説明

両軸受リール

【課題】両軸受リールにおいて、ハンドルのガタツキを抑える。
【解決手段】両軸受リールは、リール本体1と、ハンドル軸30と、ワンウェイクラッチ86と、ドラグ機構23と、ハンドル2と、スタードラグ3と、スプール12と、回転伝達機構19と、を備えている。ハンドル軸30は、リール本体1に回転自在に支持されている。ワンウェイクラッチ86の内輪86bは、ハンドル軸30に装着されている。ドラグ機構23のドラグ座金51は、ハンドル軸30に一体回転可能に連結される第1連結部51aと、ワンウェイクラッチ86の内輪86bに一体回転可能に連結される第2連結部51bと、を有している。ハンドル2は、内輪86bに一体回転可能に連結されハンドル軸30が貫通する貫通孔15dを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り用リール、特に、釣り糸が巻き付けられたスプールの回転により釣り糸を繰り出す両軸受リールに関する。
【背景技術】
【0002】
両軸受リールには、ドラグ機構を作動させるために、ハンドル軸の糸繰り出し方向の回転を規制するローラ型のワンウェイクラッチを有するものが従来知られている(例えば、特許文献1参照)。従来の両軸受リールは、リール本体と、リール本体に回転自在に装着されたハンドル軸と、ハンドル軸に一体回転可能に連結されたドラグ座金を含むドラグ機構と、を備えている。ワンウェイクラッチは、ハンドル軸の外周面に回転自在に装着され、ドラグ座金を介してハンドル軸と一体回転可能に連結された内輪を有している。ハンドル軸は、先端に一体回転可能に連結されたハンドルにより回転操作される。ドラグ機構のドラグ力は、ハンドル軸に螺合するナット部材を有するスタードラグにより調整される。ドラグ座金は、スタードラグのナット部材に内輪を介して押圧され、ドラグ機構は、押圧力に応じたドラグ力に設定される。
【0003】
ハンドル軸には、平行な二面を有する回転連結部が外周面に形成され、ドラグ座金の中心には、回転連結部に係合する非円形の第1連結部と、内輪に係合する第2連結部が形成されている。内輪の先端部には、第2連結部に連結された一対の係合突起が軸方向に突出して形成されている。第2連結部は、第1連結部の回転連結部と係合する部分の間に係合突起に係合する一対の係合凹部を有している。
【0004】
このような構成の従来の両軸受リールでは、ハンドルの回転がハンドル軸およびドラグ座金を介してワンウェイクラッチの内輪に伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−168354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の構成では、ハンドルの回転は、ハンドル軸及びドラグ座金を介してワンウェイクラッチの内輪に伝達される。ハンドル軸とドラグ座金及びドラグ座金と内輪との間には、隙間があいている。このため、ドラグ力が弱い状態で巻き取り方向の回転および停止を行って仕掛けに動作を与えるハンドル操作を行うと、ハンドルが糸繰り出し方向にも隙間分だけ僅かに回転できるので、ハンドルにガタツキが生じるおそれがある。
【0007】
本発明の課題は、両軸受リールにおいて、ハンドルのガタツキを抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明1に係る両軸受リールは、リール本体と、ハンドル軸と、ワンウェイクラッチと、ドラグ機構と、ハンドルと、ドラグ調整部材と、スプールと、回転伝達機構と、を備えている。ハンドル軸は、リール本体に回転自在に支持されている。ワンウェイクラッチは、外輪と、内輪と、転動体と、を有している。外輪は、リール本体に回転不能に装着されている。内輪は、ハンドル軸に装着されている。転動体は、外輪と内輪との間に配置されている。ドラグ機構は、ドラグ座金を含んでいる。ドラグ座金は、ハンドル軸に一体回転可能に連結される第1連結部と、ワンウェイクラッチの内輪に一体回転可能に連結される第2連結部と、を有している。ハンドルは、内輪に一体回転可能に連結されハンドル軸が貫通する貫通孔を有している。ドラグ調整部材は、ハンドル軸に装着され、ドラグ機構のドラグ力を調整するための部材である。スプールは、リール本体に回転自在に装着されている。回転伝達機構は、ハンドルの回転をスプールに伝達する。
【0009】
この両軸受リールでは、ハンドルとワンウェイクラッチの内輪とが一体回転可能に連結されている。このため、ハンドルを回転させると、その回転がワンウェイクラッチの内輪に伝達され、内輪からドラグ座金を介してハンドル軸に伝達される。ここでは、ハンドルの回転がワンウェイクラッチの内輪に直接伝達されるため、ハンドルと内輪との間の隙間が小さくなる。このため、ハンドルのガタツキを抑えることができる。
【0010】
発明2に係る両軸受リールは、発明1に記載のリールにおいて、ハンドルは、ドラグ調整部材とリール本体との間に配置されている。この場合には、ハンドルの軸方向外方にドラグ調整部材が配置されるので、内輪の軸方向長さを短くすることができる。また、ハンドルがスプールに接近して配置されるので、釣り竿回りのモーメントを小さくすることができる。これにより、ハンドルを回転させやすくなり、巻き上げ効率が向上する。
【0011】
発明3に係る両軸受リールは、発明1又は2に記載のリールにおいて、内輪は、ハンドル2側の第1端に軸方向外方に突出して形成された一対の第1係合突起を有している。ハンドルは、貫通孔に第1係合突起に係合する第1係合凹部を有している。
【0012】
この場合には、内輪に形成された第1係合突起に第1係合凹部が係合してハンドルと内輪とが一体回転する。このため、簡単な係合構造でハンドルと内輪とを一体回転させることができる。
【0013】
発明4に係る両軸受リールは、発明3に記載のリールにおいて、ハンドルは、ハンドル軸貫通部分に形成された非円形孔を有するハンドル本体と、非円形孔に係合する外形部を有し、内周部に第1係合凹部と貫通孔とが形成され、ハンドル本体と一体回転可能なインサート部材と、を有している。
【0014】
この場合には、ハンドルが、ハンドル本体と内輪が係合するインサート部材とを有しているので、ハンドル本体に軽量であるが電解腐食しやすいアルミニウム合金やマグネシウム合金を用いても、インサート部材によりハンドル本体と内輪との接触を避けることができる。このため、ハンドルの軽量化を図りつつ電解腐食を防止できる。なお、インサート部材をハンドル本体に固定する場合、例えば、接着やカシメ固定等の適宜の固定手段を用いればよい。
【0015】
発明5に係る両軸受リールは、発明4に記載のリールにおいて、内輪は、ステンレス合金を含む鉄系合金製であり、ハンドル本体は、アルミニウム合金およびマグネシウム合金のいずれかの軽合金製である。
【0016】
この場合には、ハンドル本体と内輪との接触による電解腐食を防止できる。
【0017】
発明6に係る両軸受リールは、発明4に記載のリールにおいて、ハンドル本体は、カーボングラファイト製である。この場合には、ハンドル本体の軽量化を図れる。また、ハンドル本体にインサート部材をカシメ固定する場合、カシメ固定によるハンドル本体の割れを防止できる。
【0018】
発明7に係る両軸受リールは、発明1から9のいずれかに記載のリールにおいて、第1連結部は、ドラグ座金の内周部に形成され、平行に配置された一対の直線部と、一対の直線部の両端をつなぐ一対の接続部とを有する非円形形状である。ハンドル軸は、直線部に係合する平行な一対の平面が形成された回転連結部を有する。
【0019】
この場合には、簡素な構成でハンドル軸とドラグ座金とを一体回転可能に係合できる。
【0020】
発明8に係る両軸受リールは、発明7に記載のリールにおいて、内輪は、第1端と逆側の第2端に軸方向内方に突出して形成された一対の第2係合突起を有している。第2連結部は、接続部に凹んで形成され第2係合突起に係合する第2係合凹部を有している。
【0021】
この場合には、ドラグ座金との係合構造と同じ構造でハンドルと内輪とを連結しているので、係合構造が簡素になる。
【0022】
発明9に係る両軸受リールは、発明1から8のいずれかに記載のリールにおいて、ハンドル軸の先端に螺合してハンドルをハンドル軸に対して抜け止めするナット部材と、ナット部材を貫通してハンドル軸の先端面に形成された雌ねじ部に螺合する回り止めねじと、をさらに備える。
【0023】
この場合には、ナット部材を貫通する回り止めねじを直接ハンドル軸に螺合させてナット部材を回り止めしているので、ナット部材を小さいスペースで確実に回り止めできる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ハンドルの回転がワンウェイクラッチの内輪に直接伝達されるため、ハンドルと内輪との間のガタツキが生じにくくなる。このため、ハンドルのガタツキを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態による両軸受リールの斜視図。
【図2】その縦断面図。
【図3】図2のドラグ機構部分の断面拡大図。
【図4】ドラグ機構の分解斜視図。
【図5】ドラグ機構の分解斜視図。
【図6】ハンドルの分解斜視図。
【図7】他の実施形態の図6に相当する図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<リールの一般的な構成>
図1及び図2において、本発明の一実施形態による両軸受リールは、ベイトキャスト用の丸形の両軸受リールである。両軸受リールは、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整部材としてのスタードラグ3と、リール本体1に回転自在に支持されたスプール12と、を備えている。
【0027】
<ハンドルの構成>
ハンドル2は、板状のハンドルアーム2aと、ハンドルアーム2aの両端に回転自在に装着された把手2bとを有するダブルハンドル形のものである。ハンドルアーム2aは、図2に示すように、リール本体1に回転自在に装着されたハンドル軸30の外周側にリール本体に接近して配置されている。
【0028】
ハンドルアーム2aは、図3、図4、および図6に示すように、ハンドル本体14と、ハンドル本体14に固定されたインサート部材15と、を備えている。ハンドル本体14は、例えば、アルミニウム合金、およびマグネシウム合金のいずれかの軽合金製である。この実施形態では、ハンドル本体14は、アルミニウム合金製である。ハンドル本体14は、図6に示すように、中心のハンドル軸30が貫通可能な貫通部分に非円形孔14aを有している。ハンドル本体14の両端に把手2bが回転自在に支持されている。ハンドル本体14の非円形孔14aは、図6に示ように、対向する一対の直線部14bと、一対の直線部14bの両端をつなぐ円弧部14cとを有する長円形である。
【0029】
インサート部材15は、例えば、真鍮および亜鉛合金等の金属製の部材である。インサート部材15は、ハンドル本体14と後述するワンウェイクラッチ86の内輪86bとの電解腐食を防止するために設けられている。インサート部材15は、非円形孔14aに一体回転可能に係合する非円形の外形部15aを有する筒部15bと、筒部15bより大径の鍔部15cと、を有している。筒部の内周面には、ハンドル軸30の外周面に回転自在に支持される貫通孔15dと、内輪86bに一体回転可能に連結される一対の第1係合凹部15eと、が形成されている。第1係合凹部15eは、貫通孔15dの直径上に一対形成されている。筒部15bの軸方向長さは、ハンドル本体14の厚みより長い。したがって、筒部15bは、ハンドル本体14のリール本体1と離反する第1面14dから突出している。この突出端は、適宜のカシメ治具によりかしめられている。これにより、インサート部材15がハンドル本体14に一体回転可能にカシメ固定されている。
【0030】
鍔部15cは、ハンドル本体14のリール本体1に接近する第2面14eに接触して配置されている。鍔部15cは、内輪86bの端面に接触して内輪86bを押圧可能である。
【0031】
<リール本体の構成>
リール本体1は、例えばアルミニウム合金やマグネシウム合金などの金属製の部材である。リール本体1は、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバー6及び第2側カバー7とを有している。リール本体1の内部には糸巻用のスプール12がスプール軸20(図2)を介して回転自在に装着されている。第1側カバー6は、スプール軸方向外方から見て円形であり、第2側カバー7は、交差する一対の円で構成されている。第1側カバー6は、フレーム5に対して開閉自在に装着されている。この開閉時にフレーム5から軸方向外方に離反した後に旋回するように、第1側カバー6は、フレーム5に支持されている。第1側カバー6は、第2側カバー7に設けられた図示しないネジ部材の着脱により開閉する。第1側カバー6には、後述する調整つまみ43が配置される円形の開口部6aが形成されている。第2側カバー7は、ハンドル軸30を回転自在に支持する。
【0032】
フレーム5内には、図2に示すように、スプール12と、サミングを行う場合の親指の当てとなるクラッチレバー17と、スプール12内に均一に釣り糸を巻くためのレベルワインド機構18とが配置されている。またフレーム5と第2側カバー7との間には、図2及び図3に示すように、回転伝達機構19と、クラッチ機構21と、クラッチ制御機構22と、ドラグ機構23と、キャスティングコントロール機構24と、が配置されている。
【0033】
回転伝達機構19は、ハンドル2からの回転力をスプール12及びレベルワインド機構18に伝える。クラッチ機構21は、ハンドル2とスプール12とを連結及び遮断する。クラッチ機構21をクラッチオフ状態(遮断状態)にするとスプール12が自由回転可能状態になる。クラッチ制御機構22は、クラッチレバー17の操作に応じてクラッチ機構21をクラッチオン状態(連結状態)とクラッチオフ状態とに制御する。ドラグ機構23は、スプール12の糸繰り出し方向の回転を制動する。キャスティングコントロール機構24は、スプール12の回転時の抵抗力を調整する。
【0034】
フレーム5は、図1に示すように、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された第1側板8及び第2側板9と、第1側板8及び第2側板9を一体で連結する上連結部10a及び下連結部10bとを有している。第1側板8の中心部よりやや上方には、段差を有する円形の開口8a(図2)が形成されている。この開口8aには、リール本体1を構成するスプール支持部13がねじ止め固定されている。
【0035】
上連結部10aは、図1に示すように、第1側板8及び第2側板9の外形と同一面に配置されており、下連結部10bは、前後に1対設けられており、外形より内側に配置されている。下連結部10bには、リールを釣り竿に装着するための前後に長い、たとえばアルミニウム合金等の金属製の竿装着脚部4がリベット止めされている。
【0036】
<スプールの構成>
スプール12は、図2に示すように、両側部に皿状の一対のフランジ部12aを有しており、一対のフランジ部12aの間に筒状の糸巻胴部12bを有している。図2左側のフランジ部12aの外周面は、糸噛みを防止するために開口8aの内周側に僅かな隙間をあけて配置されている。スプール12は、糸巻胴部12bの内周側を貫通するスプール軸20にたとえばセレーション結合により回転不能に固定されている。この固定方法はセレーション結合に限定されず、キー結合やスプライン結合等の種々の結合方法を用いることができる。
【0037】
スプール軸20は、図2に示すように、たとえばSUS304等の非磁性金属製であり、ハンドル軸30と平行に配置されている。スプール軸20は、第2側板9を貫通して第2側カバー7の外方に延びている。その延びた一端は、第2側カバー7に外方に突出して装着された第2ボス部7bに第1軸受26aにより回転自在に支持されている。またスプール軸20の他端は第2軸受26bにより回転自在に支持されている。スプール軸20の中心には、大径部20aが形成されており、両端に第1軸受26a及び第2軸受26bに支持される第1小径部20b及び第2小径部20cが形成されている。
【0038】
さらに、図2左側の第2小径部20cと大径部20aとの間の両者の中間の外径を有する部分にブレーキ機構25の磁石62が装着されている。スプール軸20の大径部20aの右端は、第2側板9の貫通部分に配置されており、そこにはクラッチ機構21を構成する係合ピン29が固定されている。係合ピン29は、直径に沿って大径部20aを貫通しており、その両端が径方向に突出している。
【0039】
<回転伝達機構の構成>
回転伝達機構19は、ハンドル軸30と、ハンドル軸30に固定されたメインギア31と、メインギア31に噛み合う筒状のピニオンギア32と、第1ギア部材36aと、第2ギア部材36bと、を有している。ハンドル軸30は、第2側板9及び第2側カバー7に軸受16及びワンウェイクラッチ86により回転自在に装着されている。
【0040】
ハンドル軸30は、ローラ型のワンウェイクラッチ86により糸繰り出し方向の回転(逆転)が禁止されている。ハンドル軸30の外周面には、後述するドラグ座金51を一体回転可能に連結する回転連結部30aが形成されている。回転連結部30aは、ハンドル軸30の外周面に形成された平行な一対の平面により構成されている。ハンドル軸30の先端には、後述するナット部材28が螺合する第1雄ねじ部30bが形成されている。第1雄ねじ部30bの基端側外周面には、スタードラグ3の後述するナット部3cが螺合する第2雄ねじ部30cが形成されている。第2雄ねじ部30cは第1雄ねじ部30bより大径である。ハンドル軸30の先端面には、雌ねじ部30dが形成されている。雌ねじ部30dは、ハンドル軸30の先端面の中心から偏倚した位置に形成されている。
【0041】
ワンウェイクラッチ86は、図3に示すように、第2側カバー7とハンドル軸30との間に装着されている。ワンウェイクラッチ86は、外輪86aと、内輪86bと、転動体86cと、を有している。外輪86aは、ステンレス合金を含む鉄系合金製であり、例えば、SUS440C製である。外輪86aは、第2側カバー7に外方に突出して装着された第1ボス部7aに回転不能に装着されている。内輪86bは、ステンレス合金を含む鉄系合金製であり、例えば、SUS440C製である。内輪86bは、ハンドル軸30に回転自在に装着されている。転動体86cは、ステンレス合金を含む鉄系合金製であり、例えば、SUS440C製である。転動体86cは、円筒コロであり、外輪86a及び内輪86bの間にくい込み可能に配置されている。これらの各部は、改質処理により表面の防錆性能を向上させている。
【0042】
内輪86bは、ハンドル2とドラグ機構23の後述するドラグ座金51とインサート部材15との間に両者に接触して配置されている。内輪86bのハンドル2側の第1端(図3右端)には、第1係合凹部15eに係合する一対の第1係合突起86dが軸方向に突出して形成されている。内輪86bの第1端と逆側の第2端(図3左端)には、ドラグ座金51に一体回転可能に係合する一対の第2係合突起86eが軸方向に突出して形成されている。ドラグ座金51は、ハンドル軸30に一体回転可能に係合している。このため、内輪86bは、ドラグ座金51を介してハンドル軸30に一体回転可能に連結されている。また、本実施形態では、内輪86bとハンドル2とが直接一体回転可能に連結されている。
【0043】
メインギア31は、ハンドル軸30に回転自在に装着されており、ハンドル軸30とドラグ機構23を介して摩擦結合されている。
【0044】
ピニオンギア32は、第2側板9の外方から内方に延び、中心にスプール軸20が貫通する筒状部材であり、スプール軸20に軸方向に移動自在に装着されている。また、ピニオンギア32の図2左端側は、軸受33により第2側板9に回転自在かつ軸方向移動自在に支持されている。ピニオンギア32の図2左端部には係合ピン29に噛み合う噛み合い溝32aが形成されている。この噛み合い溝32aと係合ピン29とによりクラッチ機構21が構成される。また中間部にはくびれ部32bが、右端部にはメインギア31に噛み合うギア部32cがそれぞれ形成されている。
【0045】
<ドラグ機構の構成>
ドラグ機構23は、図2に示すように、スタードラグ3の操作位置に応じてドラグ力が調整され、スプール12の糸繰り出し方向の回転を調整可能に制動する。スタードラグ3は、放射状に延びる複数の操作アーム3bを有する操作部本体3aと、操作部本体3aに一体回転可能かつ軸方向移動自在に装着されたナット部3cと、を有している。ナット部3cは、前述したように第2雄ねじ部30cに螺合している。このため、操作部本体3aが回転すると、ナット部3cはハンドル軸方向に移動可能である。
【0046】
スタードラグ3は、ハンドル2を間に挟むようにハンドル軸30の先端に装着されている。スタードラグ3は、第1雄ねじ部30bに螺合するナット部材28によりハンドル軸30に対して抜け止め固定されている。また、ナット部材28は、スタードラグ3を介してハンドル2をハンドル軸30に対して抜け止めしている。ナット部材28は、回り止めねじ41が軸方向に沿って通過可能な通過孔28aを有している。ナット部材28は、回り止めねじ41により回り止めされる。回り止めねじ41は、通過孔28aを貫通してハンドル軸30の先端面の雌ねじ部30dに螺合する
ドラグ機構23は、ハンドル軸30の周囲に設けられている。ドラグ機構23は、図3、図4、及び図5に示すように、スタードラグ3のナット部3cにより押圧される、例えば2枚の皿バネ50と、ドラグ座金51と、メインギア31を挟んで配置された第1ドラグディスク52および第2ドラグディスク53と、を備えている。皿バネ50は、スタードラグ3とハンドル2との間に配置され、スタードラグ3の軸方向に移動により変化したバネ力を、ハンドル2および内輪86bを介してドラグ座金51に伝達する。ドラグ座金51は、ハンドル軸30に一体回転可能に連結されている。
【0047】
ドラグ座金51は、ハンドル軸30及び内輪86bに一体回転可能に連結される。ドラグ座金51は、図5に示すように、ハンドル軸30に一体回転可能に連結される第1連結部51aと、内輪86bが一体回転可能に連結される第2連結部51bと、を有している。第1連結部51aは、ドラグ座金51の内周部に形成され、平行に配置された一対の直線部51cと、一対の直線部51cの両端をつなぐ一対の接続部51dと、を有している。この一対の直線部51cがハンドル軸30の回転連結部30aの平面に係合して、ドラグ座金51の回転がハンドル軸30に伝達される。第2連結部51bは、接続部51dに凹んで形成された一対の第2係合凹部51eを有している。第2係合凹部51eには、内輪86bの第2係合突起86eが係合して、内輪86bの回転がドラグ座金51に伝達される。ドラグ座金51の回転がハンドル軸30に伝達され、ハンドル2の回転によりハンドル軸30が回転する。したがって、従来は、ハンドルの回転が直接ハンドル軸に伝達されていたが、本実施形態では、ハンドル2の回転が内輪86bに直接伝達され、内輪86b及びドラグ座金51を介してハンドル軸30に伝達される。
【0048】
第1ドラグディスク52は、メインギア31とドラグ座金51との間に両者に接触して配置されている。第2ドラグディスク53は、メインギア31とラチェットホイール38とに接触して配置されている。第1ドラグディスク52及び第2ドラグディスク53は、ハンドル軸30に対して回転自在である。ラチェットホイール38は、ドラグ機構23としても機能する。ラチェットホイール38は、ハンドル軸30の外周面に大径に形成された鍔部30eに接触して配置されている。この鍔部30eによりスタードラグ3の押圧力を受けている。
【0049】
<その他の構成>
クラッチレバー17は、第1側板8及び第2側板9間の後部でスプール12の後方に配置されている。クラッチレバー17は第1側板8及び第2側板9の間で上下方向にスライドする。クラッチレバー17のハンドル装着側には、係合軸17aが第2側板9を貫通して一体形成されている。この係合軸17aは、クラッチ制御機構22に係合している。
【0050】
レベルワインド機構18は、図2に示すように、スプール12の前方で第1側板8及び第2側板9の間に配置され、外周面に交差する螺旋状溝46aが形成された螺軸46と、釣り糸案内部47と、を有している。釣り糸案内部47は、螺軸46によりスプール軸方向に往復移動して釣り糸を案内する。螺軸46の図2右端には、回転伝達機構19を構成する第1ギア部材36aが装着されており、第1ギア部材36aは、ハンドル軸30に一体回転可能に装着された第2ギア部材36bに噛み合っている。このような構成により、螺軸46は、ハンドル軸30の糸巻取方向の回転に連動して回転する。釣り糸案内部47は、螺軸46の回転によりスプール軸方向に往復移動する。
【0051】
クラッチ制御機構22は、図2に示すように、ピニオンギア32のくびれ部32bに係合してピニオンギア32をスプール軸20方向に沿って移動させるクラッチヨーク35を有している。クラッチヨーク35は、クラッチレバー17の回動位置によりクラッチオン位置とクラッチオン位置よりスプール軸方向外方のクラッチオフ位置とに移動する。
【0052】
キャスティングコントロール機構24は、図2に示すようにスプール軸20の両端を挟むように配置された複数の摩擦プレート48と、摩擦プレート48によるスプール軸20の挟持力を調節するための制動キャップ49とを有している。左側の摩擦プレート48は、スプール支持部13内に装着されている。制動キャップ49は、第2側カバー7の第2ボス部7bの外周面に螺合している。
【0053】
ブレーキ機構25は、図2に示すように、スプール12とリール本体1とに設けられたスプール制動ユニット40と、回転速度センサ(図示せず)と、調整つまみ43と、スプール制動ユニット40を調整つまみ43の操作位置に応じて電気的に制御するマイクロコンピュータからなるスプール制御ユニット(図示せず)と、を有している。スプール制動ユニット40は、スプール12を発電により制動する電気的に制御可能なものである。スプール制動ユニット40は、スプール軸20に回転方向に並べて配置された4つの磁石62を含む回転子61と、回転子61の外周側に対向して配置され直列接続されたたとえば4つのコイル63と、直列接続された複数のコイル63の両端が接続されたスイッチ素子(図示せず)とを備えている。回転速度センサは、スプール12の回転速度を検出して張力を算出するために設けられている。スプール制御ユニットは、スプール支持部13に固定された回路基板70を搭載されている。調整つまみ43は、スプール支持部13に回転自在に装着されている。
【0054】
<実釣時のリールの動作>
釣りを行うときは、まず、クラッチレバー17をクラッチオフ位置に操作し、クラッチ機構21をクラッチオフ状態にする。この状態でキャスティングを行い、釣り糸をスプール12から繰り出す。仕掛けが着水するとハンドル2を糸巻取方向に僅かに回転させる。すると、図示しないクラッチ戻し機構が動作してクラッチ機構21がクラッチオンする。このとき、クラッチレバー17もクラッチオン位置に戻る。
【0055】
この状態に仕掛けに魚が掛かるのを待つ。仕掛けに魚が掛かると、釣り人はハンドル2を糸巻取方向に回転させて掛かった魚を取り込む。ハンドル2が糸巻取方向に回転すると、内輪86bにその回転が伝達され、さらにドラグ座金51を介してハンドル軸30に回転が伝達される。ハンドル軸30が回転するドラグ機構23によりハンドル軸30に摩擦結合しているメインギア31が回転し、その回転がピニオンギア32及びクラッチ機構21を介してスプール軸20に伝達され、スプール12が糸巻取方向に回転する。
【0056】
この巻き取り時にドラグ機構23のドラグ力が弱く設定されていると、従来のように、ハンドルの回転がハンドル軸に直接伝達されている構成では、ハンドル軸とドラグ座金との遊び(隙間)とドラグ座金と内輪との遊び(隙間)の影響を内輪が受ける。この結果、ハンドル2を巻き取り方向に回転させたり止めたりする、ジギング等の仕掛けに動作を与える操作を行うと、ハンドルの糸繰り出し方向にも遊び分だけ僅かに回転できるので、ハンドル2にガタツキが生じる。しかし、本実施形態では、ハンドル2の回転が直接内輪86bに伝達されるため、ハンドル2と内輪86bとの遊びが小さくなり、ハンドル2が糸繰り出し方向に回転しにくくなり、ガタツキが生じにくくなる。
【0057】
<特徴>
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
【0058】
(A)両軸受リールは、リール本体1と、ハンドル軸30と、ワンウェイクラッチ86と、ドラグ機構23と、ハンドル2と、スタードラグ3と、スプール12と、回転伝達機構19と、を備えている。ハンドル軸30は、リール本体1に回転自在に支持されている。ワンウェイクラッチ86は、外輪86aと、内輪86bと、転動体86cと、を有している。外輪86aは、リール本体1に回転不能に装着されている。内輪86bは、ハンドル軸30に装着されている。転動体86cは、外輪86aと内輪86bとの間に配置されている。ドラグ機構23は、ドラグ座金51を含んでいる。ドラグ座金51は、ハンドル軸30に一体回転可能に連結される第1連結部51aと、ワンウェイクラッチ86の内輪86bに一体回転可能に連結される第2連結部51bと、を有している。ハンドル2は、内輪86bに一体回転可能に連結されハンドル軸30が貫通する貫通孔15dを有している。スタードラグ3は、ハンドル軸30に装着され、ドラグ機構23のドラグ力を調整するための部材である。スプール12は、リール本体1に回転自在に装着されている。回転伝達機構19は、ハンドル2の回転をスプール12に伝達する。
【0059】
この両軸受リールでは、ハンドル2とワンウェイクラッチ86の内輪86bとが一体回転可能に連結されている。このため、ハンドル2を回転させると、その回転がワンウェイクラッチ86の内輪86bに伝達され、内輪86bからドラグ座金51を介してハンドル軸30に伝達される。ここでは、ハンドル2の回転がワンウェイクラッチ86の内輪86bに直接伝達されるため、ハンドル2と内輪86bとの隙間が小さくなる。このため、ハンドル2のガタツキを抑えることができる。
【0060】
(B)両軸受リールにおいて、ハンドル2は、スタードラグ3とリール本体1との間に配置されている。この場合には、ハンドル2の軸方向外方にスタードラグ3が配置されるので、内輪86bの軸方向長さを短くすることができる。また、ハンドル2がスプール12に接近して配置されるので、釣り竿回りのモーメントを小さくすることができる。これにより、ハンドル2を回転させやすくなり、巻き上げ効率が向上する。
【0061】
(C)両軸受リールにおいて、内輪86bは、ハンドル2側の第1端に軸方向外方に突出して形成された一対の第1係合突起86dを有している。ハンドル2は、貫通孔15dに第1係合突起86dに係合する第1係合凹部15eを有している。
【0062】
この場合には、内輪86bに形成された第1係合突起86dに第1係合凹部15eが係合してハンドル2と内輪86bとが一体回転する。このため、簡単な係合構造でハンドル2と内輪86bとを一体回転させることができる。
【0063】
(D)両軸受リールにおいて、ハンドル2のハンドルアーム2aは、ハンドル軸30の貫通部分に形成された非円形孔14aを有するハンドル本体14と、非円形孔14aに係合する外形部15aを有し、内周部に第1係合凹部15eと貫通孔15dとが形成され、ハンドル本体14と一体回転可能なインサート部材15と、を有している。
【0064】
この場合には、ハンドル2が、ハンドル本体14と内輪86bが係合するインサート部材15とを有しているので、ハンドル本体14に軽量であるが電解腐食しやすいアルミニウム合金やマグネシウム合金を用いても、インサート部材15によりハンドル本体14と内輪86bとの接触を避けることができる。このため、ハンドル2の軽量化を図りつつ電解腐食を防止できる。なお、インサート部材15をハンドル本体14に固定する場合、例えば、接着やカシメ固定等の適宜の固定手段を用いればよい。
【0065】
(E)両軸受リールにおいて、内輪86bは、ステンレス合金を含む鉄系合金製であり、ハンドル本体14は、アルミニウム合金およびマグネシウム合金のいずれかの軽合金製である。
【0066】
この場合には、ハンドル本体14と内輪86bとの接触による電解腐食を防止できる。
【0067】
(F)両軸受リールにおいて、ハンドル本体14は、カーボングラファイト製である。この場合には、ハンドル本体14の軽量化を図れる。また、ハンドル本体14にインサート部材15をカシメ固定する場合、カシメ固定によるハンドル本体14の割れを防止できる。
【0068】
(G)両軸受リールにおいて、第1連結部51aは、ドラグ座金51の内周部に形成され、平行に配置された一対の直線部51cと、一対の直線部51cの両端をつなぐ一対の接続部51dとを有する非円形形状である。ハンドル軸30は、一対の直線部51cに係合する平行な一対の平面が形成された回転連結部30aを有する。
【0069】
この場合には、簡素な構成でハンドル軸とドラグ座金とを一体回転可能に係合できる。
【0070】
(H)両軸受リールにおいて、内輪86bは、第1端と逆側の第2端に軸方向に突出して形成された一対の第2係合突起86eを有している。第2連結部51bは、接続部51dに凹んで形成され第2係合突起86eに係合する第2係合凹部51eを有している。
【0071】
この場合には、ドラグ座金との係合構造と同じ構造でハンドルと内輪とを連結しているので、係合構造が簡素になる。
【0072】
(I)両軸受リールは、ハンドル軸30の先端に螺合してハンドル2をハンドル軸30に対して抜け止めするナット部材28と、ナット部材28を貫通してハンドル軸30の先端面に形成された雌ねじ部30dに螺合する回り止めねじ41と、をさらに備える。
【0073】
この場合には、ナット部材28を貫通する回り止めねじ41を直接ハンドル軸30に螺合させてナット部材28を回り止めしているので、ナット部材28を小さいスペースで確実に回り止めできる。
【0074】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態および変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0075】
(a)前記実施形態では、ハンドル本体14をステンレス鋼等の鉄系合金製としたが、本発明はこれに限定されない。なお、以降の説明では、前記実施形態と同様な部材については同じ符号で表し、機能は同じで材質が異なる部材には、100を足した符号を付している。
【0076】
図7において、ハンドル102のハンドルアーム102aのハンドル本体114は、炭素繊維強化樹脂製である。この実施形態では、炭素繊維製のハンドル本体114の強度を維持するためにハンドル本体114の長手方向において、中心部分を周辺部分に対して軸方向外方に膨出させている。したがって、ハンドル本体114の長手方向と直交する断面において、中心部分が周辺部分より軸方向外方に突出している。中心部分には、前記実施形態と同様な非円形孔114a、直線部114b、及び円弧部114cが形成されている。
【0077】
このような炭素繊維強化樹脂製のハンドル本体114では、インサート部材15をカシメ固定するとき、ハンドル本体114に割れが生じにくくなる。
【0078】
(b)前記実施形態では、ハンドル2をリール本体1とスタードラグ3との間に配置したが、スタードラグをハンドルとリール本体の間に配置してもよい。この場合、スタードラグを貫通して内輪をハンドルに接触させればよい。また、ナット部をハンドル軸ではなく操作部本体に螺合させ、さらに、リール本体に回転不能かつ軸方向移動自在に配置してもよい。
【0079】
(c)前記実施形態では、ハンドルアーム2a(または102a)の両端に把手2bを有するダブルハンドルを例に本発明の両軸受リールを説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ハンドルアームの基端に内輪が一体回転可能に係合し、先端に把手を有するダブルハンドルであっても良い。
【0080】
(d)前記実施形態では、電解腐食を防止するためにインサート部材を設けたが、インサート部材を設けずに、ハンドルアームに貫通孔及び第1係合凹部を設けても良い。
【符号の説明】
【0081】
1 リール本体
2 ハンドル
2a ハンドルアーム
3 スタードラグ(ドラグ調整部材の一例)
12 スプール
14 ハンドル本体
14a 非円形孔
14b 直線部
14c 円弧部
15 インサート部材
15d 貫通孔
15e 第1係合凹部
23 ドラグ機構
28 ナット部材
30 ハンドル軸
30a 回転連結部
30d 雌ねじ部
41 回り止めねじ
51 ドラグ座金
51a 第1連結部
51b 第2連結部
51c 直線部
51d 接続部
51e 第2係合凹部
86 ワンウェイクラッチ
86a 外輪
86b 内輪
86c 転動体
86d 第1係合突起
86e 第2係合突起
102 ハンドル
102a ハンドルアーム
114 ハンドル本体
114a 非円形孔
114b 直線部
114c 円弧部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール本体と、
前記リール本体に回転自在に支持されたハンドル軸と、
前記リール本体に回転不能に装着された外輪と、前記ハンドル軸に装着された内輪と、前記外輪と前記内輪との間に配置された転動体と、を有するワンウェイクラッチと、
前記ハンドル軸に一体回転可能に連結される第1連結部と、前記ワンウェイクラッチの内輪に一体回転可能に連結される第2連結部と、を有するドラグ座金を含むドラグ機構と、
前記内輪に一体回転可能に連結され前記ハンドル軸が貫通する貫通孔を有するハンドルと、
前記ハンドル軸に装着され、前記ドラグ機構のドラグ力を調整するためのドラグ調整部材と、
前記リール本体に回転自在に装着されたスプールと、
前記ハンドルの回転を前記スプールに伝達する回転伝達機構と、
を備えた両軸受リール。
【請求項2】
前記ハンドルは、前記ドラグ調整部材と前記リール本体との間に配置されている、請求項1に記載の両軸受リール。
【請求項3】
前記内輪は、前記ハンドル側の第1端に軸方向外方に突出して形成された一対の第1係合突起を有し、
前記ハンドルは、前記貫通孔に前記第1係合突起に係合する第1係合凹部を有する、請求項1又は2に記載の両軸受リール。
【請求項4】
前記ハンドルは、
前記ハンドル軸貫通部分に形成された非円形孔を有するハンドル本体と、
前記非円形孔に係合する外形部を有し、内周部に前記第1係合凹部と前記貫通孔とが形成され、前記ハンドル本体と一体回転可能なインサート部材と、を有する、請求項3に記載の両軸受リール。
【請求項5】
前記内輪は、ステンレス合金を含む鉄系合金製であり、
前記ハンドル本体は、アルミニウム合金及びマグネシウム合金のいずれかの軽合金製である、請求項4に記載の両軸受リール。
【請求項6】
前記ハンドル本体は、カーボングラファイト製である、請求項4に記載の両軸受リール。
【請求項7】
前記第1連結部は、前記ドラグ座金の内周部に形成され、平行に配置された一対の直線部と、前記一対の直線部の両端をつなぐ一対の接続部とを有する非円形形状であり、
前記ハンドル軸は、前記直線部に係合するように平行な一対の平面が形成された回転連結部を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の両軸受リール
【請求項8】
前記内輪は、前記第1端と逆側の第2端に軸方向内方に突出して形成された一対の第2係合突起を有し、
前記第2連結部は、前記接続部に凹んで形成され前記第2係合突起に係合する第2係合凹部を有する、請求項7に記載の両軸受リール。
【請求項9】
前記ハンドル軸の先端に螺合して前記ハンドルを前記ハンドル軸に対して抜け止めするナット部材と、
前記ナット部材を貫通して前記ハンドル軸の先端面に形成された雌ねじ部に螺合する回り止めねじと、
をさらに備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の両軸受リール。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−50398(P2012−50398A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196826(P2010−196826)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】