説明

中継処理システム、装置及びプログラム

【課題】ユーザの意図しない切断時でも端末から情報を登録せず、処理を再開させる。
【解決手段】リクエストデータを受信し、サービス情報を含むレスポンスデータを返信するサービス提供装置30と、リクエストデータを送信可能でレスポンスデータを受信可能な複数の端末C〜Eと、端末とサービス提供装置との間でリクエストデータ及びレスポンスデータの通信を中継可能なシームレス処理装置10とを備えたシームレス処理システムであって、シームレス処理装置としては、端末から受けたリクエストデータがセッションIDを含むか否かを判定し、セッションIDを含む場合には再開否定情報を書込み、否の場合には再開可能情報を書込む。中断中のサービスのサービスエントリIDを任意の端末から受けると、再開可能情報に関連したシーケンス番号の次のシーケンス番号に関連するリクエストデータをサービス提供装置に送信して通信を再開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の端末間で処理を再開可能とする中継処理システム、装置及びプログラムに係り、例えばユーザの意図しない切断が生じた場合でも端末から情報を登録せずに、処理を再開し得る中継処理システム、装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンピュータの利用形態としては、各ユーザが自己の端末を所有する形態や、コンピュータを複数人で共有する形態がある。通常のコンピューティング環境においては、コンピュータの電源を投入した後、ID管理されている場合には各自のIDを用いてログインし、利用開始の初期状態になる。この後、ユーザは所望の作業(操作)をコンピュータに行う。作業を終了する際には、終了処理をした後に電源を切る。すなわち、通常のコンピューティング環境においては、作業を中断せずに終了させる必要がある。
【0003】
一方、中断機能を備えたコンピュータでは、このような必要が無く、中断処理をした後に電源を切り、再度、電源を投入した後に、再開処理により作業を継続可能である。
【0004】
しかしながら、中断機能を備えたコンピュータにおいても、中断処理をした作業を他のコンピュータから再開できない不都合がある。また、中断機能を備えたコンピュータにおいても、中断したい作業がオンラインサービスの利用であり、且つオンラインサービスがセッションID(Session ID)等を用いて通信毎に個別に状態管理される場合には、中断処理の後に、再開処理を実現できない不都合がある。
【0005】
なお、ここでいう「オンラインサービス」としては、ネットワークを介したWeb上のコンテンツの閲覧サービスやストリーミングコンテンツの鑑賞サービス等がある。「セッションID」とは、ユーザとサービス提供者との間でセッションが開始された際に、サービス提供者側でセッションに対して一意に割り当てる識別子を意味する。「セッション」とは、ユーザがサービスの利用を開始してから終了するまでの一連の通信であり、URL(Uniform Resource Locators)やクッキー情報(Cookie)等に埋め込まれたセッションIDによって識別される場合が多い。
【0006】
「状態管理」とは、ユーザに利用されているサービスの状態をセッションID等を用いてサービス提供者側で管理することをいう。状態管理されるサービスでは、あるユーザが次の画面に遷移する際に送信したリクエストと同じリクエストを、別のユーザが同サービスに送信しても、同じ画面には遷移できない。この理由は、別のユーザがサービスへのリクエストとして同一のサービス識別子(HTML(Hypertext Markup Language)で記述されたWebコンテンツの場合はURL)を指定しても、セッションIDが異なる場合にはサービスが異なる結果を返すためである。よって、同じ理由により、同一ユーザが中断の前後で同一のリクエストを送信しても、セッションIDが異なる場合にはサービスが異なる結果を返すことになる。
【0007】
これにより、前述したように、中断機能を備えたコンピュータであっても、状態管理されたオンラインサービスの場合には、同一画面からの再開処理を実現できない不都合がある。
【0008】
一方、中断機能を備えたコンピュータがサービス提供者側に配置された構成により、オンラインサービスの中断処理の後に、同一画面から作業を再開可能な技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の技術では、中断予告信号の前までに端末からの入力データを端末の識別番号毎に蓄積しておく構成により、再度同一の端末から接続を求められたときに中断時の画面から送信を再開可能となっている。
【0009】
但し、特許文献1記載の技術においても、中断時と同一の端末でしか再開できない不都合がある。また、特許文献1記載の技術は、中断機能を備えたサービス提供者側のオンラインサービスを利用する場合のみ有効である。言い換えると、特許文献1記載の技術では、個々のサービス提供者には、中断機能を備えなければならない不都合が生じる。
【0010】
また一方、処理を中断位置から再開可能な技術として、データベースシステムにおけるロールフォワードが知られている。ロールフォワードは、バックアップファイルからある時点の状態を復元し、この復元状態から後に実行された処理をログから読み出して逐次実施することにより、障害発生時などに状態を復元し得る機能である。但し、再開処理の起点となるバックアップファイルは、ユーザの操作により、予めコミット又はチェックポイントの設定などを行って作成しなければならない不都合がある。
【0011】
これに対し、一般的なWebシステムでは、ロールフォワードのような機能が提供されておらず、同様の機能を実現したい場合、再開処理の起点となる状態を自動的に保存する機能が必要となる。しかしながら、一般的なWebシステムでは、そのような保存機能が実現されていない不都合がある。
【0012】
以上のような不都合を解消可能な方式として、複数の端末間で処理を再開可能とするシームレスシステムが本発明者らにより提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2記載の技術は、特許文献1記載の技術とは異なり、処理の再開時に利用する際のキーとなる情報としてユーザID等(のように1台の端末に限定されない情報又は情報の組合せ)を用いる構成により、ある端末で中断した処理を他の端末からも再開可能とする利点がある。
【0013】
また、特許文献2記載の技術は、特許文献1記載の技術とは異なり、ネットワークサービス群と端末群との間に、中断部及び再開部を備えたシームレスシステムを配置した構成により、サービス提供者側及びユーザ側の両者にとって、中断機能を備えることなく、実現可能とする利点がある。
【0014】
さらに、特許文献2記載の技術は、ロールフォワードとは異なり、予めバックアップファイルを作成する必要がないという利点がある。また、特許文献2記載の技術は、一般的なWebシステムとは異なり、再開処理の起点となる状態データを自動的に保存する機能を有するという利点がある。
【特許文献1】特開2001−285398号公報
【特許文献2】国際公開第WO 2004/003765号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
以上のような特許文献2記載の技術は、通常は何の問題も無いが、本発明者の検討によれば、ごく稀に、ユーザの意図しない切断が生じた場合には、再開処理を実行できない可能性がある。なお、意図しない切断が生じる場合には、例えばタイムアウトにより切断される場合や、回線不良により切断される場合等がある。タイムアウトの場合、長時間、操作されない端末がサービス提供者側のコンピュータにより自動的に切断される。
【0016】
ここで、特許文献2記載の技術を補足説明する。特許文献2には「中断処理を行わずに端末が強制的にネットワークから切断され、端末属性がユーザプロファイルデータに登録されなくても、最低限の再開処理が可能となる。例えば端末属性のみを利用する場合、サービス属性に相当する情報は端末でも保持されている場合があり、中断処理時に端末からサービス属性に相当する情報を端末属性として登録することにより、サービスの処理を再開できる。」との記載がある(第1の実施形態の最後から第3〜4段落を参照)。すなわち、特許文献2記載の技術においても、中断処理を行わずに端末が強制的にネットワークから切断された際に、最低限の再開処理が可能である。
【0017】
但し、特許文献2記載の技術によれば、中断処理を行わずに端末が強制的にネットワークから切断された場合、サービスの処理を再開するためには、端末から情報を登録する必要があることになる。
【0018】
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、ユーザの意図しない切断が生じた場合でも端末から情報を登録せずに、処理を再開し得る中継処理システム、装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
第1の発明は、サービス識別子を含むリクエストデータを受信すると、前記サービス識別子に対応するサービス情報を含むレスポンスデータを返信するサービス提供装置と、ユーザIDを含む接続要求、サービス識別子を含むリクエストデータをそれぞれ送信可能であり、前記サービス識別子に対応するサービス情報を含むレスポンスデータを受信可能な複数の端末と、前記各端末のうちのいずれかの端末から受けた接続要求を許可した場合に、当該端末と前記サービス提供装置との間でリクエストデータ及びレスポンスデータの通信を個別に中継可能な中継処理装置とを備えた中継処理システムであって、前記中継処理装置としては、前記接続要求を許可する場合のユーザIDが予め記憶されるユーザプロファイル記憶手段と、前記許可された接続要求に対応して割り当てられるサービスエントリID及び前記通信のシーケンス番号毎に、中継したリクエストデータ又はレスポンスデータとが互いに関連付けて記憶され、且つ前記レスポンスデータが記憶される場合には更に、再開可能情報又は再開否定情報が関連付けて記憶されるリクエストプロファイル記憶手段と、前記許可された接続要求内のユーザID及び前記サービスエントリID毎に、前記再開可能情報に関連付けられたシーケンス番号と、中断したときの最終のシーケンス番号とが互いに関連付けて記憶されるサービスプロファイル記憶手段と、前記端末から受けたリクエストデータがセッションIDを含むか否かを判定するセッションID判定手段と、前記判定の結果、セッションIDを含む場合には、前記再開否定情報を前記リクエストプロファイル記憶手段に書き込む再開否定情報書込手段と、前記判定の結果、否の場合には、前記再開可能情報を前記リクエストプロファイル記憶手段に書き込む再開可能情報書込手段と、前記通信が中断したとき、前記リクエストプロファイル記憶手段における当該中断したときの最終のシーケンス番号を前記サービスプロファイル記憶手段に書き込む手段と、中断中のサービスに関するサービスエントリIDを前記各端末のうちの任意の端末から受けると、当該サービスエントリIDに基づいて、前記サービスプロファイル記憶手段内の前記再開可能情報に関連付けられたシーケンス番号を検索する手段と、この検索されたシーケンス番号の次のシーケンス番号に関連付けられたリクエストデータを前記リクエストプロファイル記憶手段から検索する手段と、この検索されたリクエストデータを前記サービス提供装置に送信することにより、前記通信を再開する手段とを備えた中継処理システムである。
【0020】
第2の発明は、第1の発明の中継処理システムにおいて、前記中継処理装置としては、前記セッションID判定手段及び前記再開否定情報書込手段に代えて、前記端末から受けたリクエストデータを中継して前記サービス提供装置に送信し、折り返し、レスポンスデータを受信する第1の中継手段と、前記第1の中継手段により中継されたリクエストデータが前記端末を識別するための付随情報を含むとき、前記付随情報を当該リクエストデータから除去する手段と、前記除去された後のリクエストデータを中継して前記サービス提供装置に送信し、折り返し、レスポンスデータを受信する第2の中継手段と、前記第1及び第2の中継手段により受信された2つのレスポンスデータが互いに異なるか否かを判定するレスポンスデータ判定手段と、前記判定の結果、2つのレスポンスデータが互いに異なる場合には、前記再開否定情報を前記リクエストプロファイル記憶手段に書き込む再開否定情報書込手段とを備えた中継処理システムである。
【0021】
(作用)
第1の発明によれば、セッションIDを含まないリクエストデータに対するレスポンスデータの次のリクエストデータから通信を再開する構成により、セッションIDを用いた状態管理をされていない画面から通信を再開するようにしたので、ユーザの意図しない切断が生じた場合でも端末から情報を登録せずに、処理を再開できる。
【0022】
第2の発明によれば、リクエストデータに対してその付随情報によらずに得られるレスポンスデータの次のリクエストデータから通信を再開する構成により、付随情報を用いた書換え処理をされていない画面から通信を再開するようにしたので、ユーザの意図しない切断が生じた場合でも端末から情報を登録せずに、処理を再開できる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、ユーザの意図しない切断が生じた場合でも端末から情報を登録せずに、処理を再開できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るシームレス処理システムの構成を示す模式図である。中継処理システムとしてのシームレス処理システムにおいては、複数の端末C〜Eと、中継処理装置としてのシームレス処理装置10とがインターネットやLANなどのネットワークを介して互いに通信可能となっている。同様に、シームレス処理装置10と、複数のサービス提供装置30〜50とは、インターネットなどのネットワークを介して互いに通信可能となっている。なお、各端末C〜E及び各装置10,30〜50の各々は、ハードウェア構成、又はハードウェア資源とソフトウェアとの組合せ構成のいずれでも実施可能となっている。組合せ構成のソフトウェアとしては、予めネットワーク又は記憶媒体から対応する装置のコンピュータにインストールされ、対応する装置又は端末の機能を実現させるためのプログラムが用いられる。
【0025】
ここで、各端末C〜Eは、通常のコンピュータ機能及びWebブラウザ機能を有しており、ここでは特に、ユーザの操作により、ユーザIDを含む接続要求や、サービス識別子を含むリクエストデータ等の各々をサーバとしてのシームレス処理装置に送信する機能と、サービス識別子に対応するサービス情報を含むレスポンスデータをシームレス処理装置から受信する機能とをもっている。オンラインサービスには、HTMLにより記述されたWebコンテンツの提供や、ストリーミングコンテンツの提供などがある。
【0026】
シームレス処理装置10は、各端末C〜Eのうちのいずれかの端末から受けた接続要求を許可した場合に、当該端末とサービス提供装置30〜50のいずれかとの間でリクエストデータ及びレスポンスデータの通信を個別に中継するものであり、ユーザの意図しない切断が生じた場合でも端末から情報を登録せずに、処理を再開させる機能をもっている。
【0027】
シームレス処理装置10は、具体的には、ユーザ情報記憶部11、サービス情報記憶部12、端末管理部13、入出力最適化部14、サービス管理部15、主サービス管理部A16、副サービス管理部B17、中断再開処理部18、再開ポイント判定部19及びローカルサービス提供装置20を備えている。
【0028】
ここで、ユーザ情報記憶部11は、端末管理部13から読出/書込可能な記憶装置であり、ユーザプロファイル情報が予め記憶されるものである。ユーザプロファイル情報としては、図2に示すように、接続要求を許可する場合のユーザID及びパスワードと、端末毎に入出力を最適化する場合の端末種別とが互いに関連付けられている。
【0029】
端末種別は、端末の具体的な機能・性能・仕様(処理速度、通信帯域、解像度など)であってもよく、更に、接続要求を許可するか否かの判定に用いてもよい。また、端末種別は、端末IDや機種名でもよく、この場合、端末IDや機種名に関連付けられて、予め端末の具体的な機能・性能・仕様などの情報が例えばユーザ情報記憶部11に記憶されている構成としてもよい。
【0030】
サービス情報記憶部12は、中断再開処理部18から読出/書込可能な記憶装置であり、図3及び図4に示すようなサービスプロファイル情報及びリクエストプロファイル情報が記憶されるものである。なお、サービスプロファイル情報はユーザIDによってユーザプロファイル情報に関連付けられており、リクエストプロファイル情報はサービス(エントリ)IDによってサービスプロファイル情報に関連付けられている。
【0031】
サービスプロファイル情報は、端末C〜Eがアクセスしているサービスの中断・再開に関する情報であり、許可された接続要求内のユーザID及びサービス(エントリ)ID毎に、再開ポイント、中断位置、サービス名及び更新日時が互いに関連付けられている。
【0032】
サービスIDは、エントリ毎にサービスを識別するための識別子であって、サービスに新たなエントリ(別ユーザによるアクセス)が追加される際に、0から始まる連番などの任意の数字が割り当てられる。すなわち、サービスIDは、許可された接続要求に対応して割り当てられる。これに限らず、サービスIDは、サービス識別子(例えばURL)‖エントリ追加日時、などの方法で生成してもよい。‖は連接を表す。ここで、サービス識別子は、エントリ毎のサービスIDとは無関係に、サービスを識別するための識別子であり、例えばURLが用いられる。
【0033】
再開ポイントは、後述するリクエストプロファイル情報中、再開可能な場合の再開可否フラグに関連付けられたシーケンス番号である。
中断位置は、リクエストプロファイル情報中、中断したときのシーケンス番号であり、すなわち、リクエストプロファイル情報の最終のシーケンス番号である。
【0034】
サービス名は、サービスプロファイル情報内のエントリをユーザが識別可能とするために付ける。サービス名は、ユーザの入力によって命名してもよく、コンテンツから自動的に取得した文字列を設定してもよい。コンテンツから自動的に取得できるサービス名としては、例えばHTMLコンテンツの<title></title>タグによって識別できる文字列などがある。
【0035】
一方、リクエストプロファイル情報は、端末C〜Eのいずれかと、サービス提供装置30〜50のいずれかとの間でシームレス処理装置10により中継されたリクエストデータ及びレスポンスデータに関する情報である。リクエストプロファイル情報は、具体的には、サービス(エントリ)ID及びシーケンス番号毎に、通信分類、リクエストデータ(又はレスポンスデータ)、中断データ、リクエスト名及び再開可否フラグの情報が互いに関連付けられている。
【0036】
サービスIDは、前述したサービスプロファイル情報に割り当てられたサービスIDである。
リクエストデータ(又はレスポンスデータ)としては、主サービス管理部A16と、サービス提供装置30〜50のいずれかとの間で中継されたリクエストデータ(又はレスポンスデータ)自体が保存される。
【0037】
中断データは、アクセスしてきたいずれかの端末C〜Eに、本来保持されているデータである。中断データとしては、具体的には、例えばサービス提供装置30〜50の提供するHTMLコンテンツに付随していたクッキー情報(Cookie)や、ストリーミング動画コンテンツを視聴していた場合の再生済み時間などが保存される。
【0038】
リクエスト名としては、中断したサービスをユーザが再開する際に、中断された状況をユーザに明示するための名前情報が保存される。リクエスト名は、具体的には、ユーザに入力された任意の文字列や、リクエストデータから自動的に抽出され設定された特徴などがある。リクエストデータの特徴を自動的に設定する方法としては、HTMLのタイトルを示す<title></title>タグ中の文字列を抽出する方法や、HTML全体をサムネイル画像で示す方法等がある。
【0039】
再開可否フラグは、通信分類“レスポンス”の場合に付けられ、再開可能な場合(オン状態)に再開可能情報として機能し、再開不可の場合(オフ状態)に再開拒否情報として機能する。通信分類“レスポンス”のレスポンスデータは、ユーザにとっては遷移して提供されるサービスの一状態である(HTML中の画像の読み込みなどは、この限りではない)。
【0040】
端末管理部13は、端末C〜Eのいずれかから接続要求を受けると、この接続要求に含まれるユーザID及びパスワードと、ユーザ情報記憶部11内のユーザプロファイル情報とを照合してユーザを認証する機能と、認証の結果、接続を許可する場合のユーザIDを主サービス管理部A16に送出すると共に、接続要求に含まれる端末種別を入出力最適化部14に送出する機能と、接続を許可する場合の端末C〜Eから受けたリクエストデータを主サービス管理部A16に送出する機能と、主サービス管理部A16から受けたレスポンスデータを入出力最適化部14により端末に適した形式に変換後、得られたレスポンスデータを接続要求元の端末C〜Eのいずれかに送信する機能とをもっている。
【0041】
入出力最適化部14は、端末管理部13から受けた端末種別に基づいて、端末管理部13から受けたレスポンスデータを端末種別に適した形式に変換後、得られたレスポンスデータを端末管理部13に送出する機能とをもっている。
【0042】
サービス管理部15は、主サービス管理部A16及び副サービス管理部B17を備えている。
主サービス管理部A16は、主に、端末管理部13とサービス提供装置30〜50との間で通信の中継や中断時の再開処理を実行するものであり、以下の機能(f16-1)〜(f16-11)を備えている。
(f16-1) 端末管理部13から受けたリクエストデータをサービス提供装置30〜50のいずれかに中継する機能。
【0043】
(f16-2) サービス提供装置30〜50のいずれかからレスポンスデータを受けると、リクエストデータとレスポンスデータの内容を検査し、セッション管理を行う場合に使われるような文字列(例えば”sessionid”)が含まれるかを調べることにより、サービスからのレスポンスデータとして得られた画面が中断可能な画面であるかを判定する機能。なお、文字列は、文字のみに限らず、数字や記号等が混在していてもよいことは言うまでもない。
【0044】
(f16-3) リクエストデータ及びレスポンスデータとを中断再開処理部18を介してサービス情報記憶部12に書き込む機能。
【0045】
(f16-4) サービス提供装置30〜50のいずれかから受けたレスポンスデータと副サービス管理部B17から受けたレスポンスデータとを再開ポイント判定部19に送出する機能。
【0046】
(f16-5) 再開ポイント判定部19から判定結果を受ける機能。
【0047】
(f16-6) セッションIDを含む(0)か否(1)かの判定結果と再開ポイント判定部19から受けた判定結果との論理積を示す判定結果に相当する再開可否フラグを中断再開処理部18を介してサービス情報記憶部12に書き込む機能。なお、論理積を示す判定結果は、前述した両判定結果が共に1(再開可能)のときに1(再開可能)となる。
【0048】
(f16-7) サービス提供装置30〜50のいずれかから受けたレスポンスデータを端末管理部13に送出する機能。
【0049】
(f16-8) 通信が中断したとき、サービス記憶部12のリクエストプロファイル情報における当該中断したときの最終のシーケンス番号をサービスプロファイル情報に書き込む機能。
【0050】
(f16-9) 中断中のサービスに関するサービス(エントリ)IDを各端末C〜Eのうちの任意の端末から受けると、当該サービス(エントリ)IDに基づいて、サービスプロファイル情報内の再開ポイントに関連付けられたシーケンス番号を検索する機能。
【0051】
(f16-10) この検索されたシーケンス番号の次のシーケンス番号に関連付けられたリクエストデータをリクエストプロファイル情報から検索する機能。
【0052】
(f16-11) この検索されたリクエストデータをサービス提供装置30に送信することにより、通信を再開する機能。
【0053】
副サービス管理部B17は、主サービス管理部A16からリクエストデータの複製を受けると、リクエストデータの複製をサービス提供装置30〜50のいずれか対応する装置に送信し、折り返し、受けたレスポンスデータを主サービス管理部A16に送出する機能をもっている。
【0054】
中断再開処理部18は、ユーザ毎にサービスの中断・再開に関する処理を実行するものであり、主サービス管理部A16の制御により、サービス情報記憶部12に対するリクエストプロファイル情報及びサービスプロファイル情報の読出/書込処理を実行する機能をもっている。
【0055】
再開ポイント判定部19は、主サービス管理部A16から受けた2通りのレスポンスデータを比較する機能と、比較の結果、両者が互いに一致したとき、再開可能を示す判定結果(1)を主サービス管理部A16に送出し、両者が互いに異なるとき、再開不可能を示す判定結果(0)を主サービス管理部A16に送出する機能とをもっている。
【0056】
ローカルサービス提供装置20は、後述するサービス提供装置30〜50と同様の構成を有するものであり、サービス管理部15から受信したリクエストデータに応じてレスポンスデータをサービス管理部15に送信する機能を有している。但し、ローカルサービス提供装置20は、サービス提供装置30〜50と異なり、シームレス処理装置10内に設けられている。なお、ローカルサービス提供装置20と、サービス提供装置群30〜50とは、いずれか一方を省略してもよい。
【0057】
サービス提供装置30〜50は、互いに同一のハードウェア構成のため、ここでは、サービス提供装置30を代表例に挙げて説明する。
【0058】
サービス提供装置30は、例えばインターネット上のウェブサイトであり、コンテンツ記憶部31及びサービス提供部32を備えている。
コンテンツ記憶部31は、サービス提供部32から読出/書込可能な記憶装置であり、サービス識別子毎に、サービス情報としてのコンテンツデータが記憶されている。ここで、サービス情報は、リクエストデータ内のサービス識別子に対応して提供される任意の提供情報であり、例えば、HTMLにより記述されたWebコンテンツデータや、ストリーミングコンテンツデータ等のコンテンツデータが用いられる。
【0059】
サービス提供部32は、サービス識別子を含むリクエストデータをシームレス処理装置10から受信すると、リクエストデータ内のサービス識別子に基づいてコンテンツ記憶部31を参照し、得られたコンテンツデータを含むレスポンスデータをシームレス処理装置10に返信するものである。
【0060】
次に、以上のように構成されたシームレス処理システムの動作を説明する。
【0061】
(ユーザの認証)
ユーザは、オンラインサービスの利用を開始するとする。このオンラインサービスは、遷移する複数のページ画面情報からなり、あるページ画面の内容が、前のページ画面の情報に依存するものとする。ページ画面の情報は、シームレス処理装置10に管理されており、一定時間が経つと破棄される、いわゆるタイムアウト処理が行われているとする。
【0062】
ユーザは、端末C〜Eのうち、例えば端末Cを用いるものとする。端末Cは、ユーザの操作により、インターネット等のネットワークを介してシームレス処理装置10へ接続する。
【0063】
シームレス処理装置10においては、端末Cから送信された接続要求を端末管理部13が受信する。端末管理部13は、接続要求に基づいて、ユーザ認証処理を開始する。
【0064】
端末管理部13は、端末Cに認証画面データを送る。
【0065】
端末Cは、認証画面データに基づいて認証画面を表示し、ユーザから入力されたユーザID及びパスワードを含む接続要求をシームレス処理装置10に送信する。このとき、端末Cは端末種別もシームレス処理装置10に伝える。
【0066】
シームレス処理装置10においては、端末管理部13が、このユーザID及びパスワードと、ユーザ情報記憶部11内のユーザプロファイル情報とを照合してユーザを認証する。また、端末管理部13は、端末種別を入出力最適化部14に伝える。
【0067】
なお、ユーザ認証処理を実現する手段としては、任意の手段を利用できる。例えば、ユーザのIDとパスワード情報をユーザデータベース装置で管理し、接続要求時に端末から入力されたユーザIDとパスワードを、ユーザデータベース装置の管理内容と照合することにより、認証を完了してもよい。また、認証は、シームレス処理の対象となる端末であるか否かの判定を含んでもよい。
【0068】
(処理の選択)
認証の完了後、端末管理部13は、認証されたユーザIDに基づいて、中断されているサービスの有無を主サービス管理部A16に問い合わせる。
【0069】
主サービス管理部A16は、このユーザIDに基づいて、中断されているサービスの有無を中断再開処理部18に問い合わせる。
【0070】
中断再開処理部18は、このユーザIDに基づいて、サービス情報記憶部12内のサービスプロファイル情報に同一のユーザIDがあるか否かを検索し、もしあれば、ユーザID及びそのユーザIDに関連付けられたサービスID、サービス名及び更新日時を主サービス管理部A16へ返す。
【0071】
主サービス管理部A16は、ユーザID及び中断サービスのサービスID、サービス名及び更新日時を端末管理部13へ返す。
【0072】
端末管理部13は、中断サービスのサービスID、サービス名及び更新日時を一覧表示し、個別に選択するための一覧画面データ及びクッキー情報(ユーザIDを含む)を端末Cに送信する。端末Cは、この一覧画面データにより、中断サービスのサービスID、サービス名及び更新日時を一覧表示する。
【0073】
これにより、ユーザは、端末Cを利用して、新しいサービスの利用を開始するか、中断サービスの利用を再開するかを選択することができる。
【0074】
(サービスの利用開始)
端末Cは、ユーザの操作により、新しいサービスの利用を開始する場合、新しいサービスを示すサービス識別子と、クッキー情報(ユーザID)とを含むサービス利用開始要求をシームレス処理装置10に送信する。サービス利用開始要求は、例えばウェブサイトに対するHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストデータである。
【0075】
シームレス処理装置10においては、端末管理部13が、受信したサービス利用開始要求を主サービス管理部A16に送出する。
【0076】
(サービスプロファイル情報への登録)
主サービス管理部A16は、サービス利用開始要求を中断再開処理部18に伝える。
【0077】
中断再開処理部18は、サービス利用開始要求に基づいてサービス(エントリ)IDを割り当てて、ユーザID及びサービスID毎のサービスプロファイル情報をサービス情報記憶部12に登録する。サービスプロファイル情報には、ユーザID、サービス(エントリ)ID、再開ポイント、中断位置、サービス名、更新日時の情報が含まれる。
【0078】
以後、主サービス管理部A16がサービス提供装置30からコンテンツデータの新しい状態(ページ)を含むリクエストデータを取得した場合には、中断再開処理部18を介してサービスプロファイル情報の状態と更新日時が更新される。更新される状態としては、少なくとも最終シーケンス番号を示す中断位置があり、再開可能な場合には再開ポイントもある。サービスIDは、このサービスプロファイル情報に付随するリクエストプロファイル情報を特定するために用いられる。
【0079】
(コンテンツの取得)
主サービス管理部A16は、端末Cから受けた利用開始要求に基づいて、端末Cに代わって、ネットワークを介してサービス提供装置30にアクセスし、そのサービスが提供するコンテンツデータを取得する。ローカルサービス提供装置20へのアクセスの場合にはネットワークを介さないアクセスとなる。
【0080】
サービスの提供するコンテンツが、複数の画面遷移を持つものであったり、時間的に連続変化する内容を継続的に送り続けるいわゆるストリーミングサービスであったりするような場合は、その最初の表示内容を取得する。
【0081】
(リクエストプロファイル情報への登録)
主サービス管理部A16は、コンテンツを取得する際にサービス提供装置30に送信したリクエストデータを中断再開処理部18に送る。
【0082】
中断再開処理部18は、このリクエストデータを、サービス情報記憶部12中のリクエストプロファイル情報に記録する。コンテンツの取得に成功した場合は、レスポンスデータも同様にして登録される。
【0083】
リクエストプロファイル情報には、サービスID及びシーケンス番号毎に、通信分類、リクエストデータ、中断データ、再開可否フラグの情報が記録される。リクエストプロファイル情報への記録は、主サービス管理部A16とサービス提供装置30との間の通信毎に発生する。
【0084】
(再開ポイントの設定)
主サービス管理部A16は、受信したコンテンツが、本システムで中断・再開可能な状態かを判定し、中断・再開可能と判定された場合には、中断再開処理部18を介してリクエストプロファイル情報中の再開可否フラグをオン状態にする。
【0085】
しかる後、中断再開処理部18は、オン状態にした再開可否フラグに関連付けられたシーケンス番号をサービスプロファイル情報の再開ポイントに追加設定する。
【0086】
(再開ポイント設定の具体例)
以下に、再開ポイントの自動設定方法の具体例を図5を用いて説明する。この例では、サービス提供装置30が提供するサービス情報S(例、コンテンツデータ)には状態S1と状態S2の二つの状態があるとする。このとき、端末Cが最初にアクセスした時の状態がS1であり、端末Cからの特定のリクエストデータにより状態S2へと遷移するものとする。このリクエストデータには、例えば端末Cのユーザが、ウェブサイト上でボタンやハイパーリンクをクリックした際に発生するリクエストデータなどがある。状態S2とは、例えば遷移前の状態S1をWebページとすると、状態S1中のハイパーリンクをクリックして遷移した場合の、遷移先のWebページが該当する。
【0087】
なお、以下の説明では、記載の簡潔性の観点から、リクエストデータReq…をリクエストReq…と表記し、レスポンスデータRes…をレスポンスRes…と表記する。同様に、記載の簡潔性の観点から、端末Cと、サービス管理部15〜17との間の通信には端末管理部13が介在しているが、端末管理部13の記載を省略する。
【0088】
(ST1)始めに端末Cは、ユーザの操作により、サービス提供装置30の運営するサービスサイトからサービス情報Sの内容を取得するためのリクエストReqC1をシームレス処理装置10に送信する。
【0089】
(ST2)シームレス処理装置10においては、受信したリクエストReqC1をサービス提供装置30に中継する。このとき、主サービス管理部A16は、受信したリクエストReqC1をリクエストReqA1に変換し、変換後のリクエストReqA1をサービス提供装置30に送信する。なお、Reqの次の文字C,Aは、それぞれReqの送信元アドレスが端末C,主サービス管理部A16である旨を表す。ReqC,ReqAの次の文字1は、1回目の送受信を表す。
【0090】
(ST3)サービス提供装置30においては、このリクエストReqA1に基づいて、サービス管理部32がサービス記憶部31を検索し、対応するサービス情報Sの初期状態S1の内容を得る。しかる後、サービス管理部32は、この初期状態S1の内容を含むレスポンスResA1(S1)をシームレス処理装置10に返信する。
【0091】
(ST4)シームレス処理装置10においては、受信したレスポンスResC1(S1)を端末Cに中継する。このとき、主サービス管理部A16は、受信したレスポンスResA1(S1)をレスポンスResC1(S1)に変換し、変換後のレスポンスResC1(S1)を端末Cに返信する。端末Cは、リクエストResC1(S1)に含まれるS1の内容を表示する。
【0092】
(ST5)端末Cは、ユーザの操作により、S1中のハイパーリンクがクリックされると、リクエストReqC2を生じてシームレス処理装置10に送信する。
【0093】
(ST6)シームレス処理装置10においては、リクエストReqC2を受けると、ステップST2と同様に、主サービス管理部A16からサービス提供装置30へとリクエストReqA2を送信する。
【0094】
(ST7)サービス提供装置30においては、このリクエストReqA2に基づいて、サービス管理部32がサービス記憶部31を検索し、対応するサービス情報Sの遷移後の状態S2の内容を得る。すなわち、リクエストがReqA1からReqA2になったことにより、サービス情報Sの状態S1から状態S2へと遷移している。
【0095】
(ST8)しかる後、サービス管理部32は、この遷移後の状態S2の内容を含むレスポンスResA2(S2)をシームレス処理装置10に返信する。
【0096】
(ST9)主サービス管理部A16は、リクエストReqA2の内容を検討する。具体的には、リクエストReqA2のURLやHIDDENタグ、ReqA2に付随して送られたCookie等の情報の中に「sessionid」という文字列が含まれていないかをチェックする。もし含まれていれば、リクエストReqA2を用いて取得されたレスポンスResA2が含む遷移後の状態S2は、タイムアウトする可能性のあるセッションが張られている状態であるとして、再開不可能ポイントとする。
【0097】
(ST10)主サービス管理部A16は、副サービス管理部B17に対し、リクエストReqA2の複製を送付する。この際、サービス提供装置30が主サービス管理部A16に設定したCookie等、付随情報を複製に含めない。すなわち、副サービス管理部B17からのリクエストデータは、サービス提供装置30から見ると、主サービス管理部A16からのリクエストデータと同等ながら、サービス提供装置30により主サービス管理部A16に設定されたクッキー情報等の付随情報が無い点が異なる。
【0098】
(ST11)副サービス管理部B17は、リクエストReqA2の複製であるリクエストReqB1をサービス提供装置30に送信する。リクエストReqB1の内容は、リクエストReqA2と同等となっている。
【0099】
(ST12)サービス提供装置30は、リクエストReqB1に対し、レスポンスResB1を返す。このリクエストReqB1は、S2を含むResA2(S2)を得たリクエストReqA2から、付随情報を削除した内容である。このため、付随情報の影響が無ければ、レスポンスResB1は、S2の内容を含むResB1(S2)となる。付随情報の影響があれば、レスポンスResB1は、別の内容xxを含むResB1(xx)となる。
【0100】
(ST13)副サービス管理部B17は、受信したレスポンスResB1の複製ResA3を主サービス管理部A16に送出する。
【0101】
(ST14)主サービス管理部A16は、これら2通りのレスポンスResA2,ResA3を再開ポイント判定部19に送出する。
【0102】
(ST15)再開ポイント判定部19は、2通りのレスポンスResA2,ResA3の内容を互いに比較する。レスポンスResA2,ResA3の内容が互いに一致した場合は再開ポイントとする。一致しない場合は再開不可能ポイントとする。
【0103】
レスポンスResA2,ResA3の内容が互いに異なるケースとしては、シームレス処理装置10の処理によってコンテンツの内容(ここではS1やS2)が書き換えられている場合がある。コンテンツが書き換えられる理由としては、それぞれのサービス管理部15がサービス提供装置30に送信したクッキー情報の内容やユーザエージェント、アクセス時刻情報等に基づいて、サービス提供装置30側でコンテンツの内容を書き換える処理が行われていた場合などがある。
【0104】
以上のように、ステップST9とステップST15により、再開の可否を判定している。最初に対象となる画面を再開ポイントに設定できる画面とし、その画面からステップST9及びST15の判定によって再開不可能ポイントである可能性がある画面をふるい落としている。
【0105】
なお、ステップST9とステップST15とを比較すると、ステップST9は、判定に漏れがあるものの、比較的容易に実行可能な利点をもつ。一方、ステップST15は、比較的手間がかかるが、判定に漏れが無い利点をもつ。すなわち、本実施形態では、ステップST9により粗く判定し、次にステップST15により高精度に判定している。
【0106】
但し、これに限らず、ステップST9及びST15は、用途に要求される利点に応じて、いずれかを省略することもできる。また、ステップST9,ST15以外のアルゴリズムによって、再開の可否を判定するように変形してもよい。
【0107】
(入出力の最適化)
主サービス管理部A16は、コンテンツデータを含むレスポンスデータをサービス提供装置30から受信すると、このレスポンスデータを端末管理部13に送出する。
【0108】
端末管理部13は、レスポンスデータと端末種別とを入出力最適化部14に送出する。
【0109】
入出力最適化部14は、端末種別に基づいて、コンテンツデータを端末での表示に適した形式に変換する出力最適化を行う。また、入力インターフェースとしてキーボードを備えた端末を想定してコンテンツ内に用意されたテキストボックス付近に、キーボードを備えない端末で文字を容易に入力するためのソフトウェアキーボードを挿入する等の、入力最適化を行うこともできる。
【0110】
なお、入出力最適化部14は、様々な実現方法が考えられる。例えば、トランスコーディングミドルウェアなどの製品分類で製品化されている製品を利用することができる。
【0111】
(コンテンツの表示)
端末管理部13は、入出力最適化部14から送出された最適化済みコンテンツデータを含むレスポンスデータを端末Cに返信する。
【0112】
端末Cは、レスポンスデータ内のコンテンツデータを出力装置(図示せず)に展開する。ユーザは、端末Cの出力装置から出力されたコンテンツを視聴する。出力装置としては、例えばテレビ画面等の表示装置や、アンプ・スピーカー等の音声再生装置などがある。
【0113】
(サービスの中断)
端末Cは、ユーザの操作により、リクエストデータとして、利用中断要求をシームレス処理装置10に送信する。利用中断要求は、例えば、HTMLコンテンツを表示中のWebブラウザを閉じる操作や、ストリーミングコンテンツを再生中のプレーヤの再生停止ボタンを押す操作によって、発生するリクエストデータである。
【0114】
シームレス処理装置10においては、端末管理部13が、この利用中断要求を主サービス管理部A16に送出する。
【0115】
他に、利用中断要求の方法としては、例えば、利用中断用のボタン等を含んだ別ウィンドウの表示データを入出力最適化部14から端末Cに送信し、ユーザがこの別ウィンドウ内のボタン等を操作することにより、利用中断要求をシームレス処理装置10に送信する方式としてもよい。
【0116】
いずれにしても、主サービス管理部A16は、サービスの中断を検出すると、サービスの中断処理を行う。サービスの中断処理としては、例えばストリーミングサービスの停止処理などが考えられる。単純なHTMLのページではサービス側に対する中断処理は不要である。なお、サービスの中断を検出する場合には、利用中断要求を受けた場合に限らず、タイムアウトや回線の切断等を検出した場合もある。
【0117】
(中断データの記録)
主サービス管理部A16は、サービスの中断を検出したとき、中断したサービスの実行状態を示す中断データを、中断再開処理部18に送出する。サービスの実行状態に関する情報には、例えばストリーミングサービスにおけるコンテンツ再生済み時間などが挙げられる。
【0118】
中断再開処理部18は、送出された中断データをサービス情報記憶部12内のリクエストプロファイル情報に記録する。また、中断再開処理部18は、サービスプロファイル情報の中断位置に、リクエストプロファイル情報の最終シーケンス番号を記録する。しかる後、中断再開処理部18は、サービスプロファイル情報の更新日時を更新する。
【0119】
(中断処理完了の通知)
中断再開処理部18は、中断データ、中断位置及び更新日時の記録を含む中断処理が完了したことを示す中断処理完了通知を主サービス管理部A16に送出する。
【0120】
主サービス管理部A16は、中断処理完了通知を端末管理部13に送出する。端末管理部13は、必要により入出力最適化部14を用い、中断処理完了通知を端末Cに適した形式に変換し、変換後の中断処理完了通知を端末Cに送信する。
【0121】
(利用の終了)
端末Cは、ユーザの操作により、シームレス処理装置10の利用終了要求をシームレス処理装置10に送信する。
【0122】
シームレス処理装置10においては、利用終了要求に基づいて、端末管理部13が端末Cとの接続を切断する。これにより、シームレス処理装置10の利用が終了する。
【0123】
但し、端末Cから正常な終了要求が行われず、端末の電源が切られる等の理由により、接続が一方的に切断される場合もある。この場合、シームレス処理装置10は、必要に応じてタイムアウトの処理を行い、サービスプロファイル情報の中断位置に、リクエストプロファイル情報中の最終のシーケンス番号を記録してもよい。
【0124】
(再開処理)
その後、ユーザがサービス利用を再開したくなった場合には、以下に示す流れでサービス利用の再開処理を行う。
【0125】
(中断サービスの選択)
端末Cが端末管理部13に接続する。ここは前述同様である。
【0126】
ユーザ認証が行われ、端末管理部13がユーザを特定すると、前述した選択の処理により、端末Cに中断サービスの一覧画面データが送信される。
【0127】
ユーザはサービス名と更新日時から、過去に自らが中断したサービスを認識し、再開したいサービスを選択する。
【0128】
(中断サービスのプロファイル情報の読出)
始めに、前述した(認証)及び(処理の選択)の動作は、前述した通りに実行される。これにより、端末Cは、中断サービスの一覧画面データに基づいて、中断サービスのサービスID、サービス名及び更新日時を一覧表示する。
【0129】
続いて、端末Cでは、ユーザの操作により、ある中断サービスが選択されたとする。
【0130】
端末Cは、選択したサービスのサービスIDと、クッキー情報(ユーザID)とを含む再開要求をシームレス処理装置10に送信する。
【0131】
シームレス処理装置10においては、再開要求内のサービスIDが端末管理部13及び主サービス管理部A16を介して中断再開処理部18と伝えられる。
【0132】
中断再開処理部18は、該当するサービスIDのサービスプロファイル情報とリクエストプロファイル情報を読み出し、主サービス管理部A16へ返す。
【0133】
(リクエストプロファイル情報の内容)
本実施形態においては、再開ポイントに記録されたシーケンス番号のうち、任意のシーケンス番号の状態を再開できる。但し、ここでは標準の再開位置として、サービスプロファイル情報の中断位置であるシーケンス番号8の状態を再開する場合を述べる。
【0134】
リクエストプロファイル情報においては、図4に示すように、サービスID=41のシーケンス番号は1から8までがある。ここで、再開可能なオン状態を示す再開可否フラグに関連付けられたシーケンス番号は2と6である。再開可能な状態のシーケンス番号が2,6であることは、図3に示すサービスプロファイル情報において、サービスID=41の再開ポイントが2,6であることからも確認できる。
【0135】
ここで、再開したいシーケンス番号8の状態は、再開できない状態である。再開したいシーケンス番号8の状態以前で、最も近い再開可能な状態のシーケンス番号は6である。
【0136】
(リクエストプロファイル情報による再開)
次に、主サービス管理部A16は、中断再開処理部18により、このシーケンス番号6の次のシーケンス番号7のリクエストプロファイル情報をサービス情報記憶部12から読み出し、得られたリクエストデータをサービス提供装置30に送信する。なお、シーケンス番号7に関連付けられたリクエストデータは、中断前にシーケンス番号8に関連付けられたレスポンスデータを取得した際に送出したものである。
【0137】
サービス提供装置30は、このリクエストデータに応じて、レスポンスデータをシームレス処理装置10に送信する。
【0138】
なお、シーケンス番号7に関連付けられたリクエストデータは、中断前にシーケンス番号8に関連付けられたレスポンスデータを取得する直前に送出したものである。従って、サービス提供装置30が送信するレスポンスデータは、シーケンス番号8に関連付けられたレスポンスデータと同じものとなる。
【0139】
シーケンス番号8は中断不可能と判定された状態であるが、中断不可能と判定された理由には、例えばアクセス時刻に基づいて、シームレス処理装置10サイドで情報が動的に書き換えられていた場合などが考えられる。こういった場合には、主サービス管理部A16が再開処理を行った時点でのコンテンツデータが正しく得られる。
【0140】
いずれにしても、主サービス管理部A16は、得られたレスポンスデータを、端末管理部13を通して端末Cに送信する。
端末Cでは、中断時のシーケンス番号8の状態が再現される。
【0141】
上述したように本実施形態によれば、ステップST9の処理に基づき、セッションIDを含まないリクエストデータ(ReqA2)に対するレスポンスデータ(ResA2(S2):再開ポイント6)の次のリクエストデータ(再開ポイント7)から通信を再開する構成により、セッションIDを用いた状態管理をされていない画面から通信を再開するようにしたので、ユーザの意図しない切断が生じた場合でも端末から情報を登録せずに、処理を再開することができる。
【0142】
補足すると、連続して遷移する複数の画面からなるサービスの中で、前の画面の情報に依存しない画面を発見し、その画面を再開ポイントとして設定し、そこからの(ステップ実行)ロールフォワードを行うことで、中断・再開をより確実に行う。つまり、セッションIDなどを用いた状態管理をされていない画面を発見してその状態及びそこからのユーザの操作を逐次記録することで、状態管理が行われているサービスに対しても、中断・再開を可能とする。
【0143】
また、再開ポイントを自動的に記録することにより、不意の回線切断や端末トラブルの際にも、切断前の状態に復帰し、作業を継続することができる。これにより、同様に、タイムアウトするサイトにより、タイムアウトした場合でも、中断・再開を実行できる。
【0144】
また、ステップST15の処理に基づき、リクエストデータ(ReqA2)に対してその付随情報によらずに得られるレスポンスデータ(ResA2(S2):再開ポイント6)の次のリクエストデータ(再開ポイント7)から通信を再開する構成により、付随情報を用いた書換え処理をされていない画面から通信を再開するようにしたので、ユーザの意図しない切断が生じた場合でも端末から情報を登録せずに、処理を再開できる。
【0145】
また、接続要求や再開要求には、端末ID等による端末の制限が無いため、異なる端末を跨ってシームレスなサービス処理の継続を実現することができる。すなわち、端末を跨ってコンピューティング環境を利用する場合にも、シームレスに作業を継続できるようになる。また、ユーザIDに応じて中断・再開を実行するので、複数人が複数作業を同一の端末群から中断・再開することができる。
【0146】
また、シームレス処理装置10が中断・再開機能をもつので、端末側(クライアント側)及びサービス提供装置側(サービス提供サイト側)の双方に、特別の機能を設けずに、サービスの中断・再開を実行できる。
【0147】
また、複数の端末を跨って中断・再開を行う場合、中断前後の端末の仕様が異なる可能性がある。しかしながら、入出力最適化部14が端末種別に基づいてレスポンスデータを最適に変換するので、異なる仕様の端末間でも円滑に中断・再開を実行することができる。
【0148】
なお、上記実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【0149】
また、この記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であっても良い。
【0150】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が上記実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
【0151】
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0152】
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から上記実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であっても良い。
【0153】
尚、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、上記実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
【0154】
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0155】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】本発明の一実施形態に係るシームレス処理システムの構成を示す模式図である。
【図2】同実施形態におけるユーザプロファイル情報の構成を示す模式図である。
【図3】同実施形態におけるサービスプロファイル情報の構成を示す模式図である。
【図4】同実施形態におけるリクエストプロファイル情報の構成を示す模式図である。
【図5】同実施形態における再開ポイントの自動設定方法の具体例を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0157】
C〜E…端末、10…シームレス処理装置、11…ユーザ情報記憶部、12…サービス情報記憶部、13…端末管理部、14…入出力最適化部、15…サービス管理部、16…主サービス管理部A、17…副サービス管理部B、18…中断再開処理部、19…再開ポイント判定部、20…ローカルサービス提供装置、30〜50サービス提供装置、31,41,51…コンテンツ記憶部、32,42,52…サービス提供部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス識別子を含むリクエストデータを受信すると、前記サービス識別子に対応するサービス情報を含むレスポンスデータを返信するサービス提供装置と、
ユーザIDを含む接続要求、サービス識別子を含むリクエストデータをそれぞれ送信可能であり、前記サービス識別子に対応するサービス情報を含むレスポンスデータを受信可能な複数の端末と、
前記各端末のうちのいずれかの端末から受けた接続要求を許可した場合に、当該端末と前記サービス提供装置との間でリクエストデータ及びレスポンスデータの通信を個別に中継可能な中継処理装置とを備えた中継処理システムであって、
前記中継処理装置は、
前記接続要求を許可する場合のユーザIDが予め記憶されるユーザプロファイル記憶手段と、
前記許可された接続要求に対応して割り当てられるサービスエントリID及び前記通信のシーケンス番号毎に、中継したリクエストデータ又はレスポンスデータとが互いに関連付けて記憶され、且つ前記レスポンスデータが記憶される場合には更に、再開可能情報又は再開否定情報が関連付けて記憶されるリクエストプロファイル記憶手段と、
前記許可された接続要求内のユーザID及び前記サービスエントリID毎に、前記再開可能情報に関連付けられたシーケンス番号と、中断したときの最終のシーケンス番号とが互いに関連付けて記憶されるサービスプロファイル記憶手段と、
前記端末から受けたリクエストデータがセッションIDを含むか否かを判定するセッションID判定手段と、
前記判定の結果、セッションIDを含む場合には、前記再開否定情報を前記リクエストプロファイル記憶手段に書き込む再開否定情報書込手段と、
前記判定の結果、否の場合には、前記再開可能情報を前記リクエストプロファイル記憶手段に書き込む再開可能情報書込手段と、
前記通信が中断したとき、前記リクエストプロファイル記憶手段における当該中断したときの最終のシーケンス番号を前記サービスプロファイル記憶手段に書き込む手段と、
中断中のサービスに関するサービスエントリIDを前記各端末のうちの任意の端末から受けると、当該サービスエントリIDに基づいて、前記サービスプロファイル記憶手段内の前記再開可能情報に関連付けられたシーケンス番号を検索する手段と、
この検索されたシーケンス番号の次のシーケンス番号に関連付けられたリクエストデータを前記リクエストプロファイル記憶手段から検索する手段と、
この検索されたリクエストデータを前記サービス提供装置に送信することにより、前記通信を再開する手段と、
を備えたことを特徴とする中継処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の中継処理システムにおいて、
前記中継処理装置は、
前記セッションID判定手段及び前記再開否定情報書込手段に代えて、
前記端末から受けたリクエストデータを中継して前記サービス提供装置に送信し、折り返し、レスポンスデータを受信する第1の中継手段と、
前記第1の中継手段により中継されたリクエストデータが前記端末を識別するための付随情報を含むとき、前記付随情報を当該リクエストデータから除去する手段と、
前記除去された後のリクエストデータを中継して前記サービス提供装置に送信し、折り返し、レスポンスデータを受信する第2の中継手段と、
前記第1及び第2の中継手段により受信された2つのレスポンスデータが互いに異なるか否かを判定するレスポンスデータ判定手段と、
前記判定の結果、2つのレスポンスデータが互いに異なる場合には、前記再開否定情報を前記リクエストプロファイル記憶手段に書き込む再開否定情報書込手段と、
を備えたことを特徴とする中継処理システム。
【請求項3】
サービス識別子を含むリクエストデータを受信すると、前記サービス識別子に対応するサービス情報を含むレスポンスデータを返信するサービス提供装置と、
ユーザIDを含む接続要求、サービス識別子を含むリクエストデータをそれぞれ送信可能であり、且つ前記サービス識別子に対応するサービス情報を含むレスポンスデータを受信可能な複数の端末と、
前記各端末のうちのいずれかの端末から受けた接続要求を許可した場合に、当該端末と前記サービス提供装置との間でリクエストデータ及びレスポンスデータの通信を個別に中継可能な中継処理装置とを備えた中継処理システムに用いられる前記中継処理装置であって、
前記接続要求を許可する場合のユーザIDが予め記憶されるユーザプロファイル記憶手段と、
前記許可された接続要求に対応して割り当てられるサービスエントリID及び前記通信のシーケンス番号毎に、中継したリクエストデータ又はレスポンスデータとが互いに関連付けて記憶され、且つ前記レスポンスデータが記憶される場合には更に、再開可能情報又は再開否定情報が関連付けて記憶されるリクエストプロファイル記憶手段と、
前記許可された接続要求内のユーザID及び前記サービスエントリID毎に、前記再開可能情報に関連付けられたシーケンス番号と、中断したときの最終のシーケンス番号とが互いに関連付けて記憶されるサービスプロファイル記憶手段と、
前記端末から受けたリクエストデータがセッションIDを含むか否かを判定するセッションID判定手段と、
前記判定の結果、セッションIDを含む場合には、前記再開否定情報を前記リクエストプロファイル記憶手段に書き込む再開否定情報書込手段と、
前記判定の結果、否の場合には、前記再開可能情報を前記リクエストプロファイル記憶手段に書き込む再開可能情報書込手段と、
前記通信が中断したとき、前記リクエストプロファイル記憶手段における当該中断したときの最終のシーケンス番号を前記サービスプロファイル記憶手段に書き込む手段と、
中断中のサービスに関するサービスエントリIDを前記各端末のうちの任意の端末から受けると、当該サービスエントリIDに基づいて、前記サービスプロファイル記憶手段内の前記再開可能情報に関連付けられたシーケンス番号を検索する手段と、
この検索されたシーケンス番号の次のシーケンス番号に関連付けられたリクエストデータを前記リクエストプロファイル記憶手段から検索する手段と、
この検索されたリクエストデータを前記サービス提供装置に送信することにより、前記通信を再開する手段と、
を備えたことを特徴とする中継処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の中継処理装置において、
前記セッションID判定手段及び前記再開否定情報書込手段に代えて、
前記端末から受けたリクエストデータを中継して前記サービス提供装置に送信し、折り返し、レスポンスデータを受信する第1の中継手段と、
前記第1の中継手段により中継されたリクエストデータが前記端末を識別するための付随情報を含むとき、前記付随情報を当該リクエストデータから除去する手段と、
前記除去された後のリクエストデータを中継して前記サービス提供装置に送信し、折り返し、レスポンスデータを受信する第2の中継手段と、
前記第1及び第2の中継手段により受信された2つのレスポンスデータが互いに異なるか否かを判定するレスポンスデータ判定手段と、
前記判定の結果、2つのレスポンスデータが互いに異なる場合には、前記再開否定情報を前記リクエストプロファイル記憶手段に書き込む再開否定情報書込手段と、
を備えたことを特徴とする中継処理装置。
【請求項5】
サービス識別子を含むリクエストデータを受信すると、前記サービス識別子に対応するサービス情報を含むレスポンスデータを返信するサービス提供装置と、
ユーザIDを含む接続要求、サービス識別子を含むリクエストデータをそれぞれ送信可能であり、且つ前記サービス識別子に対応するサービス情報を含むレスポンスデータを受信可能な複数の端末と、
前記各端末のうちのいずれかの端末から受けた接続要求を許可した場合に、当該端末と前記サービス提供装置との間でリクエストデータ及びレスポンスデータの通信を個別に中継可能な中継処理装置とを備えた中継処理システムにおける前記中継処理装置に用いられるプログラムであって、
前記中継処理装置のコンピュータを、
前記接続要求を許可する場合のユーザIDが予め記憶されるユーザプロファイル記憶手段、
前記許可された接続要求に対応して割り当てられるサービスエントリID及び前記通信のシーケンス番号毎に、中継したリクエストデータ又はレスポンスデータとが互いに関連付けて記憶され、且つ前記レスポンスデータが記憶される場合には更に、再開可能情報又は再開否定情報が関連付けて記憶されるリクエストプロファイル記憶手段、
前記許可された接続要求内のユーザID及び前記サービスエントリID毎に、前記再開可能情報に関連付けられたシーケンス番号と、中断したときの最終のシーケンス番号とが互いに関連付けて記憶されるサービスプロファイル記憶手段、
前記端末から受けたリクエストデータがセッションIDを含むか否かを判定するセッションID判定手段、
前記判定の結果、セッションIDを含む場合には、前記再開否定情報を前記リクエストプロファイル記憶手段に書き込む再開否定情報書込手段、
前記判定の結果、否の場合には、前記再開可能情報を前記リクエストプロファイル記憶手段に書き込む再開可能情報書込手段、
前記通信が中断したとき、前記リクエストプロファイル記憶手段における当該中断したときの最終のシーケンス番号を前記サービスプロファイル記憶手段に書き込む手段、
中断中のサービスに関するサービスエントリIDを前記各端末のうちの任意の端末から受けると、当該サービスエントリIDに基づいて、前記サービスプロファイル記憶手段内の前記再開可能情報に関連付けられたシーケンス番号を検索する手段、
この検索されたシーケンス番号の次のシーケンス番号に関連付けられたリクエストデータを前記リクエストプロファイル記憶手段から検索する手段、
この検索されたリクエストデータを前記サービス提供装置に送信することにより、前記通信を再開する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムにおいて、
前記セッションID判定手段は、
前記端末から受けたリクエストデータがURL情報、HIDDENタグ情報及びクッキー情報を含むとき、前記URL情報、前記HIDDENタグ情報及び前記クッキー情報に対し、それぞれセッションIDを含むか否かを判定することを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載のプログラムにおいて、
前記中継処理装置のコンピュータを、
前記セッションID判定手段及び前記再開否定情報書込手段に代えて、
前記端末から受けたリクエストデータを中継して前記サービス提供装置に送信し、折り返し、レスポンスデータを受信する第1の中継手段、
前記第1の中継手段により中継されたリクエストデータが前記端末を識別するための付随情報を含むとき、前記付随情報を当該リクエストデータから除去する手段、
前記除去された後のリクエストデータを中継して前記サービス提供装置に送信し、折り返し、レスポンスデータを受信する第2の中継手段、
前記第1及び第2の中継手段により受信された2つのレスポンスデータが互いに異なるか否かを判定するレスポンスデータ判定手段、
前記判定の結果、2つのレスポンスデータが互いに異なる場合には、前記再開否定情報を前記リクエストプロファイル記憶手段に書き込む再開否定情報書込手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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