説明

主キー振替え・採番装置用データ作成支援システム

【課題】メニュー画面及びメンテナンス画面を通じて主キー振替え・採番に係るデータ作成を支援して作成負荷を減らすと共にシステムで安定的に利用可能な主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムを提供する。
【解決手段】手順1で新,旧データの全項目比較を行う。手順2は変更のある適用情報について新旧データの登録番号を比較する(手順2)。手順3は適用情報が新規/失効でなく変更に分類された新旧データに対し指定項目を比較し、各項目がすべて同じ新旧データは同一であると仮定して手順4に進み、上記項目で異なる意味をもつ項目が存在した場合、その適用情報を新規/失効と仮定して手順5に進む。手順4は上記で同一の適用情報と仮定された新旧データのうち新旧データが1:1となり同一と判定されたら全項目比較し異なる項目を変更出力し、またそれ以外の場合は、手順5に進む。手順5はメンテンナンス画面で新旧適用データが同一か否かを担当者が判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立行政法人農林水産消費安全技術センターから提供される適用情報に対してシステムで安定的に利用できるようにするための主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
JAグループ(全国農業協同組合連合会等)においては、営農指導員によりJA傘下組合員の農業生産や農業経営などについて技術指導を行っている。営農指導員の主な業務は、農業技術巡回指導で農薬情報や病害虫情報を参照しながら営農指導を行うことである。
【0003】
日本国内で使用される全ての農薬は、国の行政機関である農林水産省が登録番号を付与して一元的に管理している。農薬の管理期限は、3年間と義務付けされており、そして農薬は、使用対象の作物や病害虫、雑草に変更があったり、残留基準値の設定で使用方法がしばしば変更され、変更の都度、例えばウェブサイトを使って、独立行政法人農林水産消費安全技術センターが農薬登録情報を提供している。営農指導員は、農林水産省で管理されている農薬情報を、ウェブサイトを常時閲覧し、正確に把握しておく必要がある。
【0004】
また農林水産省で管理されている農薬情報はウェブサイトで提供するサービスにも利用されている。たとえば全国農業協同組合連合会は「アピネス」という名称で農薬情報に関するサービスを提供している。アピネスには、パソコン(パーソナルコンピュータ)向けのサイトと携帯電話向けのサイトとがある。
【0005】
このような状況にあって下記特許文献1には、装置内に農業資材の適正な使用条件を記憶した適正使用条件記憶部を備えておき、農業資材の使用者が所持する端末から送信された使用計画で計画された農業資材使用の適否を前記適正使用条件記憶部に記憶された適正使用条件を用いて判定し、判定した農業資材使用の適否を前記端末に送信して、農業資材の使用者が使用する農業資材が使用条件に適合するか否かの情報を農業資材の使用前に提供する農業資材使用適否判定装置が開示されている。
【特許文献1】特開2005-063239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで独立行政法人農林水産消費安全技術センターがウェブサイトで提供している農薬登録情報に含まれる適用情報は頻繁に更新されるため、ウェブサイトから最新の適用情報を採取しても前回採取された適用情報とどこがどのように変更になったのか簡単には知り得ないためシステムで使用するには毎回毎回採取したデータを最新のものに変更する必要がありシステムにおけるメンテナンスに膨大な時間と労力が掛かり、ひとたび構築したシステムを安定的に使用することができない。
【0007】
上記農林水産消費安全技術センターから提供される農薬登録情報は、農業分野における生産履歴管理システムのデータソースとして一般的に活用されているが、農薬の適用情報を一意に定める主キーが存在しないため、以降のデータ活用において、変更点を特定できないという致命的な問題があった。
【0008】
適用情報において、主キーを用いず一意に絞ろうとした場合、適用情報のうち13項目(25項目中)程度をユニークキーとしなければならず、且つ、ユニークキーに重要な変更を含む項目が多く含まれるため、この変更を検出することができず、システムで適用情報を利用することが事実上不可能であるといっても過言ではない。
【0009】
また上記特許文献1に開示される農業資材使用適否判定装置は、頻繁に更新される適用情報を自システム内でメンテナンスして適用情報を農業資材の使用者に提供するため、システムにおけるメンテナンスに膨大な時間と労力が掛かるという問題を有する。
【0010】
そこで本発明においては、メニュー画面及びメンテナンス画面を通じて主キー振替え・採番に係るデータ作成を支援して作成負荷を減らすと共にシステムで安定的に利用可能な主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明の主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムは、システム起動時に表示されるメニュー画面のデータ取込みスイッチ操作で農薬登録情報中の登録適用部(適用情報)のデータを新データとしてデータベースに取り込むとともに該データベース中に存在する前回に取り込まれ処理された前記登録適用部のデータを旧データとして処理するデータ初期化処理手段と、該データ初期化処理手段で処理された新旧データについて全項目比較して該新旧データが全く同じである新データを特定し、旧データのデータ取得時に別途採番した主キーを該新データの主キーとして振替える主キー振替え手段と、前記全項目比較で特定できなかった前記新旧データの登録番号を比較し、共通しない登録番号のデータを新規データ又は失効データとして取り扱い、該新規データには新しい主キーを採番し、該失効データには失効フラグを設定する主キー採番・失効フラグ設定手段と、前記登録番号比較で特定できなかった新旧データにおいて、前記登録番号ごとに前記登録適用部の農薬を使用する際の条件に該当する項目からなる指定項目を1つずつ比較し、前記新旧データの前記指定項目が一致とみなされ、且つ前記新旧データの数が1:1である場合には、前記新旧データは同じデータであると特定して旧データに新データの主キーを振替えるともに、前記指定項目と前記登録適用部の農薬の使用基準に該当する項目とを含む全項目について変更がある項目を変更点として出力する主キー振替え・変更点出力手段と、前記登録適用部の農薬を使用する際の条件に該当する指定項目の比較で特定できなかった新旧データについては、メンテナンス画面を介したデータメンテナンス処理で同じであるか否かを特定し、同じデータと特定された場合は主キーの振替えを行い、同じデータと特定されない場合は新規データ又は失効データと取り扱い、該新規データには新しい主キーを採番し、該失効データには失効フラグを設定するデータメンテナンス処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また前記メンテナンス画面に表示された前記新旧データが同じ内容であると判定された場合に前記同意チェックテーブル登録ボタンが押されたときは、同意チェックテーブル登録画面を表示して同意/非同意チェックテーブルにその内容を反映させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、メニュー画面に表示されるスイッチを操作するだけで動作を開始でき、さらに同画面に表示される一つの処理完了表示でさらに次の処理に移行できるため、メニュー画面及びメンテナンス画面を通じて主キー振替え・採番に係るデータ作成を支援して作成負荷を軽減すると共にシステムで安定的に利用することが可能となる。また常に変わりゆく農薬登録情報(農薬適用部)のデータの継続的な特定のためにメンテナンス画面にデータ内容を表示するので主キーの振替え・採番に係るデータ作成支援を可視化することができる。
【0014】
また同意/非同意の内容を登録することで繰り返し同じパターンで変更される情報に対して一括で処理でき、メンテナンス負荷を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムの構成を示すブロック図である。同図において本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムは、データ取込処理部101、データベース102、データ展開処理部103、主キー振替え処理部104、データメンテナンス処理部105及び同意チェックテーブル107を有する同意チェックテーブル登録処理部106を備えて構成されている。
【0017】
データ取込処理部101は、上述した農林水産消費安全技術センターから提供される農薬登録情報における登録適用部311を入力情報として取り込み、処理する。この際、前回処理してデータベース102に格納済みの旧登録適用部展開データ(図15参照)を参考にすることができる。農林水産消費安全技術センターから提供される農薬登録情報における登録適用部311には、登録基本部(図13参照)および登録適用部(図14参照)がある。なお上記登録適用部311には「主キー」となる情報が存在しないため、本明細書においては、作業用のテーブルである後記登録適用部展開データに項目「適用コード」を作成し、「主キー」は「登録番号+適用コード」とする(以下、同様)。
【0018】
データベース102には、データ取込処理部1で取込み処理された登録基本部(図13参照)及び登録適用部(図14参照)の外、前回までに処理した、上述の旧登録基本部展開データ(図12参照)、旧登録適用部展開データ(図15参照)、メンテ済み登録適用部(図16参照)、変更点出力テーブル(図17参照)、最終適用コードマスタ(図18参照)、登録基本部展開データ(図19参照)、登録適用部展開データ(図20参照)などが格納されている。
【0019】
データ取込処理部101は、後でも説明するが、データベース102に格納されている登録基本部展開データ(図19参照)をコピーして旧登録基本部展開データ(図12参照)を展開し、メンテ済み登録適用部(図16参照)をコピーして旧登録適用部展開データ(図15参照)にデータを移動し、登録基本部(図13参照)を用いて登録基本部展開データ(図19参照)にデータを移動し、登録適用部(図14参照)を用いて登録適用部展開データ(図20参照)にデータを移動して、適用コードをはじめ、失効フラグ、更新年月日などを付けるための作業用として使用する。
【0020】
主キー振替え処理部104は、データ取込処理部101で取り込み処理された登録適用部(図14参照)の項目を以下に示すグループ1およびグループ2に分けるとともに、データベース102に格納されている旧データであるところの旧登録適用部展開データ(図15参照)と登録適用部(図14参照)から移動処理された新データであるところの登録適用部展開データ(図20参照)との間で登録番号ごとに新旧データをグループ1およびグループ2の項目ごとに比較してデータを特定し、変更データであれば新データ(登録適用部展開データ)に旧データ(旧登録適用部展開データ)の適用コードを振替える。なお、データの特定とは、登録適用部展開データに含まれる情報が、新しく登録された新規データ、前回のデータと内容は同じだが一部内容の変更された変更データ、または前回に存在したデータが失われた失効データ、のいずれに該当するものであるかを判定することである。その場合に項目比較はシステム(後述する)で機械的に文字列を比較するが、新データ(登録適用部展開データ)と旧データ(旧登録適用部展開データ)とで機械的な文字列比較では異なる判定結果であっても人が見たら意味的には同じ(これを同意という。以下同じ)である場合があり、その場合を考慮して同意チェックテーブル107(図21のテーブル参照)を参照して機械的に同意判定も行っている。なお機械的に同意判定を行うということは非同意チェックテーブル(図21のテーブルで分類=1参照)を参照して機械的に非同意判定を行えることを含むものである。これらについては後で説明する。
【0021】
ここで上記した登録適用部(図14参照)における項目のグループ分けについて説明する。グループ1は、農薬使用基準を決める上で、使用する際の条件に該当するものとしてグループ分けしたものであり、以下の項目(指定項目と呼ぶ)が含まれる。すなわち、
・作物名
・適用病害虫雑草名
・使用方法
・適用地帯名
・使用目的
・適用場所
・適用土壌
農薬使用基準の具体的内容は、「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」という農林水産省の省令により定められ、例えば食用作物(飼料作物を含む)に使える農薬については、登録時に定められ農薬のラベルにも記載されている、(1)適用作物、(2)単位当たりの使用量の最高限度又は希釈倍数の最低限度、(3)使用時期、(4)総使用回数、を守ることが要求されている。
【0022】
このような背景から、使用基準は、実際に使用する条件(適用病害虫、使用方法、適用地帯など)により決定される。農薬を使用する条件(適用病害虫、使用方法、適用地帯など)を一意に定めた場合、使用基準の値が決まる。具体的には、実際にどのような条件で使用するかをまず決め、そして指定した条件に対して使用基準を設定する。さらに農薬を使用する条件を一意に定めた場合、通常、新旧の適用情報の数は1:1の比率で対応する。しかし登録番号は、国(農林水産省)が農薬に対してユニークに設定する番号ではあるものの農薬に対して複数の適用情報を持つため、登録番号単一では適用情報をユニークに特定する主キーにはならない。このような事情にあることを本発明者が知見して本発明を案出したものである。
【0023】
次にグループ2は、使用基準に該当する項目に該当するものとしてグループ分けしたものであり、以下の項目例が含まれる。すなわち、
・希釈倍率使用量
・散布液量
・使用時期
・本剤の使用回数
・くん蒸時間
・くん蒸温度
・適用農薬名(混合可能農薬名)
・有効成分(1)を含む農薬の総使用回数
・有効成分(2)を含む農薬の総使用回数
・有効成分(3)を含む農薬の総使用回数
・有効成分(4)を含む農薬の総使用回数
・有効成分(5)を含む農薬の総使用回数
データメンテナンス処理部105は、主キー振替え処理部104でデータを特定することができない新旧データに対してメンテナンス画面を用いて担当者が新規データ、変更データ、または失効データのいずれに該当するかを判定するものである。また一通りの判定処理が終了した適用情報に係るデータに基づいて各種マスタ(図18〜図25参照)のメンテナンスも行い、メンテナンスし終えた各種マスタをデータベース102に格納してデータ管理を行う。
【0024】
同意チェックテーブル登録処理部106は、データメンテナンス処理部105での担当者による同意/非同意判定、例えば適用情報が更新されるとき、同一登録番号内の特定の項目が一括で別の値に変更される場合があり、このような変更に対する同意/非同意判定をシステムで処理させるために同意/非同意チェックテーブル登録を行う。同意チェックテーブル登録を行うことで同意チェックテーブル107(図21参照)における同意/非同意リストに反映され、反映された同意/非同意リストを次の同意判定にフィードバックして担当者のメンテナンス作業の効率化を図るようにしている。
【0025】
なお図1には示していないが、本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムのハードウェア構成としては、当該技術分野では周知のコンピュータ技術、例えばスダンドアローン形式のコンピュータシステムにより構築されているものであり、周知のコンピュータ構成要素、たとえばCPU(中央処理装置)、ROMやRAMを含むメモリ装置、表示装置(ディスプレイ)やプリンタなどの出力装置、キーボードやマウスなどを用いた入力装置、スロット(不図示)に装着される各種規格のメモリステック等に対してデータの書き込み/読み出しを行う入出力インタフェースなどで実現されるものである。上述のデータベース102は、上記メモリ装置により構成される。ROMは、CPUによって実行される基本ソフトやアプリケーションソフト(アプリケーション・ソフトウェア)などを格納する。RAMは、CPUがアプリケーションソフトを実行する際に使用される作業領域などを有する。CPU(中央処理装置)は、ROMやRAMに格納されるプログラム(基本ソフトやアプリケーションソフト)を実行して、各種構成要素の動作を制御しながらシステム全体を制御する。入力装置は、マウスやキーボードなどの操作により、データ入力や項目選択・決定などを行うものである。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイで構成され、上記各種処理部における処理内容の表示、データメンテナンスのための画面などの表示を行う。
【0026】
図2は、本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムの起動によるメニュー画面の構成を示す図である。図2のメニュー画面8には、データ取込ボタン(1)、データメンテナンスボタン(2)、同意チェックテーブル登録ボタン(3)、リカバリーボタン(4)、終了ボタン(7)、表示枠として、新旧データ情報表示欄(5)及び状態表示欄(6)を備えている。上記以外に、データ展開ボタン、メンテデータ取込ボタン、データ出力ボタンを備えている。これらボタンの選択は例えばポインティングデバイスで行うことができる。
【0027】
図2においてデータ取込ボタン(1)を押すと、データ取込処理(後で説明する)を実行する。すなわち、データ取込ボタン(1)を押すことで農薬取込日付選択画面の子画面(図示せず)にカレンダーを表示し当該カレンダーから農薬取込日付を選択し、「OK」ボタン(図示せず)を押すことで選択された農薬登録日付を取得する。農薬取込日付はデータベース102に格納されているカレンダー(図示せず)を呼び出してきて表示させる。農薬登録情報における登録適用部311は、農林水産消費安全技術センターがウェブサイトに提供しているものを無料で利用するために、他装置でダウンロードしてあらかじめ外部メモリ(図示せず)に格納しておく。
【0028】
また図2においてデータメンテナンスボタン(2)を押すと、図9のデータメンテナンス画面10に遷移する。また図2において同意チェックテーブル登録ボタン(3)を押すと、図10の同意チェックテーブル登録画面30に遷移する。リカバリーボタン(4)を押すと、バックアップデータからデータベース102にデータをロードする処理を実行する。そしてリカバリー後は初期状態に復帰する。
【0029】
新旧データ情報表示欄(5)は、新データ(登録適用部展開データ)と旧データ(旧登録適用部展開データ)の農薬登録日付を表示する。状態表示欄(6)は、データの作業状況を表示するものであり、状態表示欄(6)に表示される内容については後で説明する。終了ボタン(7)を押すことで本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムの動作を終了させることができる。
【0030】
ここで、状態表示欄(6)に表示される内容について簡単に説明する。状態表示欄(6)に表示されるメッセージは、データ取込処理の完了など、処理内容の完了を表示する。例えば、データ取込処理の完了なら、「データ取込完了」と表示する。
【0031】
次に、本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムの動作について図1および図2を用いながら説明する。本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムを起動することで上述したように図2のメニュー画面8が表示される。なお、本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムの起動前に、他装置(図示せず)にて農林水産消費安全技術センターのホームページから登録農薬情報(登録適用部)をダウンロードし、例えばメモリステック等の外部メモリに格納しておく。
【0032】
表示された図2のメニュー画面8でデータ取込ボタン(1)を押すと、「データ取込処理」が開始される。このとき前記したダウンロードデータが所定のフォルダ(図示せず)に格納される。「データ取込処理」では、以下の(1)〜(9)の処理を順に実行する。
【0033】
まず(1)農薬登録日付の取得が実行される。農薬登録日付の取得では、データ取込処理部101が農薬登録日付選択用の子画面(図示せず)で選択された日付を取得する。取得した農薬登録日付は後述する各種データテーブルの農薬登録日付欄に格納されるとともに図2の新旧データ情報表示欄(5)の日付表示に利用される。
【0034】
次に(2)「ファイルの確認」を実行する。ファイルの確認では、データ取込処理部101がアクセスする指定フォルダ(図示せず)に取り込み用ファイル(登録基本部.csv,登録適用部一.csv,登録適用部二.csv)が存在するかを確認する。なお、農林水産消費安全技術センターのホームページからのダウンロード時には登録適用部データは二つ(登録適用部一.csv,登録適用部二.csv)に分かれているが、データベース102への取込時には一緒のテーブルに格納する。
【0035】
上記でファイルの存在を確認したあと、(3)「初期化処理」を実行する。初期化処理については図3を用いて説明する。データ取込処理部101がデータベース102に格納されている以下に示すテーブルについて、図3に示すように、(イ)まず以下のテーブルのデータを全削除する。すなわち<登録基本部側>において、登録基本部(図13参照)のデータ及び旧登録基本部展開データ(図12参照)のデータを削除する。また<登録適用部側>において登録適用部(図14参照)のデータ、旧登録適用部展開データ(図15参照)のデータ、及び登録適用部展開データ(図20参照)のデータを削除する。
【0036】
次に、データ取込処理部101がデータベース102にアクセスして、(ロ)前回データを旧データとして次のテーブルに移動する。このとき旧登録適用部展開データ(図15参照)の処理状態フラグ(後述する)をすべてブランクにする。そして<登録基本部側>においては、登録基本部展開データ(図19参照)をコピーして旧登録基本部展開データ(図12参照)に移動する。また<登録適用部側>においては、メンテ済み登録適用部(図16参照)のデータをコピーして旧登録適用部展開データ(図15参照)に移動する。
【0037】
さらに(ハ)以下に示すテーブルのデータを全削除する。すなわち<登録基本部側>において登録基本部展開データ(図19参照)を削除し、<登録適用部側>においてメンテ済み登録適用部(図16参照)のデータを削除する。
【0038】
ここで図3の説明を離れて「データ取込処理」に戻り、(4)「文字変換」を実行する。文字変換においては、データ取込処理部101がデータベース102に格納されている変換表(図示せず)に基づき、上記(2)「ファイルの確認」に示した取込み用ファイルの文字の変換(全半角などの統一)を行う。変換表(図示せず)はCSVファイルで編集できるものとする。
【0039】
次いで、(5)「新データの取込み」を実行する。新データの取込みの実行では、データ取込処理部101が上述した初期化処理の終わったテーブルに上記(4)「文字変換」の終わったデータを取り込む。すなわち<登録基本部側>においては、「文字変換」の終わった登録基本部.csvを登録基本部(図13参照)に取り込み、また<登録適用部側>においては、上記(4)「文字変換」の終わった登録適用部.csvを登録適用部(図14参照)に取り込む。図3の最下部はこの様子を示したものである。
【0040】
そして(6)「展開テーブル作成」を実行する。展開テーブル作成の実行では、登録基本部テーブル(図13参照)のデータを登録基本部展開データテーブル(図19参照)に展開する。展開方法については後述する。また登録適用部テーブル(図14参照)のデータを登録適用部展開データテーブル(図20参照)に展開する。展開方法については後述する。そして新データ(登録適用部展開データテーブル)(図20参照)には適用コードとして仮の番号を1から通番で採番する。この仮の番号は、後述する主キーの振替えおよび新規の適用コードの採番で本来の番号に入れ替わることとなる。そして登録適用部展開データ(新データ)、旧登録適用部展開データ(旧データ)の処理状態フラグをすべてブランクにする。さらに登録適用部展開データ(図20の失効フラグ386参照)、登録基本部展開データ(図19の失効フラグ254参照)の失効フラグ=0を設定する。失効フラグ=0は、失効されていないことを意味する。
【0041】
ここで登録基本部展開データ及び登録適用部展開データの展開方法についてさらに詳しく説明する。上述したように、まず登録基本部テーブル(図13参照)のデータを新データとして登録基本部展開データテーブル(図19参照)に展開する。この場合の展開方法としては、登録基本部テーブル(図13参照)のすべての項目をそのまま登録基本部展開データ(図19参照)にコピーし、また登録基本部展開データ(図19参照)の失効フラグ=0を設定する。次に、登録適用部テーブル(図14参照)のデータを新データとして登録適用部展開データテーブル(図20参照)に展開する。この場合の展開方法としては、登録適用部データ(図14参照)の「用途」「略称」「混合数」以外の項目をすべて登録適用部展開データ(図20参照)にコピーし、また登録適用部展開データ(図20参照)の適用コードに仮の番号を1から通番で採番する。なお上述したようにこの仮の番号は、後述する主キーの振替えおよび新規の適用コードの採番で本来の番号に入れ替わることとなる。その上で登録適用部展開データ(図20参照)の失効フラグ=0を設定する。また登録適用部展開データ(図20参照)の処理状態フラグ及び適用更新日をブランクにする。さらに登録適用部展開データ(図20参照)の「登録番号」370、「農薬の種類」、「農薬の名称」、「失効フラグ」386、「適用更新日」387、「処理状態フラグ」388、「振替え主キー」389以外の項目にブランクがあれば「-」(半角ハイフン)を設定する。
【0042】
次に、(7)「主キー振替処理」を実行する。主キー振替処理は、図1に示した主キー振替え処理部104、メンテナンス処理部105および同意チェックテーブル107を用いて実行される。これについては後で説明する。
【0043】
そして(8)「登録基本部データ比較」を実行する。登録基本部の新データ(登録基本部展開データ)(図19参照)と旧データ(旧登録基本部展開データ)(図12参照)を比較する(ここでの「主キー」は「登録番号+有効成分」を用いる)。「登録番号+有効成分」が一致し、その他の項目に変更があった場合、変更点(登録番号、有効成分、項目、新旧の値)をCSVで出力する。また「登録番号+有効成分」を比較したとき、新データ(登録基本部展開データ)(図19参照)に存在し、旧データ(旧登録基本部展開データ)(図12参照)に存在しない場合、新規データとしてCSVで出力する。また「登録番号+有効成分」を比較したとき、旧データ(旧登録基本部展開データ)(図12参照)に存在し、新データ(登録基本部展開データ)(図19参照)に存在しない場合、失効データとしてCSVで出力する。そして旧データ(旧登録基本部展開データ)の失効データを登録基本部展開データに追加し、失効フラグ=1を設定する(旧登録基本部展開データテーブルには失効フラグ=1を設定しない)。上記のような変更、新規、失効があったデータの登録更新日に農薬登録日付を設定する。
【0044】
最後に(9)「メニュー画面表示更新」を実行する。図2に示すメニュー画面8の表示更新は、データ取込処理部101、データ展開処理部103、および、主キー振替え処理部104における上記(1)〜(8)までの処理が正常に実行されたとき、新旧データ情報表示欄(5)を更新するものである。新旧データ情報表示欄(5)の新データ欄には農薬登録日時を、新旧データ情報表示欄(5)の旧データ欄には前回の農薬登録日付(旧登録適用部展開データの農薬登録日付)を表示する。また、状態表示欄(6)に「データ取込処理」が正常に終了した旨のメッセージ(データ取込完了)を表示する。そして「データ取込」ボタン(1)を操作不可にする。「データメンテナンス」ボタン(2)を操作可能にする。
【0045】
ここで主キー振替え処理部104、同意チェックテーブル107およびメンテナンス処理部105で実行される主キー振替え処理について説明する。上述した「データ取込処理」の(7)で概略説明したように、主キー振替え処理は、新データ(登録適用部展開データ)(図20参照)と旧データ(旧登録適用部展開データ)(図15参照)を比較し、新データに正式な主キー(適用コード)を振替え・採番する処理である。すなわち、新データ(登録適用部展開データ)(図20参照)と旧データ(旧登録適用部展開データ)(図15参照)の内容が同じである場合は、旧データ(旧登録適用部展開データ)(図15参照)の適用コードを新データ(登録適用部展開データ)(図20参照)の適用コードに振替える。また新データ(登録適用部展開データ)の内容が旧データ(旧登録適用部展開データ)に無い場合は、新しい適用コードを採番する。
【0046】
図4は、主キー振替え・採番に係るデータ作成支援の前提となる適用情報の分類手順を説明する図である。図4において適用情報の分類手順を矩形で囲まれた部分内に表示し且つ括弧内の数字で手順番号を示す。図4を用いて適用情報の分類手順を説明すると、手順1(41)においては、上述した新データ(登録適用部展開データ)と旧データ(旧登録適用部展開データ)の比較を、適用コード、登録更新日以外の全項目について実施する。全項目比較は、文字列を機械的に比較し、一致であれば変更のない適用情報であると分類し、不一致であれば変更のある適用情報であると分類する。変更のない適用情報であると分類されば、変更なし適用情報(47)として、処理状態フラグ=0を設定し、振替え適用コードに旧適用情報の適用コードを設定する(データ展開時に旧適用情報の適用コードを新適用情報の適用コードとして振替える)。また手順1(41)において旧適用情報の失効フラグ=1のデータも処理状態フラグ=0と設定する。
【0047】
上記手順1(41)で変更のある適用情報であると分類されば、手順2(42)において、変更のある適用情報についてそれぞれの「登録番号」を比較する。この「登録番号」の比較により、適用情報を「新規」/「失効」/「変更」に分類する。つまり、旧データ(旧登録適用部展開データ)に無い登録番号が新データ(登録適用部展開データ)に存在した場合、処理状態フラグ=1を設定する(「新規」データとして新しく適用コードを採番する対象としてデータ展開時にメンテ済み登録適用部に反映する)。また、新データ(登録適用部展開データ)に無い登録番号が旧データ(旧登録適用部展開データ)に存在した場合、処理状態フラグ=2を設定する(「失効」データとして失効フラグ=0を失効フラグ=1に変更する対象としてデータ展開時にメンテ済み登録適用部に反映する)。
【0048】
上記手順2(42)で適用情報が「新規」/「失効」でなく「変更」に分類された新旧適用情報に対して、手順3(43)で上述した指定項目の各項目を比較する。つまり処理状態フラグがブランクである新旧データ(登録適用部展開データと旧登録適用部展開データ)を対象に、「登録番号」ごとに指定項目に属する以下の項目を順番に1項目ずつ比較する。このとき、文字列が一致するか又は同意チェックテーブル107に登録された内容と新旧データ(登録適用部展開データと旧登録適用部展開データ)の値が一致したとき、「同意」であるとする。ここで「同意」とは、同意=同じ意味であるとみなし、その項目は一致するものとみなす。また、この項目比較時に非同意チェックテーブル107に登録された内容と新旧データ(登録適用部展開データと旧登録適用部展開データ)の値が一致したとき、「非同意」であるとする。ここで「非同意」とは、非同意=同じ意味でないとみなし、その項目は新たに農薬を使用する条件が生じたものとみなす。(非同意の組合せに該当したものは、無条件に新規データ/失効データとして取り扱う。)
<指定項目に属する比較項目>
(a)作物名
(b)適用病害虫雑草名
(c)使用方法
(d)適用地帯名
(e)使用目的
(f)適用場所
(g)適用土壌
上記比較項目(a)〜(g)がすべて「同意」である新旧データ(登録適用部展開データと旧登録適用部展開データ)は同じ適用情報である可能性があるとみなし、以下に示す手順4(44)の処理に進む。
【0049】
また上記比較項目(a)〜(g)の比較時に「非同意」に該当する項目があったとき、新規/失効データとして処理する。この際、新データ(登録適用部展開データ)に処理状態フラグ=1を設定する。そして新規データとして新しく適用コードを採番する対象とし、データ展開時にメンテ済み登録適用部に反映する。ただし、データメンテナンス画面、同意チェックテーブル登録画面から呼び出された場合は、処理状態フラグ=4を設定する。これらについては後で説明する。また旧データ(旧登録適用部展開データ)に処理状態フラグ=2を設定する。そして失効データとして失効フラグを変更する対象とし、データ展開時にメンテ済み登録適用部に反映する。ただし、データメンテナンス画面、同意チェックテーブル登録画面から呼び出された場合は、処理状態フラグ=5を設定する。
【0050】
上記比較項目(a)〜(g)の比較時に「非同意」の項目に該当せず、「同意」でない項目(文字列一致せず、「同意」にも該当しない)が項目あったとき、以下に示す手順5(45)の処理に進む。
【0051】
図5は、指定項目比較の具体例を示す図である。指定項目は、登録適用部の農薬を使用する際の条件に該当する項目であり、上記指定項目の各項目を指す。図5に示すように新旧の適用情報をデータ行ごとに上記比較項目(a)から順に比較していき、比較項目に同意のものがあれば次々に比較項目の順位を下げて比較を行い、比較項目(g)における比較まで比較を行ってすべて同意であれば指定項目比較における全項目一致であるとみなし、比較項目における新旧データ(登録適用部展開データと旧登録適用部展開データ)の比較過程において一方に存在し他方に存在しない場合は新規/失効適用情報(仮)が存在するとみなして次の手順4,5における処理に委ねる。
【0052】
手順4(44)においては、上記手順3(43)の処理で上記指定項目比較の各項目(a)〜(g)がすべて同意であるとみなされた新データ(登録適用部展開データ)と旧データ(旧登録適用部展開データ)については新旧データの行数により、以下に示す(イ)〜(ハ)の処理を行う。
【0053】
(イ)上記手順3(43)の処理で上記指定項目比較の各項目(a)〜(g)がすべて同意であるとみなされた新データ(登録適用部展開データ)が1行、旧データ(旧登録適用部展開データ)が1行で存在するとき、新旧データ(登録適用部展開データと旧登録適用部展開データ)は同じ内容(同意)であるとみなす(変更データ、主キー振替え対象)。そして全項目を比較し、変更点(登録番号、項目、新旧データの値、新旧データの適用コード値、処理状態フラグ)を変更点出力テーブル(図17参照)に追加する。また新データ(登録適用部展開データ)の振替え適用コード389に旧データ(旧登録適用部展開データ)の適用コード355を設定する。さらに新旧データ(登録適用部展開データと旧登録適用部展開データ)の処理状態フラグ=3を設定する。ただし、図9のデータメンテナンス画面10、図10の同意チェックテーブル登録画面30から呼び出された場合は、処理状態フラグ=6を設定する。
【0054】
図6は、新旧適用情報数が1:1の場合の同意行比較の具体例1を示す図であり、指定項目の各項目の内容が同意であって新旧適用情報数が1:1の場合には、変更適用情報(48)に分類されるとともに内容が異なるものを変更点として出力し、併せて適用コードの振替えを行うことを示している。
【0055】
(ロ)上記手順3(43)の処理で上記指定項目比較の各項目(a)〜(g)がすべて同意であるとみなされた新データ(登録適用部展開データ)がN行、旧データ(旧登録適用部展開データ)がN行で存在するとき、新旧データ(登録適用部展開データと旧登録適用部展開データ)すべての組合せで全項目を文字列比較し、一致する個数をカウントする。この場合、(A)一致項目数が多い新旧データ(登録適用部展開データと旧登録適用部展開データ)の組合せが重複なく存在すれば、その組合せの新旧データは同じ内容であるとみなす(変更データ、主キー振替え対象)。この場合には、上記(イ)の変更データに対する処理と同様の処理を行う。(B)一致項目数が多い新旧データ(旧登録適用部展開データ)の組合せが重複する場合、以下に示す手順5(45)の処理に進む。
【0056】
(ハ)上記手順3(43)の処理で上記指定項目比較の各項目(a)〜(g)がすべて同意であるとみなされた新データ(登録適用部展開データ)がN行、旧データ(旧登録適用部展開データ)がM行(N≠M)で存在するとき、以下に示す手順5(45)の処理に進む。
【0057】
図7は、新旧適用情報数の比率が1:1の場合と新旧適用情報数の比率が1:1でない場合とにおける具体例2及び具体例3を示す図であり、指定項目の各項目の内容が同意であって新旧適用情報数の比率が1:1の場合には、全項目を確認し、特定できれば変更適用情報(48)に分類し、さらに全項目の内容が一致する数を比較し、一致する数の多い適用情報の組み合せを対応する適用情報とみなし変更適用情報(48)に分類し、全項目比較において項目が異なるものを変更点として出力し、併せて対応する適用情報同士で適用コードの振替えを行うことを示している。また新旧適用情報数の比率が1:1でない場合の具体例3(図7の下半)は、指定項目の内容が同意であって新旧適用情報数の比率が1:1でない場合は、システムだけで適用情報を特定することが困難であるとして次の手順5(45)における処理に委ねる。
【0058】
手順5(45)において、ここに持ち込まれたデータ(適用情報)は主キー振替えのための比較処理をシステムで判定できないデータなので、図9のメンテナンス画面10で担当者が判定することになる。なお、新旧データに一つでもブランクが残っている限り、データメンテナンス処理を完了としない。
【0059】
以上に示した手順1(41)〜手順5(45)までの処理で「適用情報を「新規」/「失効」/「変更」のいずれかに分類」(46)する。そして図2のメニュー画面で「データ展開ボタン」が押されたときに動作するデータ展開処理(後述する)において、変更適用情報(48)に分類された場合には、旧適用情報の適用コードを新適用情報の適用コードに振替え、また新規適用情報(49)に分類された場合には、新しい適用コードを採番し、また失効適用情報(50)に分類された場合には、失効フラグを立てる。なお変更なし適用情報(47)に分類された場合には、上述したように旧適用情報の適用コードを新適用情報の適用コードとして振替える。
【0060】
図8は、本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムにおける主キー振替え・採番処理を説明するためのフローチャートである。主キー振替え・採番処理の概要については上記図4に示す分類手順ですでに説明したのでここでは主キー振替え・採番処理の内容をより詳しく説明する。図8では破線で囲んだ矩形内で図4に示す分類手順の内容を示して図4に示す分類手順との関係がわかるようにしている。なお図8ではステップを‘S’と略記する。
【0061】
図8において主キー振替え・採番処理のスタートでまず全項目における文字列比較を実施する(S1)。ここで全項目の文字列比較で完全に一致すると、ステップS2に進み、主キーの振替えを行う。この処理で「変更なし適用情報」を得る。この処理は後ほど新適用情報(主キー振替え済)321として取り扱われる。一方、一致しない場合には、ステップS3に進み、登録番号で比較を行う。ここで比較する相手に同一の登録番号が無い場合には、ステップS4に進み、ステップS4で新適用情報なのか又は旧適用情報なのかを判定する。判定で新適用情報であれば、ステップS5で適用コード新規採番を行う。この処理で「新規適用情報」323を得る。また判定で旧適用情報であれば、ステップS6で失効フラグが付加される。この処理で「失効適用情報」324を得る。
【0062】
ステップS3の登録番号の比較で登録番号が同じであれば、ステップS7に進み、ステップS7で上述の指定項目の項目を指定する。次いでステップS8において指定された項目比較を実施する。この項目比較の際、同意チェックテーブル107(図1参照)が参酌される。そして比較の結果、「同意」であればステップS9に進み、ステップS9で指定項目における最終項目であるかが判定され、最終項目でなければステップS10に進み、ステップS10で次の指定項目を比較する指示が出され、ステップS7に戻る。このルーチンは最終項目に達するまで繰り返される。そしてステップS9で最終項目であると判定されればステップS11に進む。なお、最終項目に達するまでのステップS7〜S10の繰り返しにおけるステップS8の項目比較において、「非同意」であれば上述のステップS4に進み、ステップS4〜S6の処理が実行される。また、ステップS8の項目比較において、「同意でも非同意でもない」(文字列が一致せず同意にも非同意にも一致しない)場合にはデータメンテナンス画面処理S16にて担当者によるデータメンテナンスが実施される(後述する)。
【0063】
ステップS11では、適用情報の比率が1:1であるか否かが判定される。適用情報の比率が1:1でなければ、上述のデータメンテナンス画面処理S16に進む。一方、適用情報の比率が1:1であれば、ステップS12に進み、ステップS12において適用情報数が1行:1行であるか否かが判定される。適用情報数が1行:1行であれば、ステップS13に進み、ステップS13にて上述の全項目の変更点を出力し、次いでステップS14で主キーの振替えが実施される。ステップS13の上述の全項目の変更点の出力は変更情報322として取り扱われ、またステップS14の主キーの振替えにより変更適用情報を得る。そしてこの変更適用情報における処理は後ほど新適用情報(主キー振替え済)321として取り扱われる。また適用情報数が1行:1行でなければ、ステップS15に進み、ステップS15で組合せ特定可能かを判定し、組合せ特定可能であれば、前述のステップS13に進み、ステップS13の処理、次いでステップS14の処理が実行され、組合せ特定可能でなければ、データメンテナンス画面処理S16に進み、担当者による判定に委ねる。これについては後述する。
【0064】
データメンテナンス画面処理S16において担当者が比較対象のデータを見て対象行を選択し新規失効登録(異なる内容と判定)(S17)または変更登録(同じ内容と判定)(S18)のいずれかを判定し、新規失効登録(S17)であれば上述のステップS4に進み、ステップS4〜S6の処理が実行される。また変更登録(S18)であれば上述のステップS13に進み、ステップS13の処理、次いでステップS14の処理が実行される。「同意」又は「非同意」について同意チェックテーブル登録S20を実施する。その場合、図10の同意チェック登録画面30に遷移して選択した項目を同意(非同意)チェックテーブル107に登録して同意/非同意の判定精度を向上させるようにする。また同意チェックテーブル登録画面処理S19から主キー振替え処理実行S21を指示することで、新たに登録された同意チェックテーブル107を利用してステップS7〜S16の判定を繰り返して、同意チェックテーブル107の知能向上により同意/非同意の判定に係る担当者の負担を減らすようにする。
【0065】
図9は、本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムのデータメンテナンス画面の構成を示す図である。図9におけるデータメンテナンス画面10には、上記「データ取込処理」の(7)で概略説明した主キー振替処理において自動で処理できなかったデータを処理するために図1のデータメンテナンスボタン(2)を操作することで遷移する。図9のデータメンテナンス画面10において、農薬種類コンボボックス(11)はメンテナンスの必要がある農薬の種類を選択するために設けられ、農薬種類名を選択することで、選択した農薬の種類のデータをデータグリッド(13),(14)に表示する。農薬名コンボボックス(12)は、選択した農薬の種類の中でメンテナンスの必要がある農薬の名称を選択するために設けられ、農薬の名称を選択することで、選択した農薬の名称のデータをデータグリッド(13),(14)に表示する。選択しない場合は農薬種類コンボボックス(11)で選択した農薬の種類のデータのみをデータグリッド(13),(14)に表示する。
【0066】
新適用情報データグリッド(13)は、メンテナンスが必要な新適用情報を作物名昇順で表示し、各行を選択可能とする。旧適用情報データグリッド(14)は、メンテナンスが必要な旧適用情報を作物名昇順で表示し、新適用情報データグリッド(13)の行が選択されているとき、各項目を比較し選択行と異なる項目にはセルのバックグラウンドの色を変えて表示する。
【0067】
パターン項目選択コンボボックス(15)は、パターンを絞り込むための項目を選択するために設けられ、項目は指定項目中の「作物名」、「適用病害虫雑草名」、「使用方法」、「適用地帯名」、「使用目的」、「適用場所」、「適用土壌」から選択する。ここでパターンとは、指定項目の項目不一致が原因で特定されなかった適用情報において、同じ内容で一斉に変更されたと考えられる傾向(パターン)を指し、このパターンを上記パターン項目選択コンボボックス(15)で選択して絞り込み表示を行わせ、絞り込んだ内容から同一か否かを判定し、同一か否かを判定し得るパターンを同意/非同意チェックテーブルに反映してメンテナンス負荷を減らす手立てにするものである。
【0068】
パターン選択コンボボックス(新適用情報)(16)は、新適用情報データグリッド(13)で表示されたデータの中からパターン項目選択コンボボックス(15)で選択した項目の値を表示するために設けられ、表示された値を選択する。パターン選択コンボボックス(旧適用情報)(17)は、旧適用情報データグリッド(14)で表示されたデータの中からパターン項目選択コンボボックス(15)で選択した項目の値を表示するために設けられ、表示された値を選択する。
【0069】
同意チェックテーブル登録ボタン(18)は、ボタンを押すことで図10の同意チェックテーブル登録画面30を表示する。
【0070】
相違項目数表示(19)は、新適用情報と旧適用情報データグリッド(13),(14)が選択されているとき相違項目数を表示する。相違項目選択コンボボックス(20)は、新適用情報と旧適用情報データグリッド(13),(14)が選択されているとき選択された行同士を比較、異なる項目名を格納する。
【0071】
相違点表示(新適用情報)(21)は、相違項目選択コンボボックス(20)を選択したとき、新適用情報選択行の相違項目選択ボックス(20)での選択項目の値を表示する。相違点表示(旧適用情報)(22)は、相違項目選択コンボボックス(20)を選択したとき、旧適用情報選択行の相違項目選択ボックス(20)での選択項目の値を表示する。
【0072】
変更登録ボタン(23)は、新規適用情報と旧適用情報が同じ内容であると判定したとき実行するために設けられ、選択行同士を変更データとして処理する(主キー振り替え、登録更新日)。そして登録した選択行はデータグリッド(13),(14)から削除する(後述する変更登録処理参照)。
【0073】
新規失効登録ボタン(24)は、新規適用情報と旧適用情報が異なる内容であると判定したとき実行するために設けられ、新適用情報の選択行を新規データとして処理(適用コード新規採番)し、また旧適用情報の選択行を失効データとして処理する(失効フラグ)。そして登録した選択行はデータグリッド(13),(14)から削除する(後述する新規失効登録処理参照)。
【0074】
リセットボタン(25)は、選択された農薬の種類、または農薬の名称において、メンテナンス画面で処理した内容を処理前に戻すために設けられる(後述するリセット処理参照)。戻るボタン(26)は、メニュー画面8(図2参照)に戻るために設けられる。
【0075】
新適用情報残件数(27)は、新適用情報においてまだメンテナンスを行っていないデータの総数を表示する。旧適用情報残件数(28)は、旧適用情報においてまだメンテナンスを行っていないデータの総数を表示する。
【0076】
図9のデータメンテナンス画面10で変更登録ボタン(23)が押された場合における変更登録処理について説明する。変更登録処理は、新適用情報データグリッド(13)、旧適用情報データグリッド(14)をそれぞれ1行ずつ選択時に実行することが可能となる。そして選択したデータは同じ内容であるとみなし、各項目を比較し、変更点(登録番号、項目、新旧データの値、新旧データの適用コード、処理状態フラグ)を変更点出力テーブル(図17参照)に追加する。また新データ(登録適用部展開データ)(図20参照)の振替え適用コード389に旧データ(旧登録適用部展開データ)(図15参照)の適用コード355を設定する。また新旧データ(登録適用部展開データと旧登録適用部展開データ)の処理状態フラグ=6を設定する。
【0077】
図9のデータメンテナンス画面10で新規失効登録ボタン(24)が押された場合における新規失効登録処理について説明する。新規失効登録処理は、新適用情報データグリッド(13)、旧適用情報データグリッド(14)を選択時(複数選択時も可)に実行することが可能となる。そして選択したデータは異なる内容であるとみなし、新適用情報データグリッド選択データは新規データ、旧適用情報データグリッド選択データは失効データとして出力する。新データ(登録適用部展開データ)(図20の処理状態フラグ388参照)に処理状態フラグ=4を設定する(新規データとして新しく適用コードを採番する対象。後述するデータ展開時にメンテ済み登録適用部に反映する)。また旧データ(旧登録適用部展開データ)(図15の処理状態フラグ358参照)に処理状態フラグ=5を設定する(失効データとして失効フラグを変更する対象。後述するデータ展開時にメンテ済み登録適用部に反映する)。
【0078】
図9のデータメンテナンス画面10でリセットボタン(25)が押された場合におけるリセット処理について説明する。リセット処理は、農薬種類コンボボックス(11)または農薬名コンボボックス(12)で選択された状態で実行することが可能となる。そして農薬種類コンボボックス(11)、農薬名コンボボックス(12)で選択された農薬をメンテナンス前の状態に戻す(処理状態フラグをブランクに設定する)。ただし、対象はメンテナンス画面及び同意チェックテーブル登録画面(後述する)でメンテナンスされたデータ(処理状態フラグ=4〜6)に対して実行する。すなわち新データ(登録適用部展開データ)、旧データ(旧登録適用部展開データ)において、農薬種類コンボボックス(11)、農薬名コンボボックス(12)で選択された農薬で且つ処理状態フラグ=4〜6のデータに対し、処理状態フラグ=ブランクに設定する。さらに変更点出力テーブル(図17参照)において、農薬種類コンボボックス(11)、農薬名コンボボックス(12)で選択された農薬で且つ処理状態フラグ=6のデータを削除する。
【0079】
図9のデータメンテナンス画面10で変更登録ボタン(23)が押されて変更登録による主キー振替え処理が行われた後に、および、同意チェックテーブル登録ボタン(18)が押されて同意チェックテーブル登録画面30(図10参照)に遷移し主キー振替え処理(39)を行なわれ、新たに登録された同意/非同意チェックテーブルを用いて上述した図4に示す手順(3)〜(5)の処理を再度実行した後に、図9のデータメンテナンス画面10においてメンテナンスを行っていないデータの残件を新適用情報残件数(27)および旧適用情報残件数(28)に確認のために表示する。メンテナンスを行っていないデータの残件数は、新旧データ(登録適用部展開データと旧登録適用部展開データ)(図20、図15参照)の処理状態フラグ=ブランクの数で確認する。そして新旧データともに残件が0になったとき、メニュー画面8(図2参照)に戻る。さらにメニュー画面8(図2参照)の状態表示欄(6)にデータメンテナンスが正常に終了した旨のメッセージを表示する。
【0080】
図10は、同意チェックテーブル登録画面の構成を示す図である。すなわち図10における同意チェックテーブル登録画面30は、図9のデータメンテナンス画面10で同意チェックテーブル登録ボタン(18)を押すことで遷移する場合と、図2のメニュー画面8で同意チェックテーブル登録ボタン(3)を押すことで遷移する場合の両方がある。
【0081】
図10の同意チェックテーブル登録画面30において、項目選択コンボボックス(31)は、同意チェックテーブル(図21参照)を表示・登録する項目を選択するために設けられ、項目は上記した指定項目中の「作物名」、「適用病害虫雑草名」、「使用方法」、「適用地帯名」、「使用目的」、「適用場所」、「適用土壌」から選択する。登録分類選択コンボボックス(32)は、同意チェックテーブル(図21の備考参照)、非同意チェックテーブル(図21の備考参照)のどちらを表示・登録するか選択する。すなわち図21の同意チェックテーブルの項目の分類270において分類=0なら同意チェックテーブルを表し、分類=1なら非同意チェックテーブルを表す。登録分類選択コンボボックス(32)は、「同意」/「非同意」チェックテーブルのいずれかを選択する。選択すると後述するチェックテーブルデータグリッド(36)に選択した項目、分類のチェックテーブル内容を表示する。
【0082】
新適用情報アイテム選択リスト(33)は、図9に示すデータメンテナンス画面10の新適用情報データグリッド(13)に表示されたデータで項目選択コンボボックス(31)により選択した項目をリスト表示する。旧適用情報アイテム選択リスト(34)は、図9に示すデータメンテナンス画面10の旧適用情報データグリッド(14)に表示されたデータで項目選択コンボボックス(31)により選択した項目をリスト表示する。
【0083】
登録ボタン(35)は、登録分類選択コンボボックス(32)で「同意」を選択した場合に、新適用情報アイテム選択リスト(33)と旧適用情報アイテム選択リスト(34)で選択した内容を「同意」であるとみなし、同意チェックテーブル(図21の備考参照)に登録する。また登録分類選択コンボボックス(32)で「非同意」を選択した場合に、新適用情報パターン選択リスト(33)と旧適用情報パターン選択リスト(34)で選択した内容を「同意」でないとみなし、非同意チェックテーブル(図21の備考参照)に登録する。登録後、後述するチェックテーブルデータグリッド(36)の表示を更新する(図2のメニュー画面における同意チェックテーブル登録ボタン(3)から遷移した場合、操作不可とする)。
【0084】
チェックテーブルデータグリッド(36)は、項目選択コンボボックス(31)で選択した項目について、登録分類選択コンボボックス(32)で「同意」を選択した時は同意チェックテーブル(図21の備考参照)を、「非同意」を選択したときは非同意チェックテーブル(図21の備考参照)を表示する。データグリッド(36)は編集可能とし、下端に新規入力欄を設ける(新データアイテムで昇順表示)。
【0085】
変更ボタン(37)は、チェックテーブルデータグリッド(36)の編集内容を同意チェックテーブル(図21の備考参照)に登録する。ただし、新適用情報、旧適用情報いずれかが空白の状態である行が存在する場合はエラーを表示して処理を終了する。削除ボタン(38)は、チェックテーブルデータグリッド(36)における選択行を削除する。ただし、行が選択されていない場合はエラーを表示して処理を終了する。
【0086】
主キー振替え処理ボタン(39)は、登録ボタン(35)の押下により登録または変更ボタン(37)の押下により編集された同意チェックテーブル/非同意チェックテーブルを用いて上述した図4に示す手順(3)〜(5)の処理を再度実行する(図2のメニュー画面8から遷移した場合、操作不可とする)。戻るボタン(40)は、同意チェックテーブル登録画面30を閉じ、図9のデータメンテナンス画面10または図2のメニュー画面8に戻るために設けられている。
【0087】
次に図2のメニュー画面でデータ展開ボタンが押された場合に実行されるデータ展開処理について説明する。データ展開処理においては、以下の(1)〜(5)に示す処理を順に実行する。
【0088】
(1)メンテ済み登録適用部の作成
このメンテ済み登録適用部の作成においては、まず(a)メンテ済み登録適用部(図16参照)のデータ(前回データ)を削除する。次いで(b)旧登録適用部展開データ(図15参照)において処理状態フラグ358の処理状態フラグ=0のデータをメンテ済み登録適用部(図16参照)に追加する(=変更の無いデータ)。そして(c)登録適用部展開データ(図20参照)において、処理状態フラグ388の処理状態フラグ=1のデータをメンテ済み登録適用部(図16参照)に追加する。適用コード165はブランクとする(=新規データ)。次に、(d)旧登録適用部展開データ(図15参照)において、処理状態フラグ358の処理状態フラグ=2のデータをメンテ済み登録適用部(図16参照)に追加し、失効フラグ166の失効フラグ=1を設定する(=失効データ)。そして(e)登録適用部展開データ(図20参照)において、処理状態フラグ388の処理状態フラグ=3のデータをメンテ済み登録適用部(図16参照)に追加し、振替え主キー389の値を適用コード165に設定する(=データ取込処理における変更データ)。また(f)登録適用部展開データ(図20参照)において、処理状態フラグ388の処理状態フラグ=4のデータをメンテ済み登録適用部(図16参照)に追加する。適用コード165はブランクとする(=メンテナンス画面で設定した新規データ)。そして(g)旧登録適用部展開データ(図15参照)において、処理状態フラグ358の処理状態フラグ=5のデータをメンテ済み登録適用部(図16参照)に追加し、失効フラグ166の失効フラグ=1を設定する(=メンテナンス画面で設定した失効データ)。また(h)登録適用部展開データ(図20参照)において、処理状態フラグ388の処理状態フラグ=6のデータをメンテ済み登録適用部(図16参照)に追加し、振替え適用コード389の値を適用コード165に設定する(=メンテナンス画面で設定した変更データ)。そして(j)メンテ済み登録適用部(図16参照)の適用コード165がブランクのデータに適用コードを設定する(適用コード新規採番処理)。ここにおいて設定する適用コードは、メンテ済み登録適用部(図16参照)の適用コード165にブランクがある登録番号において、最終適用コードマスタテーブル(図18の最終適用コード171参照)に登録された適用コード最大値+1を設定する。設定後は最終適用コードマスタテーブル(図18の最終適用コード171参照)の主キー最大値を上記設定値に更新する。この処理は、適用コード165がブランクであるメンテ済み登録適用部(図16参照)すべてのデータに対して実施する。
【0089】
(2)変更点出力
変更点出力においては、(a)変更点出力テーブル(図17参照)の処理状態フラグ362の処理状態フラグ=3,6のデータをCSVファイルで出力する。CSVファイルのファイル名は「年月日時分秒+変更データ」とする(登録番号、項目名で昇順に並べ出力)。そして(b)登録適用部展開データ(図20参照)において処理状態フラグ388の処理状態フラグ=1,4のデータをCSVファイルで出力する。CSVファイルのファイル名は「年月日時分秒+新規データ」とする(登録番号、適用コードで昇順に並べ出力)。さらに(c)旧登録適用部展開データ(図15参照)において処理状態フラグ358の処理状態フラグ=2,5のデータをCSVファイルで出力する。CSVファイルのファイル名は「年月日時分秒+失効データ」とする(登録番号、適用コードで昇順に並べ出力)。
【0090】
このようにして各種展開テーブルは、データベース102に格納されデータ管理される。そしてデータ展開処理部103で展開されたテーブルデータを用いて出力情報として登録適用部(主キー振替え済み)321、変更点322、新規適用情報323、失効適用情報324を得ることができる。なお登録適用部(主キー振替え済み)321、変更点322、新規適用情報323、失効適用情報324についての出力情報については、上記した図8のフロー図でも参考として示している。
【0091】
図11は、処理状態フラグおよび処理状態フラグに値を設定するときの条件並びに処理状態フラグの値に対しデータ展開処理における処理内容を示す表である。図11に示す表では、上述した処理状態フラグ、および処理状態フラグの値(0〜6)を設定するときの条件である図4に示した手順1、2、4、5との関係並びに処理状態フラグの値(0〜6)に対し上述した「データ展開処理」における処理内容を表している。なお図11の表の中で説明しているように、処理状態フラグがブランク(値が未設定)は、データメンテナンス処理が終わっていないことを示し、図2に示すメニュー画面8の状態表示欄(6)にメンテナンス処理完了表示がなされないため担当者にメンテナンスが未完であることの注意を喚起しデータメンテナンス漏れを防ぐことができる。
【0092】
以上のように本発明によれば、メニュー画面に表示されるスイッチを操作するだけで動作を開始でき、さらに同画面に表示される一つの処理完了表示でさらに次の処理に移行できるため、メニュー画面及びメンテナンス画面を通じて主キー振替え・採番に係るデータ作成を支援して作成負荷を軽減すると共にシステムで安定的に利用することが可能となる。
【0093】
また常に変わりゆく農薬登録情報(農薬適用部)のデータの継続的な特定のためにメンテナンス画面にデータベースに反映される内容を表示するので主キーの振替え・採番に係るデータ作成支援を可視化することができる。
【0094】
ここで本発明で使用されるデータテーブルの構造について説明する。図12に示す旧登録基本部展開データは、農林水産消費安全技術センターよりダウンロードした登録基本部データについて、失効フラグ、更新年月日を付けるための作業用のテーブルとして使用するものであり、登録番号111、失効フラグ112、適用更新日113などを備えている。図13に示す登録基本部は、農林水産消費安全技術センターよりダウンロードした登録基本部データを格納するものであり、登録番号121、農薬の種類122、農薬の名称123などを備えている。
【0095】
図14に示す登録適用部は、農林水産消費安全技術センターよりダウンロードした登録適用部データを格納するものであり、登録番号130、作物名131、適用場所132、適用病害虫雑草名133、使用目的134、希釈倍数使用量135、散布液量136、使用時期137、本剤の使用回数138、使用方法139、くん蒸時間140、くん蒸温度141、適用土壌142、適用地帯名143、適用農薬名(混合可農薬名)144などを備えている。また図15に示す旧登録適用部展開データは、農林水産消費安全技術センターよりダウンロードした登録適用部データについて、 適用コード、失効フラグ、更新年月日を付けるための作業用に展開したテーブルとして使用するものであり、登録番号340、作物名341、適用場所342、適用病害虫雑草名343、使用目的344、希釈倍数使用量345、散布液量346、使用時期347、本剤の使用回数348、使用方法349、くん蒸時間350、くん蒸温度351、適用土壌352、適用地帯名353、適用農薬名(混合可農薬名)354、適用コード(主キー)355、失効フラグ356、適用更新日347、処理状態フラグ358などを備えている。
【0096】
図16に示すメンテ済み登録適用部は、主キー振替え・採番処理を正しく行い、正しい適用コードが作成された後の適用登録部のデータを格納するものであり、登録番号150、作物名151、適用場所152、適用病害虫雑草名153、使用目的154、希釈倍数使用量155、散布液量156、使用時期157、本剤の使用回数158、使用方法159、くん蒸時間160、くん蒸温度161、適用土壌162、適用地帯名163、適用農薬名(混合可農薬名)164、適用コード165、失効フラグ166、適用更新日167などを備えている。
【0097】
図17に示す変更点出力テーブルは、主キー振替え・採番処理、図9のメンテナンス画面10で変更データとされたデータについて、全項目を比較して変更点を格納するものであり、登録番号360、項目名361、処理状態フラグ362などを備えている。
【0098】
図18に示す最終適用コードマスタは、主キー新規採番処理のために、前回の最終適用コード番号を格納するものであり、登録番号170、最終適用コード171を備えている。
【0099】
図19に示す登録基本部展開データは、農林水産消費安全技術センターよりダウンロードした登録基本部データについて、失効フラグ、更新年月日を付けるための作業用に展開したテーブルとして使用するものであり、登録番号251、農薬の種類252、農薬の名称253、失効フラグ254、適用更新日255などを備えている。
【0100】
図20に示す登録適用部展開データは、農林水産消費安全技術センターよりダウンロードした登録適用部データについて、主キー(適用コード)、失効フラグ、更新年月日を付けるための作業用に展開したテーブルとして使用するものであり、登録番号370、作物名371、適用場所372、適用病害虫雑草名373、使用目的374、希釈倍数使用量375、散布液量376、使用時期377、本剤の使用回数378、使用方法379、くん蒸時間380、くん蒸温度381、適用土壌382、適用地帯名383、適用農薬名(混合可農薬名)384、適用コード(主キー)385、失効フラグ386、適用更新日387、処理状態フラグ388、振り替え主キー389などを備えている。
【0101】
図21に示す同意チェックテーブルは、主キー振替え・採番処理において、同意/非同意の判定に資するデータを格納するものであり、分類270、項目271、新データアイテム272、旧データアイテム273を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムの起動によるメニュー画面の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムの初期化処理を説明する図である。
【図4】主キー振替え・採番に係るデータ作成支援の前提となる適用情報の分類手順を説明する図である。
【図5】指定項目比較の具体例を示す図である。
【図6】新旧適用情報数が1:1の場合の同意行比較の具体例1を示す図である。
【図7】新旧適用情報数の比率が1:1の場合と新旧適用情報数の比率が1:1でない場合とにおける具体例2及び具体例3を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムにおける主キー振替え・採番処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムのデータメンテナンス画面の構成を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る主キー振替え・採番装置用データ作成支援システムの同意チェックテーブル登録画面の構成を示す図である。
【図11】処理状態フラグおよび処理状態フラグに値を設定するときの条件並びに処理状態フラグの値に対しデータ展開処理における処理内容を示す表である。
【図12】本発明の実施形態に係る旧登録基本部展開データのテーブル構成を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る登録基本部のテーブル構成を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る登録適用部のテーブル構成を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係る旧登録適用部展開データのテーブル構成を示す図である。
【図16】本発明の実施形態に係るメンテ済み登録適用部展開データのテーブル構成を示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係る変更点出力テーブルの構成を示す図である。
【図18】本発明の実施形態に係る最終適用コードマスタのテーブル構成を示す図である。
【図19】本発明の実施形態に係る登録基本部展開データのテーブル構成を示す図である。
【図20】本発明の実施形態に係る登録適用部展開データのテーブル構成を示す図である。
【図21】本発明の実施形態に係る同意チェックテーブルの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0103】
1 データ取込ボタン
2 データメンテナンスボタン
3 同意チェックテーブル登録ボタン
4 リカバリーボタン
5 新旧データ情報表示欄
6 状態表示欄
7 終了ボタン
8 メニュー画面
10 データメンテナンス画面
11 農薬種類コンボボックス
12 農薬名コンボボックス
13 新適用情報データグリッド
14 旧適用情報データグリッド
15 パターン項目選択コンボボックス
16 パターン選択コンボボックス(新適用情報)
17 パターン選択コンボボックス(旧適用情報)
18 同意チェックテーブル登録ボタン
19 相違項目数表示
20 相違項目選択コンボボックス
21 相違点表示(新適用情報)
22 相違点表示(旧適用情報)
23 変更登録ボタン
24 新規失効登録ボタン
25 リセットボタン
26 戻るボタン
27 新適用情報残件数
28 旧適用情報残件数
30 同意チェックテーブル登録画面
31 項目選択コンボボックス
32 登録分類項目選択コンボボックス
33 新適用情報アイテム選択リスト
34 旧適用情報アイテム選択リスト
35 登録ボタン
36 チェックテーブルデータグリッド
37 変更ボタン
38 削除ボタン
39 主キー振替え処理登録ボタン
40 戻るボタン
41 手順1
42 手順2
43 手順3
44 手順4
45 手順5
46 適用情報を新規/失効/変更のいずれかに分類
47 変更なし適用情報
48 変更適用情報
49 新規適用情報
50 失効適用情報
100 主キー振替え・採番装置用データ作成支援システム
101 データ取込処理部
102 データベース
103 データ展開処理部
104 主キー振替え処理部
105 データメンテナンス処理部
106 同意チェックテーブル登録処理部
107 同意チェックテーブル
321 登録農薬情報(CSVファイル)
322 登録適用部(主キー振替え済み)
323 新規適用情報
324 失効適用情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム起動時に表示されるメニュー画面のデータ取込みスイッチ操作で農薬登録情報中の登録適用部のデータを新データとしてデータベースに取り込むとともに該データベース中に存在する前回に取り込まれ処理された前記登録適用部のデータを旧データとして処理するデータ初期化処理手段と、
該データ初期化処理手段で処理された新旧データについて全項目比較して該新旧データが全く同じである新データを特定し、旧データのデータ取得時に別途採番した主キーを該新データの主キーとして振替える主キー振替え手段と、
前記全項目比較で特定できなかった前記新旧データの登録番号を比較し、共通しない登録番号のデータを新規データ又は失効データとして取り扱い、該新規データには新しい主キーを採番し、該失効データには失効フラグを設定する主キー採番・失効フラグ設定手段と、
前記登録番号比較で特定できなかった新旧データにおいて、前記登録番号ごとに前記登録適用部の農薬を使用する際の条件に該当する項目からなる指定項目を1つずつ比較し、前記新旧データの前記指定項目が一致とみなされ、且つ前記新旧データの数が1:1である場合には、前記新旧データは同じデータであると特定して旧データに新データの主キーを振替えるともに、前記指定項目と前記登録適用部の農薬の使用基準に該当する項目とを含む全項目について変更がある項目を変更点として出力する主キー振替え・変更点出力手段と、
前記登録適用部の農薬を使用する際の条件に該当する指定項目の比較で特定できなかった新旧データについては、メンテナンス画面を介したデータメンテナンス処理で同じであるか否かを特定し、同じデータと特定された場合は主キーの振替えを行い、同じデータと特定されない場合は新規データ又は失効データと取り扱い、該新規データには新しい主キーを採番し、該失効データには失効フラグを設定するデータメンテナンス処理手段と、
を備えることを特徴とする主キー振替え・採番装置用データ作成支援システム。
【請求項2】
前記メニュー画面におけるデータメンテナンススイッチ操作でメンテナンス画面に遷移し、該メンテナンス画面に前記指定項目の比較で特定できなかった新旧データを表示し、前記データメンテナンス処理手段は、前記新旧データが同じ内容であれば変更登録を実施して主キー振替えを行うと共に前記指定項目と前記登録適用部の農薬の使用基準に該当する項目とを含む全項目比較に係る変更点を出力し、また同じ内容でなければ新規/失効登録を実施して新規適用情報か失効適用情報かのいずれかであると処理し、前記データメンテナンス処理が完了すれば前記メニュー画面の状態表示欄に前記データメンテナンス処理の完了を表示するとともにデータ展開スイッチ操作可とすることを特徴とする請求項1に記載の主キー振替え・採番装置用データ作成支援システム。
【請求項3】
前記メンテナンス画面は、メンテナンスの必要がある農薬種類名を選択する農薬種類コンボボックスと、選択した農薬種類名の中でメンテナンスの必要がある農薬名を選択する農薬名コンボボックスと、選択された農薬種類及び農薬名のデータを表示するデータグリッドと、パターンを絞り込むための項目を選択するパターン項目選択コンボボックスと、前記データグリッドで表示されたデータの中から前記パターン項目選択コンボボックスで選択した項目の値を表示するパターン選択コンボボックスと、ボタンを押すことで同意チェックテーブル登録画面を表示する同意チェックテーブル登録ボタンと、新データと旧データが同じ内容であると判定されたとき前記データグリッドに表示された選択行同士を変更データとして出力する変更登録ボタンと、新データと旧データが異なる内容であると判定されたとき前記データグリッドに表示された新データの選択行を新規データとして出力し、また前記データグリッドに表示された旧データの選択行を失効データとして出力する新規失効登録ボタンと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の主キー振替え・採番装置用データ作成支援システム。
【請求項4】
前記メンテナンス画面に表示された前記新旧データが同じ内容であると判定された場合に前記同意チェックテーブル登録ボタンが押されたときは、同意チェックテーブル登録画面を表示して同意/非同意チェックテーブルにその内容を反映させることを特徴とする請求項3に記載の主キー振替え・採番装置用データ作成支援システム。
【請求項5】
前記同意チェックテーブル登録画面は、同意チェックテーブルを表示・登録する項目を選択する項目選択コンボボックスと、同意チェックテーブル又は非同意チェックテーブルのいずれを表示・登録するか選択する登録分類選択コンボボックスと、前記データメンテナンス画面の前記データグリッドに表示されたデータで前記項目選択コンボボックスにより選択した項目をリスト表示する情報アイテム選択リストと、前記登録分類選択コンボボックスで同意を選択した場合に、前記情報アイテム選択リストで選択した内容を同意であるとみなし、同意チェックテーブルに登録し、また前記登録分類選択コンボボックスで非同意を選択した場合に、前記情報パターン選択リストで選択した内容を同意でないとみなして非同意チェックテーブルに登録する登録ボタンと、前記項目選択コンボボックスで選択した項目について、前記登録分類選択コンボボックスで同意を選択した時は同意チェックテーブルを、また非同意を選択したときは非同意チェックテーブルを表示するチェックテーブルデータグリッドと、前記登録ボタンの押下により登録された同意チェックテーブル/非同意チェックテーブルを用いて改めて主キー振替えの処理を実行させる主キー振替え処理ボタンと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の主キー振替え・採番装置用データ作成支援システム。
【請求項6】
前記チェックテーブルデータグリッドは編集可能とし、下端に新規入力欄を有し、さらに、前記チェックテーブルデータグリッドの編集内容を登録する変更ボタンと、前記チェックテーブルデータグリッドにおける選択行を削除する削除ボタンと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の主キー振替え・採番装置用データ作成支援システム。
【請求項7】
前記メニュー画面における同意チェックテーブル登録スイッチ操作で同意チェックテーブル登録画面に遷移し、同意チェックテーブルの登録内容を閲覧可とすることを特徴とする請求項1に記載の主キー振替え・採番装置用データ作成支援システム。
【請求項8】
前記メニュー画面におけるデータ展開スイッチ操作で前記データベースに格納されたメンテ済み登録適用部の作成を実行することを特徴とする請求項1に記載の主キー振替え・採番装置用データ作成支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−223602(P2009−223602A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−67086(P2008−67086)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【出願人】(000201641)全国農業協同組合連合会 (69)
【Fターム(参考)】