説明

両立的または排他的なRFIDタグの交信およびクエリラウンド

本発明の実施形態は、異なる形式のRFIDタグの動的な選択およびクエリをセッションにより行なうことができる。また、本発明の実施形態は、異なる形式のRFIDタグの動的な起動も行なうことができる。本発明の特定の実施形態では、RFIDタグに対して両立的な演算が行なわれ、他の実施形態では、排他的な演算が行なわれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
A.発明の分野
[0001]本発明は、一般に、無線周波数識別(以下、「RFID」)システムの分野に関し、特に、タグの特定の部分集合(subset)を特定のタグ形式または特性に基づいてラウンドへクエリ(query)できるように、様々なRFIDタグを使用する先進RFIDシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
B.発明の背景
[0002]RFID技術の用途および重要性は、近年、ICプロセスの向上、RFID基準の整備、RFIDスペクトルの行政配分の拡張、および、物品を自動追跡する価値に対する認識の増大を含む、多くの理由により著しく増大してきた。このような増大が見られる中、RFIDシステムは、比較的簡単な低周波システムから、より長いレンジの超高周波スペクトルで動作する更に複雑なシステムを含むように進歩してきた。一般に誘導結合された低周波システムは、通常、低周波(以下、「LF」、約100−150KHz)システムおよび高周波(以下、「HF」、一般に13.56MHz)システムと称される。これらのシステムは、一般に、数センチメートルから約1メートルまでのレンジで動作し、伝搬する電磁波に依存しない「近接場」通信の物理的現象に起因してレンジが制限される。超高周波(以下、「UHF」、一般に800−1000MHz)レンジで動作するシステムは、より好ましい物理的伝搬に起因して更に長いレンジを有することができる。
【0003】
[0003]パッシブLF、HF、および、UHF RFIDシステムは、バッテリを伴うことなく動作し、かつRFIDリーダから無線で受ける電力を効果的に利用して情報をリーダへ返信するタグを備える。UHFの場合、このプロセスは、一般に「後方散乱」と呼ばれ、パッシブタグが限られた距離内でRFIDリーダと通信できるようにする。これらのタグはRFIDリーダの場によって効果的に給電されるため、タグが通信できる距離はタグ自体の電力消費量によって制限される。結果として、パッシブUHFシステムは、一般に、数メートルの実用的レンジで動作する。
【0004】
[0004]LFおよびHFと比べて長いレンジを有するUHF RFIDシステムがあるにもかかわらず、高い信頼性も維持しつつ、更に長い動作レンジを必要とする多くの用途が存在する。アクティブRFIDシステムは、電源およびフル機能無線をタグに設けることによりレンジを延ばす。「フル機能」とは、高感度の選択的な(干渉拒絶)受信器およびアクティブ送信器を意味するように意図され、それにより、タグ自体が送信信号を形成する。これらのアクティブシステムは、数百メートルのレンジを達成できるが、パッシブシステムよりも大幅にコストがかかる。また、アクティブシステムの作動寿命は、タグ内に配置されるバッテリと、システムの寿命にわたってこれらのバッテリを交換できる能力とによって制限される。軍需品の追跡などの幾つかの用途は、これらのアクティブシステムの比較的高いコストを吸収できるが、多くの他の用途は吸収できない。
【0005】
[0005]完全なパッシブRFIDシステムと完全なアクティブRFIDシステムとの間に中間レベルの性能を与えるために、ここ数年にわたって、「バッテリアシスト」RFIDシステムまたは「セミパッシブ」RFIDシステムを導入するための動きが存在している。これらのシステムは、UHF帯域を利用して、コイン電池などのコンパクト型バッテリから動作電力をタグに供給することによりパッシブタグを拡張し、それにより、タグが実際に信号からタグ自体へ給電するのに十分なRF信号電力を受けるための要件を排除することによってレンジを拡大させる。また、タグは、感度を更に高めるためにベースバンド信号ゲインを利用してもよい。タグは、リーダにより供給されるRF信号の反射を変調してリーダに戻すことにより動作する、簡単な低電力の「後方散乱」送信器の使用を維持する。国際標準化機構(ISO)内では、セミパッシブRFID技術を自らのUHF RFID基準に加えるために、ISO/IEC 18000−6と称される標準化の取り組みが進行してきた。出願人はこの機構の活動員であり、この特定の取り組みにかなり貢献してきた。
【0006】
1.定義
[0006]この発明の目的のため、以下のRFIDタグ形式がクラス別に規定されている。RFIDタグ記述は、工業用帯域、科学用帯域、および、医療用帯域で他の短いレンジの無線用途と共に一般に動作するか、或いは、400〜1000MHz(最も一般的には800〜1000MHz)の特殊なRFID帯域で動作するUHF RFIDタグを参照する。
【0007】
[0007]1.パッシブまたはクラス1
これらのシステムでは、タグは、バッテリを伴うことなく動作し、リーダの入力リーダ場によって給電される。タグは、タグ内の関連する集積回路に給電するためにRFエネルギをDCエネルギへ変換する検出器を有する。タグ感度は一般に約−5dBm〜−20dBm程度であり、また、リーダ感度は約−60〜−80dBm程度である。実用的レンジは一般に1〜5メートルである。システムは一般に、タグの適度な感度に起因して「順方向リンク制限される」。
【0008】
[0008]2.パッシブプラスセキュリティまたはクラス2
これらのシステムは、クラス1と同じ無線リンク技術を特徴とするが、メモリおよびセキュリティが付加されるとともに、時としてセンサなどの他の特徴が付加される。
【0009】
[0009]3.セミパッシブまたはクラス3
これらのシステムは、タグに電力を供給するための小型バッテリ(例えばコイン型リチウム二酸化マンガン電池)を特徴とし、したがって、タグがリーダに非常に近接しなければならないという要件が取り除かれる。タグ受信器は、一般に、アクティブゲインの使用によって随意的に改善されるが依然として広帯域検出器ベースであり、また、タグ送信器は依然として後方散乱変調を使用する。うまく構成されたセミパッシブタグは、RF増幅器を伴うことなく最大で約−60dBmのタグ感度を有する場合がある。技術的に優れたセミパッシブシステムは、数百メートルの自由空間レンジおよび数十メートルの実用的レンジを有することができる。しかしながら、リーダからタグへの順方向リンクを好む非対称な後方散乱リンクの物理的現象に起因して、これらのシステムは、一般に、リーダ受信器の感度によって制限される「逆方向リンク」となる。また、システムは、タグまたはリーダのいずれかで見られる干渉によって制限される場合がある。
【0010】
[0010]4.セミアクティブまたはクラス3プラス
これらのシステムは、後方散乱送信器に取って代わるように随意的なアクティブ送信器をタグに供給する。これは、クラス3リンクの逆方向リンク制限を取り除くとともに、−70〜−80dBm(米国の帯域幅)の範囲のタグ感度をもたらすタグ内のRF増幅器の付加に伴って、一般に、ほぼ同じリンク損失が両方向で許容される「平衡リンク」を近似的にもたらす。例えば、+36dBmの最大有効放射電力(米国での施行のための電流限界)を送るリーダと−75dBmのタグ感度とを使用するリンクは、順方向リンクにおいて最大111dBの全リンク損失を許容できる。リーダ感度が−110dBmであり(搬送波がそれ自体の送信器を備える送信器に起因して搬送波を維持する必要がないときに達成できる)、かつタグが0dBmを送信する場合には、逆方向リンク損失が最大で−110dBとなり得る。クラス3プラスのシステムは現在公認されていないが、順方向リンク性能と逆方向リンク性能との間のほぼ完全な整合を有する唯一のクラスであり、このシステムを開発せざるを得ない技術的および経済的な理由がある。
【0011】
[0011]5.完全アクティブ、アクティブまたはクラス4
これらのシステムは、リーダ送信信号のスペクトル占有に類似する受信器帯域幅で完全に機能する無線通信をタグで使用し、それにより、より高い感度および干渉拒絶がタグで可能になる。また、これらのシステムは、後方散乱システムに特有の欠点である、レンジが増大するにつれて送信電力が低下する、という問題を発生させない、タグで発生されるタグ送信搬送波も使用する。また、これらのシステムは現存して良好に機能するが、タグは、セミパッシブシステムよりもコストがおおよそ一桁高く、また、パッシブシステムよりもコストが約二桁高い。本開示で示される技術状態の向上は、大半の動作状態下で使用される高性能セミパッシブ回路と組み合わせたタグで完全アクティブ無線回路をパートタイム使用することにあり、それにより、必要に応じて更なる性能を与えつつ、バッテリ寿命が最大化される。
【0012】
[0012]6.バッテリ・アシスト・パッシブ・タグまたはBAPタグ
この用語は、特に、後方散乱送信器またはクラス3タグを維持するバッテリ・アシスト・タグを意味する。
【0013】
[0013]7.バッテリ・アシスト・タグまたはBAT
この用語も、一般に、後方散乱ベースのタグ送信器を依然として維持しつつ、バッテリ・アシスト・タグ受信器の向上を伴うタグを示している。この用語は、当初は、特にクラス3の動作を示すため、および、タグ上にアクティブ無線機能を有していないことを直接に意味するために作られた。しかしながら、ここでは、クラス3が、リンクが十分なときにクラス3を使用するクラス4タグおよびクラス3プラスタグのためのバッテリ節約「ベースモード」になり、かつ必要に応じてアクティブモードに進むことが想起される。したがって、用語「BAT」の使用は、将来的に、バッテリ・アシスト・タグ受信器の向上を伴う任意のタグを示すことになるかもしれない。そのため、本開示では、BATは、リンク状態がより高い性能を必要とするときに更に先進的なクラス3プラスモードまたはクラス4モードを使用するというオプションを伴って、クラス3動作をサポートするクラス3プラスタグまたはクラス4タグを示す場合がある。
【0014】
[0014]8.ハイバネーション
完全な通信および動作のための「通常」モードにタグを呼び起こすためにタグが「起動」コマンドを待機することができる低電力消費(スリープ)状態。クラス3タグ、クラス3プラスタグ、クラス4タグ、および、他のタグが随意的にハイバネートモードを実施してもよい。
【0015】
[0015]9.電力レベリング
送信器RF電力レベルの一般的なインテリジェント制御に適用される無線産業用語。送信電力制御は、携帯電話などの高密度無線システムで干渉を制御するために一般的に使用される手段である。
【0016】
[0016]RFIDシステムは保管環境および輸送環境内に更に一般的に組み込まれるようになるため、RFIDタグの様々な集合(set)が多種多様な機能を伴って益々使用されると思われる。したがって、特定の選択基準を満たすRFIDタグの特定のグループをユーザが選択して、それらにクエリできることが更に重要になってくる。例えば、ユーザは、センサ能力および/または特定のエアインタフェース能力を有するRFIDタグにクエリ(要求)したいと思う場合がある。当業者であれば分かるように、この例以外にも多くのタグ形式および/または特性が存在し得る。このように多様なRFIDタグの機能性により、特定のタグが特定の環境でより効率的に動作できるとともに、特定のタグが特定の情報を与えることができる。
【発明の概要】
【0017】
[0017]本発明の実施形態は、異なる形式のRFIDタグの動的な選択およびクエリを1つのセッションにより行なうことができる。また、本発明の実施形態は、異なる形式のRFIDタグの動的な起動も行なうことができる。また、本発明の実施形態は、1つ以上の共通の特性を有するRFIDタグの動的な選択およびクエリを1つのセッションまたはラウンドで行なうことができる。特定の実施形態では、タグ特性の集合に関連して複数のRFIDタグが起動され、また、これらのRFIDタグの部分集合がその後のクエリラウンドへ持ち込まれるように選択される。特定の例において、部分集合内のこれらのタグのそれぞれは、動作のためにタグが選択されるように、タグに交信(interrogate)するために使用される基準の集合内の全てのタグ特性を有する(すなわち、排他的クエリ)。特定の他の実施形態では、所望の基準の集合内の特性の少なくとも1つを有するだけで済むように(すなわち、両立的クエリ)、クエリされるRFIDタグの部分集合が制限を緩和される。
【0018】
[0018]望ましいタグ部分集合のこの交信、選択、および、クエリにより、リーダは、望まれないタグで浪費される時間を避けることにより、重要なタグ群をより確実にインベントリ(inventory)することができる。また、それにより、ラウンド中に不必要にインベントリされる無関係のRFIDタグによって引き起こされる干渉の量が減少される。更に、非常に大きなRFIDシステムの場合、タグの関連する部分集合に交信して正確にクエリできる能力は、リーダおよびバックエンド演算装置の処理要求を潜在的に減らすが、さもなければラウンド中に無関係のタグから受けられる情報を処理しなければならなくなる。
【0019】
[0019]本発明の実施形態について言及し、その例が添付図面に示されている。これらの図は、例示的であって、限定しようとするものではない。本発明を一般にこれらの実施形態との関連で説明するが、言うまでもなく、本発明の範囲をこれらの特定の実施形態に限定しようとするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の様々な実施形態に係るRFIDリーダとバッテリアシストRFIDタグとの間の通信を一般に示している。
【図2A】複数のRFIDタグが交信されるとともに、部分集合が選択されて特定のタグ形式および/または特性に関連してラウンドでクエリされる、本発明の様々な実施形態に係る典型的なRFIDシステムである。
【図2B】複数のRFIDタグが交信されるとともに、部分集合が選択されて特定のタグ形式および/または特性に関連してラウンドでクエリされる、本発明の様々な実施形態に係る典型的なRFIDシステムである。
【図3】本発明の様々な実施形態にしたがって、タグをそれらの基本形式および属性に基づいてクエリラウンドへ選択的に持ち込むことができる能力を依然として維持しつつ高速アクセスを可能にする、典型的なFlex_Queryコマンドを示している。形式はTag Type Selectフィールドで選択される。
【図4】本発明の様々な実施形態に係る典型的なFlex_QueryコマンドTag Type Selectフィールドである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0024]以下の記述では、説明の目的で、発明の理解を与えるために特定の詳細な内容が示される。しかしながら、当業者であれば分かるように、これらの詳細な内容を伴わなくても本発明を実施できる。当業者であれば分かるように、後述する本発明の実施形態は、様々な方法で様々な手段を使用して行なわれてもよい。また、当業者であれば分かるように、更なる変更、用途、および、実施形態は、本発明が実用性を与え得る更なる分野である場合、本発明の範囲内である。したがって、後述する実施形態は、本発明の特定の実施形態の例示であって、本発明を曖昧にするのを避けるためのものである。
【0022】
[0025]本明細書中の「1つの実施形態」または「一実施形態」とは、実施形態に関連する特定の特徴、構造、特性、または、機能が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書中の様々な箇所に出てくる「1つの実施形態において」や「一実施形態では」等の表現が全て必ずしも同じ実施形態を示しているとは限らない。
【0023】
[0026]本発明の実施形態は、異なる形式のRFIDタグの動的な選択およびクエリをセッションにより可能にする。「クエリ」という用語は、コマンド(例えば「クエリコマンド」)を使用して、各タグを更なるアクセスのために1つずつ独立させる(または「分離(singulate)する」)追加交信コマンドに対して、タグの集合が応答するラウンド(例えば「クエリラウンド」)にタグの集合を入らせることを意味するものと定義される。例えば、ISO 18000−6C基準では、これらの追加コマンドは、主として、クエリコマンドの受信時にタグにより選択される乱数をカウントダウンするようになっており、それにより、タグがゼロに達するときにタグが応答する。これはタグ応答を時間的に分ける。これらの分離応答は通常は識別番号を含み、また、必要に応じて、交信側(interrogator)がメモリアクセスまたはセンサアクセスを進める場合がある。たまたま同じ乱数を選択してそれらの応答時に互いに干渉するタグは、通常、その後のクエリラウンドでアドレスがとられる。また、本発明の実施形態は、1つ以上の共通の特性を有するRFIDタグの動的な選択およびクエリをセッションまたはラウンドで行なうことができる。特定の例において、部分集合内のこれらのタグのそれぞれは、タグを選択するために望まれる所望の基準の集合内の全てのタグ特性を有していなければならない(すなわち、排他的クエリ)。特定の他の実施形態では、クエリされるRFIDタグの部分集合が更に制限を緩和され、この部分集合は、その後のクエリラウンドへ入るために所望の特性のうちの少なくとも1つを有するだけで済む(すなわち、両立的クエリ)。
【0024】
[0027]例えば、多くの一群のタグ内でセンサ能力および/または特定のエアインタフェース能力を有する特定のタグを選択することを望むユーザを考慮されたい。センサ能力を有する全てのタグの選択は、両立的形態で基準を選択することによりなされてもよい。ユーザは、特定のバッテリサポート・エアインタフェースを有するRFIDタグにクエリ(要求)したいと思う場合があり、これは、その基準を選択することにより両立的に達成されてもよい。しかし、ユーザが特定のセンサ能力および特定のエアインタフェース能力を有するタグだけをインベントリしたいと思う場合には、これを両立的選択によって達成することができない。両方の形式の両立的選択は、いずれかの形式を満たす全てのタグを含む。しかし、両方の機能を有するタグのみを選択するという望ましい目的は、選択機能の機能性が両立的から排他的なものに動的に切り換えられる場合に達成され得る。この切り換えが起動プロセスで適用され、それにより、正に望まれるタグがハイバネーションから呼び起こされるとともに、交信プロセスで正に望まれるタグが交信ラウンドへ持ち込まれてもよい。「交信」という用語は、ここでは、各タグを個々のアクセスのために分離するクエリラウンド内のプロセスとして規定される。
【0025】
[0028]説明のため、少なくとも何らかのバッテリアシストRFIDタグを使用する典型的なRFIDシステムについて記載する。しかしながら、当業者であれば分かるように、パッシブタグ、セミアクティブタグ、および、アクティブタグを含むとともに各タグ形式にわたって様々な機能の集合を含む本発明の実施形態を使用して、様々な特性を有する様々な異なる形式のRFIDタグがクエリされてもよい。
【0026】
A.バッテリアシストRFIDシステムおよびタグ
[0029]クラス1パッシブシステムは、一般にタグ感度があまり高くなく、一般に「順方向リンク制限され」、それにより、リーダからタグへのリンクがタグからリーダへのリンクよりも短いレンジで機能しなくなる。タグにおいてバッテリを使用するとタグ感度が高まるが、タグ二乗検波受信器の特性に起因して、複数のダイナミックレンジ状態の実施およびACカップリングが必要とされる場合があり、これは、本発明の様々な実施形態に係るプロトコルで考慮され得る。多くの場合、現在かなりの能力がある順方向リンクに弱い逆方向リンクが遅れずついて行くことは難しい。しかしながら、逆方向リンクは、例えば超低位相ノイズ型の局部発振器およびリーダ受信器への最大送信搬送波の分離を使用してそれらの感度を高めるリーダ構造など、先進的なリーダ構造によって強化されてもよい。こうした構造で強化された場合であっても、通常、リーダは、搬送波周波数に近いタグ側波帯を用いて、感度に関して位相ノイズ制限される。これは、より高い周波数の副搬送波がタグの後方散乱側波帯を「位相ノイズ曲線下へ」移動させることによりリーダ感度を高める、ISO/IEC 18000−6Cのミラー変調モードなどのタグの後方散乱「副搬送波」の使用によって向上される。
【0027】
[0030]リンクの両端でこの向上した感度をインテリジェントに使用するには、後方散乱をサポートするために使用される純粋な搬送波よりも低い順方向変調電力でリーダ・オン・リーダ干渉およびリーダ・オン・タグ干渉を減少させる必要がある場合がある。随意的なスプリットバンドプラン、時間調整、および、順方向リンク通信で使用されるよりも高い後方散乱サポート搬送波電力の使用などの他の干渉制御手段が使用されてもよい。また、リンクのためのタグからの随意的な或いはフルタイムのアクティブ送信、または、後方散乱タグ送信器を用いて見込まれるよりも良好なリンクを必要とする用途を使用することが有利な場合がある。
【0028】
[0031]図1は、バッテリサポートRFIDタグのシステムオペレーションを示している。タグ110は、RFIDリーダ100から順方向リンク信号106を無線で受信する。順方向リンク信号は、リーダ100によって変調されて、タグ110によって復調される。タグ・フロントエンドRFフィルタ144が、時として、広RF帯域であるが狭RFではないチャンネル選択性を、タグの低電力RFID受信器に与える場合があり、これがRFIDシステム性能の限界である。これは、タグがRF帯域でタグの感度レベルを超える全ての送信器からの干渉に晒されるからである。本発明のそのような特定の実施形態では、そのような干渉に対処するために、干渉に晒される広帯域フィルタを使用する高感度RFタグおよびRFID干渉制御対策について説明する。他の実施形態では、フロントエンド・フィルタ144が狭く、その周波数が動作の調整領域または干渉の存在にしたがって調整される。例えば、リーダは、RFID動作の周波数付近でのセルラー送信に起因する干渉の存在を検出して、タグにそのフロントエンド・フィルタ周波数レンジを変更するように命令してもよい。そのような設定は、本明細書に開示される設定ファイルへのリーダによるメモリ書き込みによって利便的な形で命令されてもよい。タグ110が随意的なアクティブ受信器132を含む場合には、タグ110は狭帯域干渉拒絶受信器へのアクセスを有する。
【0029】
[0032]タグが送信する順番になり、タグがクラス3モードを使用しようとしているときには、リーダは、関連する電力レベルを有し、かつRFIDリーダ100によって受信されるべき情報を含む逆方向リンク信号108として、タグが反射して後方散乱できる純粋な搬送波を供給する。後方散乱送信器の使用は、タグ上にアクティブ送信器を有することによる、或いは後方散乱送信機が適切な状況で随意的なアクティブ送信器をタグで利用することによる、コストおよび電力消費量を節約する。
【0030】
[0033]本発明の様々な実施形態は、タグでの受信信号の受信状態を向上させることができ、タグの好ましいモード動作(例えばアクティブまたは二乗検波モード)を与えるとともに、RFIDシステム全体内で干渉制御をもたらす装置および方法を含む。二乗検波タグ受信器130は特定レベルの感度をタグに与える。この感度が干渉環境にとって大きすぎる場合には、起動コマンド118により制御される感度制御128が感度を制限するために使用される。より良好な感度または干渉拒絶が必要とされるときには、バッテリ112によってサポートされる随意的なアクティブ受信器132に切り換えるようにタグが命令されてもよい。
【0031】
[0034]二乗検波受信器130およびアクティブ受信器132の両方における電力測定能力は、タグが受信信号電力を認識できるようにするとともに、通常のコマンド120中の電力制御情報と相まって、後方散乱送信器122および随意的なパートタイムアクティブ送信器124の両方の電力出力を制御できるようにする。バッテリ寿命を伸ばすため、デューティサイクル制御器134を適用して、ハイバネーションモードまたは通常モードのいずれか或いは両方で受信器を節電パートタイム動作状態に置いてもよい。
【0032】
[0035]戻りデータ転送速度クロック、戻り副搬送波、コントローラクロック、データロガークロック、および、アクティブ送信器124およびアクティブ受信器132の周波数合成器のための入力基準周波数を発生させるために、クロック発生器136が単結晶114と併せて使用されてもよい。特定の実施形態において、結晶114は、低コストであり、一般的な32.768kHz「ウォッチクリスタル」などの約20kHz〜100kHzの低電力音叉型のものである。センサ・データロガー138は、RFIDの通常の識別機能を拡張させて、コールドチェーンにおける物品の温度記録などの市場で望まれるセンサ動作を可能にするとともに、結晶114のタイミング精度によって向上される。
【0033】
[0036]タグコントローラ140は、デジタル状態機械、または、ファームウェアによりプログラミングされたマイクロコントローラの形態、または、副搬送波発生・受信シンボル同期などのハードウェアサポートとマイクロコントローラとの組み合わせから成ってもよい。ハイバネート制御142が低電力マイクロコントローラまたは専用の状態機械であってもよい。後述するように、ハイバネート制御器142が疑似ランダム「PN」シーケンスフラグ相関器およびビットデスタファ(bit destuffer)を含んでもよい。
PNフラグの用法については以下で十分に説明するが、これは、標準的な{0,1}シンボルセットが起動妥当性の信号伝達およびフレーム同期化としての機能を果たすことができるようにする方法である。{0,1}シンボルセットだけの使用は、特別な更に長いシンボルをなす従来技術の方法よりも好ましい。これは、{0,1}シンボルセットだけを使用することによって、チャンネル帯域幅を減少させることができ、結合コンデンサのサイズおよびダイ面積を減少させることができ、タグ感度を制限するダイ上のフリッカノイズを減少させることができるからである。フリッカノイズはCMOS集積回路を実装する場合に特に問題となる。
【0034】
B.RFIDタグ交信およびクエリ
[0037]図2Aおよび図2Bは、リーダが1つ以上の基準に関連してシステム内のタグの部分集合に交信し、選択し、クエリできる典型的なRFIDシステムを示している。リーダ210は、RFIDタグに交信して、RFIDタグ形式および/またはタグ特性を含んでもよい選択基準閾値を満たす特定のタグを選択する。このプロセスは、タグが選択基準を満たすことができる場合に起動させるための要求を各タグに与える起動コマンドを含んでもよい。同様に、起動が適用できない場合、或いはハイバネーションから呼び起こされた後である場合、そのような選択は、タグをクエリコマンドによって交信ラウンドへ持ち込むプロセスに適用されてもよい。選択基準(必要な両立的基準または排他的基準を含む)が満たされる場合には、特定のタグがラウンド内に含まれる。
【0035】
[0038]図2Aによれば、第1の特性に関連して識別されて選択されたタグの第1の部分集合220と、第2の特性に関連して選択されたタグの第2の部分集合221との間に交わりが存在しない状況が示されている。したがって、両立的選択は、これらの部分集合のいずれか或いは両方の部分集合の和集合を選択するのに適している。図2Bは、タグの2つの部分集合222および223が存在する状況を示している。両方の特性を共有するタグを選択することが望ましく、それはこれらの2つの部分集合の積集合である。この選択を両立的(OR)選択と共に行なうことはできない。しかしながら、選択プロセスの機能性を両立的から排他的へ切り換えることにより、選択222 AND 223=225を通じて示すことによって望ましい積集合が選択されてもよい。これは、第1および第2の特性の両方を共有することに基づく結合によって識別される2つのタグ225をもたらす。両立的プロセスおよび排他的プロセスの両方を動的に利用できるようにすることにより、同じ選択フィールドをこれらの2つの根本的に異なる方法で解釈して、この改良された制御を可能にすることができる。
【0036】
[0039]このような望ましいタグ部分集合の起動、選択/クエリ、および、交信によって、リーダは、望まれないタグで浪費される時間を避けることにより、重要なタグ群をより確実にインベントリすることができる。また、それにより、ラウンド中に不必要にインベントリされ得る無関係のRFIDタグによって引き起こされる干渉の量が減少される。更に、非常に大きなRFIDシステムの場合、タグの関連する部分集合を(適用できるように)起動して、クエリ(要求)して、正確に交信可能な能力は、リーダおよびバックエンド演算装置の処理要求を潜在的に減らすが、さもなければラウンド中に無関係のタグから受ける情報を処理しなければならなくなる。
【0037】
[0040]本発明の特定の実施形態では、起動(適用可能な場合)およびクエリが両立的であると見なされ、それにより、起動されたRFIDタグは、選択基準内の特性のうちの1つだけを満たせば済む。本発明の他の実施形態では、起動および/またはクエリが排他的であると見なされ、それにより、RFIDタグは、選択基準内の指示された全ての特性を満たさなければならない。
【0038】
[0041]RFIDシステムは、当業者に周知の様々な方法を使用して、両立的起動および/またはクエリモードと排他的起動および/またはクエリモードとの間で切り換えられてもよい。例えば、起動またはクエリコマンド内の1または複数のビットは、起動および/またはクエリが両立的行為であるか或いは排他的行為であるかどうかをタグに確認してもよい。この選択ビットは、フィールド(例えば、モード切り換えフィールドなど)内で完全に別個であってもよく、或いは、命令フレームの他のフィールド(例えば、タグ形式選択フィールドなど)内に組み込まれてもよい。このモード選択の1つの事例は、以下で更に詳しく説明されるFlex_Queryコマンドにおける「Tag Type Select Field」内の単一ビットを含むようになっている。
【0039】
[0042]当業者であれば分かるように、選択基準は、RFIDタグの多数の異なる形式および異なる特性を含んでもよい。典型的なリストを以下に示す。
1.パッシブタグ:これらのタグは、純粋なパッシブタグ、および、「バッテリ切れ応答」をサポートするバッテリ切れに関するバッテリタグを含む。幾つかの例では、パッシブタグがFlex_Queryをサポートしない場合がある。
2.バッテリ・アシスト・パッシブ(BAP):この用語は、PIE形式およびマンチェスター形式の両方のバッテリ・アシスト・タグを示している。本明細書の出願時点で有効であるISO18000−6草案下では、両立的および排他的な選択切り換えを実施するためにBAP PIEタグだけが特別なクエリコマンド(Flex_Query)を必要とする。BAPタグのために特別に作られたマンチェスター・クエリコマンドは、この切り換え機能性を含む。
3.クラス3 Plus:これらのタグは、リンク状態が信頼できる後方散乱動作にあまりにも適さないときに使用してもよい、パートタイムアクティブ送信器を含むように想定される。
4.クラス4:これらのタグは、リンク状態が信頼できる後方散乱動作および/または二乗検波受信動作にあまりにも適さないときに使用してもよい、パートタイムアクティブ送信器およびパートタイムアクティブ受信器を含むように想定される。
5.クラス4プラス:これらのタグは、タグ間ネットワーク化をなどの更に先進的なアクティブ機能性を与えることができる。
6.セキュリティ特性:特定のタグが暗号化または改ざん検出などのセキュリティ機能を与えることができる。
7.センサ特性:特定のタグは、タグが物品に関する情報を追跡して送信できるようにするセンサ機能を与えることができる。これらのセンサは、温度、湿度、圧力、場所、化学的濃度などを含んでもよいが、これらに限定されない。
8.メモリ特性:特定のタグは、携帯型フローティングデータベースとして機能する大量のメモリを与えることができる。
9.アラーム特性:特定のタグは、事象発生に関連するアラーム情報を発生させて記憶するアラーム機能性を与えることができる。
【0040】
[0043]図3は、本発明の様々な実施形態に係る典型的なFlex_Queryコマンドを示している。この特定のコマンドは、異なるカテゴリーのタグ(IDオンリータグおよびセンサ使用可能タグなど)を交信/クエリラウンドへ選択的に持ち込むために、既に要求された別個のSelectコマンドおよびQueryコマンドが要求される状況を是正する。特にパッシブシステムではこれが問題となる。なぜなら、パッシブタグの低い感度が、アクセスできる時間窓が短い動作中タグのみをもたらすからである。この新たなコマンドは、タグの基本形式および特性に基づいてタグをクエリラウンドへ選択的に持ち込むことができる能力を依然として維持しつつ、高速アクセスを可能にする。本明細書では特定の実施形態において、この機能は、フル機能の別個の「Select」と比べて、「ミニ選択」機能と称される。
【0041】
[0044]タグの形式および特性は、本発明の様々な実施形態に係る図4に列挙されるTag Type Selectフィールド内で選択される。このフィールドの12ビットは、前述したようなタグ形式および/または特性の任意の組み合わせの選択を可能にする。特定の実施形態において、Tag Type Selectフィールドは、シンプルセンサおよびフル機能センサを含む幾つかの形式のセンサ、および、アラーム状態(温度がレンジから外れるなど)に直面したセンサを有するタグを可能にする。Tag Type Selectフィールド内の典型的なタグ・エアー・インタフェースは、パッシブクラス1およびクラス2並びにセミパッシブクラス3を含む。Reserved for Future Use (RFU)フィールドは、将来の標準的なバージョンにおいて、セミ・アクティブ・クラス3プラスおよびクラス4の幾つかのバリエーション(タグ間ネットワーク化を特徴としない更に簡単なクラス4、および、タグ間ネットワーク化を特徴とし得る更に先進的なクラス4など)を可能にし得る。
【0042】
[0045]本発明の特定の実施形態は、交信/クエリラウンドへのシンプルセンサ入力を制御できかつシンプルセンサ応答を制御できる能力をFlex_Queryに与える。「シンプルセンサ」は、少量のセンサデータ(例えば、温度検出タグが事前にプログラムされた範囲外の温度限界に晒されたという通知)を発生させかつセンサデータを当初はそれらの識別データに加えてタグが適切に分離されたときに自動的に送信するように、事前にプログラムされた一組の挙動を有するセンサとして規定される。シンプルセンサ自動応答により、シンプルセンサタグをクエリラウンドに含めるために「Select」コマンドによって選択するのに時間を要することなく、センサのデータをリーダによって読み取ることができる。そのような時間を要すると、特に優れた感度にも満たないタグの場合に、タグ読み取り失敗率の統計的増大を招く。しかし、シンプルセンサが常にデータを送信すると、多くのシンプルセンサタグがシンプルセンサを伴わない一群のタグと混ぜ合わされる場合に、分離プロセスが著しく遅くなるとともに、統計的に、適切に分離されて読み取られることがなかった見逃されたタグの数が増大する。
【0043】
[0046]本発明の実施形態は、前述した「ミニ選択」機能性を、シンプルセンサ・コマンドがクエリラウンドに入るか否か、および、シンプルセンサ・コマンドの自動応答機能が特定のクエリラウンドにとって有効であるかどうかを選択できる特殊なクエリコマンドに組み込む。
【0044】
[0047]本発明は様々な改良および代替形態を受け入れる余地があるが、本発明の特定の例が図示されて本明細書中に詳しく記載されている。しかしながら、言うまでもなく、本発明は開示された特定の形態に限定されず、それどころか、本発明は全ての改良、等価物、および、代替案を含むものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
様々な特性の集合を有する複数のRFIDタグに交信するための方法であって、
前記様々な特性の集合内でRFIDタグ特性の第1の集合を識別するクエリコマンドを形成するステップと、
実行されるべきタグ交信の形式を識別するビットを前記クエリコマンド内に挿入するステップと、
前記クエリコマンドを前記複数のRFIDタグへ送信するステップと、
前記RFIDタグ特性の第1の集合と前記タグ交信の形式とに少なくとも部分的に基づいてRFIDタグの第1の集合を選択するステップと、
前記RFIDタグの第1の集合に交信するステップと
を備える方法。
【請求項2】
前記タグ交信の形式が排他的交信である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タグ交信の形式が両立的交信である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記RFIDタグ特性の第1の集合が単一のタグ特性である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記RFIDタグ特性の第1の集合がパッシブタグに関連する特性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記RFIDタグ特性の第1の集合がタグクラス識別子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記タグクラス識別子が、クラス1識別子、クラス2識別子、クラス3識別子、クラス3プラス識別子、クラス4、およびクラス4プラス識別子から成るグループから選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記RFIDタグ特性の第1の集合がセキュリティ特性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記RFIDタグ特性の第1の集合がセンサ特性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記RFIDタグ特性の第1の集合がメモリ特性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記RFIDタグ特性の第1の集合がアラーム特性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
様々な特性の集合を有する複数のRFIDタグと、
前記複数のRFIDタグにクエリするとともに、RFIDタグ特性の第1の集合とタグ交信の形式とに少なくとも部分的に基づいて、前記複数のRFIDタグのうち第1の集合のRFIDタグをクエリラウンドへ持ち込むリーダと
を備え、
前記複数のRFIDタグの前記クエリが、前記RFIDタグ特性の第1の集合の関係を両立的または排他的であるとして規定するフラグを有するコマンドを前記リーダが送信することを含む、
RFIDシステム。
【請求項13】
前記RFIDタグ特性の第1の集合が、タグクラスに関連する少なくとも1つの特性を備える、請求項12に記載のRFIDシステム。
【請求項14】
前記RFIDタグ特性の第1の集合が、タグセキュリティに関連する少なくとも1つの特性を備える、請求項12に記載のRFIDシステム。
【請求項15】
前記RFIDタグ特性の第1の集合が、センサ形式に関連する少なくとも1つの特性を備える、請求項12に記載のRFIDシステム。
【請求項16】
前記RFIDタグ特性の第1の集合が、タグメモリに関連する少なくとも1つの特性を備える、請求項12に記載のRFIDシステム。
【請求項17】
前記RFIDタグ特性の第1の集合が、タグアラーム状態に関連する少なくとも1つの特性を備える、請求項12に記載のRFIDシステム。
【請求項18】
RFIDリーダから交信コマンドを受けるように結合されるアンテナと、
前記交信コマンドを受けるように結合されて、RFIDタグ特性の集合を処理するプロセッサであり、前記RFIDタグ特性の集合が、RFIDタグにクエリしかつ前記RFIDタグ特性の集合に少なくとも部分的に基づいて、前記RFIDタグをクエリラウンドへ持ち込むリーダによって送信されるクエリコマンド中に組み込まれるプロセッサと
を備え、
前記RFIDタグのクエリが、前記RFIDタグ特性の第1の集合の関係を両立的または排他的であるとして規定するフラグを有するコマンドを前記リーダが送信することを含む、
RFIDタグ。
【請求項19】
前記少なくとも1つのRFIDタグ特性が、タグクラスに関連する少なくとも1つの特性を備える、請求項18に記載のRFIDタグ。
【請求項20】
前記少なくとも1つのRFIDタグ特性が、タグセキュリティに関連する少なくとも1つの特性を備える、請求項18に記載のRFIDタグ。
【請求項21】
前記少なくとも1つのRFIDタグ特性が、センサ形式に関連する少なくとも1つの特性を備える、請求項18に記載のRFIDタグ。
【請求項22】
前記少なくとも1つのRFIDタグ特性が、タグメモリに関連する少なくとも1つの特性を備える、請求項18に記載のRFIDタグ。
【請求項23】
前記少なくとも1つのRFIDタグ特性が、タグアラームに関連する少なくとも1つの特性を備える、請求項18に記載のRFIDタグ。
【請求項24】
様々な特性の集合を有する複数のRFIDタグのうち第1の集合のRFIDタグを起動するための方法であって、
前記様々な特性の集合内でRFIDタグ特性の第1の集合を識別する起動コマンドを形成するステップと、
前記RFIDタグ特性が両立的または排他的であることに基づいて実行されるべきタグ起動の形式を識別するビットを前記起動コマンド内に挿入するステップと、
前記起動コマンドを前記複数のRFIDタグへ送信するステップと、
前記RFIDタグ特性の第1の集合と両立的または排他的を規定するビットとに少なくとも部分的に基づいて前記第1の集合のRFIDタグを起動するステップと
を備える方法。
【請求項25】
前記RFIDタグ特性の第1の集合が単一のタグ特性を備える、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記RFIDタグ特性の第1の集合がタグクラス識別子を備える、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記タグクラス識別子が、クラス3識別子およびクラス3プラス識別子から成るグループから選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記RFIDタグ特性の第1の集合がセキュリティ特性を備える、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記RFIDタグ特性の第1の集合がセンサ特性を備える、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記RFIDタグ特性の第1の集合がメモリ特性を備える、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記RFIDタグ特性の第1の集合がアラーム特性を備える、請求項24に記載の方法。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−512463(P2012−512463A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540866(P2011−540866)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/067353
【国際公開番号】WO2010/068678
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(507139339)インテレフレックス・コーポレイション (3)
【氏名又は名称原語表記】INTELLEFLEX CORPORATION
【Fターム(参考)】