説明

乗客コンベアの乗客脱出装置

【課題】乗客コンベアの通常運行に支障が無く、且つ、乗客コンベア内に閉じ込められた状態の乗客を脱出させることができる乗客コンベアの乗客脱出装置を得る。
【解決手段】乗客コンベアに設置され、非常発生時に乗客を前記乗客コンベアから脱出させる乗客コンベアの乗客脱出装置において、踏み段1の側壁を形成する内側板4に開口を形成してボックス9を埋め込み設置し、前記開口に通常時は前記開口を塞ぎ、非常発生時に前記開口を開放するカバー5を備えると共に、前記乗客脱出装置は、構成部材が繋ぎ部材14により回動可能に連結されて畳まれてボックス9に収納され、上端部が乗客コンベアの躯体に固定される脚組立体11と、構成部材が繋ぎ部材により回動可能に連結されて畳まれてボックス9に収納され、脚組立体11と回動可能に連結される柵組立体12と、畳まれてボックス9に収納され、一端部が軸15に固定される縄梯子組立体13とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エスカレーターや電動道路などの乗客コンベアに設けられ、非常発生時に乗客を乗客コンベアから脱出させる乗客コンベアの乗客脱出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベーターにおいては、地震などの災害によりエレベーターが止まった場合に、乗客がかごの中に閉じ込められた状態となるため、乗客をかごから救出する方法あるいは装置が多く提案されている。これと同じように、エスカレーターや電動道路などの乗客コンベアにおいても、地震などの災害発生時における大型落下物により、乗客コンベアが止まると共に踏段が遮断されると、乗客が乗客コンベア内に閉じ込められた状態となり、救出を待たなければならない。しかし、広域大型地震が発生した場合、救出ルートが混雑したり、重症者が優先されるなど、早急なる脱出が懸念される。
【0003】
このため、乗客コンベアにおいても、地震などの非常事態の発生により、乗客コンベア内に閉じ込められた状態の乗客を安全に脱出させるための手段を設けることが必要で、広域地震が予測されている中、乗客コンベアの通常運行に支障が無く、且つ、確実に脱出できる災害対策が強く望まれる。
【0004】
ところで、乗客コンベアの乗客脱出装置として、従来、特許文献1に開示されているように、移動搬送帯の両側に設けられた手摺の一側の中間部分を分断すると共に、欄干の一側の中間部分を分断し、更に、この欄干の分断部に開口可能に閉塞体を設けて構成した乗客脱出装置がある。この特許文献1に開示された装置は、非常発生時に前記閉塞体を開口させ、該開口から乗客を脱出させるものである。
【0005】
また、特許文献2には、欄干に退避部を設けると共に、欄干の外側に前記退避部に連通する待避所および退避路を設けた乗客脱出装置が開示されている。この特許文献2に開示された装置は、非常発生時に、踏板上から前記退避部に足を掛けて欄干を乗越え、待避所から退避路を経て乗客を脱出させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭53−31790号公報(実用新案登録請求の範囲の欄、図1、図2)
【特許文献2】特開平2−215692号公報(特許請求の範囲の欄、第1図、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1に開示された乗客脱出装置は、乗客の上半身を支えるために設けられた手摺が分断されているため、平常時に利用する乗客が欄干の分断部で手摺を掴むことができず、不安定な利用状態を強いられる課題がある。また、閉塞体の存在が欄干の内側面に危険な間隙を形成するため、この間隙に人体や衣装が引き込まれるという安全上の課題もあって、運用面から現実的でない課題がある。
【0008】
また、前記特許文献2に開示された乗客脱出装置は、欄干に設けた退避部を待避所および退避路と連通させる必要があって、待避所および退避路の設置スペースを必要とし、また、装置が大掛かりになって運用面やコスト面から現実的でない課題がある。
【0009】
この発明は前記のような課題を解決するためになされたもので、乗客コンベアの通常運行に支障が無く、且つ、乗客コンベア内に閉じ込められた状態の乗客を脱出させることができる乗客コンベアの乗客脱出装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る乗客コンベアの乗客脱出装置は、一方の乗降口から他方の乗降口へ移動する踏み段と、前記踏み段と同期して移動する手摺と、前記手摺を案内すると共に、前記踏み段の側壁を形成する内側板を有する欄干とを備えた乗客コンベアに設置され、非常発生時に乗客を前記乗客コンベアから脱出させる乗客コンベアの乗客脱出装置において、前記内側板に開口を形成して前記乗客脱出装置の収納部を構成し、前記開口に通常時は前記開口を塞ぎ、非常発生時に前記開口を開放する蓋体を備えると共に、前記乗客脱出装置は、構成部材が繋ぎ部材により回動可能に連結されて畳まれて前記収納部に収納され、上端部が乗客コンベアの躯体に固定される脚組立体と、構成部材が繋ぎ部材により回動可能に連結されて畳まれて前記収納部に収納され、前記脚組立体と回動可能に連結される柵組立体と、畳まれて前記収納部に収納され、一端部が前記乗客コンベアの固定部に固定される縄梯子組立体と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、乗客コンベアの通常運行に支障が無く、且つ、乗客コンベア内に閉じ込められた状態の乗客を脱出させることができる乗客コンベアの乗客脱出装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係る乗客脱出装置を収納するエスカレーター内側面を示す図である。
【図2】図1の蓋体を取外した状態を示す図である。
【図3】図2の側断面を示す図である。
【図4】繋ぎ部材を示す部分拡大図である。
【図5】繋ぎ部材を示す部分拡大図である。
【図6】縄梯子組立体の平面から見た断面相当図である。
【図7】図6の矢印A方向から見た断面相当図である。
【図8】図6の矢印B方向から見た拡大断面相当図である。
【図9】足掛け部材内部品である輪状板の形状を表す図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る乗客脱出装置の組立図である。
【図11】図10の乗客脱出装置を背面側から見た図である。
【図12】図10の乗客脱出装置を側面側から見た図である。
【図13】図12のC部拡大図である。
【図14】縄梯子組立体を構成する足掛け部材の動作図である。
【図15】図14の矢印D方向から見た拡大図である。
【図16】この発明の実施の形態1に係る乗客脱出装置の利用図である。
【図17】この発明の実施の形態2に係る乗客脱出装置を収納するエスカレーター外側面を示す図である。
【図18】外側板の開口内に設置された梯子組立体の収納時の正面図である。
【図19】図18に示す梯子組立体の収納時を側面側から見た図である。
【図20】この発明の実施の形態2に係る乗客脱出装置を側面側から見た図である。
【図21】この発明の実施の形態2に係る乗客脱出装置をエスカレーターの外側面から見た図である。
【図22】図21のE部拡大図である。
【図23】この発明の実施の形態2に係る乗客脱出装置の利用図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して、この発明に係る乗客コンベアの乗客脱出装置について好適な実施の形態を説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、諸種の設計的変更をも包摂するものである。
【0014】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る乗客脱出装置を収納するエスカレーター内側面を示している。図1において、乗客が乗る踏み段1の両側(図では一側のみ示す)に欄干2が設けられ、欄干2の上に踏み段1と同期して移動する手摺3が設置されている。欄干2には踏み段1の側壁となる内側板4が設けられており、一方の乗降口と他方の乗降口の略中央部に開口が形成されている。この開口には、開口を塞ぐ蓋体5が設置されている。蓋体5の図1において裏面には後述する乗客脱出装置が収納されている。
【0015】
蓋体5は、平常時に開放しないように電気錠6で押さえ付けられており、電気錠6は外部からの信号で錠の開閉動作をするように構成されている。電気錠6は、停電、地震、振動など乗客がエスカレーター内に閉じ込められそうな状況が発生した時、係員が信号を入力したり、或いはこれらの状況が発生した時に動作する信号を取り込み、電気錠6の開閉動作を行い、蓋体5を開放するように構成してもよい。また、蓋体5にはロック装置7が設けられており、電気錠6が開状態で取手8を引くとこれに連動してロックを解除し、蓋体5を内側板4から開放することができる構成となっている。そして、内部の乗客脱出装置を取り出すことができる。
【0016】
次に、乗客脱出装置について説明する。図2は蓋体5を取外した状態を示し、図3はその側断面を示している。図2および図3において、内側板4の開口にはボックス9が埋め込み設置されて乗客脱出装置10の収納部を構成し、乗客脱出装置10が外側の他機器には触れないように収納されている。
【0017】
乗客脱出装置10は、脚組立体11、柵組立体12、縄梯子組立体13を備えており、脚組立体11、柵組立体12は、それぞれの構成部材を繋ぎ部材14により連結され畳まれてボックス9に収納されている。縄梯子組立体13も畳まれてボックス9に収納されている。ボックス9の上部には水平方向に延長する軸15が設置され、両端がエスカレーターの躯体に堅固に固定されている。この軸15に脚組立体11の上端部が回動可能に支えられており、脚組立体11に柵組立体12、縄梯子組立体13が連結されている。これにより、脚組立体11、柵組立体12、縄梯子組立体13が軸15に支えられている。
【0018】
脚組立体11の下端先端部には脚先端部11aが設けられ、脚先端部11aの先端に脚固定部11bが設けられている。一方の脚先端部11aの脚固定部11bには、先端に調整脚11cが繋ぎ部材16で連結されている。調整脚11cは、固定する踏み段1の高さに応じて、例えば、図2では紙面左側の踏み段1の上面が右側に比べ低く、この高さを調節するために必要となる。
【0019】
図4は、繋ぎ部材14を示す部分拡大図である。図4中の符号14aは、例えば、10円硬貨などをはめ込める椀形のねじ溝で、10円硬貨をはめ込んで回すと脚先端部11aの連結が締め付けられ、図4に示すように、任意の角度状態で固定できる。また、図5は、繋ぎ部材16を示す部分拡大図で、脚先端部11aの内部に調整脚11cが入り込む入り口に繋ぎ部材16が位置して連結し、図5に示すように繋ぎ部材16を左右にまわすことにより連結力の調整ができる。
【0020】
図6〜図9は、縄梯子組立体13の構成を示す断面相当図で、図6は平面から見た断面相当図、図7は図6の矢印A方向から見た断面相当図、図8は図6の矢印B方向から見た拡大断面相当図、図9は足掛け部材内の部品である輪状板の形状を表す図である。図6〜図9において、縄梯子組立体13は、例えば金属製で重量のある管状の足掛け部材13aを備えている。足掛け部材13aの両端部内には羽部材13bが設けられ、この羽部材13bは輪状板13cのはめ込み金具13dにピン13eで環状に連結されている。
【0021】
また、羽部材13bは、輪状板13cの反対側に連結された支え部材13fに取り付けた開きばね13gにより支え部材13f側に引力を受け、外側に広がる力が働いている。しかし、支え部材13fは、ばね13hにより足掛け部材13aの中央方向に力を受け、ストッパ13iで止まっているため、羽部材13bは足掛け部材13aの管内に位置し、外側には広がらない。なお、符号13jは縄を示し、この縄13jは、一端部が乗客コンベアの固定部、例えば軸15に固定され、他端部が足掛け部材13aの端部より管状内部に入り、支え部材13fに形成された穴13kを通って再び足掛け部材13aの端部から出て次の足掛け部材13aに繋がっている。そして、前記のように構成された縄梯子組立体13は、図2、図3に示すように、足掛け部材13a同士が接したすし詰め状態でコンパクトにボックス9内に収納されている。
【0022】
図10〜図15は乗客脱出装置10を組み立てた図で、図10は乗客脱出装置10の組立図、図11は図10を背面側から見た図、図12は図10を側面側から見た図、図13は図12のC部拡大図、図14は縄梯子組立体13を構成する足掛け部材13aの動作図、図15は図14の矢印D方向から見た拡大図である。
【0023】
図10において、繋ぎ部材14、繋ぎ部材16などの調整により脚組立体11を踏み段1のライザ1aに固定する。なお、脚固定部11bの設置に関しては、図12のC部あるいは図13に示すように、脚固定部11bを例えば足で踏み付けることにより、脚固定部11bの裏面に設置されてライザ1aの間隔と同じ幅の硬質ゴム11dをライザ1aに固定する。
【0024】
次に、柵組立体12の手摺押え12aを、手摺3を跨ぐように踏み段1の側壁となる内側板4と欄干2の外側に設けられる外側板17の上部にはめ込み、繋ぎ部材14を閉め込んで固定する。その後、縄梯子組立体13を外側板17の外に下ろしていくと、重量のある足掛け部材13aの自重が縄13jにかかる関係上、図14、15に示すように、支え部材13fがばね13hの引力に打勝って両端方向に引きずられ、ストッパ13lにて止まる。そして、羽部材13bは足掛け部材13aの外に突出しているので、開きばね13gにより花が咲くように広がる。
【0025】
以上のように実施の形態1に係る乗客脱出装置10によれば、図16に利用図を示すように、脚組立体11、柵組立体12が堅固に設置でき、縄梯子組立体13も足掛け部材13aの自重により羽部材13bが開き、乗客18が足をかけても安定し、且つ、壁や外側板16と縄13jの間に隙間ができるようになる。従って、縄13jを掴み易く、又、足のつま先も十分縄13jに架かり安全な脱出ができる。
【0026】
また、乗客脱出装置10は、踏み段1の側壁となる内側板4内に設置し、非常発生時にならないと蓋体5は開放されないので、通常時の運行を邪魔しないし、通常時むやみに乗客脱出装置10を組み立てられることはない。
【0027】
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る乗客脱出装置について説明する。実施の形態2に係る乗客脱出装置は、実施の形態1の縄梯子組立体に代わり、エスカレーター外側面に梯子組立体を設置して乗客脱出装置を構成するもので、脚組立体と柵組立体については実施の形態1と同様である。
【0028】
図17は、実施の形態2に係る乗客脱出装置を収納するエスカレーター外側面を示している。図17において、外側板17に開口20が形成されており、開口20を塞ぐように蓋体21が設置されている。開口20は、内側板4に設置されたボックス9の背面と略同位置に形成されている。蓋体21は、実施の形態1で説明したロック装置7に連動してロックが外れるロック装置22により、開口20から下方に形成される溝23に沿ってスライド下降する。なお、開口20には蓋体21の下降を緩やかにするばね24と、蓋体21の開放を報知する報知装置25が設置され、乗客に蓋体21の開放を報知する。
【0029】
図18は、外側板17の開口20内に設置された梯子組立体の収納時の正面図であり、図19はその側面図である。図18および図19において、開口20が形成された外側板17内の上部に、水平方向に延長する上軸26が設けられ、下部には水平方向に延長する下軸27が設けられている。上軸26および下軸27は、共に両端がエスカレーターの躯体などに堅固に設置され、後述する梯子組立体28を支えている。なお、外側板17と手摺3の間には両者を繋ぐデッキボード29が設けられている。
【0030】
梯子組立体28は、上軸26と下軸27を支点として繋ぎ部材28a、28bが反時計回りに緩やかに下降し、横梯子28cが水平で止まるように繋ぎ部材28a、28bが調整されている。また、梯子調整部28d、梯子着地部28eも繋ぎ部材28bを支点として反時計回りに下降する。
【0031】
梯子着地部28eは先端がとがっていて、その外径は細く徐々に太くなり端部の外径は下部梯子28fの内径に密着するよう梯子調整部28dが調整されている。また、図20に示すように、下部梯子28fの内部に納まった梯子着地部28eが下部梯子28fよりせり出し、梯子着地部28eが床面に届くとき、図21およびそのE部拡大図である図22に示すように、梯子着地部28eの内部に設けられたストッパ28gが下部梯子28fの穴28hを貫き、梯子着地部28eが下部梯子28fに固定される。なお、その他の構成については、実施の形態1と同様であり、同一符号を付すことにより重複説明を省略する。また、実施の形態2においては、脚組立体11と柵組立体12および梯子組立体28により、乗客脱出装置30が構成されている。
【0032】
実施の形態2に係る乗客脱出装置30は前記のように構成されており、次のように動作する。非常発生時、ロック装置7と連動するロック装置22が開いて、蓋体21が下降すると、梯子組立体28は上軸26、下軸27を支点として反時計回りに回動し、次いで梯子着地部28eも繋ぎ部材28bを支点に反時計回りに回転する。下部梯子28f内よリスライド下降した梯子着地部28eが着地するとき、梯子調整部28dの調整により下部梯子28fの内径と密着し、且つ、係止手段であるストッパ28gが穴28hに入り込んで下部梯子28fと梯子着地部28eが係止する。
【0033】
以上のように、実施の形態2に係る乗客脱出装置30によれば、欄干2の外側に設けられた外側板17内に梯子組立体28が収納されており、非常発生時にロック装置22が開くことにより、梯子組立体28が自動的にしっかり設置できるので、図23に利用図を示すように、乗客18がエスカレーター内から安全に脱出できる。
【符号の説明】
【0034】
1 踏み段 1a ライザ
2 欄干 3 手摺
4 内側板 5、21 蓋体
6 電気錠 7、22 ロック装置
8 取手 9 ボックス
10、30 乗客脱出装置 11 脚組立体
11a 脚先端部 11b 脚固定部
11c 調整脚 11d 硬質ゴム
12 柵組立体 12a 手摺押え
13 縄梯子組立体 13a 足掛け部材
13b 羽部材 13c 輪状板
13d はめ込み金具 13e ピン
13f 支え部材 13g 開きばね
13h、24 ばね 13i ストッパ
13j 縄 13k、28h 穴
13l、28g ストッパ 14、16、28a、28b 繋ぎ部材
14a 固定ねじ溝 15 軸
17 外側板 18 乗客
20 開口 23 溝
25 報知装置 26 上軸
27 下軸 28 梯子組立体
28c 横梯子 28d 梯子調整部
28e 梯子着地部 28f 下部梯子
29 デッキボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の乗降口から他方の乗降口へ移動する踏み段と、前記踏み段と同期して移動する手摺と、前記手摺を案内すると共に、前記踏み段の側壁を形成する内側板を有する欄干とを備えた乗客コンベアに設置され、非常発生時に乗客を前記乗客コンベアから脱出させる乗客コンベアの乗客脱出装置において、
前記内側板に開口を形成して前記乗客脱出装置の収納部を構成し、前記開口に通常時は前記開口を塞ぎ、非常発生時に前記開口を開放する蓋体を備えると共に、
前記乗客脱出装置は、構成部材が繋ぎ部材により回動可能に連結されて畳まれて前記収納部に収納され、上端部が乗客コンベアの躯体に固定される脚組立体と、構成部材が繋ぎ部材により回動可能に連結されて畳まれて前記収納部に収納され、前記脚組立体と回動可能に連結される柵組立体と、畳まれて前記収納部に収納され、一端部が前記乗客コンベアの固定部に固定される縄梯子組立体と、を備えたことを特徴とする乗客コンベアの乗客脱出装置。
【請求項2】
前記縄梯子組立体の足掛け部を管状の足掛け部材で構成し、前記足掛け部材の両端部内に前記足掛け部材の自重により前記足掛け部材の両端部から突出して広がる羽部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベアの乗客脱出装置。
【請求項3】
前記羽部材は、広がった時に前記欄干の外側に設けられる外側板との間で、所定の隙間を形成するものであることを特徴とする請求項2に記載の乗客コンベアの乗客脱出装置。
【請求項4】
一方の乗降口から他方の乗降口へ移動する踏み段と、前記踏み段と同期して移動する手摺と、前記手摺を案内すると共に、前記踏み段の側壁を形成する内側板を有する欄干とを備えた乗客コンベアに設置され、非常発生時に乗客を前記乗客コンベアから脱出させる乗客コンベアの乗客脱出装置において、
前記内側板に第1の開口を形成して前記乗客脱出装置の脚組立体と柵組立体を収納する第1の収納部を構成し、前記第1の開口に通常時は前記第1の開口を塞ぎ、非常発生時に前記第1の開口を開放する第1の蓋体を備えると共に、
前記欄干の外側に設けられた外側板に第2の開口を形成して前記乗客脱出装置の梯子組立体を収納する第2の収納部を構成し、前記第2の開口に前記第1の蓋体に連動して前記第2の開口を開放する第2の蓋体を備え、
前記脚組立体は、構成部材が繋ぎ部材により回動可能に連結されて畳まれて前記第1の収納部に収納されると共に上端部が乗客コンベアの躯体に固定され、
前記柵組立体は、構成部材が繋ぎ部材により回動可能に連結されて畳まれて前記第1の収納部に収納されると共に前記脚組立体と回動可能に連結され、
前記梯子組立体は、構成部材が繋ぎ部材により回動可能に連結されて畳まれて前記第2の収納部に収納されることを特徴とする乗客コンベアの乗客脱出装置。
【請求項5】
前記梯子組立体は、乗客脱出装置の動作時に前記梯子組立体の下部梯子よリスライド下降して着地する梯子着地部と、前記梯子着地部が着地した時に前記下部梯子と前記梯子着地部が係止する係止手段と、を備えたことを特徴とする請求項4に記載の乗客コンベアの乗客脱出装置。
【請求項6】
前記脚組立体の下端先端部に、前記踏み段の高さに応じて長さを変化できる調整脚を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の乗客コンベアの乗客脱出装置。
【請求項7】
前記繋ぎ部材は、硬貨をはめ込める椀形のねじ溝を有し、前記ねじ溝に前記硬貨をはめ込んで回すと前記繋ぎ部材で連結される前記構成部材を任意の角度状態で固定できるものであることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の乗客コンベアの乗客脱出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−178517(P2011−178517A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44308(P2010−44308)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】