御部50により、前記取得した不必要度に応じて(言い換えれば、入手しようとしている物品が不必要であれば)、警告部802で前記ユーザに、入手しようとしている物品69が不必要であることを警告をすることにより、ユーザが不要品を入手するしよう行為を抑制することができる。
【0122】
図9C及び図9Eは本発明の第3実施形態による物品管理システムの第1の代表的な実装構成例を示したブロック図である。この図9Cでは、ユーザの所有する携帯端末60(図9B参照)の記憶部60aに物品データベース803が記憶されるとともに、記憶部60aに物品入手検出部801と警告部802とがソフトウェアとして実装され、携帯端末60のCPU60bにより記憶部60aに記憶されたソフトウェアを必要に応じて実行させて、それぞれの動作を行わせる構成を示している。本構成は、ユーザの所有する携帯端末60の記憶部60aの記憶容量に余裕があり物品データベース803が前記記憶部の記憶容量に収まる場合や、物品データベース803の容量そのものが十分に小さい場合に適用可能である。すなわち、この図9Cの物品管理システムは、タグリーダ804Rと、データ送信部804Tと、携帯端末60の記憶部60aに備えられた物品入手検出部801と、携帯端末60の記憶部60aに備えられた前記物品データベース803と、携帯端末60の記憶部60aに備えられた前記警告部802と、携帯端末60の記憶部60aに備えられた制御部50とより構成されている。
【0123】
前記タグリーダ804Rは、物品69が収納されたことを検出して物品69のIDなどの属性情報を含む物品検出情報を出力する。
【0124】
前記データ送信部804Tは、タグリーダ804Rに接続されてタグリーダ804Rからの物品検出情報が入力されて、物品検出情報を無線などで送信する。
【0125】
前記物品入手検出部801は、携帯端末60の記憶部60aに備えられ、かつ一時収納部804側のデータ送信部804Tから無線で送信されて携帯端末60側の通信部60cで受信された、タグリーダ804Rからの物品検出情報が入力され、かつ該物品検出情報が入力されたことからユーザが物品を入手しようとしていると判断して物品検出情報と物品入手検出情報を出力する。
【0126】
前記警告部802は、携帯端末60の記憶部60aに備えられて携帯端末60の表示画面に警告表示を行ったり警告音又は警告用振動を発生させるなどの警告動作を行う。
【0127】
前記制御部50は、携帯端末60の記憶部60aに備えられ、かつ物品入手検出部801からの物品検出情報と物品入手検出情報が入力されかつ入力された物品検出情報と物品入手検出情報に基づき入手された物品69を物品データベース803から検索するように制御し、検索結果の物品69の不必要度に基づき、携帯端末60の表示画面に警告表示を行ったり、警告音又は警告用振動を発生させるなどの警告動作を行う警告部802の動作を制御して、ユーザが不要品を入手するしよう行為を抑制するとともに、必要に応じて前記物品入手検出情報などを物品データベース803内に記憶させるように制御する。
【0128】
従って、上記構成によれば、カート804CにタグT付きの物品69が入れられると、前記タグリーダ804Rは前記タグTの情報を読み込み、前記物品69に関する前記属性情報の全部もしくは一部を、物品検出情報としてタグTから取得する。次いで、前記カート804Cに設けられたデータ送信部804Tに、タグリーダ804Rから取得された前記属性情報などの物品検出情報が入力されると、データ送信部804Tは、その物品検出情報を携帯端末60の通信部60cに無線で送る。次いで、データ送信部804Tを介して無線でタグリーダ804Rから携帯端末60に送られた物品検出情報が物品入手検出部801に入力されると、物品入手検出部801は、ユーザが物品を入手しようとしていると判断して、物品検出情報とともに物品入手検出情報を出力する。次いで、物品入手検出部801から物品検出情報と物品入手検出情報が制御部50に入力されると、制御部50は、入力された物品検出情報と物品入手検出情報に基づき、入手された物品69の不必要度を物品データベース803から検索して取得する。次いで、制御部50により、前記取得した不必要度に応じて(言い換えれば、入手しようとしている物品が不必要であれば)、警告部802により携帯端末60の表示画面に警告表示を行ったり警告音又は警告用振動を発生させるなどの警告動作を行って、前記ユーザに、入手しようとしている物品69が不必要であることを警告をすることにより、ユーザが不要品を入手するしよう行為を抑制することができる。
【0129】
図9D及び図9Eは本発明の第3実施形態による物品管理システムの第2の代表的な実装構成例を示したブロック図である。この図9Dでは記憶部に大きな記憶領域が必要とされる可能性が高い物品データベース803を別のサーバ61において置き、携帯端末60の記憶部60aには、物品入手検出部801と警告部802のみをソフトウェアとして実装され、携帯端末60のCPU60bにより記憶部60aに記憶されたソフトウェアを必要に応じて実行させて、それぞれの動作を行わせ、前記携帯端末60と前記サーバ61とはネットワーク62でアクセス可能なように構成を示している。本構成において、携帯端末60から物品データベース803のデータへのアクセスは、前記携帯端末60に備えた通信部60cを介して前記ネットワーク62を介して行うようにしてもよい。すなわち、この図9Dの物品管理システムは、タグリーダ804Rと、データ送信部804Tと、携帯端末60の記憶部60aに備えられた物品入手検出部801と、携帯端末60に備えた通信部60cを介してネットワーク62で接続可能なサーバ61に記憶された前記物品データベース803と、携帯端末60の記憶部60aに備えられた前記警告部802と、携帯端末60の記憶部60aに備えられた制御部50とより構成されている。
【0130】
前記タグリーダ804Rは、物品69が収納されたことを検出して物品69のIDなどの属性情報を含む物品検出情報を出力する。
【0131】
前記データ送信部804Tは、タグリーダ804Rに接続されてタグリーダ804Rからの物品検出情報が入力されて、物品検出情報を無線などで送信する。
【0132】
前記物品入手検出部801は、携帯端末60の記憶部60aに備えられ、かつ一時収納部804側のデータ送信部804Tから無線で送信されて携帯端末60側の通信部60cで受信された、タグリーダ804Rからの物品検出情報が入力され、かつ該物品検出情報が入力されたことからユーザが物品を入手しようとしていると判断して物品検出情報と物品入手検出情報を出力する。
【0133】
前記物品データベース803は、前記ネットワーク62に接続されたサーバ61に記憶されており、携帯端末60に備えた通信部60cを介して前記ネットワーク62に接続することにより、情報が入力又は出力可能となっている。
【0134】
前記警告部802は、携帯端末60の記憶部60aに備えられて携帯端末60の表示画面に警告表示を行ったり警告音又は警告用振動を発生させるなどの警告動作を行う。
【0135】
前記制御部50は、携帯端末60の記憶部60aに備えられて、物品入手検出部801からの物品検出情報と物品入手検出情報が入力されかつ入力された物品検出情報と物品入手検出情報に基づき入手された物品を物品データベース803から検索するように制御し、検索結果の物品の不必要度に基づき、携帯端末60の表示画面に警告表示を行ったり、警告音又は警告用振動を発生させるなどの警告動作を行う警告部802を動作制御して、ユーザが不要品を入手するしよう行為を抑制するとともに、必要に応じて前記物品入手検出情報などを物品データベース803内に記憶させるように制御する制御部50とより構成されている。
【0136】
従って、上記構成によれば、カート804CにタグT付きの物品が入れられると、前記タグリーダ804Rは前記タグTの情報を読み込み、前記物品に関する前記属性情報の全部もしくは一部を、物品検出情報としてタグTから取得する。次いで、前記カート804Cに設けられたデータ送信部804Tに、タグリーダ804Rから取得された前記属性情報などの物品検出情報が入力されると、データ送信部804Tは、その物品検出情報を携帯端末60に無線で送る。次いで、データ送信部804Tを介して無線でタグリーダ804Rから携帯端末60に送られた物品検出情報が物品入手検出部801に入力されると、物品入手検出部801は、ユーザが物品を入手しようとしていると判断して、物品検出情報とともに物品入手検出情報を出力する。次いで、物品入手検出部801から物品検出情報と物品入手検出情報が制御部50に入力されると、制御部50は、携帯端末60の通信部60cにより、前記ネットワーク62を介してサーバ61に接続して、入力された物品検出情報と物品入手検出情報に基づき前記物品データベース803から検索して、前記入手された物品の不必要度を取得する。次いで、制御部50により、前記取得した不必要度に応じて(言い換えれば、入手しようとしている物品が不必要であれば)、警告部802により携帯端末60の表示画面に警告表示を行ったり警告音又は警告用振動を発生させるなどの警告動作を行って、ユーザが不要品を入手するしよう行為を抑制することができる。
【0137】
なお、前記属性情報を物品入手検出部801に送る頻度としては、一つの物品をカート804Cに収納する度に行うとよい。なぜなら、前記カート804Cに物品を収納した瞬間に前記物品の不必要度が判定されるので、もし不必要であることが判明したら、その場で前記物品を元の商品棚に戻すことができるからである。
【0138】
2つ目の物品入手検出方法は、本発明の第3実施形態の変形例に係るものである。具体的には、物品の入手を予約する操作を行う物品入手予約部805を備えることにより、仮想世界でユーザが物品を入手しようとしている状況を物品入手予約部805により検出する。本発明の第3実施形態の変形例による物品管理システムの構成例を示したブロック図を図10Aに示す。
【0139】
図10Bは、物品入手予約部805の実現形態を示した概念図である。本例は、例えばパソコンを使ってインターネットのショッピングサイトにてユーザが物品を入手しようとしている状況を検出するために、物品入手予約部805の一例としての買い物予約ボタン「カートに入れる」805Aを、パーソナルコンピュータや携帯端末機の表示画面70に組み込んだ例を示している。そして、ユーザは欲しい物品をチェックしたあと(図10Aの表示画面70では、コチュジャンとジャムとバナナと牛乳にチェックがされている。)前記買い物予約ボタン805Aをクリックすると、買い物予約された物品の属性情報が物品入手検出部801に送られる。なお、本例のようにパソコンや携帯端末などを使っての物品購入を行う場合は、物品購入処理を行うパソコンや携帯端末などの機器に、物品データベース803と物品入手検出部801と警告部802とこれらの動作を制御する制御部50とを組み込んでもよいし、もちろん先述の図9Dのように物品データベース803の容量が大きければ物品データベース803を別のサーバ61に置くような構成にしても構わない。
【0140】
ここでは物品入手検出の例として2つの場合を示したが、もちろん他の方法によって検出してもよい。
【0141】
例えば、先ほど例として示したタグリーダ804R付きカート804Cを使う場合では、タグリーダ804R付きカート804Cが実際に普及しないと実現が困難である。従ってタグリーダ804R付きカート804C及びタグT付き物品69が普及するまでの間でも物品入手検出ができる他の例として、物品入手をしようとしていることを間接的に検知してユーザに警告する方法を使っても良い。「物品入手を間接的に検知する」とは、例えばユーザが物品を入手できる場所としてのスーパーマーケットやデパートに入ったことを検知することである。この実現形態としては様々な方法が考えられるが、典型的にはGPSやICカードなどを用いるとよい。例えば、GPSを用いる方法では、予めユーザが所有するGPS付き携帯端末(図示せず)に、物品を入手できる場所と、前記場所の位置情報をペアにして物品入手場所データベースとして登録しておく。一方、前記携帯端末では、所定の時間間隔でGPSによって位置情報を取得し、前記取得した位置情報と略一致する場所があるかどうかを前記物品入手場所データベースを参照して調べる。もし一致する場所があれば、ユーザは物品を入手できる場所に来ているとみなし、前記携帯端末に不必要物品のリストを表示するようにすればよい。なお、前記GPS付き携帯端末はカー・ナビゲーション・システムで代用してもよい。さらには、その場合は、カー・ナビゲーション・システムのルート検索機能を使って目的地が物品入手場所データベースに登録されている場所のいずれかに指定された場合に、その時点から目的地に到着するまでの適当な時間に不必要物品のリストをカー・ナビゲーション・システムの画面に表示しても構わない。
【0142】
また、もう一つの例としてはICカードを利用する方法も考えられる。
【0143】
例えば、ユーザが、物品を入手できる場所が発行するICカードを所有しており、前記場所の入り口に前記物品入手検出部の別の例としてのICカードリーダがあったとする。この場合、ユーザが前記場所に入る際に、ICカードをICカードリーダが読み込むことで、ICカードリーダにつながった前記物品入手検出部を備えた前記物品管理システムは、ユーザが物品を入手できる場所に入ったことを検出することにより、前記ユーザの物品入手行為又は前記ユーザの物品入手意志を検出する。そして、もし前記システムが、来店中のユーザに何らかの情報(例えばお買い得品情報)を送る機能が付いていれば、ユーザは、前記情報を携帯端末などで受け取ることで間接的に物品を入手できる場所に入ったことを知ることができる。
【0144】
また、逆に、ユーザがカードリーダ又はタグリーダなどの物品入手領域検出装置を所有する場合としてもよい。この場合は、前記カードリーダで読め、かつ前記場所又は領域を特定する情報を蓄積したタグを物品入手場所又は領域の入り口などに設置し、ユーザは前記場所又は領域に入る際に、ユーザが所有する前記カードリーダで前記タグを読み込むことで、ユーザが物品入手場所又は領域に入ったことを検出することにより、前記ユーザの物品入手行為又は前記ユーザの物品入手意志を検出できる。
【0145】
以上、ユーザが物品を入手しようとしていることを間接的に知るための方法をいくつか紹介した。しかしながら、前記紹介した方法を実現するには、当然のことながら必要な技術やインフラの普及に時間を要する場合もある。これに対しては、さらに最も単純な方法として、不必要物品のリストを表示可能な端末にてユーザがマニュアルで前記リスト読み込みできる機能を付けておくことで対処可能である。
【0146】
ここで、前記した種々の例において、物品入手検出部801は、前記一時収納部804又は前記物品入手予約部805から送られたID情報の受信によって、ユーザの物品入手行為又はユーザの物品入手意志を検出したこととみなし、ユーザが入手しようとしている物品リストを、前記物品の属性情報とともに制御部50に送る。
【0147】
制御部50は、前記物品入手検出部801から送られてきたユーザが入手しようとしている物品リストを受け、それら各々の物品について物品の不必要度を前記物品データベース803を参照して取得し、前記取得した不必要度に応じて前記ユーザに警告部802により警告する。「不必要度に応じて」とは、具体的には、全く不必要である物品は不必要なことを、また必要であるが入手しようとしている物品が必要量以上である場合は適量を、それぞれ区別して制御部50により警告部802でユーザに警告するという意味である。警告部802による警告の仕方としては、警告部802が実装されている機器に応じて使い分ければよい。例えば画面付きの端末であれば画面表示してもよいし、スピーカが付いた端末であれば音声で警告してもよい。
【0148】
図11は本発明の第3実施形態の物品管理システムにおける処理の基本的な流れを示したフローチャートである。以下、図11に基づいて処理の基本的な流れを説明する。
【0149】
まず、ステップS1101では、物品入手検出部801はユーザが物品を入手しようとしている行為や意志を検出し、前記入手使用としている物品の属性情報を取得して制御部50に送る。
【0150】
次いで、ステップS1102では、制御部50は、ステップS1101によって物品入手検出部801から送られた物品の各々に関して、それらの不必要度を前記物品データベース803から取得する。
【0151】
次いで、ステップS1103では、前記不必要度を参照することにより、物品入手検出部801から送られた前記物品のそれぞれが前記ユーザにとって不必要なものかどうかを制御部50により判断する。前記判断方法の具体内容は先に述べた通りである。もし前記物品が不必要であると制御部50により判断した場合は、ステップS1104に進む。もし前記物品が不必要でないと制御部50により判断した場合は、ステップS1105に進む。
【0152】
次いで、ステップS1104では、前記物品が不必要であると制御部50によりステップS1103で判断したので、制御部50により、直ちに、入手しようとしている物品が不必要である旨を警告部802によりユーザに伝え、ユーザの物品入手中止を促して処理を終了する。
【0153】
次いで、ステップS1105では、対象物品が適切な量であるかどうかを、前記物品データベース803の不必要度を参照して制御部50により判断する。前記判断方法の具体内容は先に述べた通りである。そして、もし適切な量であると制御部50により判断されれば、処理を終了する。もし適切な量ではないと制御部50により判断されれば、ステップS1106に進む。
【0154】
次いで、ステップS1106では、対象物品は必要品であるが、現在所有している分量と同じだけ必要ではないので、ユーザにとって最適な量を、制御部50により物品データベース803から取得して、制御部50により、携帯端末の表示画面や音声出力などを通じてユーザに知らせて、処理を終了する。
【0155】
以上、本発明の第3実施形態に記載の物品管理システムについて説明した。この第3実施形態では前記物品管理システムにおいて不要品を入手しようとしていることを検知する2つの方法を開示したが、それぞれの方法を実際に実装する場合については、どのようにシステムを構成すれば良いかについても図9C及び図9Dの例を挙げて述べた。しかしながら、本発明の第3実施形態による物品管理システムの主旨は、ユーザが不要品を購入しようとしているタイミングを見計らって、前記不要品を買わないように警告するものであり、その具体的な実現形態は図9C又は図9Dのいずれかを取る必要は全くなく、状況に応じて最適な構成にすればよいことは言うまでもない。
【0156】
この第3実施形態の物品管理システムによれば、第1又は第2実施形態の不必要度判断方法及び装置により、ユーザが不要品を入手しようとしていることを検出し、不要品を購入しないように直ちに警告することができるので、商店における買い物時やパソコンとインターネットを使って通信販売の商品を買おうとしているときに、手に入れようとしている物品が本当に必要かどうかの判断結果を適切なタイミングで警告することができる。この警告により、ユーザは値段につられた衝動買いかどうかを冷静に考え直す気持ちの余裕を持てるようになり、結果的に不要品を入手する意志を抑制できる。これによって、ユーザは不要品入手による無駄な出費が抑えられ経済的にゆとりができる。
【0157】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本発明にかかる不要品判断方法は、少なくとも物品の不必要度の判断基準を蓄積する物品データベースを備え、物品の残有効期間を検出する残有効期間検出工程で検出した物品の残有効期間と、物品の残量を計測する物品残量計測工程で計測された物品の残量とを、前記判断基準に照らし合わせて、物品の不必要度を判断又は予測する物品不必要度判断工程とを有し、物品の有効期限切れ時の残量から前記物品が不必要かどうかを自動的に決めることができる。
【0159】
ユーザが所有する各物品のそれぞれに関してこの不要品判断処理結果を適用し、不要品を予め抽出しておくことで、ユーザが何らかの理由で不要品を入手する際にそのことを警告し、不要品を入手する意志を抑制させることが可能となり、不要品入手による無駄な出費を抑えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1A】本発明の第1実施形態における不要品判断方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図1B】本発明の第1実施形態における不要品判断方法を実施するための不要品判断装置の構成を示すブロック図である。
【図2A】本発明の第1実施形態における不要品判断方法による物品データベースの構成例を表形式で示す図である。
【図2B】本発明の第1実施形態における不要品判断方法による物品データベースの他の構成例を表形式で示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態における不要品判断方法において使用する物品保管場所の例として冷蔵庫の例を示す概念図である。
【図4】本発明の第1実施形態における不要品判断方法において使用する物品廃棄場所の例としてゴミ箱の例を示す概念図である。
【図5】物品の要不要の判断基準をグラフの形式で表す図である。
【図6A】本発明の第2実施形態の不要品判断方法による物品データベースの構成例を表形式で示す図である。
【図6B】本発明の第2実施形態の不要品判断方法による物品データベースの構成例を表形式で示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態における不要品判断方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態による物品管理システムの構成例を示すブロック図である。
【図9A】本発明の第3実施形態による物品管理システムの1つの構成例を示すブロック図である。
【図9B】本発明の第3実施形態による物品管理システムの前記構成例における一時収納部の1つの実現例を示す概念図である。
【図9C】本発明の第3実施形態による物品管理システムの1つの実装構成例を示すブロック図である。
【図9D】本発明の第3実施形態による物品管理システムの別の実装構成例を示すブロック図である。
【図9E】本発明の第3実施形態による物品管理システムの携帯端末の実装構成例を示すブロック図である。
【図10A】本発明の第3実施形態の変形例による物品管理システムの構成例を示すブロック図である。
【図10B】本発明の第3実施形態の変形例による物品管理システムにおける物品入手予約部の実現例を示す概念図である。
【図11】本発明の第3実施形態における物品管理システムの処理の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0161】
30 冷蔵庫
31 ゴミ箱
50 制御部
60 携帯端末
60a 記憶部
60b CPU
60c 通信部
61 サーバ
62 ネットワーク
69 物品
70 表示画面
801 物品入手検出部
802 警告部
803 物品データベース
804 一時収納部
804A 物品収納検出センサ
804C カート
804T データ送信部
805 物品入手予約部
805A 買い物予約ボタン
CR ICカードリーダ
T タグ
R,R1〜R6,R10 タグリーダ
W,W1〜W6,W10 重量センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の残有効期間を検出する残有効期間検出工程と、
前記物品の残量を計測する物品残量計測工程と、
前記残有効期間検出工程で検出された前記物品の前記残有効期間及び前記物品残量計測工程で検出された前記物品の前記残量を、物品データベースに蓄積された前記物品の不必要度の判断基準にそれぞれ照らし合わせて、その結果により前記物品の不必要度を判断又は予測する物品不必要度判断工程と、を備えたことを特徴とする、不要品判断方法。
【請求項2】
前記物品に対するユーザの物品操作を検出する物品操作検出工程をさらに備え、
前記残有効期間検出工程は、前記物品操作検出工程で検出した前記ユーザの前記物品操作に応じて前記物品の前記残有効期間を検出することを特徴とする、請求項1に記載の不要品判断方法。
【請求項3】
前記残有効期間検出工程で検出された前記物品の前記残有効期間及び前記物品残量計測工程で検出された前記物品の前記残量を基に、前記物品データベースに蓄積された前記物品の最適量を計算する物品最適量計算工程をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の不要品判断方法。
【請求項4】
少なくとも物品の機能及び不必要度の判断基準を蓄積する物品データベースに蓄積された異なる前記物品のそれぞれの機能を比較することにより前記異なる物品間の類似度を計算する物品機能類似度計算工程と、
前記物品機能類似度計算工程で計算された前記物品の類似度と、前記物品データベースに蓄積された前記物品の不必要度の判断基準に照らし合わせて、前記物品の不必要度を判断又は予測する物品不必要度判断工程と、を備えたことを特徴とする、不要品判断方法。
【請求項5】
少なくとも物品の不必要度を記憶する物品データベースと、
ユーザの物品入手行為又は前記ユーザの物品入手意志を検出する物品入手検出部と、
前記物品の不必要度に応じて前記ユーザに警告を行う警告部と、
前記物品入手検出部が前記ユーザの物品入手行為又は前記ユーザの物品入手意志を検出した情報を受けて、前記ユーザの入手しようとしている前記物品の不必要度を、前記物品データベースを参照して取得し、前記取得した不必要度に応じて前記警告部により前記ユーザに警告をするように制御する制御部とを備えたことを特徴とする物品管理システム。
【請求項6】
前記物品を一時的に収納する構造をなし、前記物品が収納されたこと及び前記物品の種類を区別する一時収納部を備え、
前記物品入手検出部は、前記一時収納部が前記物品の収納を検出したことを、前記ユーザの物品入手行為又は前記ユーザの物品入手意志を検出したこととみなすことを特徴とする、請求項5に記載の物品管理システム。
【請求項7】
物品の入手を予約する操作を行う物品入手予約部を備え、
前記物品入手検出部は、前記物品の入手を予約する操作を行う前記物品入手予約部が物品入手の予約操作を検出したことを、前記ユーザの物品入手行為又は前記ユーザの物品入手意志を検出したこととみなすことを特徴とする、請求項5に記載の物品管理システム。
【請求項8】
前記物品入手検出部は、前記ユーザが前記物品を入手する領域に備えられてかつ前記物品を入手する領域であることを示す情報を有するタグと、前記タグの前記情報を読み取り可能な物品入手領域検出装置とより構成し、前記ユーザが前記物品入手領域検出装置を携帯して、前記物品を入手する領域に入ったときに、前記物品入手領域検出装置により前記タグの前記情報を読み取ることにより、前記ユーザの物品入手行為又は前記ユーザの物品入手意志を検出することを特徴とする、請求項5に記載の物品管理システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−113787(P2006−113787A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−299945(P2004−299945)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】